(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
空調対象室を冷房又は暖房する空調機と、空調対象室の計測室内温度に基づいて前記空調機の出力を調整することで空調対象室の室内温度を設定室内温度に調整する制御手段とを備える空調制御システムであって、
前記制御手段は、平均放射温度を演算する放射温度演算式のパラメータである室内表面温度として空調対象室の計測室内温度を前記放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算する放射温度演算ステップと、
室内温度と平均放射温度と体感温度との相関を表す体感温度相関式のパラメータである平均放射温度及び体感温度として、前記放射温度演算ステップで演算した演算平均放射温度及び設定手段により設定された設定体感温度を、前記体感温度相関式に代入する演算形態で、前記体感温度相関式のパラメータである室内温度を演算する室内温度演算ステップと、
この室内温度演算ステップで演算した演算室内温度を、空調対象室において前記設定体感温度を得るための前記設定室内温度として設定する設定ステップとを実行する構成にしてあり、
前記制御手段は、前記放射温度演算ステップにおいて、空調対象室の計測室内温度を壁用の前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入し、かつ、計測外気温度を窓用の前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算する構成にしてある空調制御システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の上記提案システムでは、室内温度を計測する室内温度センサに加えて、床や壁からの輻射温度を計測する輻射センサ(あるいは床や各壁の温度夫々を計測する温度センサ)が必要になり、この為、システム構成が複雑になるとともにシステムコストが嵩む問題がある。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、所望の体感温度を得る体感温度基準の室内空調を簡易なシステム構成で安価に実現する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、空調制御システムに係り、その特徴は、
空調対象室を冷房又は暖房する空調機と、空調対象室の計測室内温度に基づいて前記空調機の出力を調整することで空調対象室の室内温度を設定室内温度に調整する制御手段とを備える空調制御システムであって、
前記制御手段は、平均放射温度を演算する放射温度演算式のパラメータである室内表面温度として空調対象室の計測室内温度を前記放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算する放射温度演算ステップと、
室内温度と平均放射温度と体感温度との相関を表す体感温度相関式のパラメータである平均放射温度及び体感温度として、前記放射温度演算ステップで演算した演算平均放射温度及び設定手段により設定された設定体感温度を、前記体感温度相関式に代入する演算形態で、前記体感温度相関式のパラメータである室内温度を演算する室内温度演算ステップと、
この室内温度演算ステップで演算した演算室内温度を、空調対象室において前記設定体感温度を得るための前記設定室内温度として設定する設定ステップとを実行する構成にしてあ
り、
前記制御手段は、前記放射温度演算ステップにおいて、空調対象室の計測室内温度を壁用の前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入し、かつ、計測外気温度を窓用の前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算する構成にしてある点にある。
【0009】
この構成では、放射温度演算ステップで演算した演算平均放射温度、及び、設定手段により設定された設定体感温度を体感温度相関式に代入する演算形態で、体感温度相関式のパラメータである室内温度を演算し、この演算室内温度を設定室内温度として設定することにより、計測室内温度に基づき空調機出力を調整して室内温度を設定室内温度に調整する元々の室内温度制御を利用して、設定体感温度が得られる室内空調状態を現出する。
【0010】
そして、放射温度演算ステップでは、上記の室内温度制御に元々必要な空調対象室の計測室内温度を放射温度演算式のパラメータである室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算するから、室内表面からの輻射温度を計測する輻射センサや、各室内表面の温度夫々を計測する温度センサの装備が不要になる。
【0011】
したがって、上記構成によれば、設定室内温度を人為的に設定していた前述の従来システムに比べ、所望の体感温度が安定的に得られる快適性に優れた体感温度基準の室内空調を簡便に実現することができる。
【0012】
また、前述の特許文献1の提案システムに比べれば、室内表面からの輻射温度を計測する輻射センサや、各室内表面の温度夫々を計測する温度センサの追加装備が不要になることで、その分、システム構成を簡易にするとともにシステムコストを安価にしながら、体感温度基準の空調を実現することができる。
