特許第6206978号(P6206978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6206978スイッチコンタクトブリッジ及びコンタクトブリッジ保持部材を有するスイッチコンタクトサブアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206978
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】スイッチコンタクトブリッジ及びコンタクトブリッジ保持部材を有するスイッチコンタクトサブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/24 20060101AFI20170925BHJP
   H01H 1/20 20060101ALI20170925BHJP
   H01H 50/54 20060101ALN20170925BHJP
【FI】
   H01H1/24
   H01H1/20
   !H01H50/54 D
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-555998(P2014-555998)
(86)(22)【出願日】2013年1月30日
(65)【公表番号】特表2015-510236(P2015-510236A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2013051745
(87)【国際公開番号】WO2013117468
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2015年11月19日
(31)【優先権主張番号】102012201966.9
(32)【優先日】2012年2月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(72)【発明者】
【氏名】ヘーネル、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ガーベル、 ウド
(72)【発明者】
【氏名】ツィークラー、ティトゥス
(72)【発明者】
【氏名】ハイネ、ヴォルフ‐ディッター
(72)【発明者】
【氏名】サンデック、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】クレーカー、 マティアス
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1072627(KR,B1)
【文献】 実開昭50−013965(JP,U)
【文献】 特開2012−022982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/24
H01H 1/20
H01H 50/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチコンタクトブリッジ(2)と、前記スイッチコンタクトブリッジ(2)を切替方向(S)とは反対方向に弾性支持する弾性部材(3)とを有するスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)であって、
作動部材(15)に固定するための固定ベース(14)を有し且つ少なくとも1つの保持部材(17)を有するコンタクトブリッジ保持部材(4)を有し、
前記弾性部材(3)が、前記固定ベース(14)と前記スイッチコンタクトブリッジ(2)との間に予め荷重が加えられた状態に保持され、
前記スイッチコンタクトブリッジ(2)が、静止位置(R)において前記保持部材(17)を弾性的に押圧し、
前記保持部材(17)及び前記固定ベース(14)が互いに一体的に構成され、
前記少なくとも1つの保持部材(17)は、前記スイッチコンタクトブリッジ(2)の長手方向(L)に互いに離間した前記スイッチコンタクトブリッジ(2)用の2つの停止部(22,23)を有し、
前記保持部材(17)は、側方案内面(24,25)を有し、
前記スイッチコンタクトブリッジ(2)は、該スイッチコンタクトブリッジの側面から突出する当接突起(12,13)を有し、
前記当接突起は、前記側方案内面(24,25)に当接して前記スイッチコンタクトブリッジを前記切替方向(S)及びその反対方向に案内することを特徴とするスイッチコンタクトサブアセンブリ。
【請求項2】
