(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な実施形態は以下の例に限られるものではない。
図1は、本実施形態における子供向けの玩具システム900の構成例を示す図である。本実施形態の玩具システム900は、本体部910と、ルーペ型ハンディ機器930とを有する。
【0021】
本体部910は、絵画部914を備えた複数のページ912を有する冊子体である。本実施形態では、バインダフレーム916にリング918で複数のページ912を着脱自在に綴じた所謂「リングファイル」としたが、のり付けや紐綴じされたノートや書籍型としてもよい。
なお、ページ912の数は適宜設定可能であり、1つのページ912は折りたたみ式でもよい。また、図示の例では、1つのページ912に1つの絵画部914を設けた構成としているが、1つのページ912に複数の絵画部914を設ける構成や、複数のページ912で1つの絵画部914を構成するいわゆる“見開き”構成も可能である。絵画部914は、各ページ912に印刷された構成でもよいし、シール紙として各ページ912に貼付された構成でもよい。
【0022】
ルーペ型ハンディ機器930は、ルーペを模した外観を有したコンピュータに相当する電子機器であって、ルーペのようにしてユーザが把持して絵画部914を覗き込むようにして使用する。
【0023】
図2は、本実施形態におけるルーペ型ハンディ機器930の構成例を示す図であって、
図2(1)がユーザ側に向けられる正面図、
図2(2)が側面図である。
ルーペ型ハンディ機器930の外観は、ルーペの形状を有している。具体的には、円板型筐体部932の側面から操作部934を介して棒状の把持部936が延設され、円板型筐体部932の裏面には透明樹脂または半透明な樹脂でできた略円筒状の採光スカート部938が設けられている。なお、把持部936は、採光スカート部938を絵画部914上に載置した際、倒れず自立する程度の長さで設けられていることが好ましい。
【0024】
円板型筐体部932の正面側中央には、覗き窓部940が設けられておりタッチパネル942が嵌め込まれている。
【0025】
円板型筐体部932の内部には、制御基板950が内蔵されている。制御基板950は、例えばSoC(System−on−Chip)951と、ICメモリ952と、時計部953と、タッチパネル942を作動させるためのタッチパネルドライバIC954と、カメラモジュール955とを搭載する。そして、把持部936に内蔵される内蔵バッテリー937から電力を得て稼動する。
【0026】
SoC951に内蔵されているCPUは、ICメモリ952に記憶されているプログラムとデータを読み出して演算処理して、ルーペ型ハンディ機器930の動作を統合的に制御する。
ICメモリ952には、プログラムと各種データが記憶されている。その各種データの中には、各ページ912に印刷されている絵画部914の絵画画像の画像データが含まれている。
【0027】
時計部953は、パソコン等に内蔵されるリアルタイムクロックICであって、現在日時を常時計時してSoC951に出力する。勿論、時計部953を、SoC951がクロック信号に基づいて日時を計数演算するソフトウェアクロックとして実現してもよく、少なくとも時間、日付、季節(時季)のうちの一つを計時する計時部を有することが好ましい。
【0028】
カメラモジュール955は、レンズ等の光学素子や、フィルター、撮影した画像データを生成しSoC951へ出力するセンサーチップなどを搭載した公知のイメージセンサーである。本実施の形態のカメラモジュール955は、可視光は勿論のこと不可視領域の赤外線または紫外線も撮影することができる。そして、カメラモジュール955は、円板型筐体部932の裏面側の被写体を撮影するように設けられており、その光軸Lはタッチパネル942の画面中心点を通るように設定されている。焦点距離を含む光学諸元は、少なくとも採光スカート部938の端面に押し当てられた被写体にピントが合うような近接距離撮影が可能な設定とされている。オートフォーカス機能を搭載していてもよい。また、本実施の形態において、カメラモジュール955の前方に赤外線透過フィルムが設けられている。本実施の形態において、赤外線透過フィルムは、可視印刷部で反射された赤外光をより効率的にカメラモジュール955で認識するためのものであり、可視光を吸収し、赤外光を透過する部材であれば特に限定されるものではない。
【0029】
操作部934は、ユーザが操作入力するための複数の操作スイッチ935を備える。
【0030】
図3は、本実施形態における絵画部914の構成例を示す図である。
本実施の形態において、絵画部914は、画像コンテンツであり、イラストに分類される絵画画像を例示したが、情報が記載された情報部を持つものであればこれに限られることはなく、写真、タイポグラフィーなどそのジャンルは問わない。また、文字情報(本実施形態でいう「画像」に含むものとする)であってもよい。また、2次元画像でも良いし立体視画像でもよい。
