【0005】
本願は、基板に支持される光電変換ユニットと、前記基板に隣接した絶縁体とを含むイメージセンサー画素を開示する。前記画素は、一部が空気界面を有するように、前記絶縁体の開口内にあり且つ前記絶縁体の上で延びている光導波路を含む。前記空気界面は、前記光導波路の内部反射を改善する。また、前記光導波路とその隣接したカラーフィルターは、前記光導波路の上口径を最適化させてクロストークを低減するプロセスにより構成される。前記光導波路の前記特徴は、マイクロレンズの使用が要らない。また、前記光電変換ユニットの上及び前記光導波路の下に、前記イメージセンサーからの後方反射による光損失を低減するための反射防止スタックが構成される。異なる色の2つの画素は、前記反射防止スタックにおける一つの膜の厚さを補正することによって、反射防止に対して個別に最適化される。
前記画素は、その一方が他方の上に位置する2つの光導波路を含んでもよい。第1の光導波路は、前記基板に隣接した絶縁体の第1の開口内にある。第2の光導波路は、最終的に前記画素の製造中において取り除かれまたは部分的に取り除かれもよい支持膜の第2の開口内にある。同じ開口内にカラーフィルターが設けられておりもよい、これにより、前記第2の光導波路に自己整合する。前記第2の光導波路は、垂直軸に対してゼロでない角度で入射する光を捕らえるように、前記画素アレイの外隅で前記第1の光導波路からずれてもよい。
フィルターに隣接した支持膜材を取り除くことによって、隣り合ったカラーフィルターの間に空隙が生じる。空気は前記支持膜よりも屈折率が低く、前記カラーフィルターと前記光導波路における内部反射を向上させる。また、前記空隙は、前記空隙に入射した光を前記カラーフィルターへ「折り曲げ」させ、前記センサーに与えられる光の量を増やすように配置される。
前記シリコン−光導波路界面での反射は、前記第1の光導波路の下に窒化物膜と第1の酸化物膜を形成することによって低減される。効果的に反射防止される光周波数領域を広げるために、前記窒化物膜の下に第2の酸化物膜が追加として挿入されてもよい。前記第1の酸化物は、前記光導波路材が適用される前に、エッチングされた溝に堆積されてもよい。代替実施形態においては、溝のエッチング前にすべての反射防止膜が形成され、追加された光導波路エッチング停止膜がこれらの反射防止膜を覆って前記溝のエッチング剤から保護する。
図面、特に
図2、4A〜L、5、6A〜Bを参照すると、これらの図は、イメージセンサー100における隣接した2つの画素の実施形態を示す。それぞれの画素は、光エネルギーを電荷に変換する光電変換ユニット102を含む。従来の4T画素においては、電極104は、これらの電荷を分離した検出ノード(示せず)へ転送するための転送電極であってもよい。又は、従来の3T画素においては、電極104は、前記光電変換ユニット102をリセットするためのリセット電極であってもよい。これらの電極104と変換ユニット102は、基板106に形成される。センサー100は、絶縁層110に埋め込まれたワイヤー108も含む。
それぞれの画素は第1の光導波路116を有する。前記第1の光導波路116は、絶縁層110よりも屈折率が高い屈折材から構成される。
図4Bに示すように、第1の光導波路116はそれぞれ、垂直軸に対して角度αで傾いた側壁118を有する。角度αは、前記光導波路内に全内部反射があるように、90−asin(n
絶縁層/n
光導波路)よりも小さい角度として選ばれ、好ましくは0であり、ここで、n
絶縁層とn
光導波路がそれぞれ絶縁層材と光導波路材の屈折率である。光導波路116は、その内部で光を第2の光導波路130から変換ユニット102へ反射させる。
第2の光導波路130は、第1の光導波路116の上に位置し、第1の光導波路116と同様な材料で作製されてもよい。第2の光導波路130は、最先端が前記第1の光導波路116に接する底端より広い。そのため、この底端で隣接している第2の光導波路130などの空隙(以下、「第2の空隙」という)は、最先端での空隙よりも大きく、また、第2の光導波路130の上のカラーフィルター114B、114Gの空隙422よりも大きい。これらの第2の光導波路130は、横方向に第1の光導波路116及び/又は変換ユニット102からずれてもよく、
図6Aに示すように、第2の光導波路130の中心線C2は、第1の光導波路116又は光電変換ユニット102の中心線C1からずれている。前記ズレは、アレイ内の画素位置によって変更してもよい。例えば、前記アレイの外部に位置する画素のズレは、比較的に大きい可能性がある。前記ズレは、前記第1の光導波路の受け取りが最適化されるように、入射光と同じ横方向であってもよい。垂直軸に対してゼロでない角度で至った入射光は、第2の光導波路130からずれると、光が第1の光導波路116により多く伝導される。効果的には、第2の光導波路130と第1の光導波路116は共に、異なる画素において異なる垂直断面形状を有する光導波路を構成する。前記形状は、各画素での入射光角度に基づいて最適化される。
図5及び6Bは、それぞれアレイの中央と前記アレイの隅での画素を追跡する光線を示す。
図5において、入射光線が垂直に入る。第2の光導波路130は、第1の光導波路116の中央に置かれている。光線a、bは、第2の光導波路130において1回反射されてから、第1の光導波路116に入り、1回(光線a)又は2回(光線b)反射され、変換ユニット102に入る。
図6Bにおいて、第2の光導波路130は右へずれており、左に向かう前記アレイの中央から離れている。垂直軸に対して25度と高い角度で左から入射した光線cは、第2の光導波路130の右側壁で反射され、照射してその左下の側壁を通過し、第1の光導波路116に入り、最後に変換ユニット102に至る。前記ズレによって、前記第1の光導波路116は前記第2の光導波路130の左下の側壁から離れた光線を再び捕らえる。光導波路の側壁を亘る度に、第2の光導波路から離れても第1の光導波路に入っても、光線cの屈折毎に、屈折光線の前記垂直軸に対する角度が小さくなり、前記光電変換ユニットへの伝導効果が強化される。そのため、第1の光導波路116と第2の光導波路130による光導波路の構成は、前記光導波路の垂直断面形状が画素によって変更することを可能にし、光電変換ユニット102への光の伝導効果を最適化する。
