特許第6206618号(P6206618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6206618
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】石炭火力発電設備
(51)【国際特許分類】
   F23J 15/00 20060101AFI20170925BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20170925BHJP
   B03C 3/019 20060101ALI20170925BHJP
   B03C 3/02 20060101ALI20170925BHJP
   B03C 3/155 20060101ALI20170925BHJP
   B03C 3/62 20060101ALI20170925BHJP
   B01D 53/80 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   F23J15/00 JZAB
   B01D53/50 245
   B03C3/019
   B03C3/02 B
   B03C3/155 C
   B03C3/62
   B01D53/80
   F23J15/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-505668(P2017-505668)
(86)(22)【出願日】2016年10月4日
(86)【国際出願番号】JP2016079530
【審査請求日】2017年2月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】清永 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】引野 健治
(72)【発明者】
【氏名】盛田 啓一郎
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−069463(JP,A)
【文献】 特開2009−074770(JP,A)
【文献】 特開平11−128658(JP,A)
【文献】 特表2014−500430(JP,A)
【文献】 特開2006−035123(JP,A)
【文献】 特開2011−064161(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/065908(WO,A1)
【文献】 特開2014−018765(JP,A)
【文献】 特開平10−174899(JP,A)
【文献】 特開2007−270649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 1/00
F23J 15/00
B01D 35/06
B01D 53/50
B01D 53/80
B03C 3/01
B03C 3/019
B03C 3/02
B03C 3/38
B03C 3/40
B03C 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる石炭灰を捕捉する集塵装置と、
複数の排ガス流通穴が形成され、正に帯電されるハニカム構造体を備え、前記排ガス流通穴が排ガスの排気通路に沿うように配置される微粒子吸着層と、
前記微粒子吸着層の下流側に配置され、排ガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置と、
を備え
前記ハニカム構造体は、絶縁体である石炭火力発電設備。
【請求項2】
前記微粒子吸着層は、前記集塵装置の下流側における排ガスの排気通路に沿うように配置される請求項1に記載の石炭火力発電設備。
【請求項3】
前記微粒子吸着層は、セラミックス材料を含む、請求項1又は2に記載の石炭火力発電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置を備える石炭火力発電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭火力発電設備では、石炭の燃焼に伴い硫黄酸化物が発生するが、大気汚染防止法等により、硫黄酸化物の排出は一定水準以下に抑えることが必要となっている。そこで石炭火力発電設備では、硫黄酸化物を除去する脱硫装置を設置している。この脱硫装置としては、湿式脱硫装置が一般的に用いられている。すなわち、排ガスに石灰石と水との混合液を吹き付けることにより、排ガスに含有されている硫黄酸化物を混合液に吸収させ、その後脱水処理することで脱硫を実現している。
【0003】
この脱水処理において発生する排水には、微量のホウ素、セレン等の微量物質が含まれる。水質汚濁防止法等により、これらの微量物質の排出は一定水準以下に抑える事が必要となっている。そこで、石炭火力発電所では、脱硫装置から発生する排水を処理する排水処理装置が設けられている。しかし、排水中に微量物質が多量に含まれると、排水処理装置の負担が大きくなるため、対策が必要となる。
【0004】
