(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作レバー部の先端部は、前記他の操作レバー部の先端部よりも、前記肘掛アームの幅方向中心から離間した位置にあることを特徴とする請求項2に記載の肘掛装置。
前記操作部は、前記肘掛アームの幅方向の他方の側を中心として上下方向に回動することによって、前記ロック部による前記肘掛アームの拘束・非拘束を切り替えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の肘掛装置。
前記操作レバー部は、上面が、水平、または前記基部から前記操作レバー部の先端部に向けて漸次下方に傾斜していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の肘掛装置。
【背景技術】
【0002】
例えば医療や介護等に用いられるチェアやベッドにおいて、患者が様々な姿勢を取ることができるように、座面や背もたれが様々な角度に調整可能なものがある(例えば特許文献1参照。)。
透析等の医療行為は長時間にわたる可能性があるが、患者にとって、長時間同じ姿勢をとり続けるのは負担となる。そこで、上記したようなチェアやベッドにおいては、座面や背もたれ等の角度を変化させることによって、患者の姿勢を変え、患者の負担を軽減することができる。
【0003】
ところで、透析を行う場合、患者の腕の血管に透析用の針を刺しておく必要がある。透析は、数時間にわたって行われる。このため、患者にとって、腕を長時間の間動かすことができないのは、血行が悪くなる等して、負担となる。
そこで、チェアやベッドに患者の腕を載せる肘掛アームを設け、この肘掛アームを可動させることによって、患者の腕の角度を変えることができるようにするのが好ましい。
【0004】
肘掛アームを可動させる機構としては様々な提案がなされている。
例えば、特許文献2には、肘掛アームを水平旋回可能に設けた構成が開示されている
この肘掛アームは、外周面に複数のカム溝を有したカムと、肘掛アームとともに回動してカムのカム溝に係合可能な係合子と、係合子をカム側に押圧するバネとを備えている。これにより、肘掛アームを水平旋回させると、バネによってカム側に押圧されたままの係合子が、カム溝を乗り越えることによって、肘掛アームの角度が水平方向に変わるようになっている。
【0005】
特許文献3には、肘掛アームを縦方向に旋回可能とした構成が開示されている。この肘掛アームは、肘掛アームを回動自在とするシャフトに設けられたロック歯車と、ロック歯車に噛み合ってロック歯車の回動を規制するロック部材と、ロック部材を操作してロック歯車への噛み合いを解除するピンを備えた操作部材と、を備えている。これにより、操作部材を操作してピンによりロック部材のロック歯車への噛み合いを解除すると、肘掛アームの角度が縦方向に変わるようになっている。なお、操作部材の先端部の操作部分は、肘掛アームの外側に露出するよう設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の構成においては、肘掛アームに外力が加わったときに、係合子がカム溝を乗り越えて肘掛アームが不用意に回転しまうことがある。透析等、医療行為中に、肘掛アームが不用意に回転するのは、当然ながら好ましくない。
【0008】
また、特許文献3に記載の構成においては、操作部材を操作することによって、肘掛アームが回動可能となるので、肘掛アームの不用意な回転は防止できる。しかし、操作部材の操作部分は、肘掛アームの外側の側面に露出するよう設けられている。このため操作部材の操作部分に誤って触れた場合には、肘掛アームが不用意に回転してしまう。
また、透析等の医療行為の際に、患者の体液や、その他の薬液等が肘掛アーム上に垂れ落ちることがある。そのような場合に、肘掛アームの側面にアームの操作部分が露出していると、アームの操作部分の周囲から肘掛アームの内部に体液や薬液等が入り込んでしまう可能性がある。その結果、クリーンな環境が損なわれることがある。
【0009】
