(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定金具は、前記第1の太陽電池モジュールまたは前記第2の太陽電池モジュールに対して、前記固定面に平行かつ前記第1の方向に垂直な第2の方向側に並べられた第3の太陽電池モジュールと、前記第1の太陽電池モジュールまたは前記第2の太陽電池モジュールとの複数枚を固定することを特徴とする請求項4から6のいずれか1つに記載の太陽電池システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態にかかる固定金具および太陽電池システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池システムの斜視図である。
図2は、
図1に示すI−I線に沿って見た矢視断面図である。太陽電池システム900は、
図1,2に示すように、建造物の屋根1上に設けられた太陽電池モジュール(被固定物)2と、屋根1上に固定される架台4と、架台4に固定されて太陽電池モジュール2を屋根1上に固定する固定金具6と、を備えて構成される。本実施の形態1では、屋根1は傾斜屋根である。
【0013】
図面において、矢印Xに示す方向が軒側であり、矢印Yに示す方向が棟側である。また、軒側に配置された太陽電池モジュール2を第1の太陽電池モジュール(被固定物)2aともいい、棟側に設けられた太陽電池モジュール2を第2の太陽電池モジュール(被固定物)2bともいう。すなわち、第1の太陽電池モジュール2aと第2の太陽電池モジュール2bとは、屋根1の傾斜方向(第1の方向)に沿って並べて設置される。図面では、棟側と軒側に並べた2枚の太陽電池モジュール2のみが示されているが、実際には多数の太陽電池モジュールが縦横に並べて設置されることが多い。
【0014】
図3は、太陽電池モジュール2の断面図である。太陽電池モジュール2は、太陽電池パネル20と保持枠200とを有する。太陽電池パネル20は、平面視において長方形形状となる板状形状を呈する。太陽電池パネル20は、受光面20aに光が入射することで電力を発生させる。
【0015】
保持枠200は、太陽電池パネル20の周囲を囲んで、太陽電池パネル20を保持する。保持枠200は、金属製、例えばアルミニウム製の枠部材である。保持枠200は、側面部201、受光面側突部202、裏面側突部203、底部204、フランジ部205を有する。
【0016】
側面部201は、太陽電池パネル20の側面と平行に延びる。受光面側突部202と裏面側突部203は、側面部201から太陽電池パネル20側に突出されて、太陽電池パネル20を受光面20a側とその裏面20b側から挟持する。底部204は、裏面側突部203よりも屋根1側に設けられて、側面部201から太陽電池パネル20側に突出される。フランジ部205は、底部204よりも太陽電池パネル20側に設けられて、側面部201から太陽電池パネル20と反対側に突出される。
【0017】
以上のように構成された保持枠200が、太陽電池パネル20の周囲を囲むように設けられる。なお、以下の説明において、太陽電池パネル20の周囲を囲む保持枠200のうち、軒側に設けられる保持枠200を下側保持枠200aともいい、棟側に設けられる保持枠200を上側保持枠200bともいう。
【0018】
図4は、固定金具6の断面図である。固定金具6は、屋根1に固定された架台4の固定面401上に固定される。なお、以下の説明において、固定面401に対して鉛直であって屋根1から離れる方向を上方とし、その反対方向を下方とする。
【0019】
固定金具6は、固定部600と、第1係合部601と、第2係合部602と、当接部604とを備える。固定部600は、第1の太陽電池モジュール2aと第2の太陽電池モジュール2bとの間に位置する。固定部600には、締結ねじ8の軸部803を貫通させる貫通孔603が形成されている。貫通孔603に軸部803を貫通させた締結ねじ8で、固定金具6が固定面401に固定される。
【0020】
第1係合部601は、固定部600から軒側に延びて、固定面401との間に太陽電池モジュール2の端部(上側保持枠200bのフランジ部205)を挟持させる。第2係合部602は、固定部600から棟側に延びて、固定面401との間に太陽電池モジュール2の端部(下側保持枠200aのフランジ部205)を挟持させる。
【0021】
