(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電源回路から電力を供給する給電コイルを有し、2つの帯状の線路を該線路の帯の幅の3分の1以下の間隔をあけて平行に対向させて構成した給電線対を有し、第1の中間コイルと、劾給電線対の給電線と、共振用コンデンサと、第2の中間コイルを直列に接続して構成した中継ケーブル共振器を有し、前記給電コイルを第1の中間コイルに誘導結合させ、第2の中間コイルに受電コイルを誘導結合させ、劾受電コイルに負荷回路を接続し、前記給電コイルの回路の共振周波数と前記中継ケーブル共振器の共振周波数と前記受電コイルの回路の共振周波数を一致させて、前記電源回路からの電力を、前記給電コイルと、前記中継ケーブル共振器と、前記受電コイルを通して前記負荷回路に伝送して消費させることを特徴とする無線電力伝送システム。
電源回路から電力を供給する給電コイルを有し、2つの帯状の線路を該線路の帯の幅の3分の1以下の間隔をあけて平行に対向させて構成した給電線対を有し、劾給電線対に並列に共振用コンデンサと2つ以上の中間コイルを接続して構成した中継ケーブル共振器を有し、前記給電コイルに前記中間コイルの1つを誘導結合させ、他の中間コイルの1つに受電コイルを誘導結合させ、劾受電コイルに負荷回路を接続し、前記給電コイルの回路の共振周波数と前記中継ケーブル共振器の共振周波数と前記受電コイルの回路の共振周波数を一致させて、前記電源回路からの電力を、前記給電コイルと、前記中継ケーブル共振器と、前記受電コイルを通して前記負荷回路に伝送して消費させることを特徴とする無線電力伝送システム。
電源回路から電力を供給する給電コイルを有し、2つの帯状の線路を平行に対向させて形成した容量を持つ給電線対に並列に2つ以上の中間コイルを接続して構成した中継ケーブル共振器を有し、前記給電コイルに前記中間コイルの1つを誘導結合させ、他の中間コイルに受電コイルを誘導結合させ、劾受電コイルに負荷回路を接続し、前記給電コイルの回路の共振周波数と前記中継ケーブル共振器の共振周波数と前記受電コイルの回路の共振周波数を一致させて、前記電源回路からの電力を、前記給電線対と前記中間コイルと前記受電コイルを通して前記負荷回路に伝送して消費させることを特徴とする無線電力伝送システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態の無線電力伝送システムの主要な構成要素の給電線系LAと給電コイルLBと受電コイルLUの関係を示す。無線電力伝送システムは、電源回路SCから、給電線系LAを介して給電コイルLBに電力を送電し、給電コイルLBから無線で受電コイルLUに電力を送電する。そして受電コイルLUに接続した負荷回路LDが電力を消費する。
【0020】
給電コイルLBの一端に給電系コンデンサCを接続し、他端に、電源回路SCから引き出した給電線系LAを接続する。一端に受電系コンデンサCUを接続した受電コイルLUの他端に負荷回路LDを接続する。
【0021】
ここで、給電コイルLBと給電線系LAと給電系コンデンサCは直列に接続されていれば十分であり、例えば、給電線系LAと給電系コンデンサCを給電コイルLBの配線の中間に配線に直列に隣接させた点に設置しても良い。受電コイルLUも同様であり、受電コイルLUに接続する負荷回路LDと受電系コンデンサCUを受電コイルLUの配線の中間に配線に直列に隣接させた点に設置しても良い。
【0022】
図2(a)に、受電コイルLUとそれに接続する受電系コンデンサCUと負荷回路LDの平面図を示し、
図2(b)に、給電線系LAを加えた無線電力伝送システムの側面図を示す。
図2(b)のように、電力を供給する電源回路SCに給電線系LAの給電線LA1とLA2を接続する。その給電線系LAの先に給電コイルLBを接続し、その給電コイルLBを受電コイルLUに対向させる。
【0023】
図2(c)に、電源回路SCに接続した給電線系LAの給電線LA1とLA2と、給電線系LAの終端部に接続した給電コイルLBの平面図を示す。
図2(c)では説明の便宜のために給電線系LAの給電線LA1とLA2の重なりをずらして表示したが、実際の給電線LA1とLA2とは、重なる領域をずらさずに平行に対向させて重ねる。その対向する間隔は少なくとも給電線LA1、LA2の帯の幅の3分の1以下の狭い間隔で対向させて、給電線LA1とLA2の間の容量を増した給電線系LAを形成する。
【0024】
図2(c)の平面図のように、給電コイルLBには、給電線系LAを接続する位置と反対側の位置に給電系コンデンサCを接続する。すなわち、給電系コンデンサCをループ状の給電コイルLBの中間に、コイルに直列に挿入して給電コイル系を形成する。そして、その給電コイル系の給電コイルLBの末端の2端子の各々に、給電線系LAの給電線LA1とLA2を接続する。
【0025】
図2(a)の平面図のように、ループ状の受電コイルLUと受電系コンデンサCUと負荷回路LDを直列に接続した受電コイル系を形成する。すなわち、受電コイル系の受電コイルLUの中間に直列に受電系コンデンサCUを挿入し、そして、その受電コイルLUの末端の2端子を負荷回路LDの2つの入力端子に接続する。
【0026】
図2(b)の側面図の給電コイルLBと受電コイルLUの間の距離hは、受電コイルLUの直径以下の距離にして給電コイルLBと受電コイルLUを配置する。
【0027】
(変形例1)
図2(a)に示した受電コイルLU、及び、
図2(c)に示した給電コイルLBの構造は、
図2のように複数巻きのコイルを用いる以外に、
図3の平面図のように1巻きのコイルを用いることもできる。つまり、
図3のように、断面が平板状の1巻きのコイルの給電コイルLBと給電系コンデンサCと給電線LA1とLA2を直列に接続した回路を用いることもできる。また、受電コイルLUと受電系コンデンサCUと負荷回路LDを直列に接続した回路を用いる。
【0028】
(給電線)
帯状の導体の給電線LA1と給電線LA2を平行に近接させて一体にして給電線系LAを形成する。その給電線LA1とLA2の間隔を、給電線LA1とLA2の帯の幅の少なくとも3分の1以下に小さくして給電線LA1とLA2の間の容量を増す。それにより、給電線系LAの特性インピーダンスZを小さくし、給電線系LAの持つインダクタンスを小さくすることができる。
【0029】
給電線系LAの単位長さ当りのインダクタンスは、給電線系LAの特性インピーダンスZを信号伝達速度で割り算した値であるので、特性インピーダンスZを小さくすることによって給電線系LAの単位長さ当りのインダクタンスを小さくすることができる。
【0030】
