(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部であって、前記第1チューインガム組成物部は、前記第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有し、前記第1チューインガム組成物部又は前記第2チューインガム組成物部の一領域は、むき出しになっている、第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部
を含む多食感チューインガム製品であって、
前記多食感チューインガム製品は、食感分析試験によって決定される初期歯ごたえ特性を有し、前記初期歯ごたえ特性において、応力vsプローブ進入度(%)曲線における傾斜方向が少なくとも3回変化し、且つ、少なくとも100万パスカルの応力範囲をカバーする少なくとも1つの負の傾斜が存在し、
前記食感分析試験は、応力vsプローブ進入度(%)として結果を提供し、
a)前記第1チューインガム組成物は、前記第1チューインガム組成物の総重量に基づいて、10.0〜30.0重量%のバルク甘味料と、30.0〜60.0重量%のガムベースと、5.0〜35重量%の低融点脂肪とを含み、且つ
前記第2チューインガム組成物は、前記第2チューインガム組成物の総重量に基づいて、50.0〜60.0重量%のバルク甘味料と、20.0〜35.0重量%のガムベースと、5.0〜20.0重量%の水とを含み、前記第2チューインガムは、融解したガムベースと融解したバルク甘味料との均質な混合物を調製することにより形成され、
前記第1チューインガム組成物対第2チューインガム組成物の重量比が40:60〜60:40である;又は、
b)前記第1チューインガム組成物は、前記第1チューインガム組成物の総重量に基づいて、10.0〜30.0重量%のバルク甘味料と、30.0〜60.0重量%のガムベースと、5.0〜35重量%の低融点脂肪とを含み、
前記第2チューインガム組成物は、前記第2チューインガム組成物の総重量に基づいて、50.0〜60.0重量%のバルク甘味料と、20.0〜35.0重量%のガムベースと、5.0〜20.0重量%の水とを含み、前記第2チューインガムは、融解したガムベースと融解したバルク甘味料との均質な混合物を調製することにより、形成され、
前記b)の製品は菓子組成物部をさらに含み、前記第1チューインガム組成物対第2チューインガム組成物の重量比が40:60〜60:40であり、かつ、全チューインガム組成物と前記菓子組成物の重量比が70:30〜90:10であり、
前記バルク甘味料が、イソマルト、エリスリトール、ガラクチトール、水素添加デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、キシリトール、またはこれらの組み合わせからなる群より選択され、そして
前記菓子組成物部は、噛みごたえのあるキャラメル、ヌガー、噛みごたえのあるキャンディ、又はそれらの組み合わせである、多食感チューインガム製品。
前記a)の製品は、バー型又はスティック型であり、菓子組成物のベース層(基板)と、前記ベース層の上面に配置されたチューインガム組成物の1つ、2つ、又は3つの部分とを有し、又は、
チューインガム組成物(基板)のベース層と、前記ベース層の上面に配置された菓子組成物の1つ、2つ、又は3つの部分とを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多食感チューインガム製品。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で開示するのは、チューインガムスナック製品(「多食感チューインガムスナック製品」とも呼ぶ)であり、従来の板状、スティック状、及びコーティングされたペレット状のチューインガムでは得られない、スナック様の食事感覚をもたらしてくれる製品である。単一の製品の中に、チューインガム組成物部と菓子組成物部とを組み合わせ、又は2種類の異なるチューインガム組成物部を組み合わせ、それぞれの部分に、ある食感と風味を持たせることで、消費者がスナック様の食事感覚に気分的に満足するような複数の感覚的属性(食感、見た目、風味等)を示す製品が作り出される。複数の食感、複数の風味、及びスナック様の見た目を有する製品は、消費者の興味を引き、スナック様の食事感覚を提供し、消費者のさまざまなスナック需要に応えるものであることが判明した。
【0024】
当該チューインガムスナック製品は咀嚼されると、スナック製品を咀嚼していると思わせるような当初感覚と飲み込むという当初感覚を有し、しばらく咀嚼し続けていると、チューインガムの感覚に変わってくるのである。従来のチューインガムとは異なり、上記のチューインガムスナック製品は、消費者のスナックを食べたいという衝動を満足させることができるものである。
【0025】
消費者は、スナックを食べる時には、気分的、感覚的満足感を求め、落ち込んだ気持ちを補ってくれたり、良好な気分を維持してくれたり、あるいは気分を高めてくれるように求めている。チューインガムスナック製品の感覚的属性は、こうした必要に応えることができるものである。最初に歯ごたえのあるスナック、又は歯ごたえと噛みごたえを組み合わせたスナックは、人々がストレスを感じ、疲労を感じ、又は退屈をしている時に、そんな気分を補ったりバランスを回復したりする助けとなるものである。歯ごたえと噛みごたえを組み合わせたスナックは、消費者がエネルギーに溢れている時も、エネルギー不足の時も、メンテナンスする(すなわち「進み続ける」)ことを可能にするものである。なめらかな、歯ごたえのない、又は歯ごたえが控えめなスナック、及び、フルーティで甘くてとろけるような風味のスナックは、気分を高めて、ハッピーな時をよりハッピーに、リラックスした時をより楽しませるちょっとしたアクセントになったりするものである。
【0026】
スナックを食べたいという衝動は、消費者の気分としばしばリンクしているので、多感覚性のチューインガムスナック製品を用いて、スナックを食べたいという気持ちの弱みを、その多様な食感の特性、魅力的な見た目、及び風味/芳香によって満たすことができる。ある種の気分的な満足をもたらす製品は、魅力的な見た目で、食品として認識でき(その意味で、従来のチューインガムとは異なるように思われる)、消費者の関心を引きつけ続け、風味や食感のもたらす体験と一致するような外見を有するものであった。こうした製品の風味は、強いフルーツ風味又は焦がし風味であり、異なる成分に対して異なる風味があり、長く続くものであり、製品の見た目に基づく特性及び強度に対する期待に応えるものである。こうした製品に対する食感は、見た目に基づく期待に応え、スナックとしての当初の咀嚼からチューインガムとしての最後の咀嚼に移行するまでの間にばらばらになったりしない。製品は、咀嚼し始めてすぐにそれがチューインガムであるとは感じられないような、明確なスナック段階を有する。スナック段階の食感は、滑らかにチューインガム段階に移行するが、移行後に消費者が、口の中のスナック片とチューインガム片とが物理的に別々のものと同時に感じることがないようになっている。
【0027】
多食感チューインガムスナック製品は、スナック食品の見た目特性を有している。チューインガム製品の複数の食感の性質及び風味に由来する独特の感覚的属性が、見た目の刺激と組み合わさると、その製品が従来のチューインガムではないそれ以上の何かであるということを消費者に教えることになる。製品をスナック様のものと感じさせる属性には、風味と食感との属性とともに、飲み込む感覚が含まれる。
【0028】
スナック様のものと感じさせるのに貢献する風味属性には、香りの良い、焦がし風味、及びフルーツ風味が含まれる。
【0029】
スナック様のものと感じさせるのに貢献する食感属性には、歯ごたえ、ぼろぼろと砕ける感じ、粒状性等とともに、同一の製品の中の異なる食感が含まれる。スナック様のものと感じさせるのに貢献する口内感覚属性には、とろけるような感覚/融解性、クリーミー感、口いっぱいに広がる感覚等が含まれる。
【0030】
また、スナック様の特性に貢献するのは、食感が当初の咀嚼から最後の咀嚼に向けて移行することである。当初の咀嚼で感じられるのは、飲み込むことができるスナック食品のそれと似ているが、更に咀嚼していると、チューインガムを咀嚼している感覚のものと似た咀嚼感覚を有する製品のそれに移行する。スナック様の食感からチューインガム様の食感への移行にかかる時間は、消費者が両方の食感を感じるのに十分な時間である。
【0031】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は当初、歯ごたえのある又はサクサクとした食感を提供するが、続けて咀嚼していると、やがてそれは塊を咀嚼している食感に移行する。
【0032】
「菓子」という用語は、チューインガム又は、ガムベース若しくはガムベース高分子を包含する組成物を含まない。ある組成物がガムベース又はガムベース高分子を包含している場合、本明細書ではそのような組成物は「チューインガム」として特徴づけられる。
【0033】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品の菓子組成物部、又は、第1チューインガム組成物部若しくは第2チューインガム組成物部が、当初のクリーミーな口内感覚、歯ごたえのある、サクサクとした、ソフトな、粒々感のある、又は滑らかな食感を提供する。
【0034】
チューインガムスナック製品は、当初咀嚼しているプロセス中には、消費者にスナック食品を飲み込んでいる感じを提供し、そのスナック食品を飲み込んでいる感じは、従来のチューインガムを咀嚼することによって発生し得る、増加した量の唾液を飲み込む感覚とは異なるものである。チューインガムスナック製品は更に、食べている間にその食塊のサイズが変化するが、それはスナック様の特性に寄与するものである。当初咀嚼している際の大きな食塊のサイズから最終段階に咀嚼している際の小さな食塊のサイズに移行することには、スナック食品を飲み込んでいる、特に菓子組成物部を飲み込んでいる感じ、又は第1チューインガム組成物部又は第2チューインガム組成物部の水溶性の材料を飲み込んでいる感じが伴う。
【0035】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含み、且つ任意追加的に、1つ又はそれより多くの追加的チューインガム組成物部、1つ又はそれより多くの追加的菓子組成物部、又はそれらの組み合わせを含む。他の実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、それぞれ異なる組成を持つ第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、且つ任意追加的に、1つ又はそれより多くの追加的チューインガム組成物部を含む。
【0036】
多食感チューインガムスナック製品内で、チューインガム組成物部と菓子組成物部とは異なる食感を有する。多食感チューインガムスナック製品内で、第1チューインガム組成物部と第2チューインガム組成物部とは、異なる組成及び異なる食感を有する。2つ以上のチューインガム組成物部又は菓子組成物部が存在する場合には、それぞれの部は異なる食感を持っていても、似たような食感を持っていてもよいが、一方のチューインガム組成物部の食感は一方の菓子組成物部の食感と異なっているか、第1チューインガム組成物部の食感は第2チューインガム組成物部の食感と異なっていなければならない。
【0037】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、一様ではない断面を有する。
【0038】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は均質ではない。
【0039】
多食感チューインガムスナック製品は、チューインガム及び菓子の異なる領域を有し、又は異なるチューインガム組成物の異なる領域を有する。1つの実施形態においては、少なくとも1つのチューインガム組成物部が、1つの菓子組成物部と見た目が異なっており、特にそれぞれのチューインガム組成物部とそれぞれの菓子組成物部とは互いに見た目が異なっている。1つの実施形態においては、第1チューインガム組成物部は第2チューインガム組成物部とは見た目が異なっている。
【0040】
1つの実施形態においては、少なくとも1つのチューインガム組成物部は1つの菓子組成物部とは異なる色を有しており、特に、それぞれのチューインガム組成物部とそれぞれの菓子組成物部は互いに異なる色を有している。1つの実施形態においては、第1チューインガム組成物部は第2チューインガム組成物部とは異なる色を有している。
【0041】
1つの実施形態においては、少なくとも1つのチューインガム組成物部は、1つの菓子組成物部とは異なる形状、サイズ、又はその組み合わせを有しており、特にそれぞれのチューインガム組成物部及びそれぞれの菓子組成物部は、異なる形状、サイズ、又はその組み合わせを有している。1つの実施形態においては、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる形状、サイズ、又はその組み合わせを有している。
【0042】
1つの実施形態においては、少なくとも1つのチューインガム組成物部は、少なくとも1つの菓子組成物部とは異なる風味を有しており、それぞれの風味は、フルーツ、焦がし、スパイス、うまそうなもの、又はそれらの組み合わせであり、特に焦がし風味である。1つの実施形態においては、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる風味を有しており、それぞれの風味は、フルーツ、焦がし、スパイス、うまそうなもの、又はそれらの組み合わせであり、特に焦がし風味である。
【0043】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、セクションごとに割砕可能であり、そのため手から口への相互作用を提供することができ、ここでも消費者に対して、多食感チューインガムスナック製品がただのチューインガムではないことを知らしめることができる。
【0044】
1つの実施形態においては、菓子組成物部は、製品がぼろぼろと崩れるのをある程度許容しているが、菓子組成物部は90°折り曲げると、別々の小片に破砕する。
【0045】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、約10:90〜約90:10、特に約20:80〜約80:20、更に特に約30:70〜約70:30、また更に特に約40:60〜約60:40である、全チューインガム組成物対全菓子組成物の割合を有している。
【0046】
チューインガム組成物部
一般に、チューインガム組成物部のチューインガム組成物は、ガムベースとバルク甘味料とを含むか、又は、ガムベース高分子とバルク甘味料とを含む。ガムベース又はガムベース高分子と組み合わされる際には、バルク甘味料は、チューインガム組成物の望ましい食感に応じて、粉末状でも、融解した形でもよい。
【0047】
チューインガム組成物のバルク甘味料は、砂糖ベースのバルク甘味料であっても、無糖のバルク甘味料であってもよいが、特に、無糖のものである。バルク糖甘味料は、概して、糖類を含む。好適な糖甘味料は、単糖類、二糖類、及び多糖類を含み、例えば、ショ糖(砂糖)、デキストロース、麦芽糖、デキストリン、キシロース、リボース、ブドウ糖、マンノース、ガラクトース、果糖(レブロース)、乳糖、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解デンプン、コーンシロップ固体、例えば、高果糖コーンシロップ、又はこれらの組み合わせである。
【0048】
バルク甘味料は、例えば、「糖ポリオール」とも呼ばれる糖アルコールのような、無糖のバルク甘味料でもあり得る。糖アルコールは、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト、水素添加デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、キシリトールなど、又はこれらの組み合わせであり得る。糖アルコールは、粉末状であっても、(結晶質又は非晶質の)粒状であっても、含水量の小さい(例えば、10重量%未満、特に、5重量%未満)の融解状(融けた状態)であっても、又は、水分のあるシロップ状(「溶液状」とも呼ぶ)であってもよい。糖アルコールシロップの例としては、ソルビトールシロップ、マルチトールシロップ、還元デンプン糖化物シロップ、ポリグリシトールシロップ等が含まれる。
【0049】
チューインガム組成物中に存在するバルク甘味料の量は、チューインガム組成物の総重量に基づいて約1〜約85重量%、特には約10〜約75重量%、より特には約20〜約65、更により特には約30〜約55重量%、なお更により特には約40〜約45重量%であり得る。
【0050】
1つの実施形態においては、チューインガム組成物は無糖である。
【0051】
チューインガムは、追加的な成分を更に含んでよく、当該追加的成分は、風味剤、脂肪、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、湿潤剤、塩、軟化剤、又はこれらの組み合わせである。
【0052】
チューインガム組成物に使用する風味剤(風味料、風味付与剤)の例には、当該技術分野で既知の人工又は天然風味料、例えば、合成風味油、天然風味付与芳香油及び/若しくは油、オレオレジン、植物、葉、花、果実など由来抽出物、又はこれらの組み合わせが含まれる。非限定的な代表的な風味料は、スペアミント油、シナモン油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、ケイヒ油、及びレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツを含む柑橘油などの油;バニラ;リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、熱帯果実、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを含む果実エキス;はち蜜レモンなど;又はこれらの組み合わせを含む。
【0053】
他の種類の風味剤は、様々なアルデヒド及びエステル、例えば、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわち、α−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、β−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(柑橘類)、アルデヒドC−8(柑橘類)、アルデヒドC−9(柑橘類)、アルデヒドC−12(柑橘類)、2−エチルブチルアルデヒド(液果)、ヘキセナール、すなわち、トランス−2(液果)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(青玉果)、及び2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)を含む。
【0054】
スナック様の性質を伝えるのに好適な具体的風味としては、フルーツ風味、焦がし風味、スパイス風のもの、又はそれらの組み合わせが含まれる。焦がし風味には、チョコレート、バタースコッチ、キャラメル、トフィー、バニラ、ナッツ風味、コーヒー風のもの、又はそれらの組み合わせが含まれる。スパイス風味には、シナモン、ナツメグ、アニスシード等が含まれる。
【0055】
風味剤は、液体又は固体形で使用することができる。風味剤は、何かにカプセル封入された形でも、そうでない形ででも用いることができる。固体(乾燥)形で使用する場合、風味油の噴霧乾燥などの好適な乾燥手段を使用することができる。あるいは、風味剤は、当該技術分野で既知の手段により、例えば、セルロース、デンプン、糖、マルトデキストリン、アラビアガムなどの水溶性物質にカプセル封入され、吸収されてもよい。ある実施形態では、風味剤は、風味の初期バースト感覚又は風味の持続的感覚を提供するために有効な物理的形態で使用することができる。
【0056】
2種類以上の風味剤を組成物内に用いることができる。風味剤の量及び種類は、どのようなプロファイルを醸し出したいのか及びどの程度強い風味を望むのかに基づいて選択することができる。チューインガム組成物は風味剤を、チューインガムの総重量に基づいて、一般に約0.001〜約5重量%、特に約0.01〜約4重量%、より特に約0.1〜約3重量%、更により特に約1.0〜約2重量%の量で含む。
チューインガム組成物は、高甘味度甘味料を更に包含してもよい。本明細書で使用される「高甘味度甘味料」とは、ショ糖の甘味よりも強い甘味を有する剤を意味する。ある実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、糖(ショ糖)の甘味の少なくとも100倍、具体的には1重量当たり、糖の甘味の少なくとも500倍の甘味を有する。ある実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、糖の甘味の少なくとも1,000倍、より具体的には1重量当たり、糖の甘味の少なくとも5,000倍である。高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、及びタンパク質系甘味料を含む、広範囲の物質から選択することができる。1つ以上の甘味料又は上記種類の甘味料のうちの1つ以上を含む組み合わせを使用することができる。特定の甘味料に限定されず、代表的なカテゴリー及び例としては、以下のものが挙げられる:
