(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転円板に円周等分に配置され、回転円板が回転している間に容器台上の容器に充填液を充填する充填バルブを備えた回転式の容器充填装置において、充填後の容器を容器台から搬送コンベヤに排出するように作用する固定加速アームと、閉時はばね等の付勢力によって前記固定加速アーム側へ容器胴部を挟むように作動し、開時はカム等によって前記固定加速アーム側と反対方向に容器胴部の挟みを開放するように作動する揺動可能な可動アームとから成る容器胴部保持手段と、容器の口部を前記充填バルブの下部に係合させる際に、容器の中心が前記充填バルブの中心と合うようにセンタリングするセンタリング手段を備えて、前記固定加速アームおよび前記可動アームが容器胴部と係合する箇所を取り扱う容器胴径の最小値から最大値まで対応できる形状にするとともに、前記ばね等の付勢力を容器が前記回転円板の回転時の遠心力によって動かない程度に容器胴部を軽く挟む力にして、前記センタリング手段による容器センタリングの際、前記容器の中心と前記充填バルブの中心に偏心が生じている場合でも、センタリングされつつある容器口部を基にして、前記ばね等の付勢力に打ち勝って容器台上の容器胴部がセンタリングされるようにして、胴径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して充填できるように構成したことを特徴とする容器充填装置。
請求項1又は2に記載する容器充填装置において、前記容器口部と係合してセンタリングする前記センタリング手段のシートパッキンを、前記容器口部のセンタリングに適合した傾斜面を有し、該傾斜面の幅が取り扱う容器口径の最小値から最大値まで対応できる大きさとして構成したことを特徴とする容器充填装置。
請求項1から3のいずれか一項に記載する容器充填装置において、前記充填バルブをガス入り充填液とガス無し充填液の両方を兼用して充填できる兼用形として、胴径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して容器胴部を保持できるとともに充填液がガス入り充填液とガス無し充填液の何れも場合でも型替え無しで兼用して充填できるように構成したことを特徴とする容器充填装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1によれば、回転テーブルに昇降式びん台を設け、びん台上の容器の高さに適合して容器の首部を把持するグリッパを設けて、びん台上の容器を前記グリッパによって充填バルブにセンタリングしながら、回転テーブルの回転中に充填バルブから容器内に充填液を充填する回転式充填装置において、容器の大きさが変更となり、その高さが変わった場合でも、容器の首部をグリッパで把持することにより対応できるとし、一般に容器の首部の大きさの変動量は小さいが、容器の胴部の大きさの変動量は大きいので、充填装置の容器変更に対する汎用性が高いとしている。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1の技術では、グリッパが比較的高い剛性を有する容器口部を対象としており、強いグリップ力にするため構造が複雑であるので、グリッパの製作コストが高くなるという恐れがあり、さらに、容器口部の大きさが胴部の大きさに近くて大きく、剛性が低い容器口部を有する薄肉缶等の容器を対象とすることはできない恐れがある。
また、前記特許文献1の技術では、前記薄肉缶等の容器口径或いは容器胴径の変動量が比較的大きい場合の汎用性については技術開示されていない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み、首部を有していなくて、口部が胴部の大きさに近くて大きく、剛性が低い薄肉缶等の容器の場合でも、容器胴径(或いは容器口径)が小さいものから大きいものまでを型替え無しで兼用して容器を保持でき、また、ガス入り充填液とガス無し充填液の両方に対しても型替え無しで兼用して充填できる兼用性が高い(万能の)容器充填装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