当接部604は、固定部600の下端から棟側に向けて突出され、第2の太陽電池モジュール2bの下側保持枠200aと架台4の固定面401との間に入り込んで、下側保持枠200aを下方から支持する。貫通孔603が形成される貫通孔形成面605は、第2係合部602側が第1係合部601側よりも低くなるように、固定面401よりも第2係合部602側に傾けて形成される。貫通孔形成面605と固定面401とがなす角度は、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の軸線801が第1係合部801および第2係合部602と重ならない角度である。
【0022】
したがって、貫通孔形成面605と固定面401とがなす角度は、第2係合部602の突出量や、第2係合部602と固定面401との距離によって定まる角度である。本実施の形態では、貫通孔形成面605と固定面401とがなす角度θ1を45度としている(軸線801と固定面401の鉛直方向とがなす角度θ2も45度となる)。
【0023】
貫通孔603は、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分の内側に形成される。これにより、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802が、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分の内側に収まる。
【0024】
固定部600には、軒側に配置される太陽電池モジュール2(第1の太陽電池モジュール2a)に側面から当接する第1当接面600aが形成されている。固定部600には、棟側に配置される太陽電池モジュール2(第2の太陽電池モジュール2b)に側面から当接する第2当接面600bが形成されている。より具体的には、固定部600と当接部604との境界部分から上方に突出する突部の一面が第2当接面600bとなる。
【0025】
次に、上述した太陽電池モジュール2を、固定金具6を用いて屋根1上に固定する手順について説明する。
図5から
図11は、太陽電池モジュール2の固定手順を説明する図である。屋根1上には、固定面401が形成された架台4が、木ねじ5(
図1も参照)を用いて固定されている。
【0026】
まず、軒側に設けられる第1の太陽電池モジュール2aよりも軒側となる位置に固定金具6を固定する(
図5を参照)。具体的には、架台4の中空部402にナット7を挿通し、固定金具6に形成された貫通孔603に締結ねじ8の軸部803を挿通して、ナット7に形成された雌ねじ701に締結ねじ8の軸部803を螺合させる。
【0027】
ナット7は、架台4の固定面401と平行に架台4に当接する当接面702を有する。また、ナット7への雌ねじ701の形成方向は、当接面702の鉛直方向に対して、傾けて形成されている。なお、ナット7を締結ねじ8に螺合させた状態で、雌ねじ701の形成方向と貫通孔形成面605の鉛直方向が一致する。すなわち、上述した締結ねじ8の軸線801の傾きを、雌ねじ701の形成方向によっても実現している。
【0028】
次に、第1の太陽電池モジュール2aの下側保持枠200aに形成されたフランジ部205を、固定金具6の第2係合部602の下側に潜り込ませてから(
図6を参照)、太陽電池パネル20が固定面401と平行になるようにして、下側保持枠200aの底部204を固定金具6の当接部604上に載置する(
図7を参照)。
【0029】
これにより、下側保持枠200a(第1の太陽電池モジュール2aの端部)が、固定面401(当接部604)と第2係合部602との間に挟持される。具体的には、第2係合部602がフランジ部205を下方に押し付ける。そして、架台4および当接部604が底部204を上方に押し付ける。なお、下側保持枠200aの側面部201の側面が、固定金具6の第2当接面600bに当接することで、第1の太陽電池モジュール2aの軒側への移動が規制される。
【0030】
次に、第1の太陽電池モジュール2aの上側保持枠200bのフランジ部205に、第1係合部601を上方から被せて、固定金具6が設けられる(
図8を参照)。そして、架台4の固定面401に固定金具6が締結ねじ8で固定される。これにより、上側保持枠200b(第1の太陽電池モジュール2aの端部)が、固定面401と第1係合部601との間に挟持される。ここで、上側保持枠200bの側面部201の側面が、固定金具6の第1当接面600aに当接することで、第1の太陽電池モジュール2aの棟側への移動が規制される。
【0031】
