(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
芳香環含有モノマー(a1)を40〜93重量%、および水酸基含有モノマー(a2)を7〜60重量%含有する共重合成分[I]を共重合してなり、重量平均分子量が20万以下であるアクリル系樹脂を含有してなることを特徴とするアクリル系粘着剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートを、アクリル系樹脂とは(メタ)アクリル系モノマーを少なくとも1種含有するモノマー成分を重合して得られる樹脂を、それぞれ意味するものである。
【0017】
本発明におけるアクリル系樹脂(A)は、芳香環含有モノマー(a1)40〜93重量%、水酸基含有モノマー(a2)7〜60重量%を必須成分として含有する共重合成分[I]を共重合してなるものであり、共重合成分[I]は、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a3)、その他の共重合性モノマー(a4)を含むものであってもよい。
【0018】
上記芳香環含有モノマー(a1)としては、分子内に芳香環と1つのエチレン性不飽和基を有する化合物であればよく、かかるエチレン性不飽和基を含有する官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、クロトノイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられ、中でも反応性に優れる点で(メタ)アクリロイル基が好ましい。
【0019】
また、かかる芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、フルオレン環等が挙げられ、芳香環の個数としては、1つ含有するものでもよいし、複数個含有するものでもよいが、粘着物性のバランスが取れる点では芳香環を1つ含有する化合物であることが好ましく、効率良く、粘着剤層の屈折率や複屈折を制御できる点では芳香環を2つ含有する化合物であることが好ましい。
【0020】
芳香環含有モノマー(a1)として具体的には、例えば(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジルオキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸クレゾール、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸ノニルフェノール、(メタ)アクリル酸ビフェニルオキシエチルエステル、スチレン等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
上記水酸基含有モノマー(a2)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、その他、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーを挙げることができる。
【0022】
上記水酸基含有モノマー(a2)は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】
上記水酸基含有モノマー(a2)の中でも、架橋剤との反応性に優れる点で1級水酸基含有モノマーが好ましく、また、分子鎖末端に水酸基があるモノマーがより優れた帯電防止性能を示しやすく好ましいと考えられる。更には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを使用することが、ジ(メタ)アクリレート等の不純物が少なく、製造しやすい点で特に好ましい。
【0024】
なお、本発明で使用する水酸基含有モノマー(a2)としては、不純物であるジ(メタ)アクリレートの含有割合が、0.5%以下のものを用いることも好ましく、更に0.2%以下、殊には0.1%以下のものを使用することが好ましく、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートが好ましい。
【0025】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a3)としては、例えば、アルキル基の炭素数が、通常1〜20、特には1〜12、更には1〜8、殊には4〜8であることが好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a3)の中でも、共重合性、粘着物性、取り扱いやすさ及び原料入手しやすさの点で、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、更に好ましくは耐久性に優れる点でn−ブチル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0027】
その他の共重合性モノマー(a4)としては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等の官能基含有モノマーが挙げられる。
【0028】
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。
【0029】
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
【0031】
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0032】
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等が挙げられる。
【0033】
また、高分子量化を目的とする場合、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等のエチレン性不飽和基を二つ以上有する化合物等
を併用することもできる。
【0034】
また、本発明においては、通常一般的に用いられるカルボキシル基含有モノマー等の酸性基含有汚ノマーは本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよいが、耐腐食性の観点から用いない方が好ましい。
【0035】
また、その他の共重合性モノマー(a4)として、更に、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基およびオキシアルキレン基を含有するモノマー;
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;
(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。
これらのその他の共重合性モノマー(a4)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
