【文献】
STN INTERNATIONAL (REGISTRY FILE),2013年10月 3日,[retrieved on 11 December 2014] RN.1454838-81-3 [online]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明によるメルカプトアルキルグリコールウリル類は、一般式(I)
【0031】
(式中、R
1及びR
2はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を示し、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に水素原子か、又はメルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基及び3−メルカプトプロピル基から選ばれるメルカプトアルキル基を示し、nは0、1又は2である。)
で表される。
【0032】
上記一般式(I)で表されるメルカプトアルキルグリコールウリル類において、R
1又はR
2が低級アルキル基であるとき、その低級アルキル基は、通常、炭素原子数1〜5であり、好ましくは、1〜3であり、最も好ましくは1、即ち、メチル基である。
【0033】
特に、本発明によるメルカプトアルキルグリコールウリル類は、好ましくは、一般式(I)
【0035】
(式中、R
1及びR
2はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を示し、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に水素原子又は上記一般式(I)中の部分一般式
【0037】
と同じメルカプトアルキル基を示し、nは0、1又は2である。)
で表される。
【0038】
即ち、本発明においては、上記一般式(I)で表されるメルカプトアルキルグリコールウリル類において、R
3、R
4及びR
5のうち、1個、2個又は3個がメルカプトアルキル基であるとき、上記一般式(I)で表されるメルカプトアルキルグリコールウリル類の有するメルカプトアルキル基はすべて同じであることが好ましい。
【0039】
従って、本発明によるメルカプトアルキルグリコールウリル類の好ましい具体例として、例えば、
1−メルカプトメチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1−メルカプトメチル−3a−メチルグリコールウリル、
1−メルカプトメチル−6a−メチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1−メルカプトメチル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1−メルカプトメチル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル
等を挙げることができる。
【0040】
本発明による前記一般式(I)で表されるメルカプトアルキルグリコールウリル類のうち、nが2であるもの、即ち、下記一般式(Ia)
【0042】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に水素原子又は3−メルカプトプロピル基を示す。)
で表される3−メルカプトプロピルグリコールウリル類は、一般式(a)
【0044】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
6、R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子又はアリル基を示す。)
で表されるアリルグリコールウリル類に、必要に応じて、適宜の溶媒中、触媒の存在下にチオ酢酸を付加反応させて、一般式(a1)
【0046】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
9、R
10及びR
11はそれぞれ独立に水素原子又は3−アセチルチオプロピル基を示す。)
で表されるチオ酢酸エステルを反応生成物として得、次いで、この反応生成物を、必要に応じて、適宜の溶媒中、水素化ホウ素化合物にて還元することによって得ることができる。
【0047】
上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応において、チオ酢酸は、アリルグリコールウリル類(a)の有するアリル基に対して、通常、1.0〜3.0当量の割合にて用いられ、好ましくは、1.0〜1.5当量の割合にて用いられる。
【0048】
上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応は、触媒の存在下に行なわれる。その触媒としては、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルが好ましく用いられる。このような触媒は、アリルグリコールウリル類(a)の有するアリル基に対して、0.001〜0.2当量の割合にて用いられ、好ましくは、0.005〜0.2当量の割合にて用いられる。
【0049】
上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応において、溶媒は、これを用いるときは、反応を阻害しない限りは、特に、制限されることはないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、アセトン、2−ブタノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロトリフルオロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等を挙げることができる。このような溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0050】
