特許第6206851号(P6206851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6206851ゴキブリ捕獲器とゴキブリ捕獲器に用いる捕獲剤及び誘引剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206851
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ゴキブリ捕獲器とゴキブリ捕獲器に用いる捕獲剤及び誘引剤
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/10 20060101AFI20170925BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A01M1/10 A
   A01M1/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-233112(P2014-233112)
(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公開番号】特開2016-86799(P2016-86799A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2014年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】503311782
【氏名又は名称】土屋 豊
(73)【特許権者】
【識別番号】514293536
【氏名又は名称】佐藤 剛史
(72)【発明者】
【氏名】土屋 豊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 剛史
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−028371(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3051274(JP,U)
【文献】 実開平06−045631(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/026703(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0072039(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部を有する頂部が開放した円筒形で、容器壁面が底面に対して直角、或いは、容器壁面が底面に対して5度まで上面に向かって開いた角度を持つ容器であり、容器壁面内部の一部に60mm以上の幅の襞加工を容器底部から容器上面に対して容器壁面の全周囲に設け、或いは、容器底部から所定の高さに容器壁面内部の一部に60mm以上の幅の襞加工を容器壁面の全周囲に設け、襞上部に液体を貯める段を襞加工に添って水平方向に溝を形成するように設けると共に、容器内底部の外周域に捕獲剤を中心域に誘引剤を収納する収納部を設けた内容器と、内容器を包み込む外容器とで構成されたことを特徴とするゴキブリ捕獲器。
【請求項2】
底部を有する頂部が開放した円筒形で、容器壁面が底面に対して直角、或いは、容器壁面が底面に対して5度まで上面に向かって開いた角度を持つ容器であり、容器壁面内部の底面から40mm以上の幅を有する不織布による毛細管現象により油を移送可能な部位、或いは、防虫網の細目内に油を貯留する部位と、これら不織布の部位、或いは、防虫網の部位の上部に液体を貯める部位として溝を設けると共に、容器内部に高さの違う収納部を備え、上部の収納部に誘引剤を、下部の収納部に捕獲剤として油を収納する収納部を設けたことを特徴とするゴキブリ捕獲器。
【請求項3】
ラーメンスープ・ウスターソース・重曹・石鹸・合成洗剤・食用油を単体、又は、合成して液状で、襞加工の表面に付着させて薄膜を形成させることを特徴とする請求項1のゴキブリ捕獲器に用いる捕獲剤。
【請求項4】
上記誘引剤は、玉ねぎ・アニス・山椒・ユーカリ・バニラビーンズ・落花生を単体、又は、合成して液状で用いる、或いは、ペースト状にしたジャガイモに混ぜて用いることを特徴とする請求項1、請求項2のうちいずれか1つのゴキブリ捕獲器に用いる誘引剤。
【請求項5】
