(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、第1の実施形態に係る表示装置について、有機エレクトロルミネッセンス表示装置1a(以下、表示装置1aとする)を例として図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、各構成要素はそれらと異なっていてもよく、その要旨を変更しない範囲で変更して実施することが可能である。
【0017】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る表示装置1aが端子部30を展開させた状態を示す概略平面図であり、
図2は、
図1に示す表示装置1aのII−II切断線における概略断面図である。表示装置1aは、基板10と、基板10の上面(一面)10aに設けられた複数の接続パッドCと、画素Pと接続パッドCとをそれぞれ接続する配線Wと、を有している。
【0018】
基板10は、その一面10aに複数の画素Pがマトリクス状に配置される部材である。基板10のうち、その一面10aに画素Pが配置される部分をパネル部20とし、接続パッドCが配置される部分を端子部30とする。基板10の上面10aには複数の配線Wが設けられており、これら配線Wはそれぞれ、マトリクス状に並んだ画素Pの列のいずれかに対応している。
【0019】
基板10の端子部30は、折り曲げ可能な材料からなる。折り曲げ可能な基板10としては、例えば、防湿処理の施された、ポリイミドやポリエチレンテレフタレートなどの、可撓性を有するプラスチック樹脂基板が挙げられる。また、基板10の材料は樹脂基板に限られず、絶縁処理の施された、可塑性を有するステンレスや銅などの金属薄板であってもよい。
【0020】
パネル部20のうち、画像が表示される領域を表示領域Dとし、表示領域Dの外側の、画像が表示されない領域を非表示領域Eとする。表示領域Dにおいては、画素Pが配置されて、図示しない絶縁層、薄膜トランジスタを有する回路層、及び有機エレクトロルミネッセンス素子等が形成されている。また、各画素P同士はデータ線21により互いに接続されている。
【0021】
非表示領域Eにおいては、走査線駆動回路22と、走査線23と、電源線24と、カソード接続パッド25とが配置されている。走査線駆動回路22は、画素Pに走査信号を出力する回路であり、走査線23を介して画素Pに接続されている。電源線24は、画素Pに設けられた図示しない有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を供給するための配線であり、接続パッドCに接続されている。カソード接続パッド25は、接続パッドCが外部機器に接続されることにより、図示しない外部機器から電子が流れ込む電極である。
【0022】
図2に示すように、パネル部20の一面10aは、保護膜40によって覆われている。保護膜40は、画素Pを保護するための絶縁材料からなる、可撓性を有する膜である。なお、保護膜40は、一面10aの表示領域D上を覆うものであれば、膜構造に限られず、封止剤を介して配置された、可撓性を有する透明性樹脂基板であってもよい。
【0023】
図1,2に示すように、端子部30の一面10aにおいては第1の方向側(Y
1方向側)に接続パッドCが配置されている。接続パッドCは、図示しない外部機器に表示装置1aを接続させるための接続端子である。
【0024】
端子部30における接続パッドCは、基板10の一面10aに設けられた配線Wによって、パネル部20における各画素Pに接続されている。配線Wは、図示しない外部機器から接続パッドCを介して各画素Pに走査信号やデータ信号及び電源を供給するための配線である。
【0025】
次いで、端子部30の構成についてその詳細を説明する。
図3は、
図1に示す表示装置1aを第1の方向側からの視野において示す概略側面図である。なお、本実施形態における「第1の方向側」とは、
図1に示すY
1の方向側である。
【0026】
図1、3に示すように、端子部30は、パネル部20の第1の方向側(Y
1方向側)に連続する第1の部分32と、第1の部分32の例えば第2の方向(X
1方向)側に連続する第2の部分34と、を有している。なお、本実施形態における第2の方向(X
1方向)とは、第1の方向(Y
1方向)に直交する方向である。また、第1の部分32と第2の部分34のY
1方向側の端部にはそれぞれ、接続パッドCが、第1の部分32と第2の部分32の境界B
1を避けて配置されている。
【0027】
また、第1の部分32の第1の方向側(Y
1方向側)の側面を側面32aとし、第2の部分34の第1の方向側の側面を側面34aとすると、側面32aと側面34aは、平面視で連続した直線形状となる。
【0028】
図1に示すように、第1の部分32の第2の方向(X
1方向)の幅d
2と、第2の部分34の第2の方向の幅d
3との和は、パネル部20の第2の方向の幅d
1よりも大きい。本実施形態における第1の部分32の幅d
