(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(本願における記載形式・基本的用語・用法の説明)
本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクション等に分けて記載するが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、記載の前後を問わず、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しの説明を省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0015】
同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を含むものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。また、金めっき、Cu層、ニッケル・めっき等といっても、そうでない旨、特に明示した場合を除き、純粋なものだけでなく、それぞれ金、Cu、ニッケル等を主要な成分とする部材を含むものとする。
【0016】
さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0017】
また、実施の形態の各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0018】
また、本願では、上面、あるいは下面という用語を用いる場合があるが、半導体パッケージの実装態様には、種々の態様が存在するので、半導体パッケージを実装した後、例えば上面が下面よりも下方に配置される場合もある。本願では、半導体チップの素子形成面側の平面を表面、表面の反対側の面を裏面として記載する。また、配線基板のチップ搭載面側の平面を上面あるいは表面、上面の反対側に位置する面を下面として記載する。
【0019】
また、本願では、四角形と言った場合、正方形、長方形等の4辺と4つの角で構成された形状に限定されるものではなく、角部が面取りまたは丸みを帯びたもの、つまり、略四角形をも含んでいる。例えば、本願の実施形態の半導体チップ、配線基板などはその一例である。
【0020】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するため、あるいは領域の境界を明示するために、ハッチングやドットパターンを付すことがある。
【0021】
<電子装置>
まず、本実施の形態の電子装置の構成の概要について説明する。
図1は、本実施の形態の電子装置の半導体装置実装面側の一部を示す拡大平面図、
図2は
図1に示す実装基板の反対面側を示す拡大平面図である。
図1においては、半導体装置の主面の構造が明確になるように、封止体を除去した状態を示している。また、
図3は、
図1のA−A線に沿った拡大断面図である。また、
図4は、
図1のB−B線に沿った拡大断面図である。
図5(a)は、半導体装置を構成する配線基板の第1層配線層の導体パターン、
図5(b)は、半導体装置を構成する配線基板の第2層配線層の導体パターンである。
図6(a)は、半導体装置を構成する配線基板の第3層配線層の導体パターン、
図6(b)は、半導体装置を構成する配線基板の第4層配線層の導体パターンである。
図7は、電子装置を構成する実装基板の第1層配線層の導体パターン、
図8は、電子装置を構成する実装基板の第2層配線層の導体パターンである。
図9は、電子装置を構成する実装基板の第3層配線層の導体パターン、
図10は、電子装置を構成する実装基板の第4層配線層の導体パターンである。なお、本実施の形態で説明する各図では、電極や端子を見やすくするため、端子数が少なく、かつ各端子の平面寸法が大きい例を取り上げて説明している。また、
図1では、半導体装置SP1内の半導体チップ2の位置が分かりやすいように封止体を除去した状態を示している。また、半導体チップ2と半田ボールSB(外部端子、電極、外部電極)の位置関係が分かるように半田ボールSBの輪郭を二点鎖線で示している。但し、半導体チップ2と重なる部分などに図示していない半田ボールSBが存在している。
図2には、半導体装置を構成する配線基板3の輪郭を二点鎖線で示している。また、半田ボールSBの輪郭も二点鎖線で示している。なお、
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)および
図6(b)は、配線基板の上面から見たパターンを示している。また、
図2、
図7、
図8、
図9および
図10も実装基板を上面から見たパターンを示している。
【0022】
図1から
図4に示すように、本実施の形態の電子装置ED1は、実装基板(ボード、マザーボード、配線基板、支持基板)MB1、および実装基板MB1に搭載された半導体装置(半導体パッケージ)SP1を備えている。また、電子装置ED1は、実装基板MB1に搭載される、少なくとも1個の三端子コンデンサ(コンデンサ素子、チップコンデンサ)50と、少なくとも1個の二端子コンデンサ(コンデンサ素子、チップコンデンサ)60を備えている。さらに、電子装置ED1は、外部との接続用のコネクタおよび電源回路Reg(電源レギュレータ)を備えている。二端子コンデンサ60は、直方体の形状を有し、長手方向の一方の端面に電源用端子61を、長手方向の他方の端面にグランド用端子62を備えている。二端子コンデンサ60の平面寸法は、例えば、1.0mm×0.5mmである。三端子コンデンサ50は、直方体の形状を有し、長手方向の両端面に電源用端子51、52を、長手方向の中央部にグランド用端子53,54を備えている。三端子コンデンサ50の平面寸法は、例えば、1.6mm×0.8mmである。電源回路Regは、電源入力端子Vin、電源出力端子Voutおよびグランド端子Gndの3端子を有している。三端子コンデンサ50は、二端子コンデンサ60に比べ、大幅に等価直列インダクタンスESL(Equivalent Series Inductance)が小さいため、EMI(Electro Magnetic Interface)フィルタとしてだけでなく、高周波帯域に対するバイパスコンデンサとして効果的である。
【0023】
半導体装置SP1は、半導体集積回路が形成された半導体チップ2、および半導体集積回路と電気的に接続された複数の外部端子である複数の半田ボールSBが形成された配線基板3を有する。
【0024】
半導体チップ2は、
図1、3および4に示すように表面(主面、上面)2a、表面2aとは反対側の裏面(主面、下面)2bを有し、平面視において四角形の外形形状を成す。半導体チップ2の平面サイズ(平面視における寸法、表面2aおよび裏面2bの寸法、外形サイズ)は、例えば一辺の長さが5mm〜10mm程度である。半導体チップ2は、例えばシリコン(Si)から成る半導体基板の半導体素子形成面に、複数の半導体素子が形成されている。この複数の半導体素子は、半導体素子上に積層された配線層を介して半導体チップ2の表面2a側に形成された複数のパッド(電極、電極パッド)2pdと電気的に接続されている。半導体チップ2には、上記の半導体素子およびこの半導体素子間を接続する配線層によって構成される、複数の回路が形成されている。この複数の回路には、例えば、演算処理回路や記憶回路など、半導体チップ2が備える主要な機能を構成する主回路(コア回路)と、半導体チップ2と外部との間で電気信号を入出力するための入出力回路と、が含まれる。入出力回路は、例えば、電源電圧3.3Vで動作し、主回路は、例えば、電源電圧1.2Vで動作する。本実施の形態の電子装置においては、主回路を動作させる電源電圧は半導体チップ2の外部から供給される。半導体チップ2の表面には、主回路を動作させるための電源電圧供給用の電源パッド2pd(p)およびグランド電位供給用のグランドパッド2pd(g)が設けられている。図示はしないが、入出力回路を動作させるための電源パッドとグランドパッドが、主回路を動作させるための電源パッド2pd(p)およびグランドパッド2pd(g)とは独立に半導体チップ2の表面に設けられている。ただし、主回路用のグランドパッド2pd(g)と入出力回路用のグランドパッドとは共通にすることも可能である。さらに、主回路への入力信号は、信号パッド2pd(s)を介して半導体チップ2に入力される。また、主回路からの出力信号は、信号パッド2pd(s)を介して半導体チップ2の外に出力される。