このように、第1係合部601、第2係合部602および固定面401(当接部604)によって保持枠200が挟持されることで第1の太陽電池モジュール2aの上下方向への移動が規制され、第1当接面600aおよび第2当接面600bによって太陽電池モジュール2aの軒側および棟側への移動が規制されて、第1の太陽電池モジュール2aが屋根1上に固定される。なお、第1の太陽電池モジュール2aを固定する前に、予め架台4にナット7を挿通して締結ねじ8を軽く締め付けることで、上側保持枠200bを挟持する固定金具6を仮組固定しておいてもよい。この場合、上側保持枠200bを固定金具6で挟持する際に、フランジ部205に第1係合部601を被せてから締結ねじ8の本締めが行われる。
【0032】
次に、第2の太陽電池モジュール2bの下側保持枠200aに形成されたフランジ部205を、第1の太陽電池モジュール2aの上側保持枠200bを挟持している固定金具6の第2係合部602の下側に潜り込ませてから(
図9を参照)、太陽電池パネル20が固定面401と平行になるようにして、下側保持枠200aの底部204を当接部604上に載置する(
図10を参照)。
【0033】
これにより、下側保持枠200a(第2の太陽電池モジュール2bの端部)が、固定面401と第2係合部602との間に挟持される。また、下側保持枠200aの側面部201と側面が、固定金具6の第2当接面600bに当接することで、第2の太陽電池モジュール2bの軒側への移動が規制される。
【0034】
そして、第1の太陽電池モジュール2aの上側保持枠200bを固定したのと同様に、第2の太陽電池モジュール2bの上側保持枠200bを固定金具6で固定することで、第1の太陽電池モジュール2aと第2の太陽電池モジュール2bとが、傾斜方向に沿って並べて屋根1上に固定される(
図11を参照)。
【0035】
以上説明した太陽電池システム900によれば、
図2,5等に示すように、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802は、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分の内側に収まっているにもかかわらず、締結ねじ8の軸線801が第2係合部602と重ならずに棟側にずれているので、第2係合部602を避けて頭部802に工具を係合させてねじ締め作業を行うことができる。例えば、
図2,5に示すように、六角形の形状に形成された頭部802に、電動ドライバー9に取り付けたソケットレンチ10を係合させてねじ締め作業を行うことができる。その際に、ソケットレンチ10は第2係合部602に干渉しない。
【0036】
このように、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802を、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分の内側に収めることで、太陽電池モジュール2の間に締結ねじ8の頭部802の幅を設けずに済むため、太陽電池モジュール2の平面的な設置面積の縮小化を図ることができる。
【0037】
例えば、
図11に示すように、第1の太陽電池モジュール2aにおいて、下側保持枠200aのフランジ部205の先端から上側保持枠200bのフランジ部205の先端までの長さLを858mmとし、締結ねじ8の軸部803の外径寸法Dを8mmとすると、第1の太陽電池モジュール2aと第2の太陽電池モジュール2bとの隙間Wは、固定金具6の肉厚2mmに若干のクリアランスを加えた3mmで済む。
【0038】
また、屋根1の傾斜方向に沿った太陽電池モジュール2の取付ピッチは、858mm+3mm=861mmである。この取付ピッチは、下側保持枠200aのフランジ部205の先端から上側保持枠200bのフランジ部205の先端までの長さLである858mmに、締結ねじ8の軸部803の外径寸法Dである8mmを足した866mmより5mm短くなっている。
【0039】
また、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802が、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分よりもはみ出している場合には、太陽電池モジュール2の下方に締結ねじ8の頭部802を潜り込ませるために、締結ねじ8の頭部802よりも高い位置に当接部604を形成したり、頭部802を収める台座を形成したりする必要がある。
【0040】
