(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明による入力装置を実施するための最良の形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0011】
図1は本実施形態に係るカートリッジマウント機構の最小構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明に係るカートリッジマウント機構1は、少なくともカートリッジ2を収容する収容空間Gが形成され、基準面110Aに沿って一方向に移動可能に支持されたトレイ3と、トレイ3に対して一方向に相対移動可能とされたフィードブラケット5と、トレイ3及びフィードブラケット5が一方向へ所定距離移動することで、カートリッジ2が基準面110Aにマウント動作距離まで接近する接近方向へ移動させる第一動力変換機構11と、第一動力変換機構11により、カートリッジ2が基準面110Aにマウント動作距離まで接近しない場合に、フィードブラケット5が一方向へ所定距離を越えてさらに移動することで、トレイ3を接近方向へさらに移動させる第二動力変換機構12とを備えいればよい。
【0012】
(第一実施形態)
次に、本発明の第一実施形態に係るカートリッジマウント機構として、磁気テープ装置について、主に
図2から
図7を用いて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0013】
図2に示すように、磁気テープ装置100は、ローダ機構101と、このローダ機構101に対して前後方向に移動可能とされたトレイ103及びフィードブラケット105とを備えている。
【0014】
この磁気テープ装置100では、カートリッジ200をトレイ103に収容して、フィードブラケット105によりトレイ103とカートリッジ200とを一体として所定の位置まで移動させて、カートリッジ200の磁気記録再生を行うものである。
ここで、便宜上、
図2に示す紙面左奥側から右手前側に向かう方向を前後方向として、紙面左手前側から右奥側に向かう方向を左右方向とする。
【0015】
まず、磁気テープ装置100の動作対象となるカートリッジ200について説明する。
図3及び
図4に示すように、カートリッジ200は、略矩形状に形成され、底部201と、底部201の反対側に位置する上部202と、底部201と上部202とを連結する前側部203、後側部204、右側部205R及び左側部205Lとを有している。
【0016】
カートリッジ200の底部201、上部202、前側部203、後側部204、右側部205R及び左側部205Lで囲まれた内部に、磁気テープ(不図示)を収容している。
【0017】
カートリッジ200の底部201には、カートリッジ200の内部に設けられた磁気テープを回転可能とするリール211が設けられている。また、底部201の前側には、左右方向に離間して一対の凹部212R,212Lが設けられている。
【0018】
右側の凹部212Rは底部201に略矩形状の開口が形成された形状であり、左側の凹部212Lは底部201に略長穴状の開口が形成された形状である。
【0019】
次に、磁気テープ装置100について詳細に説明する。
(ローダ機構)
図5は、
図2のローダ機構101におけるA部の拡大斜視図である。
図5に示すように、ローダ機構101は、デッキベース110と、このデッキベース110の左右方向両端から立設された一対のサイドローダフレーム120,120(
図2参照、以下同じ)とを有している。
【0020】
このデッキベース110の上面は、略水平に形成された基準面110Aとされている。基準面110Aには、カートリッジ200と組み合わされるクラッチ111及びデータムピン112が設けられている。
【0021】
クラッチ111は、カートリッジ200(
図4参照、以下同じ)に設けられたリール211(
図4参照、以下同じ)と組み付け可能とされ、組み付けられた状態でカートリッジ200に内蔵された磁気テープを回転させることができる。
【0022】
データムピン112は、ローダ機構101のデッキベース110の右側に設けられた右ピン112Rと、左側に設けられた左ピン(不図示)とで構成されている。
右ピン112Rは、基準面110Aに設けられたフランジ116と、フランジ116から上方に向かうにしたがって先細りに形成されたピン部117とを有している。この右ピン112Rは、カートリッジ200の凹部212R(
図4参照、以下同じ)と嵌合可能とされている。このデータムピン112は、基準面110Aの前方側に設けられ、本実施形態では、クラッチ111よりも前方に設けられている。
なお、左ピンは、右ピン112Rと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0023】
また、サイドローダフレーム120には、貫通孔であるI型溝121及びL型溝122が設けられている。I型溝121は、前後方向に延びる直線状に形成された貫通孔である。また、L型溝122は、前後方向に延びるとともに、前端部において下向きに向かって屈曲するL字状に形成された貫通孔である。
【0024】
(トレイ)
図6に示すように、トレイ103は、ローダ機構101の基準面110A(