【0025】
また、
図3に示すように、配線基板3は、半導体チップ2が搭載された上面(面、チップ搭載面)3a、上面3aとは反対側の下面(面、実装面)3bを有し、平面視において四角形の外形形状を成す。配線基板3の平面サイズ(平面視における寸法、上面3aおよび下面3bの寸法、外形サイズ)は、例えば一辺の長さが10mm〜20mm程度であるが、半導体チップ2の対応する一辺よりも長く、半導体チップ2は、配線基板3の上面3aの中央部に搭載されている。つまり、四角形の配線基板3の対角線の交点と、四角形の半導体チップ2の対角線の交点とが一致またはほぼ一致している。また、配線基板3の厚さ、すなわち、
図3に示す上面3aから下面3bまでの距離は、例えば0.1mm〜0.5mm程度である。
【0026】
配線基板3は、上面3a側に搭載された半導体チップ2と実装基板MB1とを電気的に接続するため、平面視における端子の位置を調整するインタポーザである。配線基板3の上面3aには、半導体チップ2と電気的に接続される複数のボンディングフィンガ(端子、チップ搭載面側端子、電極、ボンディングリード)3p1が形成されている。
図1に示すように、複数のボンディングフィンガ3p1は、半導体チップ2の4辺に沿って、半導体チップ2の周囲に配置されている。ボンディングフィンガ3p1とパッド2pdとはボンディングワイヤBWで電気的に接続されている。ボンディングフィンガ3p1には、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)および信号用ボンディングフィンガ3p1(s)が含まれている。つまり、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)は、ボンディングワイヤBWを介して電源パッド2pd(p)に電気的に接続されており、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)は、ボンディングワイヤBWを介してグランドパッド2pd(g)に電気的に接続されている。さらに、信号用ボンディングフィンガ3p1(s)は、ボンディングワイヤBWを介して信号パッド2pd(s)に電気的に接続されている。
【0027】
また、
図3および
図4に示すように、配線基板3は、例えば、4層の配線層とその間を絶縁する3層の絶縁層によって構成されている。配線基板3の上面3aから第1、第2、第3および第4層配線層が、各々の間に絶縁層3nc1、3nc2および3nc3を介在して積層されることで配線基板3が構成されている。絶縁層3nc1、3nc2および3nc3は、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させた絶縁材であり、その膜厚は、各々、例えば、100μm程度である。配線基板3には、絶縁層3nc1、3nc2および3nc3を貫通するビア(貫通孔)が複数形成されており、4層の配線層の間は、ビア内に形成されたビア導体層3vで電気的に接続されている。各配線層の膜厚は18μm程度であり、ビアの直径は0.15mmで隣接ビアの最小ピッチは0.35mmである。
【0028】
図5(a)に示すように、第1層配線層は銅膜で形成されており、複数のボンディングフィンガ3p1および複数の配線3w1を構成している。
図1および
図5(a)に示すように配線3w1とボンディングフィンガ3p1とは一体に形成されており、配線3w1は、ボンディングフィンガ3p1から配線基板3の辺(配線基板の周囲)に向かって延びている。
図1および
図5(a)では2本の配線のみ図示しているが、他のボンディングフィンガ3p1からも配線3w1が配線基板3の辺(配線基板の周囲)に向かって延びている。配線3w1の配線幅は、ボンディングフィンガの幅よりも小である。特に、ボンディングワイヤが接続された部分におけるボンディングフィンガ3p1の幅は、配線3w1の幅よりも大である。また、図示していないが、配線基板3の表面3aは、絶縁膜であるソルダレジスト膜で覆われている。具体的には、配線3w1はソルダレジスト膜で覆われており、ボンディングフィンガ3p1はソルダレジスト膜に設けられた開口から露出している。つまり、ボンディングワイヤBWは、ソルダレジスト膜に設けられた開口内において、ボンディングフィンガ3p1と接続されている。
【0029】
図5(b)に示すように、第2層配線層は銅膜で形成されており、グランドプレーン3gpを構成している。グランドプレーン3gpは、平面視において、配線基板3の全域にわたるベタパターンであるが、部分的に銅膜が除去された開口3ghを複数有する。つまり、開口3gh内に形成されたビア導体層3vは、グランドプレーン3gpとは電気的に接続されていない。逆に、開口3ghで囲まれていないビア導体層3vは、グランドプレーン3gpと電気的に接続されている。
図1、
図3、
図5(a)および
図5(b)から分かるように、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)は、ビア導体層3vを介してグランドプレーン3gpに電気的に接続されている。
【0030】
また、
図6(a)に示すように、第3層配線層は銅膜で形成されており、電源プレーン3dpを構成している。電源プレーン3dpは、平面視において、配線基板3の中央部分に所定の幅でX方向に延在しており、配線基板3を海と見なすと、電源プレーン3dpは島状のパターンである。電源プレーン3dpも部分的に銅膜が除去された円形の開口3dhを複数有する。つまり、開口3dh内に形成されたビア導体層3vは、電源プレーン3dpとは電気的に接続されていない。逆に、開口3dhで囲まれていないビア導体層3vは、電源プレーン3dpと電気的に接続されている。
図1、4、5(a)および6(a)から分かるように、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)は、ビア導体層3vを介して電源プレーン3dpに電気的に接続されており、グランドプレーン3gpとは電気的に分離されている。Y方向における電源プレーン3dpの幅は、信号用ボンディングフィンガ3p1(s)につながる配線3w1の幅よりも大である。さらに、開口3dhの直径よりも大である。さらに、ボンディングフィンガ3p1のX方向またはY方向の幅よりも大である。さらに、後述するランド3p2の径よりも大である。また、後述する実装基板MB1の第1層配線層で構成される配線Mw1(特に、半導体装置SP1と三端子コンデンサ50間を接続する配線Mw1)よりも幅広である。
【0031】
また、
図6(b)に示すように、第4層配線層は銅膜で形成されており、複数のランド(出力端子、端子)3p2を構成している。複数のランド3p2の位置は、
図1で示した半田ボールSBの配置位置に対応しており、複数のランド3p2は半田ボールSBに電気的に接続されている。複数のランド3p2は、平面視において、各々が等しい径の円形を有し、配線基板3の周囲(4辺)に沿ってリングを構成するランド列を構成するよう配列されている。リング状のランド列は大と小の2列(2重)が形成されている。半田ボールSBの配置位置と対応しているランド3p2は、半導体チップ2の周囲に額縁状に配置されており、2列のリングを構成している。複数のランド3p2は、配線基板3の周囲(4辺)に沿って3列以上に配置されていても良い。つまり、半導体チップ2と配線基板3の4辺との間に3列以上のリング状ランド列を構成するように配列しても良い。また、配線基板3の全域にわたって行列状に配置(フルアレイと呼ぶ)されていても良い。いずれの場合も、X方向およびY方向において、隣接するランド3p2のピッチ(隣接するランド3p2の中心間の距離)は等しい。
