特許第6206937号(P6206937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6206937マッサージ施療による経皮投与用の血流依存性血管拡張反応改善剤及び血糖値低下剤、並びに生体用貼付シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206937
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】マッサージ施療による経皮投与用の血流依存性血管拡張反応改善剤及び血糖値低下剤、並びに生体用貼付シート
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/18 20060101AFI20170925BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20170925BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170925BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A61K36/18
   A61K9/70
   A61P3/10
   A61P43/00 105
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-223886(P2011-223886)
(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公開番号】特開2012-97081(P2012-97081A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2014年10月10日
【審判番号】不服2016-5489(P2016-5489/J1)
【審判請求日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】特願2010-228560(P2010-228560)
(32)【優先日】2010年10月8日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 〔発行者名〕 日本アロマセラピー学会 〔刊行物名〕 日本アロマセラピー学会誌2010年第9巻第2号「第13回学術総会号プログラム・抄録集」 〔発行年月日〕 平成22年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376909
【氏名又は名称】前田 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】前田 和久
【合議体】
【審判長】 内藤 伸一
【審判官】 前田 佳与子
【審判官】 穴吹 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−116486(JP,A)
【文献】 伊藤 正次,マカダミアナッツ油の特性と応用,FRAGRANCE JOURNAL,フレグランスジャーナル社,1989年12月,第17巻,第2号,p.23−26
【文献】 廣田 博,油脂の効用と弊害,FRAGRANCE JOURNAL,フレグランスジャーナル社,2000年7月,第28巻,第7号,p.2−3
【文献】 Stefan N,et al.,Circulating palmitoleate strongly and independently predicts insulin sensitivity in humans,Diabetes Care,2010年2月,Vol.33,No.2,p.405−407
【文献】 阪上 未紀 ほか,マカダミアナッツオイルの経皮吸収に関する基礎的研究,日本アロマセラピー学会誌,日本アロマセラピー学会,2010年9月22日,第9巻,第2号,p.69
【文献】 今西 二郎,栗山 洋子,メディカル・アロマセラピーの基礎,医学のあゆみ,2003年2月22日,第204巻,第8号,p.521−526
【文献】 河智 義弘,スパイス・ハーブの精油−6,食品と科学,株式会社食品と科学社,2003年6月10日,第45巻,第7号,p.33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K36/00-9068
