特許第6206658号(P6206658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206658
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】コネクタの嵌合構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 27/00 20060101AFI20170925BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H01R27/00 Z
   H01R13/52 301H
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-186987(P2013-186987)
(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2015-56207(P2015-56207A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
(72)【発明者】
【氏名】吉儀 利正
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓久
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−071037(JP,A)
【文献】 特開2007−179924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 27/00
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄雌一対のコネクタの少なくとも一方のコネクタを嵌合方向に移動させる回転部材を有する回転部材有り雌コネクタに嵌合可能に嵌合凹部の外周面に前記回転部材のガイド溝を形成した雄コネクタと、前記回転部材を有しない回転部材無し雌コネクタと、が嵌合するコネクタの嵌合構造であって、
前記回転部材無し雌コネクタは、
前記嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部の外周面に前記嵌合凹部の嵌入側端部内周面に周方向に沿って連続的に密着する弾性シール部
を設け、かつ、前記雄コネクタを収容するケース本体の開口部を覆い、前記ケース本体に固定する固定部を含むカバー部と一体的に設けることを特徴とするコネクタの嵌合構造。
【請求項2】
前記弾性シール部は、
軸方向の長さを弾性シール部が前記嵌合凹部の端縁面より上方の部分にも位置するように調整する
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの嵌合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材有り雌コネクタに嵌合可能に嵌合凹部の外周面に回転部材のガイド溝を形成した雄コネクタと、回転部材を有しない回転部材無し雌コネクタと、が嵌合するコネクタの嵌合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のトランスミッションを電気的に接続する雄、雌一対のコネクタの嵌合構造として、雌コネクタに回転自在に設けた回転部材を雄コネクタの嵌合凹部外周面に設けたガイド溝によって誘導しながら回転することによって一対のコネクタを嵌合方向に移動させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
一方、回転部材を有しない雌コネクタ(以下、回転部材無し雌コネクタという。)は、回転部材を用いないため、部品点数を少なく抑えることができるが、雄コネクタに正規の姿勢で嵌合するという点では、回転部材を設けた雌コネクタ(以下、回転部材有り雌コネクタという。)に劣る。
このため、回転部材のガイド溝を形成した雄コネクタを共通の雄コネクタとして用いて、嵌合相手となる回転部材無し雌コネクタと、回転部材有り雌コネクタと、を使い分けて嵌合するようにすれば要求に応じたコネクタの嵌合構造を提供しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−163056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載したコネクタ嵌合構造は、図10に示すように、ガイド溝210を形成した雄コネクタ200に対して回転部材無し雌コネクタ300を傾いた状態で嵌合した場合、弾性シール材400の圧縮面が減少するため止水性能が低下し、雄