【0032】
また、配線基板3の任意の辺(第1辺と呼ぶ)に着目して説明すると、配線基板3の第1辺と半導体チップ2間には、第1辺に沿って配列された複数のランド3p2で構成される直線状のランド列が2列以上(多数列)存在し、2列以上のランド列は、第1辺から異なる距離に配置されている。つまり、2列の場合には、配線基板3の第1辺に近い列と遠い列からなり、配線基板3の第1辺と平行に2列のランド列が存在している。
【0033】
ここで、複数のランド3p2には、信号用ランド3p2(s)、電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)が含まれている。更に、額縁状に2列配置された複数のランド3p2の中央部には、二端子コンデンサ60との接続用に2つの二端子コンデンサ用ランド3p2(c)が配置されている。ここでは、2つの二端子コンデンサ用ランド3p2(c)のみを示しているが、実際には、複数組の2つの二端子コンデンサ用ランド3p2(c)が配置されている。
【0034】
配線基板3の下面3bも全域にわたり絶縁膜であるソルダレジスト膜で覆われている。ただし、複数のランド3p2はソルダレジスト膜に設けられた複数の開口から露出している。つまり、半田ボールSBは、この開口内において、複数のランド3p2に接続されている。
【0035】
電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)は、配線基板3の辺に沿った複数の直線状のランド列の内で、配線基板3の辺に最も近いランド列に割り当てられている。電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)は、配線基板3の辺に沿って互いに隣接している。また、半導体チップ2の周囲に2列以上のリング状ランド列を構成するようにランド3p2が配置されている場合、電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)は、最外周のリング状ランド列に割り当てられている。大小2重のリング状ランド列を構成するようにランド3p2が配置されている場合、電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)は、大きいリング状ランド列に割り当てられている。
【0036】
図1、3、4、5および6を用いて説明するが、信号用ボンディングフィンガ3p1(s)は、配線3w1およびビア導体層3vを介して信号用ランド3p2(s)に電気的に接続されている。また、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)は、ビア導体層3vを介して電源プレーン3dpに電気的に接続され、更に、ビア導体層3vを介して電源用ランド3p2(p)に電気的に接続されている。電源プレーン3dpと電源ランド3p2(p)を接続するビア導体層3vは、平面視において、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)と電源プレーン3dpを接続するビア導体層3vよりも、半導体チップ2から離れたところに位置している。言い換えると、配線基板3の中心(対角線の中点)を基準にして、電源プレーン3dpと電源ランド3p2(p)を接続するビア導体層3vは、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)と電源プレーン3dpを接続するビア導体層3vよりも遠い位置にある(配線基板3の中心からの距離が大である)。更に、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)は、ビア導体層3vを介して電源プレーン3dpに電気的に接続され、更に、異なる位置のビア導体層3vを介して二端子コンデンサ用ランド3p2(c)に電気的に接続されている。
【0037】
また、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)は、ビア導体層3vを介してグランドプレーン3gpに電気的に接続され、更に、ビア導体層3vを介してグランド用ランド3p2(g)に電気的に接続されている。更に、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)は、ビア導体層3vを介してグランドプレーン3gpに電気的に接続され、更に、ビア導体層3vを介して二端子コンデンサ用ランド3p2(c)に電気的に接続されている。グランドプレーン3gpとグランドランド3p2(g)を接続するビア導体層3vは、平面視において、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)とグランドプレーン3gpを接続するビア導体層3vよりも、半導体チップ2から離れたところに位置している。言い換えると、配線基板3の中心(対角線の中点)を基準にして、グランドプレーン3gpとグランドランド3p2(g)を接続するビア導体層3vは、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)とグランドプレーン3gpを接続するビア導体層3vよりも遠い位置にある(配線基板3の中心からの距離が大である)。
【0038】
また、
図3に示すように、配線基板3の上面3aに搭載された半導体チップ2およびボンディングワイヤBWは、エポキシ樹脂からなる封止体4で覆われている。平面視において、封止体4は配線基板3と等しい形状を有している。つまり、配線基板3の上面3aは全体を封止体4で覆われているが、配線基板3の側面は封止体4で覆われていない。
【0039】
また、
図3および
図4に示すように、半導体装置SP1が実装される実装基板MB1は、半導体装置SP1の搭載面である上面Ma、および上面(面、半導体装置実装面)Maの反対側の下面(面、裏面)Mbを有している。実装基板MB1は、半導体装置SP1、三端子コンデンサ50、二端子コンデンサ60および電源回路Regが搭載されているモジュール基板であり、複数の電子部品を支持する強度が要求される。このため、実装基板MB1の厚さは半導体装置SP1の配線基板3の厚さよりも大きい(厚い)。例えば、本実施の形態においては、実装基板MB1の厚さは、1.0mm〜2.0mm程度である。実装基板MB1の厚さは、上面Maおよび下面Mbのうち、一方の面から他方の面までの距離である。実装基板MB1は、例えば、4層の配線層とその間を絶縁する3層の絶縁材(絶縁層)によって構成されている。実装基板MB1は、上面Maから第1、第2、第3および第4層配線層が、各々の間に絶縁材Mnc1、Mnc2およびMnc3を介在した積層構造で構成されている。絶縁材Mnc1、Mnc2およびMnc3は、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させた絶縁材であり、その膜厚は、各々、例えば、200μm〜1000μm程度である。絶縁材Mnc1およびMnc3の厚さ(200μm〜400μm)に比べ、絶縁材Mnc2の厚さ(600μm〜1000μm)は厚く形成されている。実装基板MB1には、絶縁層Mnc1、Mnc2およびMnc3を上面Maから下面Mbにわたって貫通するビア(貫通孔)が複数形成されており、4層の配線層の間は、ビア内に形成されたビア導体層Mvで電気的に接続されている。各配線層の膜厚は35μm程度であり、ビアの直径は0.3mmで隣接ビアの最小ピッチは0.8mmである。したがって、ビア導体層Mvの最小隣接距離は0.5mmである。
【0040】