2つの別個の光導波路116、130による光導波路の構成の第2の利点は、光導波路116、130のそれぞれのエッチング深さを低減することである。その結果、側壁の傾き角の制御は、より高い正確性を達成できる。さらに、光導波路材の堆積は望ましくないキーホールを生じさせる可能性が高くない。前記キーホールは深い凹穴へ薄膜を堆積する際に常に生じ、光がこのキーホールにぶつかると前記光導波路から散乱することになる。
カラーフィルター114B、114Gは、第2の光導波路130の上に位置する。側壁の前記カラーフィルターにおける及び隣接した上部は、第2の光導波路の他の部分よりも垂直性が大きい。
これらのカラーフィルター間の第1の空隙422は幅0.45um以下で、深さ0.6um以上である。前記サイズに制限される空隙により、その内の光が転向されて前記カラーフィルターに入り、最後に画素に至る。そのため、この空隙による前記画素に入射した光損失百分率(以下、「画素損失」という)は、大幅に低減される。
屈折率が高い2つの半透明領域の間の空隙に入射した光は、この空隙が十分に狭い場合に、一方の領域又は他方の領域へ転向する。具体的には、2つのカラーフィルターの間の空隙に入射した光は、この空隙の幅が十分に小さい場合に、一方のカラーフィルター又は他方のカラーフィルターへ転向する。
図3Aは、2つのカラーフィルター域の間に低屈折率の媒体(例えば、空気)が充填されている垂直空隙を示す。前記空隙に入って一方の側壁に近い入射光線は転向してこの側壁に入るが、その他の入射光は転向して他方の側壁に入る。
図3Bは、1波長を隔てる複数の波面を示す。波面は高屈折率の媒体において進行する速度が遅く、本実施形態において、カラーフィルターの屈折率nは約1.6である。そのため、空気が充填されていると仮定する前記空隙における波面間の離間距離は、前記カラーフィルターにおける離間距離の1.6倍であり、結果として、波面が前記カラーフィルターと空隙との界面で折り曲げ、光線が転向してカラーフィルターに入ることになる。
図3Cは、空隙の垂直軸zに沿う伝導光パワーP(z)を入射光パワーP(0)で割った値と距離zとの関係を示すグラフである。
図3Cに示すように、異なる幅の空隙において、光パワーは前記空隙において深くなるに従って低減され、波長程度の空隙幅が小さいほど、その低減が速く、また、0.4倍の波長以下の空隙幅に対して、1.5倍の波長の深さでほぼ無視される傾向がある。
図3Cから、所定の最も長い波長の少なくとも1倍に等しい深さを有することが望ましい。前記所定の最も長い波長は、この可視光イメージセンサーの実施形態において、650nmである。この深さで、この前記空隙に入射して更なる下のスペースに損失した光パワー百分率(以下、「空隙損失」という)は、15%よりも小さい。そのため、カラーフィルターの厚さは、前記空隙に入った入射光をろ過し、ろ過されない光が光導波路130、116を通過して最後に変換ユニット102に入らないように、前記波長の少なくとも1倍にする必要がある。前記空隙に空気以外の屈折率n
gap>1.0の透明媒体が充填されると、波長に基づく有効距離が同じように維持するのに対し、絶対距離が1/n
gap短縮されるので、前記空隙は、0.45um/n
gap以下に短縮する必要があると推定される。
図3Cを参照すると、深さ0.65um(すなわち、空気中の波長の1.0倍)で空気中の波長650nmの赤光は、空気中の波長の0.6倍である0.39umの空隙幅に対し、空隙パワー流束が0.15(15%)に減衰した。減衰は深さ1umの近くで最大に達する。波長が短いほど、深さに従う減衰は急峻になる。
図3Dは、それぞれ深さ0.6um、1.0umでの波長450nmの青、波長550nmの緑、及び波長650nmの赤という3色の空隙損失と空隙幅Wとの関係を示すグラフである。深さ1.0umで、3色の最も高い空隙損失及び空隙幅0.2um〜0.5umの最大空隙損失を
図3Eに示す。
図3Fは、空隙損失と空隙幅の関係を示すテーブルである。
図3Gは、画素面積百分率で、画素ピッチと空隙幅に対する空隙面積を示すテーブルである。
図3Gのテーブルにおけるそれぞれのエントリー(百分率空隙面積)に、対応するカラムエントリー(すなわち、空隙損失)を掛けると、
図3Hに示す画素損失となる。
図3Iは、0.2um〜0.5umという範囲の異なる空隙幅で、画素損失と画素ピッチとの関係を示すグラフである。
図3Iは、カラーフィルターの厚さ1.0um、及びコンパクトカメラとカメラ付き携帯電話の画素のサイズ範囲である画素ピッチ1.8um〜2.8umに対し、空隙幅を0.45um以下に維持すると、8%以下の画素損失が生じることを示す。3%以下にするために、空隙幅0.35um以下が必要であり、1.5%以下にするために、空隙幅0.3um以下が必要であり、0.5%以下にするために、空隙幅0.25um以下が必要である。また、
図3Iに示すように、同じ空隙幅では、大きい画素の画素損失の方が小さいことを示す。そのため、5umより大きい画素の場合には、前記ガイドラインによって少なくとも半分の画素損失が低減される。
再び
図2、5を参照すると、第1の空隙422が内部反射によって、一方の画素のカラーフィルターから隣接している画素へ伝導するクロストークを防止することが明らかである。そのため、カラーフィルター114B、114Gは、それぞれ光導波路のように機能する。
図5において、光線aに沿うカラーフィルター、第2の光導波路、及び第1の光導波路が一緒に縦列接続し、入射光を捕らえて光電変換ユニット102に伝導するとともに、損失とクロストークを最小化させる。これは、カラーフィルターの間に金属壁又は光吸収壁を利用してクロストークを低減する従来技術と異なり、これらの壁部に照射される光を損失することがなく、第1の空隙422は、光を最も近いカラーフィルターへ転向させることによって、無視される空隙損失を達成する。また、これらのカラーフィルターの下に、従来技術(
図1B参照)のように隣接している光導波路の間にブリッジとなる平坦化層がないため、関連するクロストークも解消される。
空気界面は、前記カラーフィルターの側壁から第2の光導波路の側壁に沿って保護膜410上に延びてもよく、これによって、第2の空隙424が生じる。第2の空隙424と第2の光導波路130との間の空気界面は、第2の光導波路130の内部反射を向上させる。
アルカリ金属イオンがシリコンに入らないように、絶縁層110の上に窒化ケイ素で保護膜410を形成してもよい。一般にカラーフィルター材に見つけられるアルカリ金属イオンは、MOSトランジスターの不安定を引き起こすことができる。保護膜410はまた、湿気から隔離することもできる。保護膜410は、厚さ10,000オングストローム〜4,000オングストローム、好ましくは7,000オングストロームの窒化ケイ素(Si