前記スイッチコンタクトブリッジ(2)は、前記弾性部材(3)によって前記コンタクトブリッジ保持部材(4)にしっかりと締め付けられることにより、前記スイッチコンタクトサブアセンブリ(1)が単一部品として取り扱われることができることを特徴とする請求項1に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの保持部材(17)は、前記スイッチコンタクトブリッジ(2)から離れるように弾性的に方向を変えることができることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの保持部材(17)は、前記スイッチコンタクトブリッジ(2)用の2つの案内面(24,25)を有するように形成され、
前記2つの案内面(24,25)は、互いから離れる方向に向けられ、前記切替方向(S)と平行に延在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記コンタクトブリッジ保持部材(4)は、前記固定ベース(14)上に存在する2つの保持部材(17,17')を有するように構成され、
前記保持部材(17,17')は、前記スイッチコンタクトブリッジ(2)の横断方向(Q)に互いに対向するように配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記スイッチコンタクトブリッジ(2)は少なくとも1つの当接突起を有し、
前記少なくとも1つの当接突起は、横断方向(Q)に突出し、前記静止位置(R)において少なくとも1つの保持部材(17,17')に当接していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記固定ベース(14)は、前記切替方向(S)に延在する固定開口(16)を有するように構成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記スイッチコンタクトサブアセンブリ(1)は作動部材(15)を有し、
前記作動部材(15)に前記コンタクトブリッジ保持部材(4)の前記固定ベース(14)が固定されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記作動部材(15)は前記固定ベース(14)対してリベット留めされ、
前記作動部材(15)の固定端(30)がリベットヘッド(32)を形成することを特徴とする請求項に記載のスイッチコンタクトサブアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチコンタクトブリッジを有し、このスイッチコンタクトブリッジを切替方向とは反対方向に弾性支持する弾性部材を有するスイッチコンタクトサブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、切替方向とは反対方向に、スイッチコンタクトサブアセンブリのスイッチコンタクトブリッジを弾性支持し、作動状態においてこのスイッチコンタクトブリッジを相手コンタクトに押圧する弾性部材を有する、電気自動車又はハイブリッド自動車の回路接触遮断器を作動させるためのコンタクトスイッチコンタクトサブアセンブリが一般的に知られている。既知のスイッチコンタクトサブアセンブリには、スナップリング用の溝を有する機械旋削された部材して、スイッチコンタクトブリッジ用のロッド状であることが多い作動部材が構成されている。スプリングリングの内の一つは、弾性部材が支持される限界決定部を形成する。他の一つのスナップリングは、スイッチコンタクトブリッジ用の停止部を形成し、弾性部材は、スイッチコンタクトブリッジを停止部に対して切替方向に押圧する。切替方向、又はその反対方向へのスイッチコンタクトブリッジの移動がロッド状の作動部材によって案内されるように、作動部材は、スイッチコンタクトブリッジの開口を挿通する。
【0003】
しかしながら、旋削されたコンポーネントとして作動部材を製造するには、コストがかかり、スナップリングを備える既知のスイッチコンタクトサブアセンブリの組立は、複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、費用対効果が高く、製造が簡易なスイッチコンタクトサブアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明に係る、導入部において言及したスイッチコンタクトサブアセンブリに関して、固定部材に固定するための固定ベースを有し且つ少なくとも1つの保持部材を有するコンタクトブリッジ保持部材によって達成される。弾性部材が、前記固定ベースとスイッチコンタクトブリッジとの間に予め荷重が加えられた状態に保持され、前記スイッチコンタクトブリッジが、静止位置において前記保持部材を弾性的に押圧し、前記保持部材及び前記固定ベースが互いに一体的に構成されている。
【0006】
