(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
作業面を形成する天板と、当該天板を支持する複数の脚部と、前記天板の下面に吊り下げ支持されるダクトとを備えると共に、他の什器と連結可能なテーブル什器であって、
前記ダクトは、前記他の什器とテーブル什器との配列方向を左右方向とし、当該左右方向と直交する水平方向を前後方向としたときに、
天板の下面と並行な平板状の基部と、
当該基部の前後端から下方に向かって垂下して設けられた一対の前後片と、
各前後片下端から他方の前後片に向かって延設されると共に他の什器との間で架け渡される配線が載置される内向き片と、
各前後片下端から他方の前後片と反対側に向かって延設されると共に前記天板で使用される電子機器と接続される配線が載置される外向き片と
を備えることを特徴とするテーブル什器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年においては、テーブル什器の作業面において電源が必要なパーソナルコンピュータ等の電子機器を用いた作業が多く行われている。このため、複数のテーブル什器を並べて使用するような場合には、電源に繋がる配線の引き回しが問題となる。また、1つのテーブル什器は、一般的に複数の作業者が同時に使用する。このため、各テーブル什器において、複数の作業者が同時に電子機器を使用できるように配線を引き回す必要もある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、複数のテーブル什器を配列したときに、テーブル什器間の配線の引き回しと、各テーブル什器における配線の引き回しとを容易に行うことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、作業面を形成する天板と、当該天板を支持する複数の脚部と、上記天板の下面に吊り下げ支持されるダクトとを備えると共に、他の什器と連結可能なテーブル什器であって、上記ダクトは、上記他の什器とテーブル什器との配列方向を左右方向とし、当該左右方向と直交する水平方向を前後方向としたときに、天板の下面と並行な平板状の基部と、当該基部の前後端から下方に向かって垂下して設けられた一対の前後片と、各前後片下端から他方の前後片に向かって延設されると共に他の什器との間で架け渡される配線が載置される内向き片と、各前後片下端から他方の前後片と反対側に向かって延設されると共に上記天板で使用される電子機器と接続される配線が載置される外向き片とを備えるという構成を採用する。
【0008】
このような構成を採用する本発明によれば、ダクトの内向き片を用いて他の什器と間で架け渡される配線を引き回すことができ、ダクトの外向き片を用いて天板で使用される電子機器と接続される配線を引き回すことができる。このため、複数のテーブル什器を配列したときに、テーブル什器間の配線の引き回しと、各テーブル什器における配線の引き回しとを容易に行うことができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記前後片に貫通部が設けられているという構成を採用する。
【0010】
このような構成を採用する本発明によれば、内向き片に載置される配線を貫通部を通じて容易にダクトの外側に引き出すことができ、当該配線の引き回しを容易に行うことができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、 上記内向き片に載置される配線が電源タップを有し、上記内向き片の内側端に立設されると共に上端が上記基部と離間された係止片を備え、上記基部と、上記前後片と、上記内向き片と、上記係止片とによって囲まれる空間に上記電源タップを収容すると共に、上記係止片と上記基部との隙間寸法が上記電源タップの高さ寸法よりも小さく設定されているという構成を採用する。
【0012】
このような構成を採用する本発明によれば、内向き片に載置される電源タップが、内向き片から脱落することを防止することができる。このため、電源タップに対するコンセントの抜き差し作業を容易に行うことが可能となる。
【0013】
第4の発明は、上記第1〜3いずれかの発明において、箱状の引出し本体と、当該引出し本体をスライド可能に支持する支持手段とからなる引出し機構を備え、上記引出し本体が当該引出し本体の背面側を形成すると共に配線挿通部が設けられた背面パネルを有し、上記ダクトの外向き片に載置された配線が上記背面パネルに設けられた上記配線挿通部を通じて上記引出し本体の内部に引き込まれているという構成を採用する。
【0014】
このような構成を採用する本発明によれば、引出し本体の配線挿通部を通じて配線を引出し本体の内部に容易に引き込むことができる。したがって、各テーブル什器における配線の引き回しをより容易に行うことができる。
【0015】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記天板の平面視形状が矩形であり、当該矩形の4辺の各々に対して上記引出し本体が設けられているという構成を採用する。
【0016】
このような構成を採用する本発明によれば、複数の引出し本体が設置されることになるため、引出し本体を使用できる範囲を広げることが可能となる。また、前後左右のどの方向から引出し付什器にアクセスした場合であっても、引出し本体を使用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のダクトは、前後片下端から他方の前後片に向かって延設されると共に他の什器との間で架け渡される配線が載置される内向き片と、前後片下端から他方の前後片と反対側に向かって延設されると共に天板で使用される電子機器と接続される配線が載置される外向き片とを備える。このため、複数のテーブル什器を配列したときに、テーブル什器間の配線の引き回しと、各テーブル什器における配線の引き回しとを容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係るテーブル什器の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0020】