すなわち、給電線LA1とLA2の間隔を、給電線LA1とLA2の帯の幅の少なくとも3分の1以下に小さくして給電線LA1とLA2の間の容量を増す。それによって、後に(給電線系の条件)の欄で説明するように、給電コイルBや受電コイルLUの大きさの4倍程度の長さの給電線系LAを実用的に用いることができるようになる効果がある。
【0031】
(給電コイル系と受電コイル系のインピーダンスの整合)
ループ状の給電コイルLBと給電系コンデンサCの直列回路から成る給電コイル系の共振周波数fと、ループ状の受電コイルLUと受電系コンデンサCUの直列回路から成る受電コイル系の共振周波数fを等しくする。そして、電源回路SCがその共振周波数fの電流を、給電線系LA(LA1とLA2)に供給する。
【0032】
すなわち、給電コイルLBの自己インダクタンスをLBとし、給電系コンデンサCの容量をCとし、受電コイルLUの自己インダクタンスをLUとし、受電系コンデンサCUの容量をCUとすると、以下の式1の関係を満足するようにし、コイル系の共振周波数を同じにする。
(式1) LB×C=LU×CU=1/ω
2
そして、電源回路SCが供給する電流の角周波数を、その共振の角周波数ωにする。ここで、角周波数ω=2πfである(fは共振周波数)。
【0033】
そして、給電コイルLBと受電コイルLUを接近させて電力を送電する場合の給電コイルLBと受電コイルLUの相互インダクタンスをMであらわす。このとき、給電コイルLBに給電線LA(LA1とLA2)を介して接続する電源回路SCの出力インピーダンスr1を、あるパラメータαに関して、以下の式2を満足する値にする。
(式2) r1=ωM・α
【0034】
また、受電コイルLUに直列に接続する負荷回路LDの入力インピーダンスr2を、
(式3) r2=ωM/α
にする。このようにインピーダンスを設定することで、給電コイルLBと受電コイルLUが対向する場合の回路のインピーダンスを整合させて、無線電力を効率良く伝送できる。
【0035】
すなわち、パラメータαの値にかかわらず、
(式4) r1・r2=(ωM)
2
の条件を満足させる。これにより、インピーダンスが整合して、無線電力が効率良く伝送できる。
【0036】
(定電圧電源を用いる場合)
定電圧電源では、それに接続する負荷に応じて出力インピーダンスが変化する。定電圧電源を電源回路SCに用いる場合は、その電源回路SC側から観察される負荷である、給電コイル系と受電コイル系を合わせた全体の回路の入力インピーダンスを、なるべく広い周波数範囲にわたって、虚数成分(リアクタンス)が少なく、実数成分が主になるように調整することが望ましい。その条件が成り立つならば、電源回路SCが出力する電流に比例した電力が、全て負荷回路LDまで伝送され有効に消費される良好な無線電力伝送が行えるからである。
【0037】
定電圧電源の電源回路SCを用いる場合には、以下のように回路を設計することが望ましい。例えば、給電コイル系と受電コイル系を同じにした場合は、式4を、r1=r2にした条件で解いた値のr2に、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を設定することが望ましい。
【0038】
そうすると、定電圧電源の電源回路SC側から観察した、給電コイル系と受電コイル系を合わせた全体の回路のインピーダンスのリアクタンス成分が広い周波数範囲にわたって0になる条件が成り立つからである。電源回路SCが定電圧電源の場合、その電源回路SCから流れ出る電流の値は、リアクタンス成分が0になる周波数の範囲内でも一定値では無いが、その周波数の範囲で電流に比例した有効な電力が負荷回路LDまで伝送できる良好な無線電力伝送が行える。
【0039】
(給電線系の条件)
本実施形態において、無線電力伝送システムの回路中に給電線系LAを挿入しても、無線電力伝送システムの電力の伝送特性を劣化させない条件が以下の式5で与えられる。すなわち、無線電力伝送システムの給電コイルLBと受電コイルLUの自己インダクタンスLに関して以下の式5の条件が満足される必要がある。
【0040】
すなわち、給電線系LAの特性インピーダンスがZであり、給電線系LAの長さがlenの場合に、給電線系LAが持つインダクタンスが給電コイルLBと受電コイルLUの自己インダクタンスLよりも小さいことが必要であり、それは、以下の式5で与えられる。
(式5) (Z/c)×len<L
ここで、cは信号伝達速度(光速度)である。
【0041】
この式5は、給電線系LAの給電線LA1とLA2の間に所定の比誘電率εrの誘電体がある場合にも成り立つ。その場合にその誘電体の影響で特性インピーダンスZが√εr分の1に小さくなり、給電線系LAの信号伝達速度c(光速度)が√εr分の1に小さくなる。
【0042】
また、簡易な計算方法としては、給電線系LAにおいて、その誘電体の比誘電率が1の場合の特性インピーダンスZをこの式5のZに代入し、真空の光速度をこの式5の信号伝達速度cに代入して式5を計算しても、式5を普通に計算した結果と同じ値の(Z/c)の値が得られる。
【0043】
給電線系LAを、帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させ、その対向する間隔を少なくとも給電線LA1、LA2の帯の幅の3分の1以下の狭い間隔で対向させて給電線LA1とLA2の間の容量を増し、給電線系LAのインダクタンスを小さくした給電線系LAを形成する。そうすることで、給電コイルBや受電コイルLUの大きさの4倍程度の長さの給電線系LAを用いても、給電線系LAに式5を満足させる低い特性インピーダンスZを持たせることができる効果がある。
【0044】
また、給電線系LAが持つ容量が、給電系コンデンサCの容量Cおよび受電系コンデンサCUの容量CUよりも小さいことが必要であり、それは、以下の式6で与えられる。
(式6) len/(cZ)<C、及び、CU
【0045】
(実施例1)
以下で、本実施形態の給電線系LAを用いた無線電力伝送システムの実施例1を説明する。実施例1では、
図3のように、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成した一辺が350mmの矩形の1巻コイルによる給電コイルLBと受電コイルLUを用いる。給電系コンデンサCの容量Cを4nFにし、受電系コンデンサCUの容量CUを4nFにする。この場合に、給電コイルLBの回路及び受電コイルLUの回路は3.26MHzで共振する。
【0046】
そのため、この給電コイルLBと受電コイルLUの自己インダクタンスLは、
L=1/((4[nF])(2π×3.26[MHz])
2)=596nH
である。
【0047】
その給電コイルLBと受電コイルLUを、120mmの間隔を開けて平行に対向させる。その給電コイルLBには、長さlen=1450mmの給電線系LA(給電線LA1とLA2)を介して電源回路SCを接続する。