コネクタ200のガイド溝210を侵入路として水等の液体がコネクタ内に侵入するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、雄雌一対のコネクタの少なくとも一方のコネクタを嵌合方向に移動させる回転部材を有する回転部材有り雌コネクタに嵌合可能に回転部材のガイド溝を形成した雄コネクタと、回転部材を有しない回転部材無し雌コネクタと、が止水性能を確保して嵌合できるコネクタの嵌合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係るコネクタの嵌合構造は、雄雌一対のコネクタの少なくとも一方のコネクタを嵌合方向に移動させる回転部材を有する回転部材有り雌コネクタに嵌合可能に嵌合凹部の外周面に前記回転部材のガイド溝を形成した雄コネクタと、前記回転部材を有しない回転部材無し雌コネクタと、が嵌合するコネクタの嵌合構造であって、前記回転部材無し雌コネクタは、前記嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部の外周面に前記嵌合凹部の嵌入側端部内周面に周方向に沿って連続的に密着する弾性シール部を設け、かつ、前記雄コネクタを収容するケース本体の開口部を覆い、前記ケース本体に固定する固定部を含むカバー部と一体的に設けることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項に係るコネクタの嵌合構造は、上記の発明において、前記弾性シール部は、軸方向の長さを弾性シール部が前記嵌合凹部の端縁面より上方の部分にも位置するように調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係るコネクタの嵌合構造は、前記弾性シール部が前記ガイド溝を形成しない前記嵌合凹部の嵌入側端部内周面に確実に密着するとともに、前記回転部材無し雌コネクタが前記雄コネクタに正規の姿勢に対して傾いて嵌合した場合であっても、前記弾性シール部の圧縮面が減少し難いため、止水性を確保できるので、雄雌一対のコネクタの少なくとも一方のコネクタを嵌合方向に移動させる回転部材を有する回転部材有り雌コネクタに嵌合可能に回転部材のガイド溝を形成した雄コネクタと、回転部材を有しない回転部材無し雌コネクタと、が止水性能を確保して嵌合できる。
【0010】
本発明の請求項に係るコネクタの嵌合構造は、前記回転部材無し雌コネクタを前記固定部でケース本体100に固定することによって、前記回転部材無し雌コネクタの傾きを小さく抑えて前記雄コネクタに嵌合することができる。
【0011】
本発明の請求項に係るコネクタの嵌合構造は、前記弾性シール部を水等の侵入口となる前記嵌合凹部の嵌入側端部の前記端縁面より上方にも位置するようにしているため、前記嵌合凹部の嵌入側端部周辺の止水性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造の回転部材無し雌コネクタと、雄コネクタとを嵌合する前の状態を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造の回転部材無し雌コネクタと、雄コネクタとを嵌合した状態を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示すコネクタの嵌合構造の断面図である。
図4図4は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造の回転部材有り雌コネクタと、雄コネクタとを嵌合する前の状態を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造の回転部材有り雌コネクタと、雄コネクタとを嵌合した状態を示す斜視図である。
図6図6は、図5に示すコネクタの嵌合構造の断面図である。
図7図7は、雄コネクタの嵌合口周辺の拡大斜視図である。
図8図8は、(a)が回転部材無し雌コネクタが雄コネクタに傾いて嵌合した状態を示した断面図であり、(b)が(a)の状態における雄コネクタと弾性シール部と位置関係の概略を示す図である。
図9図9は、回転部材有り雌コネクタの変形例の断面図である。
