特許第6207239号(P6207239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207239
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】有機EL表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/06 20060101AFI20170925BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20170925BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20170925BHJP
   H05B 33/08 20060101ALI20170925BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20170925BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20170925BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20170925BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H05B33/06
   H05B33/14 A
   H05B33/04
   H05B33/08
   H05B33/22 Z
   H05B33/26 Z
   H01L27/32
   G09F9/30 365
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-115093(P2013-115093)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-235810(P2014-235810A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 恒平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敏浩
(72)【発明者】
【氏名】安藤 直久
(72)【発明者】
【氏名】川中子 寛
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−051337(JP,A)
【文献】 特開2003−131253(JP,A)
【文献】 特開2003−303852(JP,A)
【文献】 特開平10−282515(JP,A)
【文献】 特開2005−070295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/06
G09F 9/30
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/04
H05B 33/08
H05B 33/22
H05B 33/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の基板上の電極に導通可能な第1の端子が設けられた基板と、
前記第1の端子に入力された信号に基づいて画像を表示する表示エリアと、
前記表示エリアの周辺領域である額縁エリアと、
前記第1の端子に対応して設けられ、前記第1の端子と導通する第2の端子を有する他の基板と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の導電性ビーズと、を有し、
前記第1の端子は、
前記基板上の前記額縁エリアに配置された電極と、
前記電極の表面に重ねて、当該表面における所定方向に断続的に形成された絶縁膜と、
前記電極の上面及び前記絶縁膜の表面を覆うように形成された金属膜と、
前記表示エリア及び前記額縁エリアの略全面を覆い、前記金属膜の表面を被覆する封止膜と、を備え、
前記絶縁膜は前記電極上に凹凸部を形成し、
前記金属膜及び前記封止膜は、前記絶縁膜及び前記電極により形成される凹凸部に沿って形成され、
前記凹凸部における凹部の幅は前記導電性ビーズの直径より狭く、
前記導電性ビーズは、前記凹部に押入されて前記金属膜と導通している
ことを特徴とする有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項2】
前記導電性ビーズが陥入している凹部において、前記絶縁膜の側壁に沿って形成された金属膜の表面は、前記封止膜が接触する部分と前記封止膜が欠如している部分が存在する
ことを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項3】
前記凹部において、前記封止膜が欠如している部分で、前記導電性ビーズが前記金属膜と当接する
ことを特徴とする請求項2記載の有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項4】
前記導電性ビーズの表面には尖頭突起が形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項5】
前記絶縁膜は、直交する2方向に夫々均一なピッチで複数配置されている円柱状である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項6】