本実施形態においては、本発明のテーブル什器の一実施形態である第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200を備えるテーブルシステム1について説明する。
図1は、全ての引出し本体21が収容された状態における本実施形態のテーブルシステム1の斜視図である。また、
図2は、引出し本体21が引き出された状態における本実施形態のテーブルシステム1の斜視図である。
【0021】
これらの図に示すように、テーブルシステム1は、第一テーブル什器100、第二テーブル什器200及びモニタースタンド300を備えている。なお、以下においては、説明の便宜上、
図1及び
図2の矢印に示すように、第一テーブル什器100、第二テーブル什器200及びモニタースタンド300が連結される方向(配列方向)を左右方向とし、これと直交する水平方向を前後方向とする。
【0022】
第一テーブル什器100は、天板11、脚部12、引出し機構13及びダクト14を備えている。天板11は、上面が作業面11aとされた板状部材である。この天板11は、平面視形状が正方形(矩形)とされており、作業面11aがコンセント等の設けられていない平面とされている。このような天板11は、上方から見て、4つの辺が各々前側、後側、左側、右側に向くように配置されている。なお、天板11の裏面(下面)側には、脚部12等をネジ止めするためのネジ穴が複数設けられている。
【0023】
脚部12は、4か所に設けられており、
図1及び
図2に示すように天板11の角部に設けられている。各脚部12の下端部には、前後方向に向けて配置される回転軸によって回転可能に支持されたローラが設けられている。これによって、第一テーブル什器100は左右方向に移動可能とされている。なお、以下の説明では、天板11の前側を向く辺と右側向く辺とによって形成される角部に設けられた脚部12を第1脚部12aと称し、右側を向く辺と後側を向く辺とによって形成される角部に設けられた脚部12を第2脚部12bと称し、後側を向く辺と左側を向く辺とによって形成される角部に設けられた脚部12を第3脚部12cと称し、左側を向く辺と前側を向く辺とによって形成される角部に設けられた脚部12を第4脚部12dと称する。
【0024】
引出し機構13は、脚部12同士の間に配置されている。本実施形態においては、全ての脚部12同士の間に引出し機構13が設置されている。なお、以下の説明では、第1脚部12aと第2脚部12bとの間に設置された引出し機構13を第1引出し機構13aと称し、第2脚部12bと第3脚部12cとの間に設置された引出し機構13を第2引出し機構13bと称し、第3脚部12cと第4脚部12dとの間に設置された引出し機構13を第3引出し機構13cと称し、第4脚部12dと第1脚部12aとの間に設置された引出し機構13を第4引出し機構13dと称する。
【0025】
第1引出し機構13aは、支持レール20(支持手段)と、引出し本体21とから構成されている。支持レール20は、天板11の裏面に固定されており、引出し本体21をスライド可能に支持する。この支持レール20は、1つの引出し本体21に対して2つ設けられており、一方の支持レール20が引出し本体21の引出し方向と直交する方向(前後方向)における一方の端部を支持し、他方の支持レール20が引出し本体21の他方の端部を支持する。
【0026】
図3は、引出し本体21の斜視図であり、(a)が引出し本体21のみを示す斜視図であり、(b)が引出し本体21に加えて電源配線H1及びLAN配線H2を図示した斜視図である。これらの図に示すように、引出し本体21は、底板22と、前面パネル23と、背面パネル24と、側面パネル25とを備えている。底板22は、略矩形状の板部材であり、前面パネル23と、背面パネル24と、側面パネル25とを支持する。
【0027】
前面パネル23は、底板22の右側の縁に沿うように底板22に対して立設された立片である。この前面パネル23には、
図3に示すように、上方に向けて開放された凹部からなる配線挿通部23aが設けられている。この配線挿通部23aは、引出し本体21の内部と外部とを連通する開口であり、引出し本体21が収納状態であっても引出し本体21の外部から内部または内部から外部に電源配線H1及びLAN配線H2を引き回すことを可能とする部位である。なお、第1引出し機構13aにおいては、配線挿通部23aは、引出し本体21を引き出すための取っ手としても機能する。
【0028】
背面パネル24は、底板22の左側の縁に沿うように底板22に対して立設された立片である。この背面パネル24には、
図3に示すように、上方に向けて開放された凹部からなる第1配線挿通部24a、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cが設けられている。これらの第1配線挿通部24a、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cは、前面パネル23の配線挿通部23aと同様に、引出し本体21が収納状態であっても引出し本体21の外部から内部または内部から外部に電源配線H1及びLAN配線H2を引き回すことを可能とする部位である。
【0029】
第1配線挿通部24aは、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cに対して広く形成されており、太い配線や位置調整が必要な配線を挿通させるのに適している。第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cは、第1配線挿通部24aより狭い開口とされており、細い配線や移動させる必要のない配線を挿通させるのに適している。
【0030】