【0031】
絵画部914は、赤外光を反射する通常の可視インクによる可視印刷部と、ユーザの肉眼には見えない不可視の赤外線吸収インクで印刷された不可視印刷部とで構成される。本実施の形態では、例えば、近赤外領域の光の吸収率が高い印刷用塗料を用いて不可視印刷部が印刷される。可視印刷部のみを図示すると、
図3(1)に示すようになる。これがユーザの肉眼で把握できる画像すなわち可視光領域での絵画部914の姿である。これに加えて不可視印刷部を模式的に図示すると、
図3(2)に示すようになる。
【0032】
絵画部914の絵画画像の可視印刷部には、単数又は複数の観察対象部30(図示の例では右方の観察対象部30aと左方の観察対象部30bの2箇所)が含まれている。観察対象部30は、それぞれデータ上、固有の特定範囲32(図示の例では右方の特定範囲32aと左方の特定範囲32bの2箇所)として定義されている。本実施形態の特定範囲32は、観察対象部30を囲う矩形領域であって、絵画画像座標系における四隅の座標により定義されている。
【0033】
不可視印刷部は、カメラモジュール955で撮影した場合に、撮影画像に基づいて当該絵画画像中の被撮影位置を識別可能なように、複数のコード画像20が所定の配列規則で並べられて構成されている。換言すれば、絵画部914の絵画画像には、肉眼では判別できないコード画像20が埋め込まれている。なお、本実施の形態において「撮影」とは、写真や動画として画像を記録する行為のみではなく、カメラモジュール955によって画像を認識する行為すべてを含むものとする。
【0034】
コード画像20は、不可視の赤外線吸収インクで印刷されており、可視印刷部は、赤外線領域の光を反射するインクで印刷されているため、赤外線透過フィルムが設けられたカメラモジュール955で撮影すると、
図3(2)のようにコード画像20を認識し、識別することが可能となる。なお、本実施の形態において、絵画部914に対して赤外線を照射する光源を設けることにより、コード画像20の識別率をより向上させることができるため好ましい。例えば、円板型筐体部932の裏面側に赤外LEDを設け、カメラモジュール955の被写体に対し赤外光が照射されるようにすることができる。
【0035】
コード画像20は、それぞれが固有の情報を担持するコードである。そして、複数のコードが所定規則で配列されている。具体的には、上から一列目には正姿勢のコード画像20が所定間隔で配置される。上から二列目には正姿勢から45°反時計回りに回転させた傾斜姿勢のコード画像20が、一列目のコード画像20の間隔とは半分ずれた所定間隔で配置される。三列目は一列目のコード画像20を左右反転させた状態で配置され、四列目は二列目と同様に、正姿勢から45°反時計回りに回転させた傾斜姿勢のコード画像20が、三列目のコード画像20の間隔とは半分ずれた所定間隔で配置される。なお、一列当たりのコード画像20の数や、列数は適宜設定可能である。但し、採光スカート938を絵画部914に当てて近接撮影した場合に、撮影画像中に少なくとも1つのコード画像20が含まれるように、コード画像20の配置規則(配置数を含む)を定めると良い。撮影画像に含まれたコード画像20から撮影位置や撮影角度等を把握するためである。なお、撮影画像中に少なくとも2つのコード画像20が含まれるように撮影し、2つ以上のコード画像を判別することにより、より正確に被撮影位置を算出できるため好ましい。
【0036】
コード画像20がそれぞれ固有の情報を担持していること、また傾斜姿勢で配列されていることから、カメラモジュール955で撮影した撮影画像に写っているコード画像20を識別・解読することにより、当該撮影画像が絵画部914の絵画画像の何処を撮影しているかを知ることができる。換言すれば、被撮影位置を知ることが可能であり、絵画画像の座標系における撮影画像の中心位置座標を知ることができる。
【0037】
印刷されているコード画像20のコードパターン(コード情報)には、ページ912毎すなわち絵画部914毎に固有の情報と、当該絵画部914中の位置情報と、当該コード画像20が当該絵画部914に対してどの向きで印刷されているかを示す向きの情報とが含まれている。また、コード画像20そのものに向きがある。したがって、撮影したコード画像20から、今現在、カメラモジュール955がどの絵画部914を撮影しているか、その絵画部914中のどの位置を撮影しているかの大まかな位置、どの角度(ページ912に向かって時計回り/反時計回りの回転角度)で撮影しているかを知ることができる。また、撮影した2つ以上のコード画像の距離から、その絵画部914中のどの位置を撮影しているかの詳細な位置を知ることができる。
【0038】
不可視印刷部の目的は、絵画画像をカメラモジュール955で近接撮影した場合に、撮影画像に基づいて当該絵画画像中の被撮影位置を識別可能にすることである。言い換えると、絵画画像のうちの撮影している位置或いは範囲、又は当該範囲を定義するための代表位置を識別可能にすることである。