上記ゴキブリ捕獲器容器の頂部開放面に、頂部と底面に開口部を有する、上が広く、下が細くすぼまっていて、下部の細い部分が30mm以上の穴になっている、漏斗状の誘導進入路を付随させることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれか1つの容器に用いる漏斗状の誘導進入路を設けたゴキブリ捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所要箇所に置くだけでゴキブリを捕獲するゴキブリ捕獲器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、捕獲用空間Rを有する容器の壁部に、大型侵入口と小型侵入口とを設け、大型侵入口の上下方向の寸法を、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ及びワモンゴキブリが侵入し易い範囲である23mm以上45mm以下に設定し、小型侵入口の上下方向の寸法を、上記3種類のゴキブリが侵入し易い範囲である8mm以上17mm以下に設定したゴキブリ捕獲器が提案されている。この方法は、容器の内部空間がゴキブリ捕獲用空間R部に、誘引剤や粘着剤が塗布されたシートが貼り付けられていて、容器内に侵入したゴキブリが粘着剤に触れると、粘着剤がゴキブリに粘り着いてゴキブリを捕獲し、ゴキブリの種類や性別等によらず捕獲率を高めてゴキブリを効率良く駆除することを可能としているが、中が死骸で埋まることも珍しくなく、その上を他の個体が通過するということもよくあるので、こまめな交換が必要であり、あまり経済的ではない。
【0003】
特許文献2には、樹脂コーティング紙製又はプラスチック樹脂製袋本体の開口部に開閉チャックもしくはテープを設け、袋本体の中段部に、廃棄時に閉じる際の破裂防止用の空気抜き穴を開け、袋本体の内側に高分子潤滑剤を塗布し、使用時には、袋本体を開き、液状か固形のゴキブリ誘引剤を投入してゴキブリの活動経路に置き、誘引剤に引かれて中に入ったゴキブリは滑落して脱出不能にし、ゴキブリの捕獲量が適正量になったら、開口部のチャックもしくはテープを閉じ廃棄する、滑落式ゴキブリ取り器が提案されている。この方法は、誘引剤に誘導されて中に入ったゴキブリの脚の先端の保持力を、袋本体の内側に塗布された高分子潤滑剤により低下させることにより、袋本体の内壁面の移動を抑制し滑落させ、脱出不能にする優れた処理方法であるが、袋本体の内側に高分子潤滑剤を塗布する使用であるため、捕獲後のゴキブリが高分子潤滑剤に付着することや袋状の仕様であることで、ゴキブリを廃棄して再利用するには適さない。
【0004】
特許文献3には、流し台における生ゴミの収容籠の開口端に重ねる蓋体に複数の臭気口と、少なくとも一個のゴキブリの進入口を形成し、この進入口の下側に出口が小径の誘導管を垂設し、誘導管にはゴキブリの通過時に外方へ広がって出口が大径となるように、下端から上方に向かって多数の切り目線をいれ、一旦誘導管を通過したゴキブリは、外部に出られないようにし、また、ゴミの収容籠内に入れた網袋を、上記蓋体と同時に持ち上げることにより、ゴキブリを容易に捕獲し得るようにしている、ゴキブリ捕獲器が提案されている。この方法は、小魚やドジョウを捕らえる罠の竹筒(モジリ、モドラス、コロバシ、ウゲ)に見られる錐形の進入路を誘導管とした優れた処理方法であるが、ゴキブリは、著しく発達した長い触角を持っていて、警戒心が強く、周囲の状況を敏感に察知しようとするので、誘導管出口の拘束を弱くすれば、小型のゴキブリの脱出を許容し、誘導管出口の拘束を強くすれば、大型のゴキブリが捕獲できなくなり、あらゆる種類のゴキブリの捕獲率を高めるのは困難である。
【0005】
【特許文献1】 特開2007−159521号公報
【特許文献2】 特開2007−135550号公報
【特許文献3】 特開2003−144030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて発明されたもので、ゴキブリの脚の先端の保持力を弱めることにより、あらゆる種類のゴキブリの捕獲率を高めるゴキブリ捕獲器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ゴキブリの活動観察により、ゴキブリがプラスチックやガラスの壁でもよじ登ることが可能であることを確認し、この作用はゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位によるものであることを知り本発明を完成した。
【0008】
上記の課題を達成するため、請求項1に記載したゴキブリ捕獲器は、底部を有する頂部が開放した円筒形で、容器壁面が底面に対して直角、或いは、容器壁面が底面に対して5度まで上面に向かって開いた角度を持つ容器であり、容器壁面内部の一部に60mm以上の幅の襞加工を容器底部から容器上面に対して容器壁面の全周囲に設け、或いは、容器底部から所定の高さに容器壁面内部の一部に60mm以上の幅の襞加工を容器壁面の全周囲に設け、襞上部に液体を貯める段を襞加工に添って水平方向に溝を形成するように設けると共に、容器内底部の外周域に捕獲剤を中心域に誘引剤を収納する収納部を設けた内容器と、内容器を包み込む外容器とで構成されたことを特徴としている。
【0009】
この発明においては、襞加工を設けることにより、誘引剤に誘導されて中に入ったゴキブリの脚の先端の爪と襞加工部分との接触が部分接触となるため、接触面積の減少による保持力の低下をもたらし、容器壁面内部の移動を抑制し滑落させ、脱出不能にする。また、収納された捕獲剤により、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害するので、壁面を上ることも、平面の移動も困難にする。
【0010】