図10図10は、従来技術の問題点を説明するための図であり、(a)がコネクタの嵌合構造の断面図を示し、(b)が(a)の雄コネクタの嵌入側端部周辺を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1の回転部材無し雌コネクタ70と、雄コネクタ10とを嵌合する前の状態を示す斜視図である。図2は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1の回転部材無し雌コネクタ70と、雄コネクタ10とを嵌合した状態を示す斜視図である。図3は、図2に示すコネクタの嵌合構造1の断面図である。図4は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1の回転部材有り雌コネクタ30と、雄コネクタ10とを嵌合する前の状態を示す斜視図である。図5は、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1の回転部材有り雌コネクタ30と、雄コネクタ10とを嵌合した状態を示す斜視図である。図6は、図5に示すコネクタの嵌合構造1の断面図である。図7は、雄コネクタ10の嵌合口周辺の拡大斜視図である。図8は、(a)が回転部材無し雌コネクタ70が雄コネクタ10に傾いて嵌合した状態を示した断面図であり、(b)が(a)の状態における雄コネクタ10と弾性シール部90と位置関係の概略を示す図である。なお、図8(b)では回転部材無し雌コネクタ70を仮想線図で示している。
【0014】
本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1は、例えば、自動車のトランスミッションを電気的に接続するものであり、雄雌一対のコネクタの少なくとも一方のコネクタを嵌合方向に移動させる回転部材60を有する回転部材有り雌コネクタ30に嵌合可能に嵌合凹部21の外周面21bに回転部材60のガイド溝22を形成した雄コネクタ10と、回転部材60を有しない回転部材無し雌コネクタ70と、が嵌合する。
なお、この実施例では、雄コネクタ10をケース本体100に収容することによってケース本体100に固定しているため、回転部材有り雌コネクタ30、あるいは回転部材無し雌コネクタ70が嵌合方向に移動することによって、雄雌一対のコネクタを嵌合するようになっている。
また、以下の説明では、回転部材有り雌コネクタ30と回転部材無し雌コネクタ70とを区別しない場合、総称して「雌コネクタ」という。
【0015】
まず、雄コネクタ10について説明する。
雄コネクタ10は、回転部材有り雌コネクタ30および回転部材無し雌コネクタ70の両方に嵌合可能なコネクタである。この雄コネクタ10は、合成樹脂等の絶縁材からなる円筒状の雄コネクタハウジング20の内部に嵌合相手となる回転部材有り雌コネクタ30、あるいは回転部材無し雌コネクタ70の複数の雌端子12に接続する複数の雄端子11を保持収容する。
【0016】
この雄コネクタハウジング20は、内部に形成した不図示の隔壁から雌コネクタ30、70が嵌入する嵌入口に向けて雄端子11のタブ状の接続部分が突出するように各雄端子11を保持し、隔壁を底面とする嵌合凹部21を形成している。
【0017】
この嵌合凹部21の外周面に形成したガイド溝22は、回転部材60の後述するガイド突起61aを嵌め入れて回転部材60を回転することによって、回転部材有り雌コネクタ30の嵌合方向への移動をガイドする。
より具体的には、ガイド溝22は、図7に示すように、嵌合凹部21の端縁面21aから嵌合方向に直線状に形成した直線ガイド溝部22aと、直線ガイド溝部22aの終端部に連接し、周方向に螺線状に傾斜して延びる傾斜ガイド溝部22bと、を有する。
【0018】
直線ガイド溝部22aは、回転部材60のガイド突起61aを嵌め入れることによって回転部材有り雌コネクタ30を雄コネクタ10との初期嵌合状態に誘導するための溝である。この直線ガイド溝部22aに回転部材60を嵌め入れることによって、回転部材有り雌コネクタ30は、雄コネクタ10に対して正規の姿勢を維持して嵌合できる。
【0019】
傾斜ガイド溝部22bは、初期嵌合状態から嵌合完了位置まで回転部材有り雌コネクタ30を嵌合方向に移動するために回転部材60の回転をガイドする溝である。
すなわち、傾斜ガイド溝部22bは、ガイド突起61aを直線ガイド溝部22aの終端位置まで移動した回転部材60を回転することによって、初期嵌合状態から嵌合完了位置まで回転部材有り雌コネクタ30を嵌合方向に誘導する。
なお、直線ガイド溝部22aおよび傾斜ガイド溝部22bの嵌合方向での合計寸法は、回転部材有り雌コネクタ30の嵌合開始から嵌合完了までの嵌合方向での移動距離になる。
【0020】
次に、回転部材有り雌コネクタ30について説明する。
回転部材有り雌コネクタ30は、合成樹脂等の絶縁材からなる円柱状の雌コネクタハウジング40と、雌コネクタハウジング40に回動可能に設けた回転部材60と、を有する。
【0021】
雌コネクタハウジング40は、嵌合相手となる雄コネクタ10の複数の雄端子11に接続する複数の雌端子12を収容する複数の端子収容室42を有する。
