(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パワー回路基板と前記制御基板は、前記筐体の一壁面を間に挟んでその両側にそれぞれが前記一壁面に沿う向きで配置されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコントローラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、産業用ロボットを制御するコントローラは、ロボットのモータに電力を供給するパワー回路基板と、制御基板を備えている。1つの筐体内に両基板を配置する場合、パワー回路基板から放射されるノイズおよび発熱源でもあるパワー基板からの熱の影響で、制御基板が誤動作する可能性がある。また、制御基板をメンテナンスしようとすると、筐体を開けて基板の取り外し作業を行うことになるが、筐体内には、危険電圧部を持つパワー回路基板があるので、感電を避けるため回路の充電状態に注意してメンテナンスを行う必要がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、メンテナンス性を向上し、誤動作し難いコントローラを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、産業用ロボットを制御するコントローラであって、前記産業用ロボットのモータに電力を供給するパワー回路基板と、前記パワー回路基板を収容する金属製の筐体と、前記筐体の外部に配置された制御基板とを備える。尚、制御基板は、産業用ロボットの制御に用いられる基板である。
【0006】
本発明では、パワー回路基板から放射されるノイズを、筐体がシールド(静電遮蔽)する。そのため、筐体の外側に配置された制御基板がノイズや熱の影響を受け難くなり、装置が誤動作する恐れが少ない。また、筐体内に収容されたパワー回路基板の危険電圧部に触れずに、制御基板をメンテナンスすることが可能となり、感電に注意を払う必要が無くなるため、メンテナンス性が向上できる。
【0007】
本発明の実施態様として、以下の構成が好ましい。
・前記筐体はグランド用の接続端子を有することにより、グランド状態にすることができる。このようにすることにより、筐体のシールド機能が向上し、制御基板が更にノイズの影響を受け難くなる。
【0008】
・前記パワー回路基板には、前記筐体の一壁面を貫通するコネクタが設けられ、前記制御基板は、前記コネクタを介して、前記パワー回路基板と電気的に接続される。この構成では、コネクタが筐体を貫通する構造になっているので、筐体内のパワー回路基板に対して、制御基板を簡単に接続することが可能である。
【0009】
・前記パワー回路基板と前記制御基板は、前記筐体の一壁面を間に挟んでその両側にそれぞれが前記一壁面に沿う向きで配置されている。このようにすれば、2つの基板を近接配置できるので、コントローラを小型化できる。
【0010】
・前記筐体は、前記コントローラを固定設置するための設置壁面を有し、前記一壁面は前記設置壁面に対向する対向面である。このようにすれば、コントローラが固定設置された状態での制御基板に対するメンテナンス性が良好になる。
【0011】
・前記産業用ロボットは、前記モータを複数有する多軸のロボットであり、前記パワー回路基板は、前記複数のモータに対応して、複数設けられ、前記各パワー回路基板は、前記筐体内において、一方向に配置されている。
【0012】
・前記各パワー回路基板は、放熱フィンを有する放熱部材を有し、前記各放熱部材の前記放熱フィンを、前記筐体内において、前記一方向に向きを揃えて配置されている。放熱フィンが、風が通る通路を形成するため、放熱性が高まる。
【0013】
・前記一方向に並ぶ各放熱フィンに対して、前記一方向の端部から風を送るファンを有する。このようにすれば、1つのファンで、各放熱部材を効率よく冷やすことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御基板の誤動作を抑えることが可能であり、かつメンテナンスの作業性が向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<一実施形態>
本発明の一実施形態を
図1ないし
図15によって説明する。
コントローラ10は、単軸ロボットや多関節ロボット等の産業用ロボット(図略)を制御する機能を果たすものである。コントローラ10は、
図1、
