【実施例1】
【0022】
本発明の実施例としては、部品搬送路が直線的に真っ直ぐな形状とされている場合と、円弧状に湾曲した形状とされている場合などがある。ここでは後者の場合であり、パーツフィーダにおける円形の振動式ボウルの送出の際に、過長部品の送出を中止するものである。
【0023】
まず、本実施例で扱われる部品について説明する。
【0024】
本願発明の装置において扱われる部品1は、
図1(H)に示すように、雄ねじが切られたボルトの軸部2に長方形の板状の頭部材3が一体化された頭部材付き軸状部品であり、鉄製とされている。前記頭部材3の形状としては、円形のフランジ部など種々なものがある。各部の寸法は、頭部材3の短辺が11mm、長辺が16mm、厚さが1.5mm、そして、軸部2の直径が6mmである。
【0025】
部品1の長さは、
図4に示されている。正規部品の長さは、18mm、第1過長部品1Aの長さは20mm、第2過長部品1Bの長さは32mmである。第1過長部品1Aの長さは、正規部品の長さよりもわずかに長くなっている。また、第2過長部品1Bの長さは、正規部品の長さよりも大幅に長くなっている。
図4には、各部品の寸法差(単位:mm)が記載されている。正規部品は正規長さのボルト1を意味しており、符号1は正規部品についても付されている。
【0026】
上記のように、正規部品1を扱う工程の近くに、第1過長部品1Aを扱う工程や、第2過長部品1Bを扱う工程が配置されていると、正規部品1に第1過長部品1Aや第2過長部品1Bが混入する恐れがある。本願発明は、このような工程環境とされている場合に有用なものである。
【0027】
最初に、パーツフィーダの概略構造を説明する。
【0028】
図5に示すように、パーツフィーダ4は円形の振動式ボウル5の内周部に、螺旋状の細長い部品搬送路6が円弧状に形成されたもので、振動式ボウル5の下側に起振ユニット7が配置してある。振動式ボウル5に貯留されているボルト1は、円周方向と上下方向の合成振動によって、部品搬送路6を反時計方向に搬送されて、送出されるようになっている。
【0029】
図5(A)において、2点鎖線で囲われている箇所が通過規制構造部であり、符号100は規制転落部であり、また、符号200は規制幅部である。部品1の搬送方向で見ると、規制転落部100において正規部品1よりも大幅に長尺な第2過長部品1Bが部品搬送路6から除去され、正規部品1よりもわずかに長尺な第1過長部品1Aが規制幅部200において挟み付けられるようになっている。
【0030】
つぎに、部品搬送路について説明する。
【0031】
図1においては、同図(A)のB−B断面が(B)図であり、C−C断面が(C)図である。以下、(F)図まで同様に図示してある。
【0032】
細長い板材を円弧状に形成し、パーツフィーダ4の外壁板8の内側に沿って配置して、部品搬送路6が形成されている。そして、ガイド溝9が円弧状に外壁板8に沿って形成してある。このガイド溝9は、部品搬送路6の片端側に沿って搬送方向に形成されたもので、ここでは外壁板8側に配置してある。ガイド溝9は、断面コ字型の円弧型部材を上方に開放させて形成することもできるが、ここでは外壁板8と部品搬送路6に形成した屈曲部の組み合わせで形成してある。
【0033】
図1(B)の断面箇所においては、部品搬送路6の外周側が低くなるような傾斜が付与してあるので、ボルト1の頭部材3は外壁板8の内面に接触しながら搬送される。頭部材3は振動式ボウル5の振動により、長辺側が下側になってガイド溝9内に嵌まり込んでいる。そのため、軸部2の中心軸線が部品搬送路6を幅方向に横切る姿勢、すなわち軸部2の中心軸線が振動式ボウル5の直径方向となる姿勢が維持される。
【0034】
つぎに、規制転落部について説明する。
【0035】
規制転落部100においては、正規部品1よりも著しく長い第2過長部品1Bを除去するもので、第2過長部品1Bの軸部先端側を持ち上げてから転落させる。
図1の3A矢視図が、
