特許第6207235号(P6207235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207235
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】クランプ機構
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/12 20060101AFI20170925BHJP
   F21V 21/088 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   F16B2/12 B
   F21V21/088 300
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-109836(P2013-109836)
(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公開番号】特開2014-228095(P2014-228095A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田上 松美
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−158485(JP,U)
【文献】 特開2008−121804(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3168237(JP,U)
【文献】 特開2002−122105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B2/00−2/26
F21V21/00−21/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略コ字状の取付金具と、この取付金具の上方横片に軸支された締付具とを有するクランプ機構において、
前記締付具が、雌螺子を有する回動部材と、前記雌螺子と螺合する雄螺子を有すると共に前記取付金具に対して回動規制された締付部材とを有して構成され、
前記回動部材が、前記取付金具の上方横片に形成された支持孔に対し回動可能に支持され、
前記締付部材の上部に器具取付部設けられ、
前記回動部材が、操作体と雌螺子体とが前記上方横片を挟んで結合されることで構成されると共に、前記操作体の操作部が、前記上方横片よりも上方に設けられたことを特徴とするクランプ機構。
【請求項2】
前記回動部材の操作体に、前記締付部材の雄螺子の外側を覆う覆部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のクランプ機構。
【請求項3】
前記覆部の径が前記操作部の径よりも小さく形成されたことを特徴とする請求項2記載のクランプ機構。
【請求項4】
略コ字状の取付金具と、この取付金具の上方横片に軸支された締付具とを有するクランプ機構において、
前記締付具が、雌螺子を有する回動部材と、前記雌螺子と螺合する雄螺子を有すると共に前記取付金具に対して回動規制された締付部材とを有して構成され、
前記回動部材が、前記取付金具の上方横片に形成された支持孔に対し回動可能に支持され、
前記締付部材の上部に器具取付部が設けられ、
前記回動部材と抜け止め用のリング状部材とが前記上方横片を挟んで結合されると共に、前記回動部材の操作部が、前記上方横片よりも上方に設けられたことを特徴とするクランプ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置等の機器を机天板等に固定するためのクランプ機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のクランプ機構としては、略コ字状の主金具(本発明の取付金具に相当する)の下方横片に、雌螺子を有する螺子孔を設け、この螺子孔に螺子体を螺合させると共に、この螺子体の上部に締付体を設け、前記螺子体の下部にこの螺子体を回動させるための摘み部を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、略コ字状の取付金具の上方横片に締付具を軸支すると共に、この締付具を、操作部材と、前記上方横片と下方横片との間に設けられた雄螺子体と、雌螺子部を有する締付部材とで構成したものも知られている。(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4379718号公報
【特許文献2】実用新案登録第3168237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような構造では、クランプ機構を机天板等に固定する際、この机天板等の下方に位置する前記螺子体を回動させなければならないので、クランプ機構の着脱操作が面倒になってしまうという問題があった。これは、前記クランプ機構が邪魔にならないように、机天板等の後縁側に取り付けた場合に顕著である。
【0005】