【0013】
なお、この構成の実施において、平均放射温度を演算する放射温度演算式としては、例えば、次の式1に代表されるような一般的な放射温度演算式を採用すればよい。
【0014】
MRT=Σ(W×ts) ………(式1)
MRT:平均放射温度[℃]
W:各室内表面の面積[m2]
ts:各室内表面の温度[℃]
出典:第13版 空気調和・衛生工学便覧 3空気調和設備設計篇 163頁
3・11・2放射暖房の設計法 (1)低温放射暖房の設計法
b 平均放射温度の選定 式(3・13)
【0015】
また、室内温度と平均放射温度と体感温度との相関を表す体感温度相関式としては、例えば、次の式2(べドフォードの等価温度算出式)に代表されるような一般的な体感温度相関式を採用すればよい。
【0016】
teq=0.522×ta+0.478×MRT−0.21√v×(37.8−ta)
………(式2)
tep:体感温度(等価温度)[℃]
ta:室内温度[℃]
MRT:平均放射温度[℃]
v:室内気流速度(風速)[m/s]
出典:第13版 空気調和・衛生工学便覧 1基礎篇 441頁
2・2・2 温熱環境評価指標 (2)等価温度 式(2・11)
ここで、室内気流速度(風速)vには適当な固定値を採用してもよい。
【0017】
さらに、放射温度演算ステップにおいて、空調対象室の計測室内温度を室内表面温度として放射温度演算式(例えば、式1)に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算するにあたっては、計測室内温度をそのまま室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態に限らず、計測室内温度に種々の補正を施した補正室内温度を室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態を採用してもよい。
【0018】
例えば、計測室内温度と実際の室内表面温度との温度差を検証し、この温度差分だけ計測室内温度を補正した差分補正室内温度を室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態を採るなどしてもよい。
【0019】
また、本発明の第1特徴構成では、
前記制御手段は、前記放射温度演算ステップにおいて、空調対象室の計測室内温度を壁用の前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入し、かつ、計測外気温度を窓用の前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算する構成に
してある。
【0020】
つまり、窓以外(例えば非冷却・非加熱の壁や床)の室内表面温度は室内温度に依存する傾向が強いが、窓の室内表面温度については、一般的に、室内温度に依存するよりも外気温度に依存する傾向の方が強い。
【0021】
したがって、放射温度演算ステップにおいて、計測室内温度を壁用の室内表面温度として放射温度演算式に代入し、かつ、計測外気温度を窓用の室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態で空調対象室の平均放射温度を演算する上記構成によれば、空調対象室の平均放射温度として、実際の平均放射温度により近い一層正確な平均放射温度を演算することができ、これにより、室内温度演算ステップで演算する室内温度も一層正確なものにすることができて、実際に得られる体感温度と設定体感温度との誤差がより小さい一層優れた体感温度基準の室内空調を実現することができる。
【0022】
なお、この構成の実施において、空調対象室の計測室内温度を壁用の室内表面温度として放射温度演算式に代入し、かつ、計測外気温度を窓用の室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態で、空調対象室の平均放射温度を演算するにあたっては、計測室内温度をそのまま壁用の室内表面温度として放射温度演算式に代入し、かつ、計測外気温度をそのまま窓用の室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態に限らず、計測室内温度に種々の補正を施した補正室内温度を壁用の室内表面温度として放射温度演算式に代入したり、計測外気温度に種々の補正を施した補正外気温度を窓用の室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態を採用してもよい。
【0023】
例えば、計測室内温度と実際の壁部室内表面温度との温度差を検証し、この温度差分だけ計測室内温度を補正した差分補正室内温度を壁用の室内表面温度として放射温度演算式に代入したり、計測外気温度と実際の窓部室内表面温度との温度差を検証し、この温度差分だけ計測外気温度を補正した差分補正外気温度を窓用の室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態を採るなどしてもよい。
【0024】
本発明の第
2特徴構成は、第1