よって、不可視印刷部の構成は本実施形態の例に限らず、例えば、ドットの分布によって識別情報を定義する構成としてもよい。また、通常の可視のインクで描画されたコード画像やドット分布としてもよい。あるいは、カメラモジュール955で撮影した可視印刷部の画像内容自体を画像パターン認識で逐次識別することにより、撮影している位置或いは範囲、又は当該範囲を定義するための代表位置を識別する構成とすることも可能である。その場合、不可視印刷部それ自体や、赤外線透過フィルム、赤外光源等を省略することができ、好適である。
【0039】
図4は、ルーペ型ハンディ機器930における画像表示の例について説明するための図である。
ユーザは、あたかもルーペで昆虫を観察するかのごとく、ルーペ型ハンディ機器930の把持部936を手で握って、採光スカート部938(
図2参照)の端面がページ912に当たるようにしてルーペ型ハンディ機器930を絵画部914へ当てる。そして、覗き窓部940を覗き見る。
【0040】
ルーペ型ハンディ機器930は、逐次、ページ912をカメラモジュール955で撮影し、撮影画像の中にコード画像20の検出とコード画像20の解析とを行う。そして、撮影画像に写ったコード画像20から今現在どの絵画部914を撮影しているか、絵画部914中のどの位置を撮影しているか、どの角度で撮影しているかを判別する。
【0041】
前述のようにルーペ型ハンディ機器930のICメモリ952には、全ての絵画部914と同じ絵画画像を表示部に表示可能な画像データが記憶されている。ルーペ型ハンディ機器930は、今撮影している絵画部914の絵画画像のうちの被撮影範囲と一致する範囲の部分画像W2をICメモリ952から抽出してタッチパネル942に表示させる。つまり、ルーペ型ハンディ機器930のタッチパネル942には、撮影されている絵画部914の撮影画像は表示されない。よって、覗き窓部940を覗き込んでいるユーザには、タッチパネル942越しにルーペ型ハンディ機器930を当てている部分の絵画部914の部分画像W2が見える。
図4の例では、画像左上の森の上にルーペ型ハンディ機器930を当てているので、森の様子が描かれた部分の部分画像W2が表示されている。ルーペ型ハンディ機器930をずらせば、部分画像W2として表示される画像もスクロール表示されて追従して変化するので、ユーザの感覚としては、タッチパネル942がまるでルーペのレンズであるかのように感じられる。
【0042】
なお、本実施の形態では、ICメモリ952から抽出される部分画像W2は、部分画像W2の輪郭が、被撮影範囲の画像の輪郭と一致する画像であればよく、必ずしも画像自体の内容まで一致させる必要はない。例えば、被撮影範囲の画像と異なる彩色がされていたり、特別演出を行う画像が追加された画像を部分画像として表示してもよい。被撮影範囲の画像と部分画像とを異ならせることにより、より面白い表示をさせることが可能であり、興趣性の向上したルーペ型ハンディ機器930を提供することができる。
【0043】
なお、念の為の繰り返しの説明となるが、ルーペ型ハンディ機器930のタッチパネル942に表示されるのは、撮影画像そのものではない。ICメモリ952に記憶された絵画画像の画像データのうち、撮影画像から判別した撮影範囲に対応する部分画像が、タッチパネル942に表示されるのである。本実施の形態のように、ICメモリ952に記憶された絵画画像の画像データのみを表示部に表示することにより、本来なら表示部に表示されるであろうコード画像が表示部に表示されないため、コード画像の表示部への写りこみを気にする必要がなくなり、簡単な構成で絵画部の絵画画像とコード画像のデザインの自由度を向上させることができる。
【0044】
図5および
図6は、撮影画像に特定範囲32が含まれる場合のルーペ型ハンディ機器930における画像表示の例について説明するための図である。
カメラモジュール955で撮影された撮影画像内に特定範囲32の一部又は全部が含まれていると判断された場合、ルーペ型ハンディ機器930は、当該特定範囲32に対応する観察対象部30に係る「特別画像」を部分画像上に表示する。換言すると、被撮影位置が所定の位置条件を満たしたと判断して、部分画像上に特別画像を表示する。
【0045】
「特別画像」とは、撮影されている絵画画像中の観察対象部30の様子の違いを現す単数または複数の画像要素で構成される。ルーペ型ハンディ機器930は、特定範囲32と対応付けられた特別画像の定義データを予め記憶しており、当該定義データでは「表示条件」毎に画像要素データが格納されている。本実施形態の特別画像を構成する1つの画像要素はアニメーション(動画)とするが静止画でもよい。そして、「表示条件」の設定の仕方によって、本実施形態の特別画像は2タイプある。
【0046】
図5の例は、「表示条件」として、最初に当該特定範囲32を撮影した日時からの経過時間を設定したタイプである。