請求項2に記載したゴキブリ捕獲器は、底部を有する頂部が開放した円筒形で、容器壁面が底面に対して直角、或いは、容器壁面が底面に対して5度まで上面に向かって開いた角度を持つ容器であり、容器壁面内部の底面から40mm以上の幅を有する不織布による毛細管現象により油を移送可能な部位、或いは、防虫網の細目内に油を貯留する部位と、これら不織布の部位、或いは、防虫網の部位の上部に液体を貯める部位として溝を設けると共に、容器内部に高さの違う収納部を備え、上部の収納部に誘引剤を、下部の収納部に捕獲剤として油を収納する収納部を設けたことを特徴としている。
【0011】
この発明においては、請求項1に記載した容器壁面内部に襞加工を設けていない点が相違しているが、収納された捕獲剤の油により、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害するので、壁面を上ることも、平面の移動も困難にし脱出不能にできる。
【0012】
請求項3に記載した捕獲剤は、ラーメンスープ・ウスターソース・重曹・石鹸・合成洗剤・食用油を単体、又は、合成して液状で、襞加工の表面に付着させて薄膜を形成させることを特徴としている。
【0013】
この発明においては、ラーメンスープ・重曹・石鹸・合成洗剤により、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位のたんぱく質油を落としてしまう効果や、その部位のたんぱく質油を食用油により粘着力を阻害する効果を利用し脱出不能にすると共に、油とよく混ざる性質を利用し重曹・石鹸・合成洗剤・食用油を気門に流れ込ませ窒息させる。
【0014】
請求項4に記載した誘引剤は、玉ねぎ・アニス・山椒・ユーカリ・バニラビーンズ・落花生を単体、又は、合成して液状で用いる、或いは、ペースト状にしたジャガイモに混ぜて用いることを特徴としている。
【0015】
この発明においては、玉ねぎ・アニス・山椒・ユーカリ・バニラビーンズ・落花生を単体、又は、合成して液状で用いることで速効的効果を発揮でき、ペースト状にしたジャガイモに混ぜて用いることで持続的効果を発揮させ、誘引物質として匂いで誘い込むことにより、捕獲率を向上させている。
【0016】
請求項5に記載したゴキブリ捕獲器は、ゴキブリ捕獲器容器の頂部開放面に、頂部と底面に開口部を有する、上が広く、下が細くすぼまっていて、下部の細い部分が30mm以上の穴になっている、漏斗状の誘導進入路を付随させることを特徴としている。
【0017】
この発明においては、漏斗状の誘導進入路を付随させることにより、誘引剤から発する有効成分の過剰な放散を防ぎ、下部の細い穴の部分から集中的に有効成分を放出させ、ゴキブリを捕獲器容器の中央部に効果的に誘導し、捕獲率を向上させている。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように請求項1の発明によれば、襞加工を設けた内容器と、襞加工の無い外容器とで構成したことにより、外容器を登ったゴキブリは、誘引剤に誘導され内容器に入る。しかし、襞加工を設けたことによるゴキブリの脚先端の爪の接触面積の減少と捕獲剤による爪間盤の粘着力を阻害する効果により、内容器に入ったゴキブリは、壁面を上ることも平面の移動も困難にできる。また、捕獲剤を貯める段を設けたことにより捕獲剤を持続させる効果も発揮できる。
【0019】
請求項2の発明によれば、上部の収納部に収納された誘引剤が効果的にゴキブリを誘引し、毛細管現象により油を移送可能な部位、或いは、細目内に油を貯留する部位の捕獲剤の油により、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害し脱出不能にできるため、請求項1の襞加工と外容器を省略することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、重曹・石鹸・合成洗剤により、粘着力を持つ部位のたんぱく質油を落とす効果や、ラーメンスープ・食用油により粘着力を阻害する効果と共に、これらを気門に流れ込ませ窒息させる効果を発揮できる。
【0021】
請求項4の発明によれば、玉ねぎ・アニス・山椒・ユーカリ・バニラビーンズ・落花生を単体、又は、合成して用いることで誘引物質として匂いで誘い込むことにより、捕獲率を向上させる効果を発揮できる。
【0022】
請求項5の発明によれば、漏斗状の誘導進入路を付随させることにより、有効成分の過剰な放散を防ぎ、下部の細い穴の部分から集中的に放出させ、ゴキブリを捕獲器容器の中央部に効果的に誘導し、捕獲率を向上させる効果を発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図1図4を参照して詳細に説明する。図1(A)は本発明のゴキブリ捕獲器の上面図、図1(B)は図1(A)のX−X’断面図、図1(C)は図1(B)のY−Y’断面図、図1(D)は図1(B)の襞上部の液体を貯める部位の拡大図、図2(A)は本発明の実施例2のゴキブリ捕獲器の上面図、図2(B)は図2(A)のX−X’断面図、図2(C)は図2(B)のY−Y’断面図、図2(D)は図2(B)の液体を貯める部位の拡大図、図3は漏斗状の誘導進入路の斜視図、図4は捕獲容器と漏斗状の誘導進入路を組み合わせた状態の断面図である。