前記コンタクトブリッジ保持部材は、前記固定ベースを介して前記作動部材に対して固定されるように、また同時に、前記弾性部材用の支持部として及び前記スイッチコンタクトブリッジ用の停止部として機能するように構成されるので、前記スイッチコンタクトブリッジは、スナップリング等の更なるコンポーネントを使用せずに簡単に組み立てられる。スナップリングが必要なくなるため、前記作動部材は、スナップリングを受容するための溝を有さずに形成されることができ、高価な機械旋削によるコンポーネントとして製造されていない作動部材を使用することもできるようになる。
【0007】
本発明に係る解決法は、互いに自由に組み合わされてもよく、且つ夫々が単独で有利である異なる実施形態によって更に改良されることができる。これらの実施形態及びこれらの実施形態と関連する利点は以下に示され、構造物的手段及びその効果は、一例として記述されているに過ぎない。
【0008】
スイッチコンタクトサブアセンブリの取り扱いを更に簡易にするために、前記スイッチコンタクトブリッジが、前記弾性部材によって前記コンタクトブリッジ保持部材にしっかりと締め付けられることにより、前記スイッチコンタクトサブアセンブリが単一部品として取り扱われることができる。従って、前記スイッチコンタクトサブアセンブリは、前記作動部材に接続するために予め組み立てられ、単一部品として取り扱われる。先行技術において必要とされる、作動部材への接続のためにスイッチコンタクトサブアセンブリの個々のコンポーネントを取り扱わなくてもよくなる。
【0009】
スイッチコンタクトブリッジのスイッチコンタクトを規定の方法によって切替方向に配置するために、前記少なくとも1つの保持部材が、少なくとも1つ、特に、前記スイッチコンタクトブリッジの長手方向に互いに離間した前記スイッチコンタクトブリッジ用の2つの停止部を有する。前記スイッチコンタクトブリッジの前記長手方向は、前記切替え方向に対して横断するように延在する。前記スイッチコンタクトブリッジのスイッチコンタクト同士は、前記長手方向に互いに離間し、特に前記切替方向に向けられる前記スイッチコンタクトブリッジの面に配置される。前記スイッチコンタクトブリッジが、前記切替方向に向けられる前記スイッチコンタクトブリッジの前記面にのみ前記停止部を当接させる場合、前記スイッチコンタクトブリッジは、前記切替方向とは反対方向に傾くことができ、その結果、相手コンタクトの位置に前記スイッチコンタクトブリッジの位置を適応させることができる。
【0010】
複数の前記停止部は、既知のスイッチコンタクトブリッジを前記コンタクトブリッジ保持部材と共に使用することができるように、前記スイッチコンタクト同士間の領域において前記スイッチコンタクトブリッジに重なる。しかしながら、スイッチコンタクトに対して十分な間隔を確保するために、且つ相手コンタクトの内の1つとの衝突を防止するために、前記停止部は、前記切替方向に対して横断するように延在する突起として構成される。この場合、前記停止部は、前記長手方向又はその反対方向に延在し、互いに離れて延在する。このように構成された停止部は、前記スイッチコンタクトブリッジの中心から可能な限り離れるように離間した前記スイッチコンタクトブリッジの領域用の停止部として作用するので、前記スイッチコンタクトブリッジの前記静止位置において前記スイッチコンタクトブリッジの位置を安定的に定める。しかしながら、この場合でも、前記スイッチコンタクトブリッジは、前記切替方向とは反対方向に、前記スイッチコンタクトブリッジの静止位置から傾けることができる。可能であれば、前記停止部は、前記スイッチコンタクトの一方の近傍箇所まで少なくとも部分的に延在し、前記各停止部は、前記一方のスイッチコンタクト前方又は後方において、前記切替方向に対して横断する横断方向及び前記長手方向に、少なくとも部分的に配置されることができる。
【0011】
前記スイッチコンタクトブリッジが、前記切替方向とは反対方向に、前記スイッチコンタクトサブアセンブリへ挿入されることができるように、前記コンタクトブリッジ保持部材は、前記切替方向に開口している。前記ブリッジ保持部材への前記スイッチコンタクトブリッジの組立を簡易にするために、前記少なくとも1つの保持部材は、前記横断方向及びその反対方向に弾性的に方向を変え(redirect)れる。有利な一実施形態では、前記コンタクトブリッジ保持部材は、例えば、スプリング鋼から構成される。スイッチアセンブリに必要とされる機械的又は熱的要件が許せば、前記コンタクトブリッジ保持部材は、プラスチック材料から製造されてもよい。
【0012】