そこでなされた本発明の目的は、肘掛アームが不用意に回転するのを確実に防ぐとともに、クリーンな環境を維持することのできる肘掛装置およびチェア装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の肘掛装置は、上面に肘当て面を有した肘掛アームと、前記肘掛アームを横方向に回動自在に支持する支持軸と、前記肘掛アームの前記支持軸周りの回動を拘束可能なロック部と、前記ロック部による前記肘掛アームの拘束・非拘束を切替操作する操作部と、を備え、前記操作部は、前記肘掛アームの下面から下方に突出し、前記ロック部に連結された基部と、前記基部から前記肘掛アームの幅方向一方の側に向けて延出した操作レバー部と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、ロック部によって肘掛アームが拘束されていると、操作部を操作しない限り、肘掛アームの支持軸周りの角度が固定される。そして、操作部を操作することによってロック部による肘掛アームの拘束が解除されると、肘掛アームが支持軸周りに回動可能となり、肘掛アームの角度を調節することができる。
ロック部の切替操作を行う操作部は、肘掛アームの下面から下方に突出した基部から操作レバー部が延出するよう設けられている。これにより、肘掛アームから液体が流れ落ちた場合、操作レバー部のみに液体が付着し、基部をはじめとする他の部分に液体が付着したり侵入するのを防ぐことができる。さらに、操作レバー部に液体が付着した場合にも、操作レバー部が肘掛アームの下方に突出しているので、清掃がしやすい。
また、肘掛アームの下面から下方に操作部があるため、操作部に誤って触れることで肘掛アームが不用意に回転してしまうのを防ぐことができる。
【0012】
また、前記操作部は、前記基部から前記幅方向他方の側に向けて延出した他の操作レバー部をさらに備えているようにしてもよい。
このような構成によれば、肘掛アームの一方の側から操作する場合には操作レバー部を操作し、他方の側から操作する場合には他の操作レバー部を操作すれば良い。これにより、肘掛アームの幅方向両側からロック部の切替操作を行うことができる。
【0013】
さらに、前記操作レバー部の先端部は、前記他の操作レバー部の先端部よりも、前記肘掛アームの幅方向中心から離間した位置にあるようにしてもよい。
このような構成によれば、操作レバー部の方が、他の操作レバー部よりも、先端部が、肘掛アームの幅方向中心から離間した位置、つまり肘掛アームの幅方向の端部に近い位置にある。これにより、一方の側からは操作レバー部により容易に操作が行え、他方の側からは他の操作レバー部を、一方の側の操作レバー部よりも、操作しにくくなっている。したがって、一方の側からは操作レバー部を確実に操作でき、他方の側からは他の操作レバー部が不用意に誤操作されるのを防ぐことができる。
【0014】
さらに、前記操作部は、前記肘掛アームの幅方向の他方の側を中心として上下方向に回動することによって、前記ロック部による前記肘掛アームの拘束・非拘束を切り替えるようにしてもよい。
このような構成によれば、肘掛アームの幅方向一方の側に延出した操作レバー部は、他方の側の回動中心から離れている。したがって、モーメントが大きく、軽い操作力で操作レバー部を操作することができる。
これに対し、他方の側に他の操作レバー部を備える場合、他のレバー部は操作レバー部よりも回動中心に近い。したがって、モーメントが小さく、操作レバー部を操作する場合よりも大きな操作力で操作する必要がある。
【0015】
また、前記操作レバー部は、上面が、水平、または前記基部から前記操作レバー部の先端部に向けて漸次下方に傾斜しているようにしてもよい。
このような構成によれば、肘掛アームから液体が流れ落ちた場合、操作レバー部の上面に付着した液体が、先端部側に容易に流れ落ちる。
【0016】
本発明のチェア装置は、上記したような肘掛装置と、使用者が着座する座面を有したチェア本体と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、肘掛装置は、操作部を操作しない限り、肘掛アームの支持軸周りの角度が固定されている。