【0048】
給電線LA1と給電線LA2は、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成し、その帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させて給電線の幅50mmの50分の1の1mmの間隔を開けて給電線系LAを形成する。その給電線系LAの特性インピーダンスZは7.3Ωである。
【0049】
給電線系LAの単位長さ当りのインダクタンスは、特性インピーダンス/(信号伝達速度)で計算できる。信号伝達速度cが真空中の光速度である場合に、その値は、
7.3Ω/(信号伝達速度)=24nH/m
である。
【0050】
この給電線系LAを、長さlen=1450mmにした長さのインダクタンスLTは、LT=24×1.45=35nHである。このインダクタンスLT=35nHは、給電コイルLBの自己インダクタンスL=596nHの約20分の1であり、十分小さい。これは、式5が満足されていることを意味する。
【0051】
一方、給電コイルLBと受電コイルLUの相互インダクタンスMは以下のように計算できる。すなわち、給電コイルLBと受電コイルLUを120mmの間隔を開けて平行に対向させた場合の結合係数kを電磁界シミュレーションで求めると、k=0.2になるので、コイル間の相互インダクタンスMは、M=kL=0.2×596nH=119nHである。
【0052】
相互インダクタンスMと比較しても、長さlen=1450mmの給電線系LAのインダクタンスLT=35nHは、コイル間の相互インダクタンス119nHの約3分の1であり、十分小さい。
【0053】
なお、この給電線系LAの単位長さ当りの容量は、信号伝達速度cが真空中の光速度である場合に、
1/(7.3Ω×信号伝達速度)=0.46nF/m
である。この給電線系LAを、長さlen=1450mmにした長さの容量は、0.46nF×1.45=0.66nFである。この容量は、給電系コンデンサCの容量Cおよび受電系コンデンサCUの容量CU=C=4nFよりも十分小さい。これは、式6が成り立っていることを意味する。
【0054】
図4に、このコイル間の結合係数k=0.2の場合の電磁界シミュレーション結果の無線電力の伝送効率の周波数特性を示す。受電系コンデンサCUの容量CUを4nFにし、給電系コンデンサCの容量Cを3.7nFにすると、給電系回路の共振周波数と受電系回路の共振周波数が等しくなる。
【0055】
ここで、電源回路SCの出力インピーダンスr1を2.4Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を2.4Ωにすると、インピーダンスが整合する。そして、電源回路SCから電力が、給電線系LAと給電コイルLBを介して、受電コイルLUに、減衰が−0.05dBのみで効率良く送電される。また、この電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅は0.66MHz程度ある。
【0056】
(比較例1)
比較例1として、給電線系LAにおいて平行に対向する帯状の給電線LA1とLA2の間隔を、その給電線LA1、LA2の帯の幅50mmと同じ長さの50mmにする。この間隔50mmは実施例1の場合の50倍である。
【0057】
こうすると、長さlen=1450mmの給電線系LAのインダクタンスLTは約、LT=35nH×50=1750nH程度になる。この給電線系LAのインダクタンスLT=1750nHは、給電コイルLBの自己インダクタンスL=596nHよりも3倍程度に大きくなる。これは、式5が満足されていないことを意味する。
【0058】
この場合に、受電系コンデンサCUの容量CUは4nFのままで、給電系コンデンサCの容量Cを1.56nFに小さくすると、給電系回路の共振周波数と受電系回路の共振周波数が等しくなる。
【0059】
図5に、この場合の比較例1の無線電力の伝送効率の周波数特性を電磁界シミュレーションで求めた結果を示す。この場合は、電源回路SCの出力インピーダンスr1を2.1Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を2.1Ωにした場合に、減衰が−0.05dBで少なく、効率良く電力を伝送できる。
【0060】
しかし、電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅が0.2MHz程度で、を
図4の場合の0.66MHzの半分以下に狭くなる。このように、比較例1では、長さが1450mmある給電線系LAのインダクタンスLTが給電コイルLBのインダクタンスLB=596nHと同程度に大きくなり、式5の条件が満足されていない。そのため、比較例1では、電力の伝送特性が劣化するという問題がある。
【0061】
また、給電線LA1とLA2の間隔を大きくすると給電線系LAのインダクタンスLTが大きくなるので、給電系回路の共振周波数を受電系回路の共振周波数と一致させるために、給電系回路の給電系コンデンサCの容量Cを小さな値に調整する必要がある。
【0062】
この比較例1に対して、実施例1では、給電線系LAにおいて帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させる間隔を給電線LA1、LA2の帯の幅の3分の1以下の50分の1の狭い間隔で対向させて給電線系LAのインダクタンスを小さくして式5の条件を満足させた。そのため、実施例1では、電力の伝送特性が劣化しなかった。
【0063】
(変形例2)
ここで、変形例2として、電源回路SCに定電圧電源を用いる場合は、電源回路SCの出力インピーダンスが負荷に応じて変化する。電源回路SCに定電圧電源を用いる場合に、電源回路SC側から観察した、給電コイル系と受電コイル系を合わせた全体の回路の入力インピーダンスが、なるべく広い周波数範囲にわたって、虚数成分(リアクタンス)が少なく、実数成分が主になることが望ましい。その条件が成り立つならば、電源回路SCが流す電流に比例した有効な電力が負荷回路LDまで伝送されるからである。
【0064】
実施例1の回路構成を用いた場合に、変形例2でも、受電系コンデンサCUと給電系コンデンサCの容量CUを4nFにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を実施例1と同じ値の2.4Ωにすることが望ましい。そうすると、電源回路SC側から観察した、給電コイル系と受電コイル系を合わせた全体の回路のインピーダンスのリアクタンス成分を所定の周波数範囲にわたって安定して0にすることができる。
【0065】
