特許第6206909号(P6206909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206909
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】挟み込み検知装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/22 20060101AFI20170925BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   B60N2/22
   B60N2/64
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-149659(P2013-149659)
(22)【出願日】2013年7月18日
(65)【公開番号】特開2015-20564(P2015-20564A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 朗紀
(72)【発明者】
【氏名】飯田 健司
(72)【発明者】
【氏名】鵜生 春樹
(72)【発明者】
【氏名】宮原 和志
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友哉
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼本 崇
(72)【発明者】
【氏名】白石 仁史
(72)【発明者】
【氏名】梅田 啓
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】吉村 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】神田 隆太郎
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−127397(JP,A)
【文献】 特開2005−155126(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0039057(US,A1)
【文献】 特開2002−302099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/22
B60N 2/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータにより相対的に動作可能な第1対象物と第2対象物との間での挟み込みを検知する挟み込み検知装置であって、
前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が所定の距離範囲を超えているときには、前記モータの電流値が予め定められた電流閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知し、
前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が前記所定の距離範囲内にあるときには、前記モータの電流値が前記電流閾値未満であっても、前記モータの電流値の単位時間当りの変化量が予め定められた変化量閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知することを特徴とする挟み込み検知装置。
【請求項2】
前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が前記所定の距離範囲内にあるときには、前記モータの電流値が前記電流閾値未満であっても、前記モータの電流値の単位時間当りの変化量が前記変化量閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知するとともに、前記モータの電流値が前記電流閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する請求項1記載の挟み込み検知装置。
【請求項3】
前記第1対象物は、シート本体であり、前記第2対象物は、前記シート本体の後方及び側方を覆うように前記シート本体を収容するシェルである請求項1又は2に記載の挟み込み検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟み込み検知装置に関し、さらに詳しくは、挟み込みを早期及び確実に検知することができる挟み込み検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の挟み込み検知装置として、モータにより相対的に動作可能な第1対象物と第2対象物との間での挟み込みを検知するものが一般に知られている。この従来の挟み込み検知装置では、モータにかかる負荷が大きくなったときに、モータに内蔵されたPTC(Positive Temperature Coefficient;電流をカットする素子)が作動することでハード的に電流を流さないようにしている。しかしながら、従来の挟み込み検知装置では、PTCが作動するまでに時間がかかりすぎるという欠点があった。
【0003】
また、他の従来の挟み込み検知装置として、椅子の電動リクライニング機構に設けられるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の技術では、モータの電流値が予め決められた閾値以上であることを検知したときにモータを停止させている。