一方、特許文献2のような構造では、机天板等の上方において操作部材を回動させることで締付具を上下動させるので、クランプ機構を机天板等に対し容易に着脱することができる。しかしながら、特許文献2のような構造では、操作部材に対し照明器具等の電気器具本体が取り付けられるため、この電気器具本体の向きを変えるように水平方向に回動させた場合、前記操作部材も不用意に回動してしまう虞があった。そして、前記操作部材が回動してしまうと、前記締付部材が上方に動き、前記クランプ機構による締め付けが弛んでしまうという問題が生ずる。また、特許文献2のような構造では、取付金具の上方横片の下方に雄螺子体が設けられ、この雄螺子体に雌螺子部を有する締付部材が螺合するので、取付金具の上部横片から下部横片迄の距離を大きくする必要があった。このため、机天板等の厚さが比較的薄い場合、机天板等の上面から前記上方横片迄の距離が大きくなってしまい、デザイン上好ましくないばかりでなく、外力に対し不安定になるという問題もあった。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、机天板等に対し、着脱しやすく、弛みにくく且つ安定して取り付けることができるクランプ機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】

本発明の請求項1に記載のクランプ機構は、略コ字状の取付金具と、この取付金具の上方横片に軸支された締付具とを有するクランプ機構において、前記締付具が、雌螺子を有する回動部材と、前記雌螺子と螺合する雄螺子を有すると共に前記取付金具に対して回動規制された締付部材とを有して構成され、前記回動部材が、前記取付金具の上方横片に形成された支持孔に対し回動可能に支持され、前記締付部材の上部に器具取付部設けられ、前記回動部材が、操作体と雌螺子体とが前記上方横片を挟んで結合されることで構成されると共に、前記操作体の操作部が、前記上方横片よりも上方に設けられたものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載のクランプ機構は、請求項1において、前記回動部材の操作体に、前記締付部材の雄螺子の外側を覆う覆部が設けられたものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載のクランプ機構は、請求項2において、前記覆部の径が前記操作部の径よりも小さく形成されたものである。
【0010】
更に、本発明の請求項4に記載のクランプ機構は、略コ字状の取付金具と、この取付金具の上方横片に軸支された締付具とを有するクランプ機構において、前記締付具が、雌螺子を有する回動部材と、前記雌螺子と螺合する雄螺子を有すると共に前記取付金具に対して回動規制された締付部材とを有して構成され、前記回動部材が、前記取付金具の上方横片に形成された支持孔に対し回動可能に支持され、前記締付部材の上部に器具取付部が設けられ、前記回動部材と抜け止め用のリング状部材とが前記上方横片を挟んで結合されると共に、前記回動部材の操作部が、前記上方横片よりも上方に設けられたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載のクランプ機構は、以上のように構成することにより、机天板等の上方に位置する前記回動部材を回動させることで、机天板等に対し容易に着脱することができる。また、前記取付金具の上方横片に対する前記雌螺子と雄螺子の螺合位置を高くすることができるので、前記取付金具の上方横片から下方横片迄の距離を小さくすることができる。そして、このように前記取付金具の上方横片から下方横片迄の距離を小さくすることで、前記締付部材の前記上方横片からの突出量を小さくして、外力に対し安定させることができる。更に、前記取付金具に対し回動規制された締付部材に前記器具取付部が設けられることで、この器具取付部に取り付けられた照明器具等の器具の向きを変えたとしても、前記締付部材による締め付けが弛まないようにすることができる。なお、前記回動部材を、操作体と雌螺子体とを前記上方横片を挟んで結合させることで構成すると共に、前記操作体の操作部を、前記上方横片よりも上方に設けることで、前記雌螺子の形成位置を低くすることができるので、締付部材全体の長さを短くして、クランプ機構全体をコンパクトに構成することができる。また、前記回動部材の回動操作を容易に行うことができる。
【0012】
また、前記回動部材の操作体に、前記締付部材の雄螺子の外側を覆う覆部を設けたことで、前記締付部材の雄螺子が露出しないようにして、外観を良好にすることができる。
【0013】
また、前記覆部の径を前記操作部の径よりも小さく形成したことで、前記覆部を掴んで前記回動部材を回動させて、前記締付部材を速やかに且つ大まかに移動させた後、前記操作部を掴んで回動させることで、机天板等を前記締付部材と下方横片とでしっかりと挟持することができる。
【0014】
更に、本発明の請求項4に記載のクランプ機構は、以上のように構成することにより、机天板等の上方に位置する前記回動部材を回動させることで、机天板等に対し容易に着脱することができる。また、前記取付金具の上方横片に対する前記雌螺子と雄螺子の螺合位置を高くすることができるので、前記取付金具の上方横片から下方横片迄の距離を小さくすることができる。そして、このように前記取付金具の上方横片から下方横片迄の距離を小さくすることで、前記締付部材の前記上方横片からの突出量を小さくして、外力に対し安定させることができる。更に、前記取付金具に対し回動規制された締付部材に前記器具取付部が設けられることで、この器具取付部に取り付けられた照明器具等の器具の向きを変えたとしても、前記締付部材による締め付けが弛まないようにすることができる。なお、前記回動部材と抜け止め用のリング状部材とが前記上方横片を挟んで結合されると共に、前記回動部材の操作部が、前記上方横片よりも上方に設けられることで、前記雌螺子の形成位置を低くすることができるので、締付部材全体の長さを短くして、クランプ機構全体をコンパクトに構成することができる。また、前記回動部材の回動操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態を示すクランプの正面図である。