電源回路SCが定電圧電源の場合、その電源回路SCから流れ出る電流の値は、リアクタンス成分が0になる周波数の範囲内でも一定値では無いが、その周波数の範囲で電流に比例した有効な電力が負荷回路LDまで伝送できる良好な無線電力伝送が行える。
【0066】
(変形例3)
また、本実施形態は、以上で説明した、電源回路SCと給電コイルLBを給電線系LAで電気接続した構成の無線電力伝送システム以外にも適用できる。すなわち、変形例3として、負荷回路LDを、給電線系LAで受電コイルLUに電気接続した無線電力伝送システムが構成できる。それに用いる給電線系LAも、帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させる間隔を給電線LA1、LA2の帯の幅の3分の1以下の狭い間隔で対向させて給電線LA1とLA2の間の容量を増した給電線系LAを用いる。
【0067】
更に、電源回路SCと給電コイルLBを第1の給電線系で電気接続し、負荷回路LDと受電コイルLUを第2の給電線系で電気接続した無線電力伝送システムも構成できる。
【0068】
<第2の実施形態>
図6に本発明の第2の実施形態の電力の中継ケーブル共振器1の構成を示す。
図6(a)の平面図に、受電コイルLUと周辺回路から成る受電コイル系と、給電コイルLBと周辺回路から成る給電コイル系の平面図を示す。
図6(b)の側面図に、受電コイルLUと給電コイルLBと、中継ケーブル共振器1の側面の配置の構成を示す。
【0069】
図6(c)の平面図に中継ケーブル共振器1の平面図を示す。
図6(c)では説明の便宜のために給電線系LAの給電線LA1とLA2の重なりをずらして表示したが、実際の給電線LA1とLA2とは、重なる領域をずらさずに平行に対向させて重ねる。その対向する間隔は少なくとも給電線LA1、LA2の帯の幅の3分の1以下の狭い間隔で対向させて、給電線LA1とLA2の間の容量を増した給電線系LAを形成する。
【0070】
中継ケーブル共振器1は、給電線LA1とLA2からなる長さlenの給電線系LAと、給電線系LAの両端に接続した2つの中間コイル、すなわち、第2の受電コイルLUSと第2の給電コイルLBSと、給電線LA1に直列に接続した中継ケーブル共振用コンデンサCTとから構成する。
【0071】
中間コイル、すなわち、第2の受電コイルLUSと第2の給電コイルLBSは区別する必要は無く、給電コイルLBに対向する中間コイルが第2の受電コイルLUSであり、受電コイルLUに対向する中間コイルが第2の給電コイルLBSである。
【0072】
ここで、中継ケーブル共振用コンデンサCTと給電線LA1は直列に接続されていれば十分であり、例えば、中継ケーブル共振用コンデンサCTは給電線LA1の中間に接続しても良く、端部に接続しても良い。
【0073】
受電コイル系は第1の実施形態と同様な構成である。給電コイル系は、
図6(a)の平面図のように、給電コイルLBと給電系コンデンサCが電源回路SCに直列に接続されている。
【0074】
図6(b)の側面図のように、給電コイルLBと中継ケーブル共振器1の第2の受電コイルLUSとを平行に対向させて、両コイルの間の距離は、給電コイルLBの直径以下の距離hで隔てる。また、受電コイルLUと中継ケーブル共振器1の第2の給電コイルLBSとを平行に対向させて、両コイルの間の距離は、受電コイルLUの直径以下の距離hで隔てる。
【0075】
(実施例2)
第2の実施形態の実施例(実施例2)として、以下の構成の中継ケーブル共振器1と給電コイル系と受電コイル系とから成る無線電力伝送システムの動作を電磁界シミュレーションで調べた。実施例2では、実施例1と同様に、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成した一辺が350mmの矩形の1巻コイルによる給電コイルLBと受電コイルLUを用いる。
【0076】
実施例1と同様に、給電系コンデンサCの容量Cを4nFにし、受電系コンデンサCUの容量CUを4nFにし、給電コイルLBの回路及び受電コイルLUの回路を3.26MHzで共振させる。
【0077】
中継ケーブル共振器1の第2の受電コイルLUSと第2の給電コイルLBSを、給電コイルLB及び受電コイルLUと同じ形にする。そして、第2の給電コイルLBSと第2の受電コイルLUSを、長さlen=1450mmの給電線LA1と給電線LA2から成る給電線系LAの両端に接続する。給電線LA1と給電線LA2は、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成し、その帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させて間隔を1mm開けて給電線系LAを形成する。
【0078】
中継ケーブル共振用コンデンサCTの容量CTを、CT=1.74nFに設定した場合に、電源回路SCからの電力を効率良く、給電コイルLBから中継ケーブル共振器1を介して、受電コイルLUに伝送し負荷回路LDで消費させることができる。
【0079】
給電コイルLBと中継ケーブル共振器1の第2の受電コイルLUSの間隔、及び、中継ケーブル共振器1の第2の給電コイルLBSと受電コイルLUの間隔を120mm開けて平行に対向させる。このコイル間の結合係数kは、k=0.2である。
【0080】
図7に、電源回路SCの出力インピーダンスr1を2.4Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を2.4Ωにした場合の電磁界シミュレーション結果の無線電力の伝送効率の周波数特性を示す。電源回路SCから電力が、給電コイルLBと中継ケーブル共振器1と受電コイルLUを介して負荷回路LDまで、減衰が−0.07dBのみで効率良く送電される。また、この電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅は0.4MHz程度ある。
【0081】
この中継ケーブル共振器1の給電線系LAの給電線LA1とLA2の間隔を16mm開けた場合は、中継ケーブル共振用コンデンサCTの容量CTを、CT=1.41nFに設定した場合に、電源回路SCからの電力を効率良く、給電コイルLBから中継ケーブル共振器1を介して、受電コイルLUに伝送し負荷回路LDで消費させることができる。
【0082】
実施例2の場合も、実施例1と同様に、中継ケーブル共振器1の給電線系LAの給電線LA1とLA2の間隔を大きく開けるほど、給電線系LAのインダクタンスが大きくなる。そのため、それに合わせて中継ケーブル共振用コンデンサCTの容量CTを小さくして中継ケーブル共振器1の共振周波数を給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数に合わせる必要がある。