図7に示すように、第1層配線層は銅膜で形成されており、複数の電極Mp1および複数の配線Mw1が形成されている。図示していないが、実装基板MB1の上面Maには、第1層配線層を覆うように絶縁膜からなるソルダレジスト膜が全面的に設けられている。ソルダレジスト膜は複数の開口を有しており、複数の電極Mp1は複数の開口から露出しているが、複数の配線Mw1はソルダレジスト膜で覆われている。複数の電極Mp1は、半導体装置SP1、三端子コンデンサ50および電源回路Regとの電気的、物理的な接続を取る部分であり、配線Mw1は複数の電極Mp1の間を電気的に接続している。電極Mp1は、配線Mw1の一部であるので、電極Mp1を含め配線Mw1と呼んでも良い。
【0041】
ここでは、
図7に示すように、実装基板MB1の上面Maの半導体装置SP1と重なる領域内(
図7において、破線で示した領域内)に形成された複数の電極Mp1について説明する。この領域の複数の電極Mp1は、半導体装置SP1の外部端子である半田ボールSBを接続するための、実装基板MB1側のインタフェース用端子である。したがって、この領域内の複数の電極Mp1の配列は、
図2に示す半田ボールSBの配列に対応しており、更には、
図6(b)に示す複数のランド3p2の配列とも対応している。すなわち、本実施の形態では、
図7に示すように、複数の電極Mp1は、平面視において、半導体装置SP1の搭載領域の外周に沿って2列に配置されており、更に、半導体装置SP1の搭載領域の中央部にも二端子コンデンサ60との接続用に2つの二端子コンデンサ用の電極Mp1が配置されている。複数の電極Mp1には、信号用電極Mp1(s)、電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)が含まれている。図示していないが、電極Mp1にも信号用電極Mp1(s)と同様に配線Mw1が接続されており、その配線Mw1は半導体装置SP1の辺に直交する方向に延びて、半導体装置SP1の辺を越えて延びている。
【0042】
図7に示すように、信号用電極Mp1(s)には、第1層配線層で形成した配線Mw1が接続されており、この配線は、半導体装置SP1の辺に直交する方向に延びている。
【0043】
図1、
図4および
図7に示すように、電源用電極Mp1(p)と三端子コンデンサ50の電源用端子52が接続される電極Mp1とは配線Mw1で直接接続されている。電源用電極Mp1(p)、配線Mw1、および電源用端子52が接続される電極Mp1は、第1層配線層で一体に形成されている。この配線Mw1は、電源用電極Mp1(p)からX方向に直線的に延びており、電源用電極Mp1(p)と三端子コンデンサ50の電源用端子52が接続される電極Mp1との間を最短距離で接続している。言い換えると、電源用電極Mp1(p)に接続された配線Mw1は、電源用電極Mp1(p)に近接する半導体装置SP1の辺に直交する方向に、電源用電極Mp1(p)から直線的に引き出されている。この配線Mw1は、0.5mmの配線幅を有しており、信号用電極Mp1(s)に接続された配線Mw1の配線幅よりも大としている。因みに、信号用電極Mp1(s)に接続された配線Mw1の配線幅は、0.15mmである。このように、電源用電極Mp1(p)と三端子コンデンサ50の電源用端子52が接続される電極Mp1との間を、幅広の短い配線Mw1で接続したことで、半導体装置SP1の電源用ランド3p2(p)に電気的に接続された三端子コンデンサ50の電源用端子52までの抵抗およびインピーダンスを低減している。
【0044】
図1、
図3および
図7に示すように、グランド用電極Mp1(g)と三端子コンデンサ50のグランド用端子54が接続される電極Mp1とは配線Mw1で直接接続されている。グランド用電極Mp1(g)、配線Mw1、およびグランド用端子54が接続される電極Mp1は、第1層配線層で一体に形成されている。この配線Mw1は、グランド用電極Mp1(g)からX方向に直線的に延びており、グランド用電極Mp1(g)と三端子コンデンサ50のグランド用端子54が接続される電極Mp1との間を最短距離で接続している。言い換えると、グランド用電極Mp1(g)に接続された配線Mw1は、グランド用電極Mp1(g)に近接する半導体装置SP1の辺に対して直交する方向に、グランド用電極Mp1(g)から直線的に引き出されている。この配線Mw1は、0.5mmの配線幅を有しており、信号用電極Mp1(s)に接続された配線Mw1の配線幅よりも大としている。このように、グランド用電極Mp1(g)と三端子コンデンサ50のグランド用端子54が接続される電極Mp1間を、幅広の短い配線Mw1で接続したことで、半導体装置SP1のグランド用ランド3p2(g)に電気的に接続された三端子コンデンサ50のグランド用端子54までの抵抗およびインピーダンスを低減している。第1層配線層では、その他に、三端子コンデンサ50のグランド用端子53が接続される電極Mp1、三端子コンデンサ50の電源用端子51が接続される電極Mp1、電源回路Regの電源出力端子Vout、電源入力端子Vinおよびグランド端子Gndが接続される電極Mp1、および電極Mp1の間を接続する配線Mw1が構成されている。
【0045】
図8に示すように、第2層配線層は銅膜で形成されており、グランドプレーンMgpを構成している。グランドプレーンMgpは、平面視において、実装基板MB1の全域にわたるベタパターンであるが、部分的に銅膜が除去された開口Mghを複数有する。つまり、開口Mgh内に形成されたビア導体層Mvは、グランドプレーンMgpとは電気的に接続されていない。逆に、開口Mghで囲まれていないビア導体層Mvは、グランドプレーンMgpと電気的に接続されている。
図1、
図3および
図8から分かるように、三端子コンデンサ50とコネクタCONを接続する配線Mw1は、ビア導体層Mvを介してグランドプレーンMgpに電気的に接続されている。
【0046】
図9に示すように、第3層配線層は銅膜で形成されており、電源プレーンMdpを構成している。電源プレーンMdpは、平面視において、実装基板MB1の中央部分に所定の幅でX方向に延在しており、実装基板MB1を海と見なすと、電源プレーンMdpは島状のパターンである。電源プレーンMdpは、平面視において、
図6(a)の電源プレーン3dpと重なる位置に配置されており、三端子コンデンサ50の実装領域の下部にまで延びている。電源プレーンMdpも部分的に銅膜が除去された開口Mdhを複数有する。つまり、開口Mdh内に形成されたビア導体層Mvは、電源プレーンMdpとは電気的に接続されていない。逆に、開口Mdhで囲まれていないビア導体層Mvは、電源プレーンMdpと電気的に接続されている。
図1、
図4、
図7および
図9から分かるように、半導体装置SP1と三端子コンデンサ50とを接続する配線Mw1は、ビア導体層Mvを介して電源プレーンMdpに電気的に接続されている。Y方向における電源プレーンMdpの幅は、信号用電極Mp1(s)に接続された配線Mw1の幅よりも大である。さらに、電源用電極Mp1(p)に接続された配線Mw1の幅よりも大である。さらに、開口Mdhの直径よりも大である。さらに、電極Mp1の径よりも大である。
【0047】
図10に示すように、第4層配線層は銅膜で形成されており、複数の配線Mw2および複数の電極Mp2を構成している。図示はしていないが、実装基板MB1の下面Mbには、第4層配線層を覆うように絶縁膜からなるソルダレジスト膜が全面的に設けられている。ソルダレジスト膜は複数の開口を有しており、複数の電極Mp2は複数の開口から露出しているが、複数の配線Mw2はソルダレジスト膜で覆われている。複数の電極Mp2は、二端子コンデンサ60との電気的、物理的な接続を取る部分である。二端子コンデンサ60の電源用端子61が接続される電極Mp2は、配線Mw2およびビア導体層Mvを介して、電源プレーンMdpおよび二端子コンデンサ用の電極Mp1に電気的に接続されている。二端子コンデンサ60のグランド用端子62が接続される電極Mp2は、配線Mw2およびビア導体層Mvを介して、グランドプレーンMgpおよび二端子コンデンサ用の電極Mp1に電気的に接続されている。