【実験例1】
【0024】
ゴキブリの活動観察により、ゴキブリがプラスチックやガラスの壁でもよじ登ることが可能であることを確認し、この作用はゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位によるものであることを知った。
【0025】
大型のゴキブリは、プラスチックやガラスの曲面壁においても、平面壁同様によじ登ることができ、2mmの丸棒から20mmの丸棒でもよじ登ることができる。丸棒におけるゴキブリの脚の先端の爪は、丸棒を包み込む形で丸棒をよじ登り、20mmより径の大きい丸棒では、曲面壁同様に振る舞う。
【0026】
小型のゴキブリは、プラスチックやガラスの曲面壁においても、平面壁同様によじ登ることができ、2mmの丸棒から20mmの丸棒でもよじ登ることができる。丸棒におけるゴキブリの脚の先端の爪は、丸棒を包み込む形で丸棒をよじ登り、20mmより径の大きい丸棒では、曲面壁同様に振る舞う。しかし、3mmから4mmのプラスチック製丸棒では、よじ登る動作が多少困難であるように見受けられた。
【0027】
上記小型のゴキブリの行動が、よじ登る行動を阻害する要因である可能性が考えられるので、2等辺3角形の2辺が3mmと4mmの3角片を平板に貼り付け、3角形が連続して結合したプラスチック製の壁を制作し、小型のゴキブリの行動を観察した。
【0028】
上記の実験で、小型のゴキブリが3角形が連続して結合したプラスチック製の壁面を避け、裏側の平面壁をよじ登る行動が観察され、3角形が連続して結合したプラスチック製の壁面における、小型のゴキブリのよじ登る行動は大幅に阻害されることが判明した。
【0029】
小型のゴキブリと同様の条件で、大型のゴキブリが3角形が連続して結合したプラスチック製の壁面をよじ登るか観察した結果、初期の行動では、40%程度の阻害効果が確認されたが、最終的には、学習行動(詳細は不明)により10%程度の阻害効果(90%が脱出)にとどまった。
【0030】
底部を有する頂部が開放した円筒形の容器壁面内部に3角片を貼り付け、3角形が連続して結合したプラスチック製の壁を制作し、大型のゴキブリが3角形が連続して結合したプラスチック製の壁面をよじ登るか観察した結果、ゴキブリがあらゆる角度、方向、場所をよじ登ろうとする行動を起こし、徐々によじ登りを開始し、時間は掛かるものの数十分後には全てのゴキブリが脱出(100%が脱出)した。
【0031】
上記の曲面壁の容器内面に3角片を貼り付けた壁では、容器内面の曲面壁に対し、3角片の接着面が平らであるため、接着面どうしにわずかな隙間を生じる部分が生まれ、この隙間にゴキブリの脚の先端の爪を添わせ、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を使って落下するのを防ぎ、他の脚で次の行動を行い、徐々によじ登り行動を開始する。
【0032】
接着による隙間の問題を解決するため、容器壁面内部の一部に60mm以上の高さ、或いは、容器底部から容器上面に至る襞加工4を容器壁面の全周囲に設けた一体形成加工物とし、ゴキブリの脚の先端の爪と襞加工部分との接触を部分接触とすることにより、誘引剤に誘導されて中に入ったゴキブリの脚の先端の爪と襞加工4の加工面との接触面積を減らし、接触面積の減少による保持力の低下をもたらし、容器壁面内部の移動を抑制し滑落させ、脱出不能にする構造を採用した。
【0033】
一体形成加工物である襞加工4の採用により、小型のチャバネゴキブリや中型のヤマトゴキブリには、ゴキブリ捕獲器として充分に機能するが、大型のクロゴキブリに対しては、ゴキブリ捕獲器としての機能に不足を感じる。
【0034】
上記の機能不足を補うため、ラーメンスープ・ウスターソース・重曹・石鹸・合成洗剤・食用油などを液状で、襞加工4の表面に付着させて薄膜を形成する方法を用いた結果、油脂分を含まない薄膜でも、ゴキブリ捕獲器としての機能を満足できることが確認された。また、粘着力を阻害する膜として、食用油・合成洗剤・石鹸・ラーメンスープ・ウスターソース・重曹の順で効果を発揮することも確認され、捕獲剤として薄膜が機能不足を補うことが確認できた。
【実験例2】
【0035】
襞加工4を設けない容器で、同じ容積と形状でゴキブリ捕獲器として充分に機能させるため、毛細管現象により油を移送し貯留する部位を設け、自動的に油の膜を形成し、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害し、容器内にゴキブリを閉じこめるゴキブリ捕獲器の油膜を形成する部材選択実験を行った。
【0036】
選択素材として、スパンボンド製法と呼ばれる製法で製造された、通気性、毛羽立ちの少なさ、切断面のほつれにくさ等の特長に加え、ポリプロピレンの素材の特長を兼ね備えた不織布(商品名:エルタス)が、毛細管現象により液体を移送可能な部位として、自動的に油の膜を形成できるか実験を行った。
【0037】