また、チェア本体に着座した使用者の体液等の液体が肘掛アームから流れ落ちても、操作レバー部のみに液体が付着し、基部をはじめとする他の部分に液体が付着したり侵入するのを防ぐことができる。
【0017】
また、前記肘掛装置は、前記肘掛アームの幅方向他方の側を前記チェア本体に向けて設けられているようにしてもよい。
このような構成によれば、操作レバー部は、チェア本体とは反対側に延出することとなる。これにより、チェア本体に着座した使用者からは操作レバー部を操作しにくく、他のスタッフ等は、チェア装置の外側から操作レバー部を容易に操作することができる。したがって、使用者の誤操作によって肘掛アームが不用意に回動するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、肘掛が不用意に回転するのを確実に防ぐとともに、クリーンな環境を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明による肘掛装置およびチェア装置を実施するための形態を説明する。
図1は、本実施形態におけるチェアベッドの概略構成を示す側面図である。
図2は、
図1のチェアベッドの姿勢を異ならせた使用状態の一例を示す側面図である。
【0021】
(チェアベッド)
図1、
図2に示すように、チェアベッド(チェア装置)1は、例えば透析用に用いられるものであり、チェア本体10と、肘掛装置Aと、を備えている。
【0022】
(チェア本体)
チェア本体10は、床面上に設置される不図示のベースフレームに、座部12、背もたれ13、大腿受け部14、下腿受け部15及びフットレスト16が設けられている。座部12、背もたれ13、大腿受け部14、下腿受け部15及びフットレスト16は、各々クッションを内蔵したレザー張りからなる。背もたれ13の一端側には面ファスナによってヘッドレスト17が脱着かつ上下動可能に設けられている。
【0023】
座部12と背もたれ13、座部12と大腿受け部14、大腿受け部14と下腿受け部15、下腿受け部15とフットレスト16は、それぞれ、不図示の蝶番によって回動自在に連結されている。これにより、チェアベッド1は、
図1に示す状態や、
図2に示す状態をはじめとして、様々な使用形態とすることができる。
図1に示す状態は、座部12をほぼ水平とし、背もたれ13を起こし、下腿受け部15およびフットレスト16を下方に下げることにより、チェア本体10は椅子状をなしている。
図2に示す状態は、座部12、背もたれ13、大腿受け部14、下腿受け部15及びフットレスト16をほぼ水平にし、チェア本体10はベッド状をなしている。
これにより、チェア本体10に着座した使用者の姿勢を、着座状態から横臥状態まで、様々な姿勢に変化させることができる。
【0024】
また、このチェアベッド1には、座部12、大腿受け部14及び下腿受け部15の下方両側に側壁18A、18Bが設けられている。
【0025】
側壁18A,18Bには、それぞれ肘掛ブラケット19が設けられている。そして、この肘掛ブラケット19に、肘掛装置Aが設けられている。
これにより、座部12および背もたれ13の幅方向両側に肘掛装置A,Aが設けられている。
【0026】
(肘掛装置)
図3は、肘掛装置Aを斜め上方から見た斜視図である。
図4は、肘掛装置Aの側面図である。
図5は、肘掛装置Aを斜め下方から見た斜視図である。
図6は、肘掛装置Aを構成する部品の位置関係を示す図であり、(a)は肘掛装置Aの下面図、(b)は肘掛装置Aの側断面図である。
図3〜
図6に示すように、肘掛装置Aは、上面に肘当て面20fを有した肘掛アーム20と、肘掛アーム20を横方向に回動自在に支持する支持軸33と、肘掛アーム20の支持軸33周りの回動を拘束可能なロック部50と、ロック部50による肘掛アーム20の拘束・非拘束を切替操作する操作部60と、を備えている。
【0027】
(肘掛アーム)
肘掛アーム20は、ベース部材21と、ベース部材21のメインフレーム40上に設けられた肘掛パッド22と、を備えている。
肘掛パッド22は、メインフレーム40を覆うように設けられている。肘掛パッド22は、クッションを内蔵し、レザー等の表皮材によって覆われている。肘掛パッド22の上面が、肘掛アーム20の肘当て面20fを形成している。