また、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cには、これらの第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cを囲って配設されると共に切欠き24eが形成された可撓性環状部材24dが設けられている。この可撓性環状部材24dは、可撓性環状部材24dを切断するように設けられた切欠き24eを通じて電源配線H1及びLAN配線H2を出し入れ可能とされている。このような可撓性環状部材24dを設けることによって、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cに挿通された電源配線H1及びLAN配線H2が第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cから抜け出ることを防止することができる。
【0031】
側面パネル25は、前面パネル23と背面パネル24の端部同士に接続された立片である。この側面パネル25の外面側には、支持レール20に当接される突出部20aが設けられている。
【0032】
このように、引出し本体21は、底板22と、底板22から上方に向かって延在すると共に引出し本体21の内部と引出し本体21の外部とを連通する配線挿通部(配線挿通部23a、第1配線挿通部24a、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24c)を有する立片(前面パネル23及び背面パネル24)とを有する箱状の部材とされている。
【0033】
第2引出し機構13b、第3引出し機構13c及び第4引出し機構13dは、引出し本体21及び支持レール20の向きが異なる。例えば、第2引出し機構13bの引出し本体21は、前面パネル23が後側を向けて配置される。第3引出し機構13cの引出し本体21は、前面パネル23が左側を向けて配置される。第4引出し機構13dの引出し本体21は、前面パネル23が前側を向けて配置される。他の構成については、 第2引出し機構13b、第3引出し機構13c及び第4引出し機構13dは、第1引出し機構13aと同様の構成をしているため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0034】
図1に戻り、ダクト14は、上方から見て天板11の中央に配置されるように、天板11の下面に吊り下げ支持されている。
図4は、ダクト14と、第4引出し機構13dの引出し本体21とを含む斜視図である。また、
図5は、ダクト14を下方から見上げた斜視図である。また、
図6は、ダクト14の断面図である。これらの図に示すように、ダクト14は、基部14aと、前後片14bと、内向き片14cと、外向き片14dと、第1係止片14eと、第2係止片14fとを備えている。
【0035】
基部14aは、天板11の下面と並行な平板状の部位である。前後片14bは、基部14aの前後端から下方に向かって垂下して設けられている。前後片14bは、基部14aの前側の端部と後側の端部とに各々設けられており、これら2つの前後片14bで一対とされている。このような前後片14bは、基部14aの前後端の全域に設けられている。また、各前後片14bには、ダクト14の外側と内側とを連通する貫通孔14gを備えている。この貫通孔14gは、引出し本体21の第1配線挿通部24aと対向する位置に設けられている。なお、貫通孔14gに替えて、孔形状でない貫通部を設けるようにしても良い。
【0036】
内向き片14cは、各前後片14bの下端から他方の前後片14bに向かって水平に延設される部位である。これらの内向き片14cは、第一テーブル什器100と第二テーブル什器200との間で架け渡される配線である電源配線H1が載置される。外向き片14dは、各前後片14bの下端から他方の前後片14bと反対側に向かって水平に延設される部位である。これらの外向き片14dは、天板11で使用される電子機器と接続されるLAN配線H2が載置される。
【0037】
第1係止片14eは、内向き片14cの内側端に立設されると共に上端が基部14aと離間されている部位である。この第1係止片14eは、内向き片14cに載置される電源配線H1が落下することを防止する。また、
図6に示すように、基部14aと、前後片14bと、内向き片14cと、第1係止片14eとによって囲まれる空間は、後述の電源タップH12の断面形状よりも僅かに大きく、当該電源タップH12が収容される。さらに、第1係止片14eと基部14aとの隙間寸法は、電源タップH12の高さ寸法よりも小さく設定されている。これによって、電源タップH12が内向き片14cから脱落することを防止することができる。なお、
図5に示すように、第1係止片14eは、左右方向における中央部において設けられていない。この第1係止片14eが設けられていない領域を介して、基部14aと、前後片14bと、内向き片14cと、第1係止片14eとによって囲まれる空間に電源タップH12を差し込むことが可能とされている。
【0038】
第2係止片14fは、外向き片14dの外側端に立設されると共に上端が基部14aと離間されている部位である。この第2係止片14fは、外向き片14dに載置されるLAN配線H2が落下することを防止する。
【0039】
第二テーブル什器200は、第一テーブル什器100と略同一の構成を有している。ここでは、第二テーブル什器200の第一テーブル什器100と異なる点のみについて説明する。
【0040】
第二テーブル什器200の各脚部12の下端部には、第一テーブル什器100の各脚部12の下端部に設けられているローラに替わり、アジャスタが設けられている。これは、第一テーブル什器100は、テーブルシステム1の使用態様に柔軟に対応するために、第二テーブル什器200及びモニタースタンド300に対して移動可能とされているのに対して、第二テーブル什器200は、あまり移動させることがないモニタースタンド300と連結されており、移動することを前提としていないためである。