特徴構成の実施に好適な実施形態を採るものであり、その特徴は、
前記制御手段は、前記放射温度演算ステップにおいて、空調対象室の計測室内温度を室内表面の材質に応じて補正した材質補正室内温度を演算し、
この演算で求めた演算材質補正室内温度を前記室内表面温度として前記放射温度演算式に代入する演算形態で空調対象室の平均放射温度を演算する構成にしてある点にある。
【0025】
つまり、室内温度に対する室内表面温度の依存度は、その室内表面の材質によって異なり、例えば、金属製の室内表面における表面温度は、木製や樹脂製などの室内表面における表面温度に比べて室内放射温度に対する依存度の方が高い場合もある。
【0026】
特に、放射冷房や放射暖房を行う場合、天井面などの放射面からの放射冷熱や放射温熱が照射される箇所の室内表面からは、その箇所における室内表面の材質によっては、二次的な冷熱放射や温熱放射が生じることもあり、このことから、空調対象室の平均放射温度を演算する上で室内表面の材質は重要な影響因子である。
【0027】
したがって、放射温度演算ステップにおいて、計測室内温度を室内表面の材質に応じて補正した材質補正室内温度を室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態で空調対象室の平均放射温度を演算する上記構成によれば、空調対象室の平均放射温度として、実際の平均放射温度により近い一層正確な平均放射温度を演算することができ、これにより、室内温度演算ステップで演算する室内温度も一層正確なものにすることができて、実際に得られる体感温度と設定体感温度との誤差がより小さい一層優れた体感温度基準の室内空調を実現することができる。
【0028】
なお、この構成の実施においては、計測室内温度を室内表面の材質に応じて補正する材質補正のみを計測室内温度に施すのに限らず、材質補正と他の補正とを計測室内温度に施した複式補正室内温度を演算し、この演算複式補正室内温度を室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態で空調対象室の平均放射温度を演算するようにしてもよい。
【0029】
例えば、空調対象室の計測室内温度を室内表面の材質に応じて補正する材質補正と、計測室内温度と実際の室内表面温度との温度差分だけ計測室内温度を補正する前述の差分補正とを夫々、重み付けした状態で計測室内温度に施した複式補正室内温度を演算し、この演算複式補正室内温度を室内表面温度として放射温度演算式に代入する演算形態で空調対象室の平均放射温度を演算するようにしてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は天井放射空調設備の設備構成を示し、同
図1に示すように、空調対象室1(1a,1b)の天井裏空間2には、ヒートポンプ式の空調機3(具体的にはその室内器)を設置してある。
【0032】
この空調機3には、室外器側に装備した室外熱交換器、圧縮機、膨張弁とともに冷凍回路を構成する室内熱交換器3aを装備するとともに、室内ファン3bを装備してある。
【0033】
なお、4a,4bは空調機3(室内器)とその室外器とを接続する高圧側及び低圧側の2本の冷媒配管である。
【0034】
空調機3の空気導入口3iと空調対象室1の天井板5に装備した還気口6とは、天井裏空間2に施設した還気ダクト7により接続してあり、また、空調機3の空気送出口3oには天井裏空間2に施設した給気ダクト8を接続してある。
【0035】
そして、空調対象室1の天井裏空間2において、給気ダクト8の先端部には、空調機3の空気送出口3oから給気ダクト8を通じて送られる温度調整空気SAを天井裏空間2に拡散させる多孔金属板製の錐状の拡散器9を装備してある。
【0036】
空調対象室1の天井板5は多孔金属板により形成してあり、拡散器9から天井裏空間2に拡散された温度調整空気SAは、天井裏空間2に充満した状態で多孔金属板製の天井板5と熱交換した後、天井板5における多数の孔5aを通じて空調対象室1に供給される。
【0037】
つまり、冷房運転では、室内ファン3bにより還気口6から還気ダクト7を通じて空調機3に導入した空調対象室1の室内空気RAを、冷凍回路における蒸発器として機能する状態にある室内熱交換器3aにより冷却し、この冷却空気を温度調整空気SAとして室内ファン3bにより給気ダクト8を通じて拡散器9から天井裏空間2に拡散させる。
【0038】
そして、この冷却空気SAを天井裏空間2に充満させた状態で多孔金属板製の天井板5と熱交換させて天井板5を冷却することで、多孔金属板製の天井板5から空調対象室1に対して放射冷房を施し、また、最終的に天井板5における多数の孔5aを通じて空調対象室1に供給する熱交換後の冷却空気SAにより、空調対象室1に対して補助的な対流冷房を施す。
【0039】
また、暖房運転では、室内ファン3bにより還気口6から還気ダクト7を通じて空調機3に導入した空調対象室1の室内空気RAを、冷凍回路における凝縮器として機能する状態にある室内熱交換器3aにより加熱し、この加熱空気を温度調整空気SAとして室内ファン3bにより給気ダクト8を通じて拡散器9から天井裏空間2に拡散させる。
【0040】