例えばコンタクトの侵食により、前記スイッチコンタクトアセンブリを交換しなければならない場合、前記少なくとも1つの保持部材は、前記スイッチコンタクトサブアセンブリを簡単に取り外すことができるように、前記スイッチコンタクトブリッジから弾性的に方向を変えることができる。前記スイッチコンタクトブリッジの組立前に、前記弾性部材は、前記コンタクトブリッジ保持部材に挿入されることができ、例えば、前記固定ベースに対して係止部材によって保持されることができる。
【0013】
前記切替方向、又はその反対方向へ前記スイッチコンタクトブリッジの切替移動を案内するために、前記少なくとも1つの保持部材は、案内部を有することができる。前記案内部は、前記固定ベースと前記停止部との間に配置され、前記切替方向とは平行に延在する、前記スイッチコンタクトブリッジ用の少なくとも1つの案内面を有する。有利な一実施形態によれば、前記保持部材は、前記スイッチコンタクトブリッジ用の2つの案内面を有するように構成され、前記2つの案内面は、互いから離れる方向に向き、前記切替方向と平行に延在する。前記2つの案内面の間には、第3の案内面が配置され、前記スイッチコンタクトブリッジに向かう方向を向くように配向されてもよい。しかしながら、前記スイッチコンタクトブリッジの移動の案内中に発生する摩擦力が切替動作に支障を来すことがないように、前記少なくとも1つの保持部材の前記案内部は、互いから離れる方向に向く前記2つの案内面によって構成されればよい。それにより、前記案内面と前記スイッチコンタクトブリッジとの間の摩擦力は、3つの摩擦面がある場合と比べて減少する。前記案内面により、前記スイッチコンタクトブリッジは、前記作動部材がなくても切替動作中に案内される。作動部材によって案内される既知のスイッチコンタクトサブアセンブリと比べて、前記保持部材の前記案内面が、前記スイッチコンタクトブリッジをより高精度に案内し、更に、前記切替方向を軸とする前記スイッチコンタクトブリッジの回転を制限する。
【0014】
前記コンタクトブリッジ保持部材内に前記スイッチコンタクトブリッジをしっかりと保持し、且つ前記スイッチコンタクトブリッジの移動を更に良好に案内することができるように、前記コンタクトブリッジ保持部材は、2つの保持部材を有するように構成される。前記2つの保持部材は、前記スイッチコンタクトブリッジの横断方向に互いに対向し、両方とも前記固定ベース上に存在する。
【0015】
前記長手方向回りに前記スイッチコンタクトブリッジの望ましくない傾きを防止するために、前記2つの保持部材は、前記スイッチコンタクトブリッジ用の少なくとも1つの停止部を有する。特に、前記スイッチコンタクトブリッジを3点支持するために前記2つの保持部材の一方が2つの停止部を有し、他方が少なくとも1つの停止部を有する。一方の保持部材の前記停止部は、前記スイッチコンタクトブリッジを確実に安定的に支持するために、前記他方の保持部材の前記停止部から前記横断方向に離間して配置される。前記静止位置における前記スイッチコンタクトブリッジの傾きを防止するために、少なくとも3つ、特に前記全ての停止部は、前記切替方向とは反対方向に、共通の当接平面と接する。1つの平面において前記スイッチコンタクトブリッジの対停止部領域も形成される場合、前記スイッチコンタクトブリッジは、前記スイッチコンタクトブリッジの前記静止位置に安定的に保持される。
【0016】
相手コンタクトに適応するために前記スイッチコンタクトブリッジが前記長手方向や前記横断方向周りに傾く能力は、全ての停止部が前記切替方向を向く前記スイッチコンタクトブリッジの面に当接する場合、前記横断方向に互いに離間した停止部によっても確保されることが好ましい。前記対停止部領域は、前記切替方向を向く前記スイッチコンタクトブリッジの側に設けられることが好ましい。
【0017】
前記スイッチコンタクトサブアセンブリが前記停止部上に安定的に支持されるように、前記2つの保持部材は、前記スイッチコンタクトブリッジの両側に、片側につき互いに離間する2つずつの合計4つの支持箇所を画定し、各々1つの停止部が1つの支持箇所を形成することができる。
【0018】
組立を簡易にするために、前記コンタクトブリッジ保持部材は、前記切替方向及び前記長手方向に延在する対称面に対して対称的に構成される。その結果、両方の保持部材は、略同一のものとして、特に全く同一のものとして構成される。前記コンタクトブリッジ保持部材の対称的な構成により、前記コンタクトブリッジ保持部材は、前記スイッチコンタクトサブアセンブリの機能に影響することなく、前記切替方向回りに180°回転させるように取り付けられる。しかしながら、対称的なコンタクトブリッジ保持部材により、偶数の停止部即ち支持箇所が設けられる。
【0019】
