【実施例】
【0015】
図1〜
図12に、実施例のキャリアの一時保管装置(一時保管装置)2と、その変形例とを示す。一時保管装置2はクリーンルーム内等に設けられ、クリーンルームの天井から
図3に示す天井走行車30(OHT)の走行レール4が支持されている。6は半導体等の処理装置で、処理装置には検査装置を含むものとし、ロードポート16を1個〜複数個備えている。また半導体ウェハー、レチクル等の物品はFOUP(Front-Opening Unified Pod)等のキャリア18に収納されて、スライドバッファ12,固定バッファ14に一時保管されると共に、天井走行車(OHT)30とローカル台車10とにより搬送される。
【0016】
一時保管装置2は、クリーンルーム内の通路7上で、人とは干渉しない高さに配置されている。一対の走行レール8,8に沿って、ロードポート16の列の直上部を処理装置6と平行に、一時保管装置2の最上部をローカル台車10が走行する。走行レール8,8の間には、キャリア18が通過できる隙間があり、天井走行車30とローカル台車10は走行レール8,8の隙間を通るようにして、キャリア18を移載する。
【0017】
ロードポート16等と対応する位置に、一時保管装置2のフレーム13によりスライドバッファ12を支持する。スライドバッファ12は、走行レール8,8の直下にある前進位置と、走行レール8,8の下部から離れた後退位置との間で進退自在である。また好ましくは、スライドバッファ12以外に、固定バッファ14を走行レール8,8の両端もしくは一端に設ける。そしてロードポート16の上部と固定バッファ14の上部とが、ローカル台車10及び天井走行車30の停止位置となり、固定バッファ14の上部はローカル台車10の待機位置でもある。なお固定バッファ14の代わりにスライドバッファ12を設けて、固定バッファ14を設けないようにしても良い。ロードポート16の上部を除く位置を、ローカル台車10の待機位置とするので、ローカル台車10にトラブルが生じても、ロードポート16と天井走行車30との移載は妨げられない。
【0018】
ローカル台車10及び天井走行車30の停止位置(エリア)は、ロードポート16及び固定バッファ14と1:1に対応し、停止位置毎に、
図1〜
図3及び
図10に示す端末100〜102が設けられて、天井走行車30の移載作業とローカル台車10の進入(走行)とのインターロックを成立させる。20は光センサで投光部と受光部とを備え、21は反射板である。101はローカル台車10がバッファコントローラ22と通信するための端末で、100,102は天井走行車がバッファコントローラ22と通信するための端末であり、20,21,及び100〜102は停止位置(エリア)毎に設けられている。そして反射板21との間がベルト等により遮られたことから、天井走行車30からの昇降台、昇降台を吊持するベルト、あるいは昇降台に把持されているキャリアを、光センサ20により検出する。
【0019】
光センサ20と反射板21を、天井走行車30からのベルトを検出する位置に設けるので、ベルトと昇降台、及び昇降台に支持されているキャリアのいずれでも検出できる。バッファコントローラ22は、ローカル台車10の制御とスライドバッファ12の制御、天井走行車30とローカル台車10のインターロック、及び処理装置6との通信を行う。投受光形の光センサ20と反射板21との代わりに、発光部と受光部とをベルトが通過する位置を挟むように配置しても良い。また光がベルト等により遮られることを検出する代わりに、超音波がベルト等で反射されることを検出しても良い。
【0020】
図2,
図3に示すように、一時保管装置2は門形の架台24により支持され、架台24の通路7側の前面25は、通路7に対して、ロードポート16の前面26とほぼ同じ位置まで進出しているか、あるいは前面26よりも処理装置6寄りの位置にある。このため通路7の幅Wはロードポート16の位置により定まり、一時保管装置2を設けても通路7の幅Wは狭くならない。なおほぼ同じとは、前面の差が例えば±100mm以下であること、特に±50mm以下であることであり、好ましくは前面25,26はほぼ同じ位置にある。ところで一時保管装置2は、クリーンルームの天井あるいは天井走行車30の走行レール4から吊り下げても良い。しかし架台24に一時保管装置2を支持させてクリーンルーム内へ搬入し、位置決めすると、一時保管装置2を容易に設置できる。そして架台24の前面25がロードポート16よりも通路7側に進出しないようにすると、通路7を狭くすることにならない。