図5参照、以下同じ)と略平行に形成された上プレート131と、この上プレート131の左右方向両端から下方に向かって屈曲立設された一対のサイドプレート132R,132Lと、一対のサイドプレート132R,132Lの下端から屈曲し、上プレート131と略平行に形成された一対の下プレート133R,133Lとを有している。また、上プレート131の前端には、下方に向かって垂下する垂下壁134が設けられている。
【0025】
トレイ103の上プレート131、垂下壁134、一対のサイドプレート132R,132L及び一対の下プレート133R,133Lで囲まれた収容空間部Kは、カートリッジ200(
図3参照、以下同じ)を収容可能としている。そして、下プレート133R,133Lがローダ機構101のデッキベース110の基準面110A(
図5参照、以下同じ)上に載置されることで、基準面110Aに面してカートリッジ200を収容している。
【0026】
また、サイドプレート132Rの右側面には、ガイドピン135、傾斜ブロック136及び係合部139が設けられている。ガイドピン135は、サイドプレート132Rの右側面から右側に向かって突出し、ローダ機構101の右側のサイドローダフレーム120のL型溝122(
図5参照、以下同じ)に挿通されている。
【0027】
傾斜ブロック136は、サイドプレート132Rの右側面に設けられている。この傾斜ブロック136は、ローダ機構101の基準面110Aと略平行に形成された底壁136Aと、底壁136Aの後部から立設された後壁136Bとを有している。
【0028】
また、傾斜ブロック136は、後壁136Bの上部202から前方に向かうにしたがって上方に向かうように、つまり前方に向かうにしたがって基準面110Aと反対方向に向かうように形成された傾斜上壁136Cを有している。なお、本実施形態では、傾斜上壁136Cの上面が傾斜面とされている。
【0029】
さらに、傾斜ブロック136は、底壁136Aの前部から立設された前壁136Dと、前壁136Dの上部202から前方に向かうにしたがって上方に向かうように形成された傾斜下壁136Eと、傾斜下壁136Eと傾斜上壁136Cとを連結する連結壁136Fとを有している。
【0030】
係合部139は、サイドプレート132Rの右側面に設けられ、側面視環状の部材である。この係合部139には、周方向にわたって溝139Mが設けられている。
【0031】
また、サイドプレート132Lの左側面には、一対のガイドピン137,137が設けられている。ガイドピン137は、サイドプレート132Lの左側面から左側に向かって突出したピン本体137Aと、ピン本体137Aの周方向に沿って設けられた側面視環状の係合本体137Bとを有している。
【0032】
ピン本体137Aは、ローダ機構101の左側のサイドローダフレーム120(
図1参照、以下同じ)のL型溝(不図示)に挿通されている。また、係合本体137Bには、周方向にわたって溝137Mが設けられている。
【0033】
(フィードブラケット)
図7に示すように、フィードブラケット105は、ローダ機構101の基準面110Aと略平行に形成された上ブラケット部150と、この上ブラケット部150の左右方向両端から下方に向かって屈曲された一対のサイドブラケット部160R,160Lとを有している。
【0034】
このフィードブラケット105は、トレイ103の上プレート131(
図6参照、以下同じ)及び一対のサイドプレート132R,132L(
図6参照、以下同じ)を覆うようにして配設されている。つまり、上ブラケット部150はトレイ103の上プレート131の上方に配されるとともに、サイドブラケット部160Rはトレイ103のサイドプレート132R,132Lの外側且つローダ機構101のサイドローダフレーム120,120(
図1参照、以下同じ)の内側に配されている。このようにして、フィードブラケット105は、トレイ103の移動方向である一方向(前後方向)に直交する左右方向両側から、トレイ103を挟み込むようにして、ローダ機構101の内部に配置されている。
【0035】
サイドブラケット部160Rには、左側つまりトレイ103側に向かって突出する押し下げピン161が設けられている。この押し下げピン161は、トレイ103のサイドプレート132Rに設けられた傾斜ブロック136(
図6参照、以下同じ)の傾斜上壁136Cに沿って移動可能とされている。
【0036】
また、サイドブラケット部160Rには、トレイ103のサイドプレート132Rに設けられたガイドピン135が挿通されるガイド溝162が設けられている。
【0037】
ガイド溝162は、基準面110Aと略平行に形成された第一案内壁162Aと、第一案内壁162Aの前部から前方に向かうにしたがって上方に向かうように形成された第一傾斜壁162Bとを有している。さらに、ガイド溝162は、第一案内壁162Aの上方にこの第一案内壁162Aと略平行に形成された第二案内壁162Cと、第二案内壁162Cの前部から前方に向かうにしたがって上方に向かうように形成された第二傾斜壁162Dとを有している。この第一傾斜壁162Bと第二傾斜壁162Dとは、前方に向かって膨らむように湾曲形成された第一湾曲壁162Eで連結されている。また、第一案内壁162Aと第二案内壁162Cとは、後方に向かって膨らむように湾曲形成された第二湾曲壁162Fで連結されている。