そして、この加熱空気SAを天井裏空間2に充満させた状態で多孔金属板製の天井板5と熱交換させて天井板5を加熱することで、多孔金属板製の天井板5から空調対象室1に対して放射暖房を施し、また、最終的に天井板5における多数の孔5aを通じて空調対象室1に供給する熱交換後の加熱空気SAにより、空調対象室1に対して補助的な対流暖房を施す。
【0041】
図2に示すように、空調対象施設Kにおける2室の空調対象室1(1a,1b)夫々の天井裏空間2には、上記の如き還気口6及び拡散器9を備える空調機3を二台ずつ配備するとともに外気調整機10を配備してある。
【0042】
この外気調整機10の外気導入口10aと屋外に臨ませた外気取入口11とは、天井裏空間2に施設した外気導入ダクト12により接続し、外気調整機10の調整外気送出口10bと空調対象室1の天井板5に装備した給気口13とは、同じく天井裏空間2に施設した調整外気供給ダクト14により接続してある。
【0043】
また、外気調整機10の排気導入口10cと空調対象室1の天井板5に装備した排気口15とは、天井裏空間2に施設した排気ダクト16により接続し、外気調整機10の排気送出口10dと屋外に臨ませた排気放出口17とは、同じく天井裏空間2に施設した排気送出ダクト18により接続してある。
【0044】
この外気調整機10は、冷房運転では、内装ファン(図示省略)により外気取入口11から外気導入ダクト12を通じて外気調整器10に導入した外気OAの保有熱及び保有水分を、同じく内装ファンにより排気口15から排気ダクト16を通じて外気調整機10に導入した空調対象室1からの排出空気EAに移行させることで、導入外気OAを冷却するとともに除湿する。
【0045】
そして、このように冷却及び除湿した調整外気OAを内装ファンにより調整外気供給ダクト14及び給気口13を通じて空調対象室1に供給することで、空調対象室1の冷房状態を安定的に保ちながら、空調対象室1を調整外気OAにより換気し、一方、導入外気OAの保有熱及び保有水分を受け取った排出空気EAは、内装ファンにより排気送出ダクト18を通じて排気放出口17から屋外に放出する。
【0046】
一方、暖房運転では、内装ファンにより排気口15から排気ダクト16を通じて外気調整機10に導入した空調対象室1からの排出空気EAの保有熱及び保有水分を、内装ファンにより外気取入口11から外気導入ダクト12を通じて外気調整機10に導入した外気OAに移行させることで、導入外気OAを加熱するとともに加湿する。
【0047】
そして、このように加熱及び加湿した調整外気OAを内装ファンにより調整外気供給ダクト14及び給気口13を通じて空調対象室1に供給することで、空調対象室1の暖房状態を安定的に保ちながら、空調対象室1を調整外気OAにより換気し、一方、保有熱及び保有水分を導入外気OAに受け渡した排出空気EAは、内装ファンにより排気送出ダクト18を通じて排気放出口17から屋外に放出する。
【0048】
各空調対象室1a,1bに対して装備した2台の空調機3のうち代表の空調機3に接続した還気ダクト7には、その還気ダクト7を通過する室内空気RAの温度を対応する空調対象室1a,1bの室内温度taとして計測する室内温度センサ19を装備してある。
【0049】
また、空調対象施設Kの適当箇所には、制御手段として施設の空調制御を司る空調制御盤20を設置してあり、この空調制御盤20は、上記室内温度センサ19による各空調対象室1a,1bの計測室内温度taに基づいて各空調対象室1a,1bに対する空調機3及び外気調整機器10を統括的に制御する。
【0050】
図3(a)は空調制御盤20の表扉部20aを示し、
図3(b)は空調制御盤20の中扉部20bを示すが、表扉部20aには、各空調対象室1a,1bに装備した2台の空調機3に対する空調対象室1a,1b毎のリモートコントローラ21a,21bを装備してある。
【0051】
また、中扉部20bには、空調対象室1a,1b毎の運転切換スイッチ22a,22bを装備するとともに、各空調対象室1a,1bに対する共通のモード切換スイッチ23及び設定操作パネル24を装備してある。
【0052】
運転切換スイッチ22a,22bは、室内温度基準の空調運転と体感温度基準の空調運転との切り換えを空調対象室1a,1b毎に行うスイッチであり、また、モード切換スイッチ23は、体感温度基準の空調運転における運転モードを夏期モードと中間期モードと冬期モードとのいずれかに択一的に切り換えるスイッチである
【0053】
また、設定操作パネル24は、体感温度基準の空調運転において要する各種設定値の入力操作を行う操作パネルである。
【0054】
そして、空調制御盤20は、運転切換スイッチ22a,22bの切り換え操作により室内温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bについては、次の室内温度基準制御を実行することで、その空調対象室1a,1bに対して室内温度基準の空調運転を実施する。
【0055】
(室内温度基準制御)
室内温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bについては、その空調対象室1a,1bに対応するリモートコントローラ21a,21bでの冷暖房切り換え操作及び室内温度設定操作に従って、その空調対象室1a,1bの空調機3及び外気調整機10を制御する。