【0048】
次に、
図1、
図3および
図4に示すように、半導体チップ2の信号パッド2pd(s)は、ボンディングワイヤBWを介して配線基板3の信号用ボンディングフィンガ3P1(s)に接続されている。そして、信号用ボンディングフィンガ3P1(s)から配線3w1およびビア導体層3vを介して信号用ランド3p2(s)に接続され、さらに、半田ボールSBを介して実装基板MB1の信号用電極Mp1(s)に接続され、配線Mw1を介して半導体装置SP1の外部に引き出されている。
【0049】
半導体チップ2の電源パッド2pd(p)は、ボンディングワイヤBWを介して配線基板3の電源用ボンディングフィンガ3p1(p)に接続されている。そして、
図1、
図2、
図3および
図4に示すように、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)からビア導体層3vを介して電源プレーン3dpに接続され、さらに、ビア導体層3vを介して電源用ランド3p2(p)に接続され、半田ボールSBを介して実装基板MB1の電源用電極Mp1(p)に接続されている。電源用電極Mp1(p)は、実装基板MB1の第1層配線層(表層配線層、第1配線層)で形成された配線Mw1を介して三端子コンデンサ50に接続され、さらに、配線Mw1を介して電源回路Regに接続されている。言い換えると、電源回路Regの電源電位Vddは、平面視において、半導体装置SP1と重ならない領域(半導体装置Sp1の外側の領域)に実装された三端子コンデンサ50を経由したのち、次に説明する経路で半導体チップ2の電源パッド2pd(p)に供給される。その電源電位供給経路は、三端子コンデンサ50の電源用端子52が接続された電極Mp1、幅広の配線Mw1、電源用電極Mp1(p)、半田ボールSB、電源用ランド3p2(p)、ビア導体層3v、電源プレーン3dp、ビア導体層3v、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)、ボンディングワイヤBWおよび電源パッド2pd(p)の順である。
【0050】
このように、本実施の形態では、実装基板MB1が有する複数の配線層のうち、最上層の配線層は、電源用電極Mp1(p)、配線Mw1および電極Mp1を有しており、電源用電極Mp1(p)と三端子コンデンサ50の電源用端子52が接続される電極Mp1とは、実装基板MB1の最上層の配線Mw1のみで接続されている。換言すれば、三端子コンデンサ50の電源用端子52と実装基板MB1の電源用電極Mp1(p)とを互いに接続する配線Mw1は、第1層配線層(第1配線層)を経由し、かつ、この第1層配線層以外の配線層(例えば、電源プレーンMdp)またはビア導体層Mvを経由していない。そのため、電源用ランド3p2(p)と、実装基板MB1の上面Maであって、半導体装置SP1の外側に実装した三端子コンデンサ50の電源用端子52とを電気的に接続する配線Mw1の長さを短くすることができ、この結果、電源電位供給経路のインピーダンスを低減できる。ここでは、三端子コンデンサ50の電源用端子52と実装基板MB1の電源用電極Mp1(p)間を、実装基板MB1の最上層の配線Mw1で接続していることが重要である。三端子コンデンサ50の電源用端子52と実装基板MB1の電源用電極Mp1(p)間が、ビア導体層Mv、電源プレーンMdpおよびビア導体層Mvの経路で接続されていることを排除するものではない。
【0051】
また、本実施の形態では、半導体装置SP1の電源用ランド3p2(p)(または、電源用ランド3p2(p)に接続された半田ボールSB)を、配線基板3の辺に近接したランド列に割り当てている。したがって、電源用ランド3p2(p)と、実装基板MB1の上面Maであって、半導体装置SP1の外側に実装した三端子コンデンサ50との間を、更に短く、かつ、比較的幅広の配線で接続することができるため、電源電位供給経路のインピーダンスを更に低減できる。そして、配線基板3の最外周に位置する電源用ランド3p2(p)に接続されたビア導体層3vと、配線基板3の中央部に配置された電源用ボンディングフィンガ3p1(p)に接続されたビア導体層3vとの間を、実装基板MB1の絶縁材Mnc2の膜厚よりも薄い絶縁層3nc2を介してグランドプレーン3gpと併設された電源プレーン3dpで接続した。この構成にしたことで、電源プレーン3dpとグランドプレーン3gp間の相互インダクタンス効果により、電源電位供給経路のインピーダンスを更に低減できる。
【0052】
一方、半導体チップ2のグランドパッド2pd(g)は、ボンディングワイヤBWを介して配線基板3のグランド用ボンディングフィンガ3p1(g)に接続されている。そして、
図1、
図3および
図4に示すように、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)からビア導体層3vを介してグランドプレーン3gpに接続され、さらに、ビア導体層3vを介してグランド用ランド3p2(g)に接続され、半田ボールSBを介して実装基板MB1のグランド用電極Mp1(g)に接続されている。グランド用電極Mp1(g)は、実装基板MB1の第1層配線層(表層配線層)で形成された配線Mw1を介して三端子コンデンサ50に接続され、さらに、配線Mw1を介して電源回路RegおよびコネクタCONに接続されている。言い換えると、電子装置ED1の外部からコネクタCONを介して供給されるグランド電位Vssは、平面視において、半導体装置SP1と重ならない領域(半導体装置Sp1の外側の領域)に実装された三端子コンデンサ50を経由したのち、次に説明する経路で半導体チップ2のグランドパッド2pd(g)に供給される。電子装置ED1の外部からコネクタCONを介して供給されるグランド電位Vssは、電源回路Regのグランド端子Gndにも供給されている。グランド電位供給経路は、コネクタCONまたは電源回路Regのグランド端子Gnd、配線Mw1、および三端子コンデンサ50のグランド用端子53、54が接続された電極Mp1の順である。電極Mp1の次から、幅広の配線Mw1、グランド用電極Mp1(g)、半田ボールSB、グランド用ランド3p2(g)、ビア導体層3v、グランドプレーン3gp、ビア導体層3v、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)、ボンディングワイヤBWおよびグランドパッド2pd(g)の順である。
【0053】
このように、本実施の形態では、三端子コンデンサ50の電源用端子52と接続される配線Mw1と同様、三端子コンデンサ50のグランド用端子53、54と接続される配線Mw1についても、実装基板MB1が有する複数の配線層のうちの最上層の配線層(第1層配線層)を経由し、かつ、この第1層配線層以外の配線層(例えば、グランドプレーンMgp)またはビア導体層Mvを経由していない。そのため、グランド用ランド3p2(p)と、実装基板MB1の上面Maであって、半導体装置SP1の外側に実装した三端子コンデンサ50のグランド用端子53,54とを電気的に接続する配線Mw1の長さも短くすることができ、この結果、グランド電位供給経路のインピーダンスを低減できる。ここでは、三端子コンデンサ50のグランド用端子53,54と実装基板MB1のグランド用電極Mp1(g)間を、実装基板MB1の最上層の配線Mw1で接続していることが重要である。三端子コンデンサ50のグランド用端子53、54と実装基板MB1のグランド用電極Mp1(g)間が、ビア導体層Mv、グランドプレーンMgpおよびビア導体層Mvの経路で接続されていることを排除するものではない。
【0054】
