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特許6207057ラッチプレデコーダ回路を有するクロック制御メモリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207057
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ラッチプレデコーダ回路を有するクロック制御メモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/413 20060101AFI20170925BHJP
   G11C 11/408 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   G11C11/413
   G11C11/408 120
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-115493(P2013-115493)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2013-257936(P2013-257936A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2016年5月24日
(31)【優先権主張番号】13/491,712
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヘマ ラママーシー
(72)【発明者】
【氏名】ラビンドララージ ラマラジュ
【審査官】 伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−231753(JP,A)
【文献】 特開2013−257935(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0109766(US,A1)
【文献】 米国特許第06118304(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0193592(US,A1)
【文献】 特開2003−060497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/413
G11C 11/408
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリであって、
複数のワード線を有するメモリアレイと、
複数のラッチプリデコーダであって、各ラッチプリデコーダはクロック信号および複数のアドレス信号を受信し、前記クロック信号のクロックサイクルの第1のエッジに応答して前記複数のアドレス信号の論理関数の結果をラッチし、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2のエッジに応答して所定の値を提供し、
前記複数のラッチプリデコーダのすべてのラッチプリデコーダは、前記第2のエッジに応答して、同じ所定の値を提供する、複数のラッチプリデコーダと、
前記複数のラッチプリデコーダに結合されるワード線ドライバロジックであって、前記ラッチされた結果に応答して前記複数のワード線のうちの選択されたワード線を選択的に活性化させる、ワード線ドライバロジックと、
前記クロック信号を受信して遅延クロック信号を前記複数のラッチプリデコーダの各々に提供するクロックドライバ回路と、を備え
各プリデコーダは前記第1のエッジの発生から所定の遅延の後において前記論理関数の結果をラッチし、該所定の遅延の少なくとも一部は前記クロックドライバ回路によって提供される、メモリ。
【請求項2】
前記ワード線ドライバロジックは、論理関数の結果がラッチプリデコーダによってラッチされている間には該論理関数の結果に基づいて前記複数のワード線のうちの選択されたワード線を活性化させ、前記ラッチプリデコーダによって前記同じ所定の値が提供されている間には前記複数のワード線を活性化させない、請求項1に記載のメモリ。
【請求項3】
前記クロックサイクルの前記第1のエッジは前記クロックサイクルの立ち上がりエッジに対応し、前記クロックサイクルの前記第2のエッジは前記クロックサイクルの立ち下がりエッジに対応する、請求項1に記載のメモリ。
【請求項4】
各ラッチプリデコーダは前記複数のアドレス信号として第1のアドレスビット信号および第2のアドレスビット信号を受信し、前記論理関数の結果は、前記第1のアドレスビット信号および前記第2のアドレスビット信号の論理積関数の結果に対応する、請求項1に記載のメモリ。
【請求項5】
前記同じ所定の値は論理レベル0である、請求項4に記載のメモリ。
【請求項6】
前記複数のラッチプリデコーダはN個のアドレスビット信号を受信し、前記第1のアドレスビット信号は前記N個のアドレスビット信号のうちの1つであるか、その補数信号であり、前記第2のアドレスビット信号は前記N個のアドレスビット信号のうちの別の1つの信号であるか、その補数である、請求項4に記載のメモリ。
【請求項7】
前記複数のラッチプリデコーダの各ラッチプリデコーダは、
電源電圧に結合される第1の電流電極と、ラッチに結合される第2の電流電極と、前記クロック信号に結合される制御電極とを有する第1の導電型の第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、前記第1のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第1の導電型の反対の導電型である第2の導電型の第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、前記第2のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第2の導電型の第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号が遅延され反転された信号に結合される制御電極と、第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号に結合される制御電極と、グランドに結合される第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第5のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される入力と、前記論理関数のラッチされた結果または前記所定の値を提供する出力とを有するインバータと、を備える、請求項4に記載のメモリ。
【請求項8】
前記クロックドライバ回路は、
前記クロック信号を受信して各ラッチプリデコーダにおける前記論理関数を実行する回路のタイミングをトラッキングするトラッキングインバータと、
各ラッチプリデコーダにおける前記ラッチを実行する回路のタイミングをトラッキングするトラッキングラッチと、を備える、請求項に記載のメモリ。
【請求項9】
メモリであって、
複数のワード線を有するメモリアレイと、
複数のラッチプリデコーダであって、該ラッチプリデコーダの各々は、
ラッチと、