【0028】
図7は、ベース部材を構成するメインフレームの一部を斜め上方から見た斜視図である。
図8は、ジョイント部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X矢視断面図である。
図7に示すように、ベース部材21は、ジョイント部材30と、メインフレーム40と、を備えている。
【0029】
(ジョイント部材)
図8(a),(b)に示すように、ジョイント部材30は、肘掛ブラケット19に連結されたアーム部31と、ベースプレート32と、支持軸33と、が一体に形成されている。
【0030】
図6(b)に示すように、アーム部31は、その基端部31aが、肘掛ブラケット19に支持シャフト34を介して水平軸周りに回動可能に連結されている。これにより、ジョイント部材30は、鉛直面内で回動可能とされている。
【0031】
ベースプレート32は、アーム部31の先端部31bに一体に設けられている。ベースプレート32は、平板状で、支持シャフト34の中心軸方向に平行に配設されている。
図8(a),(b)に示すように、ベースプレート32は、アーム部31の先端部31bから、基端部31aとは反対側に延出するよう設けられている。ベースプレート32は、アーム部31の先端部31bに連結された基端部32aと、その反対側の先端部32bとの間に拡幅部32cが形成されている。これにより、ベースプレート32は、基端部32aに対し、拡幅部32cよりも先端部32b側が、幅広に形成されている。
【0032】
ベースプレート32の上面32fの中央部には、支持軸33が一体に設けられている。支持軸33は、ベースプレート32の上面32f側から、台座部33a、軸部33b、雄ネジ部33cが順次形成されている。
台座部33aは、ベースプレート32の上面32fに形成された凹部35内に収められている。台座部33aは、円盤状で、その上面33fがベースプレート32の上面32fよりも突出するよう、その厚さが設定されている。
軸部33bは、台座部33aからベースプレート32の上面32fに直交する方向に延びるよう設けられている。軸部33bは、円柱状で、その外径が台座部33aよりも小さく形成されている。
雄ネジ部33cは、軸部33bの先端から突出形成され、その外周面に不図示のネジ溝が形成されている。
【0033】
ベースプレート32の先端部32bには、その上面32fに、複数の係合凹部36が形成されている。係合凹部36は、本実施形態において、例えば3個が形成されている。これら複数の係合凹部36は、支持軸33の軸部33bの中心Cから同心円状に、円弧方向に間隔をあけて形成されている。
【0034】
(メインフレーム)
図9は、メインフレーム40の構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
図10は、肘掛アーム20のベース部材21の側面図である。
図7、
図9、
図10に示すように、メインフレーム40は、上部プレート41と、下部プレート42と、上部プレート41と下部プレート42とを連結する連結部43と、を備えている。
【0035】
上部プレート41は、平板状をなしている。これに対し、下部プレート42は、中間部42bにおいて屈曲している。これにより、下部プレート42は、中間部42bよりも基端部42a側の第一平板部42Pが上部プレート41の下方に間隔をあけて上部プレート41と平行に設けられている。そして、下部プレート42は、中間部42bよりも先端部42c側の第二平板部42Qが、先端部42cにいくにしたがい上部プレート41側に漸次接近している。下部プレート42は、先端部42cが、上部プレート41の先端部41aよりも前方かつ上方に突出している。上部プレート41の先端部41aは、下部プレート42の第二平板部42Qに突き当たるように設けられている。
連結部43は、上部プレート41および下部プレート42の幅方向両側において、上部プレート41と下部プレート42とを一体に接続している。
【0036】