3N
4)により形成されてもよい。第1の光導波路116又は第2の光導波路130が窒化ケイ素からなるものである場合、窒化ケイ素からなる保護膜410は連続して絶縁層110の上を渡って位置し、これらのトランジスターをアルカリ金属イオンと湿気から隔離するように封止する。第1の光導波路116と第2の光導波路130が窒化ケイ素からなるものではない場合、保護膜410は、同様の封止効果を与えるように第1の光導波路116の最上面を覆ってもよく、第1の光導波路116の側壁と底部を覆ってもよい。
第1の空隙422と第2の空隙424は共に、前記イメージセンサーの最上面の上に、空気への接続開口を構成する。別の観点から考慮すると、前記保護膜410からカラーフィルター114B、114Gの最上面まで、連続した空気界面がある。具体的には、これらの画素の最上面430の間に空隙がある。製造中に、この開口の存在により、前記イメージセンサーの製造中において第1の空隙422と第2の空隙424の構成中に形成された廃棄物を取り除くことができる。ある原因によって後で詰め材により第1の空隙422を封止すると、(i)前記カラーフィルター内に内部反射がある、また(ii)第1の空隙422内に入射した光がカラーフィルター114B、114Gへ転向するように、前記詰め材は、前記カラーフィルターより屈折率が低いべきである。同様に、ある充填材で第2の空隙424を充填すると、この充填材は第2の光導波路130より屈折率が低いべきである。
カラーフィルター114と光導波路130、116は、共に「縦列接続式光導波路」を構成し、絶縁層110と空隙422、424のような外部媒体と接する界面での全内部反射を利用して、光を光電変換ユニット102へガイドする。従来技術による構造とは異なり、カラーフィルターに入った光が次の画素のカラーフィルターに越えることなく、下へ第2の光導波路130にしか伝導されない。これによって、光線が画素のカラーフィルターから隣接している画素へ入らないように、光を前記画素領域の中心に集光させるマイクロレンズをその上に設ける必要がない。製造コストの低減以外、マイクロレンズの除去の利点としては、クロストークを引き起こす恐れがあるマイクロレンズとカラーフィルターとの間のアライメントエラーという問題も解消できる。
上述したように、カラーフィルターの間に不透明な壁部材料を利用する従来技術より優れた縦列接続式光導波路のもう一つの利点としては、カラーフィルター114Bと114Gとの間の第1の空隙422に落ちた入射光がいずれかのカラーフィルターへ転向するため、これらのフィルターの間の不透明な壁部に光損失がある従来技術による画素とは異なり、光を損失することがない。
このようなカラーフィルターの構成方法の従来技術による方法より優れた利点としては、カラーフィルターの側壁がこれらのカラーフィルターを構成するフォトレジストと染料材により規定されないことである。従来技術によるカラーフィルターの構成方法において、構成されたカラーフィルターは現像後、垂直側壁を形成する必要がある。この必要条件により、フォトレジストと染料材の選択が制限され、それは、染料が前記フォトレジストを感光させる光を吸収してはいけず、そうしないと、カラーフィルターの底部が比較的少ない光を受け取り、その底部が最先端ほど狭くなるからである。本発明によるカラーフィルターの構成方法は、支持膜134にエッチングされた凹部210によってカラーフィルターの側壁を構成し、カラーフィルター材料の特徴やリソグラフィーの正確性と関わらないので、比較的安価なプロセスになる。
従来技術によるカラーフィルターの構成方法より優れたもう一つの利点としては、すべての画素の間の空隙距離が非常に一致に制御され、また低コストで極めて高い正確性を達成できる。ここで、空隙間隔は、支持膜に開口をエッチングする単一なリソグラフィー工程における線幅とドライエッチング期間における横向きエッチングの制御との組み合わせであり、両方はいずれも均一に制御されやすく、コストを増加することなく極めて正確になる。これらの空隙が従来技術のように、3つの異なるリソグラフィー工程において3つの異なる色のカラーフィルターを配置することによって作成されると、空隙幅の均一性が達成し難く、リソグラフィー工程が非常に高価になり、また側壁輪郭の制御も厳しくなる。
支持膜134における同じ開口にカラーフィルター114と光導波路130を形成した縦列接続式光導波路(以下、「自己整合縦列接続式光導波路」という)の従来技術より優れた利点としては、カラーフィルター114と光導波路130との間に何らのアライメントエラーもないことである。カラーフィルター114には光導波路130の側壁に自己整合する側壁がある。
図4A〜Lは、本発明のイメージセンサーの一実施形態100を形成するためのプロセスを示す。前記イメージセンサーは
図4Aに示すように、前記変換ユニット102とゲート電極104がシリコン基板106上に形成され、ワイヤー108が絶縁体材料110に埋め込まれるように処理される。絶縁体110は、低屈折率(RI)の材料(例えば酸化ケイ素、RI=1.46)により構成されてもよい。化学機械研磨プロセス(CMP)によって絶縁体110の先端部を平坦化してもよい。
図4Bに示すように、絶縁材は、光導波路の開口120を形成するように取り除かれてもよい。開口120は、角度αで傾いた側壁を有する。例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスによってこれらの開口120を形成してもよい。酸化ケイ素を絶縁材とする場合には、好適なエッチング剤は、125mTorr、45℃のアルゴンガスにキャリアされる、流量比1:2のCF
4+CHF
3である。13.56MHzで300W〜800WにRFパワーを調整することによって前記側壁の角度を調整してもよい。
図4Cは、光導波路材122を加える工程を示す。例えば、光導波路材122は、絶縁材110の屈折率(例えば酸化ケイ素、RI=1.46)よりも大きい屈折率2.0の窒化ケイ素であってもよい。それ以外、窒化ケイ素はさらに、H
2Oとアルカリ金属イオンを阻止する拡散バリアを与える。例えばプラズマ励起化学気相成長(PECVD)によって前記光導波路材を加えてもよい。