の容器充填装置は、回転円板に円周等分に配置され、回転円板が回転している間に容器台上の容器に充填液を充填する充填バルブを備えた回転式の容器充填装置において、充填後の容器を容器台から搬送コンベヤに排出するように作用する固定加速アームと、閉時はばね等の付勢力によって前記固定加速アーム側へ容器胴部を挟むように作動し、開時はカム等によって前記固定加速アーム側と反対方向に容器胴部の挟みを開放するように作動する揺動可能な可動アームとから成る容器胴部保持手段と、容器の口部を前記充填バルブの下部に係合させる際に、容器の中心が前記充填バルブの中心と合うようにセンタリングするセンタリング手段を備えて、前記固定加速アームおよび前記可動アームが容器胴部と係合する箇所を取り扱う容器胴径の最小値から最大値まで対応できる形状にするとともに、前記ばね等の付勢力を容器が前記回転円板の回転時の遠心力によって動かない程度に容器胴部を軽く挟む力にして、前記センタリング手段による容器センタリングの際、前記容器の中心と前記充填バルブの中心に偏心が生じている場合でも、センタリングされつつある容器口部を基にして、前記ばね等の付勢力に打ち勝って容器台上の容器胴部がセンタリングされるようにして、胴径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して充填できるように構成したことを特徴とする。
【0009】
(2)第2の手段の容器充填装置は、前記第1の手段の容器充填装置において、前記ばね等の付勢力を調整できるように構成したことを特徴とする。
【0010】
(3)第3の手段の容器充填装置は、前記第1および第2の手段の容器充填装置において、前記容器口部と係合してセンタリングする前記センタリング手段のシートパッキンを、前記容器口部のセンタリングに適合した傾斜面を有し、該傾斜面の幅が取り扱う容器口径の最小値から最大値まで対応できる大きさとして構成したことを特徴とする。
【0011】
(4)第4の手段の容器充填装置は、前記第1から第3の手段の容器充填装置において、前記充填バルブをガス入り充填液とガス無し充填液の両方を兼用して充填できる兼用形として、胴径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して容器胴部を保持できるとともに充填液がガス入り充填液とガス無し充填液の何れも場合でも型替え無しで兼用して充填できるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係わる本発明は、容器充填装置において、前記可動アームをばね等の付勢力によって前記固定加速アーム側へ作動させて容器胴部を挟むに当って、前記固定加速アームおよび前記可動アームが容器胴部と係合する箇所を取り扱う容器胴径の最小値から最大値まで対応できる形状にするとともに、前記ばね等の付勢力を容器が回転円板の回転時の遠心力によって動かない程度に容器胴部を軽く挟む力にして、容器口部を前記充填バルブに係合させる際に、容器中心と前記充填バルブ中心に偏心が生じている場合でも、前記ばね等の付勢力に打ち勝って容器胴部が前記充填バルブ中心にセンタリングされるようにしたことにより、胴径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して充填できるという効果を有する。
【0013】
請求項2に係わる本発明は、請求項1に記載する容器充填装置において、前記ばね等の付勢力を調整できるように構成したことにより、前記ばね等の付勢力で容器が回転円板の回転時の遠心力によって動かない程度に容器胴部を軽く挟む力を、容器胴部の前記充填バルブ中心へのセンタリングに適合する力に予め調整しておくことができるという効果を有する。
【0014】
請求項3に係わる本発明は、請求項1および2に記載する容器充填装置において、前記容器口部と係合してセンタリングする前記センタリング手段のシートパッキンを、前記容器口部のセンタリングに適合した傾斜面を有し、該傾斜面の幅が取り扱う容器口径の最小値から最大値まで対応できる大きさとして構成したことにより、容器口径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して充填できるという効果を有する。