【0083】
第2の実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、給電線系LAのインダクタンスLTが、第2の給電コイルLBSのインダクタンスと第2の受電コイルLUSのインダクタンスの和LGと同程度に大きくなると、電力の伝送特性を劣化させる。第2の実施形態の場合に電力の伝送特性を劣化させない条件は、第1の実施形態と同様に、以下の式7の条件を満足させることである。
【0084】
(式7) (Z/c)×len<LG
ここで、cは信号伝達速度(光速度)である。
この式7は、給電線系LAの給電線LA1とLA2の間に所定の比誘電率εrの誘電体がある場合にも成り立つ。その場合にその誘電体の影響で特性インピーダンスZが√εr分の1に小さくなり、信号伝達速度cが√εr分の1に小さくなる。
【0085】
すなわち、第2の実施形態においても、給電線系LAを、帯状の給電線LA1とLA2を平行にし狭い間隔で対向させて給電線系LAを形成することで、給電線系LAに式7を満足させる低い特性インピーダンスZを持たせることで、効率良く電力を伝送できる無線電力伝送システムが構成できる。
【0086】
<第3の実施形態>
図8に本発明の第3の実施形態の電力の中継ケーブル共振器1の構成を示す。
図8(a)の平面図に、受電コイルLUと周辺回路から成る受電コイル系と、給電コイルLBと周辺回路から成る給電コイル系の平面図を示す。受電コイル系及び給電コイル系は第2の実施形態と同様な構成である。
【0087】
図8(b)の側面図に、受電コイルLUと給電コイルLBと、中継ケーブル共振器1の側面の配置の構成を示す。
図8(c)の平面図に中継ケーブル共振器1の平面図を示す。
図8(c)では説明の便宜のために給電線系LAの給電線LA1とLA2の重なりをずらして表示したが、実際の給電線LA1とLA2とは、重なる領域をずらさずに平行に対向させて重ねる。
【0088】
第3の実施形態の中継ケーブル共振器1は、長さlenの給電線系LAと、その給電線系LAの給電線LA1と給電線LA2を結ぶ中継ケーブル共振用並列コンデンサCWと、その中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに並列に接続した2つの中間コイルを給電線系LAの両端に設置して構成する。
【0089】
この2つの中間コイルは区別する必要は無く、給電コイルLBに対向する中間コイルが第2の受電コイルLUSであり、受電コイルLUに対向する中間コイルが第2の給電コイルLBSである。
【0090】
中継ケーブル共振用並列コンデンサCWは、給電線系LAに並列に接続されていれば十分であり、例えば、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWは給電線系LAの中間に接続しても良く、端部に接続しても良い。
【0091】
図8(b)の側面図のように、給電コイルLBと中継ケーブル共振器1の第2の受電コイルLUSとを平行に対向させて、両コイルの間の距離は、給電コイルLBの直径以下の距離hで隔てる。また、受電コイルLUと中継ケーブル共振器1の第2の給電コイルLBSとを平行に対向させて、両コイルの間の距離は、受電コイルLUの直径以下の距離hで隔てる。
【0092】
(実施例3)
第3の実施形態の実施例(実施例3)として、以下の構成の中継ケーブル共振器1と給電コイル系と受電コイル系とから成る無線電力伝送システムの動作を電磁界シミュレーションで調べた。実施例3では、実施例1と同様に、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成した一辺が350mmの矩形の1巻コイルによる給電コイルLBと受電コイルLUを用いる。
【0093】
給電系コンデンサCの容量Cを4.3nFにし、受電系コンデンサCUの容量CUを4.3nFにし、給電コイルLBの回路及び受電コイルLUの回路を3.14MHzで共振させる。
【0094】
中継ケーブル共振器1の第2の受電コイルLUSと第2の給電コイルLBSを、給電コイルLB及び受電コイルLUと同じ形にする。そして、第2の給電コイルLBSと第2の受電コイルLUSを、長さlen=1450mmの給電線系LAの両端に接続する。給電線系LAを構成する給電線LA1と給電線LA2は、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成し、その帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させて間隔を、給電線の幅50mmの625分の1の長さの80μm開けて給電線系LAを形成する。
【0095】
この実施例3の場合では、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWは、80μmの間隔で平行に対向する給電線LA1とLA2の持つ容量によって形成する。その容量CWは、CW=8.27nFである。この容量に設定することで、中継ケーブル共振器1の共振周波数が給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数の3.14MHzに一致する。
【0096】
この場合に、式5の条件が満足され、給電線系LAのインダクタンスは、中継ケーブル共振器1の中間コイルのインダクタンスよりも十分小さい。
【0097】
実施例3も、実施例2と同様に、給電コイルLBと中継ケーブル共振器1の第2の受電コイルLUSの間隔、及び、中継ケーブル共振器1の第2の給電コイルLBSと受電コイルLUの間隔を120mm開けて平行に対向させる。このコイル間の結合係数kは、k=0.2である。
【0098】
図9に、電源回路SCの出力インピーダンスr1を2.2Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を2.2Ωにした場合の電磁界シミュレーション結果の無線電力の伝送効率の周波数特性を示す。電源回路SCから電力が、給電コイルLBと中継ケーブル共振器1と受電コイルLUを介して負荷回路LDまで、減衰が−0.06dBのみで効率良く送電される。また、この電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅は0.5MHz程度ある。
【0099】
(変形例4)
変形例4として、中継ケーブル共振器1の給電線系LAの給電線LA1とLA2の間隔を、給電線LA1、LA2の帯の幅と同じ50mmの間隔を開けた場合は、給電線LA1とLAの間の容量は625分の1に小さくなる。そのため、容量CW=6.73nFの中継ケーブル共振用並列コンデンサCWを給電線系LAの給電線LA1とLA2の間に設置することで、中継ケーブル共振器1の共振周波数を給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数の3.14MHzに一致させる。