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
CiNii
医中誌WEB
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレイン酸及びパルミトレイン酸を所定部含有したマカダミアナッツオイルを少なくとも含んでなる、マッサージ施療による経皮投与用の血流依存性血管拡張反応改善剤。
【請求項2】
オレイン酸及びパルミトレイン酸を所定部含有したマカダミアナッツオイルを少なくとも含んでなる、マッサージ施療による経皮投与用の血流依存性経皮投与用血糖値低下剤であって、前記経皮投与により血清中で前記オレイン酸及びパルミトレイン酸の合計量の増加を伴う血糖値低下剤。
【請求項3】
請求項1に記載の、マッサージ施療による経皮投与用の血流依存性血管拡張反応改善剤、又は請求項2に記載の、マッサージ施療による経皮投与用血糖値低下剤を、不織布または織布の皮膚貼り付け面に含浸させてなる生体用貼付シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マカダミアナッツオイルを少なくとも含んでなる経皮投与用血管内皮機能改善剤及び経皮投与用血糖値低下剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メタボリックシンドロームとして知られる糖尿病等のメタボリック疾患が注目されている。インスリン抵抗性の改善には、遊離脂肪酸の量的変化ではなく質的変化が重要と考えられている(非特許文献1)。
アロマテラピーは、植物に由来する芳香成分(精油)をアルコールやキャリアオイルで希釈したアロマオイルを用いて、心身の健康や美容を増進する方法であり、多くの精油(エッセンシャルオイル)やキャリアオイルが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】K. Maeda et al., “Adipocyte/macrophage fatty acid binding proteins control integrated metabolic responses in obesity and diabetes” Cell Metabolism, 2005, vol.1, 107-119.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多種類の脂肪酸を含有するアロマオイルを用いて、血管内皮機能の改善や血糖値の低下を図る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アロマオイルの構成成分であるキャリアオイルとして知られているマカダミアナッツオイルを少なくとも含んでなる経皮投与用血管内皮機能改善剤及び経皮投与用血糖値低下剤を提供する。また、この経皮投与用血管内皮機能改善剤又は経皮投与用血糖値低下剤を含んでなる生体用貼付シートを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の経皮投与用血管内皮機能改善剤は、有効成分として含有されるマカダミアナッツオイルにより、血管を拡張できる。動脈硬化は、血管内皮の炎症から硬化症状が始まると言われており、血管が拡張し、血流量が増加することで、炎症の抑制、すなわち、動脈硬化の初期段階の抑制に繋がる。また、血管拡張により、血圧の低下や末梢組織が暖められる効果も期待できる。本発明の経皮投与用血糖値低下剤は、有効成分として含有されるマカダミアナッツオイルにより、血糖値を低下できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】経皮投与後(A)及び経口投与後(B)の血清中のオレイン酸とパルミトレイン酸の合計量を測定した結果を示す。
図2】マカダミアナッツオイルを上半身に施用前Aと施用後Bの血管径の変化を示す。
図3】マカダミアナッツオイル施用後にOGTTを行った結果(ラインa)とコントロール実験の結果(ラインb)を示す。
図4】貼付シートを用いてマカダミアナッツオイル施用後にOGTTを行った結果(ラインc)とコントロール実験の結果(ラインd)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