前記保持部材が相手コンタクトの内の一つの衝突領域内に突出することを防止するために、前記スイッチコンタクトブリッジは少なくとも1つの当接突起を有し、前記少なくとも1つの当接突起は、横断方向に突出し、前記静止位置において保持部材即ち1つの停止部に当接している。特に、前記スイッチコンタクトブリッジは、各停止部に対して1つの当接突起を有し、前記当接突起は、前記停止部の対停止部を形成する。
【0020】
前記スイッチコンタクトから離れるように向く前記スイッチコンタクトブリッジの側部は、前記保持部材が挿入作業の開始時に当接する傾斜した挿入部材として構成される。ここで、前記スイッチコンタクトブリッジが前記切替方向とは反対方向に、前記コンタクトブリッジ保持部材に更に押し込まれると、前記保持部材は、前記傾斜した挿入部材によって互いに離れるように弾性的に押圧されることができる。それにより、更に補助的な手段を使用することなく前記スイッチコンタクトブリッジが前記コンタクトブリッジ保持部材に挿入されることができるほど前記コンタクトブリッジ保持部材は幅広く開かれる。
【0021】
前記固定ベースは、前記切替方向に延在する固定開口を有するように構成されることができる。前記固定開口は、作動部材を少なくとも部分的に受容するためや、この作動部材に対して固定されるように構成されることが好ましい。
【0022】
特に前記スイッチコンタクトサブアセンブリが予め組み立てられた状態において、前記固定ベースを前記作動部材に嵌合することができるように、前記スイッチコンタクトブリッジは、前記切替方向とは反対方向に、前記固定開口にアクセス可能にする組立貫通孔を有する。
【0023】
前記スイッチコンタクトサブアセンブリを単一部品として取り扱うことができる前記予め組み立てられた状態において、前記組立開口及び弾性部材は組立トンネルの境界を定め、前記組立トンネルによって、前記作動部材と前記コンタクトブリッジ保持部材が接続されることができる。このために、前記弾性部材は、例えば、前記組立トンネルが貫通するコイルスプリングとして形成される。
【0024】
前記スイッチコンタクトサブアセンブリは作動部材を有し、前記作動部材には前記コンタクトブリッジ保持部材の前記固定ベースが固定される又は固定されることができる。前記スイッチコンタクトサブアセンブリを多様な方法で使用することができるように、前記スイッチコンタクトサブアセンブリは、様々な固定コンポーネントを含む構成キットの一部である。構成キットの固定部材は、例えば、前記切替方向に異なる長さを有する部材である。更に、構成キットは、前記スイッチコンタクトサブアセンブリの意図する使用法の条件に適応し且つ、例えば、それに応じた大きさを有する様々に構成されたスイッチコンタクトブリッジやコンタクトブリッジ保持部材、弾性部材を含む。前記作動部材を有する前記スイッチコンタクトサブアセンブリは、単一部品として取り扱うことができるアセンブリとして予め組み立てられていることができることも好ましい。
【0025】
前記作動部材は、例えば、ねじ接続部によって前記コンタクトブリッジ保持部材に接続され、又は接続されることができる。しかしながら、このためには、前記作動部材にはねじ山が設けられなければならず、作動部材の製造コストが上昇する。特に経済的な方法で生成することができる接続部は、前記作動部材を前記固定ベースにリベット留め又はリベット留めすることができるようにすることによって生成される。このリベット接続部を生成するために、前記作動部材の固定端は、前記固定ベースの前記固定開口から部分的に突出し得る。前記固定端は、前記スイッチコンタクトサブアセンブリが組み立てられる際、切替方向に前記固定開口を介して前記組立トンネル内に簡単に挿入されることができる。前記リベット接続部を生成するために、リベット留め工具は、前記スイッチコンタクトブリッジの前記組立開口を介して前記組立トンネル内に導入させることができ、前記固定端と接触するように動かすことができる。前記固定端に対する前記リベット留め工具の作用により、前記固定端は、前記固定トンネル内に突出するリベットヘッドとなる。破壊しなければ取り外すことができない前記リベット接続部であるにもかかわらず、導入部で説明したように、前記コンタクトブリッジ保持部材と前記作動部材との間には、前記スイッチコンタクトブリッジは、必要に応じて簡単に取り外され、他のスイッチコンタクトブリッジと取り換えられることができる。前記弾性部材もまた簡単に取り除かれることができ、且つ他の物が使用されることができる。
【0026】