図9に示すように、下部プレート42の基端部42a側には、円柱状のボス45が、上部プレート41側に向けて突出するよう一体に設けられている。上部プレート41には、基端部側に貫通孔41hが形成されている。ボス45はこの貫通孔41hを貫通して、上部プレート41から上方に突出するよう設けられている。また、下部プレート42には、ボス45の孔45hに連通するように、貫通孔42gが形成されている。
ここで、下部プレート42に形成された貫通孔42gおよびボス45の孔45hの内径は、支持軸33の軸部33bの外径よりわずかに大きく、台座部33aの外径よりも小さく設定されている。
【0037】
図6(b)に示すように、これら貫通孔42gおよびボス45内に対し、支持軸33の軸部33bが下方から上方に向けて挿入されている。そして、支持軸33の台座部33aの上面が、下部プレート42の第一平板部42Pの下面に突き当たる。この状態で、
図7、
図10に示すように、支持軸33の雄ネジ部33cが、ボス45よりも上方に突出するようになっている。この雄ネジ部33cにナット39が締結されている。
これにより、メインフレーム40は、支持軸33の軸部33b周りに回動自在に支持されている。このようにして、肘掛アーム20が、支持軸33の中心軸周り、つまり横方向に回動自在に支持されている。
【0038】
図6(a)に示すように、メインフレーム40において、ボス45は、上部プレート41および下部プレート42の幅方向中心Cwよりも、幅方向一方の側S1にオフセットして設けられている。そして、上部プレート41および下部プレート42には、ボス45がオフセットした側S1とは反対の他方の側S2側に、逃げ凹部46が形成されている。この逃げ凹部46により、肘掛装置Aを引き起こしたときに、肘掛装置Aが背もたれ13(
図1、
図2参照)等に干渉しないようになっている。
【0039】
また、
図9(b)に示すように、下部プレート42の第一平板部42Pと、上部プレート41とには、互いに上下に対向する位置に、貫通孔47A,47Bが同軸上に形成されている。
さらに、上部プレート41の上面には、貫通孔47Aを覆う位置に、断面ハット型のガイド金具48が一体に設けられている。
図9(a)、(b)に示すように、ガイド金具48は、上部プレート41の表面に接合された両端のプレート部48a,48aと、プレート部48a,48aに直交して立ち上がる立ち上がり部48b,48bと、立ち上がり部48b,48b間に架け渡されたトッププレート部48cと、が一体に形成されている。トッププレート部48cは、上部プレート41よりも上方に離間して上部プレート41と平行に形成されている。
トッププレート部48cには、貫通孔47Aと同軸上に、ガイド孔48hが形成されている。
【0040】
また、下部プレート42の第一平板部42Pには、貫通孔47Aに対して中間部42b側に、矩形状の開口部49が形成されている。
【0041】
上部プレート41および下部プレート42に形成された前記の貫通孔47A,47B、ガイド金具48のガイド孔48hは、ボス45の中心Cbからの径方向距離が、
図8に示したジョイント部材30における支持軸33の軸部33bの中心Cから複数の係合凹部36までの寸法と同一とされている。
これにより、メインフレーム40をジョイント部材30に取り付けた状態で、メインフレーム40を支持軸33回りに回動させると、ジョイント部材30の複数の係合凹部36が、メインフレーム40側の貫通孔47A,47B、ガイド孔48hに連通する。
【0042】
(ロック部、操作部)
図11は、操作部材61のベースプレート62の構成を示す三面図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図12は、ロック部50、操作部60の構成を示す斜視図である。
図13は、ロック部50、操作部60の構成を
図12とは異なる角度から見た斜視図である。
図14は、ロック部50、操作部60の構成を
図12、
図13とは異なる角度から見た斜視図である。
下部プレート42に形成された開口部49の部分には、操作部60を構成する操作部材61が設けられている。
図11〜
図14に示すように、操作部材61は、ベースプレート62と、係合ピン63と、ヒンジバネ64と、レバー部材65と、を備えている。