図5の例では、絵画部914の右方の観察対象部30aには、鉢植えとそれを育てる眉毛ウサギのキャラクタとが描かれているが、鉢植えには芽が出ていない。観察対象部30aの特定範囲32aを最初に撮影した日時からの経過時間が1日目〜2日目では、水やりをするウサギの姿をアニメーションする第1の画像要素W41が特別画像として選択されてタッチパネル942に表示される。経過時間が3日目〜5日目までは、芽が出た様子の第2の画像要素W43が選択されて表示される。6日目〜8日目までは蕾がついた様子の第3の画像要素W46が選択されて表示される。そして、経過時間が9日目以降になると、開花した様子の第4の画像要素W49が選択されて表示される。なお、ここでは特別画像を構成する画像要素を4種類として説明したが、これらの途中経過や第4の画像要素W49の更に後の様子(例えば、花が枯れて種を付け、全体が枯れるまで)を含むように更に多くの画像要素を用意してもよい。
【0047】
図6の例は、「表示条件」として、撮影している現在日時を条件とするタイプである。例えば、撮影した時の季節、月、曜日、日、時間帯、時刻、祝日の識別(例えば子供の日等)、夏休み、クリスマス期間、などを表示条件として適宜設定可能である。そして、現在日時が適合する表示条件に対応づけられた特別画像の画像要素を選択して表示させる。
図6の例では、絵画部914の左方の観察対象部30bには、朝顔の鉢植えとそれを見ている斑ウサギのキャラクタとが描かれているが、鉢植えの花は咲いていない。ユーザがルーペ型ハンディ機器930を使っている時刻が、午後6時以降〜翌午前5時までであれば、当該時間帯に対応づけられている第1の画像要素W61(カメラモジュール955で撮影しているのと同じ内容)が表示される。しかし、ルーペ型ハンディ機器930を使っている時刻が午前5時以降〜午後6時までであれば、当該時間帯に対応付けられた第2の画像要素W62(花が咲いた様子)が表示される。
なお、ここでは特定範囲32bに対応付けられる特別画像を構成する画像要素を2種類として説明したが、これらの途中経過や第2の画像要素W62の更に後の様子(例えば、夕方以降の花がしぼんだ様子)を含むように更に多くの画像要素を時間帯と対応付けて用意してもよい。
【0048】
そして、ルーペ型ハンディ機器930は、
図5や
図6のように表示した特別画像の画像表示履歴を記憶し、ユーザが過去に表示した特別画像を任意のタイミングで再現表示することができる。これを「記録表示機能」と呼ぶが、想定されるユーザが子供なので、子供向けには「観察図鑑モード」と呼ぶと好適であろう。
【0049】
図7は、観察図鑑モードにおける画面表示例を示す図である。
操作部934あるいはタッチパネル942にて所定の記録表示開始操作が入力されると、ルーペ型ハンディ機器930は記録表示画面W8を表示する。記録表示画面W8は、メニュー表示部40と、指定位置表示部41と、記録表示部42とを有する。
【0050】
メニュー表示部40には、観察対象部30別に、過去に表示した特別画像のサムネイル43がスクロール表示可能に表示される。ユーザは再度表示させたい特別画像を示すサムネイル43を指定位置表示部41に合わせるようにスライド操作する。
【0051】
ルーペ型ハンディ機器930は、指定位置表示部41に合わされたサムネイル43に対応付けられる過去に表示した特別画像を、記録表示部42にて画像要素別にスクロール表示可能に表示する。記録表示部42の画像要素へのタッチ操作を検出すると、画面表示例W10に示す様に、当該画像要素を拡大表示させる。
【0052】
なお、記録表示画面W8には、記録表示終了操作アイコン44が含まれる。当該アイコンをタッチ操作すると、あるいは操作部934にて所定の操作を行うと、記録表示画面W8の表示を終了させることができる。
【0053】
また、本実施の形態において、ルーペ型ハンディ機器930は、更に音声出力部を備えてもよい。表示部への画像の表示に伴い、音声を出力させることにより、より使用者の興味をそそるルーペ型ハンディ機器を提供することができる。
【0054】
[機能構成の説明]
図8は、ルーペ型ハンディ機器930の機能構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態のルーペ型ハンディ機器930は、操作入力部100と、撮影部102と、制御部200と、画像表示部372と、記憶部500とを備える。
【0055】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を制御部200へ出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、などによって実現できる。
図2の例では操作スイッチ935や、タッチパネル942がこれに該当する。
【0056】
撮影部102は、撮影画像の画像データを制御部200へ出力する。
図2の例ではカメラモジュール955がこれに該当する。
【0057】