前記絶縁膜は、ストライプ状である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項7】
前記絶縁膜は、格子状である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の回路ユニット。
【請求項8】
前記導電性ビーズは、前記凹凸部の上端から突出し、前記他の基板の前記第2の端子と導通している
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の回路ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等の他の電子部品に対して電気的に接続可能な端子をその表面に有する有機EL表示装置に、関する。
【従来技術】
【0002】
回路基板上には、当該回路基板上に形成又は実装された回路素子、若しくは当該回路基板に接続された電子機器に導通して、これら回路素子や電子機器に電源を供給したり信号を入出力するための配線が、形成されている。そして、各配線の先端は、他の基板(フレキシブルプリント基板を含む)に接続するための端子として、形成されている。一方、有機EL表示装置の表示領域では、回路層の上層に有機層が形成されている。有機膜は水分や酸素により劣化しやすい。有機層の劣化を防止するために、有機層は封止膜によって覆われている。この封止膜を形成するプロセスとしては、一般的に、膜を薄く且つ均一に形成する必要からCVD(Chemical Vapor Deposition)が採用されるので、封止膜は、有機層上に形成される他、有機層の無い端子上にも同時に形成される。
【0003】
図9の縦断面図は、OLED(Organic light-Emitting Diode)表示パネルを構成する基板1の端部に形成された端子の構造例を示している。即ち、この例においては、基板1の表面上にOLED表示パネルを構成する各発光素子(図示略)を駆動するドライバ回路(図示略)に導通する平坦な膜状の第1の金属電極101がアルミニウム等の金属によって形成され、この第1の金属電極101を覆うように、ITO(Indium Tin Oxide)によって第2の金属電極102が形成され、当該第2金属電極102の上面及び基板1の上面に、SiNからなる封止膜103が、形成されている。
【0004】
封止膜は絶縁性であるため、一旦封止膜を形成した後に、端子(第2金属電極102)上から封止膜(封止膜103)を除去しなければ、端子(第2金属電極102)に他の基板を接続することができない。
【0005】
従来、端子(第2金属電極102)上から封止膜(封止膜103)を除去するには、一般的に、ドライエッチングが用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−73355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、CVDによって形成された封止膜をドライエッチングにより除去するには、長い処理時間が必要であった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、端子上から封止膜を排除せずとも簡単な動作で端子に他の基板を端子に対して接続することが可能となる有機EL表示装置を、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による有機EL表示装置は、基板と、前記基板上に形成された電極と、前記電極の表面に重ねて、当該表面における所定方向に断続的に形成された絶縁膜と、前記電極の上面及び前記絶縁膜の表面を覆うように形成された金属膜と、前記金属膜の表面に形成された封止膜とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明による有機EL表示装置には、基板上に電極および有機膜が形成され、その表面が封止膜で覆われているものが全て含まれる。従って、基板上電子回路部品が実装されていても良いが、これらが無くても良い。基板上に電子素子及び有機膜が形成されているものとしては、例えば、OLED表示パネルが、含まれる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように構成された本発明による有機EL表示装置によれば、端子上から封止膜を排除せずとも、簡単な動作で、端子に他の基板を接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態による有機EL表示装置の平面図
図2】第1の実施形態による有機EL表示装置の端子部の一部拡大縦断面図
図3】第1の実施形態による有機EL表示装置の端子部の一部拡大平面図
図4】第1の実施形態による有機EL表示装置の製造工程を示す一部拡大縦断面図
図5】第1の実施形態による有機EL表示装置の端子部の作用を示す一部拡大縦断面図
図6】導電ビーズの変形例を示す断面図
図7】絶縁膜のレイアウトの変形例を示す平面図
図8】絶縁膜のレイアウトの変形例を示す平面図
図9】端子部の層構造を示す断面図
図10】有機EL表示装置の画素部断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明による回路ユニットの実施形態を、OLED表示パネルを例として、説明する。
【0014】