合成繊維であるポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)は、内部に繊維どうし、糸どうしのすき間がたくさんあり、この細かなすき間が細いガラス管と同じ働きをして、油を吸い上げ、数分で自動的に油の膜を形成する。
【0038】
他の選択素材として、網戸用の30メッシュ防虫網のポリプロピレン素材が、防虫網のメッシュ間を毛細管現象により液体を移送可能な部位として、自動的に油の膜を形成できるか実験を行った。
【0039】
網戸用の30メッシュ防虫網のポリプロピレン素材では、自動的に油の膜を形成するのは困難であるが、防虫網の細目内に油を貯留することは可能であり、30メッシュ防虫網を二重に重ね細目内に油を貯留する方法に変更した。
【0040】
底部を有する頂部が開放した円筒形の容器壁面内部の底面から40mm以上の高さを有する毛細管現象により液体を移送可能な部位11に、ポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)の上面部と中間部と底面部と容器内壁面とを点状に溶着し、食用油を補獲剤として用いると、小型のゴキブリは、ポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)に到着後まもなく、ゴキブリの脚の先端の爪が不織布の細かなすき間に入り込み、動きが抑制されその場で静止し、その後、食用油を気門に取り込み窒息した。
【0041】
大型のゴキブリでは、ポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)に到着後、横方向に移動する固体や、底部の食用油に落下する固体や、底部の食用油を触角で検知し反転して油の膜より上部に移動する固体など、色々の挙動を見せる。横方向に移動した固体は、足を取られ徐々に体力を消耗し、食用油を気門に取り込みポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)上で窒息し、底部の食用油に落下した固体は食用油の中で窒息し、底部の食用油を触角で検知し反転して油の膜より上部に移動を試みた固体は、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害されているため、壁を上れず底部の食用油に落下し食用油の中で窒息する。
【0042】
底部を有する頂部が開放した円筒形の容器壁面内部の底面から40mm以上の高さを有する、細目内に油を貯留する部位11に、網戸用の30メッシュ防虫網のポリプロピレン素材の上面部と中間部と底面部と容器内壁面とを点状に溶着し、食用油を補獲剤として用いると、小型のゴキブリも大型のゴキブリも、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害されるため、壁を上れず底部の食用油に落下し食用油の中で窒息する。
【実験例3】
【0043】
ゴキブリは記憶力が非常に優れ、夜行性で、初期行動として嗅覚を利用して餌場をさがし、好物の餌場を覚え餌を食べに来る傾向を示し、好物の餌で腹を満たし、同じ餌を繰り返し食べる。この行動を本発明のゴキブリ捕獲器に応用すると、目で食べ物を追う行動よりも、嗅覚を利用して餌に誘う行動を利用した方が効果的であり、誘引剤として何が有効で、何が逆効果(忌避効果)を示すのか実験を行った。
【0044】
セリ科の植物を用いて、誘引効果と忌避効果を調べると、数分で効果を確認できる物に、アニス、キャラウェイ、クミン、セロリがあり、数時間経っても特別な効果が確認されない物に、人参、パセリ、三つ葉などがあった。誘引効果ではアニス、忌避効果が高い順にキャラウェイ、クミン、セロリとなった。実験は精度が高い実験とは言えないが、数分で誘引効果が確認されたアニスに注目した。
【0045】
アニスに似た甘い匂いを放出する野菜や香辛料に、フトモモ科のユーカリやラン科のバニラやミカン科の山椒があり、熱を加えることにより玉葱や落花生も甘い匂いを放出し、落花生(加熱)、ユーカリ、玉葱(加熱)、アニス、バニラ、山椒の順で誘引効果が確認された。
【0046】
他の食材においては、砂糖、蜂蜜、米ぬか、バナナ、蒸かしたサツマイモやジャガイモで誘引効果が確認され、甘い匂い(香り)や甘い成分(糖分)が誘引効果に関与しているものと思われる。
【0047】
誘引効果と好物の餌との関係では、アニス、ユーカリ、バニラ、山椒が嗅覚を利用して餌に誘う誘引効果を示す誘引剤であり、餌としては成立しない。しかし、砂糖、蜂蜜、米ぬか、バナナとうの他の食材、そして、熱を加えることにより玉葱、落花生、サツマイモ、ジャガイモが、甘い匂いを放出するため誘引効果を示す誘引剤となるが、後者は餌としても成立する。
【0048】
誘引効果が高く、餌としても成立する最高の組み合わせ食材は、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの順となった。
【実験例4】
【0049】