水溶性甘味剤、例えば、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、レバウジオシド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、及びL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、例えば、米国特許第4,619,834号中に開示されるもの、又はこれらの組み合わせ;
水溶性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、すなわち、サッカリンナトリウム又はカルシウム塩、チクロ塩、アセスルファム塩、例えば、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウム、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)、サッカリンの遊離酸形、又はこれらの組み合わせ;ジペプチド系甘味料、例えば、L−アスパラギン酸由来甘味料、例えば、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3,492,131号で説明される物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、ネオテーム、又はこれらの組み合わせ;
天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、例えば、ステビオシド及びステビア由来化合物、例えば、ステビオール配糖体、例えば、レバウジオシドAを含むレバウジオシドなど、羅漢果及び羅漢果由来化合物、例えば、イソ−モグロシドVなど、普通の糖(ショ糖)の塩素化誘導体、例えば、クロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られているもの;(クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては:1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド、又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクトスクロース;4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、又はこれらの組み合わせを含む);
タンパク質系甘味料、例えば、タウマッコスダニエリ、タリン、又はこれらの組み合わせ、並びに
アミノ酸系甘味料が挙げられる。
【0057】
更に、高甘味度甘味料は、様々な明確な特徴の物理的形態、例えば、甘味の初期バースト感覚及び/又は甘味の持続的感覚を提供することが当該技術分野で既知の形態で使用することができる。これらに限定されることなく、このような物理的形態は、遊離形態(例えば、噴霧乾燥若しくは粉末化)、ビーズ化形態、カプセル封入形態、又はこれらの組み合わせを含む。
【0058】
チューインガム組成物は、チューインガムスナック製品を食べた際に、さまざまな食感属性及び口いっぱいに広がる感じを提供し得る脂肪を包含し得る。チューインガム組成物において使用するための脂肪の例としては、植物起源、動物起源の脂肪及び油、又はこれらの組み合わせが含まれる。好適な植物性脂肪は、大豆、綿実、トウモロコシ、アーモンド、落花生、ヒマワリ、菜種、オリーブ、パーム、パーム核、イリッペ、シア、ココナッツ、ココア、ココアバター、又はこれらの組み合わせを含むことができる。上記植物性脂肪は、所望の様々な度合いまで水素添加するか、又は分別結晶により分離することができる。好適な動物性脂肪は、乳脂及びバターなどの乳性脂肪を含む。本明細書で使用される「脂肪」という用語は、任意の脂質物質を指し、固体又は液体(例えば、油)であり得る。例示的な脂質物質は、トリグリセリド、脂肪族アルコール、脂肪酸、又はこれらの組み合わせを含む。トリグリセリドは、限定されないが、中鎖トリグリセリド、長鎖トリグリセリドなどを使用することができる。脂肪の融点は、限定されないが、約15〜約68℃の融点を有する脂肪を使用することができる。特定の脂肪は、水素添加パーム油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油、水素添加落花生油、水素添加綿実油、水素添加ココナッツ油、又はこれらの組み合わせを含む。1つの実施形態においては、チューインガム組成物は、約15〜約50℃の融点を有する低融点脂肪を包含する。
【0059】
脂肪はチューインガム組成物に、チューインガム組成物の総重量に基づいて、約0.1〜約25重量%、特に約1.0〜約15、より特に約5〜約10重量%の量で存在し得る。
【0060】
チューインガム組成物は、任意追加的に、染色剤を含んでいてよい。染色剤(色素、着色剤、染色料)は、チューインガムの所望の色素を生成するのに有効な量で使用することができる。好適な染色剤は、顔料を含み、これは、チューインガムの総重量に基づいて、最大約6重量%の量で組み込むことができる。例えば、二酸化チタンは、チューインガムの総重量に基づいて、最大約2重量%、具体的には約1重量%未満の量で組み込むことができる。好適な染色剤は、食品、薬物、及び化粧品適用に好適な、天然の食紅及び染料も含む。
【0061】
好適な色素は、アナトー抽出物(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水テンサイ(テンサイ粉末)、テンサイ根赤色/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a〜d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、ガンマカロチン、β−アポ−8カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120)、カーマイン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クロロフィル(E140)、焼き部分脱脂料理済み綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色素抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカス藻粗粉、合成酸化鉄、酸化鉄及び水酸化鉄(E172)、果汁、野菜汁、乾燥藻粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉及び抽出物、ニンジン油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア属酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランス(E123)、カプサンシン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号号、FD&C黄色5号、及びFD&C黄色6号、タートラジン(E102)、キノリン黄色(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリトロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/アシッドブリリアントグリーンBS(E142)、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態では、公認の色素は、FD&Cアルミニウムレーキ、又はこれらの組み合わせを含み得る。すべてのFD& C着色剤及びそれらの対応する化学構造の完全な詳細説明は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第4版、第1巻、492〜494頁に見出せる。
【0062】
チューインガムで使用される食用酸又はその塩の例としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)、又はこれらの組み合わせが含まれる。食用酸又はその塩は、遊離形態又はカプセル封入形態で使用してもよい。
【0063】
チューインガム組成物は、感覚剤を含んでいてよい。感覚剤の例としては、冷感剤、温感剤、刺痛剤、発泡剤、又はこれらの組み合わせが含まれる。
【0064】
チューインガム組成物は、任意追加的に風味調節剤又は増強剤を含んでいてよい。甘味は、風味調節剤若しくは増強剤から、及び/又は風味剤から、並びに甘味料から生じ得る。風味増強剤は、それら自体の特徴的な味又は芳香知覚を導入することなく、元の物質の味又は芳香知覚を強めるか、補うか、調節するか、又は向上させる物質からなり得る。風味調節剤は、別の成分の特徴を捕捉するか、又は打ち消す、それら自体の特徴を与え得る。ある実施形態では、風味、甘味、酸味、旨味、こく味、塩味、又はこれらの組み合わせの知覚を強めるか、補うか、調節するか、又は向上させるように設計された風味調節剤又は増強剤を含むことができる。したがって、風味調節剤又は増強剤の添加は、チューインガム全体の味に影響を与えることができる。例えば、風味は、バニラ、バニリン、エチルマルトール、フルフアール、プロピオン酸エチル、ラクトン、又はこれらの組み合わせなどの、風味調節剤又は増強剤の包含により追加の甘味特色を有するように化合することができる。
【0065】
例示的な風味調節剤又は増強剤は、グリチルリチン酸モノアンモニウム、カンゾウグリチルリチン酸塩、ダイダイ、アラピリダイン、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラ抽出物、バニラオレオレジン、バニリン、テンサイ抽出物(アルコール抽出物)、サトウキビ葉エキス(アルコール抽出物)、G−タンパク質連結受容体(T2R及びT1R)に応答する化合物、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態では、糖酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸水素ナトリウム、又はこれらの組み合わせが使用される。ある実施形態では、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウムなどのグルタミン酸塩、加水分解植物性タンパク質、加水分解動物性タンパク質、酵母抽出物、又はこれらの組み合わせが含まれる。更なる例は、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、及びイノシン一リン酸などのヌクレオチド、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、又はこれらの組み合わせを含む。こく味を与える風味増強剤組成物の更なる例は、米国特許第5,679,397号(Kurodaら)にも包含される。
【0066】
本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さなどの要素を対象とする好みの問題であり得る。したがって、風味付与剤の量は、最終生成物で所望される結果を得るために変化することがあり、このような変化は、当業者の能力の範囲内であり、そのための特別な追加的実験を必要としない。
【0067】
チューインガム組成物は任意追加的に、塩辛い風味を与えるため、あるいはバルク甘味料又は高甘味度甘味料がある場合には甘い風味を与えるために一定量の塩、特に塩化ナトリウムを、更に含んでいてよい。チューインガム組成物内に存在する塩の量は、チューインガム組成物の総重量に基づいて、約0.001〜約0.5重量%、特に約0.01〜約0.1重量%、より特に約0.04〜約0.07重量%である。
【0068】
チューインガム組成物は、任意追加的に、湿潤剤を含んでいてよい。例示的な湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、又はこれらの組み合わせを含む。湿潤剤の量は、最終的なチューインガム製品が、製造、梱包、貯蔵、そして使用の過程で、周囲の環境から不必要に水分を吸収しないのを確実にするように制御できる。
【0069】
チューインガム組成物は、本明細書でガムベースに用いるものとして説明されるような軟化剤を更に含んでいてよい。
【0070】
チューインガム組成物に加えることのできる他の材料としては、組成物が120℃より高温に加熱されると、組成物を膨らませる気体を提供できる、重炭酸ナトリウムのような重炭酸塩が含まれる。
【0071】
チューインガム組成物は、チューインガムベースを更に含む。1つの実施形態においては、チューインガムは、弾性体と任意追加的に追加的なガムベース成分とを含むガムベースを含むが、当該追加的なガムベース成分は、樹脂、脂肪、乳化剤、ろう、充填剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、又はそれらの組み合わせである。
【0072】
本明細書で使用される「ガムベース」という用語は、水不溶性物質(単数又は複数)を指し、例えば、弾性体、樹脂、ろう、弾性溶剤、乳化剤、可塑剤、増量剤/充填剤、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0073】
使用されるガムベースの量は、使用されるベースの種類、所望されるチューインガムの稠度、及び最終的なチューインガム製品を作製するためにこの組成物において使用される他の成分などの、様々な要素に応じて変化するであろう。概して、ガムベースは、チューインガム製品の総重量に基づいて、約5〜約65重量%、特に約10〜約55重量%、より特に約15〜約45重量%、更により特に約20〜約35重量%の量で存在するであろう。
【0074】
チューインガムベースで使用される例示的な弾性体は、天然及び合成弾性体及びゴムの両方、例えば、植物起源の物質、例えば、チクル、クラウンガム、ニスペロ、ロサジンハ、ジェルトン、ペリロ、ニジェールグッタ、チュニュ、バラタ、グタペルカ、レチカプシ、ソルバ、グッタ・ケイなど、又はこれらの組み合わせを含む。ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、イソブチレンイソプレンコポリマー、ポリエチレン、これらの組み合わせなど、又はこれらの組み合わせなどの合成弾性体もまた有用である。ガムベースは、非毒性ビニル重合体、例えば、ポリ酢酸ビニル及びその部分加水分解物、ポリビニルアルコール、又はこれらの組み合わせを含むことができる。それを用いる場合、ビニル重合体の分子量は、約3,000〜約94,000以下の範囲であり得る。追加の有用な重合体は、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、乳酸のコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、可塑化エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、又はこれらの組み合わせを含む。
【0075】
様々な所望の食感及び稠度特性を提供するための可塑剤又は軟化剤などの従来の添加剤を、有効な量でガムベース中に含めることができる。これらの成分は、低分子量であるため、可塑剤及び軟化剤は、ガムベースの基本構造を浸透することができ、ガムベースを可塑性及びより低粘性にする。好適な可塑剤及び軟化剤は、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、三酢酸グリセリル、グリセリルレシチン、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、又はこれらの組み合わせを含む。これらの成分のいくつかは、ガムベース形成時に添加されるか、又は後で、チューインガム組成物の生成中に添加されてもよい。
【0076】
ろう、例えば、天然及び合成ろう、水素添加植物油、石油ろう、例えば、ポリウレタンろう、ポリエチレンろう、パラフィンろう、微結晶ろう、脂肪ろう、モノステアリン酸ソルビタン、獣脂、プロピレングリコールなど、又はこれらの組み合わせも、様々な所望の食感及び稠度特性を得るために、ガムベースに組み込むことができる。
【0077】
ろうがガムベース中に存在する場合、ろうは、重合弾性混合物を軟化し、ガムベースの弾性を改善する。使用されるろうは、約60℃未満、特に約45℃〜約55℃の融点を有してもよく、また低融解ろうは、パラフィンろうであり得る。ろうは、ガムベースの総重量に基づいて約0.1〜約10重量%、特に約3〜約7重量%の量でガムベース中に存在することができる。
【0078】
低融点ろうに加えて、高融点を有するろうは、ガムベースの総重量に基づいて最大約5重量%の量で、ガムベースにおいて使用することができる。このような高温融解ろうは、蜜ろう、植物ろう、キャンデリラろう、カルナバろう、ほとんどの石油ろうなど、又はこれらの組み合わせを含む。
【0079】
ガムベースは、任意選択で、弾性ベース成分を軟化する助けとなる従来の弾性溶剤、例えば、α−ピネン若しくはβ−ピネンの重合体のような樹脂;ロジン若しくは修飾ロジン及びガムのメチルエステル、グリセロールエステル、若しくはペンタエリスリトールエステル、例えば、水素添加、二量化、若しくは重合化ロジン、若しくはこれらの組み合わせ;部分水素添加木材若しくはガムロジンのペンタエリスリトールエステル;木材若しくはガムロジンのペンタエリスリトールエステル;木材ロジンのグリセロールエステル;部分二量化木材若しくはガムロジンのグリセロールエステル;重合化木材若しくはガムロジンのグリセロールエステル;トール油ロジンのグリセロールエステル;木材若しくはガムロジンのグリセロールエステル;部分水素添加木材若しくはガムロジン;木材若しくはロジンの部分水素添加メチルエステルなど;又はこれらの組み合わせを含有することができる。弾性溶剤は、ガムベースの総重量に基づいて約5〜約75重量%、特に約45〜約70重量%の量で使用することができる。
【0080】
ガムベースは、充填剤及び食感剤として働き得る鉱質補助剤などの有効な量の増量剤を含むことができる。好適な鉱質補助剤は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸三カルシウムなど、又はこれらの組み合わせを含む。これらの充填剤又は補助剤は、様々な量でガムベースにおいて使用することができる。具体的には、充填剤の量は、それが使用される場合、ガムベースの総重量に基づいて約5〜約60重量%超、特に約20〜約30重量%の量で存在することができる。
【0081】
ガムベースにおける使用に好適な乳化剤は、蒸留モノグリセリド、モノ及びジグリセリドの酢酸エステル、モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、モノ及びジグリセリドの乳酸エステル、モノ及びジグリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ポリグリセロールポリリシノール酸塩、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ラウリン酸ポリグリセリル、ヤシ脂肪酸グリセリル、アラビアガム、アカシアガム、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ステアロイルラクチレートナトリウム、ステアロイルラクチレートカルシウム、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、グリセリルトリカプリル酸塩−カプリン酸塩/中鎖トリグリセリド、ジオレイン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、脂肪酸のグリセリルラクトエステル、グリセリルラクトパルミチン酸塩、ステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸トリグリセリル、ジステアリン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジパルミチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、ヘキサオレイン酸ポリグリセリル10、中鎖トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、モノステアリン酸プロピレングリコール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート65、ジステアリン酸ヘキシルグリセリル、モノステアリン酸トリグリセリル、tween、span、ステアロイルラクチレート、ステアロイル−2−ラクチレートカルシウム、ステアロイル−2−ラクチレートレシチンナトリウム、アンモニウムホスファチド、脂肪酸のショ糖エステル、スクログリセリド、脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステル、又はこれらの組み合わせを含む。
【0082】
チューインガム組成物は、当該技術分野で既知の標準的な技法及び器材を用いて調製可能である。