図1は、OLED表示パネル100の平面図である。図2は、OLED表示パネルを構成する基板1の端部に形成された基板接続構造を示す断面(基板1の縁に平行であり且つ配線の長手方向に直交した、図3のII−II線に沿った断面)の縦断面図であり、基板1の端部に形成された一つの端子の近傍を拡大して示すものである。また、図3は、OLED表示パネルを構成する基板1の端部に形成された一つの端子の近傍を拡大して示す平面図である。
【0015】
図1に示されるように、平面視において、OLED表示パネル100の中央には、多数個のOLED発光素子がマトリックス状に並べて配置され、これらOLED発光素子が選択的に駆動されることによって画像が表示される表示エリア11が、形成されている。また、OLED表示パネル100の上面における表示エリア11の周辺領域(以下、本明細書において「額縁領域」と称する)の三か所には、表示エリア11内の各OELD発光素子を選択的に駆動するための駆動回路(Xドライバ,Yドライバ,シフトレジスタ等)12,13が、設けられている。
【0016】
これらの表示エリア11、各駆動回路12,13は、一枚の基板1上に形成されている。そして、基板1における駆動回路13に近接した縁の近傍には、各駆動回路12,13に導通してこれら各駆動回路に対して電源電圧や駆動信号を供給するともにグランドへの接地を行うための多数の配線のパターンが形成されている。各配線の端部は、基板1における近接した縁に直交する方向に長手方向を向けた短冊状の金属電極2に夫々繋がっている。そして、各金属電極は、基板1における上記縁に沿って縞状に並べられることによって、外部から駆動電力、駆動信号及びアース電位を供給するフレキシブルプリント基板7に接続される端子14として、構成されている。
【0017】
なお、本実施形態の回路ユニットが液晶表示パネルやMEMS表示パネルに応用される場合には、表示エリア11に、液晶表示素子やMEMSシャッタが形成される。
【0018】
以上の表示エリア11,各駆動回路12,13の形成箇所を含め、OLED表示パネル100の表面は、絶縁材料からなる封止膜14によって覆われている
【0019】
これら図2及び図3に示されるように、基板1の表面上には、アルミニウム等の金属によって形成され、且つ、OLED表示パネルを構成する各発光素子(図示略)を駆動するドライバ回路(図示略)に導通する金属電極2が、金属薄膜として形成されている。この金属電極2の表面上及び当該金属電極2の周囲における基板1の上面上には、金属電極2の長手方向に平行な方向及び直交する方向に夫々一定ピッチで、ポリイミド又はアクリルからなる多数の円柱状の絶縁膜3が、フォトリソグラフィプロセスによって形成されている。図2及び図3の例では、金属電極2の長手方向と平行な方向に9個の絶縁膜3が形成され、金属電極2の長手方向に直交する方向に7個の絶縁膜3が形成されており、当該方向における7個の絶縁膜3のうち内側の5個の絶縁膜3が、金属電極2の表面上に形成されている。
【0020】
また、金属電極2及び当該金属電極2上に形成された7×5個の絶縁膜3の外面の全体を覆うように、ITOのスパッタリングによって電極4が形成されている。このように、電極4はスパッタリングによって形成されるので、各絶縁膜3の側面にも、電極4が形成される。
【0021】
以上の基板1上への金属電極2の形成、絶縁膜3の形成、及び金属電極4の形成は、記載した順になされる。そして、電極4の形成を完了した時点における縦断面図を図4に示す。
【0022】
次に、電極4の表面及び電極4に覆われていない絶縁膜3の表面を含む、基板1の上面の全体にわたって、SiOからなる封止膜5が、CVDによって形成されている。このように封止膜5はCVDによって形成されるので、絶縁膜3の側面における封止膜5の膜厚は、絶縁膜3の上面における封止膜5の膜厚よりも薄くなる。そして、封止膜5の表面形状は、端子(電極2,4)が形成されている箇所及びその近傍において、絶縁膜3の形状に倣って突起した凸凹形状となっている。なお、封止膜5の突起を、以下、「突起構造物」という
【0023】
以上のように構成された接続構造を用いて金属電極2を他の基板7上の配線に導通させるには、封止膜4の表面が凸凹形状となっている部分に、金属球からなる多数の導電ビーズ6を分散させる。なお、図3におけるIV−IV線に沿った拡大縦断面図である図5に示すように、金属電極2の長手方向に斜交する方向に隣接する一対の突起構造物の表面同士の間隔は、各導電ビーズ6の直径の約8割程度であることが望ましい。その結果、各導電ビーズ6の直径は、上記一対の突起構造物内の金属電極4の表面同士の間隔と一致するか、若しくは、若干だけ大きい。また、突起構造物の高さは、各導電ビーズ6の直径よりも低く、半径よりも高いことが好ましい。以上の寸法条件を満たすことにより、分散された各導電ビーズ6は、それぞれ4個の突起構造物の先端によって支持された状態となる。
【0024】
そこで、作業者又はロボットは、電極4上に他の基板(ここではフレキシブルプリント基板)7の電極が重なるようにして他の基板を位置合わせした状態で、他の基板を封止膜5に圧着する。すると、当該他の基板によって導電ビーズ6が、夫々4個の突起構造物の間に押し込まれる。このように押し込まれた導電ビーズ6は、上述したサイズの関係から、比較的軟質な封止膜5を押しのけて、これを剥がし、又は、これを突き抜けて、封止膜5下の電極4と導通する。
【0025】
このようにして、導電ビーズ6が最も押し込まれて封止膜5の表面に当接した状態においても、上述した寸法条件により、その頂部が突起構造物の上端から突出している。従って、導電ビーズ6が他の基板(フレキシブルプリント基板)上に形成された電極に導通した状態が、維持される。その結果、他の基板7上に形成された電極が、金属電極2に導通する。このように、本実施形態によると、電極4上から封止膜5を除去する必要がないにも関わらず、金属電極2を他の基板7上に形成された電極に導通させることができる。