ゴキブリ捕獲器として、頂部が開放した円筒形容器の状態で使用することは可能であるが、捕獲率の向上と誘引剤から発する有効成分の過剰な放散を防ぐ目的で、キブリ捕獲器容器の頂部開放面に、頂部と底面に開口部を有する、上が広く、下が細くすぼまっていて、下部の細い部分が30mm以上の穴になっている、漏斗状のプラスチック製の誘導進入路を付随させることによる変化を調査した。
【0050】
頂部が開放した円筒形容器の状態での1日の捕獲量の平均は、チャバネゴキブリ2.5匹、クロゴキブリ1匹であるのに対し、漏斗状のプラスチック製の誘導進入路を付随させた場合の1日の捕獲量の平均は、チャバネゴキブリ3匹、クロゴキブリ1匹であり、わずかに漏斗状のプラスチック製の誘導進入路を付随させた場合の方が捕獲率を向上させる効果を確認できた。しかし、この効果は、誘導進入路による効果か、有効成分を下部の細い穴の部分から集中的に放出させた効果かは判断できない。
【0051】
頂部が開放した円筒形容器の状態での誘引剤から発する有効成分の臭いは、容器内に残らないのに対し、漏斗状のプラスチック製の誘導進入路を付随させた場合、ユーカリが最長で5日、アニスとバニラが約3日、山椒が約2日、熱を加えた玉葱と落花生が約1日とそれぞれ容器内に残留する。この残留効果は、人間の鼻での評価であり、ゴキブリが人間の鼻で感じられない厨房の臭気を屋外で感じ取り、外にいるゴキブリも引き寄せてしまうと言われているので、ゴキブリの嗅覚器官の特性を考慮すると、残留効果は、倍程度に延長されると推測される。
【実施例1】
【0052】
図1に示すゴキブリ捕獲器1は、プラスチック製、又は、金属製の内容器2とプラスチック製、又は、紙製の外容器3で構成されていて、内容器2の容器壁面内部の一部、或いは、容器底部から容器上面に至る襞加工4を容器壁面の全周囲に設け、襞加工4上部の液体を貯める部位5に段6を襞加工4に添って水平方向に溝を形成するように設け、容器内底部の外周域に捕獲剤収納部7を中心域に誘引剤収納部8を設けている。
【0053】
図1における襞加工4の形状は、3角型を連結した形であるが、半円形を連結した形や4角型を連結した形でもよい。また、内容器2を包み込む外容器3の形状をゴキブリが登り易い底部に広がった形状としたり、外容器3の部材を発泡スチレン樹脂としたり、外壁面に滑り止めを施してもよい。
【0054】
本実施例1のゴキブリ捕獲器1を使用して、チャバネゴキブリを捕獲する場合、容器内底部の捕獲剤収納部7に、ユーカリ、アニス、バニラなどを単体、又は、合成して液状(オイル状)で注ぎ、容器内底部の誘引剤収納部8に、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの、いずれか1つを固形の状態で挿入し、チャバネゴキブリを捕獲する。
【0055】
襞加工4を設けた内容器2と、襞加工の無い外容器3とで構成したことにより、外容器3を登ったチャバネゴキブリは、誘引剤に誘導され内容器2に入る。しかし、襞加工4を設けたことによるチャバネゴキブリの脚先端の爪の接触面積の減少と捕獲剤による爪間盤の粘着力を阻害する効果により、内容器2に入ったチャバネゴキブリは、壁面を上ることも平面の移動も困難になり、内容器2の底部に集まる。
【0056】
上記の方法は、捕獲剤収納部7に液状の誘引剤を入れて捕獲剤として利用しているので、液状と固形の2つの状態の誘引剤により、誘引効果の高い捕獲器となる。また、捕獲したチャバネゴキブリを廃棄して、捕獲剤と誘引剤の量を再設定すれば、捕獲器として再利用が可能である。
【0057】
ゴキブリ捕獲器1を使用して、クロゴキブリを捕獲する場合、容器内底部の捕獲剤収納部7に、ラーメンスープ・ウスターソース・重曹・石鹸・合成洗剤・食用油などを液状で3mm程注ぎ、ゴキブリ捕獲器1を斜めに傾けて、襞加工4上部の液体を貯める部位5の段6に注入するようにゴキブリ捕獲器1を回転させ、襞加工4の表面に薄膜を形成させた後、容器内底部の誘引剤収納部8に、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの、いずれか1つを固形の状態で挿入し、クロゴキブリを捕獲する。
【0058】
襞加工4を設けた内容器2と、襞加工の無い外容器3とで構成したことにより、外容器3を登ったクロゴキブリは、誘引剤に誘導され内容器2に入る。しかし、襞加工4を設けたことによるクロゴキブリの脚先端の爪の接触面積の減少と襞加工4の表面に付着させた薄膜とにより、内容器2に入ったクロゴキブリは、壁面を上ることも平面の移動も困難になり、内容器2の底部に集められ、捕獲剤の中で窒息させる。また、襞加工4上部の液体を貯める部位5の段6には、捕獲剤が貯められているため、クロゴキブリの脚部の移動により捕獲剤が襞加工4の表面に付着するため、捕獲数が増加しても薄膜の状態を維持する役目を果たす。
【0059】
ラーメンスープとウスターソースを捕獲剤として用いた場合、クロゴキブリの即死は望めないので、生きた状態での捕獲を望まない場合は、合成洗剤としての界面活性剤濃度が0.01%以上になるようにラーメンスープ、又は、ウスターソースと合成すれば、ゴキブリを死んだ状態で捕獲できる。また、捕獲したゴキブリを廃棄して、捕獲剤と誘引剤を再設定すれば、捕獲器として再利用が可能である。