前記光導波路材はエッチングされて、薄くて平らな保護膜410を残して前記絶縁体を覆ってもよい。これにより、後のプロセスにおいてH
2Oとアルカリ金属イオンに接しないように、変換ユニット102、ゲート電極104及びワイヤー108が封止される。又は、前記第1の光導波路材122が窒化ケイ素ではない場合に、前記光導波路材122をエッチングして前記最上面を平坦化させた後、光導波路材122の最先端に窒化ケイ素膜を堆積して保護膜410を形成してもよい。これにより、H
2Oとアルカリ金属イオンに接しないように、変換ユニット102、ゲート電極104及びワイヤー108が封止される。前記保護膜410の厚さは、10,000オングストローム〜4,000オングストロームであってもよく、好ましくは7,000オングストロームである。
図4Dに示すように、支持膜134が前記窒化ケイ素の最先端に形成される。支持膜134は、高密度プラズマ(HDP)によって堆積された酸化ケイ素であってもよい。
図4Eにおいて、前記支持膜がエッチングされて開口が形成される。これらの開口は、角度βで傾いた側壁136を含んでもよい。角度βは、第2の光導波路130において全内部反射が発生するように、β<90−asin(1/n2
光導波路)となるように選ばれ、ここで、n2
光導波路は第2の光導波路材130の屈折率である。分離した2つの光導波路を結合することにより、光導波路毎のエッチング深さが低減される。そのため、より高い正確性の斜側壁のエッチング効果が達成しやすい。支持膜134及び第2の光導波路130はそれぞれ、絶縁層110及び第1の光導波路116と同じ材料及び同じプロセスで作製されてもよい。
側壁は
図4Eに示すように、垂直部分と傾斜部分を有してもよい。前記垂直部分と傾斜部分は、エッチング取り除きプロセスにおいてエッチングの化学的作用又はプラズマ条件を変更することによって実現可能である。垂直部分のエッチング期間のエッチング手段としては、垂直側壁162の形成に有利になるように選択され、そして傾斜側壁の形成に有利となる手段に切り替えられる。
図4Fは、光導波路材を加える工程を示す。例えば、前記光導波路材は、プラズマ励起化学気相成長(PECVD)によって堆積された窒化ケイ素であってもよい。
図4Gは、第2の光導波路130のそれぞれが1つの凹部210を有することを示す。これらの凹部210は支持膜134の一部である支持壁212によって隔てられる。凹部210は、壁部212が露出されるように光導波路材をエッチングして、さらに、光導波路の最上面が壁部212の最上面ほど0.6um〜1.2um低くなるようにエッチングすることによって形成されもよい。
図4Hに示すように、これらの凹部210を充填して且つ支持膜134の上で延びているように、ある色の染料(例えば、青色、マゼンタ色または黄色)を有するカラーフィルム材料114Bが付けられてもよい。この実施形態において、前記色材は青い染料を含んでもよい。カラーフィルター材料は、露光後にフォトレジスト現像剤に溶けないポリマーを構成するネガフォトレジストにより作製されてもよい。マスク(示せず)が前記材料114Bの上に置かれ、このマスクは、その他の部分がエッチングされた際に残された領域を露出させる開口を有する。
使用されるカラーフィルター材料には、それに散在され、通過可能な光の波長の例えば4分の1のような小さな分数以下の直径を有する無機粒子が含まれもよい。例えば、100nm未満の直径を有する酸化ジルコニウム、酸化タンタルの粒子が、本例の青色のカラーフィルターに混在されてもよい。前記所望の色に対して透明で、高い屈折率、好ましくは1.9を超える屈折率を有する無機材料の粒子は、カラーフィルターの全屈折率を高め、本発明に用いられるカラーフィルターの側壁の内部反射を向上させることができる。
図4Iは、エッチング工程後のイメージセンサーを示す。前記プロセスは
図4Jに示すように、異なる画素のカラーフィルターを形成するように、緑や赤のような異なる色の材料を利用して繰り返してもよい。最後に加えられた色材は残された凹部210を充填するため、マスク工程が要らない。言い換えれば、露光光は、最後のカラーフィルター膜における各所を露光するように、前記イメージセンサーのウェハーにおける所々に加えられてもよい。ベーク工程において、前記最後のカラーフィルターは、その他の色の画素を含む全ての画素に重ねる膜となる。最後のカラーフィルターのその他の画素への重なりは、
図4Kに示す後のカラーフィルターの下向きのエッチング取り除きプロセスにおいて取り除かれる。
図4Gを参照すると、これらの凹部210は、前記カラーフィルター材を第2の光導波路130に自己整合する自己整合機能を果たす。これらの凹部210は、対応するマスク開口より広くてもよい。所定の画素ピッチと所望の第2の光導波路開口のために前記支持壁212の厚さを低減させるには、横向き(すなわち、等方性)エッチングを(イオン散乱を増やすことによって)強め、前記マスクを切り下げるように、プラズマチャンバーでの圧力を向上させてもよい。
図4Kに示すように、カラーフィルター114B、114Gが下向きにエッチングされ、支持膜134の一部となる支持壁212が露出される。そして、
図4Lに示すように、これらのカラーフィルター114B、114Gに対して空気/材料界面があるように、前記支持膜134の一部を取り除く。
図4Lに示すように、前記支持膜134の他の部分を取り除いてもよい。これにより、第2の光導波路130に対して空気/材料界面があり、この界面の法線に比較的近い光線を全内部反射させることによって内部反射を更に補助する。第1の空隙422は0.45um以下と十分に小さい幅を有する。これにより、第1の空隙422に照射された入射赤光とより小さい波長の光をカラーフィルター114B又は114Gへ転向させ、受光効果を改善する。光は、カラーフィルター114B、114Gと光導波路130、116に沿って内部反射される。カラーフィルター114B、114Gは空気より屈折率が高いから、内部反射機能を備える。同様に、第2の光導波路130は、光導波路の内部反射性を改善する空気界面を有しもよい。支持膜134が完全に取り除かれないと、前記支持膜の屈折率(例えば、酸化ケイ素、1.46)が光導波路材(例えば、窒化ケイ素、2.0)より低ければ、第2の光導波路130と支持膜134との界面に優れた内部反射を有する。
図16は、隣接した第2の光導体130の間の支持材料が部分的に除去される代替の実施形態示す。同様に、第1の光導波路116と第1の絶縁膜110との界面にも優れた内部反射を有する。