【0041】
また、第二テーブル什器200においては、第一テーブル什器100における第3引出し機構13cの引出し本体21が取り外されている。これは、当該引出し本体21が収容される空間に引出し本体21に替えてモニタースタンド300の固定用アーム30が挿入されるためである。
【0042】
モニタースタンド300は、上述の固定用アーム30、モニターMが固定されるモニター支持部31、通信機器等を収容するコンソールボックス32、モニターMの裏側を囲うバックパネル33及びバックパネル33の下方を覆うアンダーカバー34等を備えている。このようなモニタースタンド300は、床面から取り出された電源配線H1及びLAN配線H2(あるいは他の通信用配線)をモニターMやコンソールボックス32内部に引き込み可能とされている。
【0043】
これらの第一テーブル什器100、第二テーブル什器200及びモニタースタンド300は、左右方向に配列されて連結されている。モニタースタンド300と第二テーブル什器200とは、モニタースタンド300の固定用アーム30が、取り外された第3引出し機構13cの引出し本体21の収容空間に挿入され、この固定用アーム30が第二テーブル什器200の天板11に固定されることによって連結されている。
【0044】
第二テーブル什器200と第一テーブル什器100とは、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aと、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cとが対向するようにして、不図示の連結器具によって連結されている。このように第二テーブル什器200と第一テーブル什器100とが連結されることによって、本実施形態においては、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21と、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21とは、
図2に示すように、引き出すことはできなくなっている。
【0045】
なお、本実施形態においては、第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200が、本発明のテーブル什器に相当する。本発明のテーブル什器は、他の什器と連結可能なものである。ここで、第一テーブル什器100をテーブル什器として見た場合には、第二テーブル什器200が本発明における他の什器に相当し、第二テーブル什器200をテーブル什器として見た場合には、第一テーブル什器100及びモニタースタンド300が本発明における他の什器に相当する。つまり、第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200は、本発明のテーブル什器に相当すると同時に本発明の他の什器にも相当する。
【0046】
図7は、本実施形態のテーブルシステム1において引き回される電源配線H1及びLAN配線H2を模式的に示す配線図である。床面から引き出された電源配線H1は、電源タップ付きの配線が複数接続されることによって形成されており、
図7に示すように、モニタースタンド300に引き込まれ、モニタースタンド300から第二テーブル什器200の天板11の下側を通り、第二テーブル什器200のダクト14の内向き片14cに載置される。この電源配線H1は、第二テーブル什器200のダクト14の内向き片14cに載置された電源タップH11から、第二テーブル什器200の第1引出し機構13a方向と、第2引出し機構13b方向と、第4引出し機構13d方向との3方向に分岐されている。
【0047】
第二テーブル什器200のダクト14から第1引出し機構13a方向に分岐された電源配線H1は、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の内部に引き込まれ、また配線挿通部23aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出されている。
【0048】
さらに、当該電源配線H1は、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを通じて当該引出し本体21の内部に引き込まれ、また第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出されている。このように第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21から送り出された電源配線H1は、第一テーブル什器100のダクト14の内向き片14cに載置される。この電源配線H1は、第一テーブル什器100のダクト14の内向き片14cに載置された電源タップH12から、第一テーブル什器100の第1引出し機構13a方向と、第2引出し機構13b方向と、第4引出し機構13d方向との3方向に分岐されている。
【0049】
第二テーブル什器200の電源タップH11から第二テーブル什器200の第2引出し機構13b方向に分岐された電源配線H1は、電源タップH13が第二テーブル什器200の第2引出し機構13bの引出し本体21に収容されるように、第二テーブル什器200のダクト14の貫通孔14gと、当該引出し本体21の第2配線挿通部24bとを通じて引き回されている。また、第二テーブル什器200の電源タップH11から第二テーブル什器200の第4引出し機構13d方向に分岐された電源配線H1は、電源タップH14が第二テーブル什器200の第4引出し機構13dの引出し本体21に収容されるように、第二テーブル什器200のダクト14の貫通孔14gと、当該引出し本体21の第2配線挿通部24bとを通じて引き回されている。
【0050】