アロマオイルは、精油(エッセンシャルオイル)をアルコールやキャリアオイルで希釈してマッサージオイルや化粧品等として用いられる。マッサージオイルは、通常、精油の希釈濃度が1質量%以下、皮膚刺激性の高い精油については0.5質量%になるように調製する。濃度が高すぎると、肌のトラブルになるなど、問題が生じる場合があるからである。
マカダミアナッツオイルは、従来はアロマオイルのキャリアオイルとして用いられており、主役である精油の脇役にすぎなかったのであるが、本発明はマカダミアナッツオイルを主役(有効成分)として用いる。
【0009】
マカダミアナッツオイル(学名:Macadamia integrifolia、ヤマモガシ科)は、固くて丸い殻に覆われたマカダミアナッツの白い殻果(ナッツ)から抽出されたオイルである。例えば、砕いたマカダミアナッツを冷搾(常温絞り、コールドプレス)して抽出される低温圧搾法を用いて得られる。
マカダミアナッツオイルの成分は、産地や生育環境によって変動するが、例えば、オレイン酸55〜67質量%、パルミトレイン酸18〜25質量%、パルミチン酸7〜9.5質量%、ステアリン酸2〜5.5質量%、アラキン酸1.5〜3%、リノール酸1〜3%、エイコセン酸0(未検出)〜2.5質量%、リノレン酸0(未検出)〜2.4質量%、ミリスチン酸0.6〜1.6質量%、ベヘン酸0(未検出)〜0.3質量%、及びラウリン酸0.1質量%である。すなわち、オレイン酸や人の皮膚の成分とよく似たパルミトレイン酸を多く含む。マカダミアナッツオイルは、淡黄褐色から無色の透明な液油で、無臭あるいはわずかにマカダミアナッツ独特の臭いがある。
マカダミアナッツオイルは、市販されており、例えば、ハイパープランツ社から販売されているメドウズマカダミアナッツオイルが挙げられる。
【0010】
本発明の血管内皮機能改善剤及び血糖値低下剤は、少なくともマカダミアナッツオイルを含む。以下、血管内皮機能改善剤及び血糖値低下剤をマカダミアナッツオイル含有組成物とも記載する。マカダミアナッツオイル含有組成物は、経皮投与されることにより、血管内皮機能を改善したり、血糖値を低下させたりすることができる。
【0011】
本発明者は、マカダミアナッツオイルに含まれるオレイン酸とパルミトレイン酸の血中濃度を追跡することにより、食塩無添加のマカダミアナッツを摂取する経口投与よりも、当該オイルを施用する経皮投与が即効性及び持続性に優れることを見出した。
図1(A)は、採血した後(前値)、マカダミアナッツオイル10mlを施用しながら15分間のマッサージ終了後、1、2、3、4、6、8時間後の血清中のオレイン酸とパルミトレイン酸の合計量を測定した結果を示す。図1(B)は、採血した後(前値)、食塩無添加のマカダミアナッツ1オンス(28.35g)を経口摂取させた後、1時間後の血清中のオレイン酸とパルミトレイン酸の合計量を測定した後、さらに食塩無添加のマカダミアナッツ1オンスを経口摂取させ、最初の摂取から2時間後の血清中のオレイン酸とパルミトレイン酸の合計量を測定した結果を示す。これらの結果は、マカダミアナッツオイルの経皮投与では、マカダミアナッツの経口投与よりも、これらに含有される脂肪酸は血液中へ速く吸収され、持続的であることを示す。
なお、図1で測定された血清中のオレイン酸とパルミトレイン酸の合計量は、遊離オレイン酸と遊離パルミトレイン酸の合計量であり、トリグリセリド等のエステルとして存在するオレイン酸とパルミトレイン酸は含まれていない。本発明者は、エステルを加水分解する実験も行っており、加水分解後のオレイン酸とパルミトレイン酸との合計量が、遊離オレイン酸と遊離パルミトレイン酸との合計量より多いことを確認している。
【0012】
経皮投与の方法の1つとして、マカダミアナッツオイル含有組成物を含んだ生体用貼付シートの使用が挙げられる。例えば、生体用粘着ゲルシートや、不織布または織布にマカダミアナッツオイル含有組成物を浸漬させたものを直接皮膚に貼り付けて使用することができる。
ポリアクリル酸等の親水性高分子を用いたゲルは、親油性のマカダミアナッツオイルを高濃度で保持できず、皮膚への密着性も悪いため、親水性高分子中の水酸基やカルボキシル基などの親水性基を親油化させた親油化処理を行ったものが好ましい。
スチレン−イソプレン共重合体等の親油性高分子を用いたゲルは、親油性の炭化水素系の網目構造を有しており、親油化処理を行う必要がなく、添加するマカダミアナッツオイルが酸化され難く、長期安定性に優れる。また、炭化水素系の高分子は、水をほとんど吸収しないため、ゲル表面に付着した皮膚の皮脂や角質を水洗することにより、粘着力が回復し、繰り返し使用をすることも可能である。
