【実施例】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。
図1(A)は本発明の一実施例に係る電子部品のテーピング装置の概略断面図、(B)は電子部品のテーピング装置における溶着ヘッドの右側面図、(C)は電子部品のテーピング装置に搬送されるキャリアテープ、カバーテープの平面図をそれぞれ示す。
なお、キャリアテープの送り方向をX方向、水平面においてテープの送り方向(X方向)に直交する方向をY方向とする。また、X方向、Y方向で規定される水平面(XY平面)と直交する方向(上下)方向をZ方向とする。
【0021】
本発明の一実施例に係る電子部品のテーピング装置(テーピング装置)10は、たとえば、電子部品の供給、加工、印字、検査、パッケージ(テーピング)という一連の処理が自動的に行なわれる電子部品の自動加工機に組込まれて、キャリアテープへのカバーテープの溶着を行なっている。
【0022】
図1(A)(C)に示すように、キャリアテープ12はプラスチックエンボステープからなり、電子部品Dを収納するための上面開口の凹部(収納部)12aがX方向(テープの送り方向)に一定間隔で連続的に形成されている。そして、キャリアテープの一端12rにはスプロケット孔12bが一定間隔で連続的に形成され、スプロケット孔に歯先が係合するスプロケット(図示しない)の駆動のもとでキャリアテープはピッチPで間欠送りされる。
【0023】
ピッチPは、たとえば、後述する溶着ヘッドの溶着面34のX方向の長さLに対して1/2〜1/3程度の長さとされ、溶着面の長さと同じ長さのカバーテープ14、キャリアテープ12に対して2〜3回の溶着が施される。
【0024】
カバーテープ14はたとえばプラスチックテープとされ、カバーテープの幅(Y方向の長さ)はスプロケット孔12bを塞がないようにキャリアテープ12の幅よりも狭く形成されており、電子部品Dが収納されたキャリアテープの凹部12aの上面開口を覆うようにカバーテープをキャリアテープに重ね合わせても、スプロケット孔を塞ぐことはない。
【0025】
図1(A)(B)に示すように、テーピング装置10は、キャリアテープ12を下方から支持する受け台20と、受け台に対してZ方向に移動(昇降)可能に取付けられた溶着ヘッド30とを有して構成されている。受け台20は、たとえば、平面視略矩形形状とされ、その上面にはX方向に延びてキャリアテープの凹部12aを収納可能なガイド溝22が形成されている。
【0026】
溶着ヘッド30はヒータなどの加熱ユニット30aを内蔵し、溶着ヘッドの下面に突設されてX方向(テープ送り方向)に沿って帯状に延びる二条(一対)の脚部32を有して構成されている。加熱ユニット30aで加熱された脚部32の下面は一対の溶着面34となる。
【0027】
キャリアテープ12、カバーテープ14が間欠送りされて溶着ヘッド30の下方に位置すると、テープ送りが中断される。そして、加熱ユニット30aにより一定の温度に加熱された溶着ヘッド30の一対の溶着面34が下降して、カバーテープ14の左右の端でキャリアテープ12と重なる重合部Tを押圧し、溶着(熱圧着)して、キャリアテープの凹部12aの上面開口をカバーテープでシールする。
溶着後、溶着ヘッド30が上昇してカバーテープ14から離れると、スプロケット(図示しない)の駆動のもとで、溶着ヘッドの下にキャリアテープ12が間欠送りされるとともに、カバーテープが送り込まれてキャリアテープに被せられ、加熱状態の溶着ヘッドが下降してカバーテープ、キャリアテープを押圧、溶着する。溶着ヘッドの昇降、キャリアテープ12、カバーテープ14の送りが繰り返されて溶着されたカバーテープ、キャリアテープはリール(図示しない)に巻き取られ、所定の長さのカバーテープ、キャリアテープが巻き取られたリールは実装工程に送られる。実装工程では、リールから引き出されたキャリアテープ12からカバーテープ14を剥離し、凹部12a内の電子部品Dが取り出されてプリント基板に実装される。
【0028】
図2、
図3は、本発明の一実施例に係る電子部品のテーピング装置における受け台の上方、下方からの分解斜視図、
図4(A)(B)は電子部品のテーピング装置における受け台の上方、下方からの斜視図、
図5(A)(B)は電子部品のテーピング装置における受け台の平面図、底面図を示す。
図2〜
図5に示すように、受け台20は、ガイド溝22と、一対の平板24と、一対のシーソー部材26とを有して構成されている。ガイド溝22は、受け台20の上面をX方向に延びてキャリアテープの凹部12aを収納可能に形成されている。
【0029】
図2に加えて