【0056】
即ち、室内温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bの対応リモートコントローラ21a,21bにおいて冷房が選択されると、その空調対象室1a,1bの空調機3及び外気調整機10において冷房運転を実施し、また、室内温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bの対応リモートコントローラ21a,21bにおいて暖房が選択されると、その空調対象室1a,1bの空調機3及び外気調整機10において暖房運転を実施する。
【0057】
また、これら冷房運転又は暖房運転のいずれにおいても、従来の空調制御と同様、室内温度基準の空調運転が選択された各空調対象室1a,1bの対応リモートコントローラ21a,21bで設定操作された設定室内温度tasを目標温度として、その空調対象室1a,1bに対する空調機3の冷暖房出力を室内温度センサ19による計測室内温度taに基づき調整する。
【0058】
具体的には、
図4に示す如く、室内温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1b毎に、室内温度センサ19による計測室内温度taと対応リモートコントローラ21a,21bでの設定室内温度tasとの温度偏差Δtaに応じて、その温度偏差Δtaの解消側に空調機3の冷暖房出力を調整し、これにより、その空調対象室1a,1bの室内温度taを各リモートコントローラ21a,21bで設定された設定室内温度tasに調整する。
【0059】
一方、空調制御盤20は、運転切換スイッチ22a,22bの切り換え操作により体感温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bについては、次の体感温度基準制御を実行することで、その空調対象室1a,1bに対して体感温度基準の空調運転を実施する。
【0060】
(体感温度基準制御)
体感温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bについては、その空調対象室1a,1bに対応するリモートコントローラ21a,21bでの冷暖房切り換え操作及び室内温度設定操作には従わずに、その空調対象室1a,1bの室内温度センサ19による計測室内温度taと、外気温度センサ25による計測外気温度tbと、設定操作パネル24において入力された各設定値とに基づいて、その空調対象室1a,1bの空調機3及び外気調整機10を制御する。
【0061】
具体的には、この体感温度基準制御において空調制御盤20は、
図5(a)に示す如く、設定インターバル時間ΔT(例えば1秒)ごとに、放射温度演算ステップS1と室内温度演算ステップS2と設定ステップS3とを繰り返し実行する。
【0062】
そして、放射温度演算ステップS1では、体感温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1b夫々の平均放射温度MRTを次の式1の放射温度演算式により演算する。
【0063】
MRT=Σ(W×ts) ………(式1)
MTR:平均放射温度[℃]
W:各室内表面の面積[m2]
ts:各室内表面の温度[℃]
【0064】
また、この平均放射温度MRTの演算において、上記放射温度演算式(式1)のパラメータである各室内表面の面積W及び各室内表面の温度tsについては、空調制御盤20に予め記憶させてある
図6(a)に示す如きパラメータ基本値テーブルα及び
図6(b)に示す如き個別パラメータテーブルβ1,β2の夫々における各項の指定値や指定演算式に従って決定する。
【0065】
パラメータ基本値テーブルαは、空調対象室1a,1bの室内温度taと、外気温度tbと、空調対象域1a,1bの天井板5の温度tcと、壁用(床用を含む)の差分補正値tdと、窓用の差分補正値teとの夫々について、季節モード(夏期モード,冬期モード、中間期モード)毎の採用値を指定するものであり、このパラメータ基本値テーブルαにおいて室内温度taと外気温度tbとについては、いずれの季節モードにおいても、各空調対象室1a,1bの室内温度センサ19による計測室内温度taと外気温度センサ25による計測外気温度tbとを採用するようにしてある。
【0066】
天井板温度tcについては、各空調対象室1a,1bでの天井板5からの放射冷房及び放射暖房における天井板5の到達温度が概ね一定化していることから、季節モード毎に各空調対象室1a,1bに対する共通の設定値tc1〜tc3(例えばtc1=20℃,tc2=30℃,tc3=25.5℃)を採用してある。
【0067】
壁用の差分補正値tdについては、季節モード毎に各空調対象室1a,1bに対する共通の設定値td1〜td3(例えばtd1=+1.0℃,td2=−1.0℃,td3=±0.0℃)を採用してあり、また、窓用の差分補正値teについても同様に、季節モード毎に各空調対象室1a,1bに対する共通の設定値te1〜te3(例えばte1=+1.0℃,te2=+15.0℃,te3=±0.0℃)を採用してある。
【0068】
