(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本従来例の光センサ装置400では、2種類のフォトダイオード401及び402が半導体基板上で各個独立に形成されていたので、光の入射角度によっては、フォトダイオード401及び402の双方に対して光が均一に当たらない場合(光の当たり方に偏りを生じる場合)があった。このような状況下では、フォトダイオード401及び402の出力比がずれてしまうので、ロジック部405での演算処理に支障を来たし、光センサ装置400の光学指向特性が悪化するという課題があった。
【0006】
本発明は、本願の発明者らにより見出された上記の課題に鑑み、光学指向特性の良好な光センサ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る光センサ装置は、複数種類の受光素子を同一の縦構造に集積化した受光部と、各受光素子を時分割で選択するスイッチ部と、を有する構成(第1の構成)とされている。
【0008】
なお、第1の構成から成る光センサ装置は、前記受光部として第1受光部と第2受光部を有し、前記第1受光部は、第1受光素子と、前記第1受光素子とは異なる受光特性を持つ第2受光素子を含み、前記第2受光部は、前記第1受光素子と同一の受光特性を持つ第3受光素子と、前記第2受光素子と同一の受光特性を持つ第4受光素子を含み、前記スイッチ部は、前記第1受光素子の出力を第1検出信号として選択すると共に前記第4受光素子の出力を第2検出信号として選択する第1フェイズと、前記第3受光素子の出力を前記第1検出信号として選択すると共に前記第2受光素子の出力を前記第2検出信号として選択する第2フェイズと、を時分割で切り替える構成(第2の構成)にするとよい。
【0009】
また、第2の構成から成る光センサ装置は、前記第1検出信号及び前記第2検出信号をそれぞれ第1デジタル信号及び第2デジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換部をさらに有し、前記スイッチ部は、前記アナログ/デジタル変換部の測定期間中に前記第1フェイズと前記第2フェイズを時分割で切り替える構成(第3の構成)にするとよい。
【0010】
また、第3の構成から成る光センサ装置において、前記スイッチ部は、前記第1フェイズと前記第2フェイズを切り替える際に出力遮断状態の第3フェイズを経由する構成(第4の構成)にするとよい。
【0011】
また、第3または第4の構成から成る光センサ装置は、前記第1デジタル信号と前記第2デジタル信号を用いてセンサ出力信号を生成するロジック部をさらに有する構成(第5の構成)にするとよい。
【0012】
また、第2〜第5いずれかの構成から成る光センサ装置において、前記第1受光部と前記第2受光部は、千鳥状に複数組設けられている構成(第6の構成)にするとよい。
【0013】
また、第1の構成から成る光センサ装置は、前記スイッチ部で順次選択される各受光素子の出力をレジスタに順次保持し、前記レジスタの格納内容を用いてセンサ出力信号を生成するロジック部をさらに有する構成(第7の構成)にするとよい。
【0014】
また、本発明に係る光センサモジュールは、第1〜第7いずれかの構成から成る光センサ装置と、その内部に前記光センサ装置を担持するケースと、を有し、前記ケースの開口窓から前記光センサ装置に入射される光を検出する構成(第8の構成)とされている。
【0015】
なお、第8の構成から成る光センサモジュールは、前記ケース内に担持されて赤外光を出射する発光装置をさらに有し、前記光センサ装置は、前記発光装置から出射された後に近接する物体で反射された赤外光を受光する赤外受光部をさらに含む構成(第9の構成)にするとよい。
【0016】
また、本発明に係る電子機器は、第1〜第7いずれかの構成から成る光センサ装置、若しくは、第8ないしは第9の構成から成る光センサモジュールを有する構成(第10の構成)とされている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学指向特性の良好な光センサ装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1は、光センサ装置1の第1実施形態を示すブロック図である。本実施形態の光センサ装置1は、受光部10及び20と、スイッチ部30と、アナログ/デジタル変換部40及び50と、ロジック部60とを有する半導体集積回路装置である。光センサ装置1は、例えば、周囲光の照度を検出する照度センサとして、種々の電子機器(携帯電話(スマートフォン)、デジタルスチルカメラ、及び、テレビ電子機器など)に搭載される。
【0020】