図2に示すように、金属製のケース本体40と、金属製のフロントカバー70を有しており、例えば、制御盤1に対してボルト締め等により取り付けられる。尚、以下の説明において、
図2の左右方向をX方向、
図2の上下方向をY方向、
図4の左右方向をZ方向(前後方向)とする。
【0017】
図1、
図2に示すように、コントローラ10には、I/Oポート21、電源コネクタ22、電力用コネクタ23、外部接続用コネクタ24A、24BやUSBポート25が設けられている。
【0018】
I/Oポート21には、産業用ロボットを駆動するモータの回転角度や回転数を検出するセンサ(レゾルバやロータリーエンコーダ)が接続され、センサから出力される検出信号がコントローラ10に入力される構造となっている。I/Oポート21は、コントローラ10の前面下部に2組設けられている。
【0019】
電源コネクタ22は、コントローラ10を供給電源(本例では、200VのAC電源)と接続するためのコネクタである。電源コネクタ22は、コントローラ10の前面左端部に設けられている。
【0020】
電力用コネクタ23は、制御対象となるモータを接続するためのコネクタである。電力用コネクタ23は、コントローラ10の前面下部にてX方向に4組設けられている。尚、電力用コネクタ23を4組設けている理由は、コントローラ10は最大で4軸の産業用ロボットを制御するからである。
【0021】
外部接続用コネクタ24A、24Bは、コントローラ10を上位装置(例えば、PCやシーケンサ)と接続するためのコネクタ、USBポート25は、モニタ等の外部機器を接続するためのポートである。これら外部接続用コネクタ24A、24B、USBポート25は、コントローラ10の前面右端部に設けられている。
【0022】
ケース本体40は金属製である。ケース本体40は、ベース板41、ベース板41に対向する前面壁43、上面壁45、底面壁48、右側面壁46、左側面壁47を備え、概ね箱型である。ベース板41は、本発明の「設置壁面」に相当し、コントローラ10を設置箇所(この例では、制御盤1)に固定設置する設置壁面として機能する。ケース本体40の内部には、
図3に示すように、金属製の仕切り壁51が設けられており、ケース本体40の内部空間を、強電基板収容室40A室と、弱電基板収容室40B室とに区画している。強電基板収容室40Aと、弱電基板収容室40Bは、閉じた空間を形成しており、内部に収容される各基板をシールド(静電遮蔽)する。尚、強電基板収容室40Aが、本発明の「筐体」に相当する。
【0023】
ケース本体40の強電基板収容室40A室には、電源基板11とパワー回路基板13が収容されている。電源基板11とパワー回路基板13は、電力系の基板であり、動作電圧の高い強電基板である。
【0024】
電源基板11とパワー回路基板13は、
図3、
図4に示すように、Z方向に向かい合う2枚の部材41、43に分かれて組み付けられており、強電基板収容室40A内において、Z方向に一定距離離れて、平行に向かい合う関係となっている。
【0025】
電源基板11は、
図3、
図4に示すように、ケース本体40のベース板(制御盤1に対する取り付け板)41に対して5箇所を取り付ボスBで固定しており、ベース板41に対して平行に取り付けられている。
【0026】
電源基板11は、スイッチング電源回路や、整流回路を実装した基板である。スイッチング電源回路は、AC200Vから、DC24V、DC15V、DC12V、DC5Vの電圧を生成する。DC15Vの電圧は、パワー回路基板13に対して電源電圧として供給され、DC5Vの電圧は、モータ制御基板15、CPU通信基板17、オプション基板18に対して電源電圧として供給される。
【0027】
パワー回路基板13は、
図3、
図4に示すように、ケース本体40の前面壁43の裏面に取り付けられている。パワー回路基板13は、ケース本体40の前面壁43に対して下方2箇所の取付けボスBと、後述するヒートシンク83のネジ締め(ネジは
図4中の「C」)によって固定しており、ケース本体40の前面壁43に対して平行に取り付けられている。
【0028】
また、パワー回路基板13は4つのモータに対応して4枚設けられており、4枚のパワー回路基板13は、
図3に示すように、前面壁43の裏面に対してX方向に一列状に配置されている。尚、各基板13のY方向の位置は同一である。各パワー回路基板13は、モータに電力を供給する基板であり、パワートランジスタ81、電力用コネクタ23等を実装している。
【0029】
パワートランジスタ81は、整流回路の出力する直流電圧(DC15V)から交流電圧を生成するインバータ回路を構成する素子であり、