一方、本実施の形態では、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802が、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分の内側に収めているので、固定金具6の当接部604を締結ねじ8の頭部802よりも上方に設けずに済む。したがって、屋根1から太陽電池モジュール2までの距離を抑えて、美観の向上や、固定の安定化を図ることができる。本実施の形態では、頭部802の高さが4mmであるのに対して当接部604の厚みは2mmである。また、台座を形成するよりも使用材料を抑えることができるので、製造コストの抑制を図ることができる。また、施工性も向上する。
【0041】
また、上記固定の手順でも説明したように、固定金具6を架台4に固定する際に、軒側と棟側の両方に同時に太陽電池モジュール2を固定せずに、軒側に設けられる第1の太陽電池モジュール2aだけを固定させることができる。したがって、固定を行う作業者は、固定金具6の棟側に立てば、太陽電池モジュール2上に上らずに済むため、太陽電池モジュール2の破損を抑えることができる。
【0042】
また、貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802を、第1係合部601と第2係合部602とを下方に投影した投影部分の内側に収めても頭部802に工具を係合させることができるので、頭部802に工具を係合させやすいように、貫通孔603の上方で第2係合部602を切除せずに済む。これは、
図2の紙面において、固定金具6の手前側および奥側となる端面が1つの平面で形成されると換言することができる。したがって、固定金具6の製造工程において、押出成形によって成形したものを切断する工程以外に、第2係合部602の一部を切除するためのプレス加工等の工数を削減することができる。これにより、製造コストの抑制を図ることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、締結ねじ8の軸線801を第2係合部602と重ねずに棟側にずらすために、貫通孔形成面605を傾けたり、雌ねじ701の形成方向を傾けたりしている。ここで、締結ねじ8の軸線801を第2係合部602と重ねずに棟側にずらす手法は、これらに限られない。例えば、貫通孔603の形成方向を傾けて、締結ねじ8の挿入方向自体を傾けてもよい。すなわち、貫通孔形成面605や雌ねじ701の形成方向に傾きが設けられていない場合であっても、貫通孔603に軸部803を通して固定された締結ねじ8の軸線801を第2係合部602と重ねずに棟側にずらす構成であればよい。
【0044】
図12は、実施の形態1にかかる固定金具6を用いた太陽電池モジュールの固定例を示す平面図である。固定金具6は、押し出し金型によって製造され、任意の長さに切断加工して形成されている。固定面401(
図2も参照)に平行かつ屋根1の傾斜方向と垂直な方向(以下の説明において横方向(第2の方向)ともいう)に並べた複数枚の太陽電池モジュールを同時に挟持できるような長さに固定金具6を切断加工することで、架台4の個数を少なく抑えることができる。特に、大きさの異なる太陽電池モジュールを併設する場合に、架台4の個数を少なく抑えることができる。
【0045】
図12に示す例では、長方形形状を呈して屋根1の傾斜方向に沿って並べられた第1の太陽電池モジュール2a、第2の太陽電池モジュール2bの横に、面積が半分程度となる台形形状の台形太陽電池モジュール(第3の太陽電池モジュール)11,12と、面積が半分程度となる正方形形状の正方形太陽電池モジュール(第3の太陽電池モジュール)13とが配置されている。
【0046】
太陽電池モジュールに加わる風圧荷重、あるいは積雪荷重は太陽電池モジュールの面積に比例して増大するため、太陽電池モジュールの面積が小さければ前記の風圧荷重、積雪荷重に抗じる固定力は少なくて済む。
【0047】
例えば、第1,第2の太陽電池モジュール2a,2bに加わる風圧荷重、積雪荷重に抗じる固定力が、屋根1の傾斜方向に併設される他の太陽電池モジュールの固定と合わせても4個の架台4および固定金具6で満足する場合は、太陽電池モジュール11〜13の固定に必要な架台4および固定金具6の数は4個よりも少なくなる。しかしながら、平面形状の剛体に空間で姿勢を維持させるには最低3点の固定点が必要となる。
【0048】
そこで、押し出し金型で断面形状を形成して製造された固定金具6よりも長い長さで切断した固定金具14を用意する。そして、台形太陽電池モジュール12と第2の太陽電池モジュール2bの両方に係合する位置に架台4と固定金具14を配設することにより、台形太陽電池モジュール12を保持する架台4を3個以下に抑えることができる。