上記芳香環含有モノマー(a1)の含有量としては、共重合成分全体に対して、40〜93重量%であることが必要であり、好ましくは50〜90重量%、特に好ましくは55〜85重量%であり、更に好ましくは60〜85重量%である。
かかる芳香環含有モノマーの含有量が少なすぎると屈折率が充分に高くならず好ましくなく、多すぎると粘着性能が悪化し好ましくない。
【0037】
上記水酸基含有モノマー(a2)の含有量としては、共重合成分全体に対して、7〜60重量%であることが必要であり、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%であり、更に好ましくは10〜35重量%である。
かかる水酸基含有モノマー(a2)の含有量が少なすぎると無機酸化物微粒子との相溶性が低下し分散性が悪くなるため好ましくなく、多すぎると相対的に芳香環含有モノマー(a1)の含有量が低下し、屈折率を充分に上げることができない点で好ましくない。
【0038】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a3)を共重合させる場合の含有量としては、共重合成分全体に対して、好ましくは0〜40重量%、特には好ましくは0〜35重量%、更に好ましくは0〜30重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a3)の含有量が少なすぎると、粘着性能が低下する傾向にある。
【0039】
上記その他の共重合性モノマー(a4)を共重合させる場合の含有量としては、共重合成分全体に対して、好ましくは0〜40重量%、特には好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0〜20重量%であり、その他の共重合性モノマー(a4)の含有量が多すぎると相対的に芳香環含有モノマー(a1)の含有量が低下し、屈折率を十分に上げることができない傾向がある。
【0040】
また、芳香環含有モノマー(a1)と水酸基含有モノマー(a2)の含有割合(重量比)が、(a1):(a2)=93:7〜40:60であることが好ましく、特に好ましくは90:10〜50:50、更に好ましくは85:15〜60:40である。
水酸基含有モノマー(a2)に対する芳香環含有モノマー(a1)が多すぎると、無機酸化物微粒子との相溶性が低下し、分散性が低下する傾向があり、水酸基含有モノマー(a2)に対する芳香環含有モノマー(a1)が少なすぎると、屈折率が低くなる傾向がある。
【0041】
上記(a1)〜(a4)のモノマー成分を重合することによりアクリル系樹脂(A)を製造するのであるが、かかる重合に当たっては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合などの従来公知の方法により行なうことができるが、これらの中でも溶液ラジカル重合が好ましい。
【0042】
重合条件についても従来公知の一般的な重合条件に従って重合すればよいが、例えば、有機溶媒中に、芳香環含有モノマー(a1)、水酸基含有モノマー(a2)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a3)、その他の共重合性モノマー(a4)等の重合モノマー、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル等)を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜90℃の条件下で、通常2〜20時間ラジカル重合を行なえばよい。
【0043】
かかる重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
【0044】
かかるラジカル共重合に使用する重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例として挙げられる。
【0045】
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量については、20万以下であることが必要であり、好ましくは1万〜18万、特に好ましくは1万〜16万、殊に好ましくは、1万〜15万である。重量平均分子量が大きすぎると無機酸化物微粒子との相溶性が低下し分散性が低下するため好ましくない。
【0046】
また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、10以下であることが好ましく、特には8以下が好ましく、更には6以下が好ましく、殊には5以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると粘着剤層の耐久性能が低下する傾向がある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
【0047】
更に、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度は、−70〜10℃が好ましく、特に好ましくは−50〜5℃、更に好ましくは−40〜0℃である。ガラス転移温度が高すぎると粘着力が上がりすぎる傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
【0048】
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10
7、分離範囲:100〜2×10
7、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法を用いることができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。またガラス転移温度は下記のFoxの式より算出されるものである。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
【0049】
かくして本発明のアクリル系樹脂(A)が得られるものである。
【0050】
そして、本発明のアクリル系樹脂(A)には、無機酸化物(B)や、架橋剤(C)配合することによりアクリル系粘着剤組成物とすることが好ましい。
【0051】
上記無機酸化物(B)としては、金属酸化物、非金属酸化物のどちらであってもよく、上記金属酸化物としては一般的に樹脂にフィラーとして使用される金属酸化物が好ましく用いられ、このような金属酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO
2:ジルコニア)、酸化チタン(TiO
2:チタニア)、酸化アルミニウム(Al
2O
3:アルミナ)、酸化鉄(Fe
2O
3、Fe
3O
4)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y
2O
3:イットリア)、酸化ニオブ(Nb
2O
5)、酸化モリブデン(MoO
3、MoO
2)、酸化インジウム(In
2O