制御部200は、例えばCPU、GPU、半導体メモリ等を1つの半導体素子上に集積したSoCやマイクロコントローラICによって実現され、操作入力部100や撮影部102、記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、撮影部102からの画像データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、ルーペ型ハンディ機器930の動作を統合的に制御する。
図2の例では制御基板950に含まれるものである。
【0058】
そして、本実施形態における制御部200は、不可視コード識別部202と、コード判別部204と、被撮影位置識別部206と、部分画像表示制御部208と、特別画像表示制御部210と、特別画像表示履歴記憶制御部220と、記録表示制御部222と、時計部226と、画像生成部272と、を有する。
【0059】
不可視コード識別部202は、撮影部102で撮影された撮影画像の画像データを画像解析して、画像内に写っているコード画像20を検出して、コードパターンやコード画像20の向き等を識別する。
【0060】
撮影絵画判別部204は、不可視コード識別部202により識別されたコード画像20から絵画部914の種類(複数用意された絵画部914のいずれであるか)を判別する。
【0061】
被撮影位置識別部206は、撮影されている絵画部914の画像中の相対的な被撮影位置を識別する。
具体的には、不可視コード識別部202によって識別されたコードパターンから絵画部914中の位置を判別し、また、当該コード画像20が写っている向きから絵画部914に対する撮影向きを判別する。この判別位置および判別向きから、撮影された位置(被撮影位置。被撮影範囲とも言える)を割り出す。また、本実施形態では撮影部102の焦点距離は採光スカート部938によって固定と判断できるため、判別位置および判別向きから、撮影された位置が求められる。
【0062】
部分画像表示制御部208は、被撮影位置識別部206により識別された被撮影位置に対応する絵画部914の中の部分画像W2(
図4参照)を画像表示部372に表示制御させる。
【0063】
特別画像表示制御部210は、被撮影位置識別部206により識別された被撮影位置が所定の特別画像を表示するための位置条件を満たした場合に、画像表示部372に表示する部分画像W2の上に、撮影絵画判別部204により判別された絵画部914に対応づけられた特別画像を表示させる。そして、本実施形態では、計時情報に基づいて特別画像を可変に制御するために、計時情報対応画像選択部として、現在日時対応画像選択部212と、時間経過対応画像選択部214とを有する。
【0064】
本実施形態では、観察対象部30を囲う特定範囲32が撮影画像に含まれる場合(逆説的に言えば、撮影画像の中心位置座標が特定範囲32に含まれる場合)に、位置条件を満たしたと判定する。そして、現在日時対応画像選択部212は、現在日時に応じて表示する特別画像となる画像要素を選択する(
図6参照)。時間経過対応画像選択部214は、位置条件を満たした初回日時(観察対象部30を最初に被写体とした日時)から現在までの時間経過に応じて表示する特別画像となる画像要素を選択する(
図5参照)。
【0065】
特別画像表示履歴記憶制御部220は、画像表示部372に表示させた特別画像の履歴を記憶部500に記憶させる。
【0066】
記録表示制御部222は、記録表示画面W8(
図7参照)を画像表示部372に表示させ、特別画像表示履歴記憶制御部220が記憶させた履歴に基づいて、過去に表示した特別画像を画像表示部372に表示させる。
【0067】
時計部226は、日時を計時する。
図2の時計部953がこれに該当する。
【0068】
画像生成部272は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号コントローラ、ビデオコーデックなどのプログラムや回路、フレームバッファ等の描画フレーム用半導体メモリ等によって実現される。
そして、画像生成部272は、部分画像表示制御部208や、特別画像表示制御部210、記録表示制御部222の制御に従って、所定の1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画像を生成し、生成した画像の画像信号を画像表示部372に出力する。
【0069】
画像表示部372は、画像生成部272から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。
図2のタッチパネル942がこれに該当する。
【0070】
記憶部500は、制御部200にルーペ型ハンディ機器930を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラム、各種データ等を記憶する。また、制御部200の演算処理の作業領域として用いられ、制御部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部100から入力される入力データ、撮影部102から入力された画像データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどの半導体メモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図2の例では制御基板950が搭載するICメモリ952やSoC951に内蔵される半導体メモリがこれに該当する。