図4に示すように、パワー回路基板13の裏面側(ケース本体の内方側)に取り付けられている。
【0030】
また、各パワー回路基板13の裏面側には、
図4に示すようにヒートシンク(本発明の「放熱部材」に相当)83が取り付けられている。ヒートシンク83は、パワートランジスタ81の放熱用であり、例えば、アルミニウムや銅など、熱伝動に優れる金属材料よりなる。ヒートシンク83は、パワートランジスタ81に接合される平板状の基板部84と、複数枚の放熱フィン85と、前面壁43に対してねじ止めされる脚部86を有する。放熱フィン85は、基板部84上にて等間隔に形成されている。
【0031】
次に、弱電基板収容室40Bには、
図3に示すように、CPU通信基板(本発明の「制御基板」に相当)17と、オプション基板18が収容されている。CPU通信基板17、オプション基板18は、通信・制御系の基板であって、動作電圧の低い弱電基板である。
【0032】
CPU通信基板17と、オプション基板18は、ケース本体40の仕切り壁51に対して、4箇所を取り付ボスBで固定しており、仕切り壁51に対して平行に取り付けられている。すなわち、CPU通信基板17とオプション基板18は、強電基板収容室40A内の電源基板11やモータ制御基板13に対して直交する関係となっている。
【0033】
CPU通信基板17は、上位装置から指令に応答して産業用ロボットの動作タイミングを決定したり、産業用ロボットの動作プログラムを解析して、解析した内容を後述するモータ制御基板15に送信する機能を果たすものであり、CPUの他、上位装置と通信接続するための外部接続用コネクタ24A、USBポート25等が搭載されている。
【0034】
また、
図5に示すように、ケース本体40の底面壁48には、バッテリホルダを介してバッテリ110が取り付けられている。バッテリ110は、供給電源(本例ではAC200V)が断たれた場合に、制御対象となるモータの軸値(回転数や回転角度)を記憶しておくバックアップ用であり、4つのモータに対応して、X方向に4組配置されている。ケース本体40の底面壁48には、下面カバー120が着脱可能に装着されており、底面壁48に取り付けられたバッテリ110を覆う構造になっている。
【0035】
また、
図6に示すように、ケース本体40の前面壁(本発明の「一壁面」に相当)43の表面側には、モータ制御基板(本発明の「制御基板」に相当)15が取り付けられている。モータ制御基板15は、ケース本体40の前面壁43に対して7箇所を取付ボスBで固定しており、ケース本体40の前面壁43に対して平行に取り付けられている。
【0036】
モータ制御基板15は、
図6に示すように、ケース本体40の前面壁43よりも一回り小さく、ケース本体40の前面壁43から前方する突出する電源コネクタ22や、電力用コネクタ23との干渉を避けるようになっている。
【0037】
モータ制御基板15は、産業用ロボットを構成するモータを制御する制御回路や、I/Oポート21、メモリを実装した基板である。メモリは、I/Oポート21を通じて、センサから取り込まれるモータの回転角度や回転数等の情報を記憶するものである。モータ制御基板15は、CPU通信基板17やオプション基板18と同様に、通信・制御系の基板であって、動作電圧の低い弱電基板である。
【0038】
また、
図6に示すように、ケース本体40の左側面壁47の下部には、グランド端子47Aが設けられている。グランド端子47Aは、ケース本体40の左側面壁47の一部を、装置正面側に曲げることにより形成されている。ケース本体40は、グランド端子47Aを介して基準電位(グランド)に接地される構造となっている(筐体接地)。尚、グランド端子が本発明の「グランド用の接続端子」に相当する。
【0039】
フロントカバー70は金属板製であって、
図7に示すようにX方向に長い横長の形状をしており、モータ制御基板15の前方を覆う基板部71と、基板部71の上下両縁に形成されたフランジ72、73とを備える。フロントカバー70には係止爪75が設けられており、係止爪75をケース本体40の係止孔49に対して係止させることで、ケース本体40の前面壁43に対して着脱可能に取り付けることが出来る。
【0040】
係るフロントカバー70は、ケース本体40の前面壁43に取り付けられたモータ制御基板15の前面と側面を覆い、ケース本体40と共に、モータ制御基板15を収容する閉じた空間を形成する構造となっている。
【0041】
また、
図8に示すように、ケース本体40の前面壁43には、貫通孔43A、43Bが形成されている。貫通孔43A、43Bは、4枚のパワー回路基板13に対応してX方向に4組形成されている。