図7は画素アレイの4つの画素200の上面図である。第1の光導波路と第2の光導波路の両方を含む実施形態では、領域Bは第2の光導波路の最上面の領域であり、領域Cは第1の光導波路の底面の領域を表す。領域Aから領域Bを除いた領域は、カラーフィルターの間の第1の空隙422である。
図17は、前記支持膜134が隣接するカラーフィルター114B、114Gの間に部分的に除去される代替実施形態を示す。支持膜により充填されていない前記間隙は、0.6um以上の深さ及び0.45um以下の幅を有することが好ましい。前記深さは、例えば、1.9以上の屈折率を有する透明な材料からなる粒子を前記全体的な屈折率が1.7〜1.8以上になるような量で散在させることによって、前記カラーフィルター材料の前記全屈折率が1.5よりも大きくされた場合に、0.4umまで低減される。
図18は、カラーフィルターのそれぞれの対向する側壁が垂直直線ではない代替実施形態を示す。本例では、隣接するカラーフィルター114B、114Gからの対向する側壁は、前記支持膜134の深さで、比較的浅い深さでよりも広い幅を有するように、前記支持膜134の一部を挟持している。この特性により、前記支持膜134は、それぞれのカラーフィルター114B、114Gに下向きの力をかけて前記カラーフィルターを押さえるようにして、カラーフィルターの保持を改善する。特に、本例では、前記支持膜134は、前記隣接するカラーフィルター114B、114Gに隣接する最も深い深さでよりもその最上面において幅が広く、それは、前記カラーフィルターのそれぞれが前記支持膜134の最先端から下方への台形状を有するからである。ここで、カラーフィルターの押さえに寄与するのは、カラーフィルターと(下方から定着される)ソリッド構造との間におり前記カラーフィルターに向かって傾斜する側方界面(すなわち、側壁)の一部である。この特徴は、
図18(カラーフィルター114B、114Gと支持膜134より構成される壁との間の側壁)および
図19(カラーフィルター114B、114Gと第2の支持膜140より構成される壁との間の側壁)に示されている。本実施形態では、前記支持膜134のエッチングにおいて残される支持壁212(
図19において前記第2の支持壁140のエッチングの後に残されるカラーフィルター同士の間の壁も同様)は、(
図18では、前記支持膜212の一部となることにより、
図19では、支持膜134および光導波路材料130に接触することにより)下方から定着されるソリッド構造を備えているが、このソリッド構造は、ソリッド材料の薄膜142を、このソリッド膜142が前記空隙の下にあるソリッドベース(例えば、
図19における支持膜134)からカラーフィルターの側壁の同様に(すなわち、カラーフィルターに向かって)傾斜する部分に続くように、前記空隙に(それを完全に充填せず)堆積して前記側壁と前記支持膜との両方を覆うことにより備えられてもよい(
図21参照)。
図20は、
図4Eに示す工程ステップの最初部分の代替工程ステップを示す。
図4Eでは、前記支持膜134にエッチングされたピットが垂直な側壁を有する最先端部を備えていることとは違って、
図20は、最先端部における開口部よりも底部が広くなるように前記ピットを最初に開ける工程ステップを示す。これは、前記ピットの最先端部を異方性プラズマエッチングにより開口させながら、前記ウェハーを回転させるとともに、前記ウェハーの法線がプラズマにおける入射イオンの方向に対して角度をなすように前記ウェハーを斜めに保持することによって達成されてもよい。
図20に示すように、前記ウェハーに対して、前記入射イオン(実線の矢印と点線の矢印で示す)は、前記フォトレジストマスク450の真下に前記支持膜をエッチングして、前記ピットにさらに深く入るようにより一層離れた側壁を形成する。
図20に見られるように、隣接するピットの間の前記支持膜の一部には、首の形が現れる。上記特性を有するピットの最先端が形成された後に、次の工程により、
図4Eにおけるステップの説明の残り部分を実行し、(その残り部分は、対応するプラズマ条件に切り替わることを含む)、前記第2の光導波路用の前記ピットの残りの下部を形成する。特に、前記第2の光導波路の側壁136は、前記支持膜134の首の形の下に形成される。
図19は、カラーフィルターが光導波路を収容するピットから離れて形成される溝に形成されている代替実施形態を示す。カラーフィルター114B、114Gは、
図18における代替実施形態のように、垂直直線ではない側壁を有している。隣接するカラーフィルターの側壁の間には、第2の支持膜140および空隙422がある。カラーフィルター114B、114Gは、それぞれ第2の光導波路130の上方にある。それぞれのフィルターは、アラインメントエラーが最悪の場合でも、それぞれのフィルターの底部が下方の対応する光導波路の最先端内にあるように、第2の光導波路130の最先端よりも0.05um〜0.2um狭い底部を有している。
図21A〜21Dは、
図19の代替実施形態を構成する工程ステップを説明するものである。当該工程は、カラーフィルターを収容するピットの一部が備えられていない点以外、
図4A〜4Gと同じである。エッチングまたはCMPのいずれかによって前記支持膜134の上方にある第2の光導波路膜が除去された後に、前記第2の光導波路130および前記支持膜134は、
図21Aに示す形状となりもよい。しかしながら、前記第2の光導波路130および前記支持膜134の両方は、面一の平らな最先端を共有する必要がなく、それは、第2の光導波路130の最上面が支持膜134の最先端より低くても高くてもよいからである。後者の場合に、隣接する第2の光導波路は、エッチング又はCMPで残された第2の光導波路膜の薄層を介してお互いに繋がってもよい。その後、第2の支持膜140が堆積される。第2の支持膜140は、酸化ケイ素、または、カラーフィルター114B、114Gの形成に用いられるカラーフィルター材料に対するエッチング速度が4X以上遅いであるウェットエッチングやプラズマエッチングにより除去できる任意の材料であってもよい。リソグラフィー工程(図示せず)により、前記第2の支持膜140にフォトレジストマスク(図示せず)が形成されるとともに、溝が前記第2の支持膜140にエッチングされて、
図21Bに示す構成になる。その後、
図4H〜4Kを用いて説明したものと同じようなステップでカラーフィルター114B、114Gが形成され、その結果、