電源電圧に結合される第1の電流電極と、前記ラッチに結合される第2の電流電極と、クロック信号に結合される制御電極とを有する第1の導電型の第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、第1のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第1の導電型の反対の導電型である第2の導電型の第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、第2のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第2の導電型の第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号が遅延され反転された信号に結合される制御電極と、第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号に結合される制御電極と、グランドに結合される第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第5のトランジスタと、
出力であって、前記クロック信号のクロックサイクルの第1の部分では前記ラッチにおいてラッチされた値に対応する事前復号値を提供し、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2の部分では所定の論理レベルを提供する、出力と、
前記ラッチに結合される第1の電流電極と、グランドに結合される第2の電流電極と、前記クロック信号が遅延された信号に結合される制御電極とを有する、前記第2の導電型の第6のトランジスタと、
前記クロック信号が前記遅延された信号に結合される入力と、前記第4のトランジスタの前記制御電極に結合される出力とを有するインバータと、を備える複数のラッチプリデコーダと、
前記複数のラッチプリデコーダと前記メモリアレイとの間に結合されているワード線ドライバロジックであって、該ワード線ドライバロジックは、前記クロックサイクルの前記第1の部分に提供される前記事前復号値に基づいて、前記複数のワード線のうちの選択されるワード線を活性化させる、ワード線ドライバロジックと、を備えるメモリ。
【請求項10】
前記メモリが、前記メモリアレイ内のロケーションにアクセスするためにN個のアドレスビット信号を受信するように構成されており、前記ラッチプリデコーダの各々について、前記第1のアドレスビット信号は前記N個のアドレスビット信号のうちの1つであるか、その補数信号であり、前記第2のアドレスビット信号は前記N個のアドレスビット信号のうちの別の1つの信号であるか、その補数信号である、請求項に記載のメモリ。
【請求項11】
前記ラッチプリデコーダの各々は、前記第1のアドレスビット信号および前記第2のアドレスビット信号について、アドレスビット信号の一意の組み合わせを用いる、請求項10に記載のメモリ。
【請求項12】
前記複数のラッチプリデコーダの各々について、前記クロックサイクルの前記第1の部分に提供される前記事前復号値は、前記第1のアドレスビット信号および前記第2のアドレスビット信号の論理積に対応する、請求項11に記載のメモリ。
【請求項13】
前記所定の論理レベルは論理レベル0であり、前記クロックサイクルの前記第2の部分では、前記複数のラッチプリデコーダのすべてのラッチプリデコーダは同時に論理レベル0を提供する、請求項11に記載のメモリ。
【請求項14】
前記ラッチプリデコーダの各々について、前記クロック信号の立ち上がりエッジに応答して前記ラッチが前記ラッチ値をラッチし、前記クロック信号の立ち下がりエッジに応答して論理レベル0が提供される、請求項9に記載のメモリ。
【請求項15】
前記クロック信号を受信して前記クロック信号が遅延された信号を前記複数のラッチプリデコーダの各々に提供するクロックドライバ回路をさらに備え、前記ラッチプリデコーダの各々は、前記クロック信号の立ち上がりエッジの発生から所定の遅延の後に前記ラッチ値をラッチし、前記所定の遅延の少なくとも一部は前記クロックドライバ回路によって提供される、請求項14に記載のメモリ。
【請求項16】
前記クロックドライバ回路は、
前記クロック信号を受信して各ラッチプリデコーダにおける前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、前記第3のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、および前記第5のトランジスタのタイミングをトラッキングするトラッキングインバータと、
各ラッチプリデコーダにおけるラッチのタイミングをトラッキングするトラッキングラッチと、を備える、請求項15に記載のメモリ。
【請求項17】
複数のラッチプリデコーダと、クロック信号を受信して遅延クロック信号を前記複数のラッチプリデコーダの各々に提供するクロックドライバ回路と、該複数のラッチプリデコーダに結合されるワード線ドライバ回路と、該ワード線ドライバ回路に結合される複数のワード線を有するメモリアレイとを備えるメモリにおいて、
各ラッチプリデコーダによって、前記クロック信号のクロックサイクルの第1のエッジに応答して複数のアドレス信号の論理関数の結果をラッチし、該結果を前記ワード線ドライバ回路に提供する工程と、
前記ワード線ドライバ回路に対し各ラッチプリデコーダによって、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2のエッジに応答して同じ所定の値を提供する工程と、
前記ワード線ドライバ回路によって、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第1の部分に前記ラッチプリデコーダの各々からの前記結果の受信に応答して前記複数のワード線のうちの選択されるワード線を活性化させる工程と、
前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2の部分に前記同じ所定の値の受信に応答して前記複数のワード線を活性化させない工程と、を備え、
各プリデコーダは前記第1のエッジの発生から所定の遅延の後において前記論理関数の結果をラッチし、該所定の遅延の少なくとも一部は前記クロックドライバ回路によって提供される、方法。
【請求項18】
前記クロックサイクルの前記第1のエッジは前記クロックサイクルの立ち上がりエッジに対応し、前記クロックサイクルの前記第2のエッジは前記クロックサイクルの立ち下がりエッジに対応し、
各ラッチプリデコーダによって前記ワード線ドライバ回路に提供される前記論理関数の結果は、第1のアドレスビット信号および第2のアドレスビット信号の論理積関数の結果に対応する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にメモリに関し、より詳細には、ラッチプレデコーダ回路を有するクロック制御メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