また、本実施の形態では、半導体装置SP1のグランド用ランド3p2(g)(または、グランド用ランド3p2(g)に接続された半田ボールSB)を、配線基板3の辺に近接したランド列に割り当てている。したがって、グランド用ランド3p2(g)と、実装基板MB1の上面Maであって、半導体装置SP1の外側に実装した三端子コンデンサ50との間を、更に短く、かつ、比較的幅広の配線で接続することができるため、グランド電位供給経路のインピーダンスを更に低減できる。そして、配線基板3の最外周に位置するグランド用ランド3p2(g)に接続されたビア導体層3vと、配線基板の中央部に配置されたグランド用ボンディングフィンガ3p1(g)に接続されたビア導体層3vとの間を、グランドプレーン3gpで接続した。そして、グランドプレーン3gpは、実装基板MB1の絶縁材Mnc2の膜厚よりも薄い絶縁層3nc2を介して電源プレーン3dpと併設されている。この構成にしたことで、グランドプレーン3gpと電源プレーン3dp間の相互インダクタンス効果により、グランド電位供給経路のインピーダンスを更に低減できる。
【0055】
例えば、電源用電極Mp1(p)と三端子コンデンサ50の間を接続する配線Mw1の幅は500μmであり、実装基板MB1のビア径は0.3mm(300μm)である。配線Mw1の幅が、実装基板MB1のビア径よりも大きいので、ビア導体層Mvを用いるより、配線Mw1を用いた方がインピーダンスを低減できる。また、半導体装置SP1と三端子コンデンサ50との実装間隔は、最短で1mm程度であるので、電源用電極Mp1(p)と三端子コンデンサ50の間を接続する配線Mw1の長さは、1.2mm程度となる。一方、三端子コンデンサ50を、例えば、厚さ2.0mmの実装基板MB1の上面Maに搭載して、2つのビア導体層Mvと電源プレーンMdpを介して接続した場合、ビア導体層Mvの長さは2.5〜3mm程度となり、半導体装置SP1と三端子コンデンサ50を接続する配線長の観点からも配線Mw1を使用する方がインピーダンスを低減できる。また、三端子コンデンサ50を実装基板MB1の下面Mb側に実装した場合、半導体装置SP1と三端子コンデンサ50を接続するビア導体層Mvの長さは2.0mmとなり、このケースと比較しても、半導体装置SP1と三端子コンデンサ50を接続する配線長の観点からも配線Mw1を使用する方がインピーダンスを低減できる。
【0056】
また、
図1〜
図4に示すように、半導体チップ2の電源パッド2pd(p)とグランドパッド2pd(g)間には、バイパスコンデンサとして二端子コンデンサ60が接続されており、二端子コンデンサ60の接続経路は次の通りである。先ず、電源パッド2pd(p)、ボンディングワイヤBW、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)、ビア導体層3v、電源プレーン3dp、ビア導体層3v、二端子コンデンサ用ランド3p2(c)、半田ボールSB、二端子コンデンサ用電極Mp1、ビア導体層Mv、配線Mw2、電極Mp2、二端子コンデンサ60の順である。次に、電極Mp2、配線Mw2、ビア導体層Mv、二端子コンデンサ用電極Mp1、半田ボールSB、二端子コンデンサ用ランド3p2(c)、ビア導体層3v、グランドプレーン3gp、ビア導体層3v、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)、ボンディングワイヤBWおよびグランドパッド2pd(g)の順である。本実施の形態では、二端子コンデンサ60が1個のみ実装された例を示しているが、通常は、複数の二端子コンデンサ60が、電源パッド2pd(p)とグランドパッド2pd(g)間に並列に接続されている。二端子コンデンサ60は、平面視において、その一部または全部が、半導体装置SP1と重なる領域に配置されている。半導体装置SP1の端子の機能としては、信号用が圧倒的に多く、電源用またはグランド用は比較的少ない。したがって、端子数が多く取れる配線基板3の最外周のランド3p2は信号用に割り当てられ、配線基板3の内側のランド3p2は、電源用、グランド用に割り当てられている。さらに、バイパスコンデンサとして機能させるためには、半導体チップ2と二端子コンデンサ60とを低インピーダンス接続する必要があるため、二端子コンデンサ60を半導体装置SP1と重なる領域に配置している。
【0057】
図1に示すように、平面視において、長方形の三端子コンデンサ50の長辺が、電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)に隣接する辺に沿って配置したが、この配置に限定されるものではなく、短辺を電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)に隣接する辺に沿って配置することも可能である。但し、三端子コンデンサ50の電源用端子51,52とグランド用端子53,54の位置を考慮すると、次のように配置する方が良い。すなわち、長方形の三端子コンデンサ50の長辺が、電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)に隣接する辺に沿って配置する方が、電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)と三端子コンデンサ50間を接続する配線Mw1の長さを短縮できる。
【0058】
<コンデンサと半導体装置の接続経路>
次に、
図11を用いて本実施形態の電子装置ED1の等価回路を説明する。電源パッド2pd(p)とグランドパッド2pd(g)間の半導体チップ2内のインピーダンスをZ0とする。電源パッド2pd(p)と三端子コンデンサ50間のインピーダンスをZ1、三端子コンデンサ50と電源回路Reg間のインピーダンスをZ5、グランドパッド2pd(g)と三端子コンデンサ50間のインピーダンスをZ2、三端子コンデンサ50と電源回路Reg間のインピーダンスをZ6とする。また、電源パッド2pd(p)と二端子コンデンサ60間のインピーダンスをZ3、二端子コンデンサ60と三端子コンデンサ50間のインピーダンスをZ7、グランドパッド2pd(g)と二端子コンデンサ60間のインピーダンスをZ4、二端子コンデンサ60と三端子コンデンサ50間のインピーダンスをZ8とする。一般的に、二端子コンデンサ60は、三端子コンデンサ50に比べ、大きな等価直列インダクタンスESLを有しているが、
図11の等価回路図ではその表示を省略している。
【0059】
図1から
図10に示すように、電源パッド2pd(p)と三端子コンデンサ50間のインピーダンスZ1は、次の経路で構成される。つまり、ボンディングワイヤBW、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)、ビア導体層3v、電源プレーン3dp、ビア導体層3v、電源用ランド3p2(p)、半田ボールSB、電源用電極Mp1(p)、配線Mw1および電極Mp1の経路である。グランドパッド2pd(g)と三端子コンデンサ50間のインピーダンスZ2は、ボンディングワイヤBW、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)、ビア導体層3v、グランドプレーン3gp、ビア導体層3v、グランド用ランド3p2(g)、半田ボールSB、グランド用電極Mp1(g)、配線Mw1および電極Mp1の経路で構成される。電源パッド2pd(p)と二端子コンデンサ60間のインピーダンスZ3は、次の経路で構成される。つまり、ボンディングワイヤBW、電源用ボンディングフィンガ3p1(p)、ビア導体層3v、電源プレーン3dp、ビア導体層3v、二端子コンデンサ用ランド3p2(c)、半田ボールSB、二端子コンデンサ用の電極Mp1、ビア導体層Mv、配線Mw2および電極Mp2の経路である。グランドパッド2pd(g)と二端子コンデンサ60間のインピーダンスZ4は、次の経路で構成される。つまり、ボンディングワイヤBW、グランド用ボンディングフィンガ3p1(g)、ビア導体層3v、グランドプレーン3gp、ビア導体層3v、二端子コンデンサ用ランド3p2(c)、半田ボールSB、二端子コンデンサ用の電極Mp1、ビア導体層Mv、配線Mw2および電極Mp2の経路である。
【0060】