また、第一テーブル什器100の電源タップH12から第一テーブル什器100の第1引出し機構13a方向に分岐された電源配線H1は、電源タップH15が第一テーブル什器100の第1引出し機構13aの引出し本体21に収容されるように、当該引出し本体21の第2配線挿通部24bを通じて引き回されている。また、第一テーブル什器100の電源タップH12から第一テーブル什器100の第2引出し機構13b方向に分岐された電源配線H1は、電源タップH16が第一テーブル什器100の第2引出し機構13bの引出し本体21に収容されるように、第一テーブル什器100のダクト14の貫通孔14gと、当該引出し本体21の第2配線挿通部24bとを通じて引き回されている。また、第一テーブル什器100の電源タップH12から第一テーブル什器100の第4引出し機構13d方向に分岐された電源配線H1は、電源タップH17が第一テーブル什器100の第4引出し機構13dの引出し本体21に収容されるように、第一テーブル什器100のダクト14の貫通孔14gと、当該引出し本体21の第2配線挿通部24bとを通じて引き回されている。
【0051】
床面から引き出されたLAN配線H2は、コンソールボックス32に設置されたルータRによって、第二テーブル什器200の第2引出し機構13b方向と、第二テーブル什器200の第4引出し機構13d方向と、第一テーブル什器100の第1引出し機構13a方向と、第一テーブル什器100の第2引出し機構13b方向と、第一テーブル什器100の第4引出し機構13d方向との5方向に分岐されている。
【0052】
第二テーブル什器200の第2引出し機構13b方向に分岐されたLAN配線H2は、第二テーブル什器200のダクト14の外向き片14dに載置され、さらに第二テーブル什器200の第2引出し機構13bの引出し本体21に設けられた第2配線挿通部24bを通じて、モジュラージャックH21が当該引出し本体21に収容されるように引き回されている。また、第二テーブル什器200の第4引出し機構13d方向に分岐されたLAN配線H2は、第二テーブル什器200のダクト14の外向き片14dに載置され、さらに第二テーブル什器200の第4引出し機構13dの引出し本体21に設けられた第2配線挿通部24bを通じて、モジュラージャックH22が当該引出し本体21に収容されるように引き回されている。
【0053】
また、第一テーブル什器100の第1引出し機構13a方向に分岐されたLAN配線H2は、第二テーブル什器200のダクト14の外向き片14d及び第一テーブル什器100のダクト14の外向き片14dに載置され、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の内部に引き込まれ、当該引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出される。さらに、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21から送り出されたLAN配線H2は、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを介して引出し本体21に引き込まれ、当該引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出される。さらに、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21から送り出されたLAN配線H2は、第一テーブル什器100のダクト14を通じ、さらに第一テーブル什器100の第1引出し機構13aの引出し本体21に設けられた第2配線挿通部24bを通じて、モジュラージャックH23が当該引出し本体21に収容されるように引き回されている。
【0054】
また、第一テーブル什器100の第2引出し機構13b方向に分岐されたLAN配線H2は、第二テーブル什器200のダクト14の外向き片14d及び第一テーブル什器100のダクト14の外向き片14dに載置され、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の内部に引き込まれ、当該引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出される。さらに、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21から送り出されたLAN配線H2は、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを介して引出し本体21に引き込まれ、当該引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出される。さらに、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21から送り出されたLAN配線H2は、第一テーブル什器100のダクト14を通じ、さらに第一テーブル什器100の第2引出し機構13bの引出し本体21に設けられた第2配線挿通部24bを通じて、モジュラージャックH24が当該引出し本体21に収容されるように引き回されている。
【0055】
また、第一テーブル什器100の第4引出し機構13d方向に分岐されたLAN配線H2は、第二テーブル什器200のダクト14の外向き片14d及び第一テーブル什器100のダクト14の外向き片14dに載置され、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の内部に引き込まれ、当該引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出される。さらに、第二テーブル什器200の第1引出し機構13aの引出し本体21から送り出されたLAN配線H2は、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21に設けられた配線挿通部23aを介して引出し本体21に引き込まれ、当該引出し本体21に設けられた第1配線挿通部24aを通じて当該引出し本体21の外部に送り出される。さらに、第一テーブル什器100の第3引出し機構13cの引出し本体21から送り出されたLAN配線H2は、第一テーブル什器100のダクト14を通じ、さらに第一テーブル什器100の第4引出し機構13dの引出し本体21に設けられた第2配線挿通部24bを通じて、モジュラージャックH25が当該引出し本体21に収容されるように引き回されている。