【0038】
また、サイドブラケット部160Rの内面には、付勢部163が設けられている。この付勢部163は、ワイヤばねで構成され、サイドブラケット部160Rに設けられた円柱状のばね取付部163Tに巻回されるとともに、一端163A側がサイドブラケット部160Rの上部に固定されている。
【0039】
また、サイドブラケット部160Rには、右側つまりローダ機構101のサイドローダフレーム120に向かって突出する一対のホルダピン164が設けられている。このホルダピン164は、サイドローダフレーム120に形成されたI型溝121(
図5参照、以下同じ)に挿通されている。
【0040】
また、サイドブラケット部160Lには、トレイ103のサイドプレート132Lに設けられた一対のガイドピン137が挿通される一対のガイド溝172が設けられている。
【0041】
ガイド溝172は、基準面110Aと略平行に形成された第一案内壁172Aと、第一案内壁172Aの前部から前方に向かうにしたがって上方に向かうように形成された第一傾斜壁172Bとを有している。さらに、ガイド溝172は、第一案内壁172Aの上方にこの第一案内壁172Aと略平行に形成された第二案内壁172Cと、第二案内壁172Cの前部から前方に向かうにしたがって上方に向かうように形成された第二傾斜壁172Dとを有している。この第一傾斜壁172Bと第二傾斜壁172Dとは、前方に向かって膨らむように湾曲形成された第一湾曲壁172Eで連結されている。
【0042】
また、サイドブラケット部160Lの内面には、サイドブラケット部160Rと同様な構成の付勢部163が設けられている。
【0043】
なお、本実施形態では、トレイ103に設けられたガイドピン135、付勢部163及びフィードブラケット105に設けられたガイド溝162が、第一動力変換機構を構成している。また、トレイ103に設けられた傾斜上壁136C及びフィードブラケット105に設けられた押し下げピン161が、第二動力変換機構を構成している。そして、これらトレイ103、フィードブラケット105、第一動力変換機構及び第二動力変換機構が、カートリッジマウント機構を構成している。
【0044】
次に、上記のように構成された磁気テープ装置100の動作について、主に磁気テープ装置100の右側の断面を示した
図8から
図14を用いて説明する。
【0045】
(状態1)
図2及び
図8に示す状態1において、トレイ103に設けられたガイドピン135は、フィードブラケット105に形成されたガイド溝162の前端部、つまり第一湾曲壁162Eに沿って配されるとともに、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたL型溝122の後端部に挿通されている。
【0046】
また、フィードブラケット105に設けられた付勢部163の前端側が、トレイ103に設けられた係合部139を下方に向かって付勢している。また、フィードブラケット105に設けられた一対のホルダピン164は、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたI型溝121の後側に挿通されている。さらに、カートリッジ200の底部201は、トレイ103の下プレート133Rの上面に面して配されている。
【0047】
この状態から、利用者の手等によりカートリッジ200を前方に押すと、図示しない駆動機構によりフィードブラケット105が前方に移動する。
【0048】
図9に示すように、フィードブラケット105が前方へ移動するにともない、フィードブラケット105に設けられたホルダピン164,164は、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたI型溝121内を前方に向かって移動する。
【0049】
また、トレイ103とフィードブラケット105とは相対移動可能とされているため、トレイ103に設けられたガイドピン135は、フィードブラケット105に形成されたガイド溝162の第二傾斜壁162Dと接触し、この第二傾斜壁162D部から下方且つ前方に向かって押圧される。
【0050】
これにより、トレイ103に設けられたガイドピン135は、サイドローダフレーム120に形成されたL型溝122内を前方に向かって移動するとともに、フィードブラケット105に形成されたガイド溝162内を後方に向かって移動する。
【0051】
また、トレイ103に設けられた係合部139は、フィードブラケット105に設けられた付勢部163に沿って移動するとともに、この付勢部163から下向きに付勢されている。よって、ガイドピン135は、サイドローダフレーム120に形成されたL型溝122の前端まで移動したところで、L型溝122内を下方に向かって移動する。つまり、トレイ103とフィードブラケット105とがともに前方に移動した後に、トレイ103のみが下方に向かって移動する。
【0052】
このように、フィードブラケット105に形成されたガイド溝162は、トレイ103に設けられたガイドピン135の前方への移動を、トレイ103の下方への移動に変換している。
【0053】
(状態2)
このようにして、