【0049】
同様に、第2の太陽電池モジュール2bの横に配設された正方形太陽電池モジュール13と第1の太陽電池モジュール2aの横に配設された台形太陽電池モジュール11の両方に係合する長さで切断加工された固定金具15は、その中央に設けられた一つの架台4に固定され、固定金具14は、正方形太陽電池モジュール13と、第2の太陽電池モジュール2bの上側保持枠200bのフランジ部205(
図2等も参照)を第1係合部601に係合させ、第1の太陽電池モジュール2aと、台形太陽電池モジュール11の下側保持枠を固定金具6の第2係合部602に係合させて4枚の太陽電池モジュールを挟持して一つの架台4に固定し、それぞれの太陽電池モジュールに加わる風圧荷重、積雪荷重に抗じている。
【0050】
また、台形太陽電池モジュール11,12は、屋根形状が寄棟の場合に利用される場合が多いが、切り妻形状の屋根面に太陽電池モジュールを併設する場合は利用しない。また、正方形太陽電池モジュール13は、切り妻屋根形状に第1の太陽電池モジュール2aと同じ面積の太陽電池モジュールを複数枚併設しても、若干屋根面に空間が余る場合に利用される。したがって、横方向の長さが固定金具6と異なる固定金具14,15を製造するための押し出し金型を専用に製造してもその出荷数量は固定金具6と比較して少量であり、部品単価に加算される金型割りかけ費用が高くなる。
【0051】
固定金具6と長さの異なる固定金具14,15との断面形状を同一とすれば同一の押し出し金型ですべての固定金具を製造でき、当接部604には頭部802との干渉を避けるための厚みが不要であるため、固定金具6と同一断面形状で固定金具14,15を押し出し成形しても強度上余分な材料を抑制できる。上述したように、本実施の形態では、固定金具の断面形状を同一としている。
【0052】
図13は、実施の形態1にかかる固定金具を用いた太陽電池モジュールの他の固定例を示す断面図である。この固定例では、地上や陸屋根上、あるいは湖の上に置いたフロート上南面に傾斜を有する骨組み構造体による架台に、太陽電池モジュール2を設置した場合を示している。
【0053】
架台410は、整地された地上に図示を省略した杭基礎を植設し、杭基礎の上に断面がL字状の鋼材にて組み立て固定された骨組み状の構造体の斜面を形成する架台である。架台410の固定面411は主に南方向に向けられている。また、雑草の成長や地上の積雪によって太陽光が遮られ、太陽電池モジュール2の受光面に到達しなくなることを避けるため、地上から比較的高い位置に太陽電池モジュール2を設置している。したがって、屋根面に太陽電池モジュール2を設置する場合と異なり、固定面411の裏側に組み立て作業者が入り込むことができる。
【0054】
したがって、この固定例では、固定面411の傾斜方向に対して、
図1,2等で示す例と逆方向にして固定金具6を用いている。すなわち、第1の太陽電池モジュール2aの上側保持枠200bのフランジ部205を第2係合部602に係合させ、第2の太陽電池モジュール2bの下側保持枠200aのフランジ部205を第1係合部601に係合させる。
【0055】
締結ねじ8は、軸線801と固定面411の鉛直方向とがθ3の角度をなして貫通孔603に挿通される。この固定例では、本実施例ではθ3を45度としている。このとき、締結ねじ8の軸線801は、第2係合部602と重ならないため、締結ねじ8を貫通孔603に挿通する際に、頭部802が第2係合部602に干渉することなく、容易に組み立て作業を行える。
【0056】
固定面411の一部には、孔部412が形成される。貫通孔603、孔部412を貫通した締結ねじ8の軸部803に対し、固定面411の裏側から孔部72が形成されたナット受け金具71を任意の角度で挿通する。ナット受け金具71の裏面には締結ねじ8の軸線801に直交する当接面73が形成され、当接面73に当接するまでナット74を締結ねじ8に螺合することにより、第1の太陽電池モジュール2a、および第2の太陽電池モジュール2bが架台410に固定される。このように、一般的な形状のナット74を用いた場合であっても、ナット受け金具71をスペーサとして挿入することで、締結ねじ8の軸線801を固定面411の鉛直方向に対して傾けることが可能となる。なお、固定金具6が逆向きに用いられているので、太陽電池モジュール2の固定の順番も、第2の太陽電池モジュール2bが先になる。
【0057】
実施の形態2.