ワード選択は、メモリの読出または書込のクリティカルパスである。ワード線が選択されることによって、選択されたワード線に沿ったメモリセルがイネーブルされる。イネーブルされたメモリセルは、それらに記憶されている状態をビット線に結合する。次いで、読出の場合はセンスアンプがビット線に応答し、書込の場合は書込ドライバがビット線上に書き込まれるデータを提供する。したがって、ワード線選択のプロセスがより効率的に行われると、それに応じてメモリ動作も効率的になる。特許文献1にはラッチ回路について記載されている。1つの難点は、特にワード線選択のプロセスの開始において信頼可能なタイミングを提供することである。関連する1つの問題は、アドレスにいつ応答するかと、復号された出力をいつ提供するかとの組み合わせである。多くの場合、これは、遅延クロック信号によって制御される。その結果、信号検出が確実に有効であるとともに十分に信号が展開されることを確実にするのに十分なだけ長くなるが、検出を実行するのに必要な時間を不要に延長するほどではない待ち時間に関する問題がもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,087,872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記に提示されている問題の1つ以上を改善する回路を有するワード選択を提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、メモリは、ワード線を選択する最終復号を提供するワード線ドライバロジック(論理回路)にラッチされた事前復号(プリデコード)信号を提供するプリデコーダ回路を有する。プリデコーダ回路はクロック制御され、それによって、アドレスの組み合わせがクロックに応答して即座に解決され、クロックサイクルの早期においてラッチされる。また、ワード線が迅速に駆動されるので、アドレスの組み合わせがクロックサイクル全体にわたってラッチされたままである必要がない。この結果、ワード線を選択および駆動して次のワード線選択に備えるプロセスが効率的になる。これは、図面および以下の記載を参照することによってより良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態によるメモリのブロック図。
図2図1のメモリの動作の理解に有用なタイミング図。
図3図1のメモリの一部の回路図。
図4図3に示されている実施形態の一代替としての図1のメモリの一部の回路図。
図5図3に示されている実施形態の別の代替としての図1のメモリの一部の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は例として示されており、添付の図面によって限定されない。図面において、同様の参照符号は類似の要素を示す。図面内の要素は簡潔かつ明瞭にするために示されており、必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。
【0008】
「アサート」または「セット」および「ネゲート」(または「アサート停止(デアサート)」もしくは「クリア」)という用語は、本明細書においては、信号、状態ビット、または類似の装置をそれぞれ、その論理的に真または論理的に偽の状態にレンダリングすることを指す場合に使用される。論理的に真の状態が論理レベル1である場合、論理的に偽の状態は論理レベル0である。そして、論理的に真の状態が論理レベル0である場合、論理的に偽の状態は論理レベル1である。
【0009】
図1には、ビットアレイ12と、ワード線ドライバロジック14と、列ロジック(column logic)15と、制御ロジック16と、プリデコーダ回路18とを含むメモリ10が示されている。プリデコーダ回路18は、複数のラッチデコーダを含み、そのうちのラッチデコーダ20、22、24、および26が図1に示されている。プリデコーダ回路18は、クロックドライバ28をも含む。この例では、ワード線を選択するアドレスビットの数は8であり、それによって、ビットアレイ12において選択されている256本のワード線がワード線WL0〜WL255として図示されている。8個のアドレスの各々は、真数および補数を有し、補数は識別子に「b」を加算することによって識別される。したがって、この例について、最上位のアドレスはアドレス信号A0およびA0bを有する。同様に、次に上位のアドレスはアドレス信号A1およびA1bを有する。最下位のアドレスはアドレス信号A7およびA7bを有する。最下位よりも1つ上位のアドレスはアドレス信号A6およびA6bを有する。ワード線ドライバロジック14はビットアレイ12、ラッチデコーダ20、22、24、および26を含むラッチデコーダ、および制御ロジック16に結合される。列ロジック15は、ビットアレイ12および制御ロジック16に結合される。クロックドライバ28はクロック信号CLKを受信し、遅延クロック信号DCLKをラッチデコーダ20、22、24、および26に提供する出力を有する。ラッチデコーダ20は、アドレス信号A0bおよびA1bを受信するための入力を有し、これらのアドレス信号は両方とも、アドレスA0およびA1が論理ハイである場合には論理ローである。他方、アドレスA0およびA1が論理ローである場合、アドレス信号A0bおよびA1bは論理ハイである。ラッチデコーダ20は、復号信号A0bA1bを、アドレス信号A0bおよびA1bが論理ハイである場合には論理ハイとして提供する出力を有し、これは、ラッチデコーダ20が選択される場合にも当てはまる。他の3つの場合には、ラッチデコーダ20は論理ローを提供する。アドレスA0およびA1は、4つの組み合わせを有する対であり、それによって、これらの2つのアドレスに対して4つのラッチデコーダがある。同様に、各他の対に対して4つのラッチデコーダがある。4つの対A0−A1、A2−A3、A4−A5、およびA6−A7に対して、合計で16個のラッチデコーダがある。ラッチデコーダ22は、アドレス信号A0bおよびA1を受信し、復号信号A0bA1を出力として提供する。ラッチデコーダ24は、アドレス信号A6およびA7bを受信し、復号信号A6A7bを出力として提供する。ラッチデコーダ26は、アドレス信号A6およびA7を受信し、復号信号A6A7を提供する。
【0010】
図2には、その両方の入力が論理ハイとしてアサートされる場合について、ラッチデコーダ24の動作を示すタイミング図が示されている。この場合、アドレス信号A6およびA7bが、論理ハイに切り替わるアドレス信号である。クロック信号CLKが論理ハイに切り替えられる前の設定時間には、それらの信号はそれらの意図される論理状態にある必要がある。クロック信号が論理ハイに切り替わると、ラッチデコーダは、その出力、すなわち復号信号A6A7bの論理状態の判定を開始する。アドレス信号A6およびA7bは、復号信号A6A7bが判定およびラッチされるまで十分に長くそれらの論理状態を保持する必要がある。これが、アドレス信号A6およびA7bに関するホールドタイムである。ホールドタイムの後、アドレス信号A6およびA7bの論理状態は有害な影響を受けることなく変化することができる。復号信号A0bA1b、A2bA3b、およびA6A7bが論理ハイとしてアサートされることに応答して、ワード線WL2がイネーブルされる。各アドレス対に対して1つの復号信号がアサートされる。したがって、アクセス毎に、4つの復号信号がアサートされ、その4つがともにワード線ドライバロジック14によってさらに復号されて、いずれの特定のワード線が選択されるかが判定される。この例では、その1つ以上のビット線が、イネーブルされたワード線に沿ってビットセルの記憶状態を受信するのに十分に長く論理ハイにホールドされ、センスが達成されるという結果によって、ワード線WL2が選択されているものとして図示されている。クロック信号CLKが論理ローに戻るべく切り替わると、復号アドレスA6A7bは、論理ローに戻されることによってアサート停止される。アドレス信号A6およびA7bは、クロック信号CLKが次に論理ハイに切り替わるときである次のクロックサイクルの直前までは関与しない。アドレス信号A6およびA7bは、クロック信号CLKが切り替わって次のサイクルが開始する前の設定時間には有効な論理状態にある必要がある。アドレス信号A6およびA7bはラッチデコーダ24によって検出され、当該ラッチデコーダは次いで、アドレス信号A6およびA7bの論理状態に基づいて適切である論理状態にある復号信号A6A7bを提供する。復号信号A6A7bはラッチされ、ワード線WL2は、復号信号A6A7bおよび他の復号信号に基づいていずれが適切であるかによって、再び選択されるか、またはディセーブルされる。ホールドタイムの後、アドレス信号A6およびA7bは、次のサイクルの開始前の設定時間まで、もはや有効である必要はない。