パラメータ基本値テーブルαにおける上記の各設定値tc1〜tc3,td1〜td3,te1〜te3は、設定操作パネル24での入力操作により空調制御盤20に対して設定したものであり、設定操作パネル24での入力操作により適宜、設定変更することが可能である。
【0069】
ここで、壁用の差分補正値tdについては、各空調対象室1a,1bの計測室内温度taと壁や床における実際の室内表面温度tsとの温度差を季節モード毎に検証し、その検証した温度差の平均値(ないしは安全率見込んで最大値寄りの値)を季節モード毎の壁用の差分補正値td1〜1d3として設定してある。
【0070】
また同様に、窓用の差分補正値teについては、計測外気温度tbと窓における実際の室内表面温度tsとの温度差を季節モード毎に検証し、その検証した温度差の平均値(ないしは安全率見込んで最大値寄りの値)を季節モード毎の窓用の差分補正値te1〜te3として設定してある。
【0071】
一方、空調対象室1a,1b毎のテーブルである個別パラメータテーブルβ1,β2は、各空調対象室1a,1bにおける各部室内表面(天井、窓、壁、床)毎に、その面積W1〜W4と室内表面温度tsの演算式とを指定するものであり、これら個別パラメータテーブルβ1,β2における各部室内表面毎の面積W1〜W4は、放射温度演算式(式1)のパラメータである各室内表面の面積Wとして放射温度演算式(式1)に代入するものである。
【0072】
また、これら個別パラメータテーブルβ1,β2における各部室内表面(天井、窓、壁、床)毎の室内表面温度tsの指定演算式は、それら指定演算式に、パラメータ基本値テーブルαにおいて指定された室内温度ta、外気温度tb、天井板温度tc、壁用差分補正値td、窓用差分補正値te夫々の季節モード毎の採用値を代入することで、放射温度演算式(式1)のパラメータである各室内表面の温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する温度を算出するものである。
【0073】
即ち、空調制御盤20は、体感温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1b夫々の平均放射温度MRTを上記の放射温度演算式(式1)により演算するのに、次の演算形態を採る。
【0074】
各空調対象室1a,1bの天井については、個別パラメータテーブルβ1,β2において指定された各空調対象室1a,1bの天井面積W1を放射温度演算式(式1)に代入し、また、個別パラメータテーブルβ1,β2における指定値tcに従って、パラメータ基本値テーブルαにおいて指定された天井板温度tc(具体的にはその季節モード毎の設定値tc1〜tc3)を表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する。
【0075】
各空調対象室1a,1bの窓については、個別パラメータテーブルβ1,β2において指定された各空調対象室1a,1bの窓面積W2を放射温度演算式(式1)に代入し、また、個別パラメータテーブルβ1,β2における指定演算式(tb−te)に従って、外気温度センサ25による計測外気温度tbからパラメータ基本値テーブルαにおいて指定された窓用の差分補正値te(具体的にはその季節モード毎の設定値te1〜te3)を減算した値を表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する。
【0076】
各空調対象室1a,1bの床については、個別パラメータテーブルβ1,β2において指定された各空調対象室1a,1bの床面積W3を放射温度演算式(式1)に代入し、また、個別パラメータテーブルβ1,β2における指定演算式(│ta−td│)に従って、室内温度センサ19による計測室内温度taからパラメータ基本値テーブルαにおいて指定された壁用の差分補正値td(具体的にはその季節モード毎の設定値td1〜td3)を減算した値の絶対値を表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する。
【0077】
そして、一方の空調対象室1aの壁については、個別パラメータテーブルβ1において指定された空調対象室1aの壁面積W4を放射温度演算式(式1)に代入し、また、個別パラメータテーブルβ1における指定演算式(│ta−td│)に従って、床と同様に、室内温度センサ19による計測室内温度taからパラメータ基本値テーブルαにおいて指定された壁用の差分補正値td(具体的にはその季節モード毎の設定値td1〜td3)を減算した値の絶対値を表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する。
【0078】
また、他方の空調対象室1bにおける一部の壁については、個別パラメータテーブルβ2において指定された空調対象室1bにおける当該一部の壁の面積W4′を放射温度演算式(式1)に代入し、また、個別パラメータテーブルβ2における指定演算式(│ta−td│)に従って、床と同様に、室内温度センサ19による計測室内温度taからパラメータ基本値テーブルαにおいて指定された壁用の差分補正値td(具体的にはその季節モード毎の設定値td1〜td3)を減算した値の絶対値を表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する。