そのため、排ガス中の微量物質を集塵装置で除去(捕捉)することで排水処理装置の負担を軽減している。また、集塵装置を設けたうえで、集塵装置で捕捉することが難しい微小な煤塵(石炭灰)を除去するために、集塵装置の出口側に湿式スクラバーを設置する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−237073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、引用文献1の技術を用いた場合、湿式スクラバーにおいて石炭灰を含む排水が発生し、この排水を処理するために大きなコストがかかってしまう。
【0007】
本発明は、集塵装置で捕捉することが難しい石炭灰を、大きなコストアップをまねくことなく効率よく捕捉できる石炭火力発電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる石炭灰を捕捉する集塵装置と、排ガス流通穴が排ガスの排気通路に沿うように配置され、正に帯電される微粒子吸着層と、前記微粒子吸着層の下流側に配置され、排ガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置と、を備える石炭火力発電設備に関する。
【0009】
また、前記微粒子吸着層は、前記集塵装置の下流側における排ガスの排気通路に沿うように配置されることが好ましい。
【0010】
また、前記微粒子吸着層は、セラミックス材料を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、集塵装置で捕捉することが難しい石炭灰を効率よく捕捉できる石炭火力発電設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る石炭火力発電設備10を示す概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る微粒子吸着層210付近の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る石炭火力発電設備10を示す概略構成図である。本実施形態の石炭火力発電設備10は、図1に示すように、石炭バンカ20と、給炭機25と、微粉炭機30と、ボイラ40と、ボイラ40の下流側に設けられた排気通路50と、この排気通路50に設けられた脱硝装置60、空気予熱器70、熱回収用ガスヒータ80、電気集塵装置90、誘引通風機190、微粒子吸着層210、脱硫装置220、再加熱用ガスヒータ230、脱硫通風機240、及び煙突250と、を備える。
【0014】
石炭バンカ20は、石炭サイロ(図示しない)から運炭設備によって供給された石炭を貯蔵する。給炭機25は、石炭バンカ20から供給された石炭を所定の供給スピードで微粉炭機30に供給する。
微粉炭機30としては、ローラミル、チューブミル、ボールミル、ビータミル、インペラーミル等が用いられる。
【0015】
ボイラ40は、微粉炭機30から供給された微粉炭を、強制的に供給された空気と共に燃焼する。またボイラ40には、押込通風機75から燃焼用空気が送り込まれる。微粉炭を燃焼することによりクリンカアッシュ及びフライアッシュ等の石炭灰が生成されると共に、排ガスが発生する。
石炭灰の主成分は、シリカ(SiO)40〜70%、アルミナ(Al)20〜40%であり、他に酸化鉄(Fe)、カルシウム(CaO)、カリウム(KO)、マグネシウム(MgO)、ナトリウム(NaO)等が少量含まれる。
【0016】
排気通路50は、ボイラ40の下流側に配置され、ボイラ40で発生した排ガス及び生成された石炭灰を流通させる。この排気通路50には、上述のように、脱硝装置60、空気予熱器70、熱回収用ガスヒータ80、電気集塵装置90、誘引通風機190、微粒子吸着層210、脱硫装置220と、再加熱用ガスヒータ230、脱硫通風機240、及び煙突250がこの順で配置される。
排気通路50を流通する間に、排ガスに含まれる石炭灰は、摩擦力等により負に帯電する。
【0017】
脱硝装置60は、排ガス中の窒素酸化物を除去する。本実施形態では、脱硝装置60は、比較的高温(300℃〜400℃)の排ガス中に還元剤としてアンモニアガスを注入し、脱硝触媒との作用により排ガス中の窒素酸化物を無害な窒素と水蒸気に分解する、いわゆる乾式アンモニア接触還元法により排ガス中の窒素酸化物を除去する。
【0018】
空気予熱器70は、排気通路50における脱硝装置60の下流側に配置される。空気予熱器70は、脱硝装置60を通過した排ガスと燃焼用空気とを熱交換させ、排ガスを冷却すると共に、燃焼用空気を加熱する。加熱された燃焼用空気は、押込通風機75によりボイラ40に供給される。
【0019】
熱回収用ガスヒータ80は、排気通路50における空気予熱器70の下流側に配置される。熱回収用ガスヒータ80には、空気予熱器70において熱回収された排ガスが供給される。熱回収用ガスヒータ80は、排ガスから更に熱回収する。
【0020】
電気集塵装置90は、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる石炭灰を捕捉する。詳細には、電気集塵装置90は、排気通路50における熱回収用ガスヒータ80の下流側に配置される。電気集塵装置90には、熱回収用ガスヒータ80において熱回収された排ガスが供給される。電気集塵装置90は、電極に電圧を印加することによって排ガス中の石炭灰(フライアッシュ)を収集(捕捉)する。電気集塵装置90において収集(捕捉)されるフライアッシュは、フライアッシュ回収装置120に回収される。