【0021】
天井走行車30の構造を
図3に示す。走行部32は走行レール4内を走行すると共に横送り機構33を支持し、横送り機構33は、走行レール4に水平面内で直角な方向に、昇降駆動部34を横送りする。昇降駆動部34は、ベルト36等の吊持材を繰り出し及び巻き取り、キャリア18をチャック及び解放自在な昇降台35を昇降させる。昇降駆動部34,昇降台35,及びベルト36は、ホイストを構成する。そして前記の光センサ20はホイスト及びホイストに支持されているキャリアを検出する。38は、キャリア18の落下を防止する落下防止カバーで、これらの他に、昇降駆動部34を鉛直軸回りに回動させる機構を追加しても良い。なお横送り機構33を備えない天井走行車では、スライドバッファ12を走行レール8,8の下部へ前進させて移載する。
【0022】
図1〜
図3の一時保管装置2は、スライドバッファ12を4個、固定バッファ14を2個備え、処理装置6のロードポート16は例えば4個である。これに対して、4個のロードポート16に対して、キャリア18の収容能力を最大にした一時保管装置40を、
図4,
図5に示す。一時保管装置40では、固定バッファ14はスライドバッファ12よりもキャリアの高さで1段分低い位置に設けられ(
図5)、この結果、一時保管装置40が占める高さが増している。スライドバッファ12は、走行レール8,8の両側に設けられ、固定バッファ14の上部にも、ロードポート16から外れたスライドバッファ12’が前進するように設けられている。この結果、スライドバッファ12を8個、ロードポート16から外れたスライドバッファ12'を4個、固定バッファ14を2個設けることができ、固定バッファ14の上部がローカル台車10の待機位置である。
【0023】
図6は、小型の処理装置6'に対応し収容能力が小さい一時保管装置60を示す。処理装置6'はロードポート16を2個備え、一時保管装置60は、スライドバッファを4個備え、ロードポート16から外れたスライドバッファ12'の上部をローカル台車10の待機位置とする。なお
図5のようにすると、固定バッファ14を2個追加できるが、一時保管装置60が占める高さが増す。
【0024】
図7はスライドバッファ12の構造を示し、70はベースで一時保管装置のフレームに固定され、レール71,71に沿って、前進位置と後退位置との間で、台座72が車輪73により前後進する。なお前進位置はローカル台車の走行レールの直下、後退位置はそれから離れた位置である。台座72に設けられている、例えば3個の位置決めピン74は、キャリア18の底部を位置決めする。キャリアセンサ75はキャリア18の有無を検出し、着座センサ76はキャリア18が位置決めピン74上の正しい位置に着座していることを検出し、IDリーダ77はキャリアのIDを読み取る。なおIDリーダ77は設けなくても良く、センサ75,76,IDリーダ77は固定バッファにも同様に設ける。
【0025】
空気圧シリンダ、油圧シリンダ等のシリンダ78とピストン79により、あるいは図示しないモータと歯付ベルト等により、リニアガイド80をレール81に沿って前後進させる。歯付きベルト82等から成る倍速機構により、リニアガイド80の2倍のストロークで、台座72を前後進させる。なおこの倍速機構はスライドフォークで広く用いられているもので、また台座72の前後進の機構は任意である。センサ83はリニアガイド80が後退位置にあることを検出し、センサ84は前進位置にあることを検出し、ケーブルガイド85は電源線と信号線を屈曲自在にガイドし、センサ75,76、IDリーダ77をベース70側に接続する。センサ83,84の作用は台座72の位置を検出することで、レール71に台座の前端位置を検出する光センサと、後端位置を検出する光センサ等を取り付けても良い。
