(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207055
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】水冷式ストーカの水冷火格子
(51)【国際特許分類】
F23H 3/02 20060101AFI20170925BHJP
F23H 7/08 20060101ALI20170925BHJP
F23G 5/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
F23H3/02 BZAB
F23H7/08 A
F23G5/00 109
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-111189(P2013-111189)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-228262(P2014-228262A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133032
【氏名又は名称】株式会社タクマ
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 考太郎
(72)【発明者】
【氏名】秋山 仁
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−033212(JP,A)
【文献】
米国特許第06269756(US,B1)
【文献】
韓国登録特許第1144236(KR,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0192500(US,A1)
【文献】
特開2011−237166(JP,A)
【文献】
特表2010−537150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23H 3/02
F23G 5/00
F23H 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火格子本体内に冷却水を流す水冷管を鋳込んだ水冷火格子を並列状に組み合せて成る可動火格子段と固定火格子段とを交互に階段状に配置して成る水冷式ストーカの水冷火格子において、前記火格子本体の内部に配置される水冷管は略水平とし、当該水冷管の火格子本体の先端部内に配置される部分は、熱負荷の高い火格子本体の前端面を冷却できるように水平面に対して30度以下の角度で斜め下方へ傾斜させて配置し、また、前記火格子本体は、水冷管の先端部の傾斜角度が水平面に対して30度以下となるようにその高さを低く抑えた平面形状が矩形状の火格子本体としたことを特徴とする水冷式ストーカの水冷火格子。
【請求項2】
水冷管を、断面形状が円形の高温配管用炭素鋼管としたことを特徴とする請求項1に記載の水冷式ストーカの水冷火格子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に都市ごみや産業廃棄物等のごみを焼却処理するストーカ式焼却炉に用いる水冷式ストーカの水冷火格子の改良に係り、特に、冷却水を流す水冷管を鋳込んだ水冷火格子において、高さを低く抑えた水冷火格子の内部に水冷管を略水平に配置することによって、水冷管の内部に気泡が溜まらず、冷却効果が高くなって安全性及び耐久性に優れていると共に、安価に製造できるようにした水冷式ストーカの水冷火格子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ストーカ式焼却炉においては、高カロリーのごみを焼却処理する場合や排ガス量低減や排熱回収の効率向上を図るために低空気比燃焼を行う場合、炉内の燃焼温度が上昇するため、ストーカを構成する火格子が高温になり、従来の空冷火格子を用いた空冷式ストーカでは、火格子が焼損して火格子の耐用期間が短くなると云う問題があった。
【0003】
そのため、空冷火格子を用いた空冷式ストーカに替え、冷却効率が高い水を冷却媒体として使用する水冷火格子を用いた水冷式ストーカの開発が多方面で進められており、実用に供されている。
【0004】
