【実施例1】
【0041】
次に、第1の実施の形態に対応する具体的な実施例1を説明する。
【0042】
図3は実施例1の生体撮像装置の斜視図である。
【0043】
実施例1の生体撮像装置は、
図3に示すように、生体撮像装置の内部に設けられた撮像部2を設け、この撮像部2に対して指の指紋および指血管パターンの撮像領域を撮影に適した位置に導く指先ガイド102と、指根ガイド103とが撮像部2の上部に設けられた構成となっている。尚、利用者(被認証者)の指のうち、少なくとも撮像対象となる指紋部位及び遠位指節間関節(第一関節)と近位指節間関節(第二関節)との間の表皮部位が圧迫されないよう、いずれの部材とも接触しないように、それらの部位に対応する部分は開口されている。
【0044】
ここで、指の撮影を行うにあたっては、指先ガイド102に利用者(被認証者)の指の先端が置かれると共に、指根ガイド103には当該指の根元(指根部)が置かれることにより、利用者の指が、撮像部2による撮像に適した位置に導かれる。
【0045】
指先ガイド102および指根ガイド103は、利用者の指の指紋および血管パターンを撮像手段104で撮像する場合に、
図4に示すように、指の先端が指先ガイド102に、そして同じ指の根元が指根ガイド103に置かれることにより、指の撮影領域が撮像可能な位置にガイドされる。
【0046】
ここで、生体撮像装置の撮像部2を含む縦断面図を
図5に示す。尚、説明の便宜のため、外部に設けられた撮像制御部3、画像処理部4、照合部5、表示部6も記載している。
【0047】
スポット光発生光源1は、上述したように、指FGと非接触に設置され、利用者の指の遠位指節間関節(第一関節)と指先端との間の指紋部位全体を概均一な輝度で、指紋部位に対してスポット的に平行光を、一方向から照射することができる位置に設けられている。
【0048】
また、実施例1の生体撮像装置は、血管が圧迫されて血が逃げてしまわないために、利用者(被認証者)の指の撮像対象となる部位、すなわち、指紋部位、及び遠位指節間関節(第一関節)と近位指節間関節(第二関節)との間の部位(指血管の画像を撮像する部位)が、いずれのものとも非接触の状態を保つように、指紋部位、及び遠位指節間関節(第一関節)と近位指節間関節(第二関節)との間の部位(指血管の画像を撮像する部位)に対応する部分が開口されている。
【0049】
実施例1の生体撮像装置により、利用者(被認証者)の指紋及び血管パターンを撮像した一例を
図6に示す。
【0050】
図6に示されるように、指の指紋部位にスポット的に平行光を照射することにより、指の指紋部位の表面で反射した反射光による指紋画像と、その照射光が指内部で伝播して放射される放射光による血管画像とが、一つの撮像部によって同時に撮像されているのがわかる。
【0051】
また、
図7、8は、
図6に示される生体撮像画像に対して、ノイズ除去、周波数フィルターによる画像強調、利得調整による画像強調などの画像処理を行った指紋画像及び血管画像を示したものである。
【0052】
図7で示した画像処理後の指紋画像が示すように、指紋部位にスポット的に照射される平行光によって、指紋の凹凸により影が出来やすく、散乱光より良好なコントラストの指紋画像が得られることがわかる。また、
図8で示した画像処理後の血管画像が示すように、遠位指節間関節(第一関節)と近位指節間関節(第二関節)との間の表皮からもれ出る(放射される)散乱光により、血管パターンが明瞭な画像を得られることがわかる。
【0053】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0054】
本発明の他の実施の形態として、その基本的構成は上述した実施の形態の通りであるが、より安定した血管画像を撮像するために光源についてさらに工夫している。その構成を
図9に示す。
【0055】
他の実施の形態では、上述した実施の形態に加えて、補助光源10を設けたことを特徴とする。補助光源10は、指FGの近位指節間関節(第二関節)の指FGの根元側の近傍に設置され、光を指の内部に照射する。
【0056】
指先のスポット光発生光源1のみからでも第一関節と第二関節の間から散乱光は観測できるが指の根元側が暗くなる問題があり、この補助光源によって改善できる。
【0057】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0058】
(付記1) 生体の第1の部位に平行光を照射する照射部と、
前記第1の部位と、前記第1の部位とつながる第2の部位とを撮像する撮像部と
を有する生体撮像装置。
【0059】
(付記2) 第1の部位が、遠位指節間関節と指先端との間の指紋部位であり、
第2の部位が、近位指節間関節と遠位指節間関節との間の部位である
付記1に記載の生体撮像装置。
【0060】
(付記3) 前記照射部は、600nmから1000nmの波長を含む光を照射する
付記1又は付記2に記載の生体撮像装置。
【0061】
(付記4) 前記第1の部位と前記第2の部位とは、いずれの部材とも接触しない位置に保持される
付記1から付記3のいずれかに記載の生体撮像装置。
【0062】
(付記5) 前記撮像装置は、前記照射部で照射されて前記第1の部位の表面で反射した反射光と、前記照射部で照射されて前記第2の部位の内部で伝播して放射される放射光とで、前記第1の部位と前記第2の部位とを撮像する
付記1から付記4のいずれかに記載の生体撮像装置。
【0063】
(付記6) 前記第1の部位と反対側の前記第2の部位と連続する第3の部位に光を照射する第2の照射部を有する
付記1から付記5のいずれかに記載の生体撮像装置。
【0064】
(付記7) 生体の第1の部位に平行光を照射し、
前記第1の部位と、前記第1の部位とつながる第2の部位とを、同時に撮像する
生体撮像方法。
【0065】
(付記8) 第1の部位が、遠位指節間関節と指先端との間の指紋部位であり、
第2の部位が、近位指節間関節と遠位指節間関節との間の部位である
付記7に記載の生体撮像方法。
【0066】
(付記9) 前記平行光の波長は、600nmから1000nmの波長である
付記7又は付記8に記載の生体撮像方法。
【0067】
(付記10) 前記第1の部位と前記第2の部位とは、いずれの部材とも接触しない位置で撮像される
付記7から付記9のいずれかに記載の生体撮像方法。
【0068】
(付記11) 平行光を照射されて前記第1の部位の表面で反射した反射光と、平行光を照射されて前記第2の部位の内部で伝播して放射される放射光とで、前記第1の部位と前記第2の部位とを撮像する
付記7から付記10のいずれかに記載の生体撮像方法。
【0069】
(付記12) 更に、前記第1の部位と反対側の前記第2の部位と連続する第3の部位に光を照射する
付記7から付記11のいずれかに記載の生体撮像方法。
【0070】
(付記13) 少なくとも、指の遠位指節間関節と前記指の先端との間の指紋部位と、前記指の近位指節間関節と前記指の遠位指節間関節との間の血管部位とがいずれの部材とも接触されない状態で前記指を保持する保持手段と、
保持される指の下方に設置され、前記指紋部位に平行光を照射する照射部と、
保持される指の下方に設置され、前記照射された光により、少なくとも前記指紋部位と前記血管部位とを同時に撮像する撮像部と
を有する生体撮像装置。
【0071】
(付記14) 前記照射部は、600nmから1000nmの波長を含む光を照射する
付記13に記載の生体撮像装置。
【0072】
以上好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。