【0100】
図10に、給電線LA1とLA2の間隔を50mm開けた場合の電磁界シミュレーション結果の無線電力の伝送効率の周波数特性を示す。この場合は、電源回路SCの出力インピーダンスr1を1.8Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を1.8Ωにした場合に、減衰が−0.06dBで少なく、効率良く電力を伝送できる。
図10の場合を
図9と比べると、電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅が0.4MHz程度で、
図9の場合の0.5MHzよりも狭くなる。
【0101】
ここで、変形例4では、中継ケーブル共振器1の給電線系LAの給電線LA1とLA2の間隔を大きく開けたので、給電線系LAのインダクタンスが大きくなり、式5の条件が満足されなくなった。しかし、変形例4では、給電線間の間隔を広げた場合の周波数の帯域幅の狭まる割合が、第1の実施形態の比較例1の場合ほどには帯域幅が狭まらない。その理由は、変形例4では、中継ケーブル共振器1が、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに並列に複数の中間コイルが接続された構成を持つためである。
【0102】
変形例4では、給電線系LAのインダクタンスが大きくなった分だけ、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWの容量CWを小さくして中継ケーブル共振器1の共振周波数を給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数に合わせるだけで、良好な無線電力伝送が行える。
【0103】
(第3の実施形態の中継ケーブル共振器の原理)
第3の実施形態の場合の、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに並列に複数の中間コイルが接続された構成の中継ケーブル共振器1では、複数の中間コイルが中継ケーブル共振用並列コンデンサCWの容量を分け合って利用し、そして、全中間コイル系が同じ共振周波数で共振する。
【0104】
その中間コイルの共振動作において、間隔を広げた給電線LA1とLA2は、中間コイルのインダクタンスに加算され、中間コイルの一部に組み込まれている。そのため、間隔を広げた給電線LA1とLA2は、中間コイルの一部であるので、無線電力伝送システムの無線電力伝送効率を妨げ無い。
【0105】
第3の実施形態で、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに並列に接続する2つの中間コイルのインダクタンスは同じ値にする必要も無い。2つの中間コイルのインダクタンスを異なる値にしても、無線電力伝送システムの無線電力伝送に支障が無い。
【0106】
<第4の実施形態>
図11の平面図に、第4の実施形態の無線電力伝送システムの中継ケーブル共振器1の平面図を示す。
図11では説明の便宜のために給電線系LAの給電線LA1とLA2の重なりをずらして表示したが、実際の給電線LA1とLA2とは、重なる領域をずらさずに平行に対向させて重ねる。
【0107】
第4の実施形態は、この中継ケーブル共振器1以外の構成は第3の実施形態と同様である。第4の実施形態の中継ケーブル共振器1は、長さlenの給電線系LAと、その給電線系LAの給電線LA1と給電線LA2を結ぶ中継ケーブル共振用並列コンデンサCWと、その中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに並列に接続した3個以上の複数の中間コイルとで構成する。
【0108】
この複数の中間コイルは区別する必要は無く、給電コイルLBに対向する中間コイルが第2の受電コイルLUSであり、受電コイルLUに対向する中間コイルが第2の給電コイルLBSである。
【0109】
中継ケーブル共振用並列コンデンサCWは、給電線系LAに並列に接続されていれば十分であり、例えば、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWは給電線系LAの中間に接続しても良く、端部に接続しても良い。
【0110】
第4の実施形態で、中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに並列に接続する複数の中間コイルの数は6つに限定されず、どの数でも良い。複数の中間コイルの給電線系LAへの接続位置はどの位置に設置しても良い。
【0111】
更に、それら複数の中間コイルのインダクタンスは同じ値にする必要も無い。複数の中間コイルのインダクタンスを全て異なる値にしても、無線電力伝送システムの無線電力伝送に支障が無い。その理由は、それら各中間コイルの自己インダクタンスが異なっても、各中間コイルが中継ケーブル共振用並列コンデンサCW(中継容量)の容量を分け合って利用し、そして、全中間コイル系が同じ共振周波数で共振するからである。
【0112】
(中継容量共振器)
このように、中継ケーブル共振用並列コンデンサCW(中継容量)に並列に3個以上の中間コイルを接続して中継ケーブル共振器1を構成する。この中継ケーブル共振用並列コンデンサCW(中継容量)の容量さえ存在すれば、細長い給電線系LAが無くても、単に中継ケーブル共振用並列コンデンサCW(中継容量)に並列に複数の中間コイルを接続しただけの中継ケーブル共振器1(中継容量共振器)を構成しても良い。
【0113】
そうして、電源回路SCに接続した給電コイルLBを、その中継容量共振器の第1の中間コイルに対向させ、負荷回路LDに接続した受電コイルLUを他の中間コイルに対向させる。そうすることで、給電コイルLBから、中継容量共振器を介して、受電コイルLUに無線電力を伝送する無線電力伝送システムを構成できる。
【0114】
(実施例4)
以下、実施例4によって、第4の実施形態を説明する。
図11のように、中継ケーブル共振器1として、給電コイルLB及び受電コイルLUと同じ形の6つの中間コイルを、給電線系LAに並列に接続する。その6つの中間コイルのうちの1つは給電線系LAの端部に設置し、その中間コイルに、電源回路SCと接続する給電コイルLBを対向させる。その中間コイルを、第2の受電コイルLUSと名付ける。
【0115】
給電線系LAに接続する残り5つの中間コイルのうちの1つを負荷回路LDと接続する受電コイルLUに対向させて電力を伝送する。そのため、その5つの中間コイルを、