【0026】
図8はローカル台車10の構造を示す。ローカル台車10は、一対の走行レール8,8に沿って、車輪86と図示しないモータとにより走行し、昇降駆動部87と図示しないベルト等により、キャリア18をチャック/解放自在な昇降台88を昇降させる。ローカル台車10はこれ以外に、バッファコントローラ22との通信装置、及び天井走行車30とのインターロック用の端末との通信装置、電池等の電源、機上のコントローラを備えている。
【0027】
図9は、一時保管装置2とその周囲の制御系を示す。材料管理システム(MCS)90は図示しない上位コントローラ等と通信し、キャリアの搬送に関する要求を受け取り、OHTコントローラ92とバッファコントローラ22とに搬送を指示する。OHTコントローラ92は複数台の天井走行車30に搬送を指示し、バッファコントローラ22はローカル台車10に搬送を指示するとともに、スライドバッファ12の前後進を制御する。バッファコントローラ22は、
・ 光センサ20,センサ75,76,IDリーダ77,センサ83,84、及び端末101により、一時保管装置2の状態(バッファ毎のキャリアの有無とスライドバッファ12の位置)を検出すると共に、
・ 端末100,102により、天井走行車30とローカル台車10のインターロックを行う。
【0028】
図10は、天井走行車30とローカル台車10のインターロック機構を示す。光センサ20は、天井走行車30からのベルト、昇降台等のホイストを検出し、あるいは天井走行車30が昇降させているキャリアを検出する。これによって、天井走行車30がキャリアの移載を行っていることを、天井走行車30の停止位置と共に検出できる。
【0029】
天井走行車30は、走行レールの直下のロードポート、固定バッファ、及び走行レールの直下に前進しているスライドバッファとの間で、キャリアを移載する場合、端末100を介して、バッファコントローラ22に移載の許可を要求する。ローカル台車10が、これらの位置との間でキャリアを移載する場合、端末101を介して、バッファコントローラ22に移載の許可を要求する。
【0030】
バッファコントローラ22は、センサ83,84の信号によりスライドバッファの位置を検出し、さらにスライドバッファと固定バッファでのキャリアの有無を確認し、移載が可能な場合は要求を許可する。またバッファコントローラ22は処理装置6と通信し、天井走行車30及びローカル台車10と、ロードポートとの間での、キャリアの移載要求を処理装置6に転送し、処理装置6から許可信号を受け取る。バッファコントローラ22は、上記の処理に基づき、端末100,101から、天井走行車30とローカル台車10とに移載の許可を送出する。バッファコントローラ22からの移載の許可信号は端末100、101にセットされ、天井走行車30とローカル台車10は移載の許可を確認した後に、移載を実行する。
【0031】
ローカル台車10と天井走行車30の移載に関する処理を説明したが、天井走行車30からの移載は、ローカル台車10の進入と競合する。そこでローカル台車10は、進入しようとする停止位置毎に、端末101を介して、許可をバッファコントローラ22に要求する。バッファコントローラ22は、天井走行車30の移載と干渉しなければ、ローカル台車10からの進入要求を停止位置毎に許可し、ローカル台車10は進入許可信号を端末101を介して確認した後に、許可された停止位置へ進入する。
【0032】
天井走行車30は、後退位置(ローカル台車10の走行レールの下方から離れる位置)に有るスライドバッファとの間で、横送り装置によりキャリアを移載することができる。この移載はローカル台車10の走行と干渉せず、またローカル台車10による移載とも干渉しない。この場合、天井走行車10は移載の許可を端末102からバッファコントローラ22に要求し、バッファコントローラ22は要求されたスライドバッファが移載可能な状態で有れば、要求を許可する。なお端末102と端末100を一個の端末にまとめても良い。
【0033】
