(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態の例につき、適宜図面を用いて説明する。なお、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
【0010】
図1は本発明に係る光学表示装置1の前面図であり、
図2は光学表示装置1の一部水平断面概念図(図の上が前方)である。
光学表示装置1は、全体が平板状であり、機枠2と、機枠2の前面に配された透光性を有する前カバー3と、前カバー3の内部に設置された表示体4を備えている。
【0011】
表示体4は、積層構造の光学積層体10と、光学積層体10に沿った、導光板12及び発光手段14を有している。光学積層体10は、機枠2後面のほぼ全体に沿っており、又光学表示装置1の前部の大部分に亘っていて、光学積層体10の前面が表示面となっている。導光板12は、光学積層体10の後側に配置されている。発光手段14は、導光板12の後側に配置されており、機枠2の後面内側に沿っている。尚、光学積層体10と導光板12において、間を開けず、互いに接触するようにして良い。導光板12と発光手段14においても、同様である。
光学表示装置1は、
図1では機枠2や前カバー3で覆われて成る独立した表示装置として示しているが、携帯端末を始めとする機器の入力部(ボタン等)や表示部等に配置され(ボタンや機器等に組み込まれ)ても良い。入力部に組み込まれた場合には、入力指令状態に応じて、表示の態様(意匠の種類)を切替えることができる。
【0012】
発光手段14は、青色光BLと赤色光RLで切り替えて発光可能である。
図2では、青色光BLは実線で示され、赤色光RLは一点鎖線で示される。
発光手段14は、ここでは(複数の)青色LEDと(複数の)赤色LEDを搭載したプリント基板である。プリント基板は、前方への反射を強くするため、前面の一部又は全部が白色となっている。尚、発光手段において、青色光BLと赤色光RLで切替発光可能なLEDを用いても良いし、LED以外の蛍光管等の発光手段を用いても良いし、プリント基板以外に搭載されても良いし、基板に搭載されず単体で用いても良い。又、青や赤以外の色を用いて良いし、3色以上を用いて良いし、色の組合せを様々に変えて良い。
導光板12は、発光手段14からの光を、自身の前面全体ないしその前方へ導く部材である。発光手段14からの光は、導光板12全体に均一に拡散される。
導光板12と発光手段14により、光学積層体10等に対する背面側からの照明が可能となり、これらにより照明手段が構成される。尚、光ファイバーやミラー等を組み合わせたり、あるいは、発光手段14を光学積層体10の側方に配置して、導光板12の肉厚部に光が入射するようにし、その入射した光が導光板12により前方全体に導かれるようにしたり、導光板12を省略して光学積層体10を直接照射したりする等、照明手段の構成を適宜変更することができる。
【0013】
光学積層体10は、後側(発光手段14に近い側)から順に、第1パターン層P1と、第2パターン層P2と、透過調整層Vと、蛍光反射層Mと、蛍光層Lと、ブラックアウト層Sを含む。これらの形成(蛍光反射層M及びブラックアウト層Sを除く)は、ここでは図示しない透明シートに対する印刷により、更に詳しくはシルク印刷により行われる。尚、第1パターン層P1と第2パターン層P2の前後を入れ替える等、層の配置を適宜変更することができる。又、各層の肉厚を適宜変更することができる。更に、発光色数に応じ、パターン層の数を増やして良い。又、蛍光反射層Mやブラックアウト層S等を適宜省略することができる。
【0014】
第1パターン層P1は、第1特定色としての青色を呈する青色光BLを透過せず、第2特定色としての赤色を呈する赤色光RLを透過する層である。