受光部10は、可視光領域に感度ピークを持つフォトダイオード11と、赤外領域に感度ピークを持つフォトダイオード12を同一の縦構造に集積化して成る。フォトダイオード11及び12のカソードは、いずれもスイッチ部30の入力端31に接続されている。フォトダイオード11のアノードは、スイッチ部30の入力端32に接続されている。フォトダイオード12のアノードは、接地端に接続されている。なお、受光部10の縦構造については、後ほど詳細に説明する。
【0021】
受光部20は、先の受光部10と同じく、可視光領域に感度ピークを持つフォトダイオード21と、赤外領域に感度ピークを持つフォトダイオード22を同一の縦構造に集積化して成る。フォトダイオード21及び22のカソードは、いずれもスイッチ部30の入力端33に接続されている。フォトダイオード21のアノードは、スイッチ部30の入力端34に接続されている。フォトダイオード22のアノードは、接地端に接続されている。なお、受光部20の縦構造については、後ほど詳細に説明する。
【0022】
スイッチ部30は、ロジック部60からの指示に応じて、フォトダイオード11及び12の一方とフォトダイオード21及び22の一方をそれぞれ時分割で選択し、各々の光電流が検出信号I1及びI2として出力端35及び36に流れるように、内部の電流経路を切り替える。なお、スイッチ部30の構成及び動作については、後ほど詳細に説明する。
【0023】
アナログ/デジタル変換部40及び50は、それぞれ、ロジック部60からの指示に応じて、検出信号I1及びI2をデジタル信号S1及びS2に変換する。アナログ/デジタル変換部40及び50としては、例えば、二重積分型のアナログ/デジタル変換回路を好適に用いることができる。
【0024】
ロジック部60は、デジタル信号S1及びS2の比較演算を行ってセンサ出力信号Soを生成し、これを中央演算処理装置2に出力する。より具体的に述べると、ロジック部60は、検出信号S1(=フォトダイオード11及び21の平均出力、詳細は後述)から検出信号S2(=フォトダイオード12及び22の平均出力、詳細は後述)を所定の割合で減ずることにより、センサ出力信号Soを生成する。このような演算処理を行うことにより、別途の光学フィルタなどを要することなく、光センサ装置1全体の受光特性(分光感度特性)を所望値に合わせ込むことができるので、周囲光の照度(可視光成分の強度)を正確に測定することが可能となる。ただし、必ずしもロジック部60でセンサ出力信号Soを生成する必要はなく、デジタル信号S1及びS2を中央演算処理装置2に出力し、以降の信号処理は中央演算処理装置2に委ねても構わない。
【0025】
図2は、光センサ装置1の縦構造を示す断面図である。本構成例の光センサ装置1において、p型サブストレート100には、受光部10及び20を各々形成するn型ウェル111及び121が形成されている。また、n型ウェル111及び121の内部には、さらに、p型ウェル112及び122が各々形成されている。
【0026】
なお、p型サブストレート100、n型ウェル111及び121、並びに、p型ウェル112及び122の表面は、電気的な接続を行うためのコンタクト領域を除いて、透明な保護膜130で被覆されている。
【0027】
受光部10では、p型ウェル112とn型ウェル111とのpn接合面によってフォトダイオード11が形成されると共に、p型サブストレート100とn型ウェル111とのpn接合面によってフォトダイオード12が形成されている。フォトダイオード11及び12のカソードに相当するn型ウェル111は、スイッチ部30の入力端31に接続されている。フォトダイオード11のアノードに相当するp型ウェル112は、スイッチ部30の入力端32に接続されている。フォトダイオード12のアノードに相当するp型サブストレート100は、接地端に接続されている。
【0028】
同様に、受光部20では、p型ウェル122とn型ウェル121とのpn接合面によってフォトダイオード21が形成されると共に、p型サブストレート100とn型ウェル121とのpn接合面によってフォトダイオード22が形成されている。フォトダイオード21及び22のカソードに相当するn型ウェル121は、スイッチ部30の入力端33に接続されている。フォトダイオード21のアノードに相当するp型ウェル122は、スイッチ部30の入力端34に接続されている。フォトダイオード22のアノードに相当するp型サブストレート100は、接地端に接続されている。
【0029】
なお、フォトダイオード11及び21を各々形成するpn接合面は、いずれも、可視光(例えば波長555nm)が最も効率良く光電変換される深さ(p型サブストレート100の表面からの深さ、以下も同様)に形成されている。一方、フォトダイオード12及び22を各々形成するpn接合面は、いずれも、赤外光(例えば波長850nm)が最も効率良く光電変換される深さに形成されている。