前述のように、二端子コンデンサ60を実装基板MB1の下面Mbに実装し、半導体装置SP1と重なる領域に配置することにより、インピーダンスZ3およびZ4を低減することができるため、二端子コンデンサ60により半導体チップ2の電源電圧の変動を抑制することができ、電子装置ED1の電気特性を向上することができる。
【0061】
また、半導体チップ2と電源回路Reg間に三端子コンデンサ50を介在させたことにより、等価直列インダクタンスESLの小さい三端子コンデンサ50が不要輻射ノイズ抑制用のコンデンサとして機能するため、ノイズが半導体チップ2の外部に漏れるのを防止することができる。
【0062】
さらに、半導体装置SP1において、電源用ランド3p2(p)(電源用端子)およびグランド用ランド3p2(g)(グランド用端子)を最外周のランド列に配置し、三端子コンデンサ50との間を実装基板MB1の第1層配線層で構成された配線Mw1で接続した。これにより、インピーダンスZ1およびZ2を低減できるため、三端子コンデンサ50を半導体チップ2の電源電圧変動抑制用コンデンサとしても機能させることができ、電子装置ED1の電気特性を向上することができる。
【0063】
また、半導体装置SP1において、電源用ランド3p2(p)(電源用端子)を最外周のランド列に配置し、半導体チップ2の電源パッド2pd(p)と電源用ランド3p2(p)間を、薄い絶縁層を介してグランドプレーン3gpと併設する電源プレーン3dpを介して接続する。さらに、グランド用ランド3p2(g)(グランド用端子)を最外周のランド列に配置し、半導体チップ2のグランドパッド2pd(g)とグランド用ランド3p2(g)間を、薄い絶縁層を介して電源プレーン3dpと併設するグランドプレーン3gpを介して接続する。このような構成により、電源プレーン3dpとグランドプレーン3gp間の相互インダクタンスにより、インピーダンスZ1およびZ2を低減できるため、三端子コンデンサ50を半導体チップ2の電源電圧変動抑制用コンデンサとしても機能させることができ、電子装置ED1の電気特性を向上することができる。
【0064】
<電子装置の製造方法>
次に、
図1〜
図10を用いて説明した電子装置の製造方法、言い換えれば、
図3に示す半導体装置SP1の実装方法について説明する。
図1〜
図3に示す電子装置ED1は、
図12に示すフロー図に沿って製造される。
図12に示すように、本実施の形態の電子装置の製造方法には、半導体装置の組立工程(半導体装置組立工程)と、完成した半導体装置を実装基板に実装する工程(半導体装置実装工程)と、が含まれる。また、半導体装置組立工程には、組み立てた半導体装置の検査を行うテスト工程(半導体装置検査工程)も含まれる。なお、上記テスト工程を行う前の半導体装置(検査体)を組み立てる工程までを半導体装置組立工程としてもよい。以下、前述の分類例に基づいて順に説明する。
【0065】
≪半導体装置の製造方法(半導体装置組立工程)≫
半導体装置組立工程では、
図3に示す実装基板MB1に実装するための半導体装置SP1を組み立てる。なお、以下では、
図3に示す配線基板3に相当するデバイス領域が複数個設けられた、所謂、多数個取り基板を準備して、複数のデバイス領域のそれぞれについて組立を行う方法について説明する。また、
図13に示す複数のデバイス領域30dのそれぞれは、
図3、
図4、
図5、および
図6を用いて説明した配線基板3に相当するので、以下の説明では、必要に応じて
図1〜
図10の各図を参照して説明する。
【0066】
1.基板準備工程
まず、
図12に示す基板準備工程では、例えば
図13に示す配線基板30を準備する。
図13は、
図12に示す基板準備工程で準備する配線基板の全体構造を示す平面図である。
図13に示すように、本工程で準備する配線基板30は、枠部(外枠)30fの内側に行列状に配置される、複数のデバイス領域30dを備えている。複数のデバイス領域30dは、それぞれが、
図3に示す配線基板3に相当する。配線基板30は、複数のデバイス領域30dと、各デバイス領域30dの間に切断ライン(切断領域)30cを有する、所謂、多数個取り基板である。このように、複数のデバイス領域30dを備える多数個取り基板を用いることで、製造効率を向上させることができる。
【0067】
本工程で準備する配線基板30は、
図3に示す半導体チップ2が搭載されていない点、半田ボールSBが未だ接続されていない点、および封止体4が形成されていない点を除き、
図3、
図4、
図5、および
図6を用いて説明した構成部材が予め形成されている。したがって、重複する説明は省略する。
【0068】
2.チップマウント工程
次に、
図12に示す半導体チップ搭載工程では、
図3に示すように半導体チップ2を配線基板30(
図13参照)のチップ搭載面である上面3a上に搭載する。半導体チップ2が有する複数の半導体素子は、表面2a側に形成された複数のパッド(電極、電極パッド)2pdと電気的に接続されている。
【0069】
本工程では、
図13に示す複数のデバイス領域30dのそれぞれに、半導体チップ2を搭載する。本実施の形態では、
図3に示すように、半導体チップ2は、その裏面2bをチップ搭載面(上面3a)と対向させて配線基板3上に搭載される。半導体チップ搭載工程には、ボンディング工程も含まれる。つまり、半導体チップ搭載後、半導体チップ2の複数のパッド2pdと配線基板3のボンディングフィンガ3p1とを、ボンディングワイヤBWにより電気的に接続する。
【0070】
3.封止工程
次に封止工程では、半導体チップ2と配線基板30とを電気的に接続する部分を封止する。本実施の形態では、
図3に示すように、半導体チップ2と配線基板30(
図13参照)は樹脂からなる封止体4により封止される。
【0071】
4.ボールマウント工程
次に、
図12に示すボールマウント工程では、配線基板3の実装面である下面3b側に、複数の半田ボールSBを取り付ける。本工程では、
図3に示すランド3p2上に半田ボールSBを配置して、リフロー処理(加熱して半田成分を溶融接合させた後、冷却する処理)を施す。これにより、ランド3p2と半田ボールSBは接合される。
【0072】
5.個片化工程
次に、
図12に示す個片化工程では、
図13に示す複数のデバイス領域30dを区画する切断ライン30cに沿って、配線基板30を切断する。これにより、多数個取り基板である配線基板30を、デバイス領域30d毎に個片化(分割)し、複数の半導体装置SP1(
図1参照)を取得する。
【0073】
6.テスト工程
次に、
図12に示すテスト工程(半導体装置検査工程)では、外観検査や電気的試験など、必要な検査、試験を行う。なお、テスト工程として電気的試験を行う場合、上記した実装基板の配線レイアウトに係る技術を、テスト用の基板(テストボード)に適用することができる。
【0074】
≪半導体装置実装工程≫
次に、
図12に示す半導体装置実装工程では、
図3に示すように、半導体装置SP1を、実装基板MB1の半導体装置搭載面である上面Maに搭載する。
【0075】
本工程では、
図3に示すように、半導体装置SP1の実装面である下面3bと実装基板MB1の上面Maとを対向させた状態で、複数の半田ボールSBと複数の電極Mp1とをそれぞれ電気的に接続する。
【0076】
半田ボールSBと電極Mp1とを接続し易くする観点からは、複数の電極Mp1の露出面のそれぞれに、半田材を形成しておくことが好ましい。複数の電極Mp1の露出面に予め半田材を形成しておけば、半田ボールSBの濡れ性を向上させることができる。
【0077】
また、
図3に示す三端子コンデンサ50および二端子コンデンサ60の実装方法は、本工程の前に予め実装しておく方法、本工程の後で実装する方法、あるいは本工程でリフロー処理を行う際に、一括して実装する方法を適用することができる。例えば、本工程でリフロー処理を行う場合には、電極Mp1および電極Mp2上に半田材を介して三端子コンデンサ50および二端子コンデンサ60を仮固定しておき、半導体装置SP1のリフロー処理と同時に三端子コンデンサ50および二端子コンデンサ60の実装を完了する。