【0079】
これに対し、他方の空調対象室1bにおける他部の壁については、個別パラメータテーブルβ2において指定された空調対象室1bにおける当該他部の壁の面積W4″(W4′+W4″=W4)を放射温度演算式(式1)に代入し、また、個別パラメータテーブルβ2における指定演算式((tc+│ta−te│)/2)に従って、パラメータ基本値テーブルαにおいて指定された天井板温度tc(具体的にはその季節モード毎の設定値tc1〜tc3)と、室内温度センサ19による計測室内温度taからパラメータ基本値テーブルαにおいて指定された壁用の差分補正値td(具体的にはその季節モード毎の設定値td1〜td3)を減算した値の絶対値との平均値を表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する。
【0080】
つまり、空調制御盤20は放射温度演算ステップS1において、基本的には、外気温度センサ25による計測外気温度tbを各空調対象室1a,1bにおける窓の表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入するとともに、室内温度センサ19による計測室内温度taを各空調対象室1a,1bにおける壁及び床の表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する演算形態で、空調対象室1a,1b夫々の平均放射温度MRTを演算する構成にしてある。
【0081】
そして具体的には、外気温度センサ25による計測外気温度tbを窓用の差分補正値teの分だけ補正した差分補正外気温度(tb−te)を演算するとともに、室内温度センサ19による計測室内温度taを壁用の差分補正値tdの分だけ補正した差分補正室内温度(│ta−td│)を演算し、これら演算差分補正外気温度(tb−te)及び演算差分補正室内温度(│ta−td│)を、各空調対象室1a,1bにおける窓の表面温度ts及び壁,床の表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する演算形態で、空調対象室1a,1b夫々の平均放射温度MRTを演算するようにしてある。
【0082】
さらに、他方の空調対象室1bにおける前記他部の壁の表面は、天井板5からの放射冷房や放射暖房に伴い、当該他部の壁の表面から室内に向かう二次的な冷熱放射や温熱放射を生じ易い金属材で形成されていることから、室内温度センサ19による計測室内温度taを室内表面の材質に応じて補正した材質補正室内温度として上記演算式((tc+│ta−td│)/2)で示される温度値を演算し、この演算補正室内温度((tc+│ta−td│)/2)を他方の空調対象室1bにおける他部の壁の表面温度tsとして放射温度演算式(式1)に代入する演算形態で、他方の空調対象室1bの平均放射温度MRTを演算するようにしてある
【0083】
なお、当該他部の壁に関する上記補正室内温度((tc+│ta−td│)/2)は、材質補正と前記差分補正との夫々を重み付けした状態で計測室内温度taに施した複式補正室内温度である。
【0084】
次に、この放射温度演算ステップS1に続く室内温度演算ステップS2では、空調制御盤20は、体感温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1bについて、設定操作パネル24で設定された各空調対象室1a,1bの設定体感温度teqを各空調対象室1a,1bにおいて得るのに要する室内温度taを、放射温度演算ステップS1で演算した各空調対象室1a,1bの演算平均放射温度MRTに基づいて演算する。
【0085】
具体的には、空調制御盤20は、室内温度taと平均放射温度MRTと体感温度teqと室内気流速度vの相関を表す次の式2の体感温度相関式(べドフォードの等価温度算出式)におけるパラメータである平均放射温度MRT、室内温度ta、室内気流速度vとして、放射温度演算ステップS1で演算した各空調対象室1a,1bの演算平均放射温度MRT、設定操作パネル24で設定された各空調対象室1a,1bの設定体感温度teq、及び、設定室内気流速度vを式2の体感温度相関式に代入する演算形態で、同じく式2の体感温度相関式のパラメータである室内温度ta(即ち、設定体感温度teqを得るのに要する各空調対象室1a,1bの室内温度ta)を演算する。
【0086】
teq=0.522×ta+0.478×MRT−0.21√v×(37.8−ta)
………(式2)
tep:体感温度(等価温度)[℃]
ta:室内温度[℃]
MRT:平均放射温度[℃]
v:室内気流速度(風速)[m/s]
【0087】
なお、
図6(c)に示すように、各空調対象室1a,1bの設定体感温度teqは、季節モード(夏期モード、中間期モード、冬期モード)毎の設定値teq1〜teq3を設定してあり、これら設定体感温度teqの季節モード毎の設定値teq1〜teq3は、設定操作パネル24での入力操作により適宜、設定変更することが可能である。
【0088】