【0015】
請求項4に係わる本発明は、請求項1から3に記載する容器充填装置において、前記充填バルブをガス入り充填液とガス無し充填液の両方を型替え無しで兼用して充填できるものとしたことにより、1台の容器充填装置において、胴径が異なった容器の場合でも型替え無しで兼用して容器胴部を保持できるとともに充填液がガス入り充填液とガス無し充填液の何れも場合でも型替え無しで兼用して充填できる万能性を有するという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
(発明の実施の形態)
本発明の実施の形態を
図1から
図8に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる容器充填装置を配置したラインの部分平面図である。
図2は、
図1の記号10(容器胴部保持手段)の拡大平面図である。
図3は、
図2のIII−III断面図で、一部断面図としてある。
図4は、
図2の容器胴部保持手段の容器胴部保持開始時の作用を説明する図である。
図5は、
図2の容器胴部保持手段の容器胴部保持解放時の作用を説明する図で、
図4に相当する図である。
図6は、
図1の記号6(充填バルブ)の正面図で、一部断面図としてあり、充填バルブが閉状態の場合を示している。
図7は、
図6に示す充填バルブにおいて、容器口部がシールされ、充填バルブが開状態の場合を示している。
図8は、
図7のVIII矢視図で、要部のみを示しており、一部断面図としてある。
【0019】
図1において、供給コンベヤ51で矢印F1方向へ搬送される空の容器(以下、容器の一例として缶を取り上げて説明し、缶と称することがある)Cは、タイミングスクリュー51Sにより所定の間隔に空けられて、スターホイール50を介して図示位置56で回転式容器充填装置(以下、一例として缶充填装置を取り上げて説明し、缶充填装置と称することがある)1の回転円板1Rに円周等分に設けられた充填バルブ6に対応した容器台(以下、容器が缶の場合に缶台と称することがある)14上に送り込まれるとともに充填バルブ6に対応した容器胴部保持手段10により胴部(以下、容器が缶の場合に缶胴と称することがある)を保持され、回転円板1Rが矢印1aの方向へ回転している間に充填バルブ6により充填液を充填された後、図示位置58で容器胴保持手段(以下、容器が缶の場合に缶胴保持手段と称することがある)10の後述する固定加速アーム11により缶台14からコンベヤ52へ排出されていくようになっている。
【0020】
コンベヤ52に排出された缶Cはコンベヤ52のフィンガーチェン52Fにより所定ピッチに保たれて、缶シーマ53に取り込まれ、図示しない缶蓋を巻き締めされた後、排出コンベヤ54へ排出されて、矢印F2方向の次工程へ搬送されていくようになっている。
ここで、フィンガーチェン52Fのピッチ間隔は、缶シーマ53のピッチ間隔との関係上、該缶充填装置1の充填バルブ6のピッチ間隔よりも大きく設定されている。
【0021】
図2および
図3において、缶胴保持手段10は、前記回転円板1Rに組み付けられた支持部15に軸12およびスペーサ13を介して取り付けられた2枚の固定加速アーム11と、支持部15の孔16に回転摺動自在の軸22の上部に固定された可動アーム21と、後述する引張りばね30によって主に構成されている。
なお、前記缶台14は、前記支持部15に取付けられている。
ここで、
図2および
図3においては、取り扱う缶の胴径の最小値の場合を図示実線の缶SCで示し、取り扱う缶の胴径の最大値の場合を図示二点鎖線の缶LCで示しているが、以下の説明の際には、取り扱う缶胴径の最小値から最大値までの缶を、缶SCおよび缶LCを含めて缶Cと称することがある。
【0022】
前記軸22の下部にはレバー23が取り付けられ、レバー23にはピン29が取り付けられている。一方、支持部15側には、ピン31が設けられていて、引張ばね30がピン29とピン31に懸架されており、缶Cの胴部は固定加速アーム11と引張ばね30の付勢力により固定加速アーム11側へ閉じるように作動する可動アーム21によって挟まれて保持されるようになっている。
【0023】