上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応は、通常、−10〜150℃の範囲の温度で行なわれ、好ましくは、0℃〜100℃の範囲の温度で行なわれる。また、反応時間は、反応温度にもよるが、通常、1〜48時間の範囲であり、好ましくは、1〜24時間の範囲である。
【0051】
上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応の終了後、得られた反応混合物から過剰のチオ酢酸と溶媒を留去した後、残留物として得られた前記反応生成物を、必要に応じて、適宜の溶媒中、水素化ホウ素化合物にて還元してもよく、また、得られた反応混合物をそのまま、必要に応じて、適宜の溶媒中、水素化ホウ素化合物による還元処理に供してもよい。
【0052】
上記水素化ホウ素化合物としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素マグネシウム等が用いられる。これらの水素化ホウ素化合物は、用いたアリルグリコールウリル類の有するアリル基に対して、0.5〜10当量の割合にて用いられ、好ましくは、1.0〜4.0当量の割合にて用いられる。
【0053】
上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応によって得られた反応生成物の水素化ホウ素化合物による還元処理において、溶媒は、これを用いるときは、反応を阻害しない限りは、特に、制限されることはないが、例えば、上記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応において用いられた溶媒と同じ溶媒を用いることができる。
【0054】
上記水素化ホウ素化合物による還元処理は、通常、0℃〜150℃の範囲で行なわれ、好ましくは、室温〜100℃の範囲で行なわれる。また、反応時間は、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜12時間の範囲である。
上記水素化ホウ素化合物による還元処理の後、得られた反応混合物から、例えば、抽出操作によって、目的とするメルカプトアルキルグリコールウリル類を得ることができる。必要に応じて、更に、水等の溶媒による洗浄や活性炭処理等によって、目的とするメルカプトアルキルグリコールウリル類を精製することができる。
【0055】
前記一般式(I)で表される本発明によるメルカプトアルキルグリコールウリル類のうち、nが1であるもの、即ち、一般式(Ib)
【0057】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
12、R
13及びR
14はそれぞれ独立に水素原子又は2−メルカプトエチル基を示す。)
で表される2−エチルメルカプトグリコールウリル類は、一般式(b)
【0059】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
15、R
16及びR
17はそれぞれ独立に水素原子又は2−ヒドロキシエチル基を示す。)
で表される2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)に、必要に応じて、適宜の溶媒中、塩化チオニルを反応させて、一般式(b1)
【0061】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
18、R
19及びR
20はそれぞれ独立に水素原子又は2−クロロエチル基を示す。)
で表される反応生成物、即ち、2−クロロエチルグリコールウリル類を得、次いで、この反応生成物を、必要に応じて、適宜の溶媒中、トリチオ炭酸ジナトリウムにて処理して、塩素原子をメルカプト基に置換することによって得ることができる。
【0062】
同様に、前記一般式(I)で表される本発明によるメルカプトアルキルグリコールウリル類のうち、nが0であるもの、即ち、一般式(Ic)
【0064】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
21、R
22及びR
23はそれぞれ独立に水素原子又はメルカプトメチル基を示す。)
で表されるメルカプトメチルグリコールウリル類も、2−エチルメルカプトグリコールウリル類と同じ方法によって得ることができる。
【0065】
即ち、上記メルカプトメチルグリコールウリル類は、一般式(c)
【0067】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
24、R
25及びR
26はそれぞれ独立に水素原子又はヒドロキシメチル基を示す。)
で表されるヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)に、必要に応じて、適宜の溶媒中、塩化チオニルを反応させて、一般式(c1)
【0069】
(式中、R
1及びR
2は前記と同じであり、R
27、R
28及びR
29はそれぞれ独立に水素原子又はクロロメチル基を示す。)
で表される反応生成物、即ち、クロロメチルグリコールウリル類を得、次いで、この反応生成物を、必要に応じて、適宜の溶媒中、トリチオ炭酸ジナトリウムにて処理して、塩素原子をメルカプト基と置換することによって得ることができる。
【0070】
上記2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)と塩化チオニルの反応において、塩化チオニルは、2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)の有するヒドロキシ基に対して、通常、1.0〜10.0当量の割合にて用いられ、好ましくは、1.0〜3.0当量の割合にて用いられる。
【0071】
上記2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)と塩化チオニルの反応において、溶媒は、これを用いるときは、反応を阻害しない限りは、特に、制限されることはないが、例えば、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、アセトン、2−ブタノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロトリフルオロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等を挙げることができる。このような溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0072】