【0021】
電気集塵装置90によって、フライアッシュが捕捉されるので、電気集塵装置90の下流側の排気通路50を流通する排ガスからフライアッシュが除去される。しかし、電気集塵装置90で捕捉することが難しい石炭灰(例えば、粒径が20μm程度以下となる微小な石炭灰)は、電気集塵装置90の下流側の排気通路50を流通する排ガスに含まれる。
【0022】
電気集塵装置90の下流側において、排気通路50は、電気集塵装置90と脱硫装置220とを接続する。排気通路50における電気集塵装置90と脱硫装置220との間には、誘引通風機190と微粒子吸着層210とが配置される。排気通路50は、電気集塵装置90、誘引通風機190、微粒子吸着層210、脱硫装置220の順で排ガスを流通させる。
【0023】
誘引通風機190は、排気通路50における電気集塵装置90の下流側に配置される。誘引通風機190は、電気集塵装置90においてフライアッシュが除去された排ガスを、一次側から取り込んで二次側に送り出す。
【0024】
微粒子吸着層210は、電気集塵装置90の下流側、且つ脱硫装置220の上流側に配置される。図2を用いて微粒子吸着層210付近の構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る微粒子吸着層210付近の構成を示す模式図である。
【0025】
微粒子吸着層210は、排ガス流通穴214が電気集塵装置90の下流側における排ガスの排気通路50に沿うように配置され、正に帯電される。本実施形態においては、微粒子吸着層210は、誘引通風機190の下流側において、上向きに延びる排気通路50の途中に配置される。また、微粒子吸着層210は、図2に示すように、ケーシング211と、排ガス流通穴214が形成されたハニカム構造体212と、シール部材213と、を備える。
【0026】
ケーシング211は、一端及び他端が開放された角筒状の金属部材により構成される。本実施形態においては、ケーシング211は、開放された一端及び他端が排気通路50に沿うように、つまり、ケーシング211の内部を排ガスが流通するように配置される。また、複数のケーシング211は排気通路50を覆うように当接した状態で連結されて配置される。
【0027】
ハニカム構造体212は、長尺状(直方体状)に形成される。また、ハニカム構造体212には、長手方向に延びる複数の排ガス流通穴214が形成される。ハニカム構造体212は、ケーシング211において、排ガス流通穴214の延びる方向が排ガスの流路に沿うように配置される。また、ハニカム構造体212は、ケーシング211を充填するように配置される。そのため、排ガスは、排気通路50における流通過程において微粒子吸着層210(排ガス流通穴214)を経由する。
本実施形態においては、ハニカム構造体212は、正に帯電される。ハニカム構造体212を正に帯電させる方法としては、ハニカム構造体212に帯電装置を接続し、ハニカム構造体212に荷電する方法等が挙げられ、ハニカム構造体212自体が高い誘電率(電荷を蓄える能力)を有する物質(例えばプラスティック、セラミックや絶縁体の金属)等であってもよい。
【0028】
上述の通り排気通路50を流通する排ガスに含まれる石炭灰は、負に帯電している。電気集塵装置90で捕捉することが難しい微小な石炭灰も同様に負に帯電している。そのため、正に帯電された微粒子吸着層210は、クーロン力により負に帯電した石炭灰(電気集塵装置90で捕捉することが難しい石炭灰)を吸着する。つまり、負に帯電した石炭灰は、正に帯電された微粒子吸着層210によって捕捉される。
【0029】
効率よく負に帯電した石炭灰を捕捉するために、排ガス流通穴214の長さ(奥行き)は、50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましい。
【0030】
シール部材213は、短手方向に隣り合って配置されるハニカム構造体212の間に配置され、隣り合って配置されるハニカム構造体212の間の隙間に排ガスが流入することを防ぐ。シール部材213は、ハニカム構造体212の長手方向の一端側及び他端側の所定の長さの部分に巻きつけられている。
【0031】
本実施形態においては、微粒子吸着層210は、セラミックス材料を含む。詳細には、ハニカム構造体212及びシール部材213はセラミックス材料により形成される。より詳細には、ハニカム構造体212は、多孔質のセラミックス材料(例えば、酸化チタンや酸化ジルコニウム等)からなる。ハニカム構造体212は、多孔質のセラミックス材料を押出成形することで形成される。また、シール部材213は、アルミナやシリカを主成分とした無機繊維及びバインダを混合して構成したセラミックスペーパからなる。
【0032】
脱硫装置220は、微粒子吸着層210の下流側に配置され、排ガスに含まれる硫黄化合物を除去する。詳細には、脱硫装置220は、排気通路50における誘引通風機190の下流側に配置される。脱硫装置220には、誘引通風機190から送り出された排ガスが供給される。脱硫装置220は、排ガスに石灰石と水との混合液を吹き付けることにより、排ガスに含有されている硫黄酸化物を混合液に吸収させて脱硫石膏スラリーを生成させ、この脱硫石膏スラリーを脱水処理することで脱硫石膏を生成する。脱硫装置220において生成された脱硫石膏は、この装置に接続された脱硫石膏回収装置222に回収される。