しかしながら、特許文献1の技術では、モータの電流値のみに基づいて挟み込みを検知しているので、両対象物の距離が狭い状態において比較的小さな負荷が急激にかかるときに挟み込みを検知し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−127397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、挟み込みを早期及び確実に検知することができる挟み込み検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータにより相対的に動作可能な第1対象物と第2対象物との間での挟み込みを検知する挟み込み検知装置であって、前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が所定の距離範囲を超えているときには、前記モータの電流値が予め定められた電流閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知し、前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が前記所定の距離範囲内にあるときには、前記モータの電流値が前記電流閾値未満であっても、前記モータの電流値の単位時間当りの変化量が予め定められた変化量閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が前記所定の距離範囲内にあるときには、前記モータの電流値が前記電流閾値未満であっても、前記モータの電流値の単位時間当りの変化量が前記変化量閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知するとともに、前記モータの電流値が前記電流閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記第1対象物は、シート本体であり、前記第2対象物は、前記シート本体の後方及び側方を覆うように前記シート本体を収容するシェルであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の挟み込み検知装置によると、第1対象物と第2対象物との間の距離が所定の距離範囲を超えているときには、モータの電流値が予め定められた電流閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知し、第1対象物と第2対象物との間の距離が所定の距離範囲内にあるときには、モータの電流値が電流閾値未満であっても、モータの電流値の単位時間当りの変化量が予め定められた変化量閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する。これにより、従来のようなモータに内蔵されたPTCを用いるものに比べて、両対象物間での挟み込みを早期に検知することができる。さらに、両対象物間の距離が所定の距離範囲内にあるときには、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータの電流値の単位時間当りの変化量が変化量閾値以上となって両対象物間での挟み込みが検知される。よって、両対象物間での挟み込みを確実に検知することができる。
また、前記第1対象物と前記第2対象物との間の距離が前記所定の距離範囲内にあるときには、前記モータの電流値が前記電流閾値未満であっても、前記モータの電流値の単位時間当りの変化量が前記変化量閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知するとともに、前記モータの電流値が前記電流閾値以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する場合は、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータの電流値の単位時間当りの変化量が変化量閾値以上となって両対象物間での挟み込みが検知されるとともに、比較的大きな負荷がかかるとモータの電流値が電流閾値以上となって両対象物間での挟み込みが検知される。
さらに、前記第1対象物が、シート本体であり、前記第2対象物が、前記シート本体の後方及び側方を覆うように前記シート本体を収容するシェルである場合は、シート本体とシェルとの間での挟み込みを効果的に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】実施例に係る挟み込み検知装置を備えるシートの斜視図である。
図2】上記シートの側面図である。
図3】上記シートとシェルとの間の第1及び第2距離範囲を説明するための説明図である。
図4】上記挟み込み検知装置を説明するためのブロック図である。
図5】上記挟み込み検知装置による挟み込み検知処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
<挟み込み検知装置>
本実施形態に係る挟み込み検知装置は、モータ(M1〜M3)により相対的に動作可能な第1対象物(2)と第2対象物(3)との間での挟み込みを検知する挟み込み検知装置(11)であって、第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)を超えているときには、モータ(M1〜M3)の電流値が予め定められた閾値(β)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知し、第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)内にあるときには、モータ(M1〜M3)の電流値の変化量が予め定められた閾値(γ)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する(例えば、図3及び図5参照)。
【0011】
本実施形態に係る挟み込み検知装置としては、例えば、上記第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)内にあるときには、モータ(M1〜M3)の電流値の変化量が予め定められた閾値(γ)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知するとともに、モータ(M1〜M3)の電流値が予め定められた閾値(β)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する形態(例えば、図3及び図5等参照)を挙げることができる。
【0012】
本実施形態に係る挟み込み検知装置としては、例えば、上記第1対象物は、シート本体(2)であり、第2対象物は、シート本体(2)の後方及び側方を覆うようにシート本体(2)を収容するシェル(3)である形態(例えば、図1等参照)を挙げることができる。
【0013】