図5(A)を見るとよくわかるように、ガイド溝22の幅方向(Y方向)両側には段部が設けられ、段部はキャリアテープ送り方向(X方向)に延びる水平面22a、22bを持ち、2つの水平面の幅(Y方向の長さ)は相違している。幅広の水平面22aはスプロケット孔12bの形成された側のキャリアテープの端12rを支持する幅に、幅狭の水平面22bの幅はスプロケット孔の形成されていない側のキャリアテープの端12lを支持する幅にそれぞれ形成されている。
【0030】
水平面22a、22bには、一対の平板24を収納可能な一対のスリット22cがキャリアテープ送り方向(X方向)に沿って形成されている。
図3を見るとわかるように、一対のスリット22cは受け台20の底面まで貫通している。
また、受け台20には、その正面中央から背面中央まで(Y方向に)延びて受け台を貫通する孔20aが形成されており、この孔は支持軸25を支持(軸支)する軸支孔となる。
さらに、
図3に示すように、受け台20の底面には、一対のシーソー部材26を収納可能な一対の収納孔20b1と、シーソー部材の揺動孔26bにそれぞれ挿通された揺動軸27(後述する)を支持(軸支)する支持孔20b2とが形成されている。そして、収納孔20b1は一対のスリット22cの左右の端までY方向に延び、支持孔20b2は収納孔20b1の中央部を直交してX方向に延び、収納孔20b1より浅く形成されている。また、ワッシャー付ボルト28の螺合される一対のねじ孔20cが、支持孔20b2の内端に隣接して受け台20の底面に形成されている。
【0031】
一対の平板24について詳細を述べると、
図2、
図3に示すように、一対の平板は平面視略矩形の平板からなり、平板の上面24a(24al、24ar)はキャリアテープ12を支持する支持面とされ、平板の上面のX方向の両端24b(24bl−1、24bl−2、24br−1、24br−2)はキャリアテープをガイドしやすいように斜面形状とされている。
一対の平板24の中央には、支持軸25の挿通される挿通孔24cが形成され、挿通孔は上下方向(Z方向)に延びた長孔形状となっている。
【0032】
シーソー部材26について詳細を述べると、シーソー部材は、一対の腕部26aを左右の端に有した形状に形成され、たとえば、略矩形形状の板体から左右の端を切欠いて中央より低い突起を左右に設けて、突起が腕部となっている。一対の腕部26aの上面は、シーソー部材26が揺動したとき、左右の腕部で平板24を円滑に持ち上げられる形状、たとえば断面略半円形状となっている。
シーソー部材26の中央には、揺動軸27を支持する揺動孔26bが形成されている。
【0033】
一対の平板24、一対のシーソー部材26は、以下のようにして受け台20に組込まれる(取付けられる)。
まず、受け台の一対のスリット22cに一対の平板24を挿入する。一対のスリット22cはX方向に延びて形成されているため、スリットに挿入された一対の平板24はスリット内でX方向に沿って平行に、互いに対向するように位置する。
次に、一対のシーソー部材の揺動孔26bに揺動軸27を挿入してシーソー部材、揺動軸を一体化してから、受け台20の下方より収納孔20b1、支持孔20b2へ収納し、平板24のX方向に対して上流側、下流側の下面の端24d(
図3参照)を左右の腕部26aでそれぞれ支持させる。このとき、一対の平板24がX方向に沿って位置しているのに対して、シーソー部材26はY方向に沿って位置しており、受け台20内で平板、シーソー部材は互いに直交するように配置される。
【0034】
受け台20に平板24、シーソー部材26を収納した状態で支持軸25を受け台の軸支孔20a、平板の挿通孔24cに挿通させることにより、平板が受け台に組込まれる。そして、ワッシャー付ボルト28をねじ孔20cに噛合させ、そのワッシャーで揺動軸27を覆って回転可能に押さえることにより、シーソー部材26、揺動軸は、収納孔20b1、支持孔20b2から脱落することなく、受け台20の下面に組込まれる。
以上のように組込まれることによって、X方向に沿って配置された一対の平板24が支持軸25を中心としてZ方向(上下方向)に傾斜可能となるとともに、Y方向に沿って配置されたシーソー部材26が揺動軸27を中心としてZ方向(上下方向)に揺動可能に保持される。
【0035】
このように、X方向に沿って配置された一対の平板24が、X方向に直交するY方向に沿って配置された一対のシーソー部材の左右の腕部26aに下方から支持されるとともに、一対の平板の支持軸25はY方向、一対のシーソー部材の揺動軸27はX方向に延びて、一対の平板、一対のシーソー部材は互いに直交して位置している。