しかしながら、一般的に、前記組立作業は、組立トンネルを用いては行われず、その代わりに、弾性部材即ち隙間スプリングのみがリベットで固定され、その後、コンタクトブリッジが挿入される。前記弾性部材は、非常に急勾配の特性線を有し、スプリングの長さの例示的なバリエーションを比較的大きくすることができる。この結果として生じる予張力の変動は、克服することが困難である可能性がある。誤差を補償するために、前記弾性部材の各誤差依存長に適応する前記ブリッジの停止部は、打ち抜き形成され、その結果、サブアセンブリの予張力が保証されることができる。
【0027】
前記作動部材は、作動端にフランジを有し、それにより、前記固定ベースを支持するための支持ショルダの表面積を拡大することができる。その結果、前記支持ショルダの表面積も大幅に増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明を、例として実施形態及び図面を参照して以下に説明する。実施形態の様々な特徴は、個々の有利な実施形態において既に述べたように、互いに独立して組み合わされてもよい。
図1】本発明に係るスイッチコンタクトサブアセンブリの一実施形態の概略的な断面図である。
図2図1の実施形態のスイッチコンタクトサブアセンブリの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
まず、本発明に係るスイッチコンタクトサブアセンブリの構造及び機能について図1の実施形態を参照して記述する。
【0030】
図1は、スイッチコンタクトアセンブリ1を断面した概略的な斜視図であり、スイッチコンタクトアセンブリ1は、スイッチコンタクトサブアセンブリ1のスイッチコンタクトブリッジ2の長手方向Lに切断した状態で示されている。スイッチコンタクトサブアセンブリ1は、スイッチコンタクトブリッジ2を切替方向Sとは反対方向に、弾性支持する弾性部材3と、コンタクトブリッジ保持部材4とを更に含む。図示の実施形態では、スイッチコンタクトサブアセンブリ1は、単一部品として取り扱うことができるように予め組み立てられた状態で示されている。特に、スイッチコンタクトブリッジ2は、弾性部材3によってコンタクトブリッジ保持部材4にしっかりと締め付けられている。
【0031】
スイッチコンタクトブリッジ2は、その長手方向Lに延在し、長手方向L又はその反対方向の端部領域、即ちコンタクト領域5,6にスイッチコンタクト7,8を備えるように構成されている。相手コンタクトを架橋することができるように、スイッチコンタクト7,8は、切替方向Sを向くと共に、スイッチコンタクト面と呼ぶこともできるスイッチコンタクトブリッジ2の面9に配置されている。スイッチコンタクトブリッジ2は、略バー状又は略ロッド状に構成され、断面が略矩形の表面領域を有する。この断面は、切替方向Sと、切替方向S及び長手方向Lに対して横断するように延在する横断方向Qに延在している。コンタクト領域5,6の間には、スイッチコンタクトブリッジ2は、組立開口10を有するように構成されている。組立開口10は、切替方向Sにスイッチコンタクトブリッジ2を完全に貫通し、特に、長手方向Lや横断方向Qにスイッチコンタクトブリッジ2の中心を通るように形成されている。
【0032】
横断方向Qとは反対方向に向き、長手方向Lに延在するスイッチコンタクトブリッジ2の第1の側面11からは、少なくとも1つの当接突起12が突出している。当接突起12は、第1の側面11から横断方向Qとは反対方向に延在し、切替方向Sには、スイッチコンタクト面9と面一に終端していることが好ましい。スイッチコンタクトブリッジ2は、第1の側面11において長手方向Lに当接突起12から離間して配置されたもう1つの当接突起13を含む。当接突起12,13は、スイッチコンタクトブリッジ2の特定の部材に対して、例えば、コンタクト領域5,6に対して同一の間隔で配置されている。当接突起12,13は、組立開口10に対して対称的に、即ち、夫々組立開口10から反対方向に同一の間隔で配置されていることが好ましい。
【0033】
特に、スイッチコンタクトブリッジ2は、切替方向S及び横断方向Qに組立開口10の中心を通る平面に対して対称的に構成されている。
【0034】
コンタクトブリッジ保持部材4は、切替方向Sに対して略横断し且つ長手方向L及び横断方向Qによって画定される平面と平行に延在する固定ベース14を備えるように形成されている。固定ベース14は、動きを伝達するように作動部材15に接続されている、又は接続されるように構成されている。この目的のため、作動ベース14は、例えば、固定ベース14を切替方向Sに貫通する固定開口16を有する。
【0035】
コンタクトブリッジ保持部材4は、固定ベース14上に存在する、即ち、固定ベース14から立設され、固定ベース14から切替方向Sに延在する少なくとも1つの保持部材17を更に有する。保持部材17及び固定ベース14は、例えば、金属から構成され、特に、打ち抜き/曲げ形成された単一部品として構成されている。従って、保持部材17は、スイッチコンタクトブリッジ2の屈曲したショルダ領域18において固定ベース14と一体化している。
