特許第6207151号(P6207151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6207151ドライ・フィルム・フォトレジストを使用したダイ上部への蛍光体の堆積
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207151
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ドライ・フィルム・フォトレジストを使用したダイ上部への蛍光体の堆積
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20170925BHJP
【FI】
   H01L33/50
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-282291(P2012-282291)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-140964(P2013-140964A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2015年12月15日
(31)【優先権主張番号】13/338,936
(32)【優先日】2011年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510323266
【氏名又は名称】エルイーディエンジン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ゼクン・メイ
(72)【発明者】
【氏名】シャンタオ・ヤン
【審査官】 林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−245515(JP,A)
【文献】 特開2009−283806(JP,A)
【文献】 特開平10−163526(JP,A)
【文献】 特開2010−147455(JP,A)
【文献】 特開2011−222993(JP,A)
【文献】 特開2003−298106(JP,A)
【文献】 特開2002−185048(JP,A)
【文献】 特開2011−91257(JP,A)
【文献】 特開2011−166055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED(発光ダイオード)ダイに、蛍光体を含んだ材料の層を堆積する方法であって、この方法は、
接着テープに、複数の開口を有するテンプレートを配置するステップと、
前記テンプレートの前記複数の開口のうちの1つに複数のLEDダイのそれぞれを配置するステップと、
前記テンプレートおよび前記複数のLEDダイの上に、前記LEDダイのそれぞれの上部表面を暴露するように構成された複数の開口を有する、パターニングされたフォトレジスト層を形成するステップと、
それぞれの前記LEDダイの前記暴露された上部表面に、蛍光体を含んだ材料を堆積するステップと、
前記フォトレジスト層を除去するステップと、
前記テンプレートを除去するステップと
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記接着テープは、ガラス・プレートに載置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接着テープは、熱剥離テープである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記接着テープは、UV剥離テープである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記テンプレートの前記開口の領域は、前記LEDダイの大きさとほぼ等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記テンプレートの前記開口の厚さは、前記LEDダイの厚さと実質的に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フォトレジスト層は、前記LEDダイの接合パッド領域をカバーするように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記それぞれの前記LEDダイの前記暴露された上部表面に、前記蛍光体を含んだ材料を堆積するステップは、
前記フォトレジスト層および前記LEDダイに、前記蛍光体を含んだ材料を堆積するステップと、