【0083】
1つの例示的なプロセスでは、ガムベースは、ガムベースの物理的及び化学的性質に悪影響を及ぼさずにガムベースを軟化するのに十分に高い温度まで加熱されるが、これは、使用されるガムベースの組成により変化し、そのための特別な追加的実験を行うことなく当業者により容易に決定される。例えば、ガムベースは、従来、配合物を可塑化するため、並びにベースの硬さ、粘弾性、及び成形性を調節するために、もし使われるならば可塑剤、充填剤、及び軟化剤などのガムベースの残りの成分と漸次的に混和させる直前に、約60℃〜約160℃まで、又は約150℃〜約175℃まで、ベースを融解させるのに十分な時間、例えば、約30分間、融解させることができる。チューインガムの成分は次に、融解したガムベースと混合する。チューインガム組成物の均一な又は均質な混合物が得られるまで、混合を続ける。
【0084】
他の例示的なプロセスでは、チューインガムの成分は、ガムベース又はガムベース成分をあらかじめ融解せずにガムベースと混合される。チューインガム組成物の均一な又は均質な混合物が得られるまで、混合を続ける。この実施形態では、ガムベースは、より高い温度での融解ではなく、むしろ、40〜50℃で軟化することができるペレット化ガムベースの形態であり得る。
【0085】
他の実施形態においては、融解ガムベース及びペレット化ガムベースを組み合わせたものが用いられ得る。
【0086】
チューインガム組成物は、バッチ法若しくは連続法、又はこれらの組み合わせを用いて調製することができる。
【0087】
菓子組成物部
菓子組成物部は、キャンディブリットル、キャラメル、噛みごたえのあるキャンディ、チョコレート(ダーク、ミルク、ホワイト)、キャロブ、コンパウンドコーティング、綿飴、フォンダン、ファッジ、グレーズ、ガムドロップキャンディ、グミ、ハードボイルドキャンディ、ゼリー(寒天、カラゲナン、ゼラチン、コンニャク、ペクチン又はデンプン系のもの)、リコリス、マシュマロ、マジパン、ヌガー、プラリーヌ、タフィー、トフィー、スプリンクル、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0088】
菓子組成物は、砂糖、糖類、又は無糖の甘味料から調製され得る。砂糖ベースの甘味料の例としては、単糖類、二糖類、及び多糖類を含む糖類を含み、例えば、ショ糖(砂糖)、デキストロース、麦芽糖、デキストリン、キシロース、リボース、ブドウ糖、マンノース、ガラクトース、果糖(レブロース)、乳糖、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解デンプン、コーンシロップ固体、例えば、高果糖コーンシロップ、又はこれらの組み合わせである。
【0089】
無糖の甘味料の例としては、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト、水素添加デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、キシリトール等、又はそれらの組み合わせのような、糖アルコールが含まれる。糖アルコールは、粉末状であっても、(結晶質又は非晶質の)粒状であっても、小さい水分量(例えば、10重量%未満、特に、5重量%未満)を有する融解状(溶けた状態)であっても、又は、水分のあるシロップ状(「溶液状」とも呼ぶ)であってもよい。糖アルコールシロップの例としては、ソルビトールシロップ、マルチトールシロップ、還元デンプン糖化物シロップ、ポリグリシトールシロップ等が含まれる。
【0090】
1つの実施形態においては、菓子組成物は、無糖である。
【0091】
菓子組成物は、追加的な菓子成分を更に含んでよく、当該追加的菓子成分は、風味剤、脂肪、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、湿潤剤、ココアパウダー、塩、又はこれらの組み合わせである。チューインガム組成物を調製するのに用いるとして既に説明されたような、風味剤、脂肪、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤又は増強剤、着色剤、塩、又は湿潤剤の任意のものを、菓子組成物に対して用いることができる。
【0092】
菓子組成物は、チョコレート(ダーク、ミルク、ホワイト)であり得る。チョコレートの代わりに、菓子組成物はキャロブ組成物であり得る。
【0093】
菓子組成物は、ハードボイルドキャンディであり得る。
【0094】
菓子組成物は、キャラメルであり得る。
【0095】
菓子組成物は、噛みごたえのあるキャンディであり得る。
【0097】
菓子組成物は、グミであり得る。「グミ」菓子(「グミ風キャンディ」とも呼ぶ)は、ゼラチンのようなヒドロコロイド食感向上剤を単独又は他の食感向上剤とともに含む。
【0098】
菓子組成物は、ヒドロコロイドを含み得る。ヒドロコロイド物質は、植物滲出液、シードガム、及び海藻抽出物などの天然物質を含み得るか、あるいはそれらは、セルロース、デンプン、又は天然ガム誘導体などの化学修飾物質であり得る。更に、ヒドロコロイド物質は、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸塩、寒天、カラゲナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガカントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、ファーセレラン、ガティガム、タマリン、及び細菌由来のガムを含んでもよい。修飾天然ガムは、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、又はこれらの組み合わせを含む。微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、ヒドロキシプロピルセルロース(MPC)、又はこれらの組み合わせなどの修飾セルロースが含まれることがある。
【0099】
菓子組成物は、当該技術分野で既知の技法及び器材を用いて調製可能である。
【0100】
チューインガムスナック製品
チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部と菓子組成物部との合成物であるか、又は、第1チューインガム組成物部と第2チューインガム組成物部との合成物である。
【0101】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部と菓子組成物部との合成物であるが、そのガムベースの総量は、約10〜約40、特に15〜約35重量%であり;バルク甘味料の総量は、約25〜約80、特に約35〜約70重量%;脂肪の総量は、約1〜約20、特に約3〜約11重量%;塩の総量は、0〜0.75重量%特に約0.1〜約0.60重量%である。なお、上記すべての重量は、チューインガムスナック製品の総重量に基づいている。1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部と菓子組成物部との合成物であるが、その菓子組成物の量は、チューインガムスナック製品の総重量に基づいて、約10〜約50重量%、特に約15〜約45重量%、より特に約20〜約40重量%、更により特に約25〜約35重量%である。
【0102】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、第1チューインガム組成物部と第2チューインガム組成物部との合成物であり、そのガムベースの総量は、約35〜約55重量%であり、バルク甘味料の総量は、約25〜約60重量%であり、脂肪の総量は、約5〜約20重量%である。なお、すべての重量は、チューインガムスナック製品の総重量に基づいている。
【0103】
チューインガム組成物部及び菓子組成物部は、押出プロセス、共押出プロセス、三段押出プロセス、積層プロセス、型成形プロセス、圧縮プロセス、圧延スコーリングプロセス、連鎖金型プロセス、回転金型プロセス等を含む、さまざまなプロセスを用いて、形成することができる。
【0104】
チューインガムスナック製品は、板型、スティック型、真四角型、塊型、円球型等任意の形状に調製することができる。1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部の一領域がむき出しになっているように形成される。
【0105】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部の一表面と連続的に接触するようになっている、菓子組成物部の一表面を有する。他の実施形態においては、菓子組成物部は、チューインガム組成物部の一表面と連続的に接触する基板状に形成される。他の実施形態においては、菓子組成物部又はチューインガム組成物部のいずれか一方の部分が、他方の部分を部分的に覆うコーティングの形になっている。覆っている割合は、100%未満であるが、覆われる側の表面積の約1〜約90%、特に約10〜約80%、より特に約20〜約70%、更により特に約30〜約60%、また更により特に約40〜約50%であり得る。
【0106】
菓子組成物部は、チューインガム組成物部上の装飾的なドリズルの形で、チューインガム組成物のいくつかの領域をむき出し状態で残す形状であってもよく、又は、チューインガム組成物部の一部を覆う若しくはすべての部分を囲むグレーズ状でもあり得る。
【0107】
菓子組成物部は、チューインガム組成物内の内包物の形状であり得る。例えば、チューインガム組成物のマトリクス全体にチョコレートチップがランダムにちりばめられた、クッキー生地チューインガムが調製可能である。加えて、クッキー生地チューインガムは、クッキー生地チューインガム部の一部、又は全体を囲むグレーズの形をした、菓子組成物のコーティングを更に含むことができる。
【0108】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、第2チューインガム組成物部の一表面と連続的に接触するようになっている、第1チューインガム組成物部の一表面を有する。他の実施形態においては、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部の一表面と連続的に接触する基板状に形成される。他の実施形態においては、一方のチューインガム組成物部が、他方のチューインガム部を部分的に覆うコーティングの形になっている。覆っている割合は、100%未満であるが、覆われる側の表面積の約1〜約90%、特に約10〜約80%、より特に約20〜約70%、更により特に約30〜約60%、また更により特に約40〜約50%であり得る。
【0109】
チューインガムスナック製品は、約0.5g〜約8.0g、特に約1.0g〜約6.0g、特に約1.5g〜約5.0g、更により特に約2.0〜約4.0g、そして更により特に約2.5g〜約3.0gである一片の重量を有するように形成され得る。
【0110】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、一様ではない断面を有する。1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、非均質的である。具体的には、チューインガムスナック製品は、従来の板状チューインガムではなく、従来のハードに又はソフトにコーティングされたペレット状チューインガムではなく、従来のボール状ガムではない。むしろ、チューインガムスナック製品は、菓子組成物部とは異なる食感を有するチューインガム組成物部、又は第2チューインガム組成物部とは異なる食感を有する第1チューインガム組成物部を有するものである。
【0111】
1つの実施形態においては、チューインガム組成物部の一領域、菓子組成物部の一領域、又はその両方が、50マイクロメーターより大きい表面粗さ(R
a)、特に100マイクロメーターより大きい表面粗さ(R
a)、より特に200マイクロメーターより大きい表面粗さ(R
a)を有する。
【0112】
食感分析
多食感チューインガム製品は、従来のチューインガムと比べると、咀嚼した時に異なる食感及び口内感覚を示す。その違いを特徴づけるために、さまざまな分析試験が開発され、最初のひと噛み同士での、及び最初のひと噛みから引き続き咀嚼するにあたっての、多食感チューインガム製品と従来のチューインガムとの違いを特徴づけてきた。
【0113】
多食感チューインガム製品のいくつかの実施形態は、従来のチューインガムと比べてより歯ごたえがあるか、そうでなければ異なった、最初咀嚼した時の食感を有する。このことは消費者に、新しい且つ喜ばしい経験となる。この「初期歯ごたえ」を定量的に特徴づけるために、実施例10に規定されるような初期歯ごたえ食感分析試験(又は単に「食感分析試験」)を実行することができる。一般に、食感分析試験は、2ミリメートル(mm)プローブ(シリンダー、全長25mm)を備えた食感分析機を用いて、1mm/秒の速度で、95%のプローブ進入度(プローブがその力を加えた方向に、試料の95%まで進入した状態)で、同一のタイプの試料に対して8回ずつ行われ、その結果は、応力vsプローブ進入度(%)又は応力−歪み曲線として提供される。
【0114】
多食感チューインガム製品に対する応力vsプローブ進入度(%)曲線(「応力−歪み曲線」とも呼ぶ)は、従来のコーティングされていない板状若しくはスティック型の、又は硬い層でコーティングされたチューインガムペレットのような、従来のチューインガムに対するものと相当に異なる。従来のコーティングされていない板状ガムの応力−歪み曲線は、概ね正の傾きを示し(例えば、
図1の点線を参照)、ピーク、すなわち多食感チューインガム製品の応力−歪み曲線にある(例えば、
図1の実線参照)ような、極大点を、示さない。ピークとは、その一方に正の傾きを、他方に負の傾きを有する。ピークの形状と大きさはさまざまに異なり、チューインガム組成部若しくは菓子組成物部のタイプ(サイズ、形状、例えば、層又は内包物);チューインガム組成物若しくは菓子組成物の組成のタイプ(例えば、硬質キャンディ、軟質キャンディ、チョコレート、他のチューインガム部);又はチューインガム組成物部若しくは菓子組成物部の量によって変化するであろう。曲線のピーク又はバリエーションは、咀嚼抵抗を表し、試料を一口噛んだ際に消費者が感じる、さまざまに異なる感覚と相関している。
【0115】
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、食感分析試験によって決定されるその初期歯ごたえ特性が、応力vsプローブ進入度(%)曲線の傾きの方向が少なくとも3回、4回、5回、6回、7回、8回、又はより多くの回数変化を有するものであり、且つ少なくとも1つの負の傾き部分が、少なくとも100万パスカル、特に少なくとも150万パスカル、より特に少なくとも200万パスカル、更により特に少なくとも250万パスカルの応力範囲をカバーするという特性になっている。「少なくとも1つの負の(下向きの)傾き部分が、少なくともx百万Paの範囲をカバーする」という表現は、応力が、負の傾き部分のピークから、曲線が正の傾きに変化する点又は曲線が終わる点にまでに、少なくともx百万パスカルだけ減少することを意味している。多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが製品の中へ最初の10%進入する間に、少なくとも400万、特に少なくとも500万、より特に少なくとも600万、更により特に少なくとも700万パスカルの応力を必要とする特性を更に有し得る。多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが製品の中へ30%〜60%進入する間に、少なくとも200万、特に少なくとも400万、より特に少なくとも600万、更により特に少なくとも800万パスカルの応力ピークが存在する特性を更に有し得る。更に、多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、初期のピーク(応力)よりも、少なくとも25万、特に少なくとも50万、より特に少なくとも75万、及び更により特に少なくとも100万パスカル大きな2番目のピーク(応力)を有する特性を有し得る。これが意味するのは、少なくとも2つの極大点が応力vsプローブ進入度(%)曲線にあり、2番目のピーク(応力)は、より高いプローブ進入度(%)で起こり、初期のピーク(応力)よりもその強度が、前に示した量だけ大きいということである。
【0116】
多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが製品の中へ20%〜80%の進入度である間の最大応力値と最小応力値の差が、少なくとも450万パスカル、特に少なくとも600万パスカル、及びより特に少なくとも800万パスカルあるという特性を更に有し得る。
【0117】
多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが20%〜80%の進入度である間の最大応力値/最小応力値の割合が、少なくとも4、特に少なくとも5、より特に少なくとも6、更により特に少なくとも8あるという特性を更に有し得る。
【0118】
多食感チューインガム製品は、チューインガム組成物又は菓子組成物から調製される、異なる食感を有する異なる部分の組み合わせのために、ブラベンダートルク試験において、従来のチューインガムと比べて特徴的な性質を示すことが判明した。ブラベンダートルク試験は、下記の実施例11に説明されるが、試料の食感が初期の歯ごたえのある食感から、咀嚼する食感に移行するのを分析するのに用いることが可能である。ブラベンダートルク試験は一般に、40〜50gの試料を、乾燥下での混合用の、ローラーミキシング刃を備えたBrabender Do−Corderミキサーに装填して実行される。混合は、25℃で、毎分15回転(RPM)することにより行われ、変形に対するトルク抵抗値が、5分間にわたり測定される。同一種類のサンプルにつき、6回の試験が実行される。
【0119】
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、ブラベンダートルク試験により決定される咀嚼特性が、i.初期トルクは、5分後時点のトルクより小さい、又はii.トルクの増加%は、24N.m以上である、又はiii.i及びiiの組み合わせであるような特性を有する。なお、ブラベンダートルク試験はその結果をトルクvs時間として提供し、同試験は40〜50gの試料を、乾燥下での混合用の、ローラーミキシング刃を備えたBrabender Do−Corderミキサーに装填して実行され;混合は、25℃で、毎分15回転(RPM)することにより行われ、変形に対するトルク抵抗値が、5分間にわたり測定され;同一種類のサンプルにつき、6回の試験が実行される。
【0120】
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、ブラベンダートルク試験により決定される咀嚼特性が、トルクのパーセント増加量(ゼロ時と5分後との間の[(最大トルク−初期トルク)/初期トルク]×100)が10%未満、特に8%未満であり、ゼロ時と5分後との間で最大トルクと最小トルクとの間の違いは20%未満、特に15%未満しかしない(ゼロ時と5分後との間で[(最大トルク−最小トルク)/最小トルク]×100)という特性を有する。なお、ブラベンダートルク試験はその結果をトルクvs時間として提供し、同試験は40〜50gの試料を、乾燥下での混合用の、ローラーミキシング刃を備えたBrabender Do−Corderミキサーに装填して実行され;混合は、25℃で、毎分15回転(RPM)することにより行われ、変形に対するトルク抵抗値が、5分間にわたり測定され;同一種類のサンプルにつき、6回の試験が実行される。
【0121】
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、300マイクロメーター以上、最大では約5000マイクロメーターの表面粗さを有する。他の実施形態においては、多食感チューインガム製品は、400マイクロメーター以上、最大では約5000マイクロメーターの表面粗さを有する。他の実施形態においては、多食感チューインガム製品は、600マイクロメーター以上、最大では約5000マイクロメーターの表面粗さを有する。他の実施形態においては、多食感チューインガム製品は、1200マイクロメーター以上、最大では約5000マイクロメーターの表面粗さを有する。表面粗さは、プロフィルメータを用いて測定され得るが、実施例12にあるように、測定した表面粗さは、平均のピークvs谷の差として、マイクロメーター単位で報告され得る。
【0122】
多食感チューインガム製品を噛んだ時の凝集度が、ブラベンダー塗り付け試験により分析可能であるが、同試験は、製品を機械的に咀嚼し、咀嚼後の物質をある表面に擦り付けて、広がった物質の粒状物と不連続性(すなわち穴)を分析することを含む。「凝集性」は、ある物質の塊が、ばらばらにならずに自身にどれほどくっついていられるかである、と定義される。多食感チューインガム製品のいくつかは、最初に咀嚼すると、製品の塊がばらばらになる傾向があるが、それはその製品の凝集性が低いということを意味する。時間が経過し、更に咀嚼し続けると、凝集性は高まる。これは消費者にとっては、異なる口の部分で、異なる食感が体験できることであって、咀嚼することがよりわくわくするものとなる。