【0030】
フォトダイオード構造を有する受光部10及び20において、各々の受光面(半導体基板100の表面)から入射される光は、その波長が短いものほど浅い位置で吸収される。このような特性を踏まえて、可視光領域に感度ピークを持つフォトダイオード11及び21は、受光面から相対的に浅い位置に形成されており、赤外領域に感度ピークを持つフォトダイオード12及び22は、受光面から相対的に深い位置に形成されている。
【0031】
図3は、光センサ装置1を搭載した光センサモジュール200の一構成例を示す模式図である。
図3下段には、光センサモジュール200の平面図が描写されており、
図3上段には、光センサモジュール200を
図3下段のα1−α2線に沿って縦方向に切断した際の縦断面図が描写されている。
【0032】
本構成例の光センサモジュール200は、光センサ装置1と、その内部に光センサ装置1を担持するケース210と、を有し、ケース210の開口窓220から光センサ装置1の受光部10及び20に入射される周囲光L1を検出する。光センサ1の受光部10及び20は、開口窓220の直下領域において、互いに近接した位置に設けられている。
【0033】
ただし、受光部10及び20をどれだけ近接した位置に設けたとしても、受光部10及び20が半導体基板上で各個独立に形成されている以上、周囲光L1の入射角度によっては、受光部10及び20の双方に対して周囲光L1が均一に当たらない場合(周囲光L1の当たり方に偏りを生じる場合)が生じ得る。
【0034】
そこで、光センサ装置1は、受光部10及び20の双方に対して周囲光L1が均一に当たらない場合であっても、光センサ装置1の光学指向特性を悪化させないように、スイッチ部30を用いて受光部10及び20の受光特性(分光感度特性)を時分割で交互に切り替える機能を具備している。以下では、スイッチ部30の構成と動作について詳述する。
【0035】
図4はスイッチ部30の一構成例を示す回路図である。本構成例のスイッチ部30は、スイッチSWa1〜SWa4と、スイッチSWb1〜SWb4と、スイッチSWc1〜SWc2と、を含む。
【0036】
スイッチSWa1の第1端は、電源端に接続されている。スイッチSWa1の第2端、スイッチSWb1の第1端、及び、スイッチSWb2の第1端は、いずれも入力端31に接続されている。スイッチSWb1の第2端とスイッチSWa2の第1端は、いずれも入力端32に接続されている。スイッチSWb3の第1端は、電源端に接続されている。スイッチSWb3の第2端、スイッチSWa3の第1端、及び、スイッチSWa4の第1端は、いずれも入力端33に接続されている。スイッチSWa3の第2端とスイッチSWb4の第1端は、いずれも入力端34に接続されている。スイッチSWa2の第2端とスイッチSWb4の第2端は、いずれもスイッチSWc1の第1端に接続されている。スイッチSWb2の第2端とスイッチSWa4の第2端は、いずれもスイッチSWc2の第1端に接続されている。スイッチSWc1の第2端は、出力端35に接続されている。スイッチSWc2の第2端は、出力端36に接続されている。
【0037】
図5は、スイッチ部30の切替動作を説明するためのテーブルであり、3つのフェイズa〜c毎に、スイッチSWa*及びSWb*(ただし*=1、2、3、4)のオン/オフ状態と、スイッチSWc*(ただし*=1、2)のオン/オフ状態と、スイッチ部30における電流経路が描写されている。
【0038】
フェイズaでは、スイッチSWa*及びSWc*がオンされて、スイッチSWb*がオフされる。その結果、受光部10のフォトダイオード11で生成される光電流I11が電源端から出力端35に向けて流れるとともに、受光部20のフォトダイオード22で生成される光電流I22が出力端36から接地端に向けて流れる。
【0039】
なお、受光部10のフォトダイオード12で生成される光電流I12は、電源端から接地端に向けて流れるので、検出信号としては出力されない。また、受光部20のフォトダイオード21で生成される光電流I21は、互いにショートされたアノードとカソードとの間を環流するので、検出信号としては出力されない。
【0040】
このように、フェイズaでは、光電流I11を検出信号I1として選択すると共に、光電流I22を検出信号I2として選択するように、スイッチ部30の電流経路が切り替えられる。すなわち、フェイズaでは、受光部10が可視光領域に感度ピークを持つ状態となり、受光部20が赤外領域に感度ピークを持つ状態となる。
【0041】