前記フォトレジスト層の前記上部表面から前記蛍光体を含んだ材料を除去し、および前記フォトレジスト層の上部表面よりも上に突出している前記LEDダイの前記上部表面の前記蛍光体を含んだ材料を除去するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記フォトレジスト層の前記開口の深さは、前記蛍光体を含んだ材料の所望の厚さと等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フォトレジスト層を形成するステップは、
前記テンプレートの上にドライ・フォトレジスト・フィルムの層を配置するステップと、
前記フォトレジスト層の上にマスク層を配置するステップと、
前記フォトレジスト層に複数の開口を形成するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「DEPOSITION OF PHOSPHOR ON DIE TOP USING DRY FILM PHOTORESIST」と題する米国特許出願第13/338,936号の優先権を主張するものであり、また、「DEPOSITION OF PHOSPHOR ON DIE TOP BY STENCIL PRINTING」と題する米国特許出願第13/338,912号に関連するものである。
【0002】
本発明は、一般に、発光ダイオード(LED)に関し、詳細には、光色を選択するためのLEDダイにおける蛍光体を含んだ材料の堆積に関する。
【背景技術】
【0003】
白熱電球が光よりも多くの熱を発生させることから、より効率的な人工光源が切望されている。LEDは、有望な技術であり、すでに、信号機や懐中電灯など、特別な目的のために広く展開されている。有色光の場合は、所望の出力光色を得るために、LEDチップは波長変換材料と結合されることが多い。例えば、黄色の蛍光体は、白色光を生成するために、青色LEDと結合されることが多い。しかし、一般照明用のLEDベースのランプの開発は、様々な問題にぶつかっている。中でも、蛍光体を用いた、一定の光色をもたらすLEDエミッタを大量生産することは難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLEDエミッタは、LEDダイをカップの中に蛍光体を含んだ材料を有する凹部またはカップ構造の中に含むことが多い。いくつかの例では、蛍光体を含んだ材料は、例えばシリコーン材料によって、LEDダイから分離される。これらの従来の方法は、多くの不利点に悩まされる傾向がある。例えば、従来の方法は、大量の蛍光体を使用することが多く、蛍光体およびシリコーン材料の冷却不良の原因になる場合もある。結果として、エミッタは、パッケージングの信頼性低下、および光色の不均一な角度分布に悩まされる可能性がある。LED製造の既存のプロセスを前提とすると、一定の色温度を有する白色LEDを大量生産することは課題であることが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、LEDダイの上部に、調整された量の蛍光体を含んだ材料を載置するための方法に関する。いくつかの実施形態において、複数のLEDダイは、テンプレートの開口に載置される。適切な粘度の蛍光体を含んだ材料は、例えば印刷によって塗布され、次いで、余分な材料が、指標としてのテンプレートを使用して除去される。開口の大きさは、蛍光体を含んだ材料をLEDダイの露出された上部表面のみに限定し、テンプレートの高さは、蛍光体を含んだ材料の厚さを調整するのに役立つ。パターニングされたフォトレジストが、蛍光体を含んだ材料が望まれていない、ダイの領域をマスキングするために使用され得る。
【0006】
本明細書に説明される方法は、多くの利点を有し、従来の技法によって達成され得る。本方法は、従来の設備およびプロセスを使用し、費用効果的な大量生産に適している。蛍光体は、LEDダイの上部表面にしか載置されないので、その使用量は抑えられる。蛍光体材料に生成される熱は、LEDダイを通して消散することが可能であり、より一層の冷却により、蛍光体およびシリコーン材料の温度が抑えられ、より信頼性のあるパッケージがもたらされ得る。対照的に、ダイ上部に蛍光体を載置する従来の方法は、蛍光体材料の液滴を載置するシリンジを使用することを含む。この方法の1つの不利な点は、液体混合物が沈殿する傾向があり、色ずれをもたらす可能性があることである。本発明による方法では、蛍光体を含んだ材料の混合物が、所望の粘度に形成されてから、テンプレートに塗布される。
【0007】