【0060】
クロゴキブリの捕獲では、襞加工4の一体形成加工物を採用しても、壁面をよじ登る固体が存在(チャバネゴキブリには有効)するので、捕獲効果を向上させるために、捕獲剤として、ラーメンスープ・ウスターソース・重曹・石鹸・合成洗剤・食用油などの薄膜を併用するが、この薄膜に使用する成分を、ラーメンスープ、又は、ウスターソースとして薄膜を形成後、容器内底部の捕獲剤収納部7に残らないように、内容器2の外に排出すれば、生きたままのゴキブリの捕獲が可能となり、実験や観察用の大型のゴキブリや小型のゴキブリの捕獲に使える。
【実施例2】
【0061】
図2に示すゴキブリ捕獲器9は、容器10の壁面内部の底面から延びた、毛細管現象により油を移送可能な部位11、或いは、細目内に油を貯留する部位11と、液体を貯める部位12の内壁面に溝13を設けた容器10と、誘引剤を収納する取り外し可能な誘引剤収納部14との2つの部品で構成されていて、容器10の底面を捕獲剤としての油収納部15としている。
【0062】
本実施例2のゴキブリ捕獲器9を使用して、毛細管現象により油を移送可能な部位11として用い、各種ゴキブリを捕獲する場合、容器10内底部の捕獲剤としての油収納部15に食用油を3mm程注ぎ、誘引剤を収納する取り外し可能な誘引剤収納部14に、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの、いずれか1つを固形の状態で挿入し、各種ゴキブリを捕獲する。
【0063】
符号11の部位の素材として、合成繊維であるポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)、又は、コットンリンター原料の長繊維不織布(商品名:ベンリーゼ)を用いることで、内部の繊維どうし、糸どうしの細かなすき間が、細いガラス管と同じ働きをして、油を吸い上げ、数分で符号11の部位に自動的に油の膜を形成する。実施例として2つの素材を用いたが、上記の素材以外の、麻、絹などの素材も用いることができる。
【0064】
容器10の外壁面を登ったゴキブリは、誘引剤に誘導され内壁面を下る。小型のゴキブリは、ポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)、又は、コットンリンター原料の長繊維不織布(商品名:ベンリーゼ)に到着後まもなく、ゴキブリの脚の先端の爪が不織布の細かなすき間に入り込み、動きが抑制されその場で静止し、その後、食用油を気門に取り込み窒息する。
【0065】
大型のゴキブリでは、ポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)、又は、コットンリンター原料の長繊維不織布(商品名:ベンリーゼ)に到着後、横方向に移動する固体や、底部の食用油に落下する固体や、底部の食用油を触角で検知し反転して油の膜より上部に移動する固体など、色々の挙動を見せる。横方向に移動した固体は、足を取られ徐々に体力を消耗し、食用油を気門に取り込みポリプロピレン素材の不織布(商品名:エルタス)、又は、コットンリンター原料の長繊維不織布(商品名:ベンリーゼ)上で窒息し、底部の食用油に落下した固体は食用油の中で窒息し、底部の食用油を触角で検知し反転して油の膜より上部に移動を試みた固体は、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害されているため、壁を上れず底部の食用油に落下し食用油の中で窒息する。
【0066】
上記の方法では、液体を貯める部位12を使用しないので、内壁面に設けた溝13に食用油を貯めずに使用する。また、捕獲したゴキブリを廃棄して、捕獲剤と誘引剤を再設定すれば、捕獲器として再利用が可能である。
【0067】
本実施例2のゴキブリ捕獲器9を使用して、細目内に油を貯留する部位11として用い、各種ゴキブリを捕獲する場合、容器10内底部の捕獲剤としての油収納部15に食用油を3mm程注ぎ、ゴキブリ捕獲器9を斜めに傾けて、細目内に油を貯留する部位11に注入するようにゴキブリ捕獲器9を回転させ、細目内に油を供給した後、容器10内底部の誘引剤収納部14に、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの、いずれか1つを固形の状態で挿入し、各種ゴキブリを捕獲する。
【0068】
符号11の部位の素材として、網戸用の30メッシュ防虫網のポリプロピレン素材を用いることで、防虫網の細目内に手動で油を貯留することができる。
【0069】
容器10の外壁面を登ったゴキブリは、誘引剤に誘導され内壁面を下る。ゴキブリが網戸用の30メッシュ防虫網のポリプロピレン素材に到着し、防虫網の細目内に貯留した油に触れるため、小型のゴキブリも大型のゴキブリも、ゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位の粘着力を阻害され、内壁面を上れず底部の食用油に落下し食用油の中で窒息する。
【0070】