従来、水冷式ストーカの水冷火格子としては、例えば、特許第2948165号公報(特許文献1)、特許第3838639号公報(特許文献2)、特許第3961790号公報(特許文献3)、欧州特許第0633565号明細書(特許文献4)、特許第3285874号公報(特許文献5)、特許第3876133号公報(特許文献6)、特許第2941753号公報(特許文献7)及び特開2000−104913号公報(特許文献8)に開示された構造のものが知られている。
【0005】
即ち、特許文献1に記載された水冷火格子は、冷却水管に冷却フィンを取り付け、冷却フィンを収納する空間を設けた火格子を、冷却フィンに嵌合するように冷却水管上に載置したものである。また、火格子と冷却フィン及び冷却水管との間の隙間に熱伝導性に優れたモルタルを充填し、冷却効果を損なわないようにしている。
【0006】
特許文献2に記載された水冷火格子は、水冷管を内蔵した水冷ブロックを火格子の先端部裏面に嵌め込んだものである。また、火格子と水冷ブロック体との間の隙間に熱伝導性に優れた充填材(モルタル)を充填又は塗布し、冷却効果を損なわないようにしている。
【0007】
特許文献3に記載された水冷火格子は、火格子本体の上壁及び前壁の裏面側に水冷管挿入溝を形成し、当該水冷管挿入溝に水冷管を嵌め込んで水冷管の外壁面を水冷管挿入溝の内壁面へ密着させたものである。
【0008】
特許文献4〜6に記載された水冷火格子は、火格子の内部に冷却水を流す通路を設け、当該通路に冷却水を流して火格子を直接的に冷却するようにしたものである。
【0009】
特許文献7に記載された水冷火格子は、ごみの移動方向に合致する火格子の縦方向に対して横方向に蛇行する冷却管を火格子内に鋳込み、火格子を直接的に冷却するようにしたものである。
【0010】
特許文献8に記載された水冷火格子は、火格子の縦方向に曲折形状に走行するパイプを火格子内に鋳込み、火格子を直接的に冷却するようにしたものである。
【0011】
上述した各水冷火格子は、冷却媒体に冷却水を使用しているため、空冷火格子に比較して冷却性能に極めて優れている。
【0012】
しかし、特許文献1〜3に記載された水冷火格子は、何れも火格子を間接的に冷却しているため、火格子を直接的に冷却する水冷火格子に比較して冷却効率が低いと云う問題がある。
【0013】
また、特許文献1,2に記載された水冷火格子は、冷却効果を高めるために火格子と冷却フィン及び冷却水管との間の隙間や火格子と水冷ブロック体との間の隙間に熱伝導率の高いモルタルを充填するようにしているが、所詮モルタル部分の熱抵抗があるため、冷却効率は直接冷却と比べると劣ることになる。
【0014】
更に、特許文献1〜3に記載された水冷火格子は、施工の良否、外力や熱膨張によって火格子と冷却水管(又は冷却フィン)や火格子と水冷ブロック体との間に僅かでも隙間が生じると、大きな熱抵抗となり、冷却効率が更に低下することになる。
【0015】
更に、特許文献4〜6に記載された水冷火格子は、火格子に冷却水の通路を設けて火格子を直接的に冷却しているため、火格子を間接的に冷却するものに比較して冷却効率が高くなっているが、火格子に外力や熱応力が作用して火格子本体に亀裂が生じた場合、冷却水が外部へ漏れると云う不具合が発生する。
【0016】
更に、特許文献7,8に記載された水冷火格子は、火格子内に冷却管やパイプを鋳込み、火格子を直接的に冷却しているため、冷却効率が高いものになっている。また、火格子本体と冷却管やパイプとは一体となっているが、組織的には別物となっているため、火格子に外力や熱応力が作用して火格子本体に亀裂が生じた場合でも、すぐに冷却水が外部へ漏れると云うことがない。
【0017】
しかし、特許文献7,8に記載された水冷火格子は、何れも火格子本体の高さが高く、火格子先端部で冷却管やパイプが鉛直下向きに配管(配置)される構造、即ち、冷却水が火格子先端部で鉛直方向下向きに流れることになり、火格子先端の冷却管上部やパイプ上部に気泡が溜まり易い構造となっている。
特に、火格子の先端部は、熱負荷が高いため、火格子先端の冷却管やパイプ上部に気泡が溜まると、冷却効率が著しく低下することになる。
【0018】
また、特許文献7,8に記載された水冷火格子は、何れも冷却水の給水管及び排水管が火格子下面から下向きに配置されており、排水管内の冷却水が鉛直方向下向きに流れるため、排水配管の上部に気泡が溜まり、冷却効率が低下する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許第2948165号公報
【特許文献2】特許第3838639号公報
【特許文献3】特許第3961790号公報