ある実施形態によれば、複数のLEDダイに、蛍光体を含んだ材料の層を堆積するための方法が、接着テープに、複数の開口を有するテンプレートを配置するステップと、テンプレートの複数の開口のうちの1つに複数のLEDダイのそれぞれを配置するステップとを含む。本方法はまた、テンプレートおよび複数のLEDダイの上に、パターニングされたドライ・フォトレジスト・フィルムを配置するステップを含む。ドライ・フォトレジスト・フィルムは、LEDダイのそれぞれの上部表面を暴露するように構成されている複数の開口を含むが、接合パッドなどの表面領域を遮蔽することができる。次に、蛍光体を含んだ材料が、LEDダイのそれぞれの暴露された上部表面に配置される。方法は、ドライ・フォトレジスト・フィルムおよびテンプレートを除去するステップをさらに含む。
【0008】
上述の方法の具体的な実施形態において、接着テープは、ガラス・プレートに載置される。接着テープは、熱剥離テープまたはUV剥離テープとすることができる。いくつかの実施形態において、テンプレートの開口の領域は、LEDダイの大きさとほぼ等しい。テンプレートの開口の厚さは、LEDダイの厚さと実質的に等しい。いくつかの実施形態において、ドライ・フォトレジスト・フィルムは、LEDダイにおける接合パッド領域をカバーするように構成されている。いくつかの実施形態において、本方法は、ドライ・フォトレジスト・フィルムおよびLEDダイに、蛍光体を含んだ材料を堆積するステップと、ステンシルの上部表面から、およびドライ・フォトレジスト・フィルムの上部表面よりも上に突出しているLEDダイの上部表面における蛍光体を含んだ材料を除去するステップを含む。ある実施形態において、ドライ・フォトレジスト・フィルムの厚さは、蛍光体を含んだ材料の所望の厚さと等しい。
【0009】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、続く本明細書の残りの部分における詳細な説明および添付の図面を参照することによってより認識され得る。
【0010】
図1乃至図13は、本発明の実施形態による蛍光体を堆積する方法を行うための方法を示す図である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による蛍光体を堆積する方法を行うための基板を示す図である。
図2】本発明の実施形態による蛍光体を堆積する方法を行うための格子テンプレートを示す図である。
図3】本発明の実施形態による蛍光体を堆積する方法を行うための格子テンプレートを示す図である。
図4】テンプレートの格子開口にLEDチップが載置されるプロセスを示す図である。
図5図5(a)−図5(c)は、LEDチップで充填されたテンプレート開口と、LEDチップにおける接合パターンとを示す図である。
図6】フォトレジスト・フィルムをパターニングする際に使用可能なマスク・レイアウトを示す図である。
図7】ドライ・フォトレジスト・フィルムがテンプレートおよびLEDチップの上に配置された図である。
図8】フォトマスクを使用してドライ・フィルム・フォトレジストを暴露するプロセスを示す図である。
図9】現像プロセス後のパターニングされたフォトレジストを示す図である。
図10】蛍光体材料がフォトレジスト・パターンの開口に堆積していることを示す図である。
図11】ガラス・プレートと、プレートを覆うテンプレートと、テンプレートの開口に載置されたLEDチップと、蛍光体を含んだ混合物がフォトレジスト・パターンの開口を充填し、LEDチップの暴露された上部表面を覆ったフォトレジスト・パターンとを含む中間構造体を硬化するステップを示す図である。
図12】フォトレジストが除去された状態の図11における構造体を示す図である。
図13】接着テープに付着された複数の個別のLEDダイを含む構造体を示す図であり、LEDダイのそれぞれは、上部表面に、蛍光体を含んだ材料の層を有する。
図14】本発明の実施形態による複数のLEDダイに、蛍光体を含んだ材料の層を堆積する方法を要約した流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、上記列挙した一連の図面を参照してなされる。これらの図は、単に例示に過ぎず、これらの例示は、添付の特許請求の範囲の範囲を不当に限定するものではない。図示され、説明される様々な態様との関連において、他の変形形態、修正形態、および代替形態を当業者は理解するであろう。
【0013】
図1は、蛍光体を堆積する方法を行うための基板の上面図と横断面図とを示している。接着テープ110が、ガラス・プレート120に配置される。ある実施形態において、このテープは、例えば、ポリエステルから作られる熱剥離テープまたはUV剥離テープとすることができる両面の接着テープである。例えば、Semiconductor Equipment Corp.から市販されているテープが使用され得る。テープ110は、プレート120、すなわちガラス基板に付着される。具体的な実施形態において、プレート120は、約1mmの厚さである。しかし、他の適切な厚さを有するプレートも使用可能である。