前記ピン31は、前記支持部15に取付けられたスライド受け33の段差部の溝を摺動するスライド38に取付けられている。前記スライド38には係合部37が設けられており、前記係合部37がスライド受け33に明けられたねじ孔36を貫通しているボルト34と係合して、ボルト34を廻すことによりスライド38が前後進するようになっていて、前記引張ばね30のばね強さを調整できるようになっている。即ち、前記引張りばね30は設定長さの変更調整により付勢力を変更調整できるように構成されている。
なお、ボルト34は位置決め用のナット35によってスライド受け33の端面に密着してスライド38の位置固定をするようになっている。
【0024】
前記レバー23の他端には軸25に軸支されたローラ24が設けられており、ローラ24が該缶充填装置1の図示しない固定フレームに取り付けられたカム26の軌道261に係合案内されると、可動アーム21が軸22を支点として固定加速アーム11の反対側に開くように作動して、胴部を保持されていた缶Cが開放されるようになっている。
【0025】
前記固定加速アーム11は、曲線部111が取り扱う缶Cの胴径の最小の場合(缶SCの場合)に適合する曲率半径となっており、これより直径が大きく、前記取り扱う缶Cの胴径が最大の場合(缶LCの場合)には図示のように2点で係合されるような形状になっている。
一方、可動アーム21は湾曲部211を持った形状となっており、缶SCの場合でも、缶LCの場合でも、図示のように、先端部212の近辺で、胴部が係合されるようになっている。
【0026】
なお、
図2および
図3において、缶SC或いは缶LCが、固定加速アーム11と実線或いは二点鎖線で示した可動アーム21との間に挟まれて胴部を保持されている状態を示している。
また、
図2においては、缶SCの中心SCcと後述する充填バルブ6の中心6cとが偏心している場合、缶LCの中心LCcと後述する充填バルブ6の中心6cとが同心である場合を示しており、缶Cの中心と充填バルブの中心については後述する。
さらに、
図3に示した缶SCの缶口部SC1および缶LCの缶口部LC1と充填バルブ6の下部との係合についても後述する。
【0027】
また、レバー23にはストッパピン27が取り付けられており、図示しない固定フレームに取り付けられたストッパ受け28にストッパピン27が当接することによりレバー23の揺動が規定以上に閉の状態にならないように規制されている。
【0028】
なお、カム26の軌道は、
図1に示す位置55では、可動アーム21が固定加速アーム11側へ閉じるように作動し始め、
図1に示す位置56にくると、可動アーム21が固定加速アーム11との間で缶Cの胴部を挟んで保持するように設定されており、また、
図1に示す位置57では、可動アーム21が固定加速アーム11側から反対方向の開方向へ作動し始め、
図1に示す位置58にくると、缶Cが可動アーム21による胴部の挟みから開放されるように設定されている。
【0029】
ここで、前記引張ばね30の付勢力は、
図1に示す回転円板1Rの回転時の遠心力によって缶Cが動かされない程度に軽い状態で缶Cの胴部を挟むようになっている。
即ち、缶胴保持手段10による缶Cの胴部保持力は適宜に軽い状態となっているが、缶Cの胴径の大きさの兼用範囲によって、または、缶胴の剛性強さによって、或いは、後述する充填バルブ6の下部と缶Cの口部との係合の際のセンタリング性によって、前記缶胴を挟む力を調整する必要がある場合には、前記ボルト34と前記スライド38との位置決め調整によって、引張ばね30のばね長さの設定変更調整をして、ばね強さを予め適宜設定しておくことができるようになっている。
【0030】
次に、前記充填バルブ6について、
図6、
図7を基に説明する。
図6および
図7において、充填バルブ6は、充填液通路66を有し、図示しないフレームに固定されたバルブ本体69と一体形成の内筒65、および、該内筒65の内側に配置され、該内筒65の液弁シール面65sとの離合により充填液通路を開閉する液弁パッキン64pを有する液弁64等から成っており、液弁開閉部より下部の充填液通路の充填ノズル口65fから充填液が缶C(図示実線の缶SCまたは図示二点鎖線の缶LC等)に充填されるようになっている。