【0042】
各パワー回路基板13の表面(前面壁43に相対する面)には、相手に対する嵌合面をZ方向の前側に向けた状態で、第一基板コネクタ61A、61Bが取り付けられている。第一基板コネクタ61A、61Bは、パワー回路基板13に対して直交し、前面壁43の貫通孔43Aを貫通している。一方、
図9に示すように、モータ制御基板15の裏面(前面壁43に相対する面)には、相手に対する嵌合面をZ方向の後前側に向けた状態で、第二基板コネクタ62A、62Bが設けられている。第二基板コネクタ62A、62Bは、4枚のパワー回路基板13に対応して、X方向に4組設けられている。第二基板コネクタ62A、62Bは、モータ制御基板15に対して直交し、各パワー回路基板13の第一基板コネクタ61A、61Bに嵌合する。
【0043】
このように、本実施形態では、パワー回路基板13とモータ制御基板15を、ケース本体40の前面壁43を間に挟んで、その両側にそれぞれが前面壁43に沿う向きで配置し、前面壁43を貫通する基板コネクタ61A、61Bを介して、両基板13、15を電気的に接続する構造となっている。
【0044】
また、
図10に示すように、モータ制御基板15のうちX方向の端部には、第三基板コネクタ63が設けられている。第三基板コネクタ63は、嵌合面を
図10の右側、すなわち弱電収容室40Bに向けており、モータ制御基板15の面に沿う向きで取り付けられている。第三基板コネクタ63は、仕切り壁51を貫通して、弱電基板収容室40Bに入り込んでいる。一方、CPU通信基板17の裏面(仕切り壁51に相対する面)には、第四基板コネクタ64が設けられている。第四基板コネクタ64は、CPU通信基板17に対して、直交している。第四基板コネクタ64は、モータ制御基板15の第三基板コネクタ63に相対しており、弱電基板収容室40B内にて、モータ制御基板15の第三基板コネクタ63に嵌合する。このように、モータ制御基板15とCPU通信基板17も、基板コネクタ63、64を介して、電気的に接続される構造となっている。
【0045】
また、
図10に示すように、電源基板11のうちX方向の端部には、第五基板コネクタ65が設けられている。第五基板コネクタ65は、嵌合面を
図10の右側、すなわち弱電収容室40Bに向けており、電源制御基板11の面に沿う向きで取り付けられている。第五基板コネクタ65は、仕切り壁51を貫通して、弱電基板収容室40Bに入り込んでいる。一方、CPU通信基板17の裏面(仕切り壁51に相対する面)には、第六基板コネクタ66が設けられている。第六基板コネクタ66は、CPU通信基板17に対して、直交している。第六基板コネクタ66は、電源基板11の第五基板コネクタ65に相対しており、弱電基板収容室40B内にて、電源基板11の第五基板コネクタ65に嵌合する。このように、電源基板11とCPU通信基板17も、基板コネクタ65、66を介して、電気的に接続される構造となっている。
【0046】
尚、ケース本体40のうち、右前面壁44と右側面壁46は、
図11に示すように側面カバー100として一体化されている。側面カバー100を取り外すと、弱電基板収容室40Bが開放し、内部に収容されたCPU通信基板17やオプション基板18を着脱できる構造となっている。具体的には、
図12、
図13に示すように、CPU通信基板17とオプション基板18は、仕切り壁51に対して、ボスBを介して固定されていることから、仕切り壁51を取り外すことで、CPU通信基板17とオプション基板18を一体的に取り外すことが出来るようになっている。
図13に示す符号52、53は、仕切り壁51に形成された切り欠きである。切り欠き52は、モータ制御基板15の第三基板コネクタ63を貫通させる切り欠きである。また、切り欠き53は、電源基板11の第五基板コネクタ65を貫通させる切り欠きである。
【0047】
また、本コントローラ10は、発熱源となる電源基板11とパワー回路基板13を、強電基板収容室40Aに収容しているので、放熱性を高めることが望ましい。そこで、本コントローラ10は、
図15に示すように、各ヒートシンク83の放熱フィン85を、強電基板収容室40A内において、向きを揃えて配置している。具体的には、Y方向に並ぶ各放熱フィン85が、X方向に延びるフィン列Fを形成するように、4組のヒートシンク83をX方向に配置している。このようにすることで、一列状に並ぶ放熱フィン85が、風の通路Uを形成するので、風が通り易くなり、ヒートシンク83の放熱性が向上する。