一方、フェイズbでは、スイッチSWb*及びSWc*がオンされて、スイッチSWa*がオフされる。その結果、受光部20のフォトダイオード21で生成される光電流I21が電源端から出力端35に向けて流れるとともに、受光部10のフォトダイオード12で生成される光電流I12が出力端36から接地端に向けて流れる。
【0042】
なお、受光部20のフォトダイオード22で生成される光電流I22は、電源端から接地端に向けて流れるので、検出信号としては出力されない。また、受光部10のフォトダイオード11で生成される光電流I11は、互いにショートされたアノードとカソードとの間を環流するので、検出信号としては出力されない。
【0043】
このように、フェイズbでは、光電流I21を検出信号I1として選択すると共に、光電流I12を検出信号I2として選択するように、スイッチ部30の電流経路が切り替えられる。すなわち、フェイズbでは、先のフェイズaとは逆に、受光部20が可視光領域に感度ピークを持つ状態となり、受光部10が赤外領域に感度ピークを持つ状態となる。
【0044】
また、フェイズcでは、スイッチSWc*がオフされる。その結果、スイッチ部30が出力遮断状態(出力端35及び36がオープンされた状態)となる。なお、フェイズcにおいて、スイッチSWa*及びSWb*のオン/オフ状態はいずれも不問であるが、例えば全てをオフ状態としておけばよい。
【0045】
図6は、スイッチ部30による時分割受光動作の第1例を示すタイミングチャートであり、紙面の上から順に、アナログ/デジタル変換部40及び50の動作状態、並びに、スイッチ部30のフェイズ切替状態が描写されている。
【0046】
二重積分型のアナログ/デジタル変換部40及び50は、それぞれ、時刻t11から所定の充電期間Tx(時刻t11〜t13、例えば100ms)に亘って検出信号I1及びI2によるキャパシタ(不図示)の充電処理CHGを行った後、時刻t13から当該キャパシタの放電処理DCHGを行い、その放電期間Ty(時刻t13〜t14)の長さをカウントすることにより、検出信号I1及びI2をデジタル信号S1及びS2に変換する。
【0047】
その際、スイッチ部30は、アナログ/デジタル変換部40及び50の充電期間Tx中に先述のフェイズaとフェイズbを時分割で切り替える。より具体的に述べると、スイッチ部30は、充電期間Txの前半(時刻t11〜t12)にフェイズaとなり、充電期間Txの後半(時刻t12〜t13)にフェイズbとなる。なお、放電期間Tyには、スイッチ部30をフェイズcとすればよい。
【0048】
上記の時分割受光動作では、充電期間Txの前半と後半で、検出信号I1が光電流I11から光電流I21に切り替わり、検出信号I2が光電流I22から光電流I12に切り替わる。従って、検出信号I1を変換して得られるデジタル信号S1は、光電流I11と光電流I21との時間平均値となり、検出信号I2を変換して得られるデジタル信号S2は、光電流I22と光電流I12との時間平均値となる。
【0049】
すなわち、充電期間Txの前半には、受光部10で周囲光L1の可視光成分を検出して受光部20で赤外成分を検出する一方、充電期間Txの後半には、先と逆に、受光部10で周囲光L1の赤外成分を検出して受光部20で可視光成分を検出するように、受光部10及び20の受光特性(分光感度特性)が時分割で交互に切り替えられる。従って、受光部10及び20の双方に対して周囲光L1が均一に当たらない場合であっても、検出信号I1及びI2の出力比がずれにくくなるので、光センサ装置1の光学指向特性の悪化を抑えることが可能となる。
【0050】
なお、時刻t12付近の拡大図(
図6の破線円を参照)で示したように、スイッチ部30は、フェイズaとフェイズbを切り替える際にフェイズcを経由することが望ましい。このような構成とすることにより、フェイズ切替時に生じる検出信号I1及びI2の乱れがアナログ/デジタル変換部40及び50に伝達されないので、デジタル信号S1及びS2(延いてはセンサ出力信号So)の精度を高めることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、各受光部毎に2種類の受光素子を集積化した構成を例に挙げたが、各受光部毎の受光素子数はこれに限定されるものではなく、各受光部毎に3種類以上の受光素子を集積化しても構わない。その際には、各受光部毎の受光素子と同数のアナログ/デジタル変換部を設けて、各検出信号の並列処理を行うことが望ましい。
【0052】
<第2実施形態>
図7は、光センサ装置1の第2実施形態を示すブロック図である。本実施形態の光センサ装置1は、第1実施形態(
図1を参照)と基本的に同一の構成であり、受光部10及び20が千鳥状に複数組設けられている点に特徴を有する。なお、複数の受光部10は、いずれもスイッチ部30の入力端31及び32に並列接続されている。また、複数の受光部20は、いずれもスイッチ部30の入力端33及び34に並列接続されている。