【0123】
ブラベンダー塗り付け試験は、実施例13に説明する手続きにしたがって実行され得る。1つの実施形態では、ブラベンダー塗り付け試験が、シグマ刃を装着したミキサーが作動している状態で、120〜280gの試料(目指すのは、ヘッドが空転しないように十分な試料を入れること、又は部分的に一杯に入れることである)を60〜90ccのブラベンダーミキサーに、約3〜5分かけて充填して、次に、温度21〜24℃の下で、水を循環流動させるポンプを毎分80ミリリットルの流速で運転させながら、回転数を40RPMとし、最長で14分間、機械的に咀嚼して実行される。機械的に咀嚼した物質は、計量用の皿の上で2〜3分間、室温で乾燥させ、50gとりわけて、実施例13に説明される塗り付け試験機を用いて積層紙(Crystine Cover Gloss White 14 PT 8−1/2×11 Grain Short 150/Ream積層グラフ用紙など)上に広げる。
図11A(上面図)、11B(正面図)及び11C(側面図)に図示されるような塗り付け試験機(5)は、試験紙キャッチ部(20)を有するベース板(10)を含み、試験紙キャッチ部(20)は、ベース板(10)の面上に積層紙(不図示)をしっかりと保持する。ベース板(10)には、左レール(30a)と右レール(30b)が接続されている。各レールにはレール全長にわたる溝があり、溝にベース板をはめ込むことで、ベース板を、試験紙キャッチ部(20)に向かって傾斜して降りるような角度に配置する。スライド部(40)が、左スライドベアリング(50a)と右スライドベアリング(50b)とに取り付けられ、スライド部(40)が、装置(5)上に載り、装置(5)の幅にわたり広がるようになっている。スライド部(40)は、スライド刃(100)をその下側に有し、スライド刃(100)は、概ね三角形の形状を有し、最薄の先端部では約1mmの厚みである(
図12の符号100を参照)。
図12は、スライド部(40)の下面図であり、スライド刃(100)先端部の側が、試験紙キャッチ部(20)に近い側に配置され、空隙の最大部のある側が、噛んだ試料(11)に向かって配置される。スライド部(40)は、レールの上面の上を摺動させることが可能であり、レールの溝に角度がついていることで、スライド部(40)の下側と、ベース板(10)の上面との間に、キャッチ部(20)に最も近い位置で約3mmの空隙ができ、試験紙キャッチ部(20)から最も遠い端部では、空隙は約0mmになる。左ハンドル部(60a)と右ハンドル部(60b)とがスライド部(40)に取り付けられており、操作者は、十分な下向きの摺動力をかけることで、スライド部(40)を、咀嚼した試料(1)上で引っ張ることができ、50gの量の噛んだ試料(1)を積層紙の面を横切って擦り付けることが可能になっている。それにより、18cmの長さを有する擦り付けた試料(不図示)が得られるが、擦り付けを開始した点に近い(試験紙キャッチ部(20)に近い)側の端部で約6mmの厚み、擦り付けを開始した点に遠い(試験紙キャッチ部(20)に遠い)側の端部で約2mmの厚みを有する。試料を擦り付けるのにかかる時間は、約4〜5秒である。
図11Aには、試料を引っ張る方向が図示されている。紙の上に擦り付けた試料と紙とは、一緒に試験装置から取り出されて、擦り付けた試料は、粒状物がないか、不連続性が見られないかを分析される。塗り付け試験機(5)の大まかな寸法は、下記の表31にまとめられている。
【0124】
1つの実施形態においては、塗り付け試験で分析すると、多食感チューインガム製品は、以下のものを示す:i)機械による咀嚼の10分間後又は14分間後に不連続性;ii)機械による咀嚼の6分間後又は10分間後に、2mmより大きい最長の部分の寸法を有する粒状物;又はi)の不連続性とii)の粒状物との組み合わせ。なお、塗り付け試験は、120〜280gの試料を、シグマ刃を装着した60〜90ccのBrabenderミキサーに充填して、次に、温度21〜24℃の下で、水を循環流動させるポンプを毎分80ミリリットルの流速で運転させながら、回転数を40RPMとし、最長で14分間、機械的に咀嚼して実行される。ここでいう「不連続性」は、擦り付けた試料にある、少なくとも0.05インチ(12.7mm)の長さを1つの方向に有している穴を意味する。
【0125】
感覚的分析
記述的分析は、特にそのために選ばれ訓練された人間の対象を用いて、食物又は食品の感覚的属性を識別され数量化する感覚的方法である。訓練されると、評価者のパネルは、人間による分析器として機能し、消費者のパネルにあるような好き嫌いの程度ではなく、再現可能な値を生成する。
【0126】
Stone & Sidel(Stone & Sidel,Sensory Evaluation Practices,第3版、Elsevier Academic Press、カリフォルニア州サンディエゴ(2004年))に説明されるような定量的記述的分析(QDA)の原理を訓練されたパネルを用いて、従来の板状チューインガムと比べてチューインガムスナック製品を、さまざまな感覚的性質に関して評価すると、チューインガム様の性質よりも、スナック様の性質を、特に咀嚼プロセスの開始時及び初期段階では示す。
【0127】
チューインガム様の質よりも、スナック様の質をより多く有する製品を示すような1つの属性は、キャンディ様の印象度が高いことである。キャンディ様の印象は、どのくらい試料がキャンディに類似していると感じられるか、又はガムと似ていると感じられるかを測る尺度である。従来の板状チューインガムは、低いキャンディ様の印象度を有し、チューインガムの圧倒的に強い印象を与える。
【0128】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めのキャンディ様の印象度が、板状チューインガムのキャンディ様の印象度よりも少なくとも20ポイント、特に20〜70ポイント、より特には30〜50ポイント高い印象度を有する。
【0129】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めから30秒後のキャンディ様の印象度が、従来の板状チューインガムのキャンディ様の印象度よりも少なくとも10ポイント、特に10〜35ポイント、より特には15〜25ポイント高い印象度を有する。
【0130】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めのキャンディ様の印象度が、35〜80である印象度を有する。なお、一体的で食感が一様であり、ソルビトール、ガムベース、グリセロール、天然及び人工風味剤、2%未満の還元デンプン糖化物、アスパルテーム、アスパルテーム−アセスルファム、マンニトール、ダイズレシチン、アセスルファムK、着色料、及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)から調製される従来の板状チューインガムは、噛み始めのキャンディ様の印象度が10であり、実施例3による多食感チューインガムスナック製品は、同印象度が75である。
【0131】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めの歯ごたえのある食感度が、従来の板状チューインガムの歯ごたえのある食感度よりも少なくとも7.5ポイント、特に25〜45ポイント高い同食感度を有する。
【0132】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めから30秒後の歯ごたえのある食感度が、従来の板状チューインガムの同食感度よりも少なくとも5.0ポイント、特に10〜50ポイント、より特には20〜45ポイント高い同食感度を有する。
【0133】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めの凝集度が、従来の板状チューインガムの同凝集度よりも少なくとも8ポイント、特に10〜50ポイント、より特に20〜45ポイント低い同凝集度を有する。
【0134】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めから5秒後の凝集度が、従来の板状チューインガムの同凝集度よりも少なくとも5ポイント、特に10〜35ポイント、より特には15〜25ポイント低い同凝集度を有する。
【0135】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めから30秒後の凝集度が、従来の板状チューインガムの同凝集度よりも少なくとも5ポイント、特に5〜25ポイント、より特には10〜15ポイント低い同凝集度を有する。
【0136】
1つの実施形態においては、チューインガムスナック製品は、当初、非凝集的咀嚼の感覚的食感属性を有し、10分間の咀嚼後には、凝集的咀嚼の感覚的食感属性を有し、非凝集的咀嚼から凝集的咀嚼へは滑らかに移行する。
【0137】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めのポロポロする粒状度が、従来の板状チューインガムの同粒状度よりも少なくとも10ポイント、特に10〜65ポイント、より特に20〜50ポイント高い同粒状度を有する。
【0138】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めから30秒後のポロポロする粒状度が、従来の板状チューインガムの同粒状度よりも少なくとも5ポイント、特に5〜35ポイント、より特には10〜25ポイント高い同粒状度を有する。
【0139】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めの粒の大きさ度が、従来の板状チューインガムの粒の大きさ度よりも少なくとも8ポイント、特に8〜45ポイント、より特に20〜35ポイント大きい同粒の大きさ度を有する。
【0140】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、定量的記述分析法を用いて記述的分析により測定した場合の0〜100の目盛りに基づいた噛み始めから30秒後の粒の大きさ度が、従来の板状チューインガムの粒の大きさ度よりも少なくとも5ポイント、特に5〜30ポイント、より特には10〜20ポイント大きい同粒の大きさ度を有する。
【0141】
感覚的分析のセクションに説明された実施形態の中では、チューインガム組成物部の一領域がむき出しであってよく、菓子組成物部によって完全には覆われていない。感覚的分析のセクションに説明された実施形態の中では、第1チューインガム組成物部の一領域がむき出しであってよく、第2チューインガム組成物部によって完全には覆われていない。
【0142】
チューインガムスナック製品は、当初咀嚼しているプロセス中には、消費者にスナック食品を飲み込んでいる感じを提供し、そのスナック食品を飲み込んでいる感じは、従来のチューインガムを咀嚼することによって発生し得る、増加した量の唾液を飲み込む感覚とは異なるものである。
【0143】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、チューインガム組成物部及び菓子組成物部を、並びに任意追加的に第2の菓子組成物部及び第2のチューインガム組成物部、又はそれらの組み合わせを含むが;チューインガム組成物部と菓子組成物部とは異なる食感を有し;多食感チューインガムスナック製品を90度折り曲げると、菓子組成物部はぼろぼろと崩れる。
【0144】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品の示す、例えばプローブ速度が0.8mm/秒及び試料支持距離が30mmで三点曲げ試験を用いて測定した場合のピークの曲げ力は、400g力より大きく、特に500g力より大きく、より特に600g力より大きく、そして更により特に700g力より大きい曲げ力を示す。1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品の示すピークの曲げ力は、従来の板状チューインガムが示すピークの曲げ力の少なくとも5倍である曲げ力を示す。
【0145】
1つの実施形態においては、多食感チューインガムスナック製品は、約10分間、特に約5分間咀嚼した後の食塊のサイズが、多食感チューインガムスナック製品を咀嚼する前の開始時点総重量の約5〜約15重量%、特に約8〜約12重量%になっている。
【0146】
多食感チューインガムスナック製品は、咀嚼プロセスの初期には、スナック製品を食べているという感覚印象を提供するが、それは120秒間足らず、特に約30〜約90秒間、より特に約45〜約60秒間咀嚼していると、チューインガムを咀嚼しているという感覚印象に移行する。この実施形態においては、チューインガム組成物部の一領域がむき出しになっており、菓子組成物部で完全には覆われていないか、又はチューインガム組成物部の一領域がむき出しになっており、菓子組成物部で完全には覆われていない。
【0147】
見た目及びフォーマット
多食感チューインガム製品は、例えばクッキー、クッキー生地、キャンディバー等のようなスナック製品の見た目、食感、及びその他の感覚的属性を有するように形成され得る。他の形状には、フライドポテト、スナック用のチップ類(ポテトチップ、コーンチップ等を思わせるもので、丸、三角、真四角等さまざまな形状を有するもの)が含まれる。
【0148】
甘くてとろけるような実施形態
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、甘くてとろけるような特性のキャンディバーの見た目、味、初期の食感を有している。1つの実施形態において、多食感チューインガム製品は、それぞれが食感とその形態で異なるような2つ又はそれより多くのチューインガム組成物部(例えば、いずれも本明細書で説明するような、1種類の甘くてとろけるようなチューインガム組成物、及び1種類の歯ごたえのあるチューインガム組成物)と、任意追加的に菓子組成物部とを用いて、甘くてとろけるようなキャンディ製品を思わせるように作られてよい。この実施形態の中では、多食感の甘くてとろけるようなチューインガム製品の第1チューインガム組成物部は、低融点脂肪を大量に含有する、甘くてとろけるようなチューインガム組成物を含み得る。甘くてとろけるようなチューインガム組成物は、本明細書で説明するようなバルク甘味料と、本明細書で説明するようなガムベースと、ある量の低融点脂肪で、約15〜約50℃の融点をすると本明細書で説明されているものを含む脂肪と、を一般に含み得る。
【0149】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物中に存在する低融点脂肪の量は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の総重量に基づいて約5.0〜約35重量%、特に約10.0〜約30.0重量%、より特に約15.0〜約25.0重量%であり得る。
【0150】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物中に存在するバルク甘味料、特にキシリトールのような糖ポリオールの量は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の総重量に基づいて約1.0〜約50.0重量%、特に約5.0〜約40.0重量%、より特に約10.0〜約30.0重量%であり得る。
【0151】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物中に存在するガムベースの量は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の総重量に基づいて約20.0〜約70重量%、特に約25.0〜約65.0重量%、より特に約30.0〜約60.0重量%であり得る。
【0152】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物は、任意追加的に、追加的な成分を更に含んでよく、当該追加的成分は、本明細書で説明される、風味剤、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、湿潤剤、塩、軟化剤、又はこれらの組み合わせである。用いられる風味剤のタイプは、特に甘くてとろけるようなタイプの風味である。本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤等のような追加的成分の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さなどの要素を対象とする好みの問題であり得る。
【0153】
多食感の甘くてとろけるようなチューインガム製品の第2チューインガム組成物部は、歯ごたえのあるチューインガム組成物を含み得る。歯ごたえのあるチューインガム組成物は、本明細書で説明するバルク甘味料と、本明細書で説明するガムベースと、ある量の水と、そして任意追加的に追加の成分と、を一般に含み得るが、そのような追加の成分は、本明細書で説明するものを含み、風味剤、高甘味度甘味料、脂肪、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤又は増強剤、着色剤、湿潤剤、塩、軟化剤、又はそれらの組み合わせを含む。本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤等のような追加的成分の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さなどの要素を対象とする好みの問題であり得る。歯ごたえのあるチューインガムは、融解したガムベースと、結晶質又は粒状のバルク甘味料を使用するのとは反対に融解したバルク甘味料と、を用いた均質な混合物を調製して形成される。
【0154】
歯ごたえのあるチューインガム組成物中に存在するバルク甘味料、特にイソマルトのような糖ポリオールの量は、歯ごたえのあるチューインガム組成物の総重量に基づいて約35.0〜約75.0重量%、特に約40.0〜約65.0重量%、より特に約50.0〜約60.0重量%であり得る。
【0155】
歯ごたえのあるチューインガム組成物中に存在する水の量は、歯ごたえのあるチューインガム組成物の総重量に基づいて約5.0〜約20.0重量%、特に約10.0〜約15.0重量%であり得る。
【0156】
歯ごたえのあるチューインガム組成物中に存在するガムベースの量は、歯ごたえのあるチューインガム組成物の総重量に基づいて約10.0〜約45.0重量%、特に約15.0〜約40.0重量%、より特に約20.0〜約35.0重量%であり得る。
【0157】
多食感の甘くてとろけるようなチューインガム製品を調製するのに使われる場合には、所望の食感、風味、及び口内感覚を実現するために、甘くてとろけるようなチューインガム組成物vs歯ごたえのあるチューインガム組成物の任意の重量比が用いられ得る。甘くてとろけるようなチューインガム組成物vs歯ごたえのあるチューインガム組成物の重量比の例としては、約10:90〜約90:10、特に約20:80〜約80:20、より特に約30:70〜約70:30、更により特に約40:60〜約60:40、また更により特に約45:55〜約55:45が含まれる。
【0158】
多食感の甘くてとろけるようなチューインガム製品は、任意の数の方法でフォーマットでき、甘くてとろけるようなチューインガム組成物と歯ごたえのあるチューインガム組成物部のうちの一方又は両方の少なくとも一領域は、むき出しであり、可視状態である。
【0159】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物を調製するための一般的なプロセスにおいては、低融点脂肪が融解され、融解したガムベースと混合される。融解したガムベースと脂肪に、バルク甘味料をかき混ぜながら加え、任意の追加の成分も加える。
【0160】
歯ごたえのあるチューインガム組成物を作るための一般的なプロセスにおいては、イソマルトのようなバルク甘味料が融解したバルク甘味料を作れる温度まで加熱され、任意追加的に水が、まず甘味料を溶かすために加えられてよく、その後、余分な水分を飛ばすために加熱され、融解したバルク甘味料が作られる。必要ならば、融解した甘味料を冷却して(例えば、約150℃以下に)、融解したガムベースと均質になるまで混合する。その後、混合物は冷却され(例えば、約90℃以下に)、風味剤等の追加の成分が混合物に加えられる。そうして生成した融解した塊を冷却し、所望の形状に成形する。
【0161】
1つの実施形態においては、甘くてとろけるような製品の形成は、甘くてとろけるようなチューインガムが、製品の両端部分でむき出しになるように、歯ごたえのあるチューインガムの一片が、甘くてとろけるようなチューインガムの一片を囲むようになっており、又はその逆に歯ごたえのあるチューインガムの方が中央にくるようになっている。他の実施形態は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の層と、歯ごたえのあるチューインガム組成物の層とが、2層、3層、4層、5層、又はそれ以上の数の層を持つフォーマットに交互に入っている多層型のフォーマットを伴う。ただし、それぞれの組成物の一部は、むき出しになっていて、可視状態になっていなければならない。
【0162】
キャンディバーの実施形態
