特許第6206979号(P6206979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社の特許一覧
特許6206979効率が改善されたLINCトランスミッタ
<>
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000004
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000005
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000006
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000007
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000008
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000009
  • 特許6206979-効率が改善されたLINCトランスミッタ 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206979
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】効率が改善されたLINCトランスミッタ
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20170925BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H03F1/02
   H03F3/24
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-556779(P2014-556779)
(86)(22)【出願日】2013年2月11日
(65)【公表番号】特表2015-507446(P2015-507446A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】US2013025566
(87)【国際公開番号】WO2013120072
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2016年2月2日
(31)【優先権主張番号】13/370,151
(32)【優先日】2012年2月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ジュノ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ラミ ヘザー
(72)【発明者】
【氏名】レイ ディン
(72)【発明者】
【氏名】バヘル エス ハルーン
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−182397(JP,A)
【文献】 特開平07−170129(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/286868(US,A1)
【文献】 米国特許第06448847(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/02
H03F 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非線形要素を用いる線形増幅(LINC)装置であって、
相補的無線周波数(RF)信号の第1のセットを受信するように構成され、前記相補的RF信号の第1のセットが一定のエンベロープを有す第1のドライバと、
相補的RF信号の第2のセットを受信するように構成され、前記相補的RF信号の第2のセットが一定のエンベロープを有す第2のドライバと、
前記第1のドライバに結合される第1の回復回路であって、第1のインダクタ・キャパシタ(LC)回路を含み、第1の信号を出力する、前記第1の回復回路と、
前記第2のドライバに結合される第2の回復回路であって、第2のLC回路を含み、第2の信号を出力する、前記第2の回復回路と、
前記第1及び第2の回復回路に結合されるブリッジ回路と、
前記第1及び第2の信号を受信して前記第1及び第2の信号を合成する出力回路と、
前記第1のドライバに結合される第1の相殺回路と、
前記第2のドライバに結合される第2の相殺回路と、
を含
前記第1の回復回路と前記第2の回復回路と前記ブリッジ回路とが同相インピーダンスと差動インピーダンスとを提供し、前記同相インピーダンスが前記差動インピーダンスより低く、
前記第1及び第2の相殺回路がピーク効率を増大させる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記ブリッジ回路が前記第1及び第2の回復回路の間に結合されるインダクタを含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記RFパルスの第1のセットからの連続するパルスの間に、及び前記RFパルスの第2のセットからの連続するパルスの間に、フリーフライ(free-fly)インタバルがあり、前記第1及び第2の相殺回路の少なくとも1つが各フリーフライインタバルの間に高調波回復を提供するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記第1及び第2の相殺回路が第3及び第4のLC回路をそれぞれ含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記出力回路がコンバイナを含む、装置。
【請求項6】
非線形要素を用いる線形増幅(LINC)装置であって、