図3(A)である。部品搬送路6の内周に沿って棒状のガイド部材10の一端が、溶接などで結合してある。ガイド部材10の他端側は、部品搬送路6から搬送方向側が高くなる方向に傾斜させてある。
【0036】
図1(A)から明らかなように、部品搬送路6の内周側を切り欠いて狭幅部11が形成され、この部分の角部12が後述の揺動支点とされている。狭幅部11の形成により、ガイド部材10は、角部12からボウル中心側に離れた箇所に位置していることとなる。ガイド部材10は切欠かれた狭幅部11の中央付近まで伸ばしてあり、ガイド部材10の先端部の搬送方向側が転落空間13とされている。上記のような狭幅部11、ガイド部材10、角部12、転落空間13によって、規制転落部100が形成されている。
【0037】
このようにして、規制転落部100が狭幅部11の箇所に形成され、ガイド部材10によって軸部先端側が高くなった第2過長部品1Bが揺動して、転落空間13を転落するときの揺動支点が部品搬送路6の角部12によって形成されている。揺動支点にも符号12が付されている。
【0038】
図1(A)に示すように、平面的に見ると角部12は、第2過長部品1Bの長さの中間付近に位置している。そして、規制転落部100においては、部品搬送路6はいずれの方向にも傾斜せず、
図1(C)に示すように、ほぼ水平になっている。
【0039】
つぎに、規制転落部の作動を説明する。
【0040】
第2過長部品1Bがガイド部材10に差しかかると、すなわち
図3(A)のB位置に差しかかると、
図3(B)に示すように、軸部2の先端側が持ち上げられて部品搬送路6の表面から浮上し始める。さらに第2過長部品1Bが搬送されてガイド部材10の端部近傍に差しかかると、すなわち
図3(A)のC位置に差しかかると、軸部2の先端側は最も高い位置に持ち上げられる。
【0041】
ついで、軸部2がガイド部材10の端部から外れると、すなわち
図3(A)のD位置に達すると、軸部2が高く持ち上げられていたボルト1が、その頭部材3がガイド溝9から抜け出しながら軸部先端が落下するような状態で揺動し、軸部2の中間部分が部品搬送路6の角部12に当たる。これによって、部品搬送路6の角部12が揺動支点12の役割を果たし、著しく長い第2過長部品1Bは確実に揺動し、部品搬送路6から転落する。このような揺動転落の動作を行わせるのが、転落空間13である。なお、角部と揺動支点は同じ機能を果たすものであり、上述のように、揺動支点にも同じ符号12が付されている。
【0042】
つぎに、規制幅部について説明する。
【0043】
規制幅部200においては、正規部品1よりもわずかに長い第1過長部品1Aの通過を禁止するもので、第1過長部品1Aの頭部材3と軸部2の端部を両側から挟み付けるようにして、通過禁止を図るものである。
図1のE−E断面が
図2(A)である。なお、理解しやすくするために、2点鎖線で示した正規部品1と、実線で示した第1過長部品1Aの長さの差を誇張して大きく図示してある。
【0044】
図1D−D断面付近まで平たい形状で伸びてきた部品搬送路6は、その付近から溝型の変形が開始され、次第に深さを増して溝空間15を形成するように、深い溝形状に変形されている。溝空間15は、部品搬送路6から滑らかに変形しており、頭部材3がガイド溝9に嵌まり込んだままで軸部2を自重で起立方向へ変向させるようになっている。つまり、部品搬送路6が溝形状に変形されても、後述の第1レール部材に移行するまでガイド溝9はそのまま伸びている。
【0045】
溝空間15には、ボウルの中心側に内壁15Aが形成されている。これは、ガイド溝9の内壁9Aである外壁板8の内面に対向した壁面である。内壁9Aと内壁15Aとの間隔部分が規制幅部200であり、
図2(B)に示した搬送方向上流側においては、間隔L1が第1過長部品1Aよりもわずかに長く設定してあり、その長さは符号L2で示されている。
【0046】
間隔L1は、後流側に向かって次第に狭くなっており、