【特許文献4】欧州特許第0633565号明細書号公報
【特許文献5】特許第3285874号公報
【特許文献6】特許第3876133号公報
【特許文献7】特許第2941753号公報
【特許文献8】特開2000−104913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、冷却水を流す水冷管を鋳込んだ水冷式ストーカの水冷火格子において、高さを低く抑えた水冷火格子の内部に水冷管を略水平に配置することによって、水冷管の内部に気泡を溜まり難くし、冷却効果が高くなって安全性及び耐久性に優れ、しかも、安価に製造できるようにした水冷式ストーカの水冷火格子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、
火格子本体内に冷却水を流す水冷管を鋳込んだ水冷火格子を並列状に組み合せて成る可動火格子段と固定火格子段とを交互に階段状に配置して成る水冷式ストーカの水冷火格子において、
前記火格子本体の内部に配置される水冷管は略水平とし、当該水冷管の火格子本体の先端部内に配置される部分は、熱負荷の高い火格子本体の前端面を冷却できるように水平面に対して30度以下の角度で斜め下方へ傾斜させて配置し、また、前記火格子本体は、水冷管の先端部の傾斜角度が水平面に対して30度以下となるようにその高さを低く抑えた平面形状が矩形状の火格子本体としたことに特徴がある。
【0022】
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、
水冷管を、断面形状が円形の高温配管用炭素鋼管としたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0025】
本発明の水冷式ストーカの水冷火格子は、火格子本体と、火格子本体内に一体的に鋳込まれた水冷管とから成り、火格子本体の高さを低く抑え、火格子本体の内部に水冷管を略水平に配置しているため、水冷管の内部に気泡が溜まると云うことがなく、高い冷却効率が得られる。
【0026】
また、本発明の水冷式ストーカの水冷火格子は、火格子本体の高さを、略水平に配置された水冷管の冷却効果が得られる高さとし、また、水冷管の火格子本体の先端部内に配置された部分を、斜め下方へ傾斜させて配置し、その傾斜角度を水平面に対して30度以下に設定しているため、水冷管の火格子本体の先端部内に位置する部分に気泡が溜まるのを抑制することができ、熱負荷の高い火格子本体の前端面を効率良く冷却することができる。
【0027】
更に、本発明の水冷式ストーカの水冷火格子は、水冷管の両端部を火格子本体の後端面から水平姿勢で突出させ、水冷管の一方の端部を給水管とすると共に、水冷管の他方の端部を排水管としているため、給水管及び排水管が水平姿勢となるので水冷管に気泡がより溜まり難くなり、より高い冷却効率が得られる。
【0028】
更に、本発明の水冷式ストーカの水冷火格子は、水冷管を断面形状が円形の炭素鋼管としているため、水冷管内の冷却水の流れによどみ部が生じ難くなって均一な冷却水の流れとなり、均一な冷却効果が得られると共に、安価に製造することができる。
また、パイプを曲げ加工して冷却水の流路を形成することで均一断面でよどみを生じ難く、いろいろな形状に対応できると共に、管ピッチを変えることにより冷却効果を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係る水冷火格子を用いた水冷式ストーカを有するストーカ式焼却炉の一部切欠斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る水冷火格子の側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る水冷火格子の平面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る水冷火格子の底面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る水冷火格子の背面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る水冷火格子の側面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る水冷火格子の