(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る照明光学系の斜視図である。照明光学系1は、後述する光源や蛍光体ユニットなどの構成部品を収容する筐体6を備えている。筐体6は、上側ケース4と下側ケース5とを有していて良い。
【0015】
図2は、上側ケース4を取り外した照明光学系1の斜視図であり、照明光学系1の内部構成を示している。
図3は、上側ケース4を取り外した照明光学系1の平面図であり、照明光学系1の内部構成を示している。
図4は、
図3に示す領域4Aの拡大図であり、
図5は、
図3に示す領域4Aを拡大した斜視図である。なお、
図2および
図3では、見易さのため、各構成部品を保持するホルダは示されていない。
【0016】
照明光学系1は、励起光の照射により蛍光を発する蛍光体31を含む蛍光体ユニット30と、蛍光体31に照射する励起光を発する励起光源11と、を有する。励起光源11から発せられた励起光は、各種の光学部品12,14,16,18,21,22,36を経て、蛍光体ユニット30に設けられた蛍光体31に入射する。
【0017】
励起光源11は、マトリックス状に配置された複数のレーザ光源10を含んでいてよい。励起光源11は、複数のレーザ光源10から出射したレーザ光のミキシングにより形成される励起光を発することができる。レーザ光源10は、青色の波長を有する青色レーザ光を出射するものであることが好ましい。レーザ光源10は例えばレーザダイオードであってよい。
【0018】
次に、蛍光体ユニット30の具体的構成の一例について、特に
図4および
図5を参照して説明する。蛍光体ユニット30は、基板32と、基板32の一面に形成された蛍光体31と、を有する。基板32は、例えばアルミニウムのような熱伝導性の高い材料から作られることが好ましい。
【0019】
基板32は円板形状であってよい。基板32は、基板の表面に直交する回転軸まわりに回転自在に支持されていることが好ましい。この場合、蛍光体ユニット30は、蛍光体31が形成された基板32を回転駆動させる駆動モータ33を備えていてよい。駆動モータ33は、基板32の、蛍光体31が形成されている一面とは反対側の領域に配置されていることが好ましい。
【0020】
励起光源11から発せられた励起光は、蛍光体31上の一部Sを局所的に照射する。励起光の照射中に基板32が回転することにより、励起光が常に蛍光体31の同一箇所に照射されることを防止することができる。これにより、励起光の照射中における蛍光体31の過度な発熱を抑制することができる。また、蛍光体31および基板32は、基板32の回転により受ける風により冷却される。
【0021】
本実施形態では、蛍光体31は、赤色から緑色までの波長を含む黄色の蛍光を放射するものである。これに代えて、蛍光体31は、用途等に応じて任意の蛍光を発するものであってよい。また、互いに異なる波長の蛍光を発する複数の蛍光体が基板32に形成されていてもよい。この場合、基板32を回転しつつ複数の蛍光体に順番に励起光を照射することによって、互いに異なる波長の蛍光が蛍光体ユニット30から順次出射される。
【0022】
次に、蛍光体ユニット30の冷却構造について
図2〜5を参照して説明する。照明光学系1は、蛍光体ユニット30を冷却する冷却風の流れを発生させる送風システム70,71と、送風システム70,71からの冷却風を蛍光体ユニット30に導くダクト構造体68と、を有する。送風システム70,71からの冷却風をダクト構造体68により蛍光体ユニット30に導くことで、蛍光体ユニット30の冷却効果を向上させることができる。ダクト構造体68の具体的な構造は任意である。
【0023】
以下ではダクト構造体68の構造の好ましい態様について
図2〜
図5を参照して詳細に説明する。ダクト構造体68の外壁は、外壁部材64と筐体6の一部とにより構成されていてよい。蛍光体ユニット30は、ダクト構造体68の内部に配置されていることが好ましい。励起光源11やその他の光学部品は、ダクト構造体68の外側に設けられていて良い。この場合、励起光源11からの励起光を蛍光体31に照射させるため、ダクト構造体68は、励起光が通過可能な窓部65を有していてよい。蛍光体31に向けて励起光を集光する集光レンズ系36は、ダクト構造体68の窓部65のところに配置されていて良い。
【0024】
ダクト構造体68は、冷却風が流れる第1の流路60と、冷却風が流れる第2の流路61と、を有していてよい。また、照明光学系1は、第1の流路60に冷却風を流入させる第1の送風装置70と、第2の流路61に冷却風を流入させる第2の送風装置71と、を有することが好ましい。これに代えて、第1の流路60と第2の流路61の両方に冷却風を流入させる共通の1つの送風装置が設けられていてもよい。