上記2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)と塩化チオニルの反応は、通常、−10〜150℃の範囲の温度で行なわれ、好ましくは、0℃〜100℃の範囲の温度で行なわれる。また、反応時間は、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
【0073】
上記2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)と塩化チオニルとの反応の終了後、得られた反応混合物から過剰の塩化チオニルと溶媒を留去した後、残留物として得られた反応生成物を、必要に応じて、適宜の溶媒中、トリチオ炭酸ジナトリウムにて処理してもよく、また、上記2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)と塩化チオニルとの反応の終了後、得られた反応混合物をそのまま、必要に応じて、適宜の溶媒中、トリチオ炭酸ジナトリウムによる処理に供してもよい。
【0074】
上記トリチオ炭酸ジナトリウムは、用いた2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)の有するヒドロキシ基に対して、1.0〜10当量の割合にて用いられ、好ましくは、1.0〜4.0当量の割合にて用いられる。
【0075】
上記2−ヒドロキシエチルグリコールウリル類(b)又はヒドロキシメチルグリコールウリル類(c)と塩化チオニルとの反応によって得られた反応生成物のトリチオ炭酸ジナトリウムによる処理において、溶媒は、これを用いるときは、反応を阻害しない限りは、特に、制限されることはないが、例えば、前記アリルグリコールウリル類(a)とチオ酢酸との反応において用いられる溶媒と同じ溶媒を用いることができる。
【0076】
上記トリチオ炭酸ジナトリウムによる処理は、通常、0℃〜150℃の範囲で行なわれ、好ましくは、室温〜100℃の範囲で行なわれる。また、反応時間は、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜9時間の範囲である。
【0077】
上記トリチオ炭酸ジナトリウムによる処理の後、処理した混合物から、例えば、抽出操作によって、目的とするメルカプトアルキルグリコールウリル類を得ることができる。必要に応じて、更に、水等の溶媒による洗浄や活性炭処理等によって、目的とするメルカプトアルキルグリコールウリル類を精製することができる。
【0078】
本発明によるメルカプトアルキルグリコールウリル類は、前述したように、新規な含硫黄化合物の合成中間体のほか、分子中に2個以上のメルカプトアルキル基を有するものは、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤として有用である。即ち、本発明によるエポキシ樹脂用硬化剤は上述したメルカプトアルキルグリコールウリル類を含む。
【0079】
特に、本発明による1,3,4,6−テトラキス(メルカプトアルキル)グリコールウリル類を硬化剤として含むエポキシ樹脂組成物は、耐加水分解性にすぐれているのみならず、従来、知られているエポキシ樹脂組成物に比べて、架橋密度のより高いエポキシ樹脂硬化物、従って、例えば、硬度、耐熱性、耐湿性等によりすぐれたエポキシ樹脂硬化物を与える。
【0080】
即ち、本発明によるエポキシ樹脂組成物は、前記一般式(I)で表されるメルカプトアルキルグリコールウリル類を硬化剤として含む。更に、本発明によるエポキシ樹脂組成物は、アミン類からなる硬化促進剤に代えて、又はアミン類からなる硬化促進剤と共に、アミン類とエポキシ化合物との反応生成物からなる硬化促進剤や、分子内に1個以上のイソシアネート基を有する化合物と分子内に少なくとも1個の第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応生成物からなる硬化促進剤を含んでもよい。
【0081】
本発明において、上記エポキシ樹脂とは、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物をいい、従って、よく知られているように、そのようなエポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル類、p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル類、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル類、更に、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等を挙げることができるが、しかし、本発明において、エポキシ樹脂は上記例示に限定されるものではない。
【0082】
また、上記エポキシ樹脂として、分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルグリコールウリル化合物も用いることができる。そのようなグリシジルグリコールウリル化合物として、例えば、
1,3−ジグリシジルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジルグリコールウリル、
1,3−ジグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ジグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ジグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル
等を挙げることができる。
【0083】