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る水冷火格子を用いた水冷式ストーカを有するストーカ式焼却炉を示し、当該ストーカ式焼却炉は、炉本体1と、ごみが投入されるごみ投入ホッパ2と、炉内へごみを供給する給じん装置3と、ごみを乾燥・燃焼させる水冷式ストーカ4と、水冷式ストーカ4の下方位置に配置した複数のストーカ下ホッパ5と、各ストーカ下ホッパ5に接続された空気ダクト6と、水冷式ストーカ4の下流側に設けた灰シュート7等から構成されており、ごみ投入ホッパ2から給じん装置3を介して炉内の水冷式ストーカ4上に供給したごみを、空気ダクト6から各ストーカ下ホッパ5を経由して水冷式ストーカ4の下方から供給される燃焼用空気により水冷式ストーカ4上で乾燥・燃焼させると共に、焼却後の灰を灰シュート7から排出するようにしたものである。
【0031】
前記水冷式ストーカ4は、ごみの流れ方向に乾燥ストーカ4a、燃焼ストーカ4b、後燃焼ストーカ4cに分割されており、燃焼用空気がストーカ下ホッパ5を介して各ストーカ4a,4b,4cの下から送り込まれている。
【0032】
各ストーカ4a,4b,4cは、ごみの流れ方向に可動火格子段8と固定火格子段9とを交互に水平姿勢で配置すると共に、各火格子段8,9を上流側の火格子段の下面が下流側の火格子段の上面に重なるように階段状に配置することにより構成されており、これによりごみや灰の落下を防止している。
【0033】
また、各可動火格子段8及び各固定火格子段9は、水冷火格子10を並列状に並べて組み合わせることにより構成されており、可動火格子段8は火床フレームの可動バー11に、固定火格子段9は火床フレームの固定バー12にそれぞれボルト及びナット(図示省略)等により取り付けられている。
【0034】
更に、各可動火格子段8は、油圧シリンダ等の駆動装置(図示省略)により前後方向へ一定のピッチで往復動を行っており、各ストーカ4a,4b,4c上のごみを撹拌しながらごみを上流側から下流側へ移送するようになっている。
【0035】
そして、ごみの発熱量が低く、燃焼性が悪い場合には、各ストーカ4a,4b,4cの間に段差13を設け、ごみの反転、撹拌を行うことで効果的な焼却を行えるようになっている。
【0036】
尚、水冷火格子10は、ストーカの熱負荷が高い部分又はストーカの全てに設置するにしても良い。
また、
図1において、14は落下灰コンベヤ、15は起動バーナ、16はボイラ用水管である。
【0037】
図2〜
図6は可動火格子段8及び固定火格子段9を構成する本発明の実施形態に係る水冷火格子10を示し、当該水冷火格子10は、高さHを低く抑えた平面形状が矩形状の火格子本体17と、火格子本体17内に一体的に鋳込まれ、火格子本体17の内部に略水平に配置されて火格子本体17を平面的に均一に冷却する水冷管18とから成る。
【0038】
具体的には、前記火格子本体17は、鋳造により平面形状が長方形の板状に一体形成されており、長方形状の水平板部17aと、水平板部17aの先端部に下方へ傾斜する姿勢で連設され、前端面17e及び摺動面17fを有する傾斜板部17bと、水平板部17aの後端部裏面に連設され、火床フレームの可動バー11や固定バー12へ取り付けられる取り付け部17cとを備えている。
【0039】
また、火格子本体17は、取り付け部17cを除いた部分の高さHが低く抑えられている。即ち、水冷火格子10は、水冷管18を鋳込んだ水平板部17aと傾斜板部17bの高さHが低く抑えられており、その高さHは略水平に配置した水冷管18の冷却効果が得られる高さHに設定されている。
【0040】
尚、取り付け部17cは、水平板部17aの後端部裏面に垂直に連設された複数の垂直壁17′cと、各垂直壁17′cの下端部に水平板部17aに対して平行に連設された水平壁17″cとから成り、水平壁17″cには、火格子本体17を可動バー11や固定バー12へ取り付けるためのボルト(図示省略)が挿通される複数のボルト穴19が形成されている。
【0041】
一方、前記水冷管18は、一般に使用される断面形状が円形の炭素鋼管をU字形状に折り曲げ加工することにより形成されており、火格子本体17内に一体的に鋳込まれている。
この実施形態では、水冷管18は、2形状のU字形の水冷管18′,18″を組み合せて成り、内側の水冷管18′と外側の水冷管18″とが火格子本体17の内部に略水平姿勢で且つ火格子本体17を平面的に均一に冷却できるように配置されている。この両水冷管18′,18″は、火格子本体17の内部に略水平に配置されているため、両水冷管18′,18″の内部に気泡が溜まり難くなっている。