【0011】
図3には、ラッチデコーダ24およびクロックドライバ28がより詳細に示されている。ラッチデコーダ24は、Pチャネルトランジスタ30と、Nチャネルトランジスタ32と、Nチャネルトランジスタ34と、Nチャネルトランジスタ36と、Nチャネルトランジスタ38と、Pチャネルトランジスタ40と、Pチャネルトランジスタ42と、インバータ44と、Nチャネルトランジスタ46と、Nチャネルトランジスタ48と、インバータ50と、インバータ52とを含む。クロックドライバ28は、Pチャネルトランジスタ54と、Nチャネルトランジスタ56と、Nチャネルトランジスタ58と、Nチャネルトランジスタ60と、Nチャネルトランジスタ62と、Pチャネルトランジスタ64と、Pチャネルトランジスタ66と、インバータ68と、バッファ70とを含む。
【0012】
トランジスタ54は、VDDと称される場合もある正電源端子に接続されるソースと、クロック信号CLKを受信するためのゲートと、インバータ68の入力に接続されるドレインとを有する。トランジスタ56は、VDDに接続されるゲートと、トランジスタ54のドレインに接続されるドレインと、ソースとを有する。トランジスタ58は、トランジスタ56のソースに接続されるドレインと、VDDに接続されるゲートと、ソースとを有する。トランジスタ60は、トランジスタ58のソースに接続されるドレインと、VDDに接続されるゲートと、ソースとを有する。トランジスタ62は、トランジスタ60のソースに接続されるドレインと、クロック信号CLKを受信するためのゲートと、グランドと称される場合もある負電源端子に接続されるソースとを有する。インバータ68は、バッファ70の入力に結合される出力を有する。トランジスタ66は、インバータ68の出力に接続されるゲートと、インバータ68の入力に接続されるドレインと、ソースとを有する。トランジスタ64は、グランドに接続されるゲートと、VDDに接続されるソースと、トランジスタ66のソースに接続されるドレインとを有する。バッファ70は、遅延クロック信号DCLKを提供した出力を有する。
【0013】
トランジスタ30は、VDDに接続されるソースと、クロック信号CLKを受信するためのゲートと、インバータ44の入力およびインバータ52の入力に接続されるドレインとを有する。トランジスタ32は、トランジスタ30のドレインに接続されるドレインと、アドレス信号A6を受信するためのゲートと、ソースとを有する。トランジスタ34は、トランジスタ32のソースに接続されるドレインと、アドレス信号A7bに接続されるゲートと、ソースとを有する。トランジスタ36は、トランジスタ34のソースに接続されるドレインと、インバータ50の出力に接続されるゲートと、ソースとを有する。トランジスタ38は、トランジスタ36のソースに接続されるドレインと、クロック信号CLKを受信するためのゲートと、グランドに接続されるソースとを有する。トランジスタ40は、VDDに接続されるソースと、グランドに接続されるゲートと、ドレインとを有する。トランジスタ42は、トランジスタ40のドレインに接続されるソースと、インバータ44の出力に接続されるゲートと、インバータ44の入力に接続されるドレインとを有する。トランジスタ46は、インバータ44の入力に接続されるドレインと、インバータ44の出力に接続されるゲートと、ソースとを有する。トランジスタ48は、トランジスタ46のソースに接続されるドレインと、バッファ70の出力に接続されることによって遅延クロック信号DCLKを受信するためのゲートと、グランドに接続されるソースとを有する。インバータ50の入力は、バッファ70の出力に接続されることによって遅延クロック信号DCLKを受信するためのものである。インバータ52は、復号信号A6A7bを提供するための出力を有する。
【0014】
動作に際して、アドレス信号A6およびA7bは、クロック信号CLKが論理ハイに切り替わり、それによって、トランジスタ38が導通状態となり、トランジスタ30が非導通状態となる前の設定時間には安定した論理状態にホールドされる。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わる前の時点では、クロック信号CLKは論理ローであり、それによって、トランジスタ62は非導通状態であり、トランジスタ54は導通状態である。トランジスタ54が導通状態にあることによって、インバータ68への入力は論理ハイであり、それによって、インバータ68の出力は論理ローである。バッファ70は、遅延クロック信号DCLKを論理ローとして提供することによって、インバータの論理ロー出力に応答する。したがって、インバータ50はその入力上に論理ローを有し、したがって、トランジスタ36のゲートに論理ハイ出力を提供する。トランジスタ36はそのゲートにおいて論理ハイであることによって、導通状態にある。したがって、トランジスタ36が導通状態にあり、クロック信号CLKが論理ハイに遷移することによってトランジスタ38がその入力において論理ハイを受信することによって、インバータ44への入力およびインバータ52への入力は、トランジスタ32と34の両方が導通状態にある場合には論理ローとなる。したがって、アドレス信号A6とA7bの両方が論理ハイである場合、インバータ44および52への入力は論理ローにあることになり、それによって、インバータ44および52は論理ハイ出力を提供することになる。復号信号A6A7bがインバータ52の出力によって提供され、それによって、復号信号A6A7bは、アドレス信号A6とA7bの両方が論理ハイであるときにクロック信号CLKが論理ハイに切り替わることに応答して論理ハイである。アドレス信号が論理ハイである場合にインバータ44の出力が論理ハイに切り替わることによって、トランジスタ42は非導通状態となり、トランジスタ46は導通状態となる。遅延クロック信号CLKは論理ハイへの切り替わりにおいて遅延され、それによって、トランジスタ46が導通状態となるとトランジスタ48は非導通状態となるが、迅速に導通状態となり、結果としてインバータ44の入力上で論理ローがラッチされる。インバータ44の入力はインバータ52の入力に接続されているため、インバータ52の出力は、ホールドタイムを完了するアドレス信号の論理状態に関係なく論理ハイにおいてラッチされる。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わるときにアドレス信号A6とA7bの両方が論理ローであることに応答して、復号信号A6A7bが論理ハイである場合に、ラッチデコーダ24が選択されている。復号信号A6A7bは、クロック信号CLKが論理ローに切り替わるまで論理ハイのままである。クロック信号CLKが論理ローに切り替わると、トランジスタ30は導通状態となり、トランジスタ38は非導通状態となり、それによって、インバータ44および52は論理ロー出力を提供するようになり、それによって、復号信号A6A7bが論理ローになり、トランジスタ42が導通状態となり、トランジスタ46が非導通状態となる。これによって、インバータ44および52の入力上で論理ハイがラッチされる。遅延クロック信号CLKは遅延時間後、論理ローに切り替わり、それによって、トランジスタ48は非導通状態となり、インバータ50は論理ハイロー出力を提供するようになり、トランジスタ36は非導通状態となる。
【0015】