ロードポート及び固定バッファに対する天井走行車30による移載と、ローカル台車10の進入(走行)が干渉するが、端末100,101によるインターロックで干渉を回避できる。仮に端末100を介してのインターロックでは不十分な場合が有るとしても、天井走行車30からのベルト、昇降台、キャリア等を検出することにより、ローカル台車10と天井走行車30との干渉を回避できる。後退位置にあるスライドバッファと天井走行車30との移載では、端末102を介してインターロックを成立させることができる。またバッファコントローラ22は、センサ83,84により、スライドバッファの位置を検出できる。
【0034】
これらのインターロックは、バッファコントローラ22ではなく、他のコントローラにより処理しても良い。またバッファコントローラ22がローカル台車10から位置の報告を受けている場合、端末101とローカル台車10が通信する代わりに、バッファコントローラ22が内蔵するインターロック処理部へローカル台車10の進入許可を要求して、自ら許可しても良い。
【0035】
図11は、天井走行車による一時保管装置との移載アルゴリズムを示す。スライドバッファとの移載(処理p1)では、横送り装置を天井走行車が備えていれば、スライドバッファを走行レールの下方の位置から後退させ、ローカル台車と干渉しない位置で移載する。横送り装置がない場合は、走行レールの下方へスライドバッファを前進させて移載し、この場合のインターロックはロードポートとの移載と同様である。
【0036】
ロードポートとの移載(処理p2)では、スライドバッファを
図1の走行レール8,8の直下から後退させて移載する。また固定バッファとの移載(処理p3)で、
図5のように、固定バッファ上にスライドバッファがある場合、スライドバッファを固定バッファの上部から後退させて移載する。
【0037】
図12は、天井走行車とローカル台車との干渉の回避アルゴリズムを示す。天井走行車(OHT)は、ローカル台車の走行レールの直下にあるスライドバッファ、ロードポート、固定バッファとの間で、キャリアを移載する場合、事前に端末を介して移載の許可を要求する。またローカル台車は、進入しようとする停止位置毎に進入の許可を要求し、移載する場合は、進入の許可に加えて、移載の許可を要求する。そして同じ停止位置には、天井走行車からの移載要求とローカル台車の進入要求の一方のみを許可することにより、天井走行車とローカル台車との干渉を回避する(処理p5)。
【0038】
天井走行車がロードポート等との移載を開始した後にエラーを起こすと、バッファコントローラもエラーが生じたものとして一旦停止し、リセットによりバッファコントローラが復旧される。この時、天井走行車は端末に移載中である旨の信号を送出していない可能性があるため、バッファコントローラは天井走行車が移載中であることを認識できなくなる可能性がある。この問題を、天井走行車が移載中であることを、バッファコントローラが不揮発に記憶することにより解決しても良い。しかし天井走行車のホイスト、昇降中のキャリア等を、
図1の光センサ20で検出する方が確実である。そこでホイスト等を検出すると、その停止位置へのローカル台車の進入を禁止する(処理p6)。なお他の停止位置への進入は禁止しない。このようにすると、天井走行車の復旧前に、バッファコントローラとローカル台車及びスライドバッファを復旧することができる。
【0039】
ローカル台車には停止位置毎に進入の許可を要求させる。バッファコントローラは、ローカル台車に進入を許可した範囲では、天井走行車によるロードポート等との移載を許可しないようにする(処理p7)。なお
図1の走行レール8,8の下方から離れた位置に有るスライドバッファとの移載は、ローカル台車と干渉しない。従って、干渉の回避処理は不要である(処理p8)。
【0040】
なお
図13に示すように、クリーンルームの天井40から、支柱41と取付部42とにより、一時保管装置2を支持し、架台24は省略しても良い。また43は天井走行車30の走行レール4の支柱である。また
図13では端末100〜102を省略して示す。