【0025】
第1の流路60は、第1の送風装置70の、冷却風の噴出口70aから、蛍光体ユニット30の基板32の一端へ向けて延びている。第1の流路60は、基板32の、蛍光体31が形成された一面に、第1の送風装置70からの冷却風W1を導く。第1の流路60は、蛍光体ユニット30の基板32に向かうにつれて流路幅が小さくなる絞り部62を有することが好ましい。絞り部62の先端は、励起光の照射スポットSに向けられていてよい。
【0026】
第1の送風装置70から噴射した冷却風W1は、第1の流路60を通って、蛍光体31に向けて噴出する。第1の流路60が冷却風W1の流れ方向における下流に向かうにつれて絞られている場合、第1の流路60から流出する冷却風W1の流速は大きくなる。このように、流速の大きい冷却風W1による局所冷却によって、発熱密度の高い部分、すなわち励起光の照射スポットSの冷却効果を向上させることができる。
【0027】
第2の流路61は、第2の送風装置71の、冷却風の噴出口71aから、蛍光体ユニット30の基板32の一端へ向けて延びている。第2の流路61は、基板32の、蛍光体31が形成された一面とは反対側の領域に、第2の送風装置71からの冷却風W2を導く。これにより、第2の流路61を通った冷却風W2は、基板32の、蛍光体31が形成されていない方の面と、駆動モータ33と、を冷却することができる。なお、駆動モータ33は第2の流路61内に配置されていることが好ましい。
【0028】
第2の流路61は、第1の流路60のような絞り部62を有していなくてよい。つまり、第2の流路61は、第1の流路60の絞り部62よりも広い流路幅を有していてよい。このように発熱密度が比較的低く広範囲にわたって発熱し得る蛍光体ユニット30の裏側については、冷却風W2の風量をできる限り低減させることなく、全体的に冷却することが冷却効果の観点から好ましい。
【0029】
上記のように、第1の流路60と第2の流路61とで冷却風の流速や風量を変える場合、第1の流路60と第2の流路61との間を仕切る板状の仕切部材63が設けられていてよい。なお、
図5では、見易さのため、仕切部材63は示されていない。
【0030】
仕切部材63の一端は、蛍光体ユニット30の基板32の一端に近接していることが好ましい。これにより、仕切部材63は、第1の流路60を通る第1の冷却風W1と第2の流路61を通る第2の冷却風W2との混合を防ぐ。さらに、
図4に示されているように、蛍光体ユニット30の基板32が第1の流路60と第2の流路61とを仕切るように配置されていることが好ましい。この場合、基板32の蛍光体31が形成された一面が第1の流路60に向けられ、基板32の、蛍光体31が形成された一面とは反対側の面が、第2の流路61に向けられる。
【0031】
冷却風W1,W2の流れ方向において、蛍光体ユニット30よりも下流側に、加熱された空気の温度を下げるための熱交換器75が設けられていてよい。熱交換器75は、ダクト構造体68の出口部分に設けられていることが好ましい。これにより、蛍光体ユニット30のところで加熱された冷却風の温度を下げることができる。
【0032】
より具体的には、熱交換器75は、熱を受け取る受熱部76と、熱を排出する放熱部78と、受熱部76と放熱部78とを熱的に接続するヒートパイプ77と、を有していてよい。受熱部76はダクト構造体68の出口部分に設けられており、放熱部78は筐体6の外部に設けられている。これにより、受熱部76で受けた熱は、ヒートパイプ77を通って筐体6の外へ排出される。
【0033】
蛍光体ユニット30がダクト構造体68の内部に配置されている場合、加熱された空気は他の空間に拡散することなく、熱交換器75の受熱部76に向けて流れる。これにより、照明光学系1の筐体6内の別の空間、特に励起光源11やその他の光学部品が配置された空間の温度上昇を抑制することができる。
【0034】
熱交換器75の受熱部76で冷却された空気W3は、筐体6内で循環し、再び送風装置70,71の流入口70b,71bに達する。送風装置70,71の流入口70b,71bに達した空気は、再び冷却風としてダクト構造体68内に流出する。このように冷却風を循環させることで、蛍光体ユニット30を効率よく冷却することができる。
【0035】
第1のレーザ光源10は、レーザ光を外部に飛散させることがないよう筐体6内に配置されることが好ましい。この場合、上記のように冷却風を循環させることで、筐体6内の温度の上昇を抑制することができる。
【0036】