(変形例)
【0026】
他の基板7を封止膜5及び導電ビーズ6に重ねる際に、両者の間に異方性導電膜を介在させても良い。ここで、異方性導電膜は、導電性を有する微細な金属粒子を熱硬化性樹脂に混入させて構成したシートであり、厚さ方向に圧力を加えた状態で加熱されると、厚さ方向にのみ電流を流す性質を生じる。従って、異方性導電膜がない状態よりも、各導電ビーズ6と他の基板7上に形成された電極との導通性が高まる。
【0027】
また、導電ビース6として、図6の断面図に示されように、その表面の全域にわたって多数の尖頭突起が形成されたものが用いられてもよい。このような形状の導電ビーズ6が用いられると、尖頭突起が封止層5を突き破ることができるので、導電ビーズ6と金属電極4との導通性が高まる。
【0028】
また、封止膜5の形成後、導電ビーズ6の分散前に、封止膜5に対してドライエッチングを行って、封止膜5の膜厚を薄くしておいても良い。このようにすれば、導電ビーズ6による金属電極4との導通が容易になる。
【0029】
また、絶縁膜3の形状としては、図7の拡大平面透視図に示すように、金属電極2の長手方向に平行な方向に伸延したストライプ状であっても良い。図7の例では、7本の絶縁膜3が形成されており、7本のうち内側の5本の絶縁膜30が、金属電極2の表面上に形成されている。各絶縁膜30の外面上に、図2と同様に、電極4及び封止膜5が順に形成されることにより、上述した突起構造物が形成される。隣接する一対の突起構造物の表面同士の間隔は、各導電ビーズ6の直径の約8割程度であることが望ましい。その結果、各導電ビーズ6の直径は、上記一対の突起構造物内の電極4の表面同士の間隔と一致するか、若しくは、若干だけ大きくなる。また、突起構造物の高さは、各導電ビーズ6の直径よりも低く、半径よりも高いことが好ましい。以上の結果、分散された各導電ビーズ6は、隣接する二つの突起構造物の先端同士の間に支持された状態となる。そして、上述したのと同様の工程により、他の基板7上に形成された電極と金属電極2とが導通する。
【0030】
また、絶縁膜3の形状としては、図8の拡大平面透視図に示すように、格子状に金属電極2の長手方向に平行な方向及び直交する方向に夫々に形成されたストライプ状(全体として格子状)であっても良い。図8の例では、金属電極2の長手方向に7本の絶縁膜31が形成されており、金属電極2の長手方向に直交する方向に7本の絶縁膜31が形成され、後者の方向における7本の絶縁膜31のうち内側の5本の絶縁膜31が、金属電極2の表面上に形成されている。各絶縁膜31の表面には、図2と同様に、電極4及び封止膜5を順に形成されることにより、突起構造物となる。突起構造物がなす各格子の内幅は、各導電ビーズ6の直径の約8割程度であることが望ましい。その結果、各導電ビーズ6の直径は、上記突起構造物がなす各格子の内幅と一致するか、若しくは、若干だけ大きくなっている。また、突起構造物の高さは、各導電ビーズ6の直径よりも低く、半径よりも高いことが好ましい。以上の結果、分散された各導電ビーズ6は、突起構造物の各格子の縁に支持された状態となる。そして、上述したのと同様の工程により、他の基板7上に形成された電極と金属電極2とが導通する。
【0031】
図10は本発明の有機EL表示装置の画素部の断面図である。基板1上には回路層16が形成され、回路層16上には画素層が形成されている。回路層16は、半導体層17を覆ってゲート絶縁膜18が形成され、このゲート絶縁膜18上に金属電極であるゲート電極19が配置されている。また、ゲート電極19を覆って層間絶縁膜20が配置されている。ゲート絶縁膜18及び層間絶縁膜20に形成したスルーホールを介してソース電極21とドレイン電極22が半導体層に接続されている。ソース電極21とドレイン電極22と覆っている膜は平坦化膜23である。平坦化膜23は回路層上面の凹凸を吸収して平坦化膜23の上面を平坦化させることで、平坦化膜23の上層に配置される画素電極の形成を容易にする。本実施例において、画素電極は陽極24である。陽極24の下層には金属製の反射膜25が配置されており、陽極24と反射膜25を合わせて画素電極と呼ぶこともできる。画素電極は平坦化膜に形成したスルーホールを介して回路層のドレイン電極22と接続している。
【0032】
画素電極はその端部を含む周辺部をバンクと呼ばれる有機絶縁膜26で覆われている。バンク26の上層に発光層を含む有機層27が配置され、有機層27の上層に陰極28となる共通極が配置されている。バンク26に形成した開口部において有機層27と陽極24とが接触している。つまり、バンク26の開口部では、下層側から、陽極24、有機層27、陰極28の順番で配置され、ここに電流が供給されることで、有機層が発光する。
陰極の上層には、回路層及び画素層を覆って封止膜5が形成されている。この封止膜5は前述した端子まで延在している。
【0033】
本発明によれは、端子部に封止膜が形成されていても、封止膜を除去する必要が無く、容易に表示装置が形成できる。
【符号の説明】
【0034】
1 基板
2 金属電極
3 絶縁膜
4 金属電極
5 封止膜
6 導電ビーズ
7 他の基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10