図9に示す状態2では、トレイ103に設けられたガイドピン135は、フィードブラケット105に形成されたL型溝122の下端に位置するとともに、フィードブラケット105に形成されたガイド溝162の第二案内壁162Cとの間に間隙を有した位置に配されている。
【0054】
また、カートリッジ200に設けられた凹部212R内に、ローダ機構101のデッキベース110に設けられた右ピン112Rのピン部117が嵌合されている。そして、カートリッジ200の底部201と右ピン112Rのフランジ116とが当接している。この際のカートリッジ200の底部201とローダ機構101の基準面110Aとの距離Hが、マウント動作距離とされている。
【0055】
この状態で、カートリッジ200の上部202は、トレイ103の上プレート131に当接している。また、カートリッジ200の底部201は、トレイ103の下プレート133Rの上面とは接触せずに、下プレート133Rの上方に配されている。
【0056】
なお、フィードブラケット105に設けられた押し下げピン161は、トレイ103に設けられた傾斜ブロック136の傾斜上壁136Cとは接触せずに、傾斜上壁136Cの上方に位置している。
【0057】
(状態3)
フィードブラケット105が、状態2に示す位置から、基準面110Aに対する高さを変えずさらに前方に移動する。そして、
図10に示すように、フィードブラケット105に設けられたホルダピン164は、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたI型溝121内を前方に向かって移動する。
【0058】
このフィードブラケット105の前方への移動にともない、トレイ103に設けられたガイドピン135はフィードブラケット105に形成されたガイド溝162内を相対的に後方に向かって移動する。
【0059】
(状態4)
さらに、フィードブラケット105が、基準面110Aに対する高さを変えずさらに前方に移動すると、
図11に示す状態4のように、フィードブラケット105に設けられた前側のホルダピン164が、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたI型溝121の前端に接触する。これにより、フィードブラケット105の前方への移動が停止する。
【0060】
また、このフィードブラケット105の前方への移動にともない、トレイ103に設けられたガイドピン135はフィードブラケット105に形成されたガイド溝162内を相対的に後方に向かって移動する。状態4において、ガイドピン135はガイド溝162の第二湾曲壁162F側に位置している。
【0061】
このように、
図11に示す位置までフィードブラケット105が前方に向かって移動することにより、このフィードブラケット105が図示しない所定の機構を起動させることができる。
【0062】
一方、例えばトレイ103に設けられたガイドピン135がローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたL型溝122内を移動する際に、ガイドピン135とL型溝122との摩擦により摩擦粉が発生する場合がある。この摩擦粉等によりL型溝122内をガイドピン135が下方に向かって移動する際の摩擦力が、フィードブラケット105に設けられた付勢部163の付勢力よりも大きくなると、トレイ103が状態2に示す位置まで下方に移動しない場合がある。
【0063】
(状態ア)
この場合には、
図8に示す状態1から、トレイ103とフィードブラケット105が前方に移動すると、
図12に示す状態となる。つまり、トレイ103に設けられたガイドピン135は、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたL型溝122の下端よりも上方に位置するとともに、フィードブラケット105に形成されたガイド溝162の第二案内壁162Cに接触して配されている。
【0064】
また、トレイ103に収容されたカートリッジ200に設けられた凹部212R内に、ローダ機構101のデッキベース110に設けられた右ピン112Rのピン部117が配設されている。この状態で、カートリッジ200の底部201と右ピン112Rのフランジ116との間には間隙が設けられ、両者は接触していない。
【0065】
また、カートリッジ200の底部201は、トレイ103の下プレート133Rの上面とは接触せずに下プレート133Rの上方に配されている。また、カートリッジ200の上部202は、トレイ103の上プレート131の下面と接触している。
【0066】
また、フィードブラケット105に設けられた押し下げピン161は、トレイ103に設けられた傾斜ブロック136の傾斜上壁136Cの後部に接触している。
【0067】
(状態イ)
状態アから、フィードブラケット105がさらに前方に移動すると、
図13に示すように、フィードブラケット105に設けられたホルダピン164,164は、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたI型溝121内を前方に向かって移動する。
【0068】