図2】同、右側面図である。
図3】同、平面図である。
図4】同、A−A断面図である。
図5】同、取付金具の平面図である。
図6】同、取付金具と操作体の分解断面図である。
図7】同、締付部材の分解断面図である。
図8】同、机天板を挟持した状態の右側面図である。
図9】本発明の変形例を示すクランプの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図8に基づいて説明する。なお、以下の説明において、図1,2,4,6,7,8の上下は、実際の上下となる。1は本発明のクランプ機構である。このクランプ機構1は、取付金具2と、締付具3と、当接具4とを有して構成される。
【0017】
前記取付金具2は、肉厚の鋼板を略コ字状に折り曲げて形成される。なお、この取付金具2の上方横片5の長さは、下方横片6の長さよりも長く形成される。また、前記上方横片5と下方横片6の間には、縦片7が設けられる。そして、前記取付金具2の上方横片5には円形の支持孔8が貫通形成され、この支持孔8に前記締付具3が取り付けられる。
【0018】
前記締付具3は、回動部材9と締付部材10とを有して構成される。前記回動部材9は、上方に設けられた操作体11と、下方に設けられた雌螺子体12とを有して構成される。なお、前記操作体11と雌螺子体12は、前記上方横片5を上下から挟んで、前記支持孔8を介してビスVで結合される。これによって、前記回動部材9は、前記上方横片5の支持孔8に対し回動可能に支持される。前記操作体11は、操作部13と、この操作部13の上方に一体に設けられた覆部14と、環状に配列された複数のボス部15と、補強用の環状リブ16と、環状に形成された位置決め用の溝部17とを有して構成される。なお、前記操作部13と覆部14と環状リブ16と溝部17は、軸線Xを中心として同軸状に形成される。また、複数の前記ボス部15は、それぞれ前記軸線Xから等距離に設けられる。そして、前記軸線Xを基準として軸対称位置にある前記ボス部15同士の外端距離は、前記支持孔8の内径よりも僅かに小さい。また、前記外端距離は、前記環状リブ16の外径よりも大きい。従って、前記回動部材9は、複数の前記ボス部15によって、前記支持孔8内で位置決めされる。また、前記操作部13は、略円盤状に形成されると共に、その外周に複数の凹部18が形成される。また、前記操作部13の外径は、前記覆部14の外径よりも大きく、且つ前記支持孔8の内径よりも大きく形成される。
【0019】
前記雌螺子体12は、短円筒状の雌螺子部19と、この雌螺子部19の外周に形成された抜け止め用のフランジ部20と、前記溝部17に対応して設けられた環状の突条部21とを有して構成される。前記雌螺子部19は、軸線X方向の両端が開放しており、その内面に雌螺子22が形成される。また、前記フランジ部20には、複数の前記ボス部15に対応して、ビス孔23が貫通形成される。そして、このビス孔23を介して、ビスVが前記ボス部15にねじ込まれる。更に、前記突条部21は、前記雌螺子部19の上端部に形成される。なお、前記フランジ部20の外径は、前記支持孔8の内径よりも大きく形成される。このように、前記回動部材9が前記支持孔8に取り付けられることで、前記回動部材9は前記取付金具2に対し抜け止めされた状態で回動可能となる。
【0020】
なお、前記雌螺子体12は、前記雌螺子部19の下端が前記フランジ部20の下端とほぼ等しくなるように形成される。即ち、前記回動部材9は、前記取付金具2の上方横片5の下方に、前記フランジ部20の厚さ分だけ突出する。従って、前記回動部材9の前記取付金具2の上方横片5の下方への突出量を小さく抑えることができる。即ち、前記回動部材9に設けられる雌螺子22の前記上方横片5に対する位置を、従来の構造に比べて高くすることができる。これは、前記雌螺子22と雄螺子27の螺合位置の前記上方横片5に対する高さを、従来の構造に比べて高くすることができることを意味する。このため、前記締付体25の前記上方横片5からの下方への突出量も小さく抑えることができる。これによって、従来の構造に比べて、前記取付金具2の縦片7の長さを短くして、前記上方横片5と下方横片6との間隔を小さくすることができる。また、前記雌螺子22は、その下端が前記雌螺子部19の下端付近から形成されると共に、全体として、前記上方横片5とほぼ同じ高さに位置する。従って、前記雌螺子22と螺合する前記雄螺子27の下端から前記締付体25の下端までの長さを短くすることができるので、前記締付部材10全体の長さを短くすることができる。このような構造により、前記クランプ機構1全体をコンパクトに構成することができる。
【0021】
前記締付部材10は、雄螺子体24と、締付体25と、ゴム等の当接部材26とを有して構成される。前記雄螺子体24は、上端が開放した中空円筒状に形成されると共に、その外面に雄螺子27が形成される。また、前記雄螺子体24の内側には、複数のリブ28及び突条29が形成される。なお、複数の前記リブ28の高さは同じである。そして、複数の前記リブ突条29によって、図示しない照明装置等の器具の下端が挿入されて嵌合すると共に、複数の前記リブ28によって、前記器具の下端の挿入深さが規制される。従って、前記雄螺子体24に、複数の前記リブ28及び突条29が形成された器具取付部30が設けられる。また、前記雄螺子体24の下部には、ボス受け部31が形成されると共に、このボス受け部31にビス孔32が形成される。また、前記雄螺子体24の下部には、複数の位置決め用且つ回り止め用の突部33が形成される。
【0022】