第1パターン層P1は、赤色を呈する透光性のある材料、即ち赤色光RL(赤色に対応する波長を有する光)を透過し他の色(他の波長を有する光)は透過しない光選択透過材(バンドストップフィルタ)により形成される。換言すれば、第1パターン層P1は、青色光BLを透過せず赤色光RLを透過する光選択透過材(赤色光選択透過材)により形成される。尚、光を透過しないことや光を遮ることには、完全に光を遮ることに加え、僅かに(他の色の光と比較して透過率の低い状態で)光を通すことも含めて良い。
赤色光選択透過材による第1パターン層P1の形成は、青色光BLを等を吸収し、赤色光RLを吸収しないインクによる着色によって行うことができる。尚、青色光BLを反射し、赤色光RLを反射せず透過する光選択反射材を、光選択透過材として用いて、第1パターン層P1を形成することができる。当該光選択反射材は、例えば光学多層膜として形成することができ、その光学多層膜の形成は、例えば真空蒸着法により行うことができる。
尚、第1パターン層P1(赤色光選択透過材)における、波長に対する透過率の分布は、赤色に対応する特定の波長において極大値をとりその両側で急峻に下降するものとしたり、あるいは同様な極大値の片側あるいは両側で緩やかに下降するものとしたり、赤色の領域内の特定範囲において極大値と同様の値を維持し、その両側で下降するものとしたり、青色に対応する波長以外の波長の光を全て透過するものとしたりする等、様々に変更可能である。
【0015】
第2パターン層P2は、赤色光RLを透過せず青色光BLを透過する層である。
第2パターン層P2は、青色を呈する透光性のある材料、即ち青色光BLを透過し他の色は透過しない光選択透過材により形成される。換言すれば、第2パターン層P2は、赤色光RLを透過せず青色光BLを透過する光選択透過材(青色光選択透過材)により形成される。
青色光選択透過材による第2パターン層P2の形成手法や変更例は、第1パターン層P1の場合と同様である。
【0016】
第1パターン層P1や第2パターン層P2のパターンは、切替表示における各種意匠に応じて形成される。
図1に示すように、切替表示可能な意匠が2種類であって、第1の意匠が黒地に赤色発光する縦細帯で、第2の意匠が黒地に白色発光する横太帯である場合、第1の意匠の発光部分と第2の意匠の発光部分が重なる赤白重複部分Nには、第1パターン層P1は配置されず、第2パターン層P2も配置されない。尚、第1パターン層P1や第2パターン層P2が配置されなければ、青色光BL及び赤色光RL(並びに他の色の光)の何れも、その前側(発光手段14から見ると遠方側)の層まではそのまま通過することができる。
又、第1の意匠の赤色発光部分と第2の意匠の黒色部分が重なる赤黒重複部分Rには、第1パターン層P1が配置され、第2パターン層P2は配置されない。更に、第1の意匠の黒色部分と第2の意匠の白色発光部分が重なる白黒重複部分Wには、第1パターン層P1は配置されず、第2パターン層P2が配置される。加えて、第1の意匠の地の部分と第2の意匠の地の部分が重なる黒色重複部分Kには、第1パターン層P1及び第2パターン層P2の双方が配置される。
従って、第1パターン層P1は、第2の意匠において白色でない部分(白色発光部分以外の部分)に配置され、第2パターン層P2は、第1の意匠において赤色でない部分(赤色発光部分以外の部分)に配置される。
尚、表示内容や意匠の形状等に応じ、これらの部分の何れかを省略しても良い。
又、黒色重複部分Kに対応するパターンにおいて、可視領域全体を透過しない不透過層を更に設けても良い。不透過層は、好適には、透過調整層Vより前側に配置され、蛍光層L(蛍光反射層M)より後側に配置される。又、不透過層は、好適には、黒色インクにより、又印刷により形成される。不透過膜を設けた場合、黒色重複部分Kに対応するパターンにおいて第2パターン層P2と第1パターン層P1の少なくとも一方を配置しないようにすることができる。不透過層を配置することにより、黒色部分の黒さを濃くすることができ、コントラストが一層良好となる。