マカダミアナッツオイル含有組成物の使用量は、マカダミアナッツオイルの量に関して、後述する塗布の場合の使用量に近づけることが好ましいが、貼付シートの面積に制約される。貼付するシートの面積を大きくしたり、シートの貼付数を増加させたり、シートを交換して繰り返し貼付する等により、マカダミアナッツオイルの経皮吸収量を増加させることができる。貼付時間は、マカダミアナッツオイル含有組成物が経皮吸収される時間であればよい。
【0013】
経皮投与の別の方法として、マカダミアオイル含有組成物を肌に塗布することが挙げられる。塗布するだけでもよいが、同時にマッサージすることが効果的である。例えば、マカダミアオイル含有組成物を手に適量とり、両手の掌を軽くこすり合わせてオイルを温め、掌、足裏、手肢、上肢、背中、腰、胸等マッサージしたい部分に薄く延ばして、指と掌を優しく滑らせて、優しくマッサージする。途中ですべりが悪くなったら、オイルを足す。
血管内皮機能改善や血糖値低下のためには、施用の箇所は特に限定されず、全身、上半身、下半身、または局所的にマカダミアオイル含有組成物を施用してよい。マカダミアナッツオイル含有組成物の施用量と時間は、他の成分の含有量や施用する面積等にも依存する。施用量は、これに限定する意味ではないが、例えば、マカダミアナッツオイル量で、上半身や下半身のみの場合は5〜15ml、全身の場合は15〜30mlが目安となる。局所的に施用する場合は、これらよりも少ない量となってもよい。施用時間も特に限定されないが、例えば10〜15mlで20〜30分間であり、断続的に施用してもっと長く(例えば2時間)することもできる。
なお、マッサージは、あまり力を入れすぎたり必要以上に強い力で押したりすると、筋肉細胞や毛細血管が破壊され、翌日以降になってから炎症が起こり、痛みを引き起こす「揉み返し」を起こすため、手や指を滑らす感じで、優しく行う。また、1日に2回以上マッサージすることも可能であるが、揉み返しや肌のあれ等を考慮すると、好ましくは1日に1回である。
【0014】
マカダミアナッツオイル含有組成物は、肌等に害とならない範囲で精油を含有してもよいが、有効成分がマカダミアナッツオイルであるため、精油を含有しなくてもよい。また、マカダミアナッツオイルともに他のキャリアオイルを含有させてもよい。
マカダミアナッツオイル含有組成物は、経皮投与できる剤形であれば特に限定されず、基剤の種類等に応じて貼付剤、ローション、クリーム、軟膏等の剤形を挙げることができる。なお、貼付剤は、衣服への付着が防止でき、貼り付けるだけで効果が得られるため手軽である。
【0015】
動脈硬化は、心血管系疾患の病態に直接関与する。高血圧や糖尿病、脂質異常症等の生活習慣病も最終的には血管の動脈硬化を進展させることにより、心血管疾患発症のリスクを亢進させている。この動脈硬化は、長い年月をかけて進行することから、日常生活における動脈硬化の予防は極めて重要である。
動脈硬化の発症、進展において、その初期の段階から血管内皮機能が低下、障害されることが知られている。この血管内皮機能は、臨床的には、FMD(Flow Mediated Dilatation:血流依存性血管拡張反応)を測定することにより評価されている。FMD検査は、カフで腕を締めた後の血流増大によるずり応力により血管拡張物質である一酸化窒素(NO)が血管内皮からどれだけ放出されたかを診る検査である。血管内皮機能が低下していると一酸化窒素の産生が少なくなり、FMD値は低下する。
【0016】
本発明者は、FMD検査法を用いて、マカダミアナッツオイルを上半身に施用する前と施用終了から1時間後では、p=0.05で13.9%の血管径の拡大を確認した(図2参照)。したがって、マカダミアナッツオイル含有組成物は、経皮投与により血管径を拡張でき、血流量が増加することで、炎症の抑制、すなわち、血管内皮の炎症から硬化症状が始まると言われる動脈硬化の初期段階の抑制に繋がり、血管内皮改善剤として有効である。
【0017】
図3は、成人男女を対象として、マカダミアナッツオイルを上半身に施用後、OGTTを行った結果(ラインa)と、1週間後にマカダミアナッツオイルを用いることなくOGTTを行ったコントロール実験の結果(ラインb)を示す。