前記締付体25は、ボス部34と、このボス部34の周囲に形成された、前記突部33に対応する位置決め用且つ回り止め用の凹部35と、回動規制用の案内部36とを有して構成される。そして、前記ボス部34は、前記雄螺子体24のボス受け部31に挿入されると共に、前記ビス孔32を介してビスVを前記ボス部34にねじ込むことで、前記雄螺子体24と締付体25が固定される。なお、前記締付部材10を前記回動部材9に螺合させた状態において、前記案内部36と取付金具2の縦片7とで、前記締付体25は前記取付金具2に対し回動規制される。なお、前記当接部材26は、前記締付体25の下端に貼り付けられる。また、前記当接具4は、前記下方横片6の前記当接部材26と対向する位置に設けられる。
【0023】
なお、前記雄螺子27は、前記締付部材10を前記回動部材9に取り付けた状態において、前記覆部14によってその外側が覆われる。従って、前記雄螺子27は、前記回動部材9の操作体11よりも上方に露出しないので、外観を良好にすることができる。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、使用者は、前記締付具3の回動部材9の操作体11を把持して回動させることで、前記締付部材10の締付体25を上下動させる。これによって、前記締付部材10の下端に設けられた前記当接部材26と、前記取付金具2の下方横片6に取り付けられた前記当接具4との間隔を、これらの間に机天板Dが挿入可能となる程度に大まかに調節する。なお、この際、使用者は、前記操作体11の操作部13を把持して前記回動部材9を回動させてもよいが、前記操作部13ではなく、前記覆部14を把持して回動させてもよい。これは、前記クランプ機構1を机天板Dに取り付ける前段階では負荷が小さく、前記回動部材9を回動させるために強い力を必要としないので、前記操作部13よりも細い前記覆部14を把持して前記回動部材9を回動させたとしても、この回動部材9を回動させにくいということがないからである。逆に、前記覆部14を把持して回動させることで、把持する指を動かす量が同じであれば、前記操作部13を把持する場合に比べて前記回動部材9を多く回動させることができるので、この回動部材9の雌螺子22と螺合する雄螺子27を有する前記締付部材10を速やかに上下動させることができる。
【0025】
そして、前記当接部材26と当接具4との間隔を大まかに調節した後、前記締付部材10と当接具4によって机天板Dの外縁部を挟むようにして、前記クランプ機構1を机天板Dに取り付ける。この際、使用者は、前記回動機構9の操作体11の操作部13を把持して回動させることで、前記締付部材10を下方に移動させる。なお、前記操作部13が前記上方横片5の上方に設けられることで、前記操作部13の回動を容易に行うことができる。この操作によって、前記締付部材10と当接具4とで机天板Dが挟持される。更に、径の大きな前記操作部13を把持して回動させることで、机天板Dを強く締め付けることができる。なお、前述した通り、前記締付体25の前記上方横片5からの下方への突出量を小さくすることができるので、机天板Dに取り付けられた状態における外観を良好にすることができるばかりでなく、外力に対する安定性を向上させることができる。また、前述した通り、前記雌螺子22が、前記上方横片5とほぼ同じ高さに形成される。これによって、机天板Dを挟持する際の支持位置となる前記雌螺子22と雄螺子27との螺合位置と、前記当接部材26と机天板Dとの接触位置との距離を短くすることができるので、外力に対する安定性をより向上させることができる。
【0026】
このように前記クランプ機構1を机天板Dに取り付けた後、図示しない器具の下端部を前記器具取付部30に挿入して取り付ける。そして、軸線X回りに回動させて前記器具の向きを変えると、前記器具取付部30が設けられた前記締付部材10に、軸線X回りに回動する力が加わる。しかしながら、前記案内部36が前記取付金具2の縦片7に当接することによって、前記締付部材10の前記取付金具2に対する回動が規制されるので、前記回動部材9の雌螺子22と締付部材10の雄螺子27との螺合による締め付けが弛まないようにすることができる。更に、前記機器の向きを変えても、前記締付部材10による締め付けが弛まないので、前記機器の下端部を前記機器取付部30に対し圧入できるようにして、前記機器を前記クランプ機構1に対し安定して取り付けることができる。
【0027】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、回動部材を操作体と雌螺子体とで構成したが、図9(a)に示すように、回動部材40に雌螺子41を形成し、上方横片5の下方から抜け止め用のリング状部材42を前記回動部材40に結合させるようにしてもよい。また、図9(b)に示すように、雌螺子体50の下部に雌螺子51を形成すると共に、この雌螺子体50の上端を伸ばして覆部52とし、上方横片5の上方から抜け止め用且つ回動操作用の操作体53を前記雌螺子体50に結合させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明のクランプ機構は、照明装置やモニタ、電話台等を机天板等に固定する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 クランプ機構
2 取付金具
3 締付具
5 上方横片
8 支持孔
,40 回動部材
10 締付部材
11,53 操作体
12,50 雌螺子体
13 操作部
14,52 覆部
22,41,51 雌螺子
27 雄螺子
30 器具取付部
36 案内部
42 リング状部材
D 机天板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9