本発明によるエポキシ樹脂組成物におけるアミン類からなる硬化促進剤としては、従来から知られているように、エポキシ基と付加反応し得る活性水素を分子内に1個以上有すると共に、第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子内に少なくとも1個有するものであればよい。このようなアミン類からなる硬化促進剤として、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−メチルアニリン等の芳香族アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンのような窒素含有複素環化合物等を挙げることができる。しかし、本発明において、アミン類からなる硬化促進剤は上記例示に限定されるものではない。
【0084】
更に、本発明によるエポキシ樹脂組成物においては、上述したアミン類からなる硬化促進剤以外にも、アミン類とエポキシ化合物との反応生成物や、また、分子内に1個以上のイソシアネート基を有する化合物と分子内に少なくとも1個の第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応生成物を硬化促進剤として用いることができる。
【0085】
上記アミン類とエポキシ化合物との反応生成物は、室温ではエポキシ樹脂に不溶性の固体であって、加熱することによって可溶化して、硬化促進剤として機能するので、潜在性硬化促進剤ともいわれている。以下、上記アミン類とエポキシ化合物との反応生成物からなる硬化促進剤を潜在性硬化促進剤という。このような潜在性硬化促進剤は、イソシアネート化合物や酸性化合物にて表面処理されていてもよい。
【0086】
上記潜在性硬化促進剤の製造に用いるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール又はグリセリンやポリエチレングリコールのような多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、4,4′−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン化合物、更には、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官能性エポキシ化合物や、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の単官能性エポキシ化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
また、上記潜在性硬化促進剤の製造に用いるアミン類は、エポキシ基と付加反応し得る活性水素を分子内に1個以上有すると共に、第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれるアミノ基を少なくとも1個、分子内に有するものであればよい。
【0088】
このようなアミン類として、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンのような窒素含有複素環化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
上述したアミン類のなかで、分子内に第3級アミノ基を有する第3級アミン類は、すぐれた硬化促進性を有する潜在性硬化促進剤を与える原料である。そのような第3級アミン類の具体例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のような分子内に第3級アミノ基を有する第1級又は第2級アミン類や、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のような、分子内に3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等を挙げることができる。
【0090】
本発明によるエポキシ樹脂組成物の保存安定性を更に向上させるために、上記潜在性硬化促進剤を製造する際に、第3成分として分子内に活性水素を2個以上有する活性水素化合物を加えることもできる。このような活性水素化合物として、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類、1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0091】
更に、潜在性硬化促進剤の製造の際に、表面処理剤として用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等のような単官能イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のような多官能イソシアネート化合物を挙げることができる。
【0092】
上記多官能イソシアネート化合物に代えて、上記多官能イソシアネート化合物と活性水素化合物との反応によって得られる末端イソシアネート基含有化合物も用いることができる。このような化合物の例としては、トルイレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの反応により得られる末端イソシアネート基を有する付加反応物、トルイレンジイソシアネートとペンタエリスリトールの反応により得られる末端イソシアネート基を有する付加反応物等を挙げることができる。
【0093】
しかし、潜在性硬化促進剤の製造の際に、表面処理剤として用いられるイソシアネート化合物は、上記に限定されるものではない。
【0094】
また、潜在性硬化促進剤の製造の際に、表面処理剤として用いられる酸性物質は、気体、液体又は固体のいずれでもよく、また、無機酸、有機酸のいずれでもよく、例えば、炭酸ガス、亜硫酸ガス、硫酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、カプロン酸、乳酸、琥珀酸、酒石酸、セバシン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ホウ酸、タンニン酸、アルギン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、フェノール、ピロガロール、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