この雌コネクタハウジング40は、前端から後方に向けて雄コネクタ10の嵌合凹部21に嵌入するように外径を嵌合凹部21の内径に比して僅かに小さくすることによって嵌合凸部41を形成する。
また、雌コネクタハウジング40の後端部には、雄コネクタハウジング20の嵌入口周辺の外周面を外周面に間隔を隔てて囲うシール壁部43を設ける。
【0022】
また、雌コネクタハウジング40には、嵌合凸部41の外周面41aに嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cに周方向に沿って連続的に密着する弾性シール部50を設ける。
この弾性シール部50は、嵌合凸部41の後端部外周面に周方向に沿って形成したシール部材配置溝51と、シール部材配置溝51に配置するリング状の弾性シール部材52と、を有する。
【0023】
弾性シール部材52は、ゴム等の弾性材からなり、軸方向に谷部と山部とを連続して形成した、いわゆるリップ形状である。
この弾性シール部材52は、嵌合凸部41の外周面41aと、嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cとの間で圧縮して密着する程度の厚さに調整する。
なお、弾性シール部材52は、嵌合凸部41の外周面と、嵌合凹部21の嵌入側端部内周面とを密閉するように密着できるものであれば、リップ形状に限らず、その他の形状であっても構わない。例えば、厚み一定のリング状弾性部材であってもよい。
【0024】
また、この実施例では、弾性シール部50の軸方向の長さを弾性シール部50が嵌合凹部21の端縁面21aより上方の部分にも位置するように調整している。
【0025】
回転部材60は、軸方向に沿って嵌合方向前側に設けた小径筒部61と、小径筒部61の後側に連続して設けた小径筒部61に比して大きい径の大径筒部62と、有する。
【0026】
小径筒部61は、内径を雄コネクタハウジング20の嵌合凹部21の先端部より僅かに大きい内径に調整した筒状部分であり、筒内周面の周方向に沿って所定の間隔を隔てて設けた複数のガイド突起61aを有する。
【0027】
大径筒部62は、内径をシール壁部43の外径に比して僅かに大きく調整した筒状部分である。この大径筒部62は、雌コネクタハウジング40の外周に沿って複数箇所に形成した係止溝44に回転部材60を回動可能に係止する複数の係止片62aを有する。
【0028】
このような回転部材有り雌コネクタ30は、回転部材60によって支持されることによって正規の姿勢で雄コネクタ10に嵌合する。
【0029】
次に、回転部材無し雌コネクタ70について説明する。
回転部材無し雌コネクタ70は、合成樹脂等の絶縁材からなる円柱状の雌コネクタハウジング80を有する。
【0030】
雌コネクタハウジング80は、嵌合相手となる雄コネクタ10の複数の雄端子11に接続する複数の雌端子12を収容する複数の端子収容室82を有する。
この雌コネクタハウジング80は、前端から後方に向けて雄コネクタ10の嵌合凹部21に嵌入するように外径を嵌合凹部21の内径に比して僅かに小さくすることによって嵌合凸部81を形成する。
また、雌コネクタハウジング80の後端部には、雄コネクタハウジング20の嵌入口周辺の外周面を外周面に間隔を隔てて囲うシール壁部83を設ける。
【0031】
また、雌コネクタハウジング80には、嵌合凸部81の外周面に嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cに周方向に沿って連続的に密着する弾性シール部90を設ける。
【0032】
この弾性シール部90は、嵌合凸部81の後端部外周面に周方向に沿って形成したシール部材配置溝91と、シール部材配置溝91に配置するリング状の弾性シール部材92と、を有する。
弾性シール部材92は、ゴム等の弾性材からなり、軸方向に谷部と山部とを連続して形成した、いわゆるリップ形状である。
この弾性シール部材92は、嵌合凸部81の外周面81aと、嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cとの間で圧縮して密着する程度の厚さに調整する。
なお、弾性シール部材92は、嵌合凸部81の外周面81aと、嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cとを密閉するように密着できるものであれば、リップ形状に限らず、その他の形状であっても構わない。例えば、厚み一定のリング状弾性部材であってもよい。
【0033】
また、この実施例では、弾性シール部90の軸方向の長さを弾性シール部90が嵌合凹部21の端縁面21aより上方の部分にも位置するように調整している。