【0048】
加えて、本コントローラ10は、ケース本体40の左側面壁47に対してファン87を設けている。
図15に示すように、ファン87は、フィン列Fの端部に位置しており、フィン列Fに向かって送風する。このようにすれば、1つのファン87で、各ヒートシンク83を効率よく冷やすことが可能となる。
【0049】
また、
図4に示すように、ケース本体40の上部側には、回生抵抗130が配置されている。具体的には、上面壁45から一定距離浮かした状態で固定されている。この回生抵抗130は、
図15に示すように、ファン87の前方に配置されており、ファン87が、ヒートシンク83と共に、回生抵抗130を冷却する構造になっている。尚、回生抵抗130は、モータが減速する際に、発電する電力を消費する抵抗である。
【0050】
<効果説明>
コントローラ10は、ケース本体40内の強電基板収容室40Aに、電源基板11、パワー回路基板13を収めており、両基板11、13から放射されるノイズを、ケース本体40がシールド(静電遮蔽)する。
【0051】
そのため、ケース本体40の外側に配置されたモータ制御基板15が、ノイズおよび熱の影響を受け難くなり、装置が誤動作する恐れが少ない。また、ケース本体40は、グランド端子47Aを有することにより、グランド状態(基準電位)にすることが出来る。このようにすることにより、ケース本体40のシールド性が向上するため、モータ制御基板15が、更にノイズの影響を受け難くなる。また、弱電基板収容室40Bも、金属製の仕切り壁51によって、強電基板収容室40Aから隔絶されているので、CPU通信基板17やオプション基板18についても、ノイズの影響を受け難くなる。
【0052】
また、モータ制御基板15をケース本体40の外側に設けているので、モータ制御基板15をメンテナンスする際に、ケース本体40の強電基板収容室40Aに収容された電源基板11やパワー回路基板13等に触れない。そのため、危険電圧部との接触による感電に注意を払う必要がなく、メンテナンス性に優れる。また、同様、CPU通信基板17やオプション基板18も強電基板収容室40Aの外側に配置されているので、これら基板17、18をメンテナンスする際に、ユーザが電源基板11やパワー回路基板13等に触れることがなく、メンテナンス性に優れる。
【0053】
また、基板コネクタ61A、61Bがケース本体40の前面壁43を貫通する構造になっているので、強電基板収容室41A内のパワー回路基板13に対して、モータ制御基板15を簡単に接続することが可能である。
【0054】
また、パワー回路基板13とモータ制御基板15を、ケース本体40の前面壁43を間に挟んで、その両側に、それぞれが前面壁43に沿う向きで配置されている。このようにすれば、2枚の基板13、15を近接配置できる。したがって、コントローラ10を小型化できる。しかも、ケース本体40はグランド状態(基準電位)であることから、パワー回路基板13とモータ制御基板15は、基準電位に対する絶縁距離さえ確保すればよく、2枚の基板13、15を、一層近接配置できる。
【0055】
また、本コントローラ10は、制御盤1に固定設置されるベース板41に対向する前面壁43に、モータ制御基板15を取り付けている。そのため、コントローラ10が固定設置された状態でモータ制御基板15をメンテナンスすることが可能であり、メンテナンス性が良好である。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)上記実施形態では、コントローラ10を制御盤1に取り付けた例を示したが、コントローラ10の設置方法は、実施形態の例に限定されるものではなく、例えば、台上に配置してもよい。また、実施形態では、コントローラ10を縦向き(電源基板等が上下となる向き)に設置したが、設置する向きも特に制約はなく、コントローラを横向き(電源基板等が水平となる向き)に設置することも可能である。
【0058】
(2)上記実施形態では、ケース本体40を、仕切り壁51により2室に分け、強電基板収容室40Aと弱電基板収容室40Bを設けた例を示したが、弱電基板収容部40Bは廃止してもよい。この場合、CPU通信基板17はモータ制御基板15と一体化するとよい。また、オプション基板18は、無くてもよい。
【0059】
(3)上記実施形態では、パワー回路基板13とモータ制御基板15の2つの基板を、ケース本体40の前面壁43を貫通する基板コネクタ61、62によって、電気的に接続する例を示したが、例えば、2つの基板13、15をハーネス等で接続してもよい。