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、それぞれが食感とその形態で異なるような2つ又はそれより多くのチューインガム組成物部(例えば、いずれも本明細書で説明するような、1種類の甘くてとろけるようなチューインガム組成物、及び1種類の歯ごたえのあるチューインガム組成物)と、任意追加的に菓子組成物部とを用いて、甘くてとろけるような特徴を持つキャンディバーの見た目、味、及び初期の食感を有するようになっている。この実施形態の中では、多食感のキャンディバーチューインガム製品の第1チューインガム組成物部は、低融点脂肪を大量に含有する、甘くてとろけるようなチューインガム組成物を含み得る。甘くてとろけるようなチューインガム組成物は、本明細書で説明するようなバルク甘味料と、本明細書で説明するようなガムベースと、ある量の低融点脂肪で、融点が約15〜約50℃であると本明細書で説明されているものを含む脂肪と、を一般に含み得る。
【0163】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物中に存在する低融点脂肪の量は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の総重量に基づいて約5.0〜約35重量%、特に約10.0〜約30.0重量%、より特に約15.0〜約25.0重量%であり得る。
【0164】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物中に存在するバルク甘味料、特にキシリトールのような糖ポリオールの量は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の総重量に基づいて約1.0〜約50.0重量%、特に約5.0〜約40.0重量%、より特に約10.0〜約30.0重量%であり得る。
【0165】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物中に存在するガムベースの量は、甘くてとろけるようなチューインガム組成物の総重量に基づいて約20.0〜約70重量%、特に約25.0〜約65.0重量%、より特に約30.0〜約60.0重量%であり得る。
【0166】
甘くてとろけるようなチューインガム組成物は、任意追加的に、追加的な成分を更に含んでよく、当該追加的成分は、本明細書で説明される、風味剤、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、湿潤剤、塩、軟化剤、又はこれらの組み合わせである。用いられる風味剤のタイプは、特に甘くてとろけるようなタイプの風味である。本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤等のような追加的成分の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さなどの要素を対象とする好みの問題であり得る。甘くてとろけるようなチューインガム組成物を作るための方法は、既に上で論じた。
【0167】
多食感のキャンディバーチューインガム製品の第2チューインガム組成物部は、歯ごたえのあるチューインガム組成物を含み得る。歯ごたえのあるチューインガム組成物は、本明細書で説明するバルク甘味料と、本明細書で説明するガムベースと、ある量の水と、そして任意追加的に追加の成分と、を一般に含み得るが、そのような追加の成分は、本明細書で説明するものを含み、風味剤、高甘味度甘味料、脂肪、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤又は増強剤、着色剤、湿潤剤、塩、軟化剤、又はそれらの組み合わせを含む。本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤等のような追加的成分の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さなどの要素を対象とする好みの問題であり得る。歯ごたえのあるチューインガムは、融解したガムベースと、結晶質又は粒状のバルク甘味料を使用するのとは反対に融解したバルク甘味料と、を用いた均質な混合物を調製して形成される。歯ごたえのあるチューインガム組成物を作るための方法は、既に上で論じた。
【0168】
歯ごたえのあるチューインガム組成物中に存在するバルク甘味料、特にイソマルトのような糖ポリオールの量は、歯ごたえのあるチューインガム組成物の総重量に基づいて約35.0〜約75.0重量%、特に約40.0〜約65.0重量%、より特に約50.0〜約60.0重量%であり得る。
【0169】
歯ごたえのあるチューインガム組成物中に存在する水の量は、歯ごたえのあるチューインガム組成物の総重量に基づいて約5.0〜約20.0重量%、特に約10.0〜約15.0重量%であり得る。
【0170】
歯ごたえのあるチューインガム組成物中に存在するガムベースの量は、歯ごたえのあるチューインガム組成物の総重量に基づいて約10.0〜約45.0重量%、特に約15.0〜約40.0重量%、より特に約20.0〜約35.0重量%であり得る。
【0171】
多食感のキャンディバーチューインガム製品の菓子組成物は、任意の菓子組成物であり得るが、特に、噛みごたえのあるキャラメル、ヌガー、噛みごたえのあるキャンディ、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0172】
多食感のキャンディバーチューインガム製品を調製するのに使われる場合には、所望の食感、風味、及び口内感覚を実現するために、甘くてとろけるようなチューインガム組成物vs歯ごたえのあるチューインガム組成物の任意の重量比が用いられ得る。甘くてとろけるようなチューインガム組成物vs歯ごたえのあるチューインガム組成物の重量比の例としては、約10:90〜約90:10、特に約20:80〜約80:20、より特に約30:70〜約70:30、更により特に約40:60〜約60:40、また更により特に約45:55〜約55:45が含まれる。望ましい食感、風味、及び口内感覚のために、チューインガム組成物(甘くてとろけるような+歯ごたえのある)総重量vs菓子組成物の重量のいかなる比も用いることができる。全チューインガム組成物vs菓子組成物の重量比の例としては、約10:90〜約90:10、特に約20:80〜約80:20、より特に約30:70〜約70:30、更により特に約40:60〜約60:40、また更により特に約45:55〜約55:45が含まれる。
【0173】
多食感のキャンディバーチューインガム製品は、任意の数の方法でフォーマットでき、甘くてとろけるようなチューインガム組成物と歯ごたえのあるチューインガム組成物部のうちの一方又は両方の少なくとも一領域は、むき出しであり、可視状態である。
【0174】
1つの実施形態においては、キャンディバー製品を形成すると、少なくとも1層の甘くてとろけるようなチューインガム層が、歯ごたえのあるチューインガム片を内包する菓子組成物のマトリクス上に載ったものができる。代替的な実施形態においては、上層と下層に甘くてとろけるようなチューインガムが用いられ、菓子/歯ごたえのあるチューインガムのマトリクスの内包物が中心に存在するようにすることができる。その場合、それぞれの部(甘くてとろけるようなチューインガム、歯ごたえのあるチューインガム、及び菓子組成物)の少なくとも一領域はむき出しになっていて、可視状態になっている。歯ごたえのあるチューインガムの(1つ又は複数の)層が、甘くてとろけるようなチューインガム片の内包物を含む菓子組成物のマトリクス上にある実施形態も考えられる。
【0175】
割砕可能な実施形態
他の実施形態においては、多食感チューインガム製品は、チューインガム組成物及び菓子組成物の複数の部分を有する、スティック型又はバー型のキャンディバーの見た目、味、及び最初の食感を有する。1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、チューインガム組成物部と、菓子組成物部又は第2のチューインガム組成物部とを用いて、スティック型のキャンディ製品を思わせるような形に作ることが可能であるが、第2のチューインガム組成物部は、最初のチューインガム組成物部とは、食感、形態、形状、味等のうちの任意の1つが異なっている。
【0176】
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、歯ごたえのある菓子組成物部と、チューインガム組成物部と、任意追加的に第2の歯ごたえのある菓子組成物部と、を有するキャンディバー型に調製され得る。当該製品(「割砕可能」)は、主たる属性は、菓子組成物部(例えば、キャラメル又は硬質キャンディ)によって付与される歯触りの良い食感であり、続けて咀嚼していると、その食感が、チューインガムの食感に変化する、複数回で口に入れる型のフォーマットを有するように調製可能である。
【0177】
割砕可能な製品のチューインガム組成物部は、任意のチューインガム組成物から調製できる。1つの実施形態においては、割砕可能な製品のチューインガム組成物は、本明細書で説明するガムベースと、糖ポリオールのような本明細書で説明するバルク甘味料と、任意追加的に追加の成分と、を含むが、そのような追加の成分は、風味剤、高甘味度甘味料、脂肪、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤又は増強剤、着色剤、湿潤剤、塩、軟化剤、又はそれらの組み合わせのような、本明細書で説明するものを含む。
【0178】
割砕可能なチューインガム組成物中に存在するバルク甘味料、特に糖ポリオールの量は、割砕可能なチューインガム組成物の総重量に基づいて約35.0〜約75.0重量%、特に約40.0〜約65.0重量%、より特に約50.0〜約60.0重量%であり得る。糖ポリオールは、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール等を含む、本明細書で説明するものを含む。
【0179】
割砕可能なチューインガム組成物中に存在するガムベースの量は、割砕可能なチューインガム組成物の総重量に基づいて約10.0〜約55重量%、特に約15.0〜約45.0重量%、より特に約20.0〜約40.0重量%であり得る。
【0180】
割砕可能なチューインガム組成物中に存在する軟化剤の量は、割砕可能なチューインガム組成物の総重量に基づいて約2.0〜約15.0重量%、特に約5.0〜約12.0重量%、より特に約7.0〜約10.0重量%であり得る。
【0181】
割砕可能なチューインガム組成物は、チューインガムの分野で周知のプロセスを用いて調製することができる。
【0182】
1つの実施形態においては、割砕可能な菓子組成物部は、硬質キャラメル及び硬質キャンディ等のような歯触りの良い食感を提供する任意の菓子材料から調製できる。1つの実施形態においては、割砕可能な菓子組成物は、本明細書で説明する糖ポリオールのようなバルク甘味料、バターを含む本明細書で説明する脂肪、並びにクリーム、ミルク、固形のミルク、及びコンデンスミルク等のような、乳製品材料を含む。割砕可能な菓子組成物は、本明細書で説明されるような追加的な成分を更に含んでよく、当該追加的成分は、風味剤、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、湿潤剤、塩、軟化剤、乳化剤、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0183】
割砕可能な菓子組成物中に存在するバルク甘味料、特にイソマルトのような糖ポリオールの量は、割砕可能な菓子組成物の総重量に基づいて約70.0〜約95.0重量%、特に約75.0〜約90.0重量%、より特に約80.0〜約85.0重量%であり得る。
【0184】
割砕可能な菓子組成物中に存在する脂肪、例えばバター、パーム油等の量は、割砕可能な菓子組成物の総重量に基づいて約3.0〜約14.0重量%、特に約6.0〜約12.0重量%、より特に約8.0〜約10.0重量%であり得る。
【0185】
割砕可能な菓子組成物中に存在する乳製品材料の量は、割砕可能な菓子組成物の総重量に基づいて約2.0〜約14.0重量%、特に約4.0〜約10.0重量%、より特に約6.0〜約8.0重量%であり得る。
【0186】
多食感の割砕可能なチューインガム製品を調製するのに使われる場合には、所望の食感、風味、及び口内感覚を実現するために、割砕可能なチューインガム組成物vs割砕可能な菓子組成物の任意の重量比が用いられ得る。破砕可能なチューインガム組成物vs破砕可能な菓子組成物の重量比の例としては、約10:90〜約90:10、特に約20:80〜約80:20、より特に約30:70〜約70:30、更により特に約40:60〜約60:40、また更により特に約45:55〜約55:45が含まれる。
【0187】
割砕可能な菓子組成物は、バルク甘味料を融解した塊状に加熱することにより調製することができるが、この工程は、まずバルク甘味料を水に溶かしてから、水分が蒸発してなくなるまで加熱をすることによって実行することもできる。もし乳化剤が使われる場合には、脂肪及び乳製品材料とともに混ぜることで添加される。そうして生成する混合物をいくらか冷却し、追加の成分を混ぜながら添加する。まだ柔軟なうちに、得られた菓子組成物を所望の形状に形成する。
【0188】
割砕可能な多食感チューインガム製品は、割砕可能なチューインガム組成物部及び割砕可能な菓子組成物部の任意のバリエーションを包含する、個々の小片に形成することができるが、少なくとも割砕可能なチューインガム組成物部の一領域はむき出しになっており、可視状態になっている。
【0189】
1つの実施形態においては、割砕可能な多食感チューインガム製品は、概ね真四角の形状を有し、割砕可能な菓子組成物の単一のベース層(基板)と、当該ベース層の上面に配置された割砕可能なチューインガムの1つ、2つ、又は3つの部分を含む。代替的な実施形態においては、割砕可能なチューインガムがベース層をなし、割砕可能な菓子組成物が、ベース上に置かれる部分をなす。
【0190】
1つの実施形態においては、割砕可能な多食感チューインガム製品は、概ね長方形の形状を有し、割砕可能な菓子組成物の単一のベース層(基板)と、当該ベース層の上面に配置された割砕可能なチューインガムの1つ、2つ、又は3つの長い長方形の部分を含む。代替的な実施形態においては、割砕可能なチューインガムがベース層をなし、割砕可能な菓子組成物が、ベース上に置かれる部をなす。
【0191】
割砕可能な実施形態においては、キャラメル、硬質キャンディ等のような菓子組成物のドリズルが、多食感チューインガム製品の上面に塗布されて、食感、味等を加えるようになっている。当該ドリズルは第2の菓子組成物部とみなすことができる。
【0192】
クッキー生地の実施形態
1つの実施形態においては、多食感チューインガム製品は、生のクッキー生地の見た目、味、及び最初の粒々感のある感触を有するが、咀嚼していくにつれて、それはチューインガムの食感に変化する。クッキー生地のチューインガムは、糖ポリオール、ガムベース、膨張剤(例えば、重炭酸ナトリウム)、及び酸性成分から調製することができる。糖ポリオールの例には、既に上で論じた無糖のバルク甘味料、特にイソマルトが含まれる。糖ポリオールはクッキー生地のチューインガム組成物中に、クッキー生地のチューインガム組成物の総重量に基づいて、約40〜約70重量%、特に約45〜約65重量%、より特に約50〜約60重量%の量で存在し得る。
【0193】
ガムベースはクッキー生地のチューインガム組成物中に、クッキー生地のチューインガム組成物の総重量に基づいて、約20〜約45重量%、特に約25〜約40重量%、より特に約30〜約35重量%の量で存在し得る。
【0194】
クッキー生地のチューインガム組成物中に存在する膨張剤の量は、クッキー生地のチューインガム組成物の総重量に基づいて、約0.01〜約3.5重量%、特に約0.5〜約3.0重量%、より特に約1.0〜約2.5重量%であり得る。
【0195】
酸性成分は、本明細書で論じるように食用酸若しくはその塩、又は、アスパルテーム若しくは他の追加的材料であって酸性のものを含む任意の他の酸性成分であり得る。クッキー生地のチューインガム組成物中に存在する酸性成分の量は、クッキー生地のチューインガム組成物の総重量に基づいて、約0.01〜約3.0重量%、特に約0.05〜約2.0重量%、より特に約0.1〜約1.0重量%であり得る。
【0196】
クッキー生地のチューインガム組成物は、追加的な成分を更に含んでよく、当該追加的成分は、本明細書で説明される、風味剤、脂肪、高甘味度甘味料、感覚剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、湿潤剤、塩、軟化剤、又はこれらの組み合わせが含まれる。本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤等のような追加的成分の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さなどの要素を対象とする好みの問題であり得る。
【0197】
1つの実施形態においては、クッキー生地のチューインガム製品は、クッキー生地のチューインガム組成物と、クッキー生地のチューインガム組成物のマトリクス中にちりばめられたチョコレートチップ又はその他の菓子片のような内包物の形をとる菓子組成物部とを含む。クッキー生地のチューインガム組成物部中の他の内包物には、ドライフルーツ(例えば、レーズン)、ナッツ類、ココナツフレーク等が含まれ得る。内包物はクッキー生地のチューインガム組成物中に、クッキー生地のチューインガム組成物の総重量に基づいて、約1〜約25重量%、特に約5〜約20重量%、より特に約10〜約15重量%の量で存在し得る。
【0198】
他の実施形態においては、クッキー生地のチューインガム製品は、内包物の有無に関わらず、クッキー生地のチューインガム部の一部、又は全部を囲むグレーズの形の菓子組成物部のコーティングを含む。
【0199】
多食感クッキー生地のチューインガム製品を調製するのに使われる場合には、所望の食感、風味、及び口内感覚を実現するために、クッキー生地のチューインガム組成物vs菓子組成物(内包物として、又は、例えば、グレーズ、ドリズル等のようなコーティングとして)の任意の重量比が用いられ得る。クッキー生地のチューインガム組成物vs菓子組成物の重量比の例としては、約5:95〜約95:5、特に約10:90〜約90:10、より特に約20:80〜約80:20、更により特に約30:70〜約70:30、また更により特に約40:50〜約50:40が含まれる。
【0200】
クッキー生地のチューインガム製品を作るためのプロセスの一例においては、糖ポリオールが水と共に沸騰させられ、又は乾燥形状で融解されて、約100〜130℃まで温度を下げた融解した塊を形成する。それとは別にガムベースを融解するまで加熱し、融解したガムベースと融解した糖ポリオールとを合わせて混ぜる。これらの材料がまだ展性のある状態のうちに、任意で、風味剤、甘味料等の追加の成分を加えて混ぜてもよい。次に重炭酸ナトリウムのような膨張剤が添加され、混ぜられ、そして得られた混合物が130℃に加熱されて、気体を発生させる。気体を含んだ塊は冷却され、混ぜながら内包物を添加することが可能である。任意であるが、展性のある状態の混合物を引き伸ばして、更に空気を通して粒状にして、それから小片に形成してもよい。こうして得られる組成物は、ザラザラとした崩れやすい食感を有する。
【0201】
実施形態1:
a.)その一領域がむき出しになっているチューインガム組成物部、及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部であって、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有し、第1チューインガム組成物部又は第2チューインガム組成物部の一領域は、むき出しになっている、第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含む多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、食感分析試験によって決定される初期歯ごたえ特性を有し、初期歯ごたえ特性において、応力vsプローブ進入度(%)曲線における傾斜方向が少なくとも3回変化し、且つ、少なくとも100万パスカル、少なくとも150万パスカル、少なくとも200万パスカル、又は少なくとも250万パスカルの応力範囲をカバーする少なくとも1つの負の傾斜が存在し、食感分析試験は、応力vsプローブ進入度(%)として結果を提供する、多食感チューインガム製品。食感分析試験は、2ミリメートル(mm)プローブ(シリンダー、全長25mm)を備えた食感分析機を用いて、1mm/秒の速度で、95%のプローブ進入度(プローブがその力を加えた方向に、試料の95%まで進入した状態)で行われる。食感分析試験は、実施例10に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0202】
実施形態2:多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが製品の中へ最初の10%進入する間に、少なくとも400万、少なくとも500万、少なくとも600万、又は少なくとも700万パスカルの応力を必要とする特性を有する、実施形態1に記載の多食感チューインガム製品。
【0203】