【0043】
ベースプレート62は、例えば金属板がプレス加工されて形成されている。ベースプレート62は、レバー部材65が固定されるレバー固定部62aと、係合ピン63が固定されるピン固定部62bと、ピン固定部62bから側方に延出してヒンジバネ64が固定されるバネ固定部62cと、を一体に備えている。
【0044】
レバー固定部62aは、平板状で、その下面側に後述するレバー部材65の基部66が不図示のビス等により固定される。
【0045】
ピン固定部62bは、レバー固定部62aから一方の側に連続するよう延出して形成されている。そして、ピン固定部62bにおいて、レバー固定部62aから離間した先端部に、円環状のカラー63cを介して、係合ピン63が固定されている。係合ピン63は、ピン固定部62bの上下にそれぞれ所定長突出するよう設けられている。
【0046】
バネ固定部62cは、ピン固定部62bに連続して形成されている。バネ固定部62cは、ピン固定部62bにおいて、レバー固定部62a側の基部と、係合ピン63が設けられた先端部とを結ぶ方向に対し、直交する方向に延出して形成されている。さらに、このバネ固定部62cは、レバー固定部62aおよびピン固定部62bに対し、斜め上方に向けて傾斜して形成されている。
【0047】
ヒンジバネ64は、第一プレート部64aと第二プレート部64bとが、それぞれの一端側の連結部64cで一体に接合されている。第一プレート部64aと第二プレート部64bは、連結部64cからV字状に拡開している。このヒンジバネ64は、第一プレート部64aと第二プレート部64bとが、連結部64cを中心として回動するように弾性変形可能とされている。
ヒンジバネ64は、連結部64cをバネ固定部62cの先端部側に向けた状態で、第一プレート部64aがバネ固定部62cの先端部に不図示のビスや溶接等により接合されている。
【0048】
図12〜
図14に示すように、レバー部材65は、レバー固定部62aの下面に固定されている。レバー部材65は、レバー固定部62aの下面から下方に突出した基部66と、基部66から一方の側に向けて延出した第一操作レバー部(操作レバー部)67と、基部66から他方の側に向けて延出した第二操作レバー部(操作レバー部)68と、を備えている。
【0049】
第一操作レバー部67,第二操作レバー部68は、基部66の下端部に連続し、それぞれ斜め下方に延出するよう設けられている。そして、第一操作レバー部67,第二操作レバー部68は、その上面67f,68fが、水平、または基部66から第一操作レバー部67,第二操作レバー部68の先端部67a,68aに向けて漸次下方に傾斜するよう形成されている。
【0050】
図15(a)はベース部材21の係合ピン63の中心軸に沿った断面図、(b)は操作部材を操作して係合ピン63を係合凹部36から離脱させた状態を示す断面図である。
図16は、係合ピン63と係合凹部36の係合状態を示す断面図である。
図15に示すように、操作部材61は、ヒンジバネ64の第二プレート部64bが、メインフレーム40の上部プレート41の下面に、不図示のビスや溶接等によって固定されている。これにより、操作部材61は、ヒンジバネ64の第一プレート部64aと第二プレート部64bとが開閉するようにして弾性変形することによって、ヒンジバネ64の連結部64cを中心とした軸周りに回動し、上下方向に操作される。
【0051】
ここで、操作部材61は、第一操作レバー部67が、肘掛アーム20の幅方向一方の側S1に配置され、第二操作レバー部68が肘掛アーム20の幅方向他方の側S2を向くよう設けられている。そして、第一操作レバー部67の先端部67aは、第二操作レバー部68の先端部67aよりも、肘掛アーム20の幅方向中心Cwから離間した位置に配設されている。
また、ヒンジバネ64は、幅方向中心Cwに対し、第二操作レバー部68と同じ側の、肘掛アーム20の幅方向他方の側S2にオフセットして設けられている。
さらに、肘掛アーム20は、第一操作レバー部67が設けられている肘掛アーム20の幅方向一方の側S1が座部12とは反対側の、チェアベッド1の幅方向外側を向き、第二操作レバー部68が設けられている他方の側S2が座部12側を向くように設けられている。
