【実施例】
【0016】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0017】
(1)シートの構成
本実施例に係るシート1は、
図1及び
図2に示すように、シート本体2と、このシート本体2をその後方及び側方を覆うように収容するシェル3と、を備えている。また、シート本体2は、座席となるクッション部4と、クッション部4の前端側に連なり足のせとなるオットマン部5と、クッション部4の後端側に連なり背もたれとなるバック部6と、を備えている。このクッション部4は、モータM1の駆動により傾動可能(すなわち、チルト可能)に設けられている。また、オットマン部5は、モータM2の駆動により傾動可能に設けられている。さらに、バック部6は、モータM3の駆動により傾動可能(すなわち、クライニング可能)に設けられている。
【0018】
なお、上記各モータM1〜M3の駆動は、シート1のアームレストの先端側に設けられるスイッチ操作部7(
図1参照)を操作することで、後述する制御部の制御により実行される。また、上記シート本体2(具体的に、バック部6)によって、本発明に係る「第1対象物」が構成されている。さらに、上記シェル3によって、本発明に係る「第2対象物」が構成されている。
【0019】
ここで、上記シート本体2のバック部6は、
図3に示すように、前端位置Aと後端位置Cとの間で傾動可能とされている。このバック部6が前端位置Aから後方に向かって傾動して後端位置Cの手前の中間位置Bに位置するときに、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離は所定の距離範囲Sとされる。
【0020】
(2)挟み込み検知装置の構成
本実施例に係る挟み込み検知装置11は、シート1に備えられている(
図1参照)。この挟み込み検知装置11は、
図4に示すように、各モータM1〜M3の駆動制御等を司る制御部12(ECU(Electronic Control Unit)とも称される。)を備えている。この制御部12は、CPU13(Central Processing Unit)と、図示しないメモリ(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等)と、を備えている。また、制御部12は、スイッチ操作部7の各スイッチ15からの操作信号が入力される入力回路14を備えている。さらに、制御部12は、モータM1〜M3を駆動するためのモータ駆動回路16と、このモータ駆動回路16を流れる電流値を検出する電流検出回路17と、を備えている。これらモータ駆動回路16と電流検出回路17との間には、両回路16、17の接続を遮断するためのリレー19が介在されている。また、モータ駆動回路16には、電源18が供給される。
【0021】
上記制御部12は、以下に述べる挟み込み検知処理を実行する。この挟み込み検知処理では、
図5に示すように、モータM1〜M3の駆動中において、モータ駆動回路16を流れる電流値(すなわち、電流検出回路17で検出される電流値)が所定の閾値β(例えば、6A)以上であるか否かを判定する(ステップS1)。その結果、電流値が閾値β以上であるとき(ステップS1でYES判定)には、バック部6とシェル3との間で挟み込みが生じていると判定し(ステップS4)、モータM1〜M3を停止する(ステップS5)。
【0022】
一方、電流値が閾値β未満であるとき(ステップS1でNO判定)には、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲S内にあるか否かを判定する(ステップS2)。その結果、所定の距離範囲S内にあるとき(ステップS2でYES判定)には、モータ駆動回路16を流れる電流値の変化量(すなわち、単位時間当たりの電流変化量)が所定の閾値γ以上であるか否かを判定する(ステップS3)。その結果、電流値の変化量が閾値γ以上であるとき(ステップS3でYES判定)には、バック部6とシェル3との間で挟み込みが生じていると判定し(ステップS4)、モータM1〜M3を停止する(ステップS5)。
【0023】
また、上記ステップS2において、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲Sを超えているとき(ステップS2でNO判定)には、ステップS1に戻る。さらに、上記ステップS3において、電流値の変化量が閾値γ未満であるとき(ステップS3でNO判定)には、ステップS1に戻る。
【0024】
なお、上記制御部12による制御処理は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現されてもよく、好適にはCPU、メモリ(ROM、RAM等)、入出力回路等を備えるマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)を中心に、入出力インターフェース等周辺回路を備えることにより構成することができる。
【0025】
(3)挟み込み検知装置の作用
次に、上記構成の挟み込み検知装置11の作用について説明する。
図3に示すように、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲Sを超えているとき(すなわち、バック部6が中間位置Bより前方に起きている状態)には、比較的大きな負荷がかかるとモータM1〜M3の電流値が閾値β以上となって両対象物6、3間での挟み込みが検知される。
【0026】
一方、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲S内にあるとき(すなわち、バック部6が中間位置Bより後方に倒れている状態)には、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータM1〜M3の電流値の変化量が閾値γ以上となって両対象物6、3間での挟み込みが検知される。さらに、比較的大きな負荷がかかるとモータM1〜M3の電流値が閾値β以上となって両対象物6、3間での挟み込みが検知される。
【0027】
(4)実施例の効果
以上より、本実施例の挟み込み検知装置11によると、シート本体2のバック部6とシェル3との間の距離が所定の距離範囲Sを超えているときには、モータM1〜M3の電流値が予め定められた閾値β以上となったときに両対象物6、3間での挟み込みを検知し、バック部6とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときには、モータM1〜M3の電流値の変化量が予め定められた閾値γ以上となったときに両対象物6、3間での挟み込みを検知する。これにより、従来のようなモータに内蔵されたPTCを用いるものに比べて、両対象物6、3間での挟み込みを早期に検知することができる。さらに、両対象物間6、3の距離が所定の距離範囲S内にあるときには、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータM1〜M3の電流値の変化量が閾値γ以上となって両対象物間6、3での挟み込みが検知される。よって、両対象物間6、3での挟み込みを確実に検知することができる。
【0028】
また、本実施例では、シート本体2のバック部6とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときには、モータM1〜M3の電流値の変化量が予め定められた閾値γ以上となったときに両対象物間6、3での挟み込みを検知するとともに、モータM1〜M3の電流値が予め定められた閾値β以上となったときに両対象物間6、3での挟み込みを検知する。これにより、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータM1〜M3の電流値の変化量が閾値γ以上となって両対象物間6、3での挟み込みが検知されるとともに、比較的大きな負荷がかかるとモータM1〜M3の電流値が閾値β以上となって両対象物間6、3での挟み込みが検知される。
【0029】
さらに、本実施例では、第1対象物は、シート本体2であり、第2対象物は、シート本体2の後方及び側方を覆うようにシート本体2を収容するシェル3である。これにより、シート本体2とシェル3との間での挟み込みを効果的に検知できる。
【0030】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、シート本体2とシェル3との間の挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、スライドドアとドア枠との間の挟み込みを検知したり、パワーウィンドウと窓枠との間の挟み込みを検知したりしてもよい。
【0031】
また、上記実施例では、バック部6とシェル3との間の挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、オットマン部5やクッション部4とシェル3との間の挟み込みを検知してもよい。さらに、上記実施例では、バック部6とシェル3の後壁との間の挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、バック部6とシェル3の側壁との間の挟み込みを検知してもよい。
【0032】
また、上記実施例では、シート本体2とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときに、モータM1〜M3の電流値の変化量の閾値γ判定とともに電流値の閾値β判定を行うようにしたが、これに限定されず、例えば、シート本体2とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときに、モータM1〜M3の電流値の変化量の閾値γ判定のみを行うようにしてもよい。
【0033】
さらに、上記実施例では、可動側(シート本体2)と固定側(シェル3)との間での挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、可動側同士の両対象物間での挟み込みを検知してもよい。
【0034】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0035】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。