図21Cに示す構成、さらに、
図21Dに示す構成となる。最後に、
図4Lを用いて説明するものと同じようなステップで、第2の支持膜140のエッチングにより、隣接するカラーフィルター114B、114Gの間に、
図19に示すような間隙422が形成される。
図8は、前記支持膜134の形成後、同一のマスクで第2と第1の光導波路の両方をエッチングし、また一つの工程において光導波路材で両方を充填する代替実施形態である。
図9A〜Mは、この代替実施形態を製造するためのプロセスを示す。前記プロセスは、第1の光導波路の開口が第2の光導波路の開口形成後で形成される以外、
図4A〜Lに示すプロセスと同様であり、
図9Fに示すように、保護膜410およびその上の支持膜134がエッチング剤を阻止するためのハードマスクとして機能するため、何らの余分なマスクも要らない。2つの光導波路は共に、
図9Gに示す同一の工程において充填される。
図22は、前記光導波路130及びカラーフィルター114B、114Gの上方にあり、空隙422を封止する封止膜500を含む代替実施形態を示す。本実施形態における空隙422には、空気、窒素やその他の不活性ガス、または、任意のガス媒体を入れることができる。封止膜500は、ポリカーボネートやアクリルやエポキシ樹脂を含んでもよく、また、複数の層を含んでもよい。さらに、紫外線および/または赤外線をろ過するために、無機粒子、染料、又は、有機顔料を含めてもよい。封止膜500は、カラーフィルターと封止膜との間の界面での反射を最小限に抑えるために、カラーフィルター114B、114Gのカラーフィルター材料の屈折率の0.2以内の屈折率を有してもよい。カラーフィルターの屈折率が1.55であれば、前記封止膜500は、1.45〜1.65の屈折率を有するように選択されもよい。封止膜500は、ウェハーが約500rpmで表面を上にして回転するとともに、樹脂の流れが分配先端により前記ウェハーの中心に分配され、そして、前記樹脂液体により前記ウェハーの最上面が完全に濡れた後、前記ウェハーが均一の樹脂の厚さになるようにより高速に、例えば、3000rpmで回転する、動的スピンコーティングによって塗布される。前記樹脂は、熱又は紫外線により硬化される。前記分配中に、空気(またはガス)が間隙422に封止される。分配および/または高速回転中に、粘度を高めて樹脂液体の前記間隙への充填を回避するように、加熱又はUVショットが利用されてもよい。最終の加熱又はUV硬化は、前記封止膜500を硬化させるとともに、前記間隙422における空気/ガスの熱膨張により境界510を凹面形にすることに寄与する。前記凹面形の膜面510は、前記封止膜500から前記空隙に入る光線を発散させるとともに前記光線をカラーフィルター114G又は114Bへ導くことに役立つ。その結果、封止膜500を有しない実施形態と比べ、空隙422の深さは半減されることができる。前記ウェハーは高速回転中に、下向きにされてもよい。ボンドパッド上の前記封止膜500の部分は、既知の方法の何れか1つにより除去されてもよい。封止膜500は、本願に論じられたイメージセンサー100の何れかの実施形態に適用できる。
図24は、パッケージ800に実装される前記イメージセンサー100を示すものである。塵埃を遮断するとともに光を入らせるために、前記イメージセンサー100の上方にカバーガラス810がある。カバーガラス810とイメージセンサー100との間には、エポキシ樹脂のような透明な接着膜820がそのスペースを充填するとともに熱又は紫外線により硬化される。また、前記封止膜500および前記接着膜820は、前記イメージセンサー100の前記カバーガラス810とカラーフィルターとの間の前記スペースを充填する透明な膜を構成する。前記封止膜500および前記接着膜820が同一の材料で構成される場合に、硬化中に、前記接着膜820および前記封止膜500は、1つの均質且つ透明な膜になるように組合わせることができる。
図24に示す例は、ShellCase(現在ではTessera)による「ShellOp」という商品名で知られているウエハレベルチップスケールパッケージである。このパッケージは、下部ガラス板815により下方から封止され、エポキシ樹脂825により前記イメージセンサー100に保持される。逆転された外部リード830は、接合部845におけるトレースコンタクト840を介してダイ端子835に電気的に接続される。接合部845は、T−接合部と呼ばれる場合もあり、また、コンタクト840は、T−接合部コンタクトと呼ばれる場合もある。外部リード830は、保護用の半田マスク850でコーティングされている。半田マスク850は、リード830を外部コンタクトから電気的に隔離するとともに前記リードの表面を侵食から保護する誘電体である。コンタクト855が、リード830の底端に取り付けられ、既知の方法によるプリント回路基板(PCB)のマウントに適する。コンタクト855は、例えば、半田ボールやメッキといった既知の方法により形成されてもよく、また、マウントされるPCBに合わせて適当に成形されてもよい。
図23に示すように、前記カバーガラス810の上方から、入射光線は、平らな界面のみを通して第2の光導波路130に入る。ガラスの屈折率が約1.46で、エポキシ樹脂820、封止膜500およびラーフィルター114B、114Gの屈折率が1.45〜1.65であるため、各界面の両側における屈折率の違いが小さいので、各界面は、極微の反射を有する。
図10A〜Hは、イメージセンサーの結合パッド214を露光するためのプロセスを示す。開口216は
図10A〜Bに示すように、結合パッド214を覆う第1の絶縁材110に形成されもよい。
図10C〜Dに示すように、第1の光導波路材116が付けられてその大部分が取り除かれもよい、薄い層を残して下の第1の絶縁材110を封止する。
図10E〜Fに示すように、支持膜材料134が付けられてもよい、その中に対応する開口218が形成される。
図10Gに示すように、第2の光導波路材130が付けられもよい。
図10Hに示すように、マスク無しエッチング工程によって結合パッド214を露出させる開口220を形成してもよい。前記エッチング剤は、絶縁材110、134(例えば、酸化ケイ素)及びカラーフィルター114(フォトレジスト)より光導波路材116、130(例えば、窒化ケイ素)を早く侵蝕する特性を有するものが好ましい。CH
3F/O