図11のように、第2の給電コイルLBS1、LBS2、LBS3、LBS4、LBS5と名付ける。
【0116】
6つの中間コイルの形は、給電コイルLB及び受電コイルLUと同じ形にする。それらのコイルの形は、一辺が350mmの矩形の1巻コイルで形成し、コイルの線は、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成する。
【0117】
給電コイルLBに接続する給電系コンデンサCの容量Cを4.3nFにし、受電コイルLUに接続する受電系コンデンサCUの容量CUを4.3nFにし、給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数を3.14MHzにする。
【0118】
給電線系LAは、長さlen=1450mmの給電線LA1と給電線LA2で形成する。その給電線LA1と給電線LA2の間に6つの中間コイルを並列に接続する。給電線LA1と給電線LA2の線は、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成する。その帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させて間隔を29μm開けて給電線系LAを形成する。
【0119】
その対向する給電線LA1とLA2の間の容量CWは、CW=22.8nFである。この容量に設定すると、中継ケーブル共振器1の共振周波数が給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数の3.14MHzに一致する。
【0120】
給電コイルLBと第2の受電コイルLUSの間隔、及び、受電コイルLUと第2の給電コイルLBSの間隔は、実施例2と同様に、120mm開けてコイルを平行に対向させる。このコイル間の結合係数kは、k=0.2である。
【0121】
図12に、受電コイルLUを中間コイルのうちの1つの第2の給電コイルLBS5に対向させた場合の、無線電力の伝送効率の周波数特性を電磁界シミュレーションで計算した結果を示す。この場合に、電源回路SCの出力インピーダンスr1を1.25Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を1.25Ωにして回路を整合させた。
【0122】
図12のシミュレーション結果では、電源回路SCから電力が、給電コイルLBと中継ケーブル共振器1と受電コイルLUを介して負荷回路LDまで、減衰が−0.09dBのみで、効率良く電力が伝送される。その電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅は0.3MHz程度ある。
【0123】
また、受電コイルLUを、給電線系LAの中間位置に設置した第2の給電コイルLBS4に対向させた場合も、電磁界シミュレーションで計算した。そのシミュレーションの結果の無線電力の伝送効率の周波数特性も
図12のグラフと重なった。
【0124】
更に、給電コイルLBを、給電線系LAの中間位置の第2の給電コイルLBS2に対向させ、受電コイルLUを、給電線系LAの中間位置の第2の給電コイルLBS4に対向させた場合も電磁界シミュレーションで調べた。その結果、その無線電力の伝送効率の周波数特性も
図12のグラフと重なった。
【0125】
この中継ケーブル共振器1の任意の中間コイルに給電コイルLBを対向させ、受電コイルLUを他のどの中間コイルに対向させても、
図12のグラフと重なる無線電力伝送効率が得られる。すなわち、この中継ケーブル共振器1の6つの中間コイルから自由に2つの中間コイルを選んで、その2つの中間コイルに給電コイルLBと受電コイルLUを対向させても、効率良く無線電力を伝送できる効果がある。
【0126】
<第5の実施形態>
図13の平面図に、第5の実施形態の無線電力伝送システムの中継ケーブル共振器1の平面図を示す。
図13では説明の便宜のために給電線系LAの給電線LA1とLA2の重なりをずらして表示したが、実際の給電線LA1とLA2とは、重なる領域をずらさずに平行に対向させて重ねる。
【0127】
第5の実施形態は、第4の実施形態と同様の形状の中継ケーブル共振器1を用いる。すなわち、長さlenの給電線系LAを有し、その給電線系LAの給電線LA1とLA2を結ぶ中継ケーブル共振用並列コンデンサCWを有し、給電線LA1と給電線LA2の間に、並列に複数の中間コイルを接続する。
【0128】
第5の実施形態が第4の実施形態と異なる点は、中継ケーブル共振器1の中間コイルのうちの1つを、電源回路SCに接続した給電コイルLBにした点である。すなわち、その給電コイルLBを給電線系LAの中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに接続した構成の中継ケーブル共振器1を用いる。そして、給電コイルLBに接続するべき給電系コンデンサCは中継ケーブル共振用並列コンデンサCWに含ませる。
【0129】
(実施例5)
以下、実施例5によって、第5の実施形態を説明する。
図13のように、電源回路SCを、給電線系LAの端部に接続した給電コイルLBに直列に接続する。その給電コイルLBの他の5つの中間コイルを、第2の給電コイルLBS1、LBS2、LBS3、LBS4、LBS5とし、そのうちの何れか1つの中間コイルに負荷回路LDと接続する受電コイルLUを対向させて電力を伝送する。
【0130】
実施例4と同じく、中継ケーブル共振器1の中間コイルと、給電コイルLBと受電コイルLUを同じ形にする。それらのコイルは、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成した一辺が350mmの矩形の1巻コイルで形成する。
【0131】
受電コイルLUに接続する受電系コンデンサCUの容量CUを4.43nFにし、受電コイル系の共振周波数を3.1MHzにする。
【0132】
給電線系LAは実施例4と同じ構成にし、帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させて間隔を29μm開けて給電線系LAを形成するとともに、給電線系LA自体に、中継ケーブル共振用並列コンデンサCW(中継容量)を持たせる。この中継ケーブル共振器1の共振周波数は給電コイル系及び受電コイル系の共振周波数の3.1MHzと概ね一致する。
【0133】
図14に、負荷回路LDと接続する受電コイルLUを、中継ケーブル共振器1の給電線系LAの端部の第2の給電コイルLBS5に対向させた場合の無線電力の伝送効率の周波数特性の電磁界シミュレーション結果を示す。この場合では、電源回路SCの出力インピーダンスr1を8Ωにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を0.7Ωにして回路を整合させる。すなわち、電源回路SCの出力インピーダンスr1=8Ωを負荷回路LDの入力インピーダンスr2=0.7Ωよりも大きく設定する。