あるいは、不透過層として、第1パターン層P1や第2パターン層P2より光源側に配置されたものを用いても良い。この場合、好適には、不透過層を白色にする。不透過層を白色にすると、不透過層の外側に光を透過させず一旦内側に光を反射させることができ、その反射された光を再帰反射により表示光として再利用することが可能となって、表示をより明るくし、不透過により意匠に係る黒色部分の黒さを濃くすることと相まってコントラストをより一層良好にすることができる。
【0017】
透過調整層Vは、青色光BL及び赤色光RLを透過するが他の色の光を抑制する層、あるいは緑色光を抑制し他の色の光を透過する層である。
透過調整層Vは、紫色を呈する透光性のある材料、即ち青色光BL及び赤色光RLに対する透過率が高く他の色に対する透過率が低い光選択透過材により形成される。換言すれば、透過調整層Vは、青色光BL及び赤色光RLの透過率より他の色の光の透過率が低減され、他の色の光の透過が抑制されている光選択透過材(赤青色光選択透過材)により形成される。尚、ここでの紫色は、青色の光の波長より短い波長のみを有する光の呈する色ではなく、青色の光と赤色の光の加色光の呈する色である。
赤青色光選択透過材による透過調整層Vの形成手法や変更例は、第1パターン層P1の場合と同様である。
透過調整層Vは、光学積層体10の表示面全体に亘り配置されている。
尚、透過調整層Vを、黒色重複部分K以外の部分のみや、赤白重複部分Nのみに配置しても良い。
又、透過調整層Vとして、蛍光発光可能な紫色の層(蛍光透過調整層)を採用することができる。
蛍光透過調整層は、青色光BLの一部を吸収して赤色の蛍光を発する赤青色光選択透過材により、蛍光を発しない透過調整層Vと同様に形成することができる。蛍光透過調整層単独では、自然光のもとでは、紫色に赤色の蛍光が加色されて、赤紫色に見える。
【0018】
蛍光層Lは、蛍光体を有する層であり、例えばYAGシートにより形成される。
蛍光体は、青色光BLにより励起されると、蛍光として黄色光YLを出力する。又、蛍光体を励起しなかった青色光BLは、蛍光層Lをそのまま通過する。
即ち、蛍光層Lは、青色光BLを受けると、その一部をそのまま出力し、別の一部を黄色光YLに変換して出力する。
青色光BLの出力は、入射した青色光BLと同様に前方へなされ、黄色光YLの出力は、四方八方に広がってなされる。
蛍光層Lに入射した青色光BLは、青色光BLと黄色光YLが混色した光、即ち白色光WLとなって前方へ出る。
蛍光層Lは、第2の意匠の白色発光部分(赤白重複部分N及び白黒重複部分W)に応じて配置されているが、全体に配置されても良い。蛍光層Lは赤色光RLに対して蛍光発光せず、赤色光RLを透過するので、赤色発光表示に対する影響はない。
尚、蛍光層Lないし蛍光体は、青色光BLにより緑色光等を蛍光発光するものとして良く、即ち黄色以外の色の蛍光を発光するものとして良い。又、蛍光層Lないし蛍光体は、青色光BL以外の色の光で蛍光発光するものとして良い。更に、蛍光層Lないし蛍光体は、蛍光以外を(殆ど)出力しないものとしても良い。
又、蛍光層Lの前側に、再加色層を加えても良い。再加色層は、任意の色を有する透光性のある層であり、白色光WLを当該色に変える層である。可視領域全体に亘る波長の成分を満遍なく有する白色光WLの入力を受けるため、白色光WLをどのような色にでも変えて出力することができる。再加色層は、蛍光層Lと同様に白色発光部分に応じて配置されるが、赤色光RLに対する影響を考慮しつつ、表示面全体に配置しても良い。再加色層の肉厚は、何れかの層と同等であっても良いし、何れの層より厚くても良いし、何れの層より薄くても良いし、どの層とも違う厚さであっても良い。