本実施形態に係る挟み込み検知装置としては、例えば、第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)を超えているときには、モータ(M1〜M3)の電流値が予め定められた閾値(β)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する第1検知手段(ステップS1、S2、S4)と、第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)内にあるときには、モータ(M1〜M3)の電流値の変化量が予め定められた閾値(γ)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する第2検知手段(ステップS2、S3、S4)と、を備える形態(例えば、図3及び図5参照)を挙げることができる。
【0014】
<挟み込み検知方法>
本実施形態に係る挟み込み検知方法は、上述の実施形態に係る挟み込み検知装置(11)を用いる挟み込み検知方法であって、第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)を超えているときには、モータ(M1〜M3)の電流値が予め定められた閾値(β)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知し、第1対象物(2)と第2対象物(3)との間の距離が所定の距離範囲(S)内にあるときには、モータ(M1〜M3)の電流値の変化量が予め定められた閾値(γ)以上となったときに両対象物間での挟み込みを検知する(例えば、図3及び図5参照)。
【0015】
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
【実施例】
【0016】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0017】
(1)シートの構成
本実施例に係るシート1は、図1及び図2に示すように、シート本体2と、このシート本体2をその後方及び側方を覆うように収容するシェル3と、を備えている。また、シート本体2は、座席となるクッション部4と、クッション部4の前端側に連なり足のせとなるオットマン部5と、クッション部4の後端側に連なり背もたれとなるバック部6と、を備えている。このクッション部4は、モータM1の駆動により傾動可能(すなわち、チルト可能)に設けられている。また、オットマン部5は、モータM2の駆動により傾動可能に設けられている。さらに、バック部6は、モータM3の駆動により傾動可能(すなわち、クライニング可能)に設けられている。
【0018】
なお、上記各モータM1〜M3の駆動は、シート1のアームレストの先端側に設けられるスイッチ操作部7(図1参照)を操作することで、後述する制御部の制御により実行される。また、上記シート本体2(具体的に、バック部6)によって、本発明に係る「第1対象物」が構成されている。さらに、上記シェル3によって、本発明に係る「第2対象物」が構成されている。
【0019】
ここで、上記シート本体2のバック部6は、図3に示すように、前端位置Aと後端位置Cとの間で傾動可能とされている。このバック部6が前端位置Aから後方に向かって傾動して後端位置Cの手前の中間位置Bに位置するときに、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離は所定の距離範囲Sとされる。
【0020】
(2)挟み込み検知装置の構成
本実施例に係る挟み込み検知装置11は、シート1に備えられている(図1参照)。この挟み込み検知装置11は、図4に示すように、各モータM1〜M3の駆動制御等を司る制御部12(ECU(Electronic Control Unit)とも称される。)を備えている。この制御部12は、CPU13(Central Processing Unit)と、図示しないメモリ(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等)と、を備えている。また、制御部12は、スイッチ操作部7の各スイッチ15からの操作信号が入力される入力回路14を備えている。さらに、制御部12は、モータM1〜M3を駆動するためのモータ駆動回路16と、このモータ駆動回路16を流れる電流値を検出する電流検出回路17と、を備えている。これらモータ駆動回路16と電流検出回路17との間には、両回路16、17の接続を遮断するためのリレー19が介在されている。また、モータ駆動回路16には、電源18が供給される。
【0021】
上記制御部12は、以下に述べる挟み込み検知処理を実行する。この挟み込み検知処理では、図5に示すように、モータM1〜M3の駆動中において、モータ駆動回路16を流れる電流値(すなわち、電流検出回路17で検出される電流値)が所定の閾値β(例えば、6A)以上であるか否かを判定する(ステップS1)。その結果、電流値が閾値β以上であるとき(ステップS1でYES判定)には、バック部6とシェル3との間で挟み込みが生じていると判定し(ステップS4)、モータM1〜M3を停止する(ステップS5)。
【0022】
一方、電流値が閾値β未満であるとき(ステップS1でNO判定)には、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲S内にあるか否かを判定する(ステップS2)。その結果、所定の距離範囲S内にあるとき(ステップS2でYES判定)には、モータ駆動回路16を流れる電流値の変化量(すなわち、単位時間当たりの電流変化量)が所定の閾値γ以上であるか否かを判定する(ステップS3)。その結果、電流値の変化量が閾値γ以上であるとき(ステップS3でYES判定)には、バック部6とシェル3との間で挟み込みが生じていると判定し(ステップS4)、モータM1〜M3を停止する(ステップS5)。
【0023】
また、上記ステップS2において、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲Sを超えているとき(ステップS2でNO判定)には、ステップS1に戻る。さらに、上記ステップS3において、電流値の変化量が閾値γ未満であるとき(ステップS3でNO判定)には、ステップS1に戻る。
【0024】