実施形態3:菓子組成物部又は第2チューインガム組成物部は、割砕可能である(低伸展性である)、実施形態1又は2に記載の多食感チューインガム製品。
【0204】
実施形態4:プローブが製品の中へ30%〜60%の進入度である間のピークの応力が、少なくとも200万、少なくとも400万、少なくとも600万、又は少なくとも800万パスカルであるピーク応力を有する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0205】
実施形態5:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有する多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが製品の中へ最初の10%進入する間に、少なくとも400万、少なくとも500万、少なくとも600万、又は少なくとも700万パスカルの応力を必要とする特性を有し、且つ、初期のピーク(応力)よりも、少なくとも25万、少なくとも50万、少なくとも75万、又は少なくとも100万パスカル大きな2番目のピーク(応力)を有しており、食感分析試験は、応力vsプローブ進入度(%)として結果を提供する、多食感チューインガム製品。食感分析試験は、2ミリメートル(mm)プローブ(シリンダー、全長25mm)を備えた食感分析機を用いて、1mm/秒の速度で、95%のプローブ進入度(プローブがその力を加えた方向に、試料の95%まで進入した状態)で行われる。食感分析試験は、実施例10に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0206】
実施形態6:プローブが製品の中へ30%〜60%の進入度である間のピークの応力が、少なくとも200万、少なくとも400万、少なくとも600万、又は少なくとも800万パスカルであるピークの応力を有する、実施形態5に記載の多食感チューインガム製品。
【0207】
実施形態7:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有する多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが製品の中へ20%〜80%の進入度である間の最大応力値と最小応力値の差が、少なくとも450万パスカルある特性を有し、食感分析試験は、応力vsプローブ進入度(%)として結果を提供する。食感分析試験は、2ミリメートル(mm)プローブ(シリンダー、全長25mm)を備えた食感分析機を用いて、1mm/秒の速度で、95%のプローブ進入度(プローブがその力を加えた方向に、試料の95%まで進入した状態)で行われる。食感分析試験は、実施例10に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0208】
実施形態8:
a.)その一領域がむき出しになっているチューインガム組成物部、及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部であって、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有し、第1チューインガム組成物部又は第2チューインガム組成物部の一領域は、むき出しになっている、第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含む多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、食感分析試験により決定されるその初期歯ごたえ特性が、プローブが20%〜80%の進入度である間の最大応力値/最小応力値割合が、少なくとも4、特に少なくとも5、より特に少なくとも6、更により特に少なくとも8である特性を有し、食感分析試験は、応力vsプローブ進入度(%)として結果を提供する、多食感チューインガム製品。食感分析試験は、2ミリメートル(mm)プローブ(シリンダー、全長25mm)を備えた食感分析機を用いて、1mm/秒の速度で、95%のプローブ進入度(プローブがその力を加えた方向に、試料の95%まで進入した状態)で行われる。食感分析試験は、実施例10に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0209】
実施形態9:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有する多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、ブラベンダートルク試験により決定される咀嚼特性が、
i.初期トルクが、5分後時点でのトルクよりも小さいか、又は
ii.トルクの増加%が、24N.m以上であるか、又は
iii.i及びiiの組み合わせである、特性を有し、
ブラベンダートルク試験は、トルクvs時間として結果を提供する、多食感チューインガム製品。ブラベンダートルク試験は、40〜50gの試料を、乾燥下での混合用の、ローラーミキシング刃を備えたBrabender Do−Corderミキサーに装填して実行され得るが、混合は、25℃で、毎分15回転(RPM)することにより行われ、変形に対するトルク抵抗値が、5分間にわたり測定され、同一種類のサンプルにつき、6回の試験が実行される。ブラベンダートルク試験は、実施例11に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0210】
実施形態10:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有する多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、ブラベンダートルク試験で決定される咀嚼特性が、ゼロ時点と5分後時点との間の、最大トルクと最小トルクの違い(ゼロ時点と5分後時点との間の[(最大トルク−最小トルク)/最小トルク]×100)が20%未満、又は15%未満となる特性を有し、
ブラベンダートルク試験は、トルクvs時間として結果を提供する、多食感チューインガム製品。ブラベンダートルク試験は、40〜50gの試料を、乾燥下での混合用の、ローラーミキシング刃を備えたBrabender Do−Corderミキサーに装填して実行され得るが、混合は、25℃で、毎分15回転(RPM)することにより行われ、変形に対するトルク抵抗値が、5分間にわたり測定され、同一種類のサンプルにつき、6回の試験が実行される。ブラベンダートルク試験は、実施例11に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0211】
実施形態11:トルクのパーセント増加量(ゼロ時点と5分後時点との間の[(最大トルク−初期トルク)/初期トルク]×100)が10%未満又は8%未満である、実施形態10に記載の多食感チューインガム製品。
【0212】
実施形態12:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有する多食感チューインガム製品であって、
ブラベンダー塗り付け試験で分析にかけた際に、多食感チューインガム製品が示すのは、i)機械的咀嚼に10分間かけた後又は14分間かけた後は、不連続性、ii)機械的咀嚼に6分間かけた後又は10分間かけた後は、長手方向の寸法が2mmより大きい粒状物、又はi)不連続性と、ii)粒状物の組み合わせである、多食感チューインガム製品。ブラベンダー塗り付け試験は、シグマ刃を装着したミキサーが作動している状態で、120〜280gの試料(目指すのは、ヘッドが空転しないように十分な試料を入れること、又は部分的に一杯に入れることである)を60〜90ccのブラベンダーミキサーに、約3〜5分かけて充填して、次に、温度21〜24℃の下で、水を循環流動させるポンプを毎分80ミリリットルの流速で運転させながら、回転数を40RPMとし、最長で14分間、機械的に咀嚼して実行され得る。機械的に咀嚼した物質は、計量用の皿の上で2〜3分間、室温で乾燥させ、50gとりわけて、実施例13に説明される塗り付け試験機を用いて積層紙(Crystine Cover Gloss White 14 PT 8−1/2×11 Grain Short 150/Ream積層などのグラフ用紙でよい)上に広げる。
図11A(上面図)、11B(正面図)及び11C(側面図)に図示されるような塗り付け試験機(5)は、試験紙キャッチ部(20)を有するベース板(10)を含み、試験紙キャッチ部(20)は、ベース板(10)の面上に積層紙(不図示)をしっかりと保持する。ベース板(10)には、左レール(30a)と右レール(30b)が接続されている。各レールはレール全長にわたる溝を有し、溝にベース板をはめ込むことで、ベース板を、試験紙キャッチ部(20)に向かって傾斜して降りるような角度に配置する。スライド部(40)が、左スライドベアリング(50a)と右スライドベアリング(50b)とに取り付けられ、スライド部(40)が、装置(5)上に載り、装置(5)の幅にわたり広がるようになっている。スライド部(40)は、スライド刃(100)をその下側に有し、スライド刃(100)は、概ね三角形の形状であり、最薄の先端部では約1mmの厚みである(
図12の符号100を参照)。
図12は、スライド部(40)の下面図であり、スライド刃(100)先端部の側が、試験紙キャッチ部(20)に近い側に配置され、空隙の最大部のある側が、咀嚼した試料(1)に向かって配置される。スライド部(40)は、レールの上面の上を摺動させることが可能であり、レールの溝に角度がついていることで、スライド部(40)の下側と、ベース板(10)の上面との間に、キャッチ部(20)に最も近い位置で約3mmの空隙ができ、試験紙キャッチ部(20)から最も遠い端部では、空隙は約0mmになる。左ハンドル部(60a)と右ハンドル部(60b)とがスライド部(40)に取り付けられており、操作者は、十分な下向きの摺動力をかけることで、スライド部(40)を、咀嚼した試料(1)上で引っ張ることができ、50gの量の咀嚼した試料(1)を積層紙の面を横切って擦り付けることが可能になっている。それにより、擦り付けた試料(不図示)が得られるが、18cmの長さを有し、擦り付けを開始した点に近い(試験紙キャッチ部(20)に近い)側の端部で約6mmの厚さ、擦り付けを開始した点に遠い(試験紙キャッチ部(20)に遠い)側の端部で約2mmの厚さを有する。試料を擦り付けるのにかかる時間は、約4〜5秒である。
図11Aには、試料を引っ張る方向が図示されている。紙の上に擦り付けた試料と紙とは、一緒に試験装置から取り出されて、擦り付けた試料は、粒状物がないか、不連続性が見られないかを分析される。塗り付け試験機(5)の大まかな寸法は、下記の表31にまとめられている。ブラベンダー塗り付け試験は、実施例13に説明する手続きにしたがって実行され得る。
【0213】
実施形態13:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含む多食感チューインガム製品、又は
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、第1チューインガム組成物部は、第2チューインガム組成物部とは異なる組成及び異なる食感を有する多食感チューインガム製品であって、
多食感チューインガム製品は、それを下にして置くと安定する面(すなわち下面であり、エッジではない)に対向する面(すなわち上面)を有し、その対向する面は、プロフィルメータを用いて測定した表面粗さが、600マイクロメーター以上;又は1200マイクロメーター以上である表面粗さを有する、多食感チューインガム製品。
【0214】
実施形態14:
a.)については、チューインガム組成物部の一領域がむき出しになっており、又は、
b.)については、第1チューインガム組成物部又は第2チューインガム組成物部の一領域がむき出しになっている、実施形態5〜7、及び9〜13のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0215】
実施形態15:プロフィルメータを用いて測定した表面粗さが、
600マイクロメーター以上、又は
1200マイクロメーター以上である表面粗さを有する一領域を有する、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0216】
実施形態16:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含み、
チューインガム組成物は、ガムベース、バルク甘味料、及び軟化剤を含み;且つ菓子組成物部は、バルク甘味料、脂肪、及び乳製品材料を含む、実施形態1〜3、5、7〜9、又は12〜15のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0217】
実施形態17:チューインガム組成物は、チューインガム組成物の総重量に基づいて、約10.0〜約55.0重量%のガムベース、約35.0〜約75.0重量%の糖ポリオールバルク甘味料、及び約2.0〜約15.0重量%の軟化剤を含み;且つ
菓子組成物部は、菓子組成物の総重量に基づいて、約70.0〜約95.0重量%のバルク甘味料、約3.0〜約14.0重量%の脂肪、及び約2.0〜約14.0重量%の乳製品材料を含む、実施形態16に記載の多食感チューインガム製品。
【0218】
実施形態18:バー型又はスティック型であり、菓子組成物のベース層(基板)と、ベース層の上面に配置されたチューインガム組成物の1つ、2つ、又は3つの部分とを有し、又はチューインガム組成物(基板)のベース層と、ベース層の上面に配置された菓子組成物の1つ、2つ、又は3つの部分とを有する、実施形態16又は17に記載の多食感チューインガム製品。
【0219】
実施形態19:菓子組成物部又はチューインガム組成物部を部分的にカバーする第2菓子組成物部を更に備える、実施形態16〜18のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0220】
実施形態20:第2菓子組成物は、ドリズル又はグレーズの形である、実施形態19に記載の多食感チューインガム製品。
【0221】
実施形態21:チューインガム組成物対菓子組成物が、約40:60〜約60:40となる割合を備える、実施形態16〜20のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0222】
実施形態22:
a.)チューインガム組成物部及び菓子組成物部を含み、
チューインガム組成物は、ガムベースと、糖ポリオールと、膨張剤と、酸性成分とを含み、
菓子組成物部は、チョコレート、グレーズ、又はその組み合わせを含む、実施形態1〜2、4〜6、8、又は12〜15のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0223】
実施形態23:チューインガム組成物は、チューインガム組成物の総重量に基づいて、約20〜約45重量%のガムベース、約40〜約70重量%の糖ポリオール、約0.01〜約3.5重量%の膨張剤、及び約0.01〜約3.0重量%の酸性成分を含む、実施形態22に記載の多食感チューインガム製品。
【0224】
実施形態24:菓子組成物が、チューインガム組成物全体に分布しているか、チューインガム組成物部を部分的にカバーするコーティングの形になっているか、又は両方である、実施形態22又は23に記載の多食感チューインガム製品。
【0225】
実施形態25:チューインガム組成物対菓子組成物が、約70:30〜約90:10となる割合を備える、実施形態22〜24のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0226】
実施形態26:
b.)第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部を含み、
第1チューインガム組成物は、バルク甘味料と、ガムベースと、低融点脂肪とを含み、且つ
第2チューインガム組成物は、バルク甘味料と、ガムベースと、水とを含み、第2チューインガムは、融解したガムベースと融解したバルク甘味料との均質な混合物を調製することにより形成される、実施形態1〜2、5、7〜8、10〜11、及び15のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0227】
実施形態27:実施形態26に記載の多食感チューインガム製品であって、
第1チューインガム組成物は、第1チューインガム組成物の総重量に基づいて、約1.0〜約50.0重量%のバルク甘味料、約20.0〜約70.0重量%のガムベース、及び約5.0〜約35.0重量%の低融点脂肪を含み、
第2チューインガム組成物は、第2チューインガムの総重量に基づいて、約35.0〜約75.0重量%のバルク甘味料、約10.0〜約45.0重量%のガムベース、及び約5.0〜約20.0重量%の水を含む、多食感チューインガム製品。
【0228】
実施形態28:第1チューインガム組成物部及び第2チューインガム組成物部がともに可視状態にあるように形成されている、実施形態26〜27のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0229】
実施形態29:チューインガム組成物対菓子組成物が、約40:60〜約60:40となる割合を備える、実施形態26〜28のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0230】
実施形態30:
b.)第1チューインガム組成物部、第2チューインガム組成物部、及び菓子組成物部を含み、
第1チューインガム組成物は、バルク甘味料と、ガムベースと、低融点脂肪とを含み、
第2チューインガム組成物は、バルク甘味料と、ガムベースと、水とを含み、第2チューインガムは、融解したガムベースと融解したバルク甘味料との均質な混合物を調製することにより、形成され、
菓子組成物部は、噛みごたえのあるキャラメル、ヌガー、噛みごたえのあるキャンディ、又はそれらの組み合わせである、実施形態1〜2、4、8〜9、及び12〜15のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0231】
実施形態31:第1チューインガム組成物は、第1チューインガム組成物の総重量に基づいて、約1.0〜約50.0重量%のバルク甘味料、約20.0〜約70.0重量%のガムベース、及び約5.0〜約35.0重量%の低融点脂肪を含み;
第2チューインガム組成物は、第2チューインガムの総重量に基づいて、約35.0〜約75.0重量%のバルク甘味料、約10.0〜約45.0重量%のガムベース、及び約5.0〜約20.0重量%の水を含み、且つ
菓子組成物部は噛みごたえのあるキャラメルである、実施形態30に記載の多食感チューインガム製品。
【0232】
実施形態32:第1チューインガム組成物部、第2チューインガム組成物部、及び菓子組成物部がそれぞれ可視状態にあるように形成されている、実施形態30〜31のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0233】
実施形態33:全チューインガム組成物対菓子組成物が、約70:30〜約90:10となる割合を備える、実施形態30〜32のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0234】
実施形態34:果物の風味剤、焦がしの風味剤、スパイスの風味剤、うまそうな風味剤、甘くてとろけるような風味剤、クリーミーな風味剤、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0235】
実施形態35:追加の成分を更に含み、追加の成分は、風味剤、高甘味度甘味料、食用酸又はその塩、感覚剤、風味調節剤又は増強剤、着色剤、湿潤剤、塩、軟化剤、又はそれらの組み合わせである、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の多食感チューインガム製品。
【0236】
特徴及び利点は、以下の実施例により、より完全に示されるが、これらの実施例は、例示の目的のために提供され、いかなるようにも本発明を限定するとは解釈されるべきでない。
【実施例】
【0237】
実施例1.クッキー生地(焦がしオータムスパイス)
一口サイズのフォーマットで、クッキー生地を思わせるような軟らかい食感、ほどほどの歯ごたえ、及び粒状感を主たる属性として有する、クッキー生地タイプの製品が調製された。クッキー生地タイプの製品は、下記の表1及び2にまとめられたようなチョコレート菓子組成物及びチューインガムから調製される。
【0238】
【表1】
【0239】
【表2】
【0240】
無糖チョコレートを作製するプロセスには、脂肪混合物をポットで融解し、マンニトールを添加して、更に混合してスラリーを作ることが必要である。このスラリーを、フードプロセッサに移し、滑らかな食感が得られるように1時間混ぜる。次にスクラロース及びココアを加え、更に15分間混ぜる。チョコレートを冷却台上に載せ、小片(「チップ」)に形成する。
【0241】