【0052】
ここで、
図4、
図5に示すように、操作部材61は、第一操作レバー部67,第二操作レバー部68が開口部49からメインフレーム40、すなわち肘掛アーム20から下方に向けて突出するよう設けられている。
【0053】
また、
図15、
図16に示すように、操作部材61の係合ピン63は、その上端部63tがメインフレーム40の上部プレート41に設けられた貫通孔47Aおよびガイド孔48hに上下方向に移動可能に挿通され、下端部63bが下部プレート42に設けられた貫通孔47Bに挿通されている。
さらに、貫通孔47bから下方に向けて貫通した係合ピン63の下端部63bは、ベースプレート32に形成された複数の係合凹部36に選択的に挿入できるようになっている。
【0054】
さらに、
図15(a)に示すように、係合ピン63の外周側には、コイルスプリング69が、カラー63cとガイド金具48のトッププレート部48cとの間に、圧縮状態で介装されている。これにより、係合ピン63が下方に押圧され、下端部63bが係合凹部36に係合した状態が維持される。
【0055】
そして、
図15(b)に示すように、操作部材61の第一操作レバー部67または第二操作レバー部68を上昇させる方向に押圧すると、操作部材61は、ヒンジバネ64の連結部64cを中心として揺動する。すると、係合ピン63が上下動し、係合凹部36から離脱する。
【0056】
これら係合ピン63と、複数の係合凹部36とから、肘掛アーム20の支持軸33周りの回動を拘束可能なロック部50が構成されている。
すなわち、係合ピン63の下端部63bが複数の係合凹部36のいずれかに挿入嵌合されていることにより、肘掛アーム20の回動が拘束される。そして、コイルスプリング69によって操作部材61が下方に押圧されているので、操作部材61を上方に向けて操作しない限り、係合ピン63と係合凹部36との係合状態が維持され、肘掛アーム20の支持軸33周りの角度が固定される。
また、操作部材61を上方に向けて操作し、係合ピン63の下端部63aが複数の係合凹部36のいずれかから離脱すると、ロック部50による肘掛アーム20の拘束が解除される。すると、肘掛アーム20が支持軸33周りに回動可能となり、肘掛アーム20の角度を調節することができる。
【0057】
このように、操作部60の操作部材61は、肘掛アーム20の幅方向の他方の側S2に配置されたヒンジバネ64の連結部64cを中心として上下方向に回動することによって、ロック部50による肘掛アーム20の拘束・非拘束を切り替える。
そして、ロック部50による肘掛アーム20を非拘束とした状態で、肘掛アーム20を横方向に回動させて、その角度を調整することができる。
【0058】
上述した肘掛装置A、チェア装置1によれば、ロック部50によって肘掛アーム20が拘束されていると、操作部60を操作しない限り、肘掛アーム20の支持軸33周りの角度が固定される。これにより、肘掛アーム20が不用意に回転するのを確実に防ぐことができる。
また、肘掛アーム20の下面から下方に操作部60がある。このため、操作部60に誤って触れることで肘掛アーム20が不用意に回転してしまうのを防ぐことができる。
そして、操作部60を操作することによってロック部50による肘掛アーム20の拘束が解除されると、肘掛アーム20が支持軸33周りに回動可能となり、肘掛アーム20の角度を調節することができる。
また、ロック部50の切替操作を行う操作部60は、肘掛アーム20の下面から下方に突出した基部66から第一操作レバー部67、第二操作レバー部68が延出するよう設けられている。これにより、肘掛アーム20から血液等の液体が流れ落ちた場合、第一操作レバー部67、第二操作レバー部68のみに液体が付着し、基部66をはじめとする他の部分に液体が付着したり侵入するのを防ぐことができる。しかも、第一操作レバー部67、第二操作レバー部68は肘掛アーム20の下方に露出しているために、付着した液体を容易に清掃することができる。さらに、第一操作レバー部67、第二操作レバー部68に液体が付着した場合にも、第一操作レバー部67、第二操作レバー部68が肘掛アーム20の下方に突出しているので、清掃がしやすい。このようにして、肘掛装置Aおよびチェアベッド1において、クリーンな環境を維持することができる。