2は、パネル部20の幅d
1と同じ大きさであるが、第1の部分32の幅d
2は、パネル部20の幅d
1と以下であればよい。
【0029】
第2の部分34は、境界B
1において第1の部分32から折り曲げ可能に形成されている。
図4は、
図1に示す表示装置1aが端子部30の一部(第2の部分34)を折り曲げた状態を示す概略平面図である。第2の部分34が境界B
1において折り曲げられることにより、パネル部20の第2の方向の幅d
1と、端子部30の平面視形状の第2の方向の幅d
2は等しくなる。
【0030】
なお、第2の部分34が折り曲げられることにより、第1の部分32の側面32aと第2の部分34の側面34aとは、平面視で重なることが好ましい。第2の部分34を折り曲げた状態の端子部30が、外部機器に接続されやすくなるためである。
【0031】
図5は、
図4に示す表示装置1aが外部機器(コネクタ200)に接続された状態を
図2と同様の視野において示す概略側面図であり、
図6は、
図4に示す表示装置1aが外部機器に接続された状態を
図3と同様の視野において示す概略側面図である。
【0032】
コネクタ200の内側には、折り曲げられた状態の端子部30の形状と接続パッドCとの位置に合わせて、複数のコネクタピン202が配置されている。端子部30は、その一部(第2の部分34)が折り曲げられた状態でコネクタ200に接続されることにより、コネクタピン202と接続パッドCとがそれぞれ電気的に接続する。
【0033】
図5,6に示すように、端子部30の折り曲げられた第2の部分34は、第1の部分32に対向している。具体的には、基板10の一面10aの反対側の面である、第1の部分32の他面32bが、第2の部分34の他面34bが対向した構成となるように、第2の部分34が折り曲げられている。
【0034】
本実施形態における表示装置1aは、端子部30の一部(第2の部分34)が折り曲げられて形成されて、第1の部分32と第2の部分34の両方に接続パッドCが配置されることにより、本構成を有さない表示装置と比べて、第2の方向の幅を拡大することなく端子部30に多くの接続パッドCが配置される。このため、高精細で、かつ、小型の表示装置を実現することができる。
【0035】
また、本実施形態における表示装置1aは、本構成を有さない表示装置と比べて端子部30に多くの接続パッドCが配置されても、端子部30の第2の方向の幅を拡大することがないため、コネクタ200などの外部機器のサイズの拡大も防止することができる。
【0036】
また、本実施形態における表示装置1aは、端子部30が展開した状態であれば、本構成を有さない表示装置よりも端子部30の第2の方向の幅が大きいため、端子部30における接続パッドCや配線Wなどの配置のバリエーションを増やすことができる。このため、画素Pの駆動方法の選択肢を増やすことができ、表示装置1aの品質の向上を実現することができる。
【0037】
また、本実施形態における表示装置1aは、第1の部分32の第2の方向の幅d
2と第2の部分34の第2の方向の幅d
3との和が、パネル部20の第2の方向の幅d
1よりも大きいため、端子部の第2の方向の幅がパネル部の第2の方向の幅と等しい表示装置と比べ、多くの接続パッドCを配置することができる。
【0038】
また、本実施形態における表示装置1aは、第1の部分32の第1の方向側の側面32aと第2の部分34の第1の方向側の側面34aとが平面視で重なっていることにより、本構成を有さない表示装置と比べ、第2の部分34を折り曲げた状態の端子部30を、コネクタ200などの外部機器に容易に接続することができる。
【0039】
次いで、第2の実施形態に係る表示装置(有機エレクトロルミネッセンス表示装置)1bについて説明する。
図7は、本発明の第二の実施形態に係る表示装置1bが端子部30を展開させた状態を示す概略平面図である。
【0040】
第2の実施形態に係る表示装置1bは、第2の部分34が、第1のサブ部134と、第2のサブ部234と、を有する点が第一の実施形態に係る表示装置1aと異なっている。以下、第1のサブ部134と第2のサブ部234に関する構成について説明し、第1の実施形態に係る表示装置1aと同様の構成についてはその説明を省略する。
【0041】
図7に示すように、第1のサブ部134は、第1の部分32の一方側(X
1方向側)の端32cに接続し、第2のサブ部234は、第1の部分32の他方側(X
2方向側)の端32dに接続している。また、第1のサブ部134の第2の方向の一方側(X
1方向側)の端部を端部134cとし、第2のサブ部234の第2の方向の他方側(X
2方向側)の端部を端部234cとする。
【0042】
第1のサブ部134と第1の部分32の境界を境界B
2とし、第2のサブ部234と第1の部分32の境界を境界B
3とする。端子部30においては、第1の部分32と第1のサブ部134と第2のサブ部234のY
1方向側の端部にそれぞれ、境界B
2と境界B
3を避けて接続パッドCが配置されている。