上述した潜在性硬化促進剤は、上記エポキシ化合物と上記アミン類と、必要に応じて、上記活性水素化合物を混合し、室温から200℃の温度において反応させた後、固化、粉砕するか、又はメチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させ、脱溶媒後、固形分を粉砕することによって容易に得ることができる。
【0096】
本発明によるエポキシ樹脂組成物において、本発明による前記メルカプトアルキルグリコールウリル類は、SH当量数/エポキシ当量数比が0.5〜1.2となるように用いられる。また、前記潜在性硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。
【0097】
上記潜在性硬化促進剤は市販品を用いることができる。そのような市販品として、例えば、「アミキュア PN−23」(味の素(株)商品名)、「アミキュア PN−H」(味の素(株)商品名)、「アミキュア MY−24」(味の素(株)商品名)、「ノバキュア HX−3742」(旭化成(株)商品名)、「ノバキュア HX−3721」(旭化成(株)商品名)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
本発明によるエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて充填剤、希釈剤、溶剤、顔料、可撓性付与剤、カップリング剤、酸化防止剤等、種々の添加剤を含むことができる。
本発明によるエポキシ樹脂組成物において、上記添加剤としてイソシアネート基含有化合物を用いた場合は、エポキシ樹脂組成物の硬化性を著しく損なうことなく、その接着力を向上させることができる。
【0099】
そのようなイソシアネート基含有化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−エチルフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0100】
このようなイソシアネート基含有化合物は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の範囲で用いられる。
【0101】
本発明によれば、分子内に1個以上のイソシアネート基を有する化合物と分子内に少なくとも1個の第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応生成物も硬化促進剤として用いることができる。
【0102】
このような硬化促進剤は、分子内に1個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物をジクロロメタン等の有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
【0103】
上記分子内に1個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−ブロモフェニルイソシアネート、m−クロロフェニルイソシアネート、o−クロロフェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、2,5−ジクロロフェニルイソシアネート、3,4−ジクロロフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、o−フルオロフェニルイソシアネート、p−フルオロフェニルイソシアネート、m−トリルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、m−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、p−フェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス−(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)イソシアヌレート、トリス−(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
また、上記分子内に少なくとも1つの第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−エタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、メタキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,1−ジメチルヒドラジン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0105】
本発明によるエポキシ樹脂組成物において、前記メルカプトアルキルグリコールウリル類は、SH当量数/エポキシ当量数が0.5〜1.2となるように用いられ、上記分子内に1個以上のイソシアネート基を有する化合物と分子内に少なくとも1個の第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応によって得られる反応生成物である硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲で用いられる。
【0106】
前述したように、本発明によるエポキシ樹脂組成物は、従来、知られているエポキシ樹脂組成物に比べて、耐加水分解性にすぐれており、更に、耐熱性や湿性等においてもすぐれており、接着剤やシール剤として好適に用いることができる。即ち、本発明による接着剤は、上述したエポキシ樹脂組成物を含み、また、本発明によるシール剤は上述したエポキシ樹脂組成物を含む。
【0107】