蛍光体ユニット30の駆動モータ33の軸受け部34は、熱伝導シート73を挟んでヒートシンク74と接続されていることが好ましい。なお、
図5では、見易さのため、ヒートシンク74は図示されていない。ヒートシンク74は筐体6の外側に配置されていてよい。ヒートシンク74により、蛍光体ユニット30の駆動モータ33をより効率的に冷却することができる。
【0037】
照明光学系1は、ヒートシンク74に冷却風W4を送風する第3の送風装置79、たとえばファンを有することが好ましい。第3の送風装置79からの冷却風W4により、ヒートシンク74を冷却することができる。また、熱交換器75の放熱部78は、第3の送風装置79とヒートシンク74との間に配置されていてよい。
【0038】
次に、照明光学系1の光学的な構成の一例について特に
図2および
図6を参照して詳細に説明する。第1のレーザ光源10から発せられた青色のレーザ光L1は、レンズ12によって平行光にされる。レンズ12によって平行化(コリメート)されたレーザ光L1は、集光レンズ14によってライトトンネル18の入射側開口部に集光される。レンズ14とライトトンネル18との間には、レーザ光を拡散させる拡散板16が設けられていてよい。
【0039】
ライトトンネル18は中空の光学素子である。ライトトンネル18の上下左右の内面が反射ミラーとなっている。ライトトンネル18に入射したレーザ光L1はライトトンネルの内面で複数回反射する。これにより、ライトトンネル18の出射部における光の照度分布が均一化される。このライトトンネル18の代わりに、ガラスロッド(ロッドインテグレータ)が設けられていても良い。
【0040】
ライトトンネル18を出射したレーザ光L1は、レンズ21を透過し、それからダイクロイックミラー22に入射する。このダイクロイックミラー22は、青色の波長を有する光を反射し、緑色の波長よりも長い波長の光を透過する特性を有する。したがって、第1のレーザ光源10から発せられた青色のレーザ光L1は、ダイクロイックミラー22で反射する。ダイクロイックミラー22で反射した青色のレーザ光L1は、レンズ系36を透過して蛍光体ユニット30の蛍光体31に入射する。
【0041】
蛍光体ユニットの蛍光体31はレーザ光の照射により蛍光を発する。本実施形態では、赤色から緑色までの波長を含む黄色の蛍光を放射する蛍光体31が用いられる。しかしながら、上述したように、蛍光体31は黄色の蛍光を放射するものに限定されない。
【0042】
蛍光体31から放射された黄色光L2は、レンズ系36とダイクロイックミラー22とをこの順で透過する。ダイクロイックミラー22を透過した黄色光L2は、レンズ38を通り、ダイクロイックミラー50に入射する。
【0043】
このダイクロイックミラー50は、青色の波長を有する光を透過し、緑色の波長よりも長い波長の光を反射する特性を有する。これにより、ダイクロイックミラー50は、蛍光体31から発せられた黄色光L2を反射する。
【0044】
第2のレーザ光源40は、平面上に複数配置された青色レーザダイオードから構成されていて良い。レーザダイオードは非常に面積の小さい発光点からレーザ光を放射する。第2のレーザ光源40から放射された青色レーザ光L3は、レンズ42によって平行化(コリメート)された後、第1の集光レンズ44によって集光される。
【0045】
照明光学系1は、第2のレーザ光源40から出射されたレーザ光L3を拡散させる拡散板46を備えていてよい。拡散板46は、第1の集光レンズ44と第2の集光レンズ48との間に配置されている。拡散板46は、第1の集光レンズ44を通ったレーザ光の集光部付近、つまり第1の集光レンズ44の焦点付近に設けられることが好ましい。
【0046】
拡散板46によって拡散した青色レーザ光L3は、第2の集光レンズ48を透過し、ダイクロイックミラー50へ入射する。この青色レーザ光L3はダイクロイックミラー50を透過する。ダイクロイックミラー50を透過した青色レーザ光L3は、ダイクロイックミラー50で反射した黄色の蛍光L2と合成される。
【0047】
ダイクロイックミラー50によって合成された合成光L4、つまり青色レーザ光と黄色の蛍光との合成光L4は、集光レンズ52を透過して、筐体6の外部へ出射する。照明光学系1から出射した合成光L4は、青色の波長、緑色の波長および赤色の波長を含む白色光となっていることが好ましい。
【0048】
上述した冷却構造により蛍光体ユニット30の蛍光体31は効率よく冷却されるため、蛍光体31の発光効率の低下を防止することができる。その結果、経時的な照度維持率の高い照明光学系1を提供することができる。
【0049】