2において窒化ケイ素をドライエッチングするエッチングレートは、カラーフィルター又は酸化ケイ素に対するドライエッチングより5〜10倍大きい。
図11は、最先端AR膜236、第2のAR膜234、及び変換ユニット102を覆う第3のAR膜232を含む反射防止(AR)スタックの実施形態を示す。前記反射防止スタックは、光が第1の光導波路116からこれらの変換ユニット102への透過を改善する。ARスタックにおける部材は一緒に層230を構成してもよく、それはまた、化学汚染物と湿気から保護するように基板106、変換ユニット102、及び電極104を覆う。例えば、第2のAR膜234は、一般にソース/ドレインコンタクトより2,000オングストローム浅いポリシリコンコンタクトのオーバーエッチングを防止するために、コンタクトホールの酸化物エッチングを阻止するCMOSウエハ製造における普通なコンタクトエッチング停止窒化物膜であってもよい。第3のAR膜232は酸化ケイ素膜であってもよい。この酸化ケイ素膜は、ゲート電極104の下のゲート絶縁膜、普通なディープサブマイクロンCMOSプロセスにおいて前記ゲート電極とスペーサ(示せず)との間にゲート電極104の側辺に沿って下へ延びるスペーサライナー酸化物膜、コンタクトケイ化を阻止するためのコンタクトケイ化の前に堆積されたケイ化物ブロック酸化物膜や、これらの組み合わせ、又は、光導波路116の底部と一致する領域における全ての酸化物をエッチングするサリサイドブロック酸化物のエッチングの後に堆積されるブランケット酸化物膜であってもよい。既存の窒化ケイ素コンタクトエッチング停止膜をARスタックの一部として使用すると、コストが低減される。同一のコンタクトエッチング停止膜はまた、前記光導波路の製造において、絶縁体110における開口に対するエッチングの阻止に用いられてもよい。最後に、最先端AR膜236は、光導波路材で絶縁体110における開口を充填する前に、この開口に形成されておいてもよい。
最先端AR膜236は光導波路116より屈折率が低い。第2のAR膜234は最先端AR膜236より屈折率が高い。第3のAR膜232は第2のAR膜234より屈折率が低い。
最先端AR膜236は、屈折率が約1.46であり、厚さが750オングストローム〜2000オングストロームであり、好ましくは800オングストロームである酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素であってもよい。第2のAR膜234は、屈折率が約2.0であり、厚さが300オングストローム〜900オングストロームであり、好ましくは500オングストロームである窒化ケイ素(Si
3N
4)であってもよい。第3のAR膜232は、屈折率が約1.46であり、厚さが25オングストローム〜170オングストロームであり、好ましくは75オングストロームである酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素(SiOxNy、ただし、0<x<2且つ0<y<4/3)であってもよい。米国特許出願第61/009,454号の
図3に示すように、第3のAR膜232は
図2のゲート電極104の下と基板106の上にあるゲート酸化物を含んでもよい。第3のAR膜232は、同出願の
図3に示すゲートライナー酸化物を更に含んでもよい。又は、第3のAR膜232は、光導波路116の底部と一致するマスク開口を有するサリサイドブロックエッチングマスクを使用して、米国特許出願第61/009,454号の
図2に示すように、サリサイドブロックエッチングにより、サリサイドブロック酸化物64、ゲートライナー酸化物55、ゲート酸化物54を取り除いた後、ブランケット酸化ケイ素堆積によってウエハにおける所々に形成されてもよい。
図11に示す反射防止構造は、前記基板にそれぞれ第3のAR膜232、第2のAR膜234を形成することによって作製されてもよい。そして、第2のAR膜234に絶縁体110を形成してもよい。窒化ケイ素膜は、前記絶縁体とその下の層を覆って封止し、厚さが10,000オングストローム〜4,000オングストロームであり、好ましくは7,000オングストロームである保護膜410を形成するように、PECVDによって前記第1の絶縁体110に堆積されてもよい。例えば、支持膜134は、HDP酸化ケイ素堆積によって保護膜410に形成されてもよい。
支持膜134における開口をエッチングするために、支持膜134が隠されて第1のエッチング剤が付けられる。第1のエッチング剤は、保護膜の材料に対して高い選択性を有するように選ばれもよい。例えば、支持膜134がHDP酸化ケイ素からなり、保護膜410が窒化ケイ素からなると、第1のエッチング剤は、窒化ケイ素よりHDP酸化ケイ素を5倍速くエッチングするCHF3であればよい。そして、第2のエッチング剤は、窒化ケイ素保護膜410を貫いてエッチングするように付けられる。第2のエッチング剤は、CH3F/O2であってもよい。次に、第1のエッチング剤は、第1の絶縁体110をエッチングして窒化ケイ素からなるコンタクトエッチング停止膜234に停止するように、再び付けられる。コンタクトエッチング停止層234は、開口の底部を定義するためのエッチング停止層として機能する。そして、PECVDやHDP酸化ケイ素堆積のような異方性堆積法によって前記開口に、開口の側壁ではなく主にその底部に堆積される最先端AR膜236を形成する。エッチング剤を付けて前記開口の側壁に延びているいずれの残された最先端AR膜材料をエッチングして取り除いてもよい。例えば、第1のエッチング剤を用いてドライエッチングし、ある傾き角でウェファーの基板を保持し、外部からのイオンビームに平行する軸線を回って回転させる。その後、例えば窒化ケイ素PECVDによってこれらの開口に光導波路材を形成する。カラーフィルターは前記光導波路の上に形成されてもよく、隣り合ったカラーフィルターの間にある一部の支持膜及び隣り合った光導波路の間にあるほかの部分は、
図5に示す構成となるようにエッチングされてもよい。
図12A〜Eは、光導波路116と基板202との間に反射防止スタックの別の実施形態を製造するためのプロセスを示す。