図3に示すように、血糖値低下が観察された。したがって、マカダミアナッツオイル含有組成物は、経皮投与により血糖値を低下させることができる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(血管の径拡大等の評価)
健康な男女8名(28〜58歳、男4名、女4名)から同意を得て、マカダミアナッツオイル10mlを用い、背中から上肢にわたり20分間施用した。施用前と施用終了から1時間後に、高速液体クロマトクロマトグラフィー(HPLC)による血清中の単価不飽和脂肪酸(オレイン酸及びパルミトレイン酸)濃度、FMD法(測定器:ユネクス社製ユネクスイーエフ(登録商標))による血管の径変化、メタボリックアナライザー(測定器:ブルーワークス社製Medgem(登録商標))によるRMR(Resting Metabolic Rate:安定時代謝率)、ヒトアディポネクチンELISAキット(大塚製薬社製)を用いた血中アディポネクチン、多機能ホルタ記録器CarPod(登録商標)(セレブリックス・ヘルスケア社)による自律神経機能を測定した。
マカダミアナッツオイルの主成分である単価不飽和脂肪酸血中濃度は施用後で有意に増加した(p<0.05)。パルミトレイン酸は、施用前は23.2±3.4nmol/ml、施用後は29.8±3.4nmol/mlであり、オレイン酸は、施用前は210.5±27.4nmol/ml、施用後は254.4±21.4nmol/mlであった。パルミトレイン酸の増加率は約28.7%であり、オレイン酸の増加率は約20.9%であった。一被験者では、パルミトレイン酸血中濃度の上昇が施用後6時間にわたり持続し、最大で前置の2倍以上の血中濃度に達した。動脈血管の径変化率は、p=0.05で平均13.9%の上昇が見られた。RMRと血中アディポネクチンは、施用前後において有意な差が見られなかった。施用中は、副交感神経(√HF)は上昇し、交感神経(LF/HF)は下降したが、施用後はもとに戻った。これらの結果から、心身のリラックスや他のホルモンの影響による血管径の拡大の可能性が排除され、血管径の拡大は、マカダミアナッツオイル施用によると認められた。
【0019】
実施例2(血糖値の低下の評価)
男女6名(28〜58歳、男3名、女3名)を対象とし、OGTT(ブドウ糖負荷試験)を次のように行った。前日の21時より絶食し、午前9時よりマカダミアナッツオイル10mlを塗布しながら30分間上半身を中心にマッサージ後、糖負荷試料としてブドウ糖75gを含むトレーランG(味の素ファルマ社製)を用いた。糖負荷直前(0分)、糖負荷から、30分、60分、120分後に採血し血糖を測定した(ラインa)。血糖値は、ニプロ社製血糖自己測定システムであるニプロフリースタイルフリーダムを用いて測定した。また、1週間後に、上記男女6人から女1人を除く5人を対象とし、マカダミアナッツオイルを塗布することなくOGTTを実施したコントロール実験を行った(ラインb)。結果を示す図3から明らかなように、血糖値が低下した。
【0020】
実施例3(血糖値の低下の評価)
境界型の男4名(53〜63歳)を対象とし、OGTT(ブドウ糖負荷試験)を次のように行った。なお、75gブドウ糖負荷試験の判定区分において、空腹時血糖値(FRG:fasting plasma glucose)が110mg/dL未満でかつ2時間後血糖値(2hr−PG:2 hour plasma glucose)が140mg/dL未満を正常型、空腹時血糖値が126mg/dL以上でかつ2時間後血糖値が200mg/dL以上を糖尿病型、どちらも属さない血糖値の場合を境界型と呼ぶ。
前日の21時より絶食し、主成分としてアクリル系樹脂及び多価アルコールからなる水系膏体を基剤とし、マカダミアナッツオイルを10質量%含有する軟膏14gを不織布に展延して作製したシート(10cm×14cm)を、就寝前の22時に胸と背に1枚ずつ貼付した。軟膏に含まれるマカデミアナッツオイル1.4gの20質量%(0.28g)はパルミトレイン酸であった。
翌日、午前9時にシートを剥がした後、糖負荷試料としてブドウ糖75gを含むトレーランG(味の素ファルマ社製)を用いた。糖負荷直前(0分)、糖負荷から、30分、60分、120分後に採血し血糖を測定した(ラインc)。血糖値は、酸素法を用いて測定した。
また、1週間後に、上記男4人を対象とし、マカダミアナッツオイル含有シートを貼付することなくOGTTを実施したコントロール実験を行った(ラインd)。結果を示す図4から明らかなように、血糖値が低下した。
図1
図2
図3
図4