【0053】
このような構成を採用することにより、例えば充電期間Txよりも短い時間で周囲光L1の入射角度が変化するような場合であっても、複数組の受光部10及び20で得られる出力を平均化することで、精度の高いセンサ出力信号Soを生成することが可能となる。
【0054】
<第3実施形態>
図8は、光センサ装置1の第3実施形態を示すテーブルである。なお、テーブル内の左欄には受光部10の縦構造が描写されており、右欄には受光部10の等価回路図が描写されている。なお、受光部20の縦構造及び等価回路図は、受光部10と同一であることから重複した描写ないし説明を割愛する。
【0055】
本実施形態の光センサ装置1において、p型ウェル112の内部には、さらにn型ウェル113が形成されており、受光部10では、p型ウェル112とn型ウェル113とのpn接合面によって、先のフォトダイオード11及び12とは異なる受光特性(分光感度特性)を持つフォトダイオード13が新たに形成されている。
【0056】
なお、フォトダイオード13のカソードに相当するn型ウェル113は、スイッチ部30の入力端31に接続してもよいし((X)欄を参照)、スイッチ部30の入力端32に接続してもよい((Y)欄を参照)。
【0057】
(X)欄の構成を採用した場合には、フォトダイオード13がフォトダイオード11と並列に接続されるので、両者の光電流が足し合されて出力される。一方、(Y)欄の構成を採用した場合には、フォトダイオード13のアノードとカソードが互いにショートされるので、フォトダイオード13の光電流が出力されることはない。
【0058】
<第4実施形態>
図9は、光センサ装置1の第4実施形態を示す模式図である。本実施形態の光センサ装置1を搭載した光センサモジュール200は、先出の
図3で示した構成と基本的に同様であり、ケース210内に担持されて発光部310から赤外光L2を出射する発光装置300をさらに有する。なお、ケース210には、発光装置300の周囲を取り囲むようにテーパ面230が設けられており、赤外光L2が効率良く出射されるようになっている。
【0059】
また、本実施形態の光センサ装置1は、発光装置300から出射された後に近接する物体(不図示)で反射された赤外光L2を受光する赤外受光部70をさらに含む。なお、赤外受光部70は、先の受光部10(または20)と基本的に同一の縦構造(
図2を参照)を有している。ただし、赤外受光部70では、赤外光L2のみを選択的に受光する必要があるので、フォトダイオード11のアノードとカソードとの間がショートされており、かつ、半導体基板100の表面には赤外光L2のみを透過する赤外フィルタが形成される。
【0060】
本構成例の光センサモジュール200であれば、周囲光L1の照度を検出する照度センサとして利用するだけでなく、赤外光L2の反射有無を検出して物体の近接を検出する近接センサとしても利用することが可能となる。
【0061】
なお、本実施形態の光センサ装置1では、受光部10及び20とは別に赤外受光部70を設けた構成を例に挙げたが、受光部10及び20を流用して赤外光L2の検出を行うことも可能である。その場合には、周囲光L1と赤外光L2を時分割で検出するようにスイッチ部30を制御すればよい。このような構成を採用することにより、光センサ装置1に赤外受光部70を設ける必要がなくなるので、光センサ装置1の小型化や低コスト化を実現することが可能となる。
【0062】
また、受光部10及び20を流用して赤外光L2の検出を行う場合には、周囲光L1と赤外光L2の検出切替に同期してロジック部60の演算処理を適宜切り替えることが望ましい。具体的に述べると、周囲光L1の検出時には、周囲光L1の照度(可視光成分の強度)が正確に測定されるように、検出信号S1(=フォトダイオード11及び21の平均出力)から検出信号S2(=フォトダイオード12及び22の平均出力)を所定の割合で減ずることにより、センサ出力信号Soを生成すればよい。一方、赤外光L2の検出時には、赤外光L2の反射有無が正確に測定されるように、先とは逆に、検出信号S2から検出信号S1を所定の割合で減ずることにより、センサ出力信号Soを生成すればよい。
【0063】
<第5実施形態>
図10は、光センサ装置1の第5実施形態を示すブロック図である。本実施形態の光センサ装置1は、第1実施形態(
図1を参照)と基本的に同一の構成であるが、受光部20とアナログ/デジタル変換部50がいずれも削除されている点に特徴を有する。
【0064】