【0019】
蛍光層Lの後側に配置される蛍光反射層Mは、蛍光である黄色光YLを前方へ反射し、青色光BLや赤色光RLを透過する層であり、例えば青色及び赤色の波長の光を透過し、それ以外の可視領域の波長の光を反射する光学多層膜(ハーフミラー)により形成される(好適には蒸着により形成される)。
即ち、蛍光反射層Mは、後方から入射した青色光BLや赤色光RLを透過し、前方から来た後向きの黄色光YLを前方へ戻す。
蛍光反射層Mは、蛍光層Lに応じて配置されているが、蛍光層Lと異なるように配置されても良く、例えば蛍光層Lが白色発光部分に配置される一方で蛍光反射層Mが全体に配置されても良い。
蛍光反射層Mの肉厚は、何れかの層と同等であっても良いし、何れの層より厚くても良いし、何れの層より薄くても良いし、どの層とも違う厚さであっても良い。
【0020】
蛍光層Lの前側に配置されるブラックアウト層Sは、抑制された透光性を有する層であって、好適には(灰色を呈する)スモークレンズにより形成される。
ブラックアウト層Sは、外部(光学積層体10前方)からの外光について、内部へ進入する度合を低減し、更に内部からの光の強度も低減して、発光手段14の消灯時(非表示時)に各種層のパターンが見えてしまう事態を防止する。又、ブラックアウト層Sは、各種意匠の表示時における黒色部分をより黒くして、コントラストをより良好にする。
但し、ブラックアウト層Sにおける透光性の抑制は、白色光WLや赤色光RLの輝度(各種意匠の発光表示の輝度)に支障がない程度にする。又、ブラックアウト層Sは、黒地に合うように、可視領域全般に亘り同様に強度を抑制する(同様に抑制された透過率を有する)ものとする。
【0021】
尚、光学表示装置1は、図示しない制御装置やスイッチを内部にあるいは外付けで備えている。制御装置は、単数又は複数のスイッチや発光手段14と電気的に接続されている。制御装置は、スイッチの状態に応じ(スイッチの指令に基づき)、発光手段14に係る発光の有無や発光色(赤又は青)の切り替えを行う。発光手段14や照明手段について、制御装置やスイッチを含めて構成することもできるし、輝度を調節可能なスイッチを追加することもできる。
【0022】
このような光学表示装置1は、主に次のように動作する。
スイッチにより発光手段14の消灯が指令されると、制御装置は発光手段14を消灯し、光学積層体10における表示を黒一色とする(非表示状態)。
非表示状態において、ブラックアウト層Sのみでは、光学積層体10の何れかの層(特に第2パターン層P2や第1パターン層P1)のパターンが、外光の進入や反射により見えてしまうことがある。
しかし、光学積層体10では、透過調整層Vが設けられており、外光が進入したとしても、透過調整層Vにおいて青色光BLの波長や赤色光RLの波長を含まない波長領域(眼が良く感知する緑色の波長領域)の透過を充分に抑制することができ、進入後反射した外光についても透過を充分に抑制することができる。
従って、光学積層体10では、外光によりパターンが見えてしまう事態を防止することができ、非表示時の隠蔽性が充分なものとなる。
【0023】
一方、スイッチにより発光手段14の赤色点灯が指令されると(あるいは表示部における赤色発光が指令されると、又は第1の意匠の表示が指令されると)、制御装置は発光手段14を赤く点灯し、導光板12は発光手段14からの赤色光RLを前面全体に導いて光学積層体10に届ける。
赤色光RLは、黒色重複部分Kと白黒重複部分Wに配置された第2パターン層P2を通過しない。一方、赤色光RLは、赤黒重複部分Rに配置された第1パターン層P1を通過し、透過調整層Vに至る。又、赤色光RLは、赤白重複部分Nにあっては、そのまま透過調整層Vに至る。