本発明による接着剤及びシール剤は、更に添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤としては、例えば、ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム等の流動挙動調整剤、アルミナ等の熱伝導付与剤、銀、カーボン等の導電性付与剤、顔料、染料等の着色剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、3本ロール、プラネタリーミキサー等、従来、知られている通常の混合機を用いて、上述したエポキシ樹脂組成物に混合することができる。
【実施例】
【0108】
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はそれら実施例によって特に限定されるものではない。
【0109】
(アリルグリコールウリル類の合成)
以下において、チオ酢酸は東京化成工業(株)製、アゾビスイソブチロニトリルはシグマアルドリッチ社製、塩化チオニル及び水素化ホウ素ナトリウムは和光純薬工業(株)製、トリチオ炭酸ジナトリウム40%水溶液はBOC Science社製を用いた。
【0110】
参考例1
(1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリルの合成)
特開平11−171887号公報に記載の方法に従って合成した。
【0111】
グリコールウリル14.2g(100mmol)、水酸化ナトリウム16.0g(400mmol)及びジメチルスルホキシド140mLを混合し、40℃で1時間加熱撹拌した後、同じ温度で塩化アリル34.4g(400mmol)を20分かけて滴下した。滴下終了後、更に、40℃で2時間加熱撹拌して、反応を完結させた。
【0112】
得られた反応混合物を減圧乾固した。得られた乾固物を酢酸エチル400mL及び水400mLで分液抽出した。酢酸エチル層を水100mL、次いで、飽和食塩水100mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に酢酸エチルを留去して、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル27.4gを無色の油状物として得た。収率90%。
【0113】
参考例2
(1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジメチルグリコールウリルの合成)
特開平11−171887号公報に記載の方法に従って合成した。
【0114】
3a,6a−ジメチルグリコールウリル17.0g(100mmol)、水酸化ナトリウム16.0g(400mmol)及びジメチルスルホキシド150mLを混合し、40℃で1時間加熱撹拌した後、同じ温度で塩化アリル34.4g(400mmol)を20分かけて滴下した。滴下終了後、更に、40℃で2時間加熱撹拌して、反応を完結させた。この後、参考例1と同様の後処理を行なって、1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル26.1gを結晶として得た。収率79%。
【0115】
参考例3
(1,3−ジアリルグリコールウリルの合成)
温度計を備えた100mLフラスコに尿素3.00g(50.0mmol)と40%グリオキザール水溶液8.71g(60.0mmol)を投入した。この混合物に室温で40%水酸化ナトリウム水溶液を2滴加えて、80℃にて1時間攪拌した。続いて、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた濃縮物にジアリルウレア7.00g(50.0mmol)、酢酸50mL及び硫酸490mg(5.0mmol)を投入し、110℃にて終夜攪拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷却した後、アセトン50mLを加え、析出した結晶を濾別し、乾燥して、1,3−ジアリルグリコールウリルを白色の粘稠な油状物として得た。収率39%。
【0116】
得られた1,3−ジアリルグリコールウリルのIRスペクトルを
図1に示す。また、その
1H−NMRスペクトル(d6−DMSO)δ値は下記のとおりであった。
【0117】
7.52(s,2H),5.69−5.84(m,2H),5.08−5.23(m,6H),3.92−3.97(m,2H),3.52(dd,2H)
(メルカプトアルキルグリコールウリル類の合成)
【0118】
実施例1
(1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリルの合成)
温度計を備えた50mLフラスコに、1,3−ジアリルグリコールウリル560mg(2.5mmol)、チオ酢酸457mg(6.0mmol)及びテトラヒドロフラン10mLを入れ、これにアゾビスイソブチロニトリル25mg(0.15mmol)を加えた後、攪拌しながら、60℃にて16時間反応を行った。
【0119】
得られた反応混合物を冷却した後、減圧下で濃縮し、得られた濃縮物にメタノール10mLを加えた。得られた混合物に室温で水素化ホウ素ナトリウム189mg(5.0mmol)を加えた後、撹拌しながら60℃にて終夜攪拌を行った。反応終了後、5℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液30mLを加えた後、30分間撹拌した。
【0120】
得られた反応混合物からクロロホルム30mLで抽出操作を行い、得られた有機層を水15mLで3回洗浄した。得られた有機層を減圧下で濃縮して、1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル336mgを褐色油状物として得た。収率46%。
【0121】
得られた1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリルのIRスペクトルを
図2に示す。また、その
1H−NMRスペクトル(d6−DMSO)におけるδ値は下記のとおりであった。
【0122】
7.52(br,2H),5.27(s,2H),3.22−3.35(m,4H),2.65−2.89(m,4H),1.72−1.90(m,4H)
【0123】