そのため、一方の平板24においてX方向(キャリアテープの送り方向)の上流側、下流側の上面の端がともに上昇したり、他方の平板において上流側、下流側の上面の端がともに下降することはなく、一方の平板において上流側の上面の端が上昇する際はその下流側の上面の端は下降する。また、他方の平板においてはその上流側の上面の端は下降し、下流側の上面の端は上昇するように、一対の平板は互い違いの状態で傾斜、連動する。
【0036】
図6(A)(B)(C)は
図1(A)の右側から見た受け台、テープ、溶着ヘッドの待機時、収納時、溶着時の模式図、
図7(A)(B)は
図6(A)(C)に対応する平板、溶着ヘッドの脚部の待機時、溶着時の模式図をそれぞれ示す。なお、図面の複雑化を避けるために、
図7ではキャリアテープ、カバーテープを省略している。
【0037】
図6(A)に示すように、キャリアテープ12、カバーテープ14がガイド溝22に収納されていない待機時においては、一対の平板24、一対のシーソー部材26はそれぞれZ方向に揺動可能な状態となっている。たとえば、
図6(A)では、向かって左の平板24lの上面24alが右の平板24rの上面24arよりも上方に位置し、シーソー部材の左の腕部26alは右の腕部26arよりも上方に位置してシーソー部材は時計方向に傾いている。
この状態では、
図7(A)に示すように、一対の平板24は、左の平板24lにおいてはその上流側の上面の端24bl−1が上昇位置、下流側の上面の端24bl−2は下降位置にあるとともに、右の平板24rにおいてはその上流側の上端24br−1は下降位置、下流側の上端24br−2は上昇位置にある。
【0038】
そして、左の平板24lの方が右の平板24rよりも上方に位置しているため、平板の挿通孔24cにおける支持軸25よりも上の隙間は、左の平板の挿通孔の方が右の平板の挿通孔よりも大きく、また、平板の挿通孔における支持軸25よりも下の隙間は、右の平板の挿通孔の方が左の平板の挿通孔よりも大きくなっている。
【0039】
カバーテープ14の被せられたキャリアテープ12がガイド溝22に収納されると、キャリアテープは以下のようにして一対の平板の上面24a(24al、24ar)及び段部の水平面22a、22bにより下方から支持される。
図1(A)の右側(X方向の上流側)から見た収納時の詳細を、
図6(B)の(イ)〜(ニ)を参考にして述べる。
(イ)カバーテープ14の被せられたキャリアテープ12がガイド溝22に収納されると、スプロケット孔12bの形成されていない側のキャリアテープの一端12lが左の平板の上面24alに載せられて下向きに押圧し、左の平板24lを下方へ、たとえば距離z押し下げたと仮定する。
(ロ)距離z押し下げられた左の平板24lの下端が、シーソー部材の左の腕部26alの上面を下向きに押圧し、左の腕部が下方へ距離z押し下がる。
(ハ)シーソー部材の左の腕部26alが距離z押し下がると、シーソー部材26が揺動軸27を揺動中心として反時計方向に揺動し、右の腕部26arが距離z上昇して右の平板24rを上方へ距離z押し上げる(持ち上げる)。
(ニ)右の平板の上面24arが距離z上昇して、段部の水平面22aと略同一の高さに保持されるとともに、左右の平板の上面24a(24al、24ar)が水平に保持される。左右の平板の上面24al、24arの高さが略同一の高さとなるため、平板の挿通孔24cにおける支持軸25の上下の隙間は左右の平板で同じとなる。
【0040】
上記(イ)〜(ニ)はX方向の上流側における一対の平板24、一対のシーソー部材26の連動を示すものであり、X方向の下流側における連動は、上流側とはZ方向(上下方向)の動きが逆になる。
すなわち、X方向の下流側においては、左の平板24lの下流側の上端24bl−2は下降位置、右の平板の下流側の上端24br−2は上昇位置にあり、以下のようにして一対の平板24、一対のシーソー部材26は連動する。
(イ’)カバーテープ14の被せられたキャリアテープ12がガイド溝22に収納されると、スプロケット孔12bの形成された側のキャリアテープの他端12rが右の平板の上面24arに載せられて下向きに押圧し、右の平板24rを下方へ距離z押し下げる。
(ロ’)距離z押し下げられた右の平板24rの下端が、シーソー部材の右の腕部26arの上面を下向きに押圧し、右の腕部が下方へ距離z押し下がる。
(ハ’)シーソー部材の右の腕部26arが距離z押し下がると、シーソー部材26が揺動軸27を中心として時計方向に揺動し、左の腕部26alが距離z上昇して左の平板24lを上方へ距離z押し上げる(持ち上げる)。
(ニ’)左の平板の上面24alが距離z上昇して、段部の水平面22bと略同一の高さに保持されるとともに、左右の平板の上面24a(24al、24ar)が水平に保持される。
【0041】