クッキー生地のチューインガムを作製するプロセスには、イソマルトと水の混合物を163℃で沸騰させ、次に120℃に冷やして、融解したイソマルト塊を形成することが必要である。次に融解したガムベースを、融解したイソマルトに加えて混ぜる。次に風味料と甘味料を加えて混ぜる。次に重炭酸ナトリウムが添加され、混ぜられ、そして得られた混合物が130℃に加熱されて、気体を発生させる。気体で膨らませた塊を、冷却台(18℃)上に載せ、表面が90℃になるまで冷却する。塊の上部と内部がまだ軟らかいうちに、下部は固化する。チョコレートチップを添加し、塊の内部に混ぜ込む。塊を冷却台から降ろし、全体が同じ温度になるように混ぜ、引き伸ばすことができる状態にする。塊を引っ張って伸ばす。塊を台の上に載せて、厚さ6mmのシート状に成形する。得られたシートを、2×1.5センチメートル(cm)の小片(1片あたり約3g)に切り分ける。
【0242】
クッキー生地タイプの製品は、クッキー生地を思わせる食感を有する。感覚評価パネルは、この試料を、主として、チョコレート風味、ナッツ風味、コーヒー風味、バター風味を加えたキャラメル風であると特徴づけた。
【0243】
実施例2.クッキー生地(グレーズ、コーヒーグレーズ)
一口サイズのフォーマットで、クッキー生地を思わせるような軟らかい食感、ほどほどの歯ごたえ、及び粒状感を主たる属性として有する、クッキー生地タイプの製品が調製された。クッキー生地タイプの製品は、下記の表3及び4にまとめられたようなチョコレート菓子組成物及びチューインガムから調製される。
【0244】
【表3】
【0245】
グレーズ菓子組成物部を作製するプロセス:イソマルトを、融解するまで(170℃まで)加熱してから130℃まで冷やし、レシチンを加えて均質になるまで混ぜる。次にバター及びクリームを加え、得られた混合物を160℃まで加熱して、6分間維持する。得られた混合物を100℃に冷やしてから、風味料、イソマルト、アセスルファムK、及び塩のプレブレンド物を加えて混ぜる。
【0246】
【表4】
【0247】
クッキー生地のチューインガムを作製するプロセスには、イソマルトと水の混合物を163℃で沸騰させ、次に120℃に冷やして、融解したイソマルト塊を形成することが必要である。次に融解したガムベースを、融解したイソマルトに加えて混ぜる。次に風味料と甘味料を加えて混ぜる。次に重炭酸ナトリウムが添加され、混ぜられ、そして得られた混合物が130℃に加熱されて、気体を発生させる。気体で膨らませた塊を、冷却台(18℃)上に載せ、表面が90℃になるまで冷却する。塊の上部と内部がまだ軟らかいうちに、下部は固化する。チョコレートチップを添加し、塊の内部に混ぜ込む。塊の温度が等しくなるようにして、塊を引き伸ばすことができるようにする。塊を引っ張って伸ばす。塊を台の上に載せて、厚さ6mmのシート状に成形する。得られたシートを、2×1.5センチメートル(cm)の小片(1片あたり約3g)に切り分ける。得られた小片を、コーヒーグレーズでコーティングして、66重量%のチューインガムと33重量%の菓子(チョコレート+グレーズ)を包含する製品が得られる。
【0248】
クッキー生地タイプの製品は、クッキー生地を思わせる食感を有し、グレーズが歯ごたえのある要素を加えていた。感覚評価パネルは、この試料を、主として、チョコレート風味、ナッツ風味、コーヒー風味、バター風味を加えたキャラメル風であると特徴づけた。
【0249】
実施例3.割砕可能(フルーツキャラメルナシ)
キャンディバータイプの製品が、主要な属性としては歯ごたえがあり、第2の属性としては甘い又は甘い/塩辛い、第3の属性としては多くの風味を有し、複数口サイズのフォーマットを有し、非常に香りの良い製品が調製された。割砕可能な(フルーツキャラメルナシ)キャンディバータイプの製品は、下記の表5及び6にまとめられたようなチューインガム組成物及びキャラメル菓子組成物から、菓子組成物vsチューインガムの重量比が47:53で調製される。
【0250】
【表5】
【0251】
【表6】
【0252】
チューインガム組成物部を作製するプロセス:融解したガムベースを鍋に加える。軟化剤を加えて3〜5分間混ぜる。50%のポリオールをバッチに加え、2分間混ぜ、次に残りのポリオールと風味料とをバッチに加えて3分間混ぜる。カプセル化した甘味料をバッチに加えて混ぜる。最終的に得られた混合物をローラーで、所望の厚さに伸ばす。
【0253】
菓子組成物部を作製するプロセス:イソマルトを、融解するまで(170℃まで)加熱してから130℃まで冷やし、レシチンを加えて均質になるまで混ぜる。次にバター及びクリームを加え、得られた混合物を160℃まで加熱して、6分間維持する。得られた混合物を100℃に冷やしてから、風味料、イソマルト、アセスルファムK、及び塩のプレブレンド物を加えて混ぜる。混合物を冷却台に移して冷やし、徐々に所望の厚さまでローラーで伸ばす。
【0254】
割砕可能な製品は、菓子組成物(基板)の単一のベース層と、当該ベース層の上に配置された2つ又は3つの真四角のチューインガム片とを包含する個別の小片に成形される(「バー型」)。代替的には、当該製品は、菓子組成物(基板)の単一のベース層と、当該ベース層の上に配置された2つ又は3つの長い長方形の、スティック型チューインガム片とを包含する個別の小片に成形される(「スティック型」)。キャラメル菓子組成物のドリズルが、得られた複合物の上にかけられる。こうして形成された製品は、食べる前に手でより小さい片に破砕することもでき、また丸ごと食べることもできる。チューインガム部同士の間の空隙部分で破砕が特に起こり、より小さい片を形成するために、菓子組成物部のみが破砕されることが必要となる。
【0255】
感覚評価パネルは、この試料を、主として、わずかなチョコレート風味、コーヒー風味、ナッツ風味を加えたキャラメル及びバター風と特徴づけた。
【0256】
実施例4.割砕可能(焦がしキャラメルマシュマロ)
キャンディバータイプの製品が、主要な属性としては歯ごたえがあり、第2の属性としては甘い(甘い/塩辛い)、第3の属性としては多くの風味を有し、複数口サイズのフォーマットで、非常に香りの良い製品が調製された。割砕可能な(焦がしキャラメルマシュマロ)キャンディバータイプの製品は、下記の表7及び8にまとめられたようなチューインガム組成物及びキャラメル菓子組成物から、菓子組成物vsチューインガムの重量比が47:53で調製される。
【0257】
【表7】
【0258】
【表8】
【0259】
チューインガム組成物部及び菓子組成物部を作製するプロセスは、実施例3のものと同様である。感覚評価パネルは、この試料を、主として、わずかなチョコレート風味、コーヒー風味、ナッツ風味を加えたキャラメル及びバター風と特徴づけた。
【0260】
実施例5.甘くてとろけるような(フルーツオレンジクリームシクル)
キャンディバータイプの製品が、軟らかな食感と甘くてとろけるような風味を有する一口サイズのフォーマットで調製された。甘くてとろけるような(フルーツオレンジクリームシクル)キャンディバータイプの製品は、下記の表9及び10にまとめられたような、甘くてとろけるようなチューインガム組成物と歯ごたえのあるチューインガム組成物とから、甘くてとろけるようなチューインガムvs歯ごたえのあるチューインガムの重量比が53:47で調製される。
【0261】
【表9】
【0262】
【表10】
【0263】
チューインガムA、すなわち甘くてとろけるようなチューインガム組成物を作製するプロセスは、融解した低融点脂肪を徐々に融解したガムベースに加えることを含む。滑らかになるまで混合物をよく混ぜる。このプロセスを、低融点脂肪がなくなるまで繰り返す。得られた混合物に50%のキシリトールと50%の風味料とを加えて混ぜる。キシリトールと風味料を加える工程を繰り返す。混合物を更に3分間混ぜる。残りの甘味料をバッチに加えて、3分間混ぜる。
【0264】
チューインガムB、すなわち歯ごたえのあるチューインガム組成物を作製するプロセスは、水とイソマルトとを一緒にして、170℃に加熱して、遊離している水分を取り除くことを含む。融解したイソマルトを150℃まで冷やし、融解したガムベースを得られた融解したイソマルトに加え、バッチを均質になるまで混ぜる。次に得られたバッチを90℃に冷やし、混ぜながら風味料−イソマルトのプレブレンド物を加える。残りの甘味料を加えて、塊を冷却台に移す。得られた塊を徐々に所望の厚さにローラーで伸ばす。
【0265】
甘くてとろけるような製品の形成は、甘くてとろけるようなチューインガムの一片を、歯ごたえのあるガムの一片で、甘くてとろけるようなチューインガムが製品の両端でむき出しになっているように包むことを含む。外側のシェルの歯ごたえのあるチューインガムは、キャンディ様の歯ごたえを提供し、その歯ごたえは、咀嚼しているうちにチューインガムの食感になる。中央の甘くてとろけるようなチューインガムは、軟らかな、「クリーミーな」口内感覚を提供する。
【0266】
実施例6.甘くてとろけるような(焦がしオータムスパイス/ココプレッツェル)
キャンディバータイプの製品が、軟らかな食感と甘くてとろけるような風味を有する一口サイズのフォーマットで調製された。甘くてとろけるような(焦がしオータムスパイス/ココプレッツェル)キャンディバータイプの製品は、下記の表11及び12にまとめられたような、甘くてとろけるようなチューインガム組成物と歯ごたえのあるチューインガム組成物とから、甘くてとろけるようなチューインガムvs歯ごたえのあるチューインガムの重量比が53:47で調製される。
【0267】
【表11】
【0268】
【表12】
【0269】
チューインガムA、すなわち甘くてとろけるようなチューインガム組成物及びチューインガムB、すなわち歯ごたえのあるチューインガム組成物を作製するプロセスは、実施例5のものと同様である。
【0270】
外側のシェルの歯ごたえのあるチューインガムは、キャンディ様の歯ごたえを提供し、その歯ごたえは、咀嚼しているうちにチューインガムの食感になる。中央の甘くてとろけるようなチューインガムは、軟らかな、「クリーミーな」口内感覚を提供する。
【0271】
実施例7.キャンディバー(焦がしココキャラメルクランチ)
キャンディバータイプの製品が、ほどほどの歯ごたえと甘くてとろけるような風味を有する一口サイズのフォーマットで調製された。
【0272】
実施例5のチューインガムAのような、無糖の甘くてとろけるようなチューインガムの上層と下層とが、砂糖系の噛みごたえのあるキャンディと、実施例5のチューインガムBのような歯ごたえのあるチューインガムの歯ごたえのある球との不均質な混合物の中央層を包み込むようにして、製品が調製される。チョコレートドリズルが、任意追加的に小片の上にかけられる。この製品は、菓子組成物vsチューインガムの重量比が18:82である。
【0273】
感覚評価パネルは、この試料を、主として、チョコレート風味、ナッツ風味、コーヒー風味、バター風味を加えたキャラメル風であると特徴づけた。
【0274】
実施例8.感覚的測定:記述的分析
多食感チューインガムスナック製品の試料のさまざまな感覚的性質が、定量的記述的分析(QDA)の原理について訓練を受けたパネルを用いて検討された。なお、定量的記述的分析(QDA)は、Stone & Sidelによって説明されているものである(Stone & Sidel,Sensory Evaluation Practices,第3版、Elsevier Academic Press、カリフォルニア州サンディエゴ(2004))。
【0275】
【表13】
【0276】
7種類の多食感チューインガムスナック製品が調製され、キャンディ様の印象度、歯ごたえ、凝集性、ポロポロする粒状度、及び粒の大きさ(表13参照)という属性について試験された。3種類の比較対照用のチューインガムも、調査対象とされた:
Trident(登録商標)のLayers(商標)イチゴ/シトラス味、すなわち、チューインガム材料の2つの外側層が、風味づけされたキャンディの中央層を挟んでいるチューインガム(「比較対照用フルーツチューインガム」)、1スティックあたり2.5g、成分:ガムベース、マルチトール、マルチトールシロップ、ソルビトール、天然及び人工風味料、マンニトール、2%未満の:アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ゼラチン、部分水素添加ココナツ油、赤色40号、赤色40号のレーキ、ダイズレシチン、及びスクラロース。
【0277】
Trident(登録商標)のVitality(商標)シトラス−イチゴ味、すなわち、硬質コーティングされたペレット状チューインガムで、液状のフィリングが中央に包含されるもの。(「比較対照用ペレット状チューインガム」)1片あたり2.0g、成分:イソマルト、ガムベース、マルチトールシロップ、マルチトール、天然及び人工風味料ソルビトール;2%未満の:アカシア、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、カンデリラろう、グリセリン、アソコルビン酸ナトリウム、ダイズレシチン、スクラロース、二酸化チタン、キサンタンガム、黄色5号のレーキ及び黄色6号のレーキ。
【0278】
従来の板状チューインガムミント−チョコレート風味(「比較対照用板状チューインガム」)1スティックあたり2.7g;成分:ソルビトール、ガムベース、グリセロール、天然及び人工風味料、2%未満の:還元デンプン糖化物、アスパルテーム、アスパルテーム−アセスルファム、マンニトール、ダイズレシチン、アセスルファムK、人工着色料、及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)。
【0279】
方法:試料は、感覚評価の訓練を受けたパネルによって評価された。2時間の言語開発セッションにより、その用語が作られた。11人のQDAパネリストが、1回のセッションにつき3種類の試料を評価した。試料は、4回にわたり、芳香;初期の風味及び食感;開始時点、1分後、5分後、及び10分後の風味、食感、及び口内感覚を、1分間の後味で、それぞれ評価した。試料を評価者に出す順番は、ランダム化された。1人分の分量:一片。咀嚼する時間:10分間、1分間の後味。すべての属性は、構造化されていない線状目盛り上に評価され、後で電子的手段で、100ポイントの目盛り上に数量化した。結果を、SIMS(感覚情報管理システム)を通じて集め、分散分析(ANOVA)を用いてTragon QDA(登録商標)ソフトウェアによって分析した。それぞれの属性に対して、有意な差がある(p<0.05)試料を決定するためにダンカン最小有意差が計算された。キャンディ様の印象度、歯ごたえ、凝集性、ポロポロする粒状度、及び粒の大きさのような、さまざまな食感/口内感覚属性;さまざまな芳香属性;及びさまざまな風味属性を含む特性についての入力を評価者は提供した。
【0280】
食感/口内感覚属性は、よりチューインガム様の特性に対して、製品がよりスナック様の特性を示しているかどうかの有用な指標である。
【0281】
キャンディ様の印象度は、「開始時点」と咀嚼開始から30秒後に評価された。歯ごたえは、1分後までにのみ評価されたが、それはその時点で、歯ごたえのあるものとないものとの差が小さくなってしまうからである。凝集性は、10分後まで評価を行ったが、それはその時点で、すべての試料が似たような凝集性を有するからである。しかしながら、実施例の凝集性は、1分後より前と10分後とでは、比較例の1分後より前と10分後の凝集性と比べると、かなり差があった。
【0282】
それぞれの属性の定義は次の通りである:
【0283】
初期の食感/口内感覚
指示:初期の硬さ、ぼろぼろと崩れる感じ、結晶質粒状物の評価のため、試料は口の横の方に配置して、横の歯で咀嚼するものとする。
【0284】
【表13A】
【0285】
指示:以下のものを評価するために、3〜5回、咀嚼し続ける:
【0286】
【表13B】
【0287】
咀嚼し続け、次の属性を30秒後に評価する。
【0288】
【表13C】
【0289】
食感/口内感覚
指示:試料を咀嚼し続け、以下の食感属性を評価する:
【0290】
【表13D】
【0291】
表14〜18は、感覚調査の結果を示す。
【0292】
【表14】
【0293】
【表15】
【0294】
【表16】
【0295】
【表17】
【0296】
【表18】
【0297】
感覚調査の結果が明らかにしたのは、キャンディ様の印象度に最も寄与する属性は、初期の破砕/崩壊、多食感体験、歯ごたえ、ポロポロする粒状度、粒の大きさ、及び凝集性であった。また、初期の凝集性が最も低く、上に言及した属性が最も高いと感じられた試料が、最もキャンディ様の印象度を高くした。対照的に、比較対照用フルーツチューインガム及び板状チューインガムは、キャンディ様の印象度が非常に低かった。比較対照用ペレット状チューインガムも、キャンディ様の印象度がかなり低く、その代わりに、チューインガム製品の印象があった。
【0298】
キャンディ様の印象度、歯ごたえ、及び凝集性の印象の属性における変化は、時間と共に、その菓子部の多くが消費され飲み込まれてしまい、スナック様の食感が、最終的なチューインガムの食感に移行したことを示すものであった。
【0299】
実施例9.曲げ強さ
チューインガムスナック製品及び比較対照用の従来のチューインガムスティックの曲げ強さ(曲げに対する強さ)を測定した。試験されたチューインガムスナック製品は、実施例3のキャンディバータイプの、長方形スティック型ピースで、キャラメルドリズルを包含するものであった。比較対照用試料は、従来のチューインガムのスティックで、菓子組成物部も第2チューインガム組成物部も有していないチューインガムであった。
【0300】
試験方法は三点曲げ試験である。試料を、30mm互いに離れた2つの支持に架け渡して配置し、プローブ速度を0.8mm/秒とする。プローブは、TA−92ブレードプローブ(ニューヨーク州ScarsdaleのTexture Technologies社製)である。曲げ力(試料が、曲げられることに抵抗する力)、変位量(プローブの動いた距離)、及び時間が測定される。実施例3の試料が、2つの方法で試験された:チューインガムの側をプローブに向ける、及び菓子の側をプローブに向ける。実施例3の試料について、両方の測定方法で測定された最大曲げ力の大きさは、比較対照用のチューインガムについての最大曲げ力の5倍と、かなり大きいものであった。実施例3の試料には複数のピークが見られるのに対して、比較対照用のチューインガムにはピークは1つしかなく、実施例3の試料のピークは、比較対照用ガムのピークよりもかなり鋭いピークであった。すなわち、チューインガムスナック製品は、より砕けやすいことを示しており、消費者は、初期の咀嚼で、複数回の破砕を体験できる。実施例3の試料のように、ガムの砕けやすさを高めたことは、破砕前のその低い曲げ変形性(つまりプローブの移動が小さいこと)によっても示される。比較対照用のチューインガムと比べて、実施例3は、破砕前に約半分の曲げ変形しか示していなかった。
【0301】
なお、長さが30mmに満たない試料に対しても、支持台を互いに近づけるように動かして、試料の長さの約15%がそれぞれの支持台の上にかかるようにして両方の支持台の上に試料を置くようすれば、上述の試験を実施することができる。
【0302】
実施例10.初期歯ごたえ、食感分析試験
従来のチューインガム(比較対照用試料)の試料の初期の食感と、多食感チューインガム製品の試料の初期の食感との間の、質的及び定量的な差異を見出す方法を用いて、多食感チューインガム製品の例示的な試料を、その初期歯ごたえについて分析した。試験された多食感チューインガム製品及び市販の比較対照用のチューインガムは、表19に示したとおりである。多食感チューインガム製品は、あくまでも例示的なものであり、本明細書で開示する多食感チューインガム製品の範囲を制限するものでは決してない。
【0303】
【表19】
【0304】
クッキー生地(バニラチョコレートキャラメル)
クッキー生地(バニラチョコレートキャラメル)の試料が、表20のチューインガム組成物、実施例1(表1)のチョコレート、実施例2(表3)のグレーズを用いて調製された。
【0305】
【表20】
【0306】
チューインガム組成物は、実施例1と同じ手順で調製された。最終的クッキー生地製品は、表20のチューインガム組成物を86.8重量%、9.7重量%のチョコレート、及び3.5重量%のグレーズを包含した。
【0307】
甘くてとろけるような(オレンジクリーム)
甘くてとろけるような(オレンジクリーム)製品が、実施例5の手順によって調製された。当該製品は、一口サイズのフォーマットで、下記の表21及び22にまとめられた、甘くてとろけるようなチューインガム組成物と歯ごたえのあるチューインガム組成物とから、甘くてとろけるようなチューインガムvs歯ごたえのあるチューインガムの重量比53:47で調整された。
【0308】
【表21】
【0309】
【表22】
【0310】
甘くてとろけるような(オレンジクリーム)の試料が、実施例5のフォーマットのようにして、中心部の甘くてとろけるようなチューインガムが、製品の両側でむき出しになっているように、中心の甘くてとろけるようなチューインガムの周りに、歯ごたえのあるガムの層を有するように、調製された。
【0311】
キャンディバー
キャンディバー製品の試料が、実施例7のフォーマットと同じように調製され、表23にある甘くてとろけるようなチューインガム組成物と表24にある歯ごたえのあるチューインガム組成物と、噛みごたえのあるキャラメルと、チョコレート(ドリズル)とから作製された。最終製品中の各成分の重量パーセントは、甘くてとろけるようなガムが23重量%、歯ごたえのあるガムが59重量%、キャラメルが16重量%、及びチョコレートが2重量%であった。
【0312】
表23の甘くてとろけるようなチューインガム組成物と表24の歯ごたえのあるチューインガムが、実施例5のプロセスにしたがって調製された。