実施例2
(1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリルの合成)
温度計を備えた100mLフラスコに1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル3.02g(10.0mmol)、チオ酢酸3.65g(48.0mmol)及びテトラヒドロフラン20mLを入れ、これにアゾビスイソブチロニトリル66mg(0.4mmol)を加えた後、攪拌しながら60℃にて18時間反応を行った。
【0124】
得られた反応混合物を冷却した後、減圧下で濃縮し、得られた濃縮物にメタノール20mLを加えた。得られた混合物に室温で水素化ホウ素ナトリウム1.51g(40.0mmol)を加えた後、撹拌しながら60℃にて終夜攪拌を行った。
【0125】
反応終了後、5℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液30mLを加えた後、30分間撹拌した。得られた反応混合物からクロロホルム30mLで抽出操作を行った後、有機層を水15mLで3回洗浄した。得られた有機層を減圧下で濃縮して、1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル3.12gを淡黄色油状物として得た。収率65%。
【0126】
得られた1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリルのIRスペクトルを
図3に示す。また、その
1H−NMRスペクトル(d6−DMSO)におけるδ値は下記のとおりであった。
【0127】
5.32(s,2H),3.43−3.50(m,4H),3.12−3.20(m,4H),2.43−2.51(m,8H),1.69−1.86(m,8H)
【0128】
実施例3
(1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリルの合成)
温度計を備えた100mLフラスコに1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル3.30g(10.0mmol)、チオ酢酸3.65g(48.0mmol)及びテトラヒドロフラン20mLを入れ、これにアゾビスイソブチロニトリル66mg(0.4mmol)を投入した後、攪拌しながら60℃にて18時間反応を行った。
【0129】
得られた反応混合物を冷却した後、減圧下で濃縮し、得られた濃縮物にメタノール20mLを加えた。得られた混合物に室温で水素化ホウ素ナトリウム1.51g(40.0mmol)を加えた後、撹拌しながら60℃にて終夜攪拌を行った。反応終了後、5℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液30mLを投入した後、30分間撹拌した。得られた反応混合物からクロロホルム30mLで抽出操作を行った。得られた有機層を水15mLで3回洗浄し、得られた有機層を減圧下で濃縮して、1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル2.17gを淡黄色油状物として得た。収率46%。
【0130】
得られた1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリルのIRスペクトルを
図4に示す。また、その
1H−NMRスペクトル(d6−DMSO)におけるδ値は下記のとおりであった。
【0131】
3.31−3.42(m,8H),2.47−2.59(m,8H),1.82−1.89(m,8H),1.53(t,4H),1.47(s,6H)
【0132】
実施例4
(1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリルの合成)
温度計を備えた50mLフラスコに1,3,4,6−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)グリコールウリル3.18g(10.0mmol)と塩化チオニル4.76g(40.0mmol)を入れた後、攪拌しながら、70℃にて5時間反応を行った。
【0133】
得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた濃縮物に水20mLを加えた。得られた混合物に室温下にトリチオ炭酸ジナトリウム40%水溶液15.4g(40.0mmol)を滴下した後、撹拌しながら、100℃にて6時間攪拌を行った。反応終了後、得られた反応混合物を5℃まで冷却し、これにクロロホルム50mLを加えた後、30分間撹拌した。この混合物から水層を除去し、得られた有機層を減圧下で濃縮して、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル3.26gを黄色油状物として得た。収率85%。
【0134】
得られた1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリルのIRスペクトルを
図5に示す。また、その
1H−NMRスペクトル(CDCl
3)における
δ値は下記のとおりであった。
【0135】
5.55(s、2H),3.71−3.78(m,4H),3.31−3.39(m,4H),2.83−2.92(m,4H),2.67−2.76(m,4H),1.46(t,4H)
【0136】
(エポキシ樹脂組成物の調製)
以下においては、エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER828」)に上記実施例2で得られた1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリルと上記実施例4で得られた1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリルをそれぞれ硬化剤として配合し、硬化促進剤として固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤(味の素ファインテクノ(株)製「