【0042】
また、水冷管18の火格子本体17の先端部に位置する部分は、火格子本体17の高さHを低く抑えても、必ず高さHが生じるため、熱負荷の高い火格子本体17の前端面17eを効率良く冷却するために火格子本体17の先端部である傾斜板部17bに斜め下方へ傾斜する姿勢で配置されている。この場合、水冷管18の火格子本体17の先端部に位置する部分の傾斜角度θは、水冷管18内に気泡が溜まることを抑制するために水平面に対して30度以下とすることが望ましい。
【0043】
更に、内側の水冷管18′及び外側の水冷管18″の両端部は、それぞれ火格子本体17の後端面17gから水平姿勢で外方へ突出しており、各水冷管18′,18″の一方の端部が給水管18a,18aとなっていると共に、各水冷管18′,18″の他方の端部が排水管18b,18bとなっている。
この実施形態では、給水管18a,18aと排水管18b,18bとは、平面視において交互に配置されている。
【0044】
そして、内側の水冷管18′及び外側の水冷管18″は、内側の水冷管18′の排水管18bと外側の水冷管18″の給水管18aとがエルボ管20及び短管21を介して接続されており、冷却水Wが内側の水冷管18′を通ってから外側の水冷管18″へ流入し、外側の水冷管18″を通って外側の水冷管18″の排水管18bから排出されるようになっている。
【0045】
尚、内側の水冷管18′の給水管18a及び外側の水冷管18″の排水管18bには、接続用のエルボ管20がそれぞれ接続されており、給水管18a側のエルボ管20は水冷式ストーカ4の下方に配設した冷却水給水管(図示省略)に接続され、また、排水管18b側のエルボ管20は水冷式ストーカ4の下方に配設した冷却水排出管(図示省略)に接続されている。
【0046】
上記の実施形態においては、内側の水冷管18′の排水管18bと外側の水冷管18″の給水管18aとをエルボ管20及び短管21で接続するようにしたが、他の実施形態においては、内側の水冷管18′の排水管18bと外側の水冷管18″の給水管18aとをホース継手及び耐熱性のホース(何れも図示省略)等で接続するようにしても良い。
【0047】
而して、上述した水冷火格子10によれば、冷却水Wは、水冷式ストーカ4の下方に配設した給水本管(図示省略)から冷却水給水管(図示省略)及び内側の水冷管18の給水管18aを通して内側の水冷管18′内へ供給され、内側の水冷管18′、エルボ管20、短管21、エルボ管20及び外側の水冷管18″を順次通って火格子本体17を冷却する。
火格子本体17を冷却することにより加熱された冷却水Wは、外側の水冷管18″の排水管18bから冷却水排出管(図示省略)を通して水冷式ストーカ4の下方に配設した排水本管(図示省略)へ排出される。
【0048】
上述した水冷火格子10は、火格子本体17の高さHを低く抑え、火格子本体17の内部に水冷管18を略水平に配置しているため、水冷管18の内部に気泡が溜まると云うことがなく、高い冷却効率が得られる。
【0049】
また、この水冷火格子10は、水冷管18の火格子本体17の先端部内に配置された部分を、斜め下方へ傾斜させて配置し、その傾斜角度を水平面に対して30度以下に設定しているため、水冷管18の火格子本体17の先端部内に位置する部分に気泡が溜まるのを抑制することができ、熱負荷の高い火格子本体17の前端面17eを効率良く冷却することができる。
【0050】
更に、この水冷火格子10は、水冷管18の両端部を火格子本体17の後端面17gから水平姿勢で突出させ、水冷管18の一方の端部を給水管18aとすると共に、水冷管18の他方の端部を排水管18bとしているため、給水管18a及び排水管18bが水平姿勢となるので水冷管18に気泡がより溜まり難くなり、より高い冷却効率が得られる。
【0051】
更に、この水冷火格子10は、水冷管18を一般に使用されている断面形状が円形の炭素鋼管としているため、水冷管18内の冷却水Wの流れによどみ部が生じ難くなって均一な冷却水Wの流れとなり、均一な冷却効果が得られると共に、安価に製造することができる。
【0052】
図7及び
図8は本発明の他の実施形態に係る水冷火格子10を示し、当該水冷火格子10は、高さHを低く抑えた平面形状が矩形状の火格子本体17と、火格子本体17内に一体的に鋳込まれ、火格子本体17の内部に略水平に配置されて火格子本体17を平面的に均一に冷却する水冷管18とから成る。