【0071】
図9は、本実施形態の記憶部500に記憶されるプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態の記憶部500には、システムプログラム501と、ハンディ機器制御プログラム502と、絵画部識別定義データ510と、絵画部定義データ520と、特別画像定義データ530と、が記憶されている。その他、使用に応じて、撮影対象絵画部ID550や、被撮影位置定義データ552、特別画像表示履歴データ560,計時用のタイマやカウンタ、各種フラグなどの情報が記憶される。
【0072】
システムプログラム501は、ルーペ型ハンディ機器930にコンピュータとしての入出力の基本機能を実現させるための基本プログラムである。
【0073】
ハンディ機器制御プログラム502は、制御部200に不可視コード識別部202等の各機能部を実現させるためのプログラムである。
【0074】
絵画部識別定義データ510は、本体部910が備える絵画部914別に用意される。1つの絵画部識別定義データ510は、当該絵画部914に含まれる各コード画像の情報(コードパターンや、当該絵画部に埋め込まれた(印刷された)位置、向きなどの情報)と、当該絵画部914を識別するための絵画部IDとを格納する。勿論、これら以外のデータ、例えば絵画部914毎にコード画像の配列規則を変更する場合には、その配列規則の情報なども適宜格納することができる。
【0075】
絵画部定義データ520は、本体部910が備える絵画部914別に用意され、それぞれの絵画部914を定義する。1つの絵画部定義データ520は、例えば
図10に示すように、絵画部ID521と、絵画画像データ522と、特定範囲定義データ523に対応付けられた特別画像ID524とを含む。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。
【0076】
絵画画像データ522は、対応する絵画部914と同じ画像座標系を有し、同じ内容を表示するためのデータである。本実施形態では2次元画像データである。
【0077】
特定範囲定義データ523は、対応する絵画部914に設定されている観察対象部30別の特定範囲32を定義する(
図3参照)。本実施形態の特定範囲32は矩形領域なので、絵画画像データ522の画像座標系における矩形領域四隅の各座標を格納する。
【0078】
特別画像ID524は、観察対象部30およびその特定範囲32に対応づけられる特別画像を示す。
【0079】
図9に戻って、特別画像定義データ530は、特別画像毎に用意され、当該特別画像の構成を定義する。1つの特別画像定義データ530は、例えば
図11に示すように、特別画像ID531と、画像要素用表示原点座標535と、表示条件540と対応付けられた画像要素ID541および画像要素データ543とを含む。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。
【0080】
画像要素用表示原点座標535は、絵画部914の画像の何処に特別画像を表示するかの基準位置を定義する。
【0081】
表示条件540は、対応する画像要素データ543を表示させるための条件である。本実施形態では前述のように、最初に撮影した日時からの経過時間を設定するタイプ(
図5参照)と、撮影した現在日時が比較対象となる日時の条件を設定するタイプ(
図6参照)との2タイプがある。
【0082】
画像要素データ543は、特定範囲32と同じサイズの画像要素を定義するデータである。
図5における第1の画像要素W41〜第4の画像要素W49、
図6における第1の画像要素W61および第2の画像要素W62も当該データで定義される。画像要素用表示原点座標535に基づいて表示すると丁度、特定範囲32を覆う位置に画像要素が表示される。
【0083】
図9に戻って、撮影対象絵画部ID550は、現在撮影されている絵画部914の絵画部IDを格納する。
【0084】
被撮影位置定義データ552は、現在撮影されている絵画部914の画像中における相対的な被撮影位置すなわち撮影されている部分を定義するための情報を格納する。本実施形態では、撮影画像中心位置座標554と、回転角度556と、被撮影範囲の四隅の位置座標を示す範囲四隅位置座標リスト558とを含む。
なお、本実施形態では、ルーペ型ハンディ機器930は、採光スカート部938をページ912に当てるようにして使用されるので、カメラモジュール955の光軸Lは、絵画部914の印刷面に対して垂直または略垂直となる所定の相対姿勢に維持される。そのため、回転角度556は垂直軸周りの回転成分(光軸L周りのロール角度)のみとする。しかし、採光スカート部938を設けない構成では、ページ912に対する相対姿勢は必ずしも一定にはならないので、光軸L周りのロール角度に加えて、ピッチ角度と、ヨー角度とを加えることができる。