【0043】
また、第1のサブ部134の第1の方向側(Y
1方向側)の側面を側面134aとし、第2のサブ部234の第1の方向側の側面を側面234aとすると、第1の部分の側面32aと側面134aと側面234aは、平面視で連続した直線形状となる。
【0044】
また、
図7に示すように、第1の部分32の第2の方向(X
1方向)の幅d
2と、第1のサブ部134の第2の方向の幅d
4と、第2のサブ部234の第2の方向の幅d
5の和は、パネル部20の第2の方向の幅d
1よりも大きい。
【0045】
第1のサブ部134と第2のサブ部234は、それぞれ境界B
2と境界B
3において第1の部分32から折り曲げ可能に形成されている。
図8は、
図7に示す表示装置1bが端子部30の一部を折り曲げた状態を示す概略平面図である。第1のサブ部134が境界B
2において折り曲げられ、第2のサブ部234が境界B
3において折り曲げられることにより、パネル部20の第2の方向の幅d
1と、端子部30の平面視形状の第2の方向の幅d
2は等しくなる。
【0046】
また、第1のサブ部134と第2のサブ部234は、それぞれが折り曲げられることにより、第1の部分の側面32aと第1のサブ部134の側面134aが平面視で重なり、かつ、第1の部分の側面32aと第2の部分234の側面234aが平面視で重なることが好ましい。
【0047】
図9は、
図7に示す表示装置1bを
図2と同様の視野において示す概略断面図であり、
図10は、
図7に示す表示装置1bを
図3と同様の視野において示す概略側面図である。なお、説明の便宜上、
図9、10においてはコネクタ200の図示を省略する。
【0048】
図9,10に示すように、端子部30の第1のサブ部134と第2のサブ部234は、は、折り曲げられることにより第1の部分32に対向している。具体的には、第1のサブ部134の他面134bと第2のサブ部234の他面234bはそれぞれ、第1の部分32の他面32bに対向するように折り曲げられている。
【0049】
このような構成を有することにより、
図10に示すように、第1のサブ部134の第2の方向側の端部134cは、第2のサブ部234の第2の方向側の端部234cと向き合っている。なお、端部134cは端部234cから離間していてもよい。
【0050】
本実施形態における表示装置1bは、第1のサブ部134が第1の部分32の一方側(X
1方向側)に位置し、第2のサブ部234が第1の部分32を挟んで第1のサブ部134と反対側(X
2方向側)に位置することにより、本構成を有さない表示装置と比べて、表示装置1bの第2の方向の幅を拡大することなく、端子部30に多くの接続パッドCが配置される。このため、高精細で、かつ、小型の表示装置を実現することができる。
【0051】
また、本実施形態における表示装置1bは、第1のサブ部134の第2の方向側の端部134cが、第2のサブ部234の第2の方向側の端部234cと対向することにより、本構成を有さない表示装置と比べ、第1の部分32と第2の部分34との境界(B
2、B
3)から、第2の部分の端部それぞれ(134c、234c)までの距離が短くなる。このため、第2の部分34の側面(134a、234a)が第1の部分32の側面32aと平面視でずれることが防がれる。これにより、接続パッドCの配置領域を確保しつつ、端子部30の不良を防ぐことができる。
【0052】
また、本実施形態における表示装置1bは、第2の部分34が第1の部分32の一方側とその反対側との両方に位置するため、端子部30のみならず、パネル部20における配線Wなどの配置のバリエーションを増やすことができる。具体的には、
図7に示すように、パネル部20の表示領域Dの一方側(X
1方向側)に走査線駆動回路22を配置し、その反対側(X
2方向側)にタッチパネル制御回路26を配置することができる。
【0053】
次いで、第3の実施形態に係る表示装置(有機エレクトロルミネッセンス表示装置)1cについて説明する。
図11は、本発明の第三の実施形態に係る表示装置1cが端子部30を展開させた状態を示す概略平面図である。
【0054】
第3の実施形態に係る表示装置1cは、端子部30に、複数の接続パッドCに接続するドライバIC50が配置されている点が第一の実施形態に係る表示装置1aと異なっている。以下、ドライバIC50に関する構成について説明し、第1の実施形態に係る表示装置1aと同様の構成についてはその説明を省略する。
【0055】
図11に示すように、表示装置1cの端子部30は、第1の部分32のX
1方向側に連続する第2の部分34(334)を有している。第2の部分334のX
1方向の幅d
6は、第1の部分32のX
1方向の幅d
2以下であればよい。
【0056】
第1の部分32と第2の部分334には、それぞれドライバIC50が搭載されている。ドライバIC50は、表示装置1cの外部から、接続パッドCを介して画像データを供給される、基板10の端子部30上に配置されたICである。ドライバIC50は、画像データが供給されることにより、図示しないデータ線を介して各画素Pに印加する電圧信号を供給する。