図2(A)に示した箇所においては、内壁9Aと内壁15Aとの間隔部分L3は、第1過長部品1Aの長さよりもわずかに短く設定してある。このようにして、ガイド溝9の内壁9Aと溝空間15の内壁15Aの間の距離L3を、正規部品1の全長よりも長くして正規部品1が通過できるように設定し、しかも、第1過長部品1Aの全長よりも短くして第1過長部品1Aは通過できないように設定した規制幅部200が構成されている。このように、部品1の長さ方向の寸法に準拠して、正規部品1の通過と、第1過長部品1Aの通過禁止の区分け動作を行っている。
【0047】
つぎに、規制幅部の作動を説明する。
【0048】
第1過長部品1Aが符号L3で示す規制幅部200に到達した際には、頭部材3がガイド溝9の内壁9Aに押し付けられ、また、軸部先端が溝空間15の内壁15Aに押し付けられる。このような両押し付けにより、第1過長部品1Aは規制幅部200において挟み付けられた状態になる。なお、前述の挟み付けを確実に行うために、ガイド溝9の内面である内壁9Aに頭部材3を密着させることが得策である。そのために、外壁板8の上方を内側に屈曲させてある。屈曲箇所は符号16で示されている。
【0049】
つぎに、吊り下げについて説明する。
【0050】
溝空間15の形成にともなって、ガイド溝9のボウル中心側の縁部分が
図1(E)や
図2において符号17で示すように、外壁板8に沿った円弧状の第1レール部材を形成している。一方、この第1レール部材17と平行な状態で第2レール部材18が配置してある。この第2レール部材18は円弧状の細長い角材で構成され、結合材19を介して内壁板20に溶接などで固定されている。なお、符号21は、ボウルの底板である。
【0051】
第2レール部材18は、第1レール部材17よりも高い箇所に配置され、傾斜した正規部品1がそのままの姿勢で軸部2が両レール17、18の間に進入できるようになっている。第2レール部材18の高さは、搬送方向に向かって次第に低くなり、正規部品1の傾斜が少なくなる。これにより、正規部品1をほぼ鉛直方向に吊り下げて搬送するようになっている。
【0052】
また、規制幅部200、すなわち間隔L3の箇所において第1レール部材17と第2レール部材18が整った状態になっている。したがって、正規部品1が間隔L3の箇所を通過するときに、正規部品1の吊り下げが成立していることとなり、正規部品1の通過許容と吊り下げが同時に達成されて、確実な動作や構造の簡素化が果たされる。
【0053】
図5(A)に示すように、規制幅部200の後流側に第1レール部材17と第2レール部材18が伸び出しており、ここから送り出されるようになっている。
【0054】
図1(G)は、
図1(A)のG矢視図である。ガイド溝9の深さが次第に浅くなって第1レール部材17へ移行してゆく状態を示している。また、第2レール部材18の上流側に連続させた状態で、正規部品1が何らかの原因で跳ねるのを防止するための紐長い押さえ部材22が配置してある。これは、外壁板8と内壁板20を架橋するブラケット23によって支持されている。
【0055】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0056】
規制転落部100は、部品搬送路6から搬送方向側が高くなる方向に傾斜した状態で配置されたガイド部材10と、ガイド部材10の搬送方向側に隣接され、ガイド部材10によって軸部2の先端側が高くなった第2過長部品1Bが揺動・転落をさせられる転落空間13を有し、角部12が軸部2の揺動支点を形成している。
【0057】
軸部2の中心軸線が部品搬送路6の幅方向となるような姿勢で、頭部材3がガイド溝9に嵌まり込んで搬送されてくる。ついで、ガイド部材10の箇所に差しかかると、搬送方向側が高くなっているガイド部材10によって軸部2の先端側が部品搬送路6よりも高い位置に持ち上げられる。そして、ガイド部材10の最も高い箇所から軸部2が外れると、頭部材3がガイド溝9から抜け出しながら軸部先端が落下するような状態で揺動し、軸部2の中間部分が部品搬送路6の角部12に当たる。これによって、部品搬送路6の角部12が揺動支点の役割を果たし、著しく長い第2過長部品1Bは確実に揺動し、部品搬送路6から転落し、底板21上に戻される。つまり、ガイド部材10に隣接した箇所に配置され、部品搬送路6の角部12が揺動支点12を付与する規制転落部100が上述のような第2過長部品1Bの排除機能を果たしている。