このフィードブラケット105の前方への移動にともない、フィードブラケット105に設けられた押し下げピン161は、トレイ103に設けられた傾斜ブロック136の傾斜上壁136C上を前方に向かって移動する
【0069】
ここで、フィードブラケット105は基準面110Aに対する高さを変えずに前方に移動する。これにより、フィードブラケット105に設けられた押し下げピン161は、移動にともないトレイ103に設けられた傾斜上壁136Cを下方に向かって押し下げるため、トレイ103は下方に移動する。つまり、トレイ103に設けられた傾斜ブロック136の傾斜上壁136Cは、傾斜上壁136Cに沿った押し下げピン161の移動を、トレイ103の下方への移動に変換している。
【0070】
これにより、トレイ103に設けられたガイドピン135はフィードブラケット105に形成されたガイド溝162内を、相対的に後方且つ下方に向かって移動する。
【0071】
(状態ウ)
フィードブラケット105がさらに前方に移動すると、
図14に示す状態ウのように、フィードブラケット105に設けられたホルダピン164が、ローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたI型溝121の前端に接触する。これにより、フィードブラケット105の前方への移動が停止する。
【0072】
フィードブラケット105に設けられた押し下げピン161は、トレイ103に設けられた傾斜ブロック136の傾斜上壁136C上を前方に向かって移動するため、トレイ103は下方に移動する。
【0073】
これにより、トレイ103に設けられたガイドピン135はフィードブラケット105に形成されたガイド溝162内を、相対的に後方且つ下方に向かって移動して、ガイドピン135はガイド溝162の第二湾曲壁162F側に位置している。また、ガイドピン135はローダ機構101のサイドローダフレーム120に形成されたL型溝122の下端に位置する。
【0074】
また、カートリッジ200に設けられた凹部212R内に、ローダ機構101のデッキベース110に設けられた右ピン112Rのピン部117が嵌合されている。そして、カートリッジ200の底部201と右ピン112Rのフランジ116とが当接している。この際のカートリッジ200の底部201とローダ機構101の基準面110Aとの距離Hは、マウント動作距離とされている。
【0075】
また、カートリッジ200の底部201は、トレイ103の下プレート133Rの上面とは接触せずに下プレート133Rの上方に配されている。また、カートリッジ200の上部202は、トレイ103の上プレート131の下面と接触している。
【0076】
これら状態2、3、4及び状態ウにおいて、カートリッジ200はローダ機構101の基準面110Aに対してマウント動作距離離間した位置に配されるため、所定のマウント動作が可能とされている。
【0077】
このように構成された磁気テープ装置100では、トレイ103及びフィードブラケット105が状態1に示す位置から状態2に示す位置まで前方へ移動した状態において、ガイドピン135がガイド溝162内を移動するとともに、付勢部163が係合部139を付勢することで、トレイ103を基準面110Aに対してマウント動作距離まで接近させることができる。ここで、状態アに示すようにトレイ103が基準面110Aに対してマウント動作距離まで接近しない場合には、状態ウに示すようにフィードブラケット105がさらに前方へ移動するにともない、押し下げピン161が傾斜ブロック136の傾斜上壁136Cを下方に付勢するため、基準面110Aに対してマウント動作距離まで接近させることができる。
【0078】
フィードブラケット105に設けられた押し下げピン161は、トレイ103の前側に設けられた傾斜上壁136Cを押圧するため、トレイ103に収容されたカートリッジ200のうち特に前側を基準面110Aに接近させることができる。よって、カートリッジ200の凹部212Rとローダ機構101に設けられた右ピン112Rとを確実に嵌合させて、所定のマウント動作を行うことができる。
【0079】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0080】
例えば、本実施形態では、ガイドピン135はトレイ103に設けられ、ガイドピン135が挿通されるガイド溝162はフィードブラケット105に形成されているが、本発明はこれに限られず、互いに逆の部材に設けられていてもよい。つまり、ガイドピン135がフィードブラケット105のサイドブラケット部160Rに設けられ、ガイド溝162がトレイ103のサイドプレート132Rに形成されていてもよい。この場合でも、ガイドピン135はガイド溝162及びローダ機構101に形成されたL型溝122に沿って移動することができる。
【0081】
また、本実施形態では、傾斜上壁136Cがトレイ103に設けられ、押し下げピン161はフィードブラケット105に形成されているが、本発明はこれに限られず、互いに逆の部材に設けられていてもよい。つまり、傾斜上壁136Cがフィードブラケット105のサイドブラケット部160Rに設けられ、押し下げピン161がトレイ103のサイドプレート132Rに設けられていてもよい。この場合でも、押し下げピン161は傾斜上壁136Cに沿って移動して、トレイ103を押し下げることができる。