特許第6206822号(P6206822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6206822-多段堅型炉システム 図000002
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  • 特許6206822-多段堅型炉システム 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206822
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】多段堅型炉システム
(51)【国際特許分類】
   C21B 5/06 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   C21B5/06
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-74689(P2016-74689)
(22)【出願日】2016年3月1日
(65)【公開番号】特開2017-155326(P2017-155326A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】516097996
【氏名又は名称】農業法人新バイオエネジェックスシステム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】久米 正一
【審査官】 坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−098135(JP,A)
【文献】 特開2004−210904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21B 5/06,11/02
F27D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪型炉を2基以上の複数基で直列につなぎ、最初の竪型炉を前炉とし、最初の縦型炉以降の炉を後炉とし、その前炉の出口流出ガス圧力を後炉の炉内圧力よりも+49.03Pa以上、+88257.42Pa以下と高める圧力制御システムの多段竪型炉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
固体もしくは水分を含んだ固体を前炉に上部より投入し、気体を前炉の下部から後炉へ流す交流竪型移動層の多段竪型炉システム。
【0002】
竪型炉である高炉、キューポラ、流動床のシャフト炉、竪型ガス化溶融炉を前後に2基以上の複数多段にし、前炉から出る排ガスを後炉に流す多段竪型炉システム。
【背景技術】
【0003】
これまでの竪型炉は高炉(図1)、キューポラ(図2)、流動床(図3)、ガス化溶解炉(図4)があるが、いずれも単一竪型炉である。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの竪型炉は高炉、キューポラ、流動床、ガス化溶解炉があるが、いずれも単一竪型炉では、完全には処理できない排出ガスや金属が含まれる可能性があった。
【0005】
特許文献特開2001−220609において、同様に竪型の溶融還元炉を2基以上、複数基で直列に接続しているが、直列に接続する接続条件や種々の操業条件が設定されていないことが課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献1】特開2001−220609号
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)本発明では、竪型炉とは、高炉、キューポラ、流動床、竪型炉である高炉を前炉、後炉と複数炉直列に並べる(図1)、キューポラを前炉、後炉と複数炉直列に並べる(図2)、流動床を前炉、後炉と複数炉直列に並べる(図3)、ガス化溶解炉を前炉(図4)、後炉と複数炉直列に並べる等、以上のように竪型炉を前炉、後炉と複数炉直列に並べることを特徴とする設備である。
【0007】
(2)直列に並べることによって、竪型炉は高温の排ガスのエネルギー効率が増加し、前炉から出る排ガス中のガスの改質や排ガス中に含まれる金属の歩留まりが増加する(1)の設備。
【0008】
(3)直列に並べる時、前炉と後炉の圧力差を+49.03Pa以上、+88257.42Paにすることにより、ガスの流れを滞らせることなく流れ、安定した操業を行うことができる(1)の設備。
【0009】
(4)前炉と後炉の接続管は前炉のガス出口の下の中心から−90mm以上の場所に後炉への入口を設けることにより、安定した操業を行うことができる(1)の設備。
【0010】
(5)前炉と後炉の間の接続管(図9)には、伸縮管、もしくはベローズ、又はソロバン玉型の配管を導入することにより、温度差による伸縮の吸収・芯ズレの吸収・振動吸収をし、気体の流れをスムーズにして安定した操業を行うことができる(1)の設備。
【0011】
(6)前炉と後炉の間の接続管には、前炉から発生した排ガスの温度を一定に保つため外観に保温材もしくは内部に耐火物で保温する構造を持つ(1)の設備。
【0012】
(7)前炉から発生した排ガスを後炉に送り込むとき、排ガスの圧力を一定にするため、ガス入口は、一カ所もしくは環状管を用いて複数のガス入口を持つ(1)の設備。
【0013】
(8)前炉並びに後炉の竪型炉は、同一種の竪型炉もしくは機種の異なる竪型炉でも可能な(1)の設備。
【0014】
(9)前炉、後炉への原料の投入は、前炉と後炉ともに固形物もしくは水分を含む固体の投入ができる(1)記載の設備。
【0015】
(10)前炉と前炉に連結した複数の後炉と、後炉に連結した燃焼室で構成される(1)の設備。
【0016】
(11)前炉に連結した後炉と、後炉に連結した燃焼室で構成される(1)から(10)記載の設備。
【0017】
前記燃焼室では、ガスバーナーにより後炉を通過した燃焼ガスを完全燃焼することにより、より安全安心な燃焼ガスにする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1図4は従来の単一竪型炉プロセスであり、図5図8は多段竪型炉システムである。図5図8では、前炉を設け、また、後炉および燃焼室を設けた設備である。
【0019】
本実施形態(図5図8)では、前炉で炉内に投入した固体もしくは水分を含んだ固体前炉で完全に熱分解し、続く後炉で熱分解ガスを無害化処理し、更にガス改質を行う。後炉で発生したガスは、燃焼室で完全燃焼させてさらに無害する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、直列に並べることによって、竪型炉は高温の排ガスの溶融能力が増加し、前炉から出る排ガスをガス改質し、また排ガス中に含まれる金属の歩留まりが増加する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、固体もしくは水分を含んだ固体を前炉の上部に設けた投入装置から投入し、前炉からの排ガスを後炉及び燃焼室で完全燃焼することにより、従来よりも安全かつ確実に無害化処理をすることができる処理設備であり、熱効率が上昇し、生産量が増加した。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の単一炉の高炉の図である。
図2】従来の単一炉のキューポラの図である。
図3】従来の単一炉の流動床の図である。
図4】従来の単一炉のガス化溶解炉の図である。
図5】本発明の多段竪型炉システムの高炉の図である。
図6】本発明の多段竪型炉システムのキューポラの図である。
図7】本発明の多段竪型炉システムの流動床図である。
図8】本発明の多段竪型炉システムのガス化溶解炉の図である。
図9】接続管概略図 1.前炉 2.後炉 3.接続管 4.伸縮管、ベローズ等 5.ソロバン玉
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9