本発明の照明光学系1は上記構成のものに限定されない。本発明は、励起光の照射により蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体ユニットと、上記の冷却構造と、を有する任意の照明光学系に適用できる。照明光学系は複数の蛍光体ユニットを備えていてもよい。この場合、少なくとも1つの蛍光体ユニットに対応して上記の冷却構造が設けられていてよい。
【0050】
次に、照明光学系1を備えた投写型表示装置の構成の一例について
図7を参照して説明する。投写型表示装置2は、各構成部品を収容する筐体8を有する。冷却風の流れを良くするため、筐体8の、第3の送風装置79が設置された部分には、開口が形成されていてよい。
【0051】
投写型表示装置2は、照明光学系1から出射した光を画像光に変換する光学エンジン100と、当該画像光を外部へ投写する投写レンズ98と、を有する。光学エンジン100は、TIR(Total Internal Reflection)プリズム90、カラープリズム92およびデジタルミラーデバイス(DMD)96を有していてよい。
【0052】
照明光学系1から出射した光はインテグレータ54へ入射する。照明光学系1の集光レンズ52は、合成光L4をインテグレータ54に集光させる。インテグレータ54は、合成光の照度分布を均一化する。インテグレータ54は、例えばライトトンネルであってよい。
【0053】
インテグレータ54を通過した光は、レンズ80,82を透過し、ミラー84で反射し、さらにレンズ86を透過する。レンズ86を透過した光は、TIRプリズム90に入射する。TIRプリズム90に入射した光は、プリズム内で全反射し、カラープリズム92に入射する。
【0054】
カラープリズム92は、白色光を、緑色光と赤色光と青色光に分光する。カラープリズム92で分光された緑色光は、緑色光用のデジタルミラーデバイス(DMD)96へ入射する。同様に、赤色光は赤色光用のDMD(不図示)へ入射し、青色光は青色光用のDMD(不図示)へ入射する。
【0055】
DMD96は、マトリックス状に配列された多数の微小ミラーを備えた半導体型投写デバイスである。各微小ミラーが、投写される画像の画素に対応する。各微小ミラーの角度は調整可能となっている。DMD96は、投写レンズ98へ入射する光の光量を画素ごとに調節することができる。このようにして、DMD96は、投写すべき画像光を形成する。DMD96で形成された画像光は、投写レンズ98によってスクリーンに投写される。
【0056】
上述した冷却構造により蛍光体ユニット30の蛍光体31は効率よく冷却されるため、蛍光体31の発光効率の低下を防止することができる。その結果、経時的な照度維持率の高い投写型表示装置2を提供することができる。
【0057】
本発明の投写型表示装置2は上記構成のものに限定されない。投写型表示装置2は、上記の光源装置を備えていればどのような構成を有していてもよい。光学エンジン100も、上記構成に限られず任意の構成を有していてよい。
【0058】
図8は、照明光学系における蛍光体ユニットの第1の変形例を示している。この照明光学系の構成は、蛍光体ユニットを除き、上述した照明光学系と同様である。
【0059】
第1の変形例に係る蛍光体ユニットでは、基板32の、蛍光体31が形成された一面とは反対側の一面に、放熱面積を大きくするフィン132が形成されている。
【0060】
図9は、照明光学系における蛍光体ユニットの第2の変形例を示している。この照明光学系の構成は、蛍光体ユニットを除き、上述した照明光学系と同様である。
【0061】
第2の変形例に係る蛍光体ユニットでは、基板32の、蛍光体31が形成された一面とは反対側の一面に、放熱面積を大きくする突起133が形成されている。
【0062】
第1および第2の変形例におけるフィン132や突起133により基板32の放熱面積を大きくすることで、蛍光体ユニット30の冷却効果をさらに向上させることができる。
【0063】
また、上記冷却構造を用いた蛍光体ユニット30または投写型表示装置2の冷却方法も本発明の範囲に含まれる。既述の実施形態に関連し、本発明は、以下の付記に記載する冷却構造、照明光学系、投写型表示装置および冷却方法を含んでいてよい。
【0064】
[付記1]
基板と、前記基板に形成され、励起光の照射により蛍光を発する蛍光体と、を含む蛍光体ユニットと、
冷却風を流す送風システムと、
前記送風システムからの冷却風を前記蛍光体ユニットに導くダクト構造体と、を有する冷却構造。
【0065】
[付記2]
付記1に記載の冷却構造であって、
前記ダクト構造体は、前記基板の、前記蛍光体が形成された一面に、前記送風システムからの冷却風を導く第1の流路を有する、冷却構造。
【0066】