【0036】
切替方向Sにおいて固定ベース14から遠ざかる方向を向く保持部材17の自由端19は、固定ベース14に対して横断方向Q、又はその反対方向に弾性的に方向を変えることができる。自由端19の領域では、保持部材17は、スイッチコンタクトブリッジ2用の停止部突起20を有することが好ましく、この突起は長手方向Lに突出している。スイッチコンタクトブリッジ2を規定の位置に保持することができるように、保持部材17は、少なくとも1つの追加の停止部突起21を有することが好ましく、停止部突起20,21は一つの方向に互いに離れるように突出することができる。
【0037】
停止部突起20,21は、切替方向Sにおいてスイッチコンタクトブリッジ2の当接突起12,13の背後に配置されている。スイッチコンタクトブリッジ2の図示の静止位置Rにおいて、弾性部材3は、当接突起12,13が停止部突起20,21に当接するようにスイッチコンタクトブリッジ2を切替方向Sに押圧する。それにより、スイッチコンタクトブリッジ2は、その静止位置Rにおいて定めされたように配向される。従って、特に、横断方向Q回りに傾くことを防止することができる。従って、停止部突起20,21は、切替方向Sとは反対方向に向けられ、弾性部材3の弾力によって静止位置Rにおいて当接突起12,13が当接するスイッチコンタクトブリッジ2用の停止部22,23を形成する。
【0038】
スイッチコンタクトブリッジ2が相手コンタクトに当接している切替え状態では、スイッチコンタクトブリッジ2は、切替方向Sとは反対方向の固定ベース14に向かう方向に変位することができる。望ましくない横断方向Q回りに傾くことを防止するため、保持部材17は、側方案内面24,25を有する。当接突起12,13の一方は、各側方案内面24,25に当接しており、スイッチコンタクトブリッジ2の移動中に切替方向S、又はその反対方向に案内される。相手コンタクトのあらゆる位置誤差を吸収することができるように、当接突起12,13は、各々隣接する側方案内面24,25から離間するように配置されている。それによって生じる横断方向Q回りの傾きの遊びは、側方案内面24,25によって制限される。更に、横断方向Qに向く、即ちスイッチコンタクトブリッジ2の方を向く面26も案内面として構成されている。
【0039】
従って、横断方向Qの保持部材17の正面図において、この部材17は、図示の実施形態によればT字形状であり、長手方向Lに延在するT字形の保持部材17の横断部は、保持部即ち停止部27と呼ぶことができ、切替方向Sに固定ベース14から停止部27に向かう方向に延在する保持部材17の部分は、案内部28と呼ぶことができる。
【0040】
弾性部材3は、スイッチコンタクトブリッジ2と固定ベース14との間の静止位置Rでは、予め加重が加えられた状態に配置されており、長手方向L又は横断方向Qに望ましくない変位が生じないように、非ポジティブロック式に固定される。或いは、弾性部材3は、コンタクトブリッジ保持部材4又はその固定ベース14やスイッチコンタクトブリッジ2に対して、ポジティブロック式又は非ポジティブロック式に接続され、例えばコンタクトブリッジ保持部材4又はその固定ベース14やスイッチコンタクトブリッジ2に係合されることができる。弾性部材3は、スイッチコンタクトブリッジ2や固定ベース14にそれぞれワッシャを介して支持される。
【0041】
弾性部材3は、切替方向Sと平行に延在する中心軸を有し、組立開口10及び固定開口16に対して同軸上に配置されたコイルスプリングとして構成されている。その結果、組立開口10、弾性部材3及び固定開口16は、切替方向Sとは反対方向に、組立工具を挿入することができる組立トンネル29を形成する。
【0042】
弾性部材3によって、スイッチコンタクトブリッジ2は、コンタクトブリッジ保持部材4にしっかりと締め付けられ、それにより、スイッチコンタクトサブアセンブリ1は、単一部品として取り扱われることができる。この予め組み立てられたスイッチコンタクトサブアセンブリ1は、作動部材15に容易に接続されることができる。例えば、作動部材15は、作動ロッドとして形成され、切替方向Sに向けられる固定端30を含む。固定端30は、例えば、ねじ接続部によってコンタクトブリッジ保持部材4に接続されるように構成される。しかしながら、固定端30は、固定ベース14へのリベット接続用に設けられることが好ましい。作動部材15の非組立状態では、かかる固定端30は、作動部材15の他の部分と同様に切替方向Sに延在するが、横断方向Qや長手方向Lの直径が作動部材15の他の部分よりも小さいリベット突起として構成される。