透過調整層Vにおいて、赤色光RLは、緑色光と異なり充分に透過され、蛍光反射層Mに至る。尚、蛍光透過調整層の場合でも、赤色光RLは充分に透過される。
蛍光反射層Mにおいて、赤色光RLは、黄色光YLと異なり充分に透過され(あるいは蛍光層Lにおける黄色光YLの反射性能の付与により若干抑制され)、蛍光層Lに至る。
蛍光層Lにおいて、赤色光RLは、そのまま透過し、ブラックアウト層Sに至る。
ブラックアウト層Sでは、赤色光RLは、輝度を考慮して抑制された透過率において透過して外に出る。
赤色光RLは、赤黒重複部分Rと赤白重複部分Nにおいて出力され、第1の意匠の表示に寄与する。
【0024】
他方、スイッチにより発光手段14の青色点灯が指令されると、制御装置は発光手段14を青く点灯し、導光板12は発光手段14からの青色光BLを前面全体に導いて光学積層体10に届ける。
青色光BLは、黒色重複部分Kと赤黒重複部分Rに配置された第1パターン層P1を通過しない。一方、青色光BLは、白黒重複部分Wに配置された第2パターン層P2を通過し、透過調整層Vに至る。又、青色光BLは、赤白重複部分Nにあっては、そのまま透過調整層Vに至る。
透過調整層Vにおいて、青色光BLは、緑色光と異なり充分に透過され、蛍光反射層Mに至る。尚、蛍光透過調整層の場合、青色光BLの一部はそのまま透過し、他の一部は赤色の蛍光に変換され出力される。
蛍光反射層Mにおいて、青色光BLは、黄色光YLと異なり充分に透過し、蛍光層Lに至る。尚、赤色の蛍光も充分に透過し、蛍光層Lに至る。
蛍光層Lにおいて、青色光BLの一部は、そのまま透過し、ブラックアウト層Sに至る。又、青色光BLの別の一部は、黄色光YLに変換される。黄色光YLは様々な方向に向かうところ、後方に向かった黄色光YLは、蛍光反射層Mにおいて充分に反射され、前方に向かった黄色光YLと共に、ブラックアウト層Sに至る。尚、蛍光層Lにおいて、赤色の蛍光は、そのまま(あるいは蛍光層Lにおける黄色光YLの反射性能の付与により若干抑制されて)透過する。
ブラックアウト層Sでは、青色光BLと黄色光YLは、輝度を考慮して抑制された透過率においてそれぞれ透過して、白色光WLとして外に出る。尚、赤色の蛍光も抑制された透過率で透過する。赤色の蛍光は、青色光BLと黄色光YLに対し更に加色され、白色光WLの発光に寄与する。
白色光WLは、白黒重複部分Wと赤白重複部分Nにおいて出力され、第2の意匠の表示に寄与する。
【0025】
以上のような本発明の光学表示装置1では、青色光BLを透過せず赤色光RLを透過する第1パターン層P1と、赤色光RLを透過せず青色光BLを透過する第2パターン層P2と、青色光BL又は赤色光RLで切り替えて発光可能な発光手段14と、第2パターン層P2により遮られなかった青色光BLにより蛍光としての黄色光YLを発する蛍光層Lと、蛍光層Lより発光手段14に近い側において、青色光BL及び赤色光RLを透過して、黄色光YLを反射する蛍光反射層Mと、を備えている。よって、拡散する黄色光YLを前方に集めることができ、黄色光YLの加色される白色光WLの輝度がより大きくなり、更に効率の良い白色発光表示が可能となる。又、黄色光YLの強度が増すため、青色光BLに対する黄色光YLの強度の割合が増す分、より青みの少ない白色光WLが得られる。
又、青色光BL及び赤色光RLを透過して、緑色光の透過を抑制する透過調整層Vを備えている。よって、外光につき緑色光を中心に抑制して隠蔽性を確保しながら、赤色光RLをなるべく抑制せずに出力することができ、青色光BLもなるべく抑制せずに黄色光YLの発生ないし白色光WLの出力に効率良く用いることができる。
更に、透過調整層Vは、蛍光層Lより発光手段14に近い側に配置される。よって、白色光WLの発光を妨げずに、非表示時の隠蔽性を確保し、白色光WLや赤色光RLの発光を調整して効率を良好にすることができる。