クロック信号CLKが論理ハイに切り替わるときにアドレス信号A6およびA7bのうちの一方または両方が論理ローである場合は、インバータ44および52の入力上で論理状態に変化はない。トランジスタ30は非導通状態にあるため、もはや論理ハイは提供していないが、インバータ44および52への入力はトランジスタ42が導通状態にあることに起因して論理ハイ状態にホールドされる。トランジスタ40は、そのソースがVDDにあり、そのゲートがグランドにあることに起因して常に導通状態にある。したがって、復号信号A6A7bは論理ローのままである。遅延クロック信号DCLKはインバータ50の入力に論理ハイを提供し、当該インバータは論理ロー出力を提供し、それによって、トランジスタ36はホールドタイムの終わりまでに非導通状態となる。トランジスタ36が非導通状態にあることによって、アドレス信号A6とA7bの両方が論理ハイになる場合であっても、ホールドタイム後にトランジスタ32、34、36、および38を通るグランドまでの電流路が妨げられる。
【0016】
クロックドライバ28は、ラッチデコーダ24が選択されるとき(設定およびホールドタイム中にアドレス信号A6とA7bの両方が論理ハイであるとき)に復号信号A6A7bをラッチするべく、遅延クロック信号DCLKを提供する。クロック信号CLKが論理ローに切り替わることに応答して、遅延クロック信号DCLK自体がラッチされる。そのような場合は、トランジスタ54は導通状態にあり、トランジスタ62は非導通状態にある。したがって、その結果、インバータ68はバッファ70およびトランジスタ66に論理ロー出力を提供し、それによって、バッファ70は遅延クロック信号DCLKを論理ローとして提供するようになり、トランジスタ66は導通状態となる。トランジスタ66が導通状態となると、インバータ68の論理ロー出力が増強される。したがって、クロック信号CLKが論理ハイに切り替わると、インバータ68への入力は、トランジスタ66が導通状態にあることに起因して論理ローへ切り替わるのが遅くなる。これによって、クロック信号CLKが論理ローから論理ハイに切り替わることに対する応答における遅延が増大する。
【0017】
図4には、ラッチデコーダ124およびクロックドライバ128が示されている。ラッチデコーダはラッチデコーダ24の代替形態であり、図3に示されているラッチデコーダ20、22、および26などの他のラッチデコーダの代替をも表す。同様に、クロックドライバ128は図3に示されているクロックドライバ28の代替形態である。クロックドライバ128は、クロック信号CLKを受信し、図1に示されているような遅延クロック信号DCLKを出力として提供する遅延146を含む。ラッチデコーダ124は、インバータ116と、Pチャネルトランジスタ102、104、106、118、126、130、および136と、Nチャネルトランジスタ108、110、112、114、120、132、および134とを含む。トランジスタ102は、VDDに接続されるソースと、アドレス信号A7bを受信するためのゲートと、ノード140に接続されるドレインとを有する。トランジスタ104は、VDDに接続されるソースと、アドレス信号A6を受信するためのゲートと、ノード140に接続されるドレインとを有する。トランジスタ106は、VDDに接続されるソースと、インバータ116の出力に接続されるゲートと、ノード140に接続されるドレインとを有する。トランジスタ108は、ノード142に接続されるドレインと、アドレス信号A6を受信するためのゲートと、ソースとを有する。トランジスタ110は、トランジスタ108のソースに接続されるドレインと、アドレス信号A7bを受信するためのゲートと、ソースとを有する。トランジスタ112は、トランジスタ110のソースに接続されるドレインと、インバータ116の出力に接続されるゲートと、ソースとを有する。トランジスタ114は、トランジスタ112のソースに接続されるドレインと、クロック信号CLKを受信するためのゲートと、グランドに接続されるソースとを有する。トランジスタ118は、ノード140に接続されるソースと、ノード142に接続されるドレインと、トランジスタ120のゲートに接続されるゲートとを有する。トランジスタ118および120のゲートはノード144に接続される。ノード144は、復号アドレスA6A7bがラッチデコーダ124の出力として提供される場所である。トランジスタ120は、ノード142に接続されるドレインと、ノード144に接続されるゲートと、トランジスタ114のドレインに接続されるソースとを有する。インバータ116は、遅延クロック信号DCLKを受信するための入力を有する。インバータ122は、クロック信号CLKを受信するための入力と、トランジスタ134のゲートおよびトランジスタ126のゲートに接続される出力を有する。トランジスタ126は、VDDに接続されるソースと、ドレインとを有する。トランジスタ130は、トランジスタ130のドレインに接続されるソースと、ノード142に接続されるゲートと、ノード144に接続されるドレインとを有する。トランジスタ132は、ノード144に接続されるドレインと、ノード142に接続されるゲートと、グランドに接続されるソースとを有する。トランジスタ134は、ノード144に接続されるドレインと、グランドに接続されるソースとを有する。トランジスタ136は、VDDに接続されるソース、クロック信号CLKを受信するためのゲートを有する。
【0018】
動作に際して、ラッチデコーダ24に関して、アドレス信号A6およびA7bは、クロック信号CLKが論理ハイに切り替わり、それによって、トランジスタ114が導通状態となり、トランジスタ136が非導通状態となる前の設定時間には安定した論理状態にホールドされる。インバータ122によって提供される反転を通じて、トランジスタ134は非導通状態となり、トランジスタ126は導通状態となる。遅延146によって提供される遅延の継続時間にわたって遅延クロック信号DCLKは論理ローに留まり、したがって、遅延の継続時間にわたって、インバータ116によって提供される反転を通じて、トランジスタ112は導通状態のままであり、トランジスタ106は非導通状態のままである。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わり始めるときに、ノード142はトランジスタ136が導通状態となっていることによって論理ハイである。ノード142上の論理ハイに起因してトランジスタ132が導通状態にあることに起因してノード144は論理ローにあり、したがって、復号アドレス信号A6A7bは、クロック信号CLKが論理ハイに切り替わる時点においては論理ローである。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わるときにアドレス信号の一方または両方が論理ローにある場合については、トランジスタ108および110の一方または両方が非導通状態にあり、かつトランジスタ102および104の一方または両方が導通状態にあることに起因して、ノード142は論理ハイのままである。ノード142が論理ハイに保持されることによって、トランジスタ132は導通状態のままであり、したがって、ノード144にある復号アドレスA6A7bは論理ローのままである。遅延時間後、遅延クロックDCLKは論理ハイに切り替わり、それによって、トランジスタ112は、インバータ116の反転を通じて非導通状態となり、トランジスタ106は導通状態となる。ノード144は論理ローであり、それによってトランジスタ120は非導通状態に保たれるため、トランジスタ118は導通状態にある。トランジスタ106および118が導通状態にあり、かつトランジスタ120が非導通状態にあることによって、ノード142は論理ハイにおいてラッチされ、それによって、ノード144、および、したがって復号アドレスA6A7bが論理ローに保たれる。