図14は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池システムの断面図である。
図15〜17は、太陽電池モジュールの固定作業の一工程を示す図である。なお、上記実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
本実施の形態では、太陽電池モジュール2が備える保持枠200において、側面部201は、裏面側突部203が突出される部分よりも底部204が突出される部分のほうが保持枠200の内側に位置するように形成される。また、保持枠200には、外側に突出するフランジ部が形成されていない。
【0059】
本実施の形態にかかる固定金具610では、第1係合部611および第2係合部612が、太陽電池モジュール2の保持枠200の受光面側突部202(太陽電池モジュール2の端部)に係合する。これにより、太陽電池モジュール2が備える太陽電池パネル20の外側領域の一部も、第1係合部611と第2係合部612とを下方に投影した投影部分の内側に入り込む。
【0060】
なお、太陽電池モジュール2の固定手順は、上記実施の形態1と同様である。すなわち、第1の太陽電池モジュール2aよりも軒側に設けられる固定金具610を架台4に固定してから、第1の太陽電池モジュール2a、その棟側に設けられる固定金具610、第2の太陽電池モジュール2bの順で固定する。
【0061】
なお、本実施の形態では、固定金具610の貫通孔形成面615と架台4の固定面401とがなす角度θ4が、22度となっている。また、ナット7に形成される雌ねじ701の貫通方向と固定面401の鉛直方向とがなす角度θ5は、90−22=68度となっている。
【0062】
貫通孔603に貫通された締結ねじ8の頭部802は、第1係合部611と第2係合部612とを下方に投影した投影部分の内側に収まっているにもかかわらず、締結ねじ8の軸線801が第2係合部612と重ならずに棟側にずれているので、第2係合部612を避けて頭部802に形成された六角形形状の穴部804に工具を係合させてねじ締め作業を行うことができる。例えば、電動ドライバー9に取り付けたトルクレンチ16を穴部804に係合させてねじ締め作業を行うことができる。その際には、トルクレンチ16は第2係合部612に干渉しない。
【0063】
更にトルクレンチ16の先端は、断面形状が六角形でありながら先端と首下部分を面取りしているため、締結ねじ8の軸線801から多少異なる角度でトルクレンチ16を穴部804に挿入しても穴部804と回転しながらの係合を維持でき、電動ドライバー9の回転力を締結ねじ8に伝達することができる。したがって、実施の形態1よりも軸線801と第2係合部612との距離を接近させても締結ねじ8の締付け作業性は損なわれない。
【0064】
締結ねじ8とナット7の締結によって架台4に挟持された固定金具610は、第1係合部611と第2係合部612とで、保持枠200の受光面側突部202を固定面401の方向に押し付ける。そして、架台4が底部204を上方に押し付ける。
【0065】
同一押し出し金型で形成される保持枠200の一部には、側面部201の底部204側が内側に入り込むことで、テーパー状の空隙部209が形成されている。
図17に示すように、空隙部209同士が対向することにより生成された空間に締結ねじ8の頭部802が収納される。
【0066】
図18は、実施の形態2にかかる太陽電池システムにおける太陽電池モジュール同士の間隔について示す図である。本実施の形態では、第1の太陽電池モジュール2aにおいて、下側保持枠200aの外側から上側保持枠200bの外側までの長さLを834mm、締結ねじ8の軸部803の外径寸法Dを8mmとしている。
【0067】
ここで、第1の太陽電池モジュール2aと第2の太陽電池モジュール2bとの隙間Wは固定金具610の肉厚2mmに若干のクリアランスを加えた3mmしかなく、固定金具610を介する方向(屋根1の傾斜方向)の太陽電池モジュール2の取付ピッチは834mm+3mm=837mmである。したがって、この取付ピッチは、下側保持枠200aの外側から上側保持枠200bの外側までの長さLである834mmに、締結ねじ8の軸部803の外径寸法Dである8mmを足した842mmより5mm短い。