上記の方法では、液体を貯める部位12を使用しないので、内壁面に設けた溝13に食用油を貯めずに使用する。また、捕獲したゴキブリを廃棄して、捕獲剤と誘引剤を再設定すれば、捕獲器として再利用が可能である。
【実施例3】
【0071】
図3に示す漏斗状のプラスチック製、又は、金属製、又は、紙製の誘導進入路16は、上面の広い開口部17と、底面の細い開口部18と、平面の縁19を設けている。
【0072】
図4に示す断面図20は、漏斗状の誘導進入路16と内容器2と外容器3を組み合わせた状態の断面図であり、断面図21は、漏斗状の誘導進入路16と容器10を組み合わせた状態の断面図である。
【0073】
チャバネゴキブリは、羽が退化していて飛べないが、クロゴキブリは、ムササビのように高いところから低いところへ滑降するので、漏斗状のプラスチック製の誘導進入路16を付随させると、ゴキブリ捕獲器1とゴキブリ捕獲器9の仕様も、その行動を配慮に入れる必要が生じる。
【0074】
ゴキブリ捕獲器1に漏斗状の誘導進入路16を付随させて、クロゴキブリを捕獲する場合、容器内底部の捕獲剤収納部7に、ラーメンスープ・ウスターソース・重曹・石鹸・合成洗剤・食用油などを液状で3mm程注ぎ、ゴキブリ捕獲器1を斜めに傾けて、襞加工4上部の液体を貯める部位5の段6に注入するようにゴキブリ捕獲器1を回転させ、襞加工4の表面に薄膜を形成させた後、容器内底部の誘引剤収納部8に、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの、いずれか1つを固形の状態で挿入し、誘導進入路16を付随させて使用する。
【0075】
襞加工4を設けた内容器2と、襞加工の無い外容器3とで構成したことにより、外容器3を登ったクロゴキブリは、誘引剤に誘導され、プラスチック製の誘導進入路16を経由して、内容器2の襞加工4上部の液体を貯める部位5に滑降するので、捕獲剤が貯められた段6上の何れかの段に貯まった捕獲剤を、クロゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位に液体の状態で付着させる役目を果たす。
【0076】
ゴキブリ捕獲器9に漏斗状の誘導進入路16を付随させて、クロゴキブリを捕獲する場合、容器10内底部の捕獲剤としての油収納部15に食用油を3mm程注ぎ、ゴキブリ捕獲器9を斜めに傾けて、液体を貯める部位12の内壁面に設けた溝13に食用油を注入するようにゴキブリ捕獲器9を回転させた後、誘引剤を収納する取り外し可能な誘引剤収納部14に、ローストした落花生に蜂蜜を塗して固めた物、熱を加えた玉葱に砂糖、蜂蜜、澱粉、ケルセチンを混ぜ乾燥させた物、アニスとじゃがいもの組み合わせ、玉葱とじゃがいもの組み合わせの、いずれか1つを固形の状態で挿入し、誘導進入路16を付随させて使用する。
【0077】
容器10の外壁面を登ったクロゴキブリは、誘引剤に誘導され、プラスチック製の誘導進入路16を経由して、容器10の内壁面上部の液体を貯める部位12に滑降するので、捕獲剤が貯められた溝13の何れかの溝に貯まった捕獲剤を、クロゴキブリの脚の先端の爪間盤と呼ばれる粘着力を持つ部位に液体の状態で付着させる役目を果たす。
【0078】
また、誘引剤から発する有効成分の過剰な放散を防ぐ目的で、漏斗状の誘導進入路16を付随させると、1日の捕獲量の平均値で、チャバネゴキブリ0.5匹の捕獲率を向上させる効果を確認できた。しかし、この効果は、誘導進入路による効果か、有効成分を下部の細い穴の部分から集中的に放出させた効果かは判断できない。
【0079】
漏斗状の誘導進入路16を付随させた場合、ユーカリが最長で5日、アニスとバニラが約3日、山椒が約2日、熱を加えた玉葱と落花生が約1日とそれぞれ容器内に残留する。この残留効果は、人間の鼻での評価であり、ゴキブリが人間の鼻で感じられない厨房の臭気を屋外で感じ取り、外にいるゴキブリも引き寄せてしまうと言われているので、ゴキブリの嗅覚器官の特性を考慮すると、残留効果は、倍程度に延長されると推測される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1(A)】本発明のゴキブリ捕獲器の上面図。
図1(B)】図1のX−X’断面図。
図1(C)】図1のY−Y’断面図。
図1(D)】図1の襞上部の液体を貯める部位の拡大図。
図2(A)】本発明の実施例2のゴキブリ捕獲器の上面図。
図2(B)】図2のX−X’断面図。
図2(C)】図2のY−Y’断面図。
図2(D)】図2の液体を貯める部位の拡大図。
図3】漏斗状の誘導進入路の斜視図。
図4】捕獲容器と漏斗状の誘導進入路を組み合わせた状態の断面図。
【符号の説明】
【0081】
1 ゴキブリ捕獲器
2 内容器
3 外容器
4 襞加工
5 液体を貯める部位
6 段
7 捕獲剤収納部
8 誘引剤収納部
9 ゴキブリ捕獲器
10 容器
11 毛細管現象により油を移送可能な部位、或いは、細目内に油を貯留する部位
12 液体を貯める部位
13 溝
14 誘引剤収納部
15 捕獲剤としての油収納部
16 漏斗状の誘導進入路
17 広い開口部
18 細い開口部
19 平面の縁
20 断面図
21 断面図
図1
図2
図3
図4