なお、前記バルブ本体69には、図示しない液タンクからの液配管83が接続されており、前記充填液通路66に充填液が供給されるようになっている。
ここで、
図6は液弁64が閉状態を示し、
図7は液弁64が開状態となって充填液が充填される状態を示している。
【0031】
前記液弁64は、図示のように、上方で前記バルブ本体69に液密に固定されたハウジング77を介して、ハウジング77上の架台76に取り付けられたアクチュエータ75の可動部に固定部品75tを介して取り付けられており、前記アクチュエータ75の作動により上下動して、前記液弁パッキン64pが前記液弁シール面65sと離合するようになっている。なお、前記液弁64は前記ハウジング77に対して液密に摺動するようになっている。
また、前記液弁64には、充填液整流のための4個の整流羽根64vが付属されている。
【0032】
前記内筒65の外周側で前記バルブ本体69の下部には外筒67が気密に取り付けられ、前記内筒65の外周側と前記外筒67の内周側との間には隙間67cが形成されてガス入り充填液を充填する際はカウンタ通路となっており、該隙間67cは配管81と接続され、開閉弁81vを介して図示しない液タンク内の加圧ガスが前記67c、前記外筒67の内周側下部に設けられた孔67hを通じて缶C内にカウンタガスとして供給されるようになっている。なお、後述するように、ガス無し(ノンガスとも称する)充填液を充填する際には前記隙間67cおよび孔67hはベント通路にもなる。
【0033】
前記外筒67の円筒部内側には、缶台14上の缶Cの缶口部(図示では缶SCの缶口部SC1或いは缶LCの缶口部LC1)とシール係合するシールパッキン62pを有するセンタリングベル62が配置されていて、前記センタリングベル62は外周面が前記外筒67の円筒部内側の外径側と気密状態で、後述するローラ78r等の上下動により上下方向に摺動して昇降するようになっている。
なお、前記シールパッキン62pの前記缶口部(図示では缶口部SC1或いは缶口部LC1)との傾斜シール面62paは、取り扱い対象の缶Cの缶口部(前記缶口部SC1から前記缶口部LC1までの缶口部)の何れにも適正な状態で接触シールし、後述するセンタリングができるような傾斜角と幅を有している。
【0034】
前記センタリングベル62の内周部と前記外筒67の円筒部内側の内径側との間には隙間67gが形成されており、該隙間67gは、ガス入り充填液を充填後の缶C内に溜まっている圧力ガスが通るスニフト通路となって、外筒67に設けられた孔67v、配管82および開閉弁82vを経由して圧力ガスがスニフト(排出)されるようになっている。
【0035】
前記センタリングベル62には溝62gにばね材から成るフック71が装着されており、前記センタリングベル62の段差部62sと前記フック71の間にフランジ72が嵌装され、さらに、ガイド軸78の下方が締結具78mによって前記フランジ72に締め付けられている。
また、前記ガイド軸78は、該ガイド軸78に固定して取り付けられたブラケット78cに付属している軸に回動自在に取り付けられているローラ(カムフォロワ)78rが、図示しないカムと係合案内されることにより昇降され、図示しない固定フレームに取り付けられているガイドプレート79に嵌装された図示しない摺動ガイド、および、バルブ本体69のフランジ69fに嵌装された図示しない摺動ガイドに案内されるようになっている。
なお、前記図示しないカムは、該缶充填装置1において
図1に示す矢印1a方向の回転の所定区間に設けられており、前記充填バルブ6による缶Cへの充填終了後の所定区間で前記ガイド軸78を上昇させるように、カム軌跡が設定されている。
【0036】
さらに、前記ガイド軸78は、上方部が締付具78nによってプレート74に締め付けられている。また、前記ガイドプレート79にはアクチュエータ73がブラケット73bを介して取り付けられており、該アクチュエータ73の作動により、軸73s、プレート74を介して前記ガイド軸78が昇降されるようになっている。
【0037】