又更に、蛍光透過調整層の場合、透過調整層Vは第1パターン層P1により遮られなかった青色光BLにより赤色の蛍光(第2の蛍光)を発する。よって、赤色の蛍光も白色光WLの発光に用いることができ、更に効率良く白色光WLの輝度を大きくすることができ、又一層青みの少ない白色光WLを得ることが可能となる。
【0026】
尚、以上の光学表示装置1に対し、更に発光手段14の緑色発光を可能とし、第1パターン層P1につき青色の光を透過せず赤色及び緑色の光を透過する光選択透過材(青色以外透過の光選択透過材)により形成し、第2パターン層P2につき赤色の光を透過せず青色及び緑色の光を透過する光選択透過材(赤色以外透過の光選択透過材)により形成し、更に緑色の光を透過せず青色及び赤色の光を透過する光選択透過材(緑色以外透過の光選択透過材)により形成される第3パターン層を設けたものとすると、次の通りになる。
即ち、更に、第3特定色の光を透過せず他の特定色の光を透過する第3パターン層を備えており、発光手段14は、赤色、青色又は緑色の何れかに切り替えて発光可能である。
この場合において、蛍光反射層Mを、赤色、青色又は緑色の光を透過して、蛍光を反射するものとすると、蛍光発光表示される意匠を含む3種の意匠の切替表示が可能でありながら、特に蛍光発光表示について、輝度を充分とし、青色に寄り過ぎないものとすることができる。
又、透過調整層Vを、赤色、青色又は緑色の光を透過して他の色の光の透過を抑制するものとすると、蛍光発光表示される意匠を含む3種の意匠の切替表示が可能でありながら、他の色の光の透過を抑制した分だけ隠蔽性を向上することができ、更に蛍光発光に用いられる青色光BLの透過率を他の色の光の透過率に比べて優位に調整する等、各色の発光状況を調整することが可能となる。
尚、第1パターン層P1は、白色発光部分以外の部分に配置され、第2パターン層P2は、赤色発光部分以外の部分に配置され、第3パターン層は、緑色発光部分以外の部分に配置される。
【0027】
そして、同様にして更に第1ないし第3特定色の何れとも(波長や波長域の)異なる第j特定色(j=[4],[4,5],[4,5,6]・・、[]はここでは集合を示す)を発光可能とし、且つ蛍光反射層Mを、何れの色の光を透過して、蛍光を反射するものとすることで、蛍光発光表示について、充分な輝度を確保することができ、又第1特定色に寄り過ぎないようにすることができる。
又、第j特定色の光を透過せず他の色の光を透過する第jパターン層や、何れの色とも異なる色の光の透過を抑制した透過調整層Vを設けて、蛍光発光表示を1種類以上含む4種類以上の意匠の表示を、非表示時の隠蔽性の高い状態で、効率良く行うことができる。
【実施例】
【0028】
次いで、上記形態において、透過調整層Vの特性、あるいは蛍光反射層Mの有無や特性を互いに異ならせた、各種の検討例を説明する。
【0029】
[検討例1〜12の構成等]
図3は、検討例1〜12の何れかで用いられる、4種の透過調整層Vの分光透過率分布を示すグラフである。
「調整層a」及び「調整層b」は、青色透過率>赤色透過率の青紫色を呈する透過調整層Vであり、前者の方が後者よりも青色透過率が大きく且つ赤色透過率が小さい。
「調整層c」は、青色透過率と赤色透過率が同様である紫色を呈する透過調整層Vである。
「調整層d」は、青色透過率<赤色透過率の赤紫色を呈する透過調整層Vである。
【0030】
検討例1は、透過調整層Vとして青紫色の「調整層a」を具備し、蛍光反射層Mを省略した光学表示装置1である。検討例1〜12では、蛍光層LとしてOR576を採用する。
検討例2は、透過調整層Vとして青紫色の「調整層b」を具備し、蛍光反射層Mを省略した光学表示装置1である。
検討例3は、透過調整層Vとして紫色の「調整層c」を具備し、蛍光反射層Mを省略した光学表示装置1である。