3)、酸化スズ(SnO
2)、酸化タンタル(Ta
2O
5、TaO
2)、酸化タングステン(WO
3、WO
2)、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi
2O
3)、酸化セリウム(CeO
2:セリア)、酸化アンチモン(Sb
2O
3、Sb
2O
5)等が挙げられる。
また、上記非金属酸化物としては一般的に樹脂にフィラーとして使用される酸化ケイ素(SiO
2:シリカ)、あるいは酸化ホウ素(B
2O
3)等が挙げられる。
これらの金属酸化物及び非金属酸化物は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
【0052】
これらの中でも、高屈折率のアクリル系樹脂が得られやすい点で金属酸化物が好ましく、特に好ましくは酸化ジルコニウム(ZrO
2:ジルコニア)または酸化チタン(TiO
2:チタニア)である。
【0053】
上記無機酸化物(B)は、微粒子状態である無機酸化物微粒子であることが好ましく、更に無機酸化物微粒子の態様としては、例えば、微粒子粉体、ペースト又はゾルが挙げられるが、好ましくはゾルである。
【0054】
上記無機酸化物微粒子の平均粒子径としては、好ましくは1〜300nm、特に好ましくは1〜200nm、更に好ましくは2〜100nmである。
かかる平均粒子径が大きすぎると、透明性が著しく低下する傾向があり、小さすぎると金属酸化物微粒子の結晶性が乏しくなり、屈折率が低くなる傾向がある。
なお、上記平均粒子径は、走査型電子顕微鏡により測定される。
【0055】
上記無機酸化物(B)の屈折率としては、高屈折率のもの、好ましくは屈折率1.5以上のものであることが、高屈折率を達成するための粘着剤中の無機酸化物の含有量を少なくできる点で好ましく、高屈折率として具体的には、酸化チタン(2.3〜2.7)、チタン酸カリウム(2.68)、酸化ジルコニウム(2.05〜2.4)、酸化亜鉛(2.01〜2.03)等が挙げられる。
【0056】
上記無機微粒子(B)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、特に好ましくは5〜80重量部、更に好ましくは10〜70重量部である。
かかる含有量が多すぎると粘着力が低下しすぎる傾向があり、少なすぎると屈折率を充分に上げられない傾向がある。
【0057】
上記架橋剤(C)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等の化学架橋を形成する架橋剤、多官能アクリレート系架橋剤等の物理架橋を形成する架橋剤が挙げられる。
これらの中でも、水酸基と反応する架橋剤が好ましく、特に好ましくはイソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤であり、基材との密着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性の点で、更に好ましくはイソシアネート系架橋剤である。
【0058】
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
【0059】
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
【0060】
これらの架橋剤(C)は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0061】
上記架橋剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜15重量部、特に好ましくは0.03〜10重量部である。架橋剤(C)が少なすぎると、凝集力が低下し、充分な耐久性が得られない傾向がみられ、多すぎると柔軟性、および粘着力が低下し剥離が起こりやすくなるため、電子部材との密着性が低下する傾向がみられる。
【0062】
さらに、本発明のアクリル系粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、帯電防止剤、その他のアクリル系粘着剤、その他の粘着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤、着色剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、機能性色素等の各種添加剤や、紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を配合することができる。また、上記添加剤の他にも、アクリル系粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。これら添加量は所望する物性が得られるように適宜設定すればよい。
【0063】
上記アクリル系粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層と基材とを含有する粘着シートとして用いることが好ましい。
【0064】
次に、上記アクリル系粘着剤組成物を基材上に塗布、乾燥し、加熱により硬化し、粘着シートを作製する方法について説明する。
【0065】
上記基材としては、例えば、ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ボリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリイミド等の合成樹脂シート,アルミニウム、銅、鉄の金属箔,上質紙、グラシン紙等の紙,硝子繊維、天然繊維、合成繊維等からなる織物や不織布、及びこれらにITOなどの金属を蒸着させたものが挙げられる。これらの基材は、単層体として又は2種以上が積層された複層体として用いることができる。
なお、上記基材を溶剤等や乾燥の際の熱、活性エネルギー線の照射等により劣化させる可能性がある場合などには、まずシリコーン等を塗布し離型性をもたせたセパレーターに塗ってから上記基材に貼合することが好ましい。
また、基材レスの両面粘着シートにする際には、セパレーターに塗布し、セパレーターで貼合すればよい。好ましいセパレーターとしてはポリエステル系樹脂フィルムが挙げられ、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムにシリコーン処理をしたものである。
【0066】
上記アクリル系粘着剤組成物の塗布に際しては、アクリル系粘着剤組成物を塗工に適した粘度に溶剤にて希釈して塗布することでき、希釈濃度としては、固形分濃度として、好ましくは5〜90重量%、特に好ましくは10〜80重量%、更には20〜75重量%である。また、上記溶剤としては、アクリル系粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用いられる。
【0067】