【0059】
また、操作部60は、基部66から幅方向一方の側S1に向けて延出した第一操作レバー部67と、他方の側S2に向けて延出した第二操作レバー部68とが設けられている。
このような構成によれば、肘掛アーム20の一方の側S1から操作する場合には第一操作レバー部67を操作し、他方の側S2から操作する場合には第二操作レバー部68を操作することができる。これにより、肘掛アーム20の幅方向両側からロック部50の切替操作を行うことができる。
【0060】
さらに、第一操作レバー部67の先端部67aは、第二操作レバー部68の先端部68aよりも、肘掛アーム20の幅方向中心Cwから離間した位置にある。
これにより、第一操作レバー部67の方が、第二操作レバー部68よりも、先端部27aが、肘掛アーム20の幅方向中心Cwから離間した位置、つまり肘掛アーム20の幅方向の端部に近い位置にある。これにより、一方の側S1からは第一操作レバー部67により容易に認識および操作が行え、他方の側S2からは第二操作レバー部68を、一方の側の第一操作レバー部67よりも、認識および操作がしにくくなっている。
【0061】
しかも、肘掛装置Aは、第二操作レバー部68が設けられた肘掛アーム20の幅方向他方の側S2をチェア本体10に向けて設けられている。
このような構成によれば、肘掛アーム20の幅方向の端部に近い第一操作レバー部67は、チェア本体10とは反対側に延出することとなる。これにより、チェア本体10に着座した使用者からは第一操作レバー部67を操作しにくく、他のスタッフ等は、チェア装置の外側から第一操作レバー部67を容易に操作することができる。したがって、使用者の誤操作によって肘掛アーム20が不用意に回動するのを、より確実に防ぐことができる。
【0062】
また、操作部60は、肘掛アーム20の幅方向の他方の側に配置されたヒンジバネ64を中心として上下方向に回動することによって、ロック部50による肘掛アーム20の拘束・非拘束を切り替える。
これにより、肘掛アーム20の幅方向一方の側S1に延出した第一操作レバー部67は、他方の側S2の回動中心から離れているので、モーメントが大きく、軽い操作力で第一操作レバー部67を操作することができる。
これに対し、他方の側に第二操作レバー部68を備える場合、第二操作レバー部68は第一操作レバー部67よりも回動中心に近いため、モーメントが小さく、第一操作レバー部67を操作する場合よりも大きな操作力で操作する必要がある。
したがって、スタッフ等は、チェア装置の外側から第一操作レバー部67を軽い力で容易に操作することができる。これに対し、チェア本体10に着座した使用者側からは、第二操作レバー部68を操作することで、操作自体は行えるものの、操作には第一操作レバー部67よりも大きな力が必要となる。したがって、使用者の誤操作によって肘掛アーム20が不用意に回動するのを防ぐことができる。
【0063】
また、第一操作レバー部67は、上面が、水平、または基部66から第一操作レバー部67の先端部67aに向けて漸次下方に傾斜している。
これにより、肘掛アーム20から液体が流れ落ちた場合、第一操作レバー部67の上面に付着した液体が、先端部側に容易に流れ落ちる。
【0064】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、チェア本体10の構成については何ら限定するものではなく、他のいかなる構成としてもよい。
また、チェア本体10の用途については、何ら限定するものではなく、透析以外の用途のものであってもよい。さらに、チェアベッド1は、使用者を着座状態とするチェア機能をメインとしてもよいし、使用者を横臥状態とするベッド機能をメインとしていてもよい。
さらに、肘掛アーム20の横方向の回動を拘束・非拘束に切り替えるための構成については、上記したものに限らず、同様の機能を発揮できるのであれば、適宜構成を採用してもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。