図12Eを参照すると、この実施形態において、光導波路116と、最先端AR膜236、第2のAR膜234、第3のAR膜232を含む反射防止(AR)スタックとの間に、エッチング停止膜238が挿設される。この光導波路エッチング停止膜238は、光導波路116と同じ材料で構成されてもよく、また、窒化ケイ素であってもよく、その厚さが100オングストローム〜300オングストロームであり、好ましくは150オングストロームである。本実施形態において前記ARスタックを形成することは、第2のAR膜234の厚さをより正確に制御できる利点があるが、その代わりとして、堆積工程が1回追加され、また酸化物−窒化物−酸化物スタックの代わりに酸化物−窒化物−酸化物−窒化物−酸化物スタックを貫通してコンタクトホール開口(示せず)をエッチングする煩雑さが少々増やしてしまう。前述の実施形態では、第2のAR膜234を光導波路エッチング停止膜として使用し、また最後の絶縁体溝エッチングのオーバーエッチング工程において一部の厚さが損失される。
図12A〜Bに示すように、第3のAR膜232、第2のAR膜234が基板106上に付けられ、そして、最先端AR膜236が第2のAR膜234上に付けられた後、窒化ケイ素で構成される光導波路エッチング停止膜238が付けられる。
図12Cに示すように、絶縁層110、ワイヤー電極108がAR膜232、234、236、及び光導波路エッチング停止膜238の上に形成される。
図12Dは、光導波路エッチング停止膜238の最先端に停止し、絶縁体110にエッチングされた開口を示す。
図12Eは、光導波路材が充填されている開口を示す。
図13Aは、最先端AR膜236(酸化物)の呼び厚さが800オングストロームであり、+/−10%で変更し、2番目のAR膜234(窒化物)の呼び厚さが500オングストロームであり、3番目のAR膜232(酸化物)の厚さが75オングストロームである場合に、
図11、
図12Eの反射防止スタックの透過係数と光波長との関係を示すグラフである。透過曲線は、紫色領域(400nm〜450nm)において急峻な下がりを示す。ARスタックを構成するAR膜232、234、236の呼び厚さは、緑色領域(490nm〜560nm)の代わりに青色領域(450nm〜490nm)に前記透過曲線の最大値が設けられるように選ばれ、これにより、いずれの製造許容差による膜厚ズレも透過係数の紫色領域における下がりが赤色領域(630nm〜700nm)より遥かに大きいことを引き起こさない。
図13Bは、厚さ500オングストロームで、+/−10%で変更する呼びで2番目のAR膜(窒化物)について、
図11、
図12Eの反射防止スタックの透過係数と光波長との関係を示すグラフである。
図13Cは、呼び厚さ75オングストロームで、+/−10%で変更する3番目のAR膜232(窒化物)について、
図11、
図12Eの反射防止スタックの透過係数と光波長との関係を示すグラフである。
図14A〜Gは、2つの異なる画素に2つの異なるARスタックを備え、異なる色の領域を個別に最適化させるために、光導波路116と基板202との間に反射防止スタックの別の実施形態を製造するためのプロセスを示す。3番目および2番目のAR膜232、234は
図12Aに示す実施形態と同様に、
図14Aの光電変換ユニット201の上に設けられる。
図14Aにおいて、最先端AR膜236は、
図14Bに示す最先端AR膜236bの比較的大きい厚さに堆積される。その後、リソグラフィーマスク(示せず)によって、比較的薄い最先端AR膜236aを用いる画素の上にマスク開口を形成する。前記マスク開口の下の最先端AR膜236を
図14Bにおける最先端AR膜236aの比較的小さい厚さに薄化させるように、エッチング工程が適用される。
図14C〜14Gに示す後工程は、
図12B〜Eと同様である。緑色のカラーフィルター114Gは、比較的薄い最先端AR膜236aを有する画素に付けられ、青色・赤色のカラーフィルターは、比較的厚い最先端AR膜236bを有する画素に付けられもよい。
図15Aは、呼び厚さ0.12umの呼びで比較的薄い最先端AR膜236a、呼び厚さ500オングストロームの2番目のAR膜234、呼び厚さ75オングストロームの3番目のAR膜232について、
図14Gの反射防止スタックの透過係数と光波長との関係を示すグラフである。このグラフにおいて、緑色領域に約99%でピークがあり、赤色領域の中央で約93%に徐々に下がる。このグラフは、比較的薄い最先端AR膜236aが赤色画素、緑色画素に適用されることを示す。この比較的薄い最先端AR膜236aは、マゼンタ色が前記イメージセンサーの画素アレイのモザイク模様の一部であるマゼンタ色の画素に適用されてもよい。
図15Bは、呼び厚さ0.20umの比較的厚い最先端AR膜236b、呼び厚さ500オングストロームの2番目のAR膜234、呼び厚さ75オングストロームの3番目のAR膜232について、
図14Gの反射防止スタックの透過係数と光波長との関係を示すグラフである。このグラフにおいて、異なる色の2つの領域、すなわち、紫色領域と赤色領域にピークがある。このグラフは、最先端AR膜236bが紫色画素、赤色画素に適用されることを示す。この比較的厚い最先端AR膜236bは、黄色が前記イメージセンサーの画素アレイのモザイク模様の一部である黄色の画素に適用されてもよい。
画素アレイは、比較的薄い最先端AR膜236aを緑色画素だけに使用し、比較的厚い最先端AR膜236bを青色・赤色画素の両方に使用してもよい。又は、前記画素アレイは、比較的薄い最先端AR膜236aを緑色・赤色画素の両方に使用し、比較的厚い最先端AR膜236bを青色画素だけに使用してもよい。
異なる2番目のAR膜の厚さを作成するとともに、同じ最先端AR膜の厚さを維持することによって、異なる2つのARスタックを形成し、スタックのそれぞれが異なる色の領域を最適化する別の実施形態を提供することができる。1つのカラー領域に1つの厚さを与えるように、2つの異なる厚さが決定される。例えば、2800オングストロームの厚さは青い光と赤い光の透過を最適化するのに対して、650ングストロームの厚さは、緑の光の透過を最適化する。第2のAR膜はまず、比較的大きい厚さに堆積される。その後、リソグラフィーマスクによって、比較的小さい2番目のAR膜の厚さを用いる画素の上にマスク開口を形成する。前記マスク開口の下の2番目のAR膜を比較的小さい厚さに薄化させるように、エッチング工程が適用される。後工程は
図12B〜Eと同様である。
幾つかの典型的な実施形態が説明されて添付図面に示されたが、これらの実施形態が本発明を限定するものではなく単に例示的なものであり、また、当業者によって様々なほかの変形が生じ得るので、本発明が示して説明した特定の構成及び配置に限定されないことを理解すべきである。