入力信号を受信して相補的RF信号の複数のセットを生成するように構成される信号生成器であって、前記相補的RF信号のセットが一定のエンベロープを有する、前記信号生成器と、
前記信号生成器に結合される複数のドライバであって、各ドライバが前記相補的RF信号のセットのうち少なくとも1つを受け取るように構成される、前記複数のドライバと、
各々が前記ドライバの少なくとも1つに結合される複数の回復回路であって、各々が、LC回路を含み、信号を出力する前記複数の回復回路と、
前記回復回路の各々に結合されるブリッジ回路と、
前記複数の回復回路からの前記信号を受信して前記信号を合成する出力回路と、
ピーク効率を増大させる複数の相殺回路であって、各々が前記ドライバの少なくとも1つに結合される、前記複数の相殺回路と、
を含
前記複数の回復回路と前記ブリッジ回路とが同相インピーダンスと差動インピーダンスとを提供し、前記同相インピーダンスが前記差動インピーダンスより低、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記ブリッジ回路が前記複数の回復回路の間に結合されるインダクタを含む、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
RFパルスの各セットからの連続するパルスの間にフリーフライインタバルがあり、前記複数の相殺回路の少なくとも1つが各フリーフライインタバルの間に高調波回復を提供するように構成される、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記出力回路がコンバイナを含む、装置。
【請求項10】
非線形要素を用いる線形増幅(LINC)装置であって、
入力信号を受信して第1、第2、第3及び第4のRF信号を生成するように構成される信号生成器であって、前記入力信号が可変エンベロープを有し、前記第1及び第2のRF信号が相補的であり、前記第3及び第4のRF信号が相補的である、前記信号生成器と、
第1のドライバであって、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第1のトランジスタであって、前記第1のトランジスタの前記制御電極が前記第1のRF信号を受け取るように前記信号生成器に結合される、前記第1のトランジスタと、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第2のトランジスタであって、前記第2のトランジスタの前記制御電極が前記第2のRF信号を受け取るように前記信号生成器に結合され、前記第2のトランジスタの前記第1の受動電極が第1のノードにおいて前記第1のトランジスタの前記第2の受動電極に結合される、前記第2のトランジスタと、
を有する、前記第1のドライバと、
第2のドライバであって、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第3のトランジスタであって、前記第3のトランジスタの前記制御電極が前記第3のRF信号を受け取るように前記信号生成器に結合される、前記第3のトランジスタと、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第4のトランジスタであって、前記第4のトランジスタの前記制御電極が前記第4のRF信号を受け取るように前記信号生成器に結合され、前記第4のトランジスタの前記第1の受動電極が第2のノードにおいて前記第3のトランジスタの前記第2の受動電極に結合される、前記第4のトランジスタと、
を有する、前記第2のドライバと、
前記第1のノードに結合される第1の回復回路であって、第1の信号を出力する、前記第1の回復回路と、
前記第2のノードに結合される第2の回復回路であって、第2の信号を出力する、前記第2の回復回路と、
第3及び第4のノードにおいてそれぞれ前記第1及び第2の回復回路に結合される出力回路であって、前記第1及び第2の信号を合成する、前記出力回路と、
前記第3及び第4のノードに結合されるブリッジ回路と、
を含み、
前記第1、第2、第3及び第4のRF信号の連続するパルスの間にフリーフライインタバルがあり、
前記第1の回復回路と前記第2の回復回路と前記ブリッジ回路とが同相インピーダンスと差動インピーダンスとを提供し、前記同相インピーダンスが前記差動インピーダンスより低い、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記第1及び第3のトランジスタがそれぞれ第1及び第2のPMOSトランジスタを含み、前記第2及び第4のトランジスタがそれぞれ第1及び第2のNMOSトランジスタを含む、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記ブリッジ回路が第3及び第4のノードに結合されるインダクタを更に含む、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記インダクタが第1のインダクタを含み、
前記第1の回復回路が、前記第1及び第3のノードの間に結合される第2のインダクタと、前記第1及び第3のノードの間に結合される第1のキャパシタとを含み、
前記第2の回復回路が、前記第2及び第4のノードの間に結合される第3のインダクタと、前記第2及び第4のノードの間に結合される第2のキャパシタとを含む、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記第1のノードに結合される第1の相殺回路と、
前記第2のノードに結合される第2の相殺回路と、