【0056】
なお、第1配線挿通部24a、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24cのうち、いずれかの配線挿通部を通じて電源配線H1及びLAN配線H2を引き回すかは任意に変更可能である。また、ここで説明する配線パターンは一例であり、配線種類や配線本数等は任意に変更可能である。例えば、モニターMと天板11上に載置されるパーソナルコンピュータとを接続するための通信配線を引き回しても良い。
【0057】
以上のような第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200によれば、ダクト14の内向き片14cを用いて第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200との間で架け渡される電源配線H1を引き回すことができ、ダクト14の外向き片14dを用いて天板11で使用される電子機器と接続されるLAN配線H2を引き回すことができる。このため、第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200と連結して配列したときに、第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200間の電源配線H1とLAN配線H2の引き回しと、第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200の各々における電源配線H1とLAN配線H2の引き回しとを容易に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態の第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200においては、背面パネル24に配線挿通部(第1配線挿通部24a、第2配線挿通部24b及び第3配線挿通部24c)が設けられた引出し本体21と、当該引出し本体21をスライド可能に支持する支持レール20とからなる引出し機構13を備え、ダクト14の外向き片14dに載置されたLAN配線H2が背面パネル24に設けられた第2配線挿通部24bを通じて引出し本体21の内部に引き込まれている。このため、第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200の各々におけるLAN配線H2の引き回しをより容易に行うことができる。
【0059】
また、本実施形態の第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200においては、天板11の平面視形状が矩形であり、当該矩形の4辺の各々に対して引出し本体21が設けられている。このため、複数の引出し本体21が設置されることになるため、引出し本体21を使用できる範囲を広げることが可能となる。また、他の什器が連結されている方向を除き、前後左右のどの方向からアクセスした場合であっても、引出し本体21を使用することができる。
【0060】
また、本実施形態の第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200においては、前後片14bに貫通孔14gが設けられている。このため、内向き片14cに載置される電源配線H1を貫通孔14gを通じて容易にダクト14の外側に引き出すことができ、電源配線H1の引き回しを容易に行うことができる。
【0061】
また、本実施形態の第一テーブル什器100及び第二テーブル什器200においては、内向き片14cに載置される電源配線H1が電源タップH11及び電源タップH12を有し、内向き片14cの内側端に立設されると共に上端が基部14aと離間された第1係止片14eを備え、基部14aと、前後片14bと、内向き片14cと、第1係止片14eとによって囲まれる空間に電源タップH11及び電源タップH12を収容すると共に、第1係止片14eと基部14aとの隙間寸法が電源タップH11及び電源タップH12の高さ寸法よりも小さく設定されている。このため、内向き片14cに載置される電源タップH11及び電源タップH12が、内向き片14cから脱落することを防止することができる。このため、電源タップH11及び電源タップH12に対するコンセントの抜き差し作業を容易に行うことが可能となる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態におけるダクト14の形状は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、内向き片14cや外向き片14dが左右方向に延在する構成について説明した。しかしながら、前後方向に延在する内向き片及び外向き片をさらに備え、内向き片及び外向き片が十字状に配設される構成を採用することも可能である。
【0064】
また、上記実施形態においては、電源タップに対して磁石が設けられていることが望ましい。これによって、引出し本体21やダクト14を常磁性体材料からなる場合には、電源タップを引出し本体21やダクト14に対して固着させることができる。
【0065】
また、上記実施形態においては、天板11の平面視形状が正方形であり、脚部12を4つ備えた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、天板の平面視形状が長方形であっても良い。また、例えば、天板の平面視形状が五角形や六角形等の多角形である各角部に脚部が設けられた構成を採用することも可能である。