【0078】
以上の工程により、上記の電子装置が完成となる。
【0079】
<変形例>
以上、本願発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0080】
(変形例1)
上記実施の形態では、半導体チップ2の複数のパッド2pdと配線基板3のボンディングフィンガ3p1とをボンディングワイヤBWで電気的に接続した半導体装置SP1の例を説明した。
図14は、
図3に示す半導体装置の変形例を示す断面図である。
【0081】
図14に示す半導体装置SP2では、複数のパッド2pdとボンディングフィンガ3p1間が半田材からなるボール電極BEで接続されている。この場合、半導体チップ2の表面2aは、配線基板3の上面3aと対向する構造となっている。このような構成とすることで、ボンディングワイヤBWで接続した場合に比べ、半導体装置SP2および電子装置ED1の高速動作が実現できる。なお、複数のパッド2pdとボンディングフィンガ3p1間とを互いに電気的に接続するための部材としては、上記した半田材からなるボール電極BEに限らず、金(Au)または銅(Cu)を主成分とするバンプ電極を半導体チップ2のパッド2pdに形成しておき、ボンディングフィンガ3p1に配置しておいた半田材と、このパッド2pdに形成しておいたバンプ電極とを介して接続してもよい。
【0082】
(変形例2)
また、上記実施の形態では、複数のパッド2pdが四角形の半導体チップ2の周囲(周辺部分)に配列された例を示したが、複数のパッド2pdを半導体チップ2の表面2aの全体に配列しても良い。つまり、複数のパッド2pdを半導体チップ2の表面2aの中央部分にも配置できるので、半導体チップ2に形成された回路とパッド2pdとを接続する配線の長さを短縮できるため、半導体装置SP2および電子装置ED1の高速動作が実現できる。また、ボール電極BEにかえて、半田ペーストを用いても良い。
【0083】
(変形例3)
次に、実施の形態1で説明した半導体装置SP1および電子装置ED1の変形例について説明する。
図15は電子装置ED3の半導体装置SP3実装面の一部を示す拡大平面図であり、
図1に対応している。また、
図16は半導体装置SP3を構成する配線基板3の第4層配線層の導体パターンであり、
図6(b)に対応している。
図17は、電子装置ED3を構成する実装基板MB3の第1層配線層の導体パターンであり、
図7に対応している。
図15、
図16および
図17の説明では、対応する
図1、
図6(b)および
図7の説明と共通する部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0084】
図16に示すように電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)が、配線基板3のコーナー部に位置するランド3p2に割り当てられている。つまり、配線基板3の一辺に最も近接する直線状のランド列を構成する複数のランド3p2のうちで、そのランド列の端に位置する2つのランド3p2が電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)として割り当てられている。
図16では、配線基板3の一辺に沿って、配列された複数のランド3p2の最も端にグランド用ランド3p2(g)を配置し、その内側に電源用ランド3p2(p)を配置したが、両者の位置は逆でも良い。また、実施の形態1と同様に、電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)は、半導体チップ2の周囲に額縁状に2列配置されたランド3p2の最外周のランド列に割り当てられている。また、電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)は隣接している。
【0085】
図15に示すように、電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)が配線基板3のコーナー部に配置されている場合は、半導体チップ2の電源パッド2pd(p)とグランドパッド2pd(g)は、上記した配線基板3のコーナー部に最も近い、四角形の半導体チップ2のコーナー部に位置している。さらに、配線基板3の電源用ボンディングフィンガ3p1(p)およびグランド用ボンディングフィンガ3p1(g)も、半導体チップ2のコーナー部に近い位置に配置されている。このような配置とすることで、電源パッド2pd(p)から電源用ランド3p2(p)までの配線長およびグランドパッド2pd(g)からグランド用ランド3p2(g)までの配線長を短くすることができる。
【0086】
図17に示すように電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)は、半導体装置SP3の電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)と対応する位置に配置されており、半田ボールSBを介して電気的に接続されている。電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)が、配線Mw1を介して三端子コンデンサ50に接続されている点は実施の形態1と同様である。
【0087】
電源用ランド3p2(p)とグランド用ランド3p2(g)が、配線基板3のコーナー部に配置することにより、三端子コンデンサ50を半導体装置SP3のコーナー部に実装することができる。つまり、電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)の近くに位置する電極Mp1に接続される配線Mw1(実装基板MB1の第1層配線層で構成された配線)のレイアウト自由度が大となる。電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)の近くに位置する電極Mp1が信号用として用いられる場合、電極Mp1に接続される配線Mw1の配線長を短縮できるので、電子装置ED3の高速動作が可能となる。
【0088】
(変形例4)
また、半導体装置(半導体パッケージ)の構造は、半導体チップ2が搭載される基材として、上記実施の形態のような配線基板3を備えた半導体装置、所謂、BGA(Ball Grid Array)に限らず、例えばQFP(Quad Flat Package)やQFN(Quad Flat Non-leaded)のように、リードフレームを用いた半導体装置であってもよい。
【0089】
この場合においても、上記実施の形態のように、実装基板MB1のうち、半導体装置(半導体パッケージ)が搭載されている面と同じ面側であって、かつ、この半導体装置の隣に三端子コンデンサ50を搭載する。この半導体装置の電源用ランド3p2(p)およびグランド用ランド3p2(g)は、それぞれ、実装基板MB1の電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)に接続されている。そして、電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)と、三端子コンデンサ50の電源用端子52およびグランド用端子53,54とを、それぞれ互いに接続する電源用の配線Mw1およびグランド用の配線Mw1は、実装基板MB1が有する複数の配線層のうちの最上層の配線層で構成されており、最上層の配線層(上記電源用電極Mp1(p)およびグランド用電極Mp1(g)を有する配線層)以外の配線層を経由させない。これにより、各配線層Mw1の長さを短くできるため、電源電位供給経路およびグランド電位供給経路のそれぞれのインピーダンスを低減できる。
【0090】
(変形例5)
さらに、上記実施の形態で説明した技術思想の要旨を逸脱しない範囲内において、変形例同士を組み合わせて適用することができる。