【0053】
具体的には、前記火格子本体17は、鋳造により平面形状が長方形の板状に一体形成されており、長方形状の水平板部17aと、水平板部17aの先端部に下向きに連設され、前端面17e及び摺動面17fを有する垂直板部17dと、水平板部17aの後端部裏面に連設され、火床フレームの可動バー11や固定バー12へ取り付けられる取り付け部17cとを備えている。
【0054】
また、火格子本体17は、取り付け部17cを除いた部分の高さHが低く抑えられている。即ち、水冷火格子10は、水冷管18を鋳込んだ水平板部17aと垂直板部17dの高さHが低く抑えられており、その高さHは略水平に配置した水冷管18の冷却効果が得られる高さHに設定されている。
【0055】
尚、取り付け部17cは、水平板部17aの後端部裏面に垂直に連設された複数の垂直壁17′と、各垂直壁17′の下端部に水平板部17aに対して平行に連設された水平壁17″とから成り、水平壁17″には、火格子本体17を可動バー11や固定バー12へ取り付けるためのボルト(図示省略)が挿通される複数のボルト穴19が形成されている。
【0056】
一方、前記水冷管18は、一般に使用される断面形状が円形の炭素鋼管をW字形状に折り曲げ加工することにより形成されており、火格子本体17内に一体的に鋳込まれている。
この実施形態では、水冷管18は、その曲がり部が全て曲げ加工により形成され、継手溶接を行わないことで、火格子本体17内部での水漏れの可能性が格段に少なくなっており、火格子本体17の内部に略水平姿勢で且つ火格子本体17を平面的に均一に冷却できるように配置されている。この水冷管18は、火格子本体17の内部に略水平に配置されているため、水冷管18内部に気泡が溜まり難くなっている。
【0057】
また、水冷管18の火格子本体17の先端部に位置する部分は、火格子本体17の高さHを低く抑えても、必ず高さHが生じるため、熱負荷の高い火格子本体17の前端面17eを効率良く冷却するために火格子本体17の水平板部17aの先端部及び垂直板部17dに斜め下方へ傾斜する姿勢で配置されている。この場合、水冷管18の火格子本体17の先端部に位置する部分の傾斜角度θは、水冷管18内に気泡が溜まることを抑制するために水平面に対して30度以下とすることが望ましい。
【0058】
更に、水冷管18の両端部は、それぞれ火格子本体17の後端面17gから外方へ突出しており、水冷管18の一方の端部が給水管18aとなっていると共に、水冷管18の他方の端部が排水管18bとなっている。
【0059】
そして、可動火格子段8及び固定火格子段9を形成する各水冷火格子10の給水管18a及び排水管18bは、隣り合う水冷火格子10の排水管18bと給水管18aを耐熱性のホース(図示省略)等で接続することにより連結されており、各火格子段8,9の片側サイドの水冷火格子10の給水管18aと他方サイドの水冷火格子10の排水管18bは耐熱性のホース(図示省略)等を介して外部の給水設備及び排水設備(何れも図示省略)にそれぞれ接続され、各火格子段8,9ごとで直列的に冷却水Wを流すようになっている。
【0060】
尚、可動火格子段8の給水管18a及び排水管18bと外部の給水設備及び排水設備とを接続する耐熱性のホース(図示省略)等は、可動火格子段8が往復運動を行うため、可撓性の材料で形成されている。
【0061】
上述した水冷火格子10(
図7及び
図8に示す水冷火格子10)も、
図2〜
図6に示す水冷火格子10と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0062】
1は炉本体、2はごみ投入ホッパ、3は給じん装置、4は水冷式ストーカ、4aは乾燥ストーカ、4bは燃焼ストーカ、4cは後燃焼ストーカ、5はストーカ下ホッパ、6は空気ダクト、7は灰シュート、8は可動火格子段、9は固定火格子段、10は水冷火格子、11は可動バー、12は固定バー、13は段差、14は落下灰コンベヤ、15は起動バーナ、16はボイラ用水管、17は火格子本体、17aは水平板部、17bは傾斜板部、17cは取り付け部、17c′は垂直壁、17c″は水平壁、17dは垂直板部、17eは前端面、17fは摺動面、17gは後端面、18は水冷管、18′は内側の水冷管、18″は外側の水冷管、18aは給水管、18bは排水管、19はボルト穴、20はエルボ管、21は短管、θは傾斜角度、Wは冷却水、Hは高さ。