【0043】
固定端30は、作動部材15を組み付けるために固定ベース14を支持することができる支持ショルダ31上に配置される。固定ベース14が支持ショルダ31上に配置されると、固定端30は、組立トンネル29に突入する。ここで、組立開口10を介して切替方向Sとは反対方向に、リベット留め工具を組立トンネル29内に導入することにより、固定端30を整形してリベットヘッド32を形成することができ、固定部材15は、生成されたリベット接続部によってコンタクトブリッジ保持部材4に固定されることができる。従って、固定ベース14は、両者とも作動部材15の一部である支持部31とリベットヘッド32にリベット留めされた状態、即ち締付状態で保持されることが好ましい。
【0044】
図2は、図1のスイッチコンタクトサブアセンブリ1の概略的な斜視図である。
【0045】
図2から分かるように、スイッチコンタクトサブアセンブリ1は、保持部材17に加えて、もう一つの保持部材17'を有することができる。2つの保持部材17,17'は、固定ベース14と共に打ち抜き/曲げ成形された部品として形成される。両保持部材17,17は、その自由端19,19'が夫々横断方向Q及びその反対方向に方向を変えることができるように弾性変形することができることが好ましい。保持部材17,17'のこの弾性変形により、切替方向Sに開口したコンタクトブリッジ保持部材4へのスイッチコンタクトブリッジ2の挿入が容易になる。従って、当接突起12,13を備えるスイッチコンタクトブリッジ2を切替方向Sとは反対方向に、コンタクトブリッジ保持部材4内に挿入するために、手作業で、又は工具を使用して、自由端19,19'を互いに離れるように撓ませることができる。
【0046】
コンタクトブリッジ保持部材4とスイッチコンタクトブリッジ2は両方とも、切替方向S及び長手方向Lに延在する平面に対して対称的に構成される。その結果、スイッチコンタクトブリッジ2は、当接突起12,13に加えて、他の当接突起12',13'を有してもよい。横断方向Qに前後に配置された当接突起12,12'又は13,13'は、横断方向Qに互いに整列するように、特に互いに離間するように配置される。これにより、長手方向Lを軸としたスイッチコンタクトブリッジ2の望ましくない傾きを防止することができる。図2の実施形態では、停止部突起20,21,20',21'は、スイッチコンタクトブリッジ2用、又はその当接突起12,13,12',13'用の4つの支持箇所Pを形成する。しかしながら、スイッチコンタクトブリッジ2を安定的に支持するには、3つの支持箇所でも十分である。場合に応じて、支持箇所は、2つ又は1つしか設けられなくてもよい。或いは、4つ以上の支持箇所が設けられてもよい。
【0047】
スイッチコンタクト7,8から離れる方向を向く当接突起12,12',13,13'の側面は、挿入作業の始めに保持部材17,17'の自由端19,19'と当接する傾斜した挿入部材33,33',34,34'として構成される。ここで、スイッチコンタクトブリッジ2が切替方向Sとは反対方向に、更にコンタクトブリッジ保持部材4に押し込まれると、自由端19,19'は、傾斜した挿入部材33,33',34,34'によって、互いに離れるように弾性的に押圧されることができる。それにより、コンタクトブリッジ保持部材4は、スイッチコンタクトブリッジ2が停止部突起20,20',21,21'を通過してコンタクトブリッジ保持部材4に挿入されることができる程度に開かれる。
【符号の説明】
【0048】
1 スイッチコンタクトアセンブリ
2 スイッチコンタクトブリッジ
3 弾性部材
4 コンタクトブリッジ保持部材
5,6 スイッチコンタクトブリッジ2のコンタクトブリッジ
7,8 スイッチコンタクト
9 スイッチコンタクトブリッジ2のスイッチコンタクト面
10 スイッチコンタクトブリッジ2の組立開口
11 スイッチコンタクトブリッジ2の側面
12,13 当接突起
14 コンタクトブリッジ保持部材4の固定ベース
15 作動部材
16 固定ベース14の固定開口
17 コンタクトブリッジ保持部材4の保持部材
18 コンタクトブリッジ保持部材4のショルダ領域
19 保持部材17の自由端
20,21 保持部材17の停止部突起
22,23 スイッチコンタクトブリッジ2用の停止部
24,25 案内面
27 停止部
28 案内部
29 組立トンネル
30 作動部材15の固定端
31 固定端30の支持ショルダ
32 リベットヘッド
33,34 当接突起12,13の傾斜した挿入部材
L スイッチコンタクトブリッジ2の長手方向
S 切替方向
Q 横断方向
R スイッチコンタクトブリッジ2の静止位置
P 支持箇所
図1
図2