【0085】
特別画像表示履歴データ560は、特別画像が表示される都度、表示日時561と対応づけて、表示した特別画像の特別画像ID563と、当該特別画像の画像要素ID565とが格納される。なお、特別画像表示履歴データ560は、所定の履歴消去操作をすると全履歴が抹消されるものとする。
【0086】
[処理の流れの説明]
図12は、ルーペ型ハンディ機器930における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
制御部200は、カメラモジュール955で撮影した撮影画像内にコード画像20が含まれているか否か判定する(ステップS2)。
【0087】
肯定の場合(ステップS2のYES)、制御部200は撮影画像内のコード画像20のコードパターンから、今現在撮影されている絵画部914の種類を識別する(ステップS4)。そして、撮影対象絵画部ID550(
図9参照)には、識別した絵画部914の絵画部IDが設定される。
【0088】
次いで、制御部200は識別された絵画部914の画像中における被撮影位置を特定する(ステップS8)。具体的には、コードパターンや、コード画像20が写っている撮影画像中の位置および向きに基づいて、絵画部914のどこを撮影しているか、および撮影角度(撮影方向に対するロール角:時計回り/反時計回りの角度)を特定し、被撮影範囲の四隅の座標を算出する。
【0089】
そして、撮影対象絵画部ID550に合致する絵画部ID521(
図10参照)を有する絵画部定義データ520の絵画画像データ522に基づいて、被撮影位置に対応する部分画像をタッチパネル942に表示させる(ステップS10)。
【0090】
もし、撮影画像(被撮影範囲)内に特定範囲32の全体または一部が含まれているならば、特定画像を表示するための位置条件を満たしていると判断し(ステップS30のYES)、制御部200は、該当する特定範囲32に対応する特別画像を選択して(ステップS32)、ステップS10で表示している部分画像上に重ねて画面表示する(ステップS34)。
【0091】
具体的には、特定範囲定義データ523(
図10参照)が定義する特定範囲32毎に、当該特定範囲が被撮影位置定義データ552の示す被撮影範囲内にその一部又は全体が含まれているかを判定する。
含まれている場合に、該当する特定範囲定義データ523に対応づけられている特別画像ID524と合致する特別画像定義データ530を参照する(
図11参照)。そして、参照した特別画像定義データ530の表示条件540の中から適合する条件を検索し、適合した表示条件540に対応する画像要素データ543を選択して読み出し、画像要素用表示原点座標535に基づいて、ステップS10で画面表示を開始した部分画像上に表示させる。前述のように、画像要素データ543が定義する画像要素は、観察対象部30を囲う特定範囲32と同じサイズで、且つその真上に重ね表示される。よって、タッチパネル942に表示されている画面表示上では、観察対象部30の様子が変化したかのように見える。
【0092】
次いで、制御部200は特別画像の表示履歴を記憶する(ステップS36)。
すなわち、特別画像表示履歴データ560(
図9参照)に、現在日時を新たな表示日時561として設定し、これに対応づけられる画像要素ID565には、ステップS34で画像表示した画像要素データ543の画像要素ID541(
図11参照)を格納し、特別画像ID563には特別画像ID531(
図11参照)を設定する。
【0093】
そして、所定の記録表示開始操作が検出されると(ステップS50のYES)、制御部200は、タッチパネル942に記録表示画面W8(
図7参照)を表示させる(ステップS52)。
【0094】
そして、メニュー表示部40での選択操作に応じて記録表示部42にて過去に表示した特別画像を表示させる(ステップS54)。具体的には、所定位置(指定位置表示部41の上)にあるサムネイル43に対応する画像要素データ543と同じIDの特別画像ID563に対応する画像要素ID565を読み出して、記録表示部42に表示させる。
【0095】
所定の記録表示終了操作が検出されると(ステップS56のNO)、記録表示画面W8の表示が解除される(ステップS58)。
【0096】
一方、ステップS2にて、撮影画像にコード画像20が写っていなければ(ステップS2のNO)、撮影が正しく行われていない(絵画部914に採光スカート部938を当てた状態で撮影していない)として、撮影画像を消去し、画面には何も表示しない等の撮影が正しく行われていない旨を示す所定表示とする(ステップS60)。
【0097】