検討例4は、透過調整層Vとして赤紫色の「調整層d」を具備し、蛍光反射層Mを省略した光学表示装置1である。
尚、検討例1〜4は、蛍光反射層Mを備えないので、蛍光反射層Mを有する発明の実施例とならない。
【0031】
検討例5は、透過調整層Vとして青紫色の「調整層a」を具備し、蛍光反射層Mを具備した光学表示装置1である。検討例5〜8では、蛍光反射層Mとして
図4に示す透過率tr(反射率re)を示すものを採用する。
検討例6は、透過調整層Vとして青紫色の「調整層b」を具備し、蛍光反射層Mを具備した光学表示装置1である。
検討例7は、透過調整層Vとして紫色の「調整層c」を具備し、蛍光反射層Mを具備した光学表示装置1である。
検討例8は、透過調整層Vとして赤紫色の「調整層d」を具備し、蛍光反射層Mを具備した光学表示装置1である。
尚、検討例5〜8は、蛍光反射層Mを備えるので、蛍光反射層Mを有する発明の実施例となる。
【0032】
検討例9は、透過調整層Vとして青紫色の「調整層a」を具備し、検討例5〜8の蛍光反射層Mの代わりに白色のホワイト層を配置した光学表示装置1である。検討例9〜12におけるホワイト層は、
図4に示す透過率tr(反射率re)を示すものである。ホワイト層は、可視領域の全体(例えば400〜700nm)あるいは主要な部分(例えば450〜700nmあるいは450〜650nm)において、同程度の反射率を有し、可視領域における分光透過率分布が平坦になるものである。ホワイト層は、好適には白色材料を含み、更に好適には白色顔料を含み、白色材料(白色顔料)を(透明な)シート状の基材に混入させるか、白色材料(白色顔料)を印刷あるいは塗布して(層状に付着させて)形成される。
検討例10は、透過調整層Vとして青紫色の「調整層b」を具備し、ホワイト層を具備した光学表示装置1である。
検討例11は、透過調整層Vとして紫色の「調整層c」を具備し、ホワイト層を具備した光学表示装置1である。
検討例12は、透過調整層Vとして赤紫色の「調整層d」を具備し、ホワイト層を具備した光学表示装置1である。
尚、検討例9〜12も、約50%程蛍光を反射するホワイト層を蛍光反射層Mとみることができるので、蛍光反射層Mを有する発明の実施例とすることができる。
【0033】
[検討例1〜12の作用等]
図5は、青色光(LED)の場合、蛍光層(OR576)単独の場合、及び検討例1〜4(蛍光層+各種透過調整層)の場合における、青色光BLやその透過光の分光強度分布を示すグラフである。尚、当該グラフの縦軸は、同一条件下で作動させた所定の光度測定装置におけるカウント数であり、カウント数が大きいほど強度が大きいこととなる。又、当該グラフの横軸は波長(ナノメートル,nm)である。
又、表1は、「調整層a」〜「調整層d」の何れかをD65光源からの光が通過した場合の視感度透過率を示す表である。
更に、表2〜表4は、青色光BL(青色LEDによる)自体の発光色あるいはOR576単独・更に蛍光反射層Mやホワイト層を加えたもの・検討例1〜12を青色光BLが通過した場合の色座標(x,y,Y)の値を示す表である。
又更に、
図6(a)は、青色光BLの場合、蛍光層(OR576)単独の場合、及び検討例1〜4(蛍光層+各種透過調整層)の場合における、青色光やその透過光の色について、表2におけるx,yの値を用いてxy色度座標にプロットしたグラフである。又、
図6(b)は、
図6(a)の拡大図である。
図6において、横軸はxであり、縦軸はyである。
加えて、検討例5〜8(蛍光層+各種透過調整層+蛍光反射層)の場合における
図5・表2・
図6に相当するものを
図7・表3・
図8として示し、検討例9〜12(蛍光層+各種透過調整層+ホワイト層)の場合における
図5・表2・
図6に相当するものを
図9・表4・
図10として示す。