(イ)〜(ニ)、(イ’)〜(ニ’)のように一対の平板24、一対のシーソー部材26が連動することにより、左右の平板の上面24a(24al、24ar)、段部の水平面22a、22bが略同一の高さに水平に保持される。
キャリアテープの一端12lが左の平板の上面24al、段部の水平面22bにより下方から水平に支持されるとともに、キャリアテープの他端12rが右の平板の上面24arと段部の水平面22aにより下方から水平に支持され、カバーテープの重ね合わされたキャリアテープが水平な状態でガイド溝22内に収納される(
図6(B))。溶着時においては、一対の平板の上面24a(24al、24ar)が溶着ヘッドの一対の溶着面34に対する受け面として機能する。
【0042】
水平に収納されたキャリアテープ12、カバーテープ14が間欠送りされて溶着ヘッド30の下方に位置すると、テープ送りが中断され、加熱ユニット30aにより一定の温度に加熱された溶着ヘッドが下降する。一対の脚部32の溶着面34が、一対の平板の上面24a(受け面。24al、24ar)に支持されたキャリアテープ12、カバーテープ14の重合部Tを平板の上面と溶着面とで挟むように上から押圧し、キャリアテープ、カバーテープの平行度を維持したまま熱溶着する(
図6(C)、
図7(B))。
【0043】
受け台20の内部に一対の平板24、一対のシーソー部材26を収納した構成であるから、従来の球面ジョイント、球面ジョイント受け、略半球形体の組合せが受け台の下に配置される構成のように傾動の中心が受け台から離れて位置しない。そのため、一対の溶着面34の押圧力に大きな差があっても、略半球形体のようにバランスを崩して受け面(一対の平板の上面24a)が溶着面に対して大きく傾くおそれはない。
そして、溶着ヘッド30の一対の溶着面34がキャリアテープ12、カバーテープ14を押圧すると、一対の平板24を介して伝達された溶着ヘッドの押圧力を、シーソー部材26が揺動してその左右の腕部26aで受けるから、溶着時においてもキャリアテープ、カバーテープの平行度が維持される。この点においても平板やシーソー部材がバランスを崩して大きく傾くおそれはない。
【0044】
一対の平板の上面24a、受け台の水平面22a、22bに支持されてキャリアテープ12、カバーテープ14の平行度が維持されるから、一対の平板の上面24aに支持されたキャリアテープ、カバーテープの重合部Tを平板の上面(受け面。24al、24ar)と溶着面34とで挟むように上から押圧しても、一対の溶着面がキャリアテープ、カバーテープの重合部Tを不均一に押圧することもない。さらに、不均一な押圧により圧痕が形成されることもない。圧痕が形成されなければ均一な溶着が確保されるから、溶着強度、剥離強度が均一化されて、溶着強度、剥離強度のバラツキを抑制することができる。
【0045】
また、受け台20の内部に一対の平板24、一対のシーソー部材26を収納すれば足りる構成であるから、従来の球面ジョイント、球面ジョイント受け、略半球形体の組合せのように傾動中心を整列させて配置したり、受け台などの位置を調整する必要がなく、容易に組立てられる。また、従来の構成と比較して上下方向(Z方向)に大きなスペースは不要となり、テーピング装置を小型化できる。
【0046】
一対の平板24に設けられた支持軸25を支持(軸支)する挿通孔24cが、上下方向に延びる長孔形状であるため、挿通孔において支持軸の上下に隙間ができ、左右の平板が互い違いの状態で連動することができる。
【0047】
シーソー部材の腕部26aの上面が断面略半円形状に形成されていれば、シーソー部材26が揺動したとき、左右の腕部の上面で平板の下端24dを円滑に持ち上げることができる。
【0048】
上記のように本発明によれば、溶着面に対する受け面の位置のずれにより溶着ヘッドの押圧力に差があっても、一対の平板を介して伝達された押圧力を一対のシーソー部材の二つずつ、四つの腕で受けて、シーソー部材が揺動して平板を傾斜させて一対の平板における押圧力を一定にしている。そのため、溶着時において、溶着面に対するキャリアテープ、カバーテープの平行度が維持され、キャリアテープ、カバーテープが均一の押圧力で平板に押圧されて均一な溶着が確保され、剥離強度を均一化できる。
【0049】
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0050】
実施例では、一対の平板は略矩形形状、一対のシーソー部材は略矩形形状の板体から左右の端を切欠いて中央より低い突起(腕部)を左右に設ける形状としたが、これに限定されず、一対の平板がその上面でキャリアテープを下方から支持するとともに、一対のシーソー部材がキャリアテープの送り方向と直行する方向に位置して、一対の平板の下面を下方から支持する構成であればよい。