を更に含む、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1の相殺回路が互いに直列に結合される第3のキャパシタと第4のインダクタとを含み、前記第2の相殺回路が互いに直列に結合される第4のキャパシタと第5のインダクタとを含む、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記出力回路がコンバイナを含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して非線形要素を用いた線形増幅(LINC)トランスミッタに関し、更に特定して言えば、効率を改善するため補償回路を備えたLINCトランスミッタに関連する。
【背景技術】
【0002】
図1及び図2は、従来のLINCトランスミッタ100の一例を示す。オペレーションにおいて、入力信号S(t)(これは変化するエンベロープを有する)が信号生成器102に供給される。これは、下記のように表すことができる。
(1) S(t)=A(t)eiθ(t)
ここで、A(t)は信号エンベロープであり、θ(t)は信号位相である。信号生成器102はその後、信号S(t)から信号S(t)及びS(t)を生成することができ、これは、下記のように表すことができる。
【数1】
ここで、cは図2に示す半径であり、φ(t)はアウトフェージング角度である。式(1)及び(2)を組み合わせ、アウトフェージング角度φ(t)について解くと、下記のようになる。
【数2】
逆余弦関数は、−1及び1間のドメインに限定されるため、下記となる。
(4)c≧max(A(t))
これは、信号S(t)及びS(t)が概して一定のエンベロープを有することを意味する。その結果、高効率で非線形の電力増幅器(PA)をPA104−1及び104−2として用いて信号O(t)及びO(t)を生成することができ、これらの信号はその後、可変エンベロープを有する信号O(t)を生成するためコンバイナ106で結合され得る。
【0003】
LINCトランスミッタ100に関する問題の1つは効率損失(コンバイナ106に部分的に起因する)がある点にあり、そのため、代替として、図3に示すようにAMO(Asymmetric Mutlilevel Outphasing)トランスミッタ200を用いることができる。オペレーションにおいて、AMO変調器202(これは概して、プリディストーショントレイナー212により調節されるプリディストーションを含む)は、入力振幅信号AMP及び入力位相信号Φから振幅信号AMP−1及びAMP−2及び位相信号Φ−1及びΦ−2を生成する。位相信号Φ−1及びΦ−2は、PA208−1及び208−2(信号生成器102に類似する)に対し概して一定のエンベロープ信号を生成するデジタル無線周波数位相コンバータ(DRFPC)204に供給され、振幅信号AMP−1及びAMP−2は、一層高い効率を達成するためサプライ206−1及び206−2からPA208−1及び208−2に印加される電力レベルを制御するために用いられる。図4に示すように、確率密度関数(PDF)が最大である領域において電力がスイッチングされる。これにより、AMOトランスミッタ200が、従来のLINCトランスミッタ100及びマルチレベルLINC(ML−LINC)トランスミッタより大きな総合効率であるが、電力付加効率(PAE)より少ない総合効率を有することが可能となる。しかし、AMOトランスミッタ200の効率が比較的低いままであるため、改善された効率を備えたRFトランスミッタが求められている。
【0004】
従来の回路の幾つかの例は下記文献に記載されている。
【非特許文献1】Chung et al. "Asymmetric Multilevel Outphasing Architecture for Multi-standard Transmitters," 2009 IEEE Radio Frequency Integrate Circuits Symposium, pp. 237-240
【非特許文献2】Godoy et al, "A Highly Efficient 1.95-GHz, 18-W Asymmetric Multilevel Outphasing Transmitter for Wideband Applications," Microwave Symposium Digest (MTT), 2011 IEEE MTT-S International, June 5-10, 2011, pp. 1-4
【特許文献1】米国特許番号第6,366,177号
【特許文献2】米国特許番号第7,260,157号
【発明の概要】
【0005】
説明される一実施例は、相補的無線周波数(RF)信号の第1のセットを受信するように構成される第1のドライバ、相補的RF信号の第2のセットを受信するように構成される第2のドライバ、第1のドライバに結合される第1の回復回路、第2のドライバに結合される第2の回復回路、第1及び第2の回復回路に結合されるブリッジ回路、及び第1及び第2の回復回路に結合される出力回路を含む。第1の回復回路、第2の回復回路、及びブリッジ回路は、同相インピーダンス及び差動インピーダンスを提供し、同相インピーダンスは差動インピーダンスより低い。
【0006】
幾つかの実施例において、第1及び第2の回復回路は更に、第1及び第2のインダクタ・キャパシタ(LC)回路を含む。
【0007】
幾つかの実施例において、この装置は、第1のドライバに結合される第1の相殺回路と、第2のドライバに結合される第2の相殺回路とを更に含む。第1及び第2の相殺回路はピーク効率を増大させる。
【0008】
幾つかの実施例において、RFパルスの第1のセットからの連続するパルス間に及びRFパルスの第2のセットからの連続するパルス間にフリーフライ(free-fly)インタバルがあり、第1及び第2の相殺回路の少なくとも1つは、各フリーフライインタバルの間、高調波回復を提供するように構成される。
【0009】
幾つかの実施例において、第1及び第2の相殺回路は更に、第3及び第4のLC回路を含む。
【0010】
幾つかの実施例において、出力回路はコンバイナを更に含む。
【0011】