[付記3]
付記2に記載の冷却構造であって、
前記第1の流路は、前記蛍光体の、前記励起光の照射スポットに向かうにつれて流路幅が小さくなる絞り部を有する、冷却構造。
【0067】
[付記4]
付記1から3のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記ダクト構造体は、前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の領域に、前記送風システムからの冷却風を導く第2の流路を有する、冷却構造。
【0068】
[付記5]
付記1に記載の冷却構造であって、
前記ダクト構造体は、前記基板の前記蛍光体が形成された一面に前記送風システムからの冷却風を導く第1の流路と、前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の領域に、前記送風システムからの冷却風を導く第2の流路と、を有する、冷却構造。
【0069】
[付記6]
付記5に記載の冷却構造であって、
前記第1の流路は、前記蛍光体の、前記励起光の照射スポットに向かうにつれて流路幅が小さくなる絞り部を有する、冷却構造。
【0070】
[付記7]
付記5または6に記載の冷却構造であって、
前記基板は、前記第1の流路と前記第2の流路との間を仕切っており、
前記基板の前記蛍光体が形成された一面が、前記第1の流路に向けられており、
前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の面が、前記第2の流路に向けられている、冷却構造。
【0071】
[付記8]
付記5から7のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記送風システムは、前記第1の流路に冷却風を流す第1の送風装置と、前記第2の流路に冷却風を流す第2の送風装置と、を有する、冷却構造。
【0072】
[付記9]
付記4から8のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記第2の流路内に設けられ、前記基板を回転駆動させる駆動モータを有する、冷却構造。
【0073】
[付記10]
付記9に記載の冷却構造であって、
前記駆動モータに取り付けられたヒートシンクと、
前記ヒートシンクに冷却風を吹き付ける第3の送風装置と、を有する、冷却構造。
【0074】
[付記11]
付記1から10のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記蛍光体ユニットで加熱された前記冷却風の温度を低下させる熱交換器を有する、冷却構造。
【0075】
[付記12]
付記1から11のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の一面に、放熱面積を大きくするフィンまたは突起が形成されている、冷却構造。
【0076】
[付記13]
付記1から12のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記蛍光体ユニットの前記基板は回転自在に構成されている、冷却構造。
【0077】
[付記14]
付記1から13のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記蛍光体ユニットは前記ダクト構造体の内部に配置されている、冷却構造。
【0078】
[付記15]
付記14に記載の冷却構造であって、
前記ダクト構造体は、該ダクト構造体の外部から前記蛍光体ユニットへ向けて前記励起光を通過させる窓部を有する、冷却構造。
【0079】
[付記16]
付記1から15のいずれか1項に記載の冷却構造であって、
前記ダクト構造体および前記送風システムを収容する筐体を有し、
前記ダクト構造体から流出した冷却風を前記筐体内で前記送風システムへ戻すことにより前記冷却風を循環させる、冷却構造。
【0080】
[付記17]
付記1から16のいずれか1項に記載の冷却構造と、
前記蛍光体に照射する励起光を発生する励起光源と、を有する照明光学系。
【0081】
[付記18]
付記17に記載の照明光学系と、
前記照明光学系から出射した光を画像光に変換する光学エンジンと、
前記画像光を外部へ投写する投写レンズと、を有する、投写型表示装置。
【0082】
[付記19]
基板と、前記基板に形成され、励起光の照射により蛍光を発する蛍光体と、を含む蛍光体ユニットを冷却する冷却方法であって、
送風システムから前記蛍光体ユニットに導くダクト構造体を介して、冷却風を前記蛍光体ユニットに当てることを含む、冷却方法。
【0083】