また、上記構成要素の削除に伴い、スイッチ部30の構成にも変更が加えられている。具体的には、入力端33及び34、出力端36、スイッチSWa3及びSWa4、スイッチSWb3及びSWb4、並びに、スイッチSWc2が削除されると共に、スイッチSWb2の第2端がスイッチSWc1の第1端に接続されている。なお、フェイズa〜cにおける各スイッチ(本実施形態で削除されていない各スイッチ)のオン/オフ状態については、先の
図5と同一なので重複した説明は割愛する。
【0065】
さらに、上記構成要素の削除に伴い、ロジック部60は、デジタル信号S1及びS2を並列処理してセンサ出力信号Soを生成する構成ではなく、時分割で入力されるデジタル信号S1及びS2をレジスタ61及び62に順次保持し、レジスタ61及び62の格納内容を用いてセンサ出力信号Soを生成する構成に変更されている。
【0066】
図11は、スイッチ部30による時分割受光動作の第2例を示すタイミングチャートであり、紙面の上から順に、アナログ/デジタル変換部40の動作状態、スイッチ部30のフェイズ切替状態、並びに、レジスタ61及び62の格納状態が描写されている。
【0067】
まず、スイッチ部30は、時刻t21から所定の充電期間Tx(時刻t21〜t22、例えば100ms)に亘ってフェイズaとなり、検出信号I1として光電流I11を出力する。一方、アナログ/デジタル変換部40は、上記の充電期間Txに亘って検出信号I1によるキャパシタ(不図示)の充電処理CHGを行った後、時刻t22から当該キャパシタの放電処理DCHGを行い、その放電期間Ty1(時刻t22〜t23)の長さをカウントすることにより、検出信号I1をデジタル信号S1に変換する。このデジタル信号S1は、時刻t23以降、レジスタ61に格納される。なお、放電期間Ty1には、スイッチ部30をフェイズcとしておけばよい。
【0068】
次に、スイッチ部30は、時刻t23から所定の充電期間Tx(時刻t23〜t24、例えば100ms)に亘ってフェイズbとなり、検出信号I2として光電流I12を出力する。一方、アナログ/デジタル変換部40は、上記の充電期間Txに亘って検出信号I2によるキャパシタ(不図示)の充電処理CHGを行った後、時刻t24から当該キャパシタの放電処理DCHGを行い、その放電期間Ty2(時刻t24〜t25)の長さをカウントすることにより、検出信号I2をデジタル信号S2に変換する。このデジタル信号S2は、時刻t25以降、レジスタ62に格納される。なお、放電期間Ty2には、スイッチ部30をフェイズcとしておけばよい。
【0069】
時刻t25において、デジタル信号S1及びS2の双方がレジスタ61及び62に格納された後、ロジック部60は、レジスタ61及び62からデジタル信号S1及びS2を読み出してセンサ出力信号Soを生成する。なお、ロジック部60での演算処理は、先と同一なので重複した説明は割愛する。
【0070】
上記したように、本実施形態の光センサ装置1は、受光部10の感度ピークを可視光領域と赤外領域に順次切り替えて得られたデジタル信号S1及びS2を用いてセンサ出力信号Soを生成する。このように、受光特性(分光感度特性)を任意に切り替えることのできる単一の受光部10を用いて周囲光L1を検出する構成であれば、周囲光L1の入射角度に依ることなく、フォトダイオード11及び12の出力比を一定に維持することができるので、光センサ装置1の光学指向特性を向上することが可能となる。また、複数の受光部10及び20を用いる第1実施形態(
図1を参照)と比べて、光センサ装置1の小型化や低コスト化を実現することも可能となる。
【0071】
ただし、本実施形態の光センサ装置1は、デジタル信号S1及びS2を並列に生成することのできる第1実施形態と比べて、センサ出力信号Soの生成処理に時間を要する点に留意が必要である(
図6と
図11とを比較参照)。
【0072】
<電子機器>
図12〜
図14は、光センサ装置1が搭載される電子機器A〜C(携帯電話(スマートフォン)、デジタルスチルカメラ、及び、テレビ)の外観図である。これらの電子機器A〜Cにおいて、例えば、その照度センサとして先述の光センサ装置1を搭載することにより、周囲光の照度に応じて表示部のバックライト制御を行うことが可能となる。
【0073】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、主に照度センサとしての適用例を挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、照度センサ以外にも、例えば、近接センサ、カラーセンサ、及び、UV[ultraviolet]センサなどに広く適用することが可能である。
【0074】
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。