【0057】
本実施形態においては、第1の部分32に搭載されたドライバIC50を第1のドライバIC52とし、第2の部分334に搭載されたドライバIC50を第2のドライバIC54とする。第1の部分32と第2の部分334の境界を境界B
4とすると、第1のドライバIC52と第2のドライバIC54は、境界B
4を避けて配置されている。
【0058】
また、第2の部分334の第1の方向側(Y
1方向側)の側面を側面334aとすると、第1の部分の側面32aと側面134aと第2の部分334の側面334aは、平面視で連続した直線形状となる。
【0059】
図12は、
図11に示す表示装置が端子部30の一部を折り曲げた状態を示す概略平面図である。第2の部分334が境界B
4において折り曲げられることにより、パネル部20の第2の方向の幅d
1と、端子部30の平面視形状の第2の方向の幅d
2は等しくなる。また、第2の部分334は、折り曲げられることにより、第1の部分の側面32aと第2の部分334の側面334aが平面視で重なることが好ましい。
【0060】
図13は、
図11に示す表示装置1cを
図2と同様の視野において示す概略側面図である。なお、説明の便宜上、
図11においてはコネクタ200の図示を省略する。
図11に示すように、端子部30の第2の部分334は、折り曲げられることにより第1の部分32に対向している。具体的には、第2の部分334の他面334bは、第1の部分32の他面32bに対向するように折り曲げられている。
【0061】
また、第1のドライバIC52と第2のドライバIC54は、境界B
4を避けて配置されているため、第2の部分334が折り曲げられることにより、第1の部分32と第2の部分334を挟んで互いに対向する。
【0062】
本実施形態における表示装置1cは、端子部30の一部(第2の部分334)が折り曲げられて形成されて、かつ、端子部30に複数のドライバIC50(第1のドライバIC52、第2のドライバIC54)が境界B
4を避けて配置されることにより、接続パッドCや配線Wのレイアウトを、より効率的なものとすることができる。
【0063】
このため、本構成を有さない表示装置と比べて接続パッドCが多く配置された構成であったとしても、ドライバIC50を接続パッドCの数に合わせて複数配置することができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は、上述した実施形態には限られない。例えば、上述した実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成、又は同一の目的を達成することができる構成により置き換えてもよい。
【0065】
例えば、本実施形態に係る表示装置は、端子部30の一部が折り曲げられて形成されるものであれば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に限られない。
【0066】
また、本実施形態に係る表示装置は、第2の部分34が第1の部分32に対向する構成であれば、第1の部分32の他面32bと第2の部分34の他面34bが直接接していなくてもよい。
図14は、本実施形態に係る表示装置1cの変形例(101c)を
図2と同様の視野において示す概略側面図である。なお、
図14においては説明の便宜上、接続パッドCとドライバIC50の記載を省略する。
【0067】
具体的には、
図14に示すように、第1の部分32の他面32bと第2の部分34の他面34bの間に、補強材60が配置されていてもよい。補強材60の素材は特に限定されず、樹脂や金属からなる板状の部材や、硬化性の接着剤や両面テープであってもよい。
【0068】
本実施形態における表示装置101cは、第1の部分32の他面32bと第2の部分34の他面34b同士が補強材60を介して固定されることにより、本構成を有さない表示装置と比べて、端子部30の変形や、第1の部分32と第2の部分34の位置ずれによる接続不良などを防ぐことができる。
【0069】
また、本実施形態に係る表示装置は、第2の部分34のX
1方向側の長さが、第1の部分32のX
1方向側の長さと同じであってもよい。
図15は、本実施形態に係る表示装置1bの変形例(101b)を
図2と同様の視野において示す概略側面図である。なお、
図15においては説明の便宜上、接続パッドCとドライバIC50の記載を省略する。
【0070】
具体的には、
図15に示すように、第1のサブ部134の端部134cと、第2のサブ部234の端部234cが、第2の部分34(134、234)がそれぞれ折り曲げられることにより、互いに接していてもよい。
【0071】
また、第3の実施形態においては、2つのドライバIC50が端子部30に搭載されている例について説明したが、ドライバICの数は、第1の部分32と第2の部分34の境界を避けて配置されるのであれば、2以上であってもよい。