上記溶剤で希釈されたアクリル系粘着剤組成物の粘度(25℃)としては、好ましくは20,000mPa・s以下、特に好ましくは18,000mPa・s以下、更に好ましくは15,000mPa・s以下である。また、通常粘度の下限は100mPa・sである。
かかる粘度が高すぎると塗工筋が出やすくなったりする等、塗工が困難になる傾向がある。
なお、粘度の測定は、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘時計法に準じて行なわれる。
【0068】
上記アクリル系粘着剤組成物の基材への塗布に関しては、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の慣用の方法により行なわれる。
【0069】
また、粘着シートの粘着剤層の厚み(乾燥後膜厚)は、通常、3〜500μmであることが好ましく、特には5〜300μmであることが好ましく、更には10〜250μmであることが好ましい。
【0070】
上記乾燥条件については、乾燥温度が、通常50℃〜250℃、好ましくは60℃〜150℃、更に好ましくは65℃〜120℃、殊に好ましくは70℃〜95℃であり、乾燥時間は、通常10秒〜10分である。
【0071】
なお、架橋剤(C)を用いる場合には、上記方法を用いて粘着シートを製造した後にエージング処理を施すことが好ましい。かかるエージング処理は、粘着物性のバランスをとるために行なうものであり、エージングの条件としては、温度は通常室温〜70℃、時間は通常1日〜30日であり、具体的には、例えば23℃で1日〜20日間、好ましくは、23℃で3〜10日間、40℃で1日〜7日間等の条件で行なえばよい。
【0072】
かくして得られる粘着剤層の屈折率としては、1.50以上であることが好ましく、特
に好ましくは1.51以上、更に好ましくは1.52以上である。なお、かかる粘着剤層
の屈折率の上限は通常2.00である。
かかる屈折率が低すぎると一般的に使用される光学部材との屈折率差が大きくなる傾向
があり好ましくない。
かくして、アクリル系樹脂の屈折率が高く、かつ無機酸化物の微粒子との相溶性にも優
れるアクリル系樹脂を得ることができ
、高屈折率を有し、粘着力にも優れるアクリル系粘着剤組成物を得ることができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
【0074】
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂を調製した。なお、アクリル系樹脂の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度の測定に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
なお、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘度計法に準じて測定した。
【0075】
[実施例1]
〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内にメチルエチルケトン28部、トルエン8部を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後フェノキシエチルアクリレート(a1)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)15部、ブチルアクリレート(a3)15部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.16部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル2部にAIBN0.06部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A−1)溶液(固形分濃度65.0%、粘度1100mPa・s(25℃)、重量平均分子量108,000、数平均分子量41,700、分散度2.59、ガラス転移温度−26.6℃)を得た。
【0076】
[実施例2]
〔アクリル系樹脂(A−2)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内にメチルエチルケトン28部、トルエン8部を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後フェノキシエチルアクリレート(a1)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)28部、ブチルアクリレート(a3)2部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.16部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル2部にAIBN0.06部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A−2)溶液(固形分濃度65.1%、粘度2,500mPa・s(25℃)、重量平均分子量126,000、数平均分子量48,000、分散度2.63、ガラス転移温度−20.8℃)を得た。
【0077】
[実施例3]
〔アクリル系樹脂(A−3)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内にメチルエチルケトン28部、トルエン8部を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後ベンジルアクリレート(a1)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)15部、ブチルアクリレート(a3)15部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.16部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル2部にAIBN0.06部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A−3)溶液(固形分濃度65.1%、粘度1300mPa・s(25℃)、重量平均分子量105,000、数平均分子量36,000、分散度2.92、ガラス転移温度−8.3℃)を得た。
【0078】
[実施例4]