クロックCLKが論理ローに切り替わると、トランジスタ136は導通状態となり、トランジスタ114は非導通状態となり、インバータ122を通じて、トランジスタ134は導電性になり、トランジスタ126は非導電性になる。このようにクロック信号CLKが論理ローにあることによって、ノード144が論理ローにあること、および、ノード142が論理ハイにあることが確実となる。遅延持続時間にわたって遅延クロック信号DCLKは論理ハイのままであり、それによって、トランジスタ112は非導通状態のままであり、トランジスタ106は導通状態のままである。遅延クロック信号DCLKが論理ローに切り替わった後、トランジスタ112は導通状態となり、トランジスタ106は非導通状態となる。トランジスタ106および120が非導通状態であることによって、トランジスタ118および120のラッチ効果はディセーブルされる。クロック信号CLKによって、クロック信号CLKが論理ローであることによってトランジスタ136および134が導通状態にあり、かつトランジスタ126および114が非導通状態にある間、ノード144における論理ローが維持される。ラッチデコーダは、クロック信号CLKが論理ハイに切り替わる次のサイクルに向けて準備されるものである。
【0019】
クロック信号CLKが論理ハイに遷移する際に両方のアドレス信号A6とA7bが論理ハイである場合、これは、ラッチデコーダ124が選択される場合であり、クロック信号CLKがトランジスタ114を導通状態とすると、両方のトランジスタ108と110は導通状態にある。遅延クロック信号DCLKが論理ローにあることによって、トランジスタ114が導通状態となるように切り替わるとき、トランジスタ112は導通状態にあり、それによって、ノード142はトランジスタ108、110、112、および114を通じてグランドまでの導通路を有し、一方でトランジスタ136、102、104、および106は非導通状態にあり、それによって、ノード142はグランドに切り替えられる。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わることによって、トランジスタ134は非導通状態となり、トランジスタ126は導通状態となる。ノード142が論理ローに切り替わるとともにトランジスタ126が導通状態に切り替わることによって、トランジスタ130は導通状態となり、トランジスタ132は非導通状態となり、それによって、ノード144、および、したがって復号アドレスA6A7bは論理ハイに切り替わる。したがって、トランジスタ114が導通状態となるのに応答してノード142が論理ローに切り替わるのに応答して、復号アドレスA6A7bは論理ハイに切り替わる。トランジスタ114が導通状態のままであり、ノード144が論理ローになることによってトランジスタ120は導通状態となり、それによって、ノード142は論理ローにおいてラッチされる。ノード144が論理ローにあることによってトランジスタ118は非導通状態とされ、それによって、トランジスタ102、104、および106はノード142からブロックされる。遅延の持続時間の後、遅延クロック信号DCLKは論理ハイに切り替わり、それによって、トランジスタ112は非導通状態となり、トランジスタ106は非導通状態となる。トランジスタ112が非導通状態にありノード142がラッチされることによって、アドレス信号A6およびA7bの論理状態は、ノード142およびノード144に影響をあたえることなく変更されることができる。したがって、復号アドレスA6A7bは、クロック信号CLKが論理ローに切り替わるまで論理ハイにおいてラッチされる。クロック信号CLKが論理ローに切り替わると、トランジスタ114は非導通状態となり、トランジスタ136は導通状態となり、トランジスタ134は導通状態となり、トランジスタ126は非導通状態となり、それによって、ノード142は論理ハイに切り替わり、ノード144は論理ローに切り替わる。トランジスタ126が非導通状態にあることによって、ノード144からVDDへの経路がブロックされる。さらに、ノード142が論理ハイであることによってトランジスタ132は導通状態にあり、それによって、ノード144はトランジスタ134と132の両方によって論理ローにホールドされる。したがって、次にクロック信号CLKが論理ハイに切り替わるまで、復号アドレスA6A7bが論理ローであることが保証される。
【0020】
図5には、図4のラッチデコーダ124に対する一変形形態であるラッチデコーダ224が、クロックドライバ128とともに示されている。ラッチデコーダ224では、インバータ122ならびにトランジスタ126、130、132、および134が、インバータ148および150に置き換えられている。同じ参照符号の要素に関する動作は、このラッチデコーダとラッチデコーダ124の両方について同じである。インバータ150は、ノード142に接続される入力と、復号アドレス信号A6A7bを提供するための出力とを有する。インバータ148は、ノード142に接続される入力と、トランジスタ118および120のゲートに接続される出力とを有する。インバータは、復号アドレス信号A6A7bと同一の出力を提供するが、ラッチの一部であることに起因して、インバータ148はインバータ150よりも電流駆動が少ない。したがって、トランジスタ118および120のゲートが、ラッチデコーダ224においてラッチデコーダ124と同じように接続され、インバータ148またはトランジスタ126、130、および132のような反転機能をも含むラッチの一部であるという効果が生じる。インバータ150の出力は、その出力をトランジスタ118および120のゲートに接続させることがあるが、それによってインバータ150の出力における容量性負荷が増大することになるので、復号アドレス信号A6A7bが減速される。インバータ148は、トランジスタ106が導通状態にあるとき(ノード142の場合、遅延クロック信号DCLKが論理ハイに切り替わるとき)、ノード142の論理ハイをラッチする。インバータ148は、トランジスタ114が導通状態にあるとき(ノード142が論理ローにあるときにクロック信号CLKが論理ハイに切り替わるとき)、論理ローをラッチする。これらは、ラッチデコーダ124におけるノード142のラッチに関するのと同じ条件である。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わるときにアドレスA6およびA7bの両方が論理ハイであるとき、ノード142は論理ローに切り替わり、クロック信号CLKが論理ローに戻るべく切り替わるまで、インバータ148によってラッチされる。インバータ150は復号信号A6A7bを論理ハイとして提供し、これは、ラッチデコーダ124が選択されていることを意味する。クロック信号CLKが論理ハイに切り替わるときにいずれかまたは両方のアドレスが論理ローであるとき、ノード142は論理ハイであり、これは、遅延クロック信号DCLKが論理ハイに切り替わるときにラッチされる。アドレス信号に応答してノード142において論理ローまたは論理ハイのいずれが提供された場合でも、クロックが論理ローに戻るべく切り替わるまでその反転が復号アドレス信号A6A7bとして提供され、論理ローに戻るべく切り替わると、次にクロック信号CLKが論理ハイに切り替わるまで、復号アドレス信号A6A7bが論理ローにて提供される。
【0021】
したがって、ラッチデコーダは新たなクロックサイクルが開始されるのに即座に応答して復号を実行し、次いで、その後の結果がラッチされて、復号アドレス信号に基づいてワード線アクセスが実行されるのに十分な時間が提供されることが分かる。その後、復号アドレス信号はクロックサイクルの間に除かれ、それによって、古い復号値は新たなアドレスが受信される前に除かれる。したがって、各クロックサイクルの開始時には、遅延クロック信号が復号を開始するのを待って復号を行う必要がなく、信頼可能に復号を開始することができる。