1つの形式において、この装置は、入力信号を受信するように構成され、且つ、相補的RF信号の複数のセットを生成するように構成される信号生成器、信号生成器に結合される複数のドライバ、各々がドライバの少なくとも1つに結合される複数の回復回路、回復回路の各々に結合されるブリッジ回路、及び各回復ネットワークに結合される出力回路を含む。各ドライバは、相補的RF信号のセットのうち少なくとも1つを受け取るように構成される。複数の回復回路及びブリッジ回路は、同相インピーダンス及び差動インピーダンスを提供し、同相インピーダンスは差動インピーダンスより低い。
【0012】
幾つかの実施例において、各回復回路はLC回路を更に含む。
【0013】
幾つかの実施例において、この装置は、複数の相殺回路を更に含み、各相殺回路はドライバの少なくとも1つに結合され、これらの複数の相殺回路がピーク効率を増大させる。
【0014】
幾つかの実施例において、ブリッジ回路は、複数の回復回路間に結合されるインダクタを更に含む。
【0015】
別の形式において、この装置は、入力信号を受信するように構成され、且つ、第1、第2、第3、及び第4のRF信号を生成するように構成される信号生成器、第1のドライバ、第2のドライバ、第1のノードに結合される第1の回復回路、第2のノードに結合される第2の回復回路、それぞれ、第3及び第4のノードにおいて第1及び第2の回復回路に結合される出力回路、及び第3及び第4のノードに結合されるブリッジ回路を含む。入力信号は可変エンベロープを有し、第1及び第2のRF信号は相補的であり、第3及び第4のRF信号は相補的であり、第1、第2、第3、及び第4のRF信号の連続するパルス間にフリーフライインタバルがある。第1のドライバは、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第1のトランジスタであって、第1のトランジスタの制御電極が、第1のRF信号を受け取るように信号生成器に結合される、第1のトランジスタと、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第2のトランジスタであって、第2のトランジスタの制御電極が、第2のRF信号を受け取るように信号生成器に結合され、第2のトランジスタの第1の受動電極が、第1のノードにおいて第1のトランジスタの第2の受動電極に結合される、第2のトランジスタとを有する。第2のドライバは、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第3のトランジスタであって、第3のトランジスタの制御電極が、第3のRF信号を受け取るように信号生成器に結合される、第3のトランジスタと、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第4のトランジスタであって、第4のトランジスタの制御電極が、第4のRF信号を受け取るように信号生成器に結合され、第4のトランジスタの第1の受動電極が、第2のノードにおいて第3のトランジスタの第2の受動電極に結合される、第4のトランジスタとを有する。第1の回復回路、第2の回復回路、及びブリッジ回路は、同相インピーダンス及び差動インピーダンスを提供し、同相インピーダンスは差動インピーダンスより低い。
【0016】
幾つかの実施例において、第1及び第3のトランジスタは更に、それぞれ、第1及び第2のPMOSトランジスタを含み、第2及び第4のトランジスタは更に、それぞれ、第1及び第2のNMOSトランジスタを含む。
【0017】
幾つかの実施例において、ブリッジ回路は、第3及び第4のノードに結合されるインダクタを更に含む。
【0018】
幾つかの実施例において、インダクタは第1のインダクタを更に含む。第1の回復回路は、第1及び第3のノード間に結合される第2のインダクタと、第1及び第3のノード間に結合される第1のキャパシタとを更に含む。第2の回復回路は、第2及び第4のノード間に結合される第3のインダクタと、第2及び第4のノード間に結合される第2のキャパシタとを更に含む。
【0019】
幾つかの実施例において、この装置は、第1のノードに結合される第1の相殺回路と、第2のノードに結合される第2の相殺回路とを更に含む。
【0020】
幾つかの実施例において、第1の相殺回路は、互いに直列に結合される第3のキャパシタ及び第4のインダクタを更に含み、第2の相殺回路は、互いに直列に結合される第4のキャパシタ及び第5のインダクタを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、従来のLINCトランスミッタの一例の図である。
【0022】
図2図2は、図1のLINCトランスミッタのためのベクトル図である。
【0023】
図3図3は、従来のAMOトランスミッタの一例の図である。
【0024】
図4図4は、図1のLINCトランスミッタ及び図3のAMOトランスミッタの効率を示す図である。
【0025】
図5図5は、本発明に従ったLINCトランスミッタの一例の図である。
【0026】
図6図6は、図5のLINCトランスミッタの更に詳細な例である。
【0027】
図7図7は、図1のLINCトランスミッタに比した図6のLINCトランスミッタの効率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図5は、本発明に従ったLINCトランスミッタ300の一例を図示する。LINCトランスミッタ300は、信号S(t)(これは可変エンベロープを有する)から信号S(t)及びS(t)(これらは概して一定のエンベロープを有する)を生成するために信号生成器102を用いるという点で、LINCトランスミッタ100と同様のオペレーションを有する。LINCトランスミッタ300では、これらの信号S(t)及びS(t)はその後ドライバ302−1及び302−2に印加されて、出力ネットワーク310(これは、例えば、図6におけるキャパシタCM1及びCM2及びインダクタLMを有するインダクタ−キャパシタネットワークを含み得る)から信号O(t)を生成するようにする。この出力信号0(t)はその後、アンテナなどの無線周波数負荷(即ち、図6のレジスタRL)に印加され得る。他の従来のトランスミッタに比してLINCトランスミッタ300の性能を改善するため、相殺回路308−1及び308−2、回復回路304−1及び304−2、及びブリッジ回路306が用いられる。