【0033】
再加熱用ガスヒータ230は、排気通路50における脱硫装置220の下流側に配置される。再加熱用ガスヒータ230には、脱硫装置220において硫黄酸化物が除去された排ガスが供給される。再加熱用ガスヒータ230は、排ガスを加熱する。熱回収用ガスヒータ80及び再加熱用ガスヒータ230は、排気通路50における、空気予熱器70と電気集塵装置90との間を流通する排ガスと、脱硫装置220と脱硫通風機240との間を流通する排ガスと、の間で熱交換を行うガスヒータとして構成してもよい。
【0034】
脱硫通風機240は、排気通路50における再加熱用ガスヒータ230の下流側に配置される。脱硫通風機240は、再加熱用ガスヒータ230において加熱された排ガスを一次側から取り込んで二次側に送り出す。
【0035】
煙突250は、排気通路50における脱硫通風機240の下流側に配置される。煙突250には、再加熱用ガスヒータ230で加熱された排ガスが導入される。煙突250は、排ガスを排出する。
【0036】
以上、説明したように構成された本実施形態の石炭火力発電設備10は、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる石炭灰を捕捉する電気集塵装置90と、排ガス流通穴214が排ガスの排気通路50に沿うように配置され、正に帯電される微粒子吸着層210と、微粒子吸着層210の下流側に配置され、排ガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置220とを備える。
そのため、電気集塵装置90で捕捉することが難しい微小な石炭灰(負に帯電した石炭灰)は、正に帯電された微粒子吸着層210によって捕捉される。これにより、集塵装置で捕捉することが難しい微小な石炭灰を効率よく捕捉できる。
【0037】
また、微粒子吸着層210は、電気集塵装置90の下流側における排ガスの排気通路50に沿うように配置される。
そのため、微粒子吸着層210には、電気集塵装置90において大部分の石炭灰が補足された後の排ガスが流通するため、微粒子吸着層210が汚れにくく、微粒子吸着層210を長寿命化できる。また、微粒子吸着層210における微小な石炭灰の補足効率をより向上させられる。
【0038】
また、微粒子吸着層210は、セラミックス材料を含む。そのため、微粒子吸着層210は、耐熱性、耐食性を有する。これにより、微粒子吸着層を長期間にわたって使用できる。また、微粒子吸着層210を多孔質のハニカム構造体212を含んで構成することで、吸着された微小な石炭灰が脱落することを防げる。
【0039】
また、微粒子吸着層210は、上向きに延びる排気通路50の途中に配置される。そのため、仮に微粒子吸着層210で捕捉した石炭灰が重力により自然落下することがあっても、微粒子吸着層210よりも下流に捕捉した石炭灰は流出しない。これにより、微粒子吸着層210で捕捉した石炭灰が下流に流出することを防止できる。
【0040】
以上、本発明の石炭火力発電設備10の好ましい各実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0041】
例えば、微粒子吸着層210は、セラミックス材料を含むと説明したが、微粒子吸着層210に含まれる材料はセラミックス材料に限定されない。微粒子吸着層210は、絶縁性のゴム材料を含んでもよく、導電性の金属材料を含んでもよい。また、微粒子吸着層210は、セラミックス材料を含まなくてもよい。
【0042】
また、微粒子吸着層210は、排気通路50における電気集塵装置90と脱硫装置220との間に配置されていればよく、上向きに延びる排気通路50の途中に配置されなくてもよい。また、微粒子吸着層210は、誘引通風機190の上流側に配置されてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、微粒子吸着層210を、排気通路50における電気集塵装置90の下流側に配置したが、これに限らない。すなわち、微粒子吸着層を、電気集塵装置の上流側に配置してもよく、また、微粒子吸着層を、電気集塵装置の上流側及び下流側の2箇所に配置してもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 石炭火力発電設備
50 排気通路
90 電気集塵装置(集塵装置)
210 微粒子吸着層
214 排ガス流通穴
220 脱硫装置
【要約】
集塵装置で捕捉することが難しい石炭灰を効率よく捕捉できる石炭火力発電設備を提供すること。
石炭火力発電設備10は、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる石炭灰を捕捉する集塵装置90と、排ガス流通穴214が排ガスの排気通路50に沿うように配置され、正に帯電される微粒子吸着層210と、微粒子吸着層210の下流側に配置され、排ガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置220と、を備える。
図1
図2