以上、複数のワード線を有するメモリアレイを備えるメモリが提供されたことが認められる。 以上、複数のワード線を有するメモリアレイを備えるメモリが提供されたことが認められる。このメモリは、複数のラッチプリデコーダであって、各ラッチプリデコーダはクロック信号および複数のアドレス信号を受信し、前記クロック信号のクロックサイクルの第1のエッジに応答して前記複数のアドレス信号の論理関数の結果をラッチし、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2のエッジに応答して所定の値を提供し、前記複数のラッチプリデコーダのすべてのラッチプリデコーダは、前記第2のエッジに応答して、同じ所定の値を提供する、複数のラッチプリデコーダを備える。このメモリは、前記複数のラッチプリデコーダに結合されるワード線ドライバロジックであって、前記ラッチされた結果に応答して前記複数のワード線のうちの選択されたワード線を選択的に活性化させる、ワード線ドライバロジックと、を備えることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記ワード線ドライバロジックが、論理関数の結果がラッチプリデコーダによってラッチされている間には該論理関数の結果に基づいて前記複数のワード線のうちの選択されたワード線を活性化させ、前記ラッチプリデコーダによって前記同じ所定の値が提供されている間には前記複数のワード線を活性化させないことをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記クロックサイクルの前記第1のエッジが前記クロックサイクルの立ち上がりエッジに対応し、前記クロックサイクルの前記第2のエッジが前記クロックサイクルの立ち下がりエッジに対応することをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、各ラッチプリデコーダが前記複数のアドレス信号として第1のアドレスビット信号および第2のアドレスビット信号を受信し、前記論理関数の結果が前記第1のアドレスビット信号および前記第2のアドレスビット信号の論理積関数の結果に対応することをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記同じ所定の値が論理レベル0であることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記複数のラッチプリデコーダがN個のアドレスビット信号を受信し、前記第1のアドレスビット信号が前記N個のアドレスビット信号のうちの1つであるか、その補数信号であり、前記第2のアドレスビット信号が前記N個のアドレスビット信号のうちの別の1つの信号であるか、その補数であることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記複数のラッチプリデコーダの各ラッチプリデコーダが、電源電圧に結合される第1の電流電極と、ラッチに結合される第2の電流電極と、前記クロック信号に結合される制御電極とを有する第1の導電型の第1のトランジスタを備えることをさらなる特徴として有してもよい。各ラッチプリデコーダは、前記第1のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、前記第1のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第1の導電型の反対の導電型である第2の導電型の第2のトランジスタをさらに備えてもよい。各ラッチプリデコーダは、前記第2のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、前記第2のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第2の導電型の第3のトランジスタをさらに備えてもよい。各ラッチプリデコーダは、前記第3のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号が遅延され反転された信号に結合される制御電極と、第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第4のトランジスタをさらに備えてもよい。各ラッチプリデコーダは、前記第4のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号に結合される制御電極と、グランドに結合される第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第5のトランジスタをさらに備えてもよい。各ラッチプリデコーダは、前記第2の電流電極に結合される入力と、前記論理関数のラッチされた結果または前記所定の値を提供する出力とを有するインバータをさらに備えてもよい。メモリは、前記クロック信号を受信して遅延クロック信号を前記複数のラッチプリデコーダの各々に提供するクロックドライバ回路をさらに備え、各プリデコーダが前記第1のエッジの発生から所定の遅延の後において前記論理関数の結果をラッチし、該所定の遅延の少なくとも一部は前記クロックドライバ回路によって提供されてもよい。このメモリは、前記クロックドライバ回路が、前記クロック信号を受信して各ラッチプリデコーダにおける前記論理関数を実行する回路のタイミングをトラッキングするトラッキングインバータと、各ラッチプリデコーダにおける前記ラッチを実行する回路のタイミングをトラッキングするトラッキングラッチとを備えることをさらなる特徴として有してもよい。
【0022】
また、複数のワード線を有するメモリアレイを備えるメモリについても記載されている。このメモリは、複数のラッチプリデコーダを備える。各ラッチプリデコーダはラッチを備える。各ラッチプリデコーダは、電源電圧に結合される第1の電流電極と、前記ラッチに結合される第2の電流電極と、クロック信号に結合される制御電極とを有する第1の導電型の第1のトランジスタをさらに備える。各ラッチプリデコーダは、前記第1のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、第1のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第1の導電型の反対の導電型である第2の導電型の第2のトランジスタをさらに備える。各ラッチプリデコーダは、前記第2のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、第2の電流電極と、第2のアドレスビット信号に結合される制御電極とを有する、前記第2の導電型の第3のトランジスタをさらに備える。各ラッチプリデコーダは、前記第3のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号が遅延され反転された信号に結合される制御電極と、第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第4のトランジスタをさらに備える。各ラッチプリデコーダは、前記第4のトランジスタの前記第2の電流電極に結合される第1の電流電極と、前記クロック信号に結合される制御電極と、グランドに結合される第2の電流電極とを有する、前記第2の導電型の第5のトランジスタをさらに備える。