【0068】
ビルの壁面に太陽電池モジュールを併設可能な長さが32mあった場合、従来方式によってモジュール間に架台に鉛直方向に締結ねじを挿入する場合はナット対角寸法にソケットレンチの厚みや締結ねじの締付けによって固定金具が変形しないためのストッパー等の厚みが必要でおおむね25mmの間隔が太陽電池モジュール間に必要であった。したがって本実施の形態と同一の太陽電池モジュールを用いたとしても太陽電池モジュール間のピッチ834mm+25mm=859mm必要となり、長さ32mの壁面には37枚の太陽電池モジュールを併設できる(859×37−25=31758mm)。
【0069】
一方で、本実施の形態の太陽電池モジュールは長さ32mの壁面に38枚の太陽電池モジュールを敷設できる(837×38−3=31803mm)。したがって本実施の形態では敷設可能な有効長さが32mに限定されている場合は従来方式よりも(38÷37−1)×100=約2.7%発電量を増やすことができる。
【0070】
図19は、実施の形態2にかかる太陽電池モジュールを重ねた状態を示す断面図である。太陽電池モジュール2は、屋根1上まで上げるまでの間、地上に重ねて仮置きされる場合がある。本実施の形態にかかる太陽電池モジュール2では、保持枠200の側面部201において底部204側が内側に入り込んでいるものの、側面部201の下端同士の距離L1は、受光面側突部202の先端同士の距離L2よりも大きくされている。
【0071】
そのため、太陽電池モジュール2を上下に重ねた場合に、保持枠200の底部204と太陽電池パネル20との間に底部204の厚さ分の隙間が形成される。したがって、上方に重ねられた太陽電池モジュール2の保持枠200によって、下方に置かれた太陽電池モジュール2の太陽電池パネル20が傷つけられにくくなる。例えば、距離L1が816mmとされ、距離L2が810mmとされる。
【0072】
なお、実施の形態2にかかる固定金具610においても、
図12で示したように長さの異なる固定金具610を用意して、1つの固定金具610で複数の太陽電池モジュール2を固定してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、固定金具6等を締結固定する締結ねじ8にはスプリングワッシャーや平座金を動軸に挿通しない例について示したが、架台4等の当接面の鉛直方向に対する軸線801の角度や頭部802の高さによってはスプリングワッシャーや平座金を頭部802の下に具備しても太陽電池モジュール2の保持枠に干渉しない。また、ナット7に直接雌ねじを形成した例について示したが、ナット7を柔らかい材料で形成し、別体のインサートナットやかしめナットを挿入して雌ねじ部分を構成してもよい。
【0074】
また、一つの架台4に対して複数個の固定金具6を固定してもよい。また、
図13に示す固定例では、ナット74の座面が軸線801に対して直交するように当接面73を有するナット受け金具71を示したが、架台410の一部を軸線801と略直交する角度に切り起こし、ナット受け金具71を使用せずに切り起こし部の裏面から直接ナットを締結ねじ8に螺合させてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、最軒側の架台4に固定された固定金具6の第1係合部601には何も係合させていない例について示したが、太陽電池モジュールの保持枠やフランジの代わりに、第1係合部に軒カバー等の化粧部品を係合させて締結ねじ等の露出を目立たなくさせてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態で示した固定金具は、複数枚隣合わせて配設することによって一つの巨大な広告表示を行う看板の固定にも適用できる。