なお、前記充填バルブ6は、図示しない昇降駆動装置によって、前記缶Cの高さに応じて適正な位置に昇降して位置決めできるようになっている。即ち、缶Cは、高さ位置が固定となっている前記缶台14に缶底が載置されて、缶Cの高さに対応する充填バルブ6の高さ位置は前記図示しない昇降駆動装置によって位置決めが行われるようになっている。
【0038】
次に、本発明の実施の形態に係わる缶充填装置(容器充填装置)1の作用を説明する。
先ず、
図4を基に缶胴保持手段10について缶Cの胴部を保持する作用を説明する。
図4(a)は、
図1に示す位置55において、スターホイール50で搬送されてきた缶Cが缶胴保持手段10で保持される直前の状態を示し、
図4(b)は、
図1に示す位置56において、スターホイール50で搬送されてきた前記缶Cが缶胴保持手段10により保持された直後の状態を示す。
前記回転円板1Rがスターホイール50との同期回転により
図1に示す位置55から
図1に示す位置56へ回転する間に、スターホイール50で搬送されてきた缶Cと缶胴保持手段10とが係合し、
図1に示す位置56において、可動アーム21が引張ばね30の作用により開から閉の方向へ揺動して缶Cを挟んで保持する。
なお、
図4(a)および
図4(b)に示す二点鎖線14rおよび二点鎖線50rは、それぞれ前記缶台14の回転軌跡およびスターホイール50における缶Cの搬送軌道を示している。
【0039】
前記位置56で缶胴保持手段10によって保持された缶Cは、前記位置56から位置57への回転の間に、缶Cの缶口部が充填バルブ6の下部と後述するセンタリングおよび密封シールされて、前記充填バルブ6から充填液が充填される。
ここで、説明の便宜上、缶SCについて、先ずガス入り充填液を充填する場合を取り上げて説明する。
缶SCにガス入り充填液を充填する場合は、缶SCが前記
図1に示す位置56近辺にくると、前記ガイド軸78が図示しないカムに係合案内されたローラ78r、ブラケット78cを介して下降し、前記ガイド軸78と一体で昇降作動するセンタリングベル62が下降することによって、シールパッキン62pが容器SCの缶口部SC1に当接する。
【0040】
図8に示すように、前記缶口部SC1と前記シールパッキン62pとの当接に際して、缶台14に載置されている缶SCが二点鎖線で示す胴部SCbの状態になっている缶SCの中心SCcと、充填バルブ6の中心6cとが同心でない(偏心している)場合には、缶SCが缶胴保持手段10の固定加速アーム11と可動アーム21によって前記説明のように軽く挟む程度に保持されている状態であるので、缶口部SC1が、シールパッキン62pの傾斜しているシール面62paと接触して係合する際に、前記シール面62paの傾斜部に沿って矢印Aの方向に移動し、缶SCが実線で示す胴部SCaの状態になって、缶SCの中心SCcと充填バルブ6の中心6cとが同心の状態にセンタリングされる。
【0041】
前記説明のように缶SCがセンタリングされて、容器SC内がシールパッキン62pによって密封シールされた後、図示しない制御装置からの指令により開閉弁82vは閉のままで、開閉弁81vが所定時間開となって図示しない液タンク内の圧力ガスが隙間67c、孔67hを通して缶SC内に供給され、缶SC内の圧力が前記液タンク内のガス圧力と同じになった後、図示しない制御装置からの指令により、開閉弁81vが閉となり、アクチュエータ75が作動して液弁64が上昇し、液弁パッキン64pが液弁シール面65sから離れて充填液通路が
図7に示すように開となり、充填液が缶SC内に所定量充填されて、制御装置からの指令により液弁64が前記アクチュエータ75の作動により閉の状態になって充填液の流下が停止となる。
【0042】
缶SC内への充填液流下停止後、図示しない制御装置からの指令により開閉弁82vが開となって、充填された缶SC内の上方の圧力ガスが隙間67g、孔67v、配管82、開閉弁82vを経由してスニフトされ、充填された缶SC内が大気と同じ圧力になった後、図示しないカムの軌跡によりローラ78rを介してガイド軸78が上昇し、前記センタリングベル62と缶SCの缶口部SC1との密封シールが解除されて、充填が完了する。
充填が完了した缶SCは、後述する
図5(a)および
図5(b)に示すように、缶胴保持手段10での保持が開放されていく。
【0043】