【0134】
図14のシミュレーション結果では、電源回路SCから電力が、中継ケーブル共振器1と受電コイルLUを介して負荷回路LDまで、減衰が−0.08dBのみで効率良く送電される。また、この電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅は0.2MHz程度ある。
【0135】
また、負荷回路LDと接続する受電コイルLUを、中継ケーブル共振器1の給電線系LAの中間位置の第2の給電コイルLBS4に対向させた場合も電磁界シミュレーションで調べた。その結果、その無線電力の伝送効率の周波数特性も
図14と同じになった。
【0136】
更に、受電コイルLUを、第2の給電コイルLBS1に対向させた場合を電磁界シミュレーションで調べた結果、無線電力の伝送効率の周波数特性は、電力を効率良く伝送できる周波数の帯域の幅が若干増えたが、概ね
図14と同じになった。
【0137】
(変形例5)
実施例5の変形例5として、電源回路SCに定電圧電源を用いる場合に、電源回路SC側から観察した、給電コイル系と受電コイル系を合わせた全体の回路の入力インピーダンスの虚数成分(リアクタンス)を、なるべく広い周波数範囲にわたって0にする条件を電磁界シミュレーションで計算した。
【0138】
その結果、受電系コンデンサCUの容量CUを4.5nFにし、負荷回路LDの入力インピーダンスr2を1.1Ωにすれば、電源回路SC側から観察した全体の回路の入力インピーダンスの虚数成分が3.1MHzから3.5MHzの周波数の範囲で安定して0になった。
【0139】
そのとき、電源回路SC側から観察した、全体の回路の入力インピーダンスの実数成分は、8Ωから3Ωの間で変化した。この実数成分の値は一定値では無いが、その周波数の範囲で、電源回路SCが、その実数成分の値の実数の出力インピーダンスr1で電力を出力する。そして、電源回路SCが出力した全ての電力が負荷回路LDで有効に消費される良好な無線電力伝送が行えた。
【0140】
(変形例6)
本実施形態の無線電力伝送システムは、細長い給電線系LAが無くても、単に中継ケーブル共振用並列コンデンサCW(中継容量)に並列に複数の中間コイルを接続しただけの中継容量共振器に適用できる。すなわち、中継容量共振器の中継容量に並列に接続する中間コイルの1つを、電源回路SCに接続する給電コイルLBにし、中継容量に並列に接続する他の中間コイルを受電コイルLUに対向させた中継容量共振器を用いた無線電力伝送システムを構成できる。
【0141】
(変形例7)
また、本実施形態は、以上で説明した、無線電力伝送システム以外にも、以下の構成の無線電力伝送システムにも適用できる。すなわち、中継容量に複数の中間コイルを接続し、その中間コイルの1つを、負荷回路LDに接続する受電コイルLUにし、それ以外の中間コイルを給電コイルLBに対向させた中継容量共振器を用いた無線電力伝送システムにも適用できる。
【0142】
<第6の実施形態>
図15の平面図に、第6の実施形態の無線電力伝送システムの平面図を示す。第6の実施形態は、第1の実施形態の
図2(c)の電源回路SCに直結した給電線系LAに、並列に複数の給電コイル系を接続して構成する。その給電コイル系の給電コイルに、負荷回路LDに接続された受電コイルLUを対向させて無線電力を伝送する。
【0143】
図15では説明の便宜のために給電線系LAの給電線LA1とLA2の重なりをずらして表示したが、実際の給電線LA1とLA2とは、重なる領域をずらさずに平行に対向させて重ねる。その対向する間隔は少なくとも給電線LA1、LA2の帯の幅の3分の1以下の狭い間隔で対向させて、給電線LA1とLA2の間の容量を増した給電線系LAを形成する。
【0144】
給電線系LAに並列に接続する複数の給電コイル系は、
図15のように、給電線LA1と給電線LA2の間に、2個以上の第2の給電コイルLB1、LB2、その他コイルを並列に接続する。そして、各第2の給電コイルLB1、LB2、その他コイルに直列に給電系コンデンサC1、C2、その他コンデンサを接続して各々の給電コイル系を構成する。
【0145】
(実施例6)
以下、実施例6によって、第6の実施形態を説明する。
図15のように、電源回路SCを、給電線系LAの端部に接続する。そして、給電線系LAに接続した5つの第2の給電コイルLB1、LB2、LB3、LB4、LB5の何れか1つに負荷回路LDと接続する受電コイルLUを対向させて電力を伝送する。
【0146】
第6の実施形態は、第1の実施形態と同様に、給電線LA1とLA2を接近させ、かつ、式5と式6の条件を満足させた回路を構成する。すなわち、式5の条件を満足させて給電線系LAのインダクタンスを第2の給電コイルLB1、LB2、LB3、LB4、LB5のインダクタンスよりも小さくする。また、式6の条件を満足させて、給電線系LAの容量を給電系コンデンサC1、C2、C3、C4、C5の容量よりも小さくする。
【0147】
そのため、実施例6では、給電線系LAは、実施例1と同様に、幅が50mmの帯状の給電線LA1とLA2を平行に対向させて間隔を1mm開けて給電線系LAを形成する。
【0148】
第2の給電コイルLB1からLB5を受電コイルLUと同じ形にする。それらのコイルは、幅が50mmで厚さが0.2mmの銅の帯で形成した一辺が350mmの矩形の1巻コイルで形成する。
【0149】
実施例1と同様に、受電コイルLUに接続する受電系コンデンサCUの容量CUを4nFにし、受電コイル系の共振周波数を3.26MHzにする。
【0150】
また、第2の給電コイルLB1、LB2、LB3、LB4、LB5それぞれに直列に4nFの容量の給電系コンデンサC1、C2、C3、C4、C5を接続する。
【0151】
そして、電源回路SCの出力インピーダンスr1と負荷回路LDの入力インピーダンスr2を、回路を整合させる値に設定し、電源回路SCに直結した給電線系LAに接続する給電コイル系から無線電力を受電コイルLUまで効率良く送電して、その電力を負荷回路LDで消費させる。
【0152】
(変形例8)
また、本実施形態は、以上で説明した、電源回路SCを直接に給電線系LAに接続し、給電線系LAに複数の給電コイル系を接続した無線電力伝送システム以外にも適用できる。すなわち、負荷回路LDを直接に給電線系LAに接続し、給電線系LAに複数の受電コイル系を接続し、その受電コイル系を、電源回路SCに接続する給電コイルLBと電磁結合させて無線電力を伝送する無線電力伝送システムにも適用できる。