【0034】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0035】
検討例1〜4では、青色透過率>赤色透過率である検討例1,2の方が、検討例4や検討例3に比べ、蛍光発光に関し、強度がより高く効率により優れ(表2・Y値)、隠蔽性もより良好になる(表1の視感度透過率)。色については、青色透過率≦赤色透過率である検討例3,4の方が、蛍光層単独の場合により近くなる(
図6・xy座標値)。
一方、検討例5〜8では、同様に、青色透過率>赤色透過率である検討例5,6の方が、蛍光発光に関し、強度がより高く、効率により優れ(表3・Y値)、隠蔽性もより良好となる(表1の視感度透過率)。又、色については、青色透過率≦赤色透過率である検討例7,8の方が、蛍光層単独の場合により近くなる(
図8・xy座標値)。
又、検討例5〜8では、検討例1〜4と比べ、蛍光発光に関し、強度が更に高くなっており(
図5に対する
図7や、表2のY値に対する表3のY値)、蛍光反射層Mの具備により、蛍光発光の輝度が充分に確保できて効率の良い蛍光発光が実現できることが示されている。加えて、検討例5〜8では、検討例1〜4と比べ、蛍光発光色が蛍光層単独の場合の蛍光発光色により近づいており(
図6に対する
図8)、蛍光反射層Mの具備により、透過調整層Vを備えたとしても透過調整層Vを備えない場合の色に近くなるように色みを調節することができることが示されており、透過調整層Vの有無による蛍光発光色の色変化が少ないことが示されている。
他方、検討例9〜12では、まずやはり青色透過率>赤色透過率である検討例9,10の方が、蛍光発光に関し、強度がより高く、効率により優れ(表4・Y値)、隠蔽性も高くなる(表1の視感度透過率)。色については、青色透過率≦赤色透過率である検討例11,12の方が、蛍光層単独の場合により近くなる(
図10・xy座標値)。
次いで、検討例9〜12でも、検討例1〜4と比べ、蛍光発光色が蛍光層単独の場合の蛍光発光色により近づいている(
図6に対する
図10)。
尚、検討例9〜12では、検討例5〜8と比較して、蛍光発光の強度でやや劣り、発光色でやや有利である(蛍光層単独の場合の色により近づいている)。このようになる主な要因は、検討例5〜8の蛍光反射層Mが、検討例9〜12のホワイト層と比較して、青色光BLをより透過し、蛍光(黄色光YL)をより反射することにあると考えられる。
又、一般に、蛍光層は蛍光材料を用いて(シート状の基材に混入して)形成され、蛍光材料によっては、(僅かに)ムラを発生したり、複数種類の蛍光材料の混合により星屑状に(複数の微小部分で明るく)光ったりするところ、検討例5〜8の蛍光反射層Mに比べ、検討例9〜12のホワイト層の方が、ムラや星屑状の発光をより平滑にならして目立たなくすることができる。
【0036】
[検討例1〜12に関する考察]
蛍光反射層Mの設置(検討例5〜12)により、蛍光発光に関し、色みを調節し、充分な強度を確保することができる。又、非表示時の隠蔽性の確保や各種発光(各種意匠の状態)の調整を目的として透過調整層Vを設置した場合に、発光の強度や色みがやや低減することがあるが、蛍光反射層Mの設置により、発光強度や色みを回復することができる。
又、透過調整層Vにおいて、青色透過率<赤色透過率とした場合に比べ、青色透過率>赤色透過率とした場合の方が、非表示時の隠蔽性をより良くし、輝度をより高く維持することができる。
尚、青色透過率>赤色透過率とした場合は、赤色光RLにつき青色光BLに対して透過をより抑制するように調整した場合ともいえるし、青色光BLにつき赤色光RLに対して透過をより促進するように調整した場合ともいえる。
更に、透過調整層Vにおける透過率の設定により、非表示時の隠蔽性や発光の輝度を調節することができ、ニーズに合致した表示装置を提供することが可能となる。