【0034】
また、雌コネクタハウジング80は、雄コネクタ10を収容するケース本体100の開口部を覆い、ケース本体100に固定する固定部84を含むカバー部85と一体的に設ける。
【0035】
カバー部85は、固定部84がケース本体100の開口部端縁面に載置する部分となり、固定部84に設けた挿通孔にネジ等を通してケース本体100に固定する。
このようにカバー部85をケース本体100に固定することによって、回転部材無し雌コネクタ70の傾きを抑えて雄コネクタ10に嵌合する。
【0036】
このような回転部材無し雌コネクタ70と、雄コネクタ10とのコネクタの嵌合構造1は、図8に示すように、回転部材無し雌コネクタ70が正規の姿勢に対して傾いて雄コネクタ10に嵌合した場合であっても、弾性シール部90の圧縮面が減少し難い。
しかも、弾性シール部材92がガイド溝22を形成しない嵌入側端部内周面21cに密着するようになっているため、嵌入側端部内周面21cに密着し易い。
【0037】
また、図2に示すように、回転部材無し雌コネクタ70をケース本体100に固定することによって、回転部材無し雌コネクタ70の傾きを小さく抑えて雄コネクタ10に嵌合することができる。
【0038】
本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1は、弾性シール部90がガイド溝22を形成しない嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cに確実に密着するとともに、回転部材無し雌コネクタ70が雄コネクタ10に正規の姿勢に対して傾いて嵌合した場合であっても、弾性シール部90の圧縮面が減少し難いため、止水性を確保できるので、雄雌一対のコネクタの少なくとも一方のコネクタを嵌合方向に移動させる回転部材60を有する回転部材有り雌コネクタ30に嵌合可能に回転部材60のガイド溝22を形成した雄コネクタ1と、回転部材60を有しない回転部材無し雌コネクタ70と、が止水性能を確保して嵌合できる。
【0039】
また、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1は、回転部材無し雌コネクタ70を固定部84でケース本体100に固定することによって、回転部材無し雌コネクタ70の傾きを小さく抑えて雄コネクタ10に嵌合することができる。
【0040】
また、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1は、弾性シール部90を水等の侵入口となる嵌合凹部21の嵌入側端部の端縁面21aより上方にも位置するようにしているため、嵌合凹部21の嵌入側端部周辺の止水性をより高めることができる。
【0041】
なお、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1は、回転部材有り雌コネクタ30が嵌合凸部41の外周面41aに嵌合凹部21の嵌入側端部内周面21cに周方向に沿って連続的に密着する弾性シール部50を有するものを例示したが、これに限らず、回転部材有り雌コネクタ30は、図9に示すように、雄コネクタ10の嵌入側端部に密着する弾性シール部53を設けるようにしても構わない。
【0042】
また、本発明の実施例に係るコネクタの嵌合構造1は、回転部材無し雌コネクタ70をカバー部85と一体的に設けるものを例示したが、これに限らず、回転部材無し雌コネクタ70をカバー部85と一体的に設けないようにしても構わない。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 コネクタの嵌合構造
10 雄コネクタ
11 雄端子
12 雌端子
20 雄コネクタハウジング
21 嵌合凹部
21a 端縁面
21b 外周面
21c 嵌入側端部内周面
22 ガイド溝
22a 直線ガイド溝部
22b 傾斜ガイド溝部
30 回転部材有り雌コネクタ
40 雌コネクタハウジング
41 嵌合凸部
41a 外周面
42 端子収容室
43 シール壁部
44 係止溝
50 弾性シール部
51 シール部材配置溝
52 弾性シール部材
60 回転部材
61 小径筒部
61a ガイド突起
62 大径筒部
62a 係止片
70 回転部材無し雌コネクタ
80 雌コネクタハウジング
81 嵌合凸部
81a 外周面
82 端子収容室
83 シール壁部
84 固定部
85 カバー部
90 弾性シール部
91 シール部材配置溝
92 弾性シール部材
100 ケース本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10