【0058】
ガイド部材10によって最も高い箇所に軸部先端側が位置づけられ、ガイド部材10を外れた軸部2は高い箇所から勢いよく落下するので、揺動支点12である角部12に軸部2が衝突することにより、第2過長部品1Bは反転するような状態で底板21上に落下する。このため、正規部品1よりも大幅に長い過長部品は、勢いのよい落下・反転動作によって確実に部品搬送路6から除去される。さらに、第2過長部品1Bを持ち上げて急速に落下させるという手法であるから、部品搬送路6の拡幅が不要となり、過長部品の通過規制構造部のコンパクト化にとって効果的である。
【0059】
上記のように、勢いのよい落下・反転動作であるから、軸部先端とは反対側に質量の大きな頭部材3が配置されていても、揺動動作は確実に行われる。
【0060】
前記部品搬送路6が振動式ボウル5の内壁に沿って形成され、この部品搬送路6の途中に、規制転落部100が配置されているパーツフィーダ4である。
【0061】
上述のように、動作精度の高い過長部品の通過規制構造部100が部品搬送路6に設置してあるので、優れた機能と信頼性の高いパーツフィーダ4がえられる。
【0062】
軸部2の中心軸線が部品搬送路6の幅方向となるような姿勢で、頭部材3がガイド溝9に嵌まり込んで搬送されてくる。そして、ボルト1が部品搬送路6に連続している溝空間15にさしかかると、軸部2が自重で起立方向に変向し、規制幅部200に到逹する。このときに、正規長さのボルト1は、ガイド溝9の内壁9Aと溝空間15の内壁15Aの間の距離L3で形成される規制幅部200を通過するので、正常な状態で送出されてゆく。しかし、正規長さよりもわずかに長い第1過長部品1Aが規制幅部200に到達した際には、頭部材3がガイド溝9の内壁9Aに押し付けられ、また、軸部2の先端が溝空間15の内壁15Aに押し付けられる。このような両押し付けにより、第1過長部品1Aは規制幅部200において挟み付けられた状態になる。
【0063】
上述のような規制幅部200における正規部品1の正常な通過と、第1過長部品1Aの挟み付けによって、過長長さがわずかな長さであっても確実な通過禁止がえられ、信頼性の高い通過規制の機能となる。さらに、わずかな過長長さに対応した規制幅部200の選択であるから、ガイド溝9の内壁9Aと溝空間15の内壁15Aの間の距離、すなわち溝空間15の幅の縮小量がわずかなものとなるので、部品搬送路6の通路幅を著しく変更することが不要となり、通過規制構造部のまとまりがコンパクトになる。
【0064】
ボルト1が自重で起立方向へ変向しつつあるときに規制幅部200を通過するので、ボルト1は頭部材3が確実にガイド溝9内に嵌まり込んだ状態が維持され、軸部2の中心軸線が平面的に見て規制幅部200の幅方向となり、確実な過長ボルト1Aの挟み付けが形成される。もし、部品軸線が規制幅部200の幅方向に対して傾いていたら、すなわち平面的に見て部品軸線が規制幅部200を斜めに横切る状態であれば、第1過長部品1Aが規制幅部200を通過してしまう現象が生じるが、上記のような部品軸線の正常な向きの設定により、このような誤動作は発生しない。
【0065】
前記規制幅部200に、正規部品1の頭部材3を吊り下げ状態で滑動させる第1レール部材17と第2レール部材18が配置してある。
【0066】
正規部品1がその自重で起立方向へ変向しつつあるときに、すなわち規制幅部200を通過するときに、軸部2が第1レール部材17と第2レール部材18の間に入り込んで頭部材3が両レール17、18上を滑動する。したがって、頭部材3の下側を確実に両レール17、18上に接触させて、吊り下げ滑動がえられる。このように規制幅部200の通過と、部品1の吊り下げが同時に達成されるので、動作が簡素化され、通過規制構造部の構造が単純化される。