また、設定室内気流速度vは各季節モードにおいて共通の設定値v1を設定してあるが、この設定室内気流速度vについても、設定操作パネル24での入力操作による季節モード毎の設定変更を可能にしてもよい。
【0089】
この室内温度演算スッテプS2に続く設定スッテプS3では、空調制御盤20は、室内温度演算ステップS2で演算した各空調対象室1a,1bの演算室内温度taを、体感温度基準の空調運転が選択された各空調対象室1a,1bにおいて設定体感温度teq(具体的にはその季節モード毎の設定値teq1〜teq3)を得るための設定室内温度tas′として自動的に内部設定する。
【0090】
そして、これら放射温度演算スッテプS1、室内温度演算ステップS2、設定ステップS3の繰り返しにより、設定体感温度teq(teq1〜teq3)を得るための設定室内温度tas′を設定インターバル時間ΔT毎に更新することに対し、空調制御盤20は、
図5(b)に示す如く、体感温度基準の空調運転が選択された空調対象室1a,1b毎に、室内温度センサ19による計測室内温度taとその時点における設定室内温度tas′との温度偏差Δta′に応じて、その温度偏差Δta′の解消側に空調機3の冷暖房出力を調整する。
【0091】
即ち、この冷暖房出力の調整により、体感温度基準の空調運転が選択された各空調対象室1a,1bの室内温度taを、設定体感温度teqを得るための各時点における設定室内温度tas′に調整することで、各空調対象室1a,1bで得られる体感温度teqを設定体感温度(具体的にはその季節モード毎の設定値teq1〜teq3)に自動調整するようにしてある。
【0092】
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
【0093】
放射温度演算ステップS1において空調対象室1の平均放射温度MRTを演算するのに用いる放射温度演算式は、前述の式1に限られるのものではなく、室内表面温度tsから平均放射温度MRTを求める式であれば種々の式を用いることができる。
【0094】
また、室内温度演算ステップS2において設定体感温度teqを得るのに要する室内温度taを演算するのに用いる体感温度相関式も、前述の式2(べドフォードの等価温度算出式)に限られるものではなく、体感温度teqと室内温度taとの相関を示す式であれば、体感温度teq及び室内温度ta以外に各種の状態値をパラメータとする種々の式を用いることができる。
【0095】
計測室内温度taや計測外気温度tbを室内表面温度tsとして放射温度演算式に代入する演算形態で平均放射温度MRTを演算するにあたっては、計測室内温度taや計測外気温度tbをその計測値のまま放射温度演算式に代入するようにしてもよく、また、前記した差分補正や材質補正等の種々の補正を計測室内温度taや計測外気温度tbに施した補正室内温度や補正外気温度を放射温度演算式に代入するようにしてもよい。
【0096】
また、計測室内温度taや計測外気温度tbを室内表面温度tsとして放射温度演算式に代入する演算形態で平均放射温度MRTを制御手段20に演算させるにあたっては、放射温度演算式を制御手段20に記憶させておき、その記憶式に従って平均放射温度MRTを制御手段20に演算させる演算させる方式に限らず、異なる室内表面温度tsに対する演算結果としての平均放射温度MRTを記憶させた演算値テーブルを制御手段20に予め記憶させておき、この記憶演算値テーブルに対して計測室内温度taや計測外気温度tbを検索キーの室内表面温度tsとして照合する形態で平均放射温度MRTを制御手段20に演算させる演算形態を採用するなど、種々の演算方式を採用することができる。
【0097】
また同様に、放射温度演算ステップS1で演算した演算平均放射温度MRTを体感温度相関式に代入する演算形態で、設定体感温度teqを得るのに要する室内温度taを制御手段20に演算させるにあたっては、体感温度相関式を制御手段20に記憶させておき、その記憶式に従って設定体感温度teqを得るのに要する室内温度taを制御手段20に演算させる方式に限らず、異なる平均放射温度MRTに対する演算結果としての室内温度taを記憶させた演算値テーブルを制御手段20に予め記憶させておき、この記憶演算値テーブルに対して演算平均放射温度MRTを検索キーとして照合する形態で、設定体感温度teqを得るのに要する室内温度taを制御手段20に演算させる演算形態を採用するなど、種々の演算方式を採用することができる。
【0098】
前述の実施形態では、本発明による体感温度基準の室内空調を放射空調において適用する場合を示したが、本発明による体感温度基準の室内空調は放射空調に限らず、冷風や温風により空調対象室1を冷暖房する対流空調など、種々の方式の空調において適用することができる。
【0099】
なお、放射空調を実施する前述の実施形態では、天井の表面温度tcとして設定値tc1〜tc3を採用する演算形態で平均放射温度MRTを演算するようにしたが、対流空調を実施する場合では、壁などと同様に計測室内温度taやそれに補正を施した補正室内温度を天井の表面温度tcとして平均放射温度MRTを演算するようにすればよい。
【0100】
また、床暖房を実施する場合では、床の表面温度として設定値を採用する演算形態で平均放射温度MRTを演算するようにすればよい。