各ラッチプリデコーダは、出力であって、前記クロック信号のクロックサイクルの第1の部分では前記ラッチにおいてラッチされた値に対応する事前復号値を提供し、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2の部分では所定の論理レベルを提供する、出力と、を備える複数のラッチプリデコーダをさらに備える。メモリは、前記複数のラッチプリデコーダと前記メモリアレイとの間に結合されているワード線ドライバロジックであって、該ワード線ドライバロジックは、前記クロックサイクルの前記第1の部分に提供される前記事前復号値に基づいて、前記複数のワード線のうちの選択されるワード線を活性化させる、ワード線ドライバロジックをさらに備える。このメモリは、前記メモリが、前記メモリアレイ内のロケーションにアクセスするためにN個のアドレスビット信号を受信するように構成されており、前記ラッチプリデコーダの各々について、前記第1のアドレスビット信号が前記N個のアドレスビット信号のうちの1つであるか、その補数信号であり、前記第2のアドレスビット信号が前記N個のアドレスビット信号のうちの別の1つの信号であるか、その補数信号であることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記ラッチプリデコーダの各々が、前記第1のアドレスビット信号および前記第2のアドレスビット信号について、アドレスビット信号の一意の組み合わせを用いることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記複数のラッチプリデコーダの各々について、前記クロックサイクルの前記第1の部分に提供される前記事前復号値が、前記第1のアドレスビット信号および前記第2のアドレスビット信号の論理積に対応することをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記所定の論理レベルが論理レベル0であり、前記クロックサイクルの前記第2の部分では、前記複数のラッチプリデコーダのすべてのラッチプリデコーダが同時に論理レベル0を提供することをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記ラッチプリデコーダの各々について、前記クロック信号の立ち上がりエッジに応答して前記ラッチが前記ラッチ値をラッチし、前記クロック信号の立ち下がりエッジに応答して論理レベル0が提供されることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記ラッチプリデコーダの各々が、前記ラッチに結合される第1の電流電極と、グランドに結合される第2の電流電極と、前記クロック信号が遅延された信号に結合される制御電極とを有する、前記第2の導電型の第6のトランジスタと、前記クロック信号が前記遅延された信号に結合される入力と、前記第4のトランジスタの前記制御電極に結合される出力とを有するインバータとをさらに備えることをさらなる特徴として有してもよい。このメモリは、前記クロック信号を受信して前記クロック信号が遅延され反転された信号を前記複数のラッチプリデコーダの各々に提供するクロックドライバ回路をさらに備え、前記ラッチプリデコーダの各々は、前記クロック信号の立ち上がりエッジの発生から所定の遅延の後に前記ラッチ値をラッチし、前記所定の遅延の少なくとも一部は前記クロックドライバ回路によって提供されてもよい。このメモリは、前記クロックドライバ回路が、前記クロック信号を受信して各ラッチプリデコーダにおける前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、前記第3のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、および前記第5のトランジスタのタイミングをトラッキングするトラッキングインバータと、各ラッチプリデコーダにおけるラッチのタイミングをトラッキングするトラッキングラッチとを備えることをさらなる特徴として有してもよい。
【0023】
また、複数のラッチプリデコーダと、該複数のラッチプリデコーダに結合されるワード線ドライバ回路と、該ワード線ドライバ回路に結合される複数のワード線を有するメモリアレイとを備えるメモリにおいて、各ラッチプリデコーダによって、クロック信号のクロックサイクルの第1のエッジに応答して複数のアドレス信号の論理関数の結果をラッチし、該結果を前記ワード線ドライバ回路に提供する工程を備える方法についても記載されている。この方法は、前記ワード線ドライバ回路に対し各ラッチングプリデコーダによって、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2のエッジに応答して同じ所定の値を提供する工程をさらに備える。この方法は、前記ワード線ドライバ回路によって、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第1の部分に前記ラッチプリデコーダの各々からの前記結果の受信に応答して前記複数のワード線のうちの選択されるワード線を活性化させる工程をさらに備える。この方法は、前記クロック信号の前記クロックサイクルの第2の部分に前記同じ所定の値の受信に応答して前記複数のワード線を活性化させない工程をさらに備える。この方法は、前記クロックサイクルの前記第1のエッジが前記クロックサイクルの立ち上がりエッジに対応し、前記クロックサイクルの前記第2のエッジが前記クロックサイクルの立ち下がりエッジに対応し、各ラッチプリデコーダによって前記ワード線ドライバ回路に提供される前記論理関数の結果は、第1のアドレスビット信号および第2のアドレスビット信号の論理積関数の結果に対応することをさらなる特徴として有してもよい。
【0024】
本発明を実装する装置は、大部分について、当業者に既知の電子コンポーネントおよび回路から成っているため、本発明の基礎となる概念の理解および評価のために、ならびに本発明の教示を分かりにくくせず当該教示から注意を逸らさせないために、回路の詳細は上記で例示されているように必要と考えられる範囲を超えては説明されない。
【0025】
本発明は特定の導電型または電位の極性に関して記載されているが、当業者には導電型および電位の極性は逆になってもよいことが諒解される。
本明細書において、具体的な実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲に明記されているような本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな改変および変更を為すことができる。たとえば、ワード線またはアドレス信号の数は異なることができる。したがって、本明細書および図面は限定的な意味ではなく例示とみなされるべきであり、すべてのこのような改変が本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本明細書において具体的な実施形態に関して記載されているいかなる利益、利点、または問題に対する解決策も、任意のまたはすべての請求項の重要な、必要とされる、または基本的な特徴または要素として解釈されるようには意図されていない。
【0026】
本明細書において使用される場合、「結合されている」という用語は、直接結合または機械的結合に限定されるようには意図されていない。
別途記載されない限り、「第1の」および「第2の」のような用語は、そのような用語が説明する要素間で適宜区別するように使用される。したがって、これらの用語は必ずしも、このような要素の時間的なまたは他の優先順位付けを示すようには意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5