なお、上記制御部12による制御処理は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現されてもよく、好適にはCPU、メモリ(ROM、RAM等)、入出力回路等を備えるマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)を中心に、入出力インターフェース等周辺回路を備えることにより構成することができる。
【0025】
(3)挟み込み検知装置の作用
次に、上記構成の挟み込み検知装置11の作用について説明する。図3に示すように、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲Sを超えているとき(すなわち、バック部6が中間位置Bより前方に起きている状態)には、比較的大きな負荷がかかるとモータM1〜M3の電流値が閾値β以上となって両対象物6、3間での挟み込みが検知される。
【0026】
一方、バック部6の上端側とシェル3の後壁の上端側との距離が所定の距離範囲S内にあるとき(すなわち、バック部6が中間位置Bより後方に倒れている状態)には、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータM1〜M3の電流値の変化量が閾値γ以上となって両対象物6、3間での挟み込みが検知される。さらに、比較的大きな負荷がかかるとモータM1〜M3の電流値が閾値β以上となって両対象物6、3間での挟み込みが検知される。
【0027】
(4)実施例の効果
以上より、本実施例の挟み込み検知装置11によると、シート本体2のバック部6とシェル3との間の距離が所定の距離範囲Sを超えているときには、モータM1〜M3の電流値が予め定められた閾値β以上となったときに両対象物6、3間での挟み込みを検知し、バック部6とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときには、モータM1〜M3の電流値の変化量が予め定められた閾値γ以上となったときに両対象物6、3間での挟み込みを検知する。これにより、従来のようなモータに内蔵されたPTCを用いるものに比べて、両対象物6、3間での挟み込みを早期に検知することができる。さらに、両対象物間6、3の距離が所定の距離範囲S内にあるときには、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータM1〜M3の電流値の変化量が閾値γ以上となって両対象物間6、3での挟み込みが検知される。よって、両対象物間6、3での挟み込みを確実に検知することができる。
【0028】
また、本実施例では、シート本体2のバック部6とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときには、モータM1〜M3の電流値の変化量が予め定められた閾値γ以上となったときに両対象物間6、3での挟み込みを検知するとともに、モータM1〜M3の電流値が予め定められた閾値β以上となったときに両対象物間6、3での挟み込みを検知する。これにより、比較的小さな負荷が急激にかかるとモータM1〜M3の電流値の変化量が閾値γ以上となって両対象物間6、3での挟み込みが検知されるとともに、比較的大きな負荷がかかるとモータM1〜M3の電流値が閾値β以上となって両対象物間6、3での挟み込みが検知される。
【0029】
さらに、本実施例では、第1対象物は、シート本体2であり、第2対象物は、シート本体2の後方及び側方を覆うようにシート本体2を収容するシェル3である。これにより、シート本体2とシェル3との間での挟み込みを効果的に検知できる。
【0030】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、シート本体2とシェル3との間の挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、スライドドアとドア枠との間の挟み込みを検知したり、パワーウィンドウと窓枠との間の挟み込みを検知したりしてもよい。
【0031】
また、上記実施例では、バック部6とシェル3との間の挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、オットマン部5やクッション部4とシェル3との間の挟み込みを検知してもよい。さらに、上記実施例では、バック部6とシェル3の後壁との間の挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、バック部6とシェル3の側壁との間の挟み込みを検知してもよい。
【0032】
また、上記実施例では、シート本体2とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときに、モータM1〜M3の電流値の変化量の閾値γ判定とともに電流値の閾値β判定を行うようにしたが、これに限定されず、例えば、シート本体2とシェル3との間の距離が所定の距離範囲S内にあるときに、モータM1〜M3の電流値の変化量の閾値γ判定のみを行うようにしてもよい。
【0033】
さらに、上記実施例では、可動側(シート本体2)と固定側(シェル3)との間での挟み込みを検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、可動側同士の両対象物間での挟み込みを検知してもよい。
【0034】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0035】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
両対象物間での挟み込みを検知する技術として広く利用される。特に、乗用車、バス、トラック等の他、汽車、電車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両や航空機などの乗り物において両対象物間での挟み込みを検知する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0037】
2;シート本体、3;シェル、11;挟み込み検知装置、M1〜M3;モータ、S;所定の距離範囲、β,γ;閾値。
図1
図2
図3
図4
図5