【0029】
図6は、LINCトランスミッタ300の更に詳細な例を示す。この図は、相殺回路308−1及び308−2がどのように性能を改善し得るかを示すことを助け得る。図示するように、ドライバ302−1及び302−2は、それぞれ、寄生容量CP1−1、CP2−1、CP1−2、及びCP2−2を有する、トランジスタQ1−1、Q2−1、Q1−2、及びQ2−2で構成される(ここで、トランジスタQ1−1及びQ1−2がPMOSトランジスタであるように示されており、トランジスタQ2−1及びQ2−2がNMOSトランジスタであるように示されている)。これらのトランジスタQ1−1、Q2−1、Q1−2、及びQ2−2は、それぞれ、RF入力信号対RFINU−1/RFIND−1及びRFINU−2/RFIND−2(これらは概して信号S(t)及びS(t)に対応する)により駆動される。この信号対RFINU−1/RFIND−1及びRFINU−2/RFIND−2は概して、トランジスタQ1−1/Q2−1及びQ1−2/Q2−2をアクティブにすることができる相補的パルス幅変調される(PWM)入力信号であるが、トランスミッタ300では、これらの信号は互いに対して「隣接(adjacent)」しておらず、これは、これらの信号は、タイミングの観点から真に相補的であることを意味する。信号対RFINU−1/RFIND−1及びRFINU−2/RFIND−2に対し連続するパルス間に、フリーフライ又はデッドタイムインタバルがあり、これは、ドライバ302−1におけるトランジスタQ1−1及びQ2−1の連続するアクティベーション間及びドライバ302−2におけるトランジスタQ1−2及びQ2−2の連続するアクティベーション間にインタバルがあることを意味する。このフリーフライインタバルを用いた結果、相殺回路308−1及び308−2(これらは概して、インダクタ・キャパシタ回路CC−1/LC−1及びCC−2/LC−2で構成される)はその後、参照のため本願に組み込まれる、同時継続中の米国特許出願番号13/106,611、発明の名称「クラスD電力増幅器」に記載されているように、相殺電流を提供することによりドライバ302−1及び302−2の出力における高調波成分を制御できる。本質的に、相殺回路308−1及び308−2は、ピーク効率を増大させ得る相殺電流を提供することで高調波回復を提供することができる。
【0030】
回復回路304−1及び304−2及びブリッジ回路306があるため、これらの回路は、バックオフ効率を増大させるようにトランスミッタ300のインピーダンスを提供することができる。図示するように、回復回路304−1及び304−2は概して、キャパシタCHR1及びCHR2及びインダクタLHR1及びLHR2を含み、回復回路304−1及び304−2は典型的に、概して高調波除去フィルタとして機能するように第3の高調波(他の高調波に対する調整も可能である)を隔離するため調整される(即ち、キャパシタCHR1及びCHR2及びインダクタLHR1及びLHR2が適切に寸法合わせされる)。ブリッジ回路306は概して、図示するように、第1の高調波(ただし他の高調波も選択され得る)における寄生キャパシタCP1−1、CP2−1、CP1−2、及びCP2−2の影響を「排除する(tune-out)」ように調整又は寸法合わせされたインダクタLBCで構成される。
【0031】
トランスミッタ100のための図2のベクトル図(これはトランスミッタ300のためのベクトル図に類似し得る)に戻ると、信号S(t)及びS(t)の各々を表すベクトルは、位相がずれた成分及び同相成分の両方を有し、これらの成分は、信号S(t)を表すベクトルを形成するために組み合わさる。一層高いインピーダンスは引かれる電流を下げるため、一層高いトータル効率を達成するためには、位相がずれた成分に対し一層高いインピーダンス(これは差動インピーダンスと呼ばれ得る)を有することが望ましい。また、トランスミッタ300に対しスイッチング損失の減少があるため、同相成分に対して一層低いインピーダンス(これは同相インピーダンスと呼ばれ得る)を有することも望ましい。第3の高調波(例えば)に調整される回復回路304−1及び304−2を有すること及び第1の高調波(例えば)に調整されるブリッジ回路306を有することにより、高い差動インピーダンス及び低い同相インピーダンスがあり得、一層低い電力消費を可能にし、効率を増大させ得る。
【0032】
トランスミッタ300において相殺回路308−1及び308−2、回復回路304−1及び304−2、及びブリッジ回路306を組み合わせて用いることにより、図7においてトランスミッタ100に比した効率改善を見ることができる。図示するように、低電力では効率のほぼ50%の増大、高電力では約10%増大がある。この改善はまた、受動構成要素(即ち、レジスタ、キャパシタ、及びインダクタ)を用いて達成され得、他の能動システム(AMOトランスミッタ200など)に関連付けられるコスト及び不利益が避けられる。また、(トランスミッタ100と共に用いられるような)かさ張るコンバイナをなくすこともできる。
【0033】
当業者であれば、本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得ること、及び多くの他の実施例が可能であることが分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7