〔アクリル系樹脂(A−4)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内にメチルエチルケトン28部、トルエン8部を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後フェノキシエチルアクリレート(a1)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)15部、ブチルアクリレート(a3)14.8部、アクリル酸(a)0.2部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.16部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル2部にAIBN0.06部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A−4)溶液(固形分濃度65%、粘度3,000mPa・s(25℃)、重量平均分子量99,500、数平均分子量36,800、分散度2.70、ガラス転移温度−26.4℃)を得た。
【0079】
[比較例1]
〔アクリル系樹脂(A’−1)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内にメチルエチルケトン28部、トルエン8部を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後フェノキシエチルアクリレート(a1)35部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)25部、ブチルアクリレート(a3)40部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.16部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル2部にAIBN0.06部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A’−1)溶液(固形分濃度65%、粘度2,200mPa・s(25℃)、重量平均分子量122,000、数平均分子量45,500、分散度2.68、ガラス転移温度−33.1℃)を得た。
【0080】
[比較例2]
〔アクリル系樹脂(A’−2)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内にメチルエチルケトン28部、トルエン8部を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後フェノキシエチルアクリレート(a1)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)5部、ブチルアクリレート(a3)25部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.16部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル2部にAIBN0.06部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A’−2)溶液(固形分濃度65.3%、粘度1,200mPa・s(25℃)、重量平均分子量103,500、数平均分子量39,800、分散度2.60、ガラス転移温度−30.8℃)を得た。
【0081】
[比較例3]
〔アクリル系樹脂(A’−3)の製造〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に酢酸エチル80部、を仕込み、攪拌しながら昇温し、90℃になった後ベンジルアクリレート(a1)60部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)15部、ブチルアクリレート(a3)25部に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.10部を溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に重合途中に、酢酸エチル3部にAIBN0.04部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させ、アクリル系樹脂(A’−3)溶液(固形分濃度40.4%、粘度3,600mPa・s(25℃)、重量平均分子量688,000、数平均分子量110,000、分散度6.24、ガラス転移温度−15.2℃)を得た。
【0082】
上記実施例1〜4、比較例1〜3で製造したアクリル系樹脂溶液について、下記の通り相溶性を評価した。
【0083】
[相溶性]
アクリル系樹脂溶液に対して酸化チタンスラリー(テイカ社製、「780T」、酢酸エチル溶液)を固形分の重量比で100/50になるように配合し、配合液中の酸化チタンの状態を確認し、下記の通り評価した。
(評価基準)
○・・・配合後すぐに相溶し、かつ室温で10日放置した時点でも相溶していた
△・・・配合後一旦は相溶したが、室温に放置で10日以内に相溶しなくなった(分離した、ゲル化した)
×・・・相溶しなかった(ゲル化した)
【0084】
また、上記実施例1〜4、比較例1〜3で製造したアクリル系樹脂100部に、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)0.3部を配合した後、ポリエステル系離型シートに、乾燥後の糊厚が30μmになる様、塗布し、100℃で4分間乾燥した。その後、形成された粘着剤層側をポリエステル系離型シートで貼り合わせ40℃の条件下で10日間エージングさせて基材レス両面粘着シートを得た。
【0085】
このようにして得られた基材レス両面粘着シートを用いて、屈折率を下記に示す各方法に従って測定・評価した。
【0086】
[屈折率]
25℃雰囲気下、上記で作成した基材レス両面粘着シートを用いて、アッベ屈折率計にて粘着剤層の屈折率を測定した。
(評価基準)
○ … 屈折率1.50以上
× … 屈折率1.50未満
【0087】
[粘着剤層付きPETフィルムの作製]
前記基材レス両面粘着シートの粘着剤から一方の面の離型シートを剥がし、38μmポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに押圧し、粘着剤層付きPETフィルムを得た。
【0088】
[粘着力]
上記粘着剤層付きPETフィルムについて、幅25mm×長さ100mmに裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側をソーダガラスに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、常温で剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
【0089】
【0090】
実施例1〜4のアクリル系樹脂は、硬化させ粘着剤層とした際の屈折率や粘着力に優れ、かつ無機酸化物微粒子との相溶性にも優れるものであることがわかる。
【0091】
一方、芳香環含有モノマーの含有量が少ない比較例1のアクリル系樹脂は、粘着剤層とした際の屈折率が低い値となっており、水酸基含有モノマーの含有量が少ない比較例2およびアクリル系樹脂の重量平均分子量が高い比較例3のアクリル系樹脂は、無機酸化物微粒子との相溶性が悪いことがわかる。