[付記20]
付記19に記載の冷却方法であって、
前記ダクト構造体は、前記基板の、前記蛍光体が形成された一面に、前記送風システムからの冷却風を導く第1の流路を有する、冷却方法。
【0084】
[付記21]
付記20に記載の冷却方法であって、
前記第1の流路は、前記蛍光体の、前記励起光の照射スポットに向かうにつれて流路幅が小さくなる絞り部を有する、冷却方法。
【0085】
[付記22]
付記19から21のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記ダクト構造体は、前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の領域に、前記送風システムからの冷却風を導く第2の流路を有する、冷却方法。
【0086】
[付記23]
付記19に記載の冷却方法であって、
前記ダクト構造体は、前記基板の前記蛍光体が形成された一面に前記送風システムからの冷却風を導く第1の流路と、前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の領域に、前記送風システムからの冷却風を導く第2の流路と、を有する、冷却方法。
【0087】
[付記24]
付記23に記載の冷却方法であって、
前記第1の流路は、前記蛍光体の、前記励起光の照射スポットに向かうにつれて流路幅が小さくなる絞り部を有する、冷却方法。
【0088】
[付記25]
付記23または24に記載の冷却方法であって、
前記基板は、前記第1の流路と前記第2の流路との間を仕切っており、
前記基板の前記蛍光体が形成された一面が、前記第1の流路に向けられており、
前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の面が、前記第2の流路に向けられている、冷却方法。
【0089】
[付記26]
付記23から25のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記送風システムは第1の送風装置と第2の送風装置とを有し、
前記第1の送風装置から前記第1の流路に冷却風を流すことと、前記第2の送風装置から前記第2の流路に冷却風を流すことと、を含む、冷却方法。
【0090】
[付記27]
付記22から26のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記第2の流路内に設けられた駆動モータにより前記基板を回転させることを含む、冷却方法。
【0091】
[付記28]
付記27に記載の冷却方法であって、
前記駆動モータにヒートシンクが取り付けられており、
前記ヒートシンクに第3の送風装置から冷却風を吹き付けることをさらに含む、冷却方法。
【0092】
[付記29]
付記19から28のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
熱交換器により、前記蛍光体ユニットで加熱された冷却風の温度を低下させることを含む、冷却方法。
【0093】
[付記30]
付記19から29のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記基板の、前記蛍光体が形成された一面とは反対側の一面に、放熱面積を大きくするフィンまたは突起が形成されている、冷却方法。
【0094】
[付記31]
付記19から30のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記蛍光体ユニットの前記基板は回転自在に構成されている、冷却方法。
【0095】
[付記32]
付記19から31のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記蛍光体ユニットは前記ダクト構造体の内部に配置されている、冷却方法。
【0096】
[付記33]
付記32に記載の冷却方法であって、
前記ダクト構造体は、該ダクト構造体の外部から前記蛍光体ユニットへ向けて前記励起光を通過させる窓部を有する、冷却方法。
【0097】
[付記34]
付記19から33のいずれか1項に記載の冷却方法であって、
前記ダクト構造体および前記送風システムを収容する筐体を有し、
前記ダクト構造体から流出した冷却風を前記筐体内で前記送風システムへ戻すことにより前記冷却風を循環させることを含む、冷却方法。
【0098】
以上、本発明の望ましい実施形態について提示し、詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限り、さまざまな変更及び修正が可能であることを理解されたい。