【0313】
【表23】
【0314】
【表24】
【0315】
噛みごたえのあるキャラメルの組成物が、グルコースシロップ、甘味付加コンデンススキムミルク、砂糖、植物油(パーム油、ピーナッツ油)、ソルビトール、ホエイ粉末、クリーム、ホエイ、バター、塩、きび砂糖シロップ、ダイズレシチン、及び風味料から調製された。
【0316】
キャンディバー製品が、その上層及び下層が表23の甘くてとろけるようなチューインガムからなり、中心層が、噛みごたえのあるキャラメル組成物と表24の歯ごたえのあるチューインガム片との混合物からなるように調製された。この混合物を作るために、噛みごたえのあるキャラメルが融解され、約8mmの直径の、概ね球形の、歯ごたえのあるチューインガム片と混合される。キャラメル/歯ごたえのあるチューインガムの混合物は冷却されて、甘くてとろけるようなチューインガムをその上層と下層に有する複合体に形成される。チョコレートドリズルが、小片の上にかけられる。製品は、その全菓子組成物vs全チューインガム組成物の重量比が18:82である。
【0317】
割砕可能
スティック型の割砕可能な試料が、表25に提示されたチューインガム組成物と、実施例3(表6)によるキャラメル菓子組成物とを用いて調製された。上記製品の、菓子組成物vsチューインガムの重量比は、51:49であった。
【0318】
【表25】
【0319】
チューインガム組成物を作製するプロセスは、実施例3と同様である。
【0320】
代替的には、破砕可能な製品は、菓子組成物の単一の長方形のベース層(基板)と、当該ベース層の上に配置された単一の長方形のチューインガム片とを包含する、スティック型の個別の小片に成形され得る(「スティック型」)。キャラメル菓子組成物のドリズルが、チューインガム部がむき出しのままになっているように、複合体の上面にかけられる。各片の寸法は、キャラメル基板の長さが63mm、幅が6.9mm、厚さが3.07mmで、チューインガムの上層は、その厚さが3.7mmであった。
【0321】
初期歯ごたえ、食感分析試験
試料の初期歯ごたえを、食感分析器(Stable Micro Systems社製TA.XT.Plus食感分析器)を用いて、2ミリメーター(mm)のプローブ(円筒形、全長25mm)を、1mm/秒のプローブ速度で、95%のプローブ進入度(プローブがその力を加えた方向に、試料の95%まで進入した状態)まで動かして、測定した。試料は分析され、試料の抵抗力が、時間及び/又は進入度の関数として記録される。結果は、応力vsプローブ進入度(%)曲線に表される。試料タイプごとに8回の試験が実行された。
【0322】
従来のチューインガムに対する応力vsプローブ進入度(%)曲線は、
図1〜4に点線で示されるような動きになった。極性には、異常なところは見られない。大きな歪み(>80%)での応力増加は、プローブが材料をプラテンに押し付けるように圧縮したことと関連している。
【0323】
チューインガム部と、菓子組成物部又は第2チューインガム部とを有する多食感チューインガム製品は、
図1〜4に図示された実線と似たような動きを示す。これらの曲線は、応力−歪み曲線上の複数のピーク、又は「目立つイベント」を有する。プローブ進入度(%)とは、加えた力の方向にプローブが試料の中へ進入した厚みのパーセンテージである。ピークの形状及び大きさはさまざまに異なり、以下のものに依存して変化する:それぞれの部分のタイプ(サイズ、形状、例えば層状又は内包物状);組成物のタイプ(例えば、硬質キャンディ、軟質キャンディ、チョコレート、チューインガム);それぞれの部分の量。ピークは消費者が試料を一口咀嚼した際に感じる、異なる感覚と相互に関連している。すべての試料に対して、100%の歪みに到達しつつある間に、応力は増加するが、それは、プローブがプラテンの表面に接近しつつあるという事実のためである。
【0324】
初期歯ごたえ、食感分析試験の結果は、比較対照用のチューインガムC1〜C4に対する結果とともに表26に示されている。
【0325】
表26中、「プローブが20〜80%の進入度である間の最大応力値/最小応力値の割合」とは応力vsプローブ進入度(%)曲線のうち、試料の中へのプローブ進入度が20%〜80%に対応する部分内での、最高の応力値の最低の応力値に対する割合を意味する。
【0326】
表26中、「20%〜80%の範囲、百万Pa」が意味するのは、プローブ進入度が20%〜80%に対応する部分内の、最高の応力値から最低の応力値を引いた差を百万パスカル単位で表したものである。
【0327】
応力vsプローブ進入度(%)曲線は、負(下向き)及び正(上向き)の両方の傾きを持ち得る。表26中、「傾きの方向が変化した数」が意味するのは、応力vsプローブ進入度(%)曲線が、負の傾きから正の傾き、又はその逆に変化した回数である。
【0328】
表26中、「少なくとも100万Paの範囲をカバーする負の(下向き)傾斜部が、少なくとも1つあるか?」という質問は、負の傾斜のピークから、曲線が正の傾きに変わる点、又は曲線が終わる点までに、応力が少なくとも100万パスカル減少するかどうかを尋ねている。
【0329】
表26中、「少なくとも200万Paの応力が、0〜10%のプローブ進入度で必要か?」という質問は、試料の中へのプローブの進入度が0〜10%の間の最高応力値が、少なくとも200万パスカルであるかどうかを尋ねている。
【0330】
表26中、「少なくとも400万Paの応力が、0〜10%のプローブ進入度で必要か?」という質問は、試料の中へのプローブの進入度が0〜10%の間の最高応力値が、少なくとも400万パスカルであるかどうかを尋ねている。
【0331】
表26中、「少なくとも200万Paのピーク(応力)が、30〜60%のプローブ進入度であるか?」という質問は、試料の中へのプローブの進入度が30〜60%の間の最高応力値が、少なくとも200万パスカルであるかどうかを尋ねている。
【0332】
表26中、「初期のピーク(応力)より、少なくとも25万Pa大きい2番目のピーク(応力)があるか?」という質問は、ピークとは、その一方の側に正の傾きを、他方の側に負の傾斜を有するものであるとして、少なくとも2つの極大値が応力vsプローブ進入度(%)曲線にあり、上記の初期のピーク(応力)よりも高いプローブ進入度(%)に起こる2番目のピーク(応力)の強度が、初期のピーク(応力)の強度より、少なくとも25万Pa高いかどうかを尋ねている。
【0333】
【表26】
【0334】
図1に示すように、クッキー生地の応力−歪み曲線は、実線の軌跡が示すように、複数の目立つイベント(複数のピーク)を示す。破砕はそれほど鋭くはないが、それは、破砕が激しいものではないことを意味する;しかしその応力の大きさは、点線で示した従来のチューインガム試料のそれよりもかなり大きい。
【0335】
図2は、甘くてとろけるような(オレンジクリーム)の曲線(実線)を示すが、試験の最初と終わりに、2つの大きなイベントがある証拠を示している。従来のチューインガム試料に対する曲線は、点線で示している。
【0336】
図3は、割砕可能な試料に対する、応力−歪み曲線であり、実線で示された、複数のチューインガムと菓子の部に関連する、1つの大きなイベントを示す。突然の、激しい破砕が観察される;これらは、応力が「鋭く」上昇し下降することにより明らかになっている。従来のチューインガム試料に対する曲線は、点線で示している。
【0337】
図4は、キャンディバーと呼ばれる多食感チューインガム製品に対する応力−歪み曲線であり、複数の目立つイベントが実線で示されている。時に破砕は、応力の急激な低下に示されるような、激しい/鋭いものであり、時に破砕は、それほど激しいものにはならず、応力の鋭い低下が見られない。キャンディバー試料の応力の大きさは、点線で示される従来のチューインガム試料の応力よりもかなり大きい。
【0338】
比較対照用のチューインガムの結果は
図5〜8に示されている。C1とC4とは、多食感チューインガム製品と、応力−歪み曲線に全くピークがないという点で異なる。C2は、「クリスタル風味」を持つと宣伝されているものであるが、示しているピークは小さいものであり、その大きさは、多食感チューインガム製品の試料が示すピークの大きさよりかなり小さい。硬質コーティングされたペレット状ガムC3は、応力−歪み曲線にピークが存在することを示す唯一の比較対照用試料であるが、それは、そのチューインガムのペレットを完全に囲む、硬質の外側コーティングのためである。
【0339】
実施例11.歯ごたえから噛みごたえに、ブラベンダートルク試験
実施例10で提示した多食感チューインガム製品の試料と比較対照用のチューインガムの試料とを、その食感が初期の歯ごたえから噛みごたえに移行することについて、ブラベンダートルク試験によって分析した。この方法は、変形への抵抗力を測定するために、ブラベンダー社のDo−Corderミキサーで、継続的に試料を混ぜること/変形することを含む。変形に対して抵抗するトルク値が測定され、記録された。この方法は、従来のチューインガムの試料の食感と多食感チューインガム製品の試料の食感とを、質的に及び定量的に差異を見出すものである。質的な差異は、トルク−時間曲線の変動とその上の「イベント」に現れる。定量的な差異は、トルク値が、スタート時の値から何%増加したかを測定して、すなわち[(最大トルク−初期トルク)/初期トルク]×100の式により見出す。実験のパラメータは表27に示してある通りである。それぞれの種類の試料について、最低6回の試験が実行された。
【0340】
【表27】
【0341】
最も代表的と思われる試行の結果が、表28に示される。なおすべてのトルク値の単位は、ニュートン・メートル(N.m)である。「トルクのパーセント増加量」が意味するのは、ゼロ時点から5分後までの間の[(最大トルク−初期トルク)/初期トルク]×100であり;値がゼロの場合には、それは最大トルクと初期トルクが等しいことを意味している。「最大vs最小トルクの%変化量」が意味するのは、ゼロ時点から5分後までの間の([(最大トルク−最小トルク)/最小トルク]×100である。表28中、「初期トルクは、均衡トルクより小さい?」という質問は、初期トルクが、5分間混ぜた後の時点のトルクより小さいかを尋ねている。
【0342】
【表28】
【0343】
従来のチューインガム試料は、
図9に示すような軌跡を示す(ゼロ時点に150N.mより大きなトルク値から始まる線(トルク値の変化))。例えば、菓子組成物部とチューインガム組成物部とを有する多食感チューインガム製品は、
図9に暗色の線で割砕可能な製品に対して示すような軌跡を示す。初期のトルク増加は、用いられる菓子組成物部とチューインガム組成物部のタイプ及び量の違いのため、試料によって異なる。理論に縛られずに言えば、初期のトルク増加は、混合していると、菓子組成物部の構造が破壊され、その表面積が増加し、混合物は分散のような挙動をするというように説明可能である。これが意味するのは、表面積が増えるにつれて、粘度(トルク抵抗値)が増えて、最大値に達するということである。最大値を取った後は、チューインガム部の構造的破壊がより支配的であり、結果、時間と共にゆっくりとトルクが低下していくのが観察される。トルクの変動は、歯ごたえから噛みごたえのある食感への移行のような、咀嚼している間に消費者が感じる食感の違いとリンクし得る。
【0344】
甘くてとろけるような(オレンジクリーム)製品は、機械的に咀嚼している間中、トルクの変化が極めて小さかったが、最初の5分間のトルク変化は15%未満である。これは、非常に滑らかな咀嚼体験を意味する。
【0345】
実施例12.表面粗さ、プロフィルメータ試験
実施例10で提示した多食感チューインガム製品の試料及び比較対照用のチューインガムの試料を、その表面粗さについて、ミツトヨ社のプロフィルメータ(SURFTEST SV−3100)を用いて試験した。多食感チューインガム製品は、変則的で粗い表面を示す。すなわち、関連するパラメータは、表面の高い方のピーク(点1)と低い方の谷(点2)との間の距離であった(
図10の表面粗さを参照)。それぞれのフォーマットに対して(例えば、割砕可能なフォーマット、クッキー生地のフォーマット等)5つの試料が用いられ、それぞれの試料に対して測定が3回行われた。その結果、それぞれのフォーマットについて、全部で15の測定値が得られた。それぞれの測定において、プローブ(開始点)は、試料上の異なる点に置かれた。0.5mm/秒の走査速度が用いられ、走査した長さは4mm又は12mm(大きな試料の場合)であった。試料の明らかに上面と思われる面が走査された。ピークvs谷の差の平均値がマイクロメーター単位で、その標準偏差とともに、表29に示されている。
【0346】
【表29】
* 滑らかな硬い層でコーティングされた表面が存在するため、測定をしなかった。
【0347】
結果から分かるように、多食感チューインガム製品の多くは、比較例C4のような従来のチューインガムと比べて、有意に多い表面の不規則性を有している。
【0348】
実施例13.歯ごたえの持続性、ブラベンダー塗り付け試験
実施例10で提示した多食感チューインガム製品の試料及び比較対照用のチューインガムの試料を、歯ごたえの持続性について、ブラベンダー塗り付け試験を用いて試験した。なお同試験には、試料をブラベンダー試験機中で機械的に咀嚼することが伴う。機械的咀嚼が行われる間のさまざまな時間のインターバルで、多食感チューインガム製品の試料を、機械的に咀嚼した従来のチューインガムの比較対照用試料と見た目により比較することが可能である。
【0349】
試験には、試料を、60〜90ccのブラベンダー試験機(ブラベンダー社製 タイプ:C.W.Brabender,Prep Center,Serial # 586/PE,Type # D−51−T;C.W.Brabender mixing head Type #R.E.E.6/3 230V 15A,Serial Number # A.A.1237 S.B.ヘッド容量が60〜90cm
3のもの)に加えて、表30に示したパラメータにしたがって、2分間、6分間、10分間、及び14分間、当該試料を機械的に咀嚼することを含む。
【0350】
【表30】
【0351】
手順には、循環用ポンプをセットアップすることが含まれるが、循環用ラインの一端はきれいな水の中に配置して、その水をブラベンダーヘッドに送り込み、ラインのもう一方の端部をブラベンダーヘッドにつないで、ブラベンダーヘッドから水を、廃液容器に送り出すようにする。
【0352】
循環用ポンプのスイッチを入れる。ポンプが動き出したら、試料の装填を開始する。ブラベンダー試験機の駆動をオンにし、40RPMの順回転にセットする。適切な試料の量を計量用皿に計りとる(試料サイズは、試料のタイプ及び形状次第でさまざまに異なるが、必要なのは、十分な量の試料でヘッドを満たし、空転させたり、半分空の状態で動作させたりしないことである)。タイマーを用いて、3〜5分間以内に、ブラベンダーを運転させつつ、試料をブラベンダーヘッドに装填する。ガムのタイプ、フォーマット、及び形状によって時間はさまざまに異なるが、同一のタイプについては一定になる。ひとたび試料が完全に添加されると、タイマーをリセットする。なおリセットした瞬間が、開始時間、すなわち、ブラベンダー試験機での咀嚼プロセスが開始された時点としてみなされる。試料は、当該試料が完全にブラベンダーヘッドに加えられた時点(開始時点)から、2分間、6分間、10分間、及び14分間にわたり咀嚼される。開始から終了まで、それぞれの時点で新しい試料が必要となる。ひとたび試料が所定の時間(2、6、10、又は14分間)咀嚼されると、咀嚼された試料はブラベンダーヘッドから慎重に取り出される。咀嚼された試料は、計量皿に載せて、2〜3分間、室温で乾燥される。
【0353】
機械的な咀嚼の時間的インターバルが達成されると、咀嚼した試料の約50g分が、(1)塗り付け試験機に保持された積層グラフ用紙(Crystine Cover Gloss White 14 PT 8−1/2x 11 Grain Short 150/Ream)の表面上に載せられる。
図11A(上面図)、11B(正面図)及び11C(側面図)に図示されるような塗り付け試験機(5)は、試験紙キャッチ部(20)を有するベース板(10)を含み、試験紙キャッチ部(20)は、ベース板(10)の面上に積層紙(不図示)をしっかりと保持する。ベース板(10)には、左レール(30a)と右レール(30b)が接続されている。各レールはレール全長にわたる溝を有し、溝にベース板をはめ込むことで、ベース板を、試験紙キャッチ部(20)に向かって傾斜して降りるような角度に配置する。スライド部(40)が、左スライドベアリング(50a)と右スライドベアリング(50b)とに取り付けられ、スライド部(40)が、装置(5)上に載り、装置(5)の幅にわたり広がるようになっている。スライド部(40)は、スライド刃(100)をその下側に有し、スライド刃(100)は、概ね三角形の形状を有し、最薄の先端部では約1mmの厚みである(
図12Aの符号100を参照)。
図12Aは、スライド部(40)の下面図であり、スライド刃(100)先端部の側が、試験紙キャッチ部(20)に近い側に配置され、空隙の最大部のある側が、咀嚼した試料(1)に向かって配置される。スライド部(40)は、レールの上面の上を摺動させることが可能であり、レールの溝に角度がついていることで、スライド部(40)の下側と、ベース板(10)の上面との間に、キャッチ部(20)に最も近い位置で約3mmの空隙ができ、試験紙キャッチ部(20)から最も遠い端部では、空隙は約0mmになる。左ハンドル部(60a)と右ハンドル部(60b)とがスライド部(40)に取り付けられており、操作者は、十分な下向き及び前向きの摺動力をかけることで、スライド部(40)を、咀嚼した試料(1)上で引っ張ることができ、50gの量の咀嚼した試料(1)を積層紙の面を横切って擦り付けることが可能になっている。それにより、擦り付けた試料(不図示)が得られるが、当該試料は18cmの長さを有し、擦り付けを開始した点に近い(試験紙キャッチ部(20)に近い)側の端部で約6mmの厚さ、擦り付けを開始した点に遠い(試験紙キャッチ部(20)に遠い)側の端部で約2mmの厚さを有する。試料を擦り付けるのにかかる時間は、約4〜5秒である。
図11Aには、試料を引っ張る方向が図示されている。紙の上に擦り付けた試料と紙とは、一緒に試験装置から取り出されて、擦り付けた試料は、粒状物がないか、不連続性が見られないかを分析される。塗り付け試験機(5)の大まかな寸法は、表31にまとめられている。
【0354】
【表31】
【0355】
次に、塗り付け試験から、広げられた試料の凝集性が決定される。「凝集性」は、ある物質の塊が、ばらばらにならずに自身にどれほどくっついていられるかである、と定義される。多食感チューインガム製品のいくつかにおいては、チューインガム組成物部が存在している他に、硬質キャンディ又はキャラメルが、菓子組成物部として存在している。これらの製品が、最初に咀嚼されると、製品の塊は、ばらばらになる傾向がある、すなわち、凝集性がより小さいということである。
【0356】
下記の表32に、塗り付け試験のデータがまとめられている。「不連続性」が意味するのは、擦り付けた試料内に、1つの方向に測定して、少なくとも0.05インチ(12.7mm)長の穴があることである。「粒状物」が意味するのは、試料内に、2mmより大きい長い方の寸法を有する、粒状の物体が存在することである。粒状物の測定にはノギスを用いることができる。データに示されるように、多食感製品の機械的に咀嚼された試料は、比較対照用のチューインガムよりも凝集性が低い。
【0357】
【表32】
【0358】
クッキー生地、キャンディバー、及び割砕可能のような多食感チューインガム製品は、比較対照用試料とは対照的に、10分後及び14分後に不連続性を示したので、咀嚼の後の方の段階になっても多食感効果がまだ発揮されていると言える。そのような多食感効果によって、よりダイナミックで興味深い咀嚼体験が消費者にもたらされる。
【0359】
本明細書で使用される「含むこと」(「含む」なども)、「有すること」、及び「包含すること」という用語は、包括的(無制限)であり、追加の、列挙されていない要素又は方法工程を除外しない。文脈が明らかに既定しない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。同じ特性又は成分を目的とする全ての範囲の終点は、独立して組み合わせ可能であり、列挙された終点を包含する。「これらの組み合わせ」という用語は、リストのうちの2つ以上の成分の包含である。「均質な」という用語は、成分の均一な配合を指す。本明細書で使用される「第1」、「第2」等、「第1番目の」「第2番目の」等の用語は、順番、量、又は重要性を意味することはなく、むしろ単に1つの要素を他の要素と区別するために用いられている。
【0360】
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、等価物をその要素と置き換えることができることを理解するであろう。加えて、多くの改変は、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物質を本発明の教示に適合させるためになされ得る。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最も優れた様式として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は付属の特許請求の範囲内の全ての実施形態を含むよう意図される。