なお、前記説明は、缶SCを対象にした場合を説明したが、缶胴径が缶SCと缶LCの中間の大きさの場合でも同様で、また、缶LCの胴部を缶胴保持手段10によって保持する際に缶LCの中心LCcが充填バルブ6の中心6cと若干ずれている場合も同様に、センタリングおよび密封シールされた後充填液が充填されるが、重複する内容となるので、詳細説明は省略する。
【0044】
図5(a)は、
図1に示す位置57において充填バルブ6による充填完了後の缶SCが可動アーム21による保持状態から開放状態に移行する直前の状態を示し、
図5(b)は、
図1に示す位置58において前記充填完了後の缶SCを固定加速アーム11によってコンベヤ52に排出する状態を示している。
前記回転円板1Rが前記位置57から前記位置58へ回転する間に、可動アーム21が引張ばね30の作用に抗してローラ24とカム26の作用により閉から開の方向へ揺動して、缶SCを保持状態から開放状態にするように作用し、
図1に示す位置58において固定加速アーム11の缶胴係合箇所から缶SCをコンベヤ52の搬送方向へ加速排出する。
なお、
図5(a)および
図5(b)に示す二点鎖線14rおよび二点鎖線52cは、それぞれ缶台14の回転軌跡およびコンベヤ52における缶SCの搬送軌道を示しており、二点鎖線14rが二点鎖線52cよりオフセットされた状態を示している。
【0045】
なお、フィンガーチェン52Fのピッチ間隔が該缶充填装置1の充填バルブ6のピッチ間隔よりも大きく設定されているため、シーマ53において該缶充填装置1とのピッチの相関関係を調整する装置、即ち、図示しないインモーションタイマにより調整を行っているが、詳細説明は省略する。
前記説明は、
図2から
図5において缶SCを保持および開放する状態を説明したが、缶LCの場合、或いは、取り扱う缶の胴径の最小値から最大値までの間の缶Cも同様であるので、重複する説明は省略する。
本実施の形態によれば、缶SCから缶LCまで間のどのような胴径の缶Cにも対応して缶胴を保持することができるとともに、固定加速アーム11によりコンベヤ52へ缶Cを加速して排出することができる。
【0046】
前記説明では、缶Cに充填する充填液がガス入り充填液の場合について説明したが、充填液がガス無し充填液の場合でも、前記充填バルブ6を適用することができる。
この場合には、開閉弁81vを開にしておき、センタリングベル62を下降させて、缶Cに対しては、前記ガス入り充填液を充填する場合と同様に、シールパッキン62pによって缶Cをセンタリングおよび密封シールした後、液弁64を開にすると、図示しない液タンクの液面上の空間が大気圧であるので、重力落下により充填液が缶C内に充填されるとともに、缶C内の空気が孔67h、隙間67c、配管81、開閉弁81vを介して図示しない液タンク内の上部空間にベント(排出)される。
【0047】
なお、ガス無し充填液の充填については、充填液の種類と缶の種類によっては、シールパッキン62pを缶Cの口部に密封シールしないで充填する(ノンシール充填とも称する)場合もある。
ノンシール充填の際には、前記ローラ78rが前記図示しないカムと係合しない状態にし、アクチュエータ73の作動により、プレート74、ガイド軸78を介してセンタリングベル62を上昇状態のままにする等にして、充填バルブ6の下部と缶Cの口部とを非接触状態(ノンシール状態)で、充填バルブ6の中心と缶Cの中心とのセンタリングをしないままで、充填バルブ6から缶Cに充填液を充填することもできる。
このように、本実施の形態の缶充填装置では、充填バルブ6の下部と缶Cの口部とを接触状態(シール状態)のシール充填と、前記ノンシール充填とを兼用することもできる。
【0048】
前記説明のように、本実施の形態においては、缶SCから缶LCまでの缶Cの缶口径および胴径の種類に対する兼用性、および、缶Cの高さの種類に対する兼用性、並びに、前記缶Cの何れの種類に対してもガス入り充填液とガス無し(ノンガス)充填液の充填液種に対応できる兼用性、シール充填とノンシール充填の兼用性があるため、缶Cの種類或いは充填液の種類の変更が必要な場合でも、所謂型替え無しで充填することができるので、生産性を大幅に向上させることができるとともに、生産形態の多様化に対応できて、万能性を有する缶充填装置(容器充填装置)を提供できる。