また、本発明に係る情報提供プログラムは、換言すれば、撮影部(例えば、カメラモジュール955)、及び表示部(例えば、タッチパネル942)を備えたコンピュータを、表示用画像データ(例えば、絵画画像データ522)を記憶する表示用画像データ記憶手段、情報部(例えば、絵画部914)に記載された画像を前記撮影部で認識した場合に、前記撮影部で認識した画像に基づいて、前記情報部中の被撮影位置を識別する被撮影位置識別手段、前記被撮影位置識別手段により識別された被撮影位置に基づいて、前記表示用画像データ記憶手段に記憶された表示用画像データから前記表示部に表示させる部分画像データを生成し、当該部分画像データに基づく部分画像を前記表示部に表示制御させる部分画像表示制御手段、として機能させる情報提供プログラムであって、前記部分画像の輪郭は、前記撮影部で認識した画像の輪郭と少なくとも一部が一致する情報提供プログラムである。
【0098】
本実施形態によると、ハンディ機器で絵画部の絵画画像を観察する(撮影する)と、ハンディ機器の表示部には絵画画像のうち撮影されている範囲に対応する部分画像が表示される。例えば、絵画画像を昆虫の写真とすれば、あたかもハンディ機器で昆虫を観察しているかのような疑似的な観察行為を体感できる。また、記憶部に記憶された画像データのみを表示部に表示することにより、本来なら表示部に表示されるであろうコード画像が表示部に表示されないため、コード画像の表示部への写りこみを気にする必要がなくなり、絵画部の絵画画像とコード画像のデザインの自由度を向上させることができる。
【0099】
本実施形態によると、ハンディ機器の表示部に表示される画像に、絵画部には描かれていない特別画像を表示させることができる。すなわち、「肉眼では見えないものが画面越しでは見える」体感を提供することができる。前述のごとく、こうした体感はとても印象が強い。よって、擬似的な体感であるが“観察する行為”の楽しさを印象づけ、子供の知育によい効果をもたらすことができる。
【0100】
また、本実施形態によると、ハンディ機器で絵画部を観察した(撮影した)日時や観察開始からの時間経過などに応じて特別画像の内容を変化させることができる。例えば、所定の時間帯(例えば、早朝)にしか見ることのできない内容の特別画像を用意しておいて子供がそれを上手く見ることができれば、観察時間の大切さを印象づけることができる。
【0101】
また、本実施形態によると、観察記録とそれを後から再び見る行為を疑似的に体験させることができる。
【0102】
また、本実施形態によると、絵画部を観察する(撮影する)位置によって表示部に表示される内容が変化するので、子供に絵画部の隅々まで観察する意欲を湧かせることができる。
【0103】
また、本実施形態によると、コード画像の配置関係から被撮影位置を割り出すことができる。絵画画像の部分部分をその都度画像認識技術で判定して被撮影位置を割り出す構成よりも遙かに演算負荷が少なく済む。制御部を実現する上で、それほど高い処理能力の演算装置を用いなくてもよくなるので、ハンディ機器の製造コストを削減することができる。
【0104】
また、本実施形態によると、ハンディ機器を、観察行為の代表的なアイテムである“ルーペ“を模したデザインとすることで、擬似体感であっても観察行為の雰囲気を高めることができる。
【0105】
以上、本実施形態によれば、ユーザは、ルーペで対象を観察するようにルーペ型ハンディ機器930を絵画部914に当てて覗き窓部940を覗き込めば、時間経過やその時々によって観察対象部30が変化した様子を見ることができる。よって、時間をかけて観察したり、時間を変えて観察することで新しい発見をする擬似体験を提供することができる。観察対象部30の内容は、当然のことながら自然科学分野のものから、家庭料理の過程などさまざま設定が可能で有り、広く多様な分野の疑似体験をユーザに与えることができる。
【0106】
〔変形例〕
なお、本発明の適用形態は上記実施形態に限らず、適宜構成要素の変更・追加・省略ができる。
【0107】
例えば、ルーペ型ハンディ機器930は、上記実施形態のように専用設計の機器とする構成に限らない。スマートフォンやタブレット機器などの携帯型電子機器に、ハンディ機器制御プログラム502(
図9参照)と、絵画部識別定義データ510と、絵画部定義データ520と、特別画像定義データ530とを記憶させて、ハンディ機器制御プログラム502をアプリケーションとして実行させることにより実現するとしてもよい。但し、この構成の場合、採光スカート部938に相当するパーツを用意する事ができないので、所定の近接撮影時(適切な撮影距離の場合)にのみ絵画部914の画像や特別画像を表示するように制御することで実現することができる。具体的には、ステップS2でコード画像20を正しく認識できた場合にのみ、ステップS6以降の処理が実行されるようにすればよい。なお、もちろん携帯型電子機器に着脱可能な採光スカート部938に相当するパーツを別途用意し、使用時に装着して使用するようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施の形態では、子供向けの玩具システムを例に説明したが、もちろんこれに限られることはない。例えば、大人向けコンテンツを実行する情報提供システムに適用することも可能である。