【0014】
図2では、格子テンプレート130が、テープ110の接着上面側に配置される。図2の例では、格子テンプレートは、6×6アレイで配列された開口を含む。しかし、用途に応じて、格子テンプレートは、他の格子パターン、例えば30×30を有することが可能である。いくつかの実施形態において、格子テンプレートは、正方形の開口を有する金属プレートである。開口は、LEDチップの大きさよりもわずかに大きく、プレートの厚さは、LEDチップの厚さと同じである。テンプレート130の具体的な例は、図3に示され、開口132の大きさは、LEDチップの大きさが0.9mm×0.9mmであるのに対して、0.95mm×0.95mmである。この例では、開口間の間隔は、0.5mmであり、プレートの厚さは、0.17mmである。もちろん、これらの寸法は変更可能である。
【0015】
図4では、個々のLEDチップ140が、格子開口の中に載置される。例えば、ピック・アンド・プレース・ツールが、基準としてこの格子を使用して、個々のLEDチップを格子開口の中に載置するために使用され得る。図5(a)は、LEDチップ140が開口に載置された状態のテンプレート130の上面図を示している。図5(b)は、蛍光体層から遮蔽される接合パッド領域144を含んだLEDチップの上面図を示している。本発明の実施形態において、ドライ・フィルム・フォトレジストが、後述されるように、接合パッド領域を保護するために使用される。図5(c)は、接合パッド領域を保護しながら、LEDチップの上部表面を暴露して蛍光体材料を堆積するための所望のパターンを示している。
【0016】
本発明の実施形態において、市販のドライ・フィルム・フォトレジストが、接合パッド領域など、LEDダイの上部表面の領域をマスキングするために使用される。例えば、Dupont、Ristonシリーズのドライ・フィルム・レジストは、厚さが20umから100umである。Dupontのレジストは、ネガティブ・トーンを有し、リソグラフィにUV光源を必要とする。別の例では、MG Chemicalsによる416−DFRドライ・フィルム・レジストでは、1.5mil(0.0381mm)から2mil(0.0508mm)の厚さが利用可能である。MGフィルムもやはり、ネガティブ・トーンであるが、リソグラフィに通常の昼光蛍光電球を使用することが可能である。ドライ・フィルム・フォトレジストは、2つのフィルム、ポリエチレン・フィルムと、ポリエステル・フィルムとの間に挟まれることが多い。ポジティブ・トーンのレジストでは、除去すべき領域は、暴露され、したがって、図5(c)に示されるように、マスク内に開口領域として現れる。ネガティブ・トーンのレジストの場合、マスク内の除去すべき領域は、暗色であり、このようなマスク・レイアウトの例は、図6に示されている。マスクの原図は、コンピュータ・グラフィック・ソフトウェアを使用して作成することができ、例えば、レーザ・プリンタを使用して透明フィルムに印刷することができる。
【0017】
図7では、ポリエチレン層が、ドライ・フィルム・レジストから剥離された後、ドライ・フィルム・レジスト150は、LEDチップ140を有するテンプレート130の上に置かれる。ドライ・フィルム・レジストは、LEDチップおよびテンプレートと接触している。図7に示されるように、ドライ・レジスト・フィルムは、LEDチップとテンプレートとの間の空隙の上に「天幕状に覆う」ことができる。
【0018】
図8は、ドライ・レジスト・フィルムの暴露を示している。原図が透明フィルムに印刷されたフォトマスク152は、LEDチップ/テンプレートに接着されているドライ・フィルム・レジスト150のポリエステルのカバーの上に配置される。フォトマスクのインク側は、ポリエステルのカバーと接触している。次に、UV透明ガラス、またはアクリル・プレート(図示せず)が、フォトマスクの上部の上に載置され、それにより、フォトマスクは、ポリエステルのカバーと滑らかで密接な接触をすることができる。暴露は、UV光源190を使用して行うことができ、例えば、LedEnginによるLEDランプLuxpot altaは、400umのUV光をもたらすことが可能である。暴露は、例えば、20分間行うことができる。続いて、暴露後ベークが、フォトレジストの架橋をさらに補助するために実行される。フォトレジスト・フィルムの暴露されない領域は、従来のレジスト現像プロセスを使用して除去される。この時点で、図9に示されるように、LEDダイの上部表面は、接合パッド領域を除いて暴露される。このとき、接合パッド領域と、テンプレートの残りの表面とは、ダイ領域154の上面図に示されるように、現像されたフォトレジストによって保護されている。
【0019】
図10では、蛍光体を含んだ混合物160が、パターニングされた積層体の上に堆積される。一例として、混合物は、適正な粘度とチクソ性を達成するように、シリコーン(例えば、Ker2500)と、蛍光体(例えば、黄色と赤色の蛍光体)と、希釈溶液(例えば、KF−994、シクロテトラシロキサン)とを混合することによって用意され得る。ここでは、この混合物は、従来の液体を分注する方法に使用される混合物の粘度よりも高い粘度を有することが可能である。そのため、沈殿によって引き起こされる蛍光体混合物の変化を抑えることができる。蛍光体混合物が塗布された後、ガス抜き手順が気泡を除去するために使用され得る。次いで、混合物は、フォトレジストのパターンおよびプリントの上にローラ付けされる。印刷は、例えば、DEKによる印刷機械を使用して実施され得る。印刷後、過剰なシリコーン/蛍光体/希釈混合物が、ステンシルから除去される。フォトレジストの厚さは、ダイ上部への蛍光体の混合物の調整された厚さを可能にする。
【0020】
図11は、ガラス・プレート120と、プレートの上のテンプレート130と、テンプレートの開口に配置されたLEDチップ140と、蛍光体を含んだ混合物160がフォトレジストの開口を充填し、LEDチップの暴露された上部表面を覆ったフォトレジスト150とを含む中間構造体を示している。この中間構造体は、シリコーンを120℃〜150℃で2分間硬化するようにホット・プレート200の上に載置される。硬化中、シリコーン/蛍光体/希釈混合物が乾燥するまで、シリコーンがワイヤ接合パッドを流したり、覆ったりしないように、フォトレジストは印刷位置に保持される。
【0021】
図12では、フォトレジストが除去される。ここでは、例えば、DupontまたはMG Chemicalによるものなど、適切なフォトレジスト剥離溶液が使用可能である。図13では、テンプレートが除去され、このとき、それぞれの個々のLEDダイは、蛍光体を含んだ混合物の層によりカバーされている。
【0022】
図13に示される構造体が、接着テープ110に付着された複数の個別のLEDダイ140を含み、LEDダイのそれぞれは、ダイ上部に、蛍光体を含んだ材料160の層を有する。この時点で、蛍光体がコーティングされたLEDダイをエミッタ・パッケージに実装するために、例えば、ピック・アンド・プレース・ツールを使用する標準的な組立てプロセスが、使用され得る。
【0023】
図14は、本発明の実施形態による複数のLED(発光ダイオード)ダイに、蛍光体を含んだ材料の層を堆積する方法を要約した流れ図である。図14に示されるように、方法は、以下のプロセス、すなわち、
接着テープに、複数の開口を有するテンプレートを配置するステップと、
テンプレートの複数の開口のうちの1つに複数のLEDダイのそれぞれを配置するステップと、
テンプレートおよび複数のLEDダイの上に、LEDダイのそれぞれの上部表面を暴露するように構成された複数の開口を有するドライ・フィルム・フォトレジスト層を形成するステップと、
それぞれのLEDダイの暴露された上部表面に、蛍光体を含んだ材料を堆積するステップと、
フォトレジスト・フィルムを除去するステップと、
テンプレートを除去するステップと
を含む。方法の例は、図1乃至図13に関連して上述されている。
【0024】
この方法において、それぞれのLEDダイの上部表面に、蛍光体を含んだ材料を堆積するプロセスは、
ステンシルおよびLEDダイに蛍光体を含んだ材料を堆積するステップと、
ドライ・フィルム・フォトレジスト層の上部表面から、およびテンプレートの上部表面よりも上に突出しているLEDダイの上部表面における蛍光体を含んだ材料を除去するステップと
を含む。
【0025】
上述の方法は、単色の複数ダイ・エミッタのためのダイ付着とワイヤ・ボンディングのステップの前の蛍光体堆積に適している。さらに、いくつかの実施形態において、蛍光体の印刷後、それぞれのダイは、光の色について試験される。(すべてのダイの平均色を基準にして)反対色の2つ以上のダイを選択し、複数ダイのパッケージに取り付けることが可能である。
【0026】
本発明は、具体的な実施形態に対して説明してきたが、本発明が、以下の特許請求の範囲の範囲内のすべての修正形態および均等形態を網羅するように意図されていることは理解されるであろう。
【符号の説明】
【0027】
110 接着テープ
120 ガラス・プレート
130 格子テンプレート
140 LEDチップ
144 接合パッド領域
150 ドライ・フィルム・レジスト
152 フォトマスク
154 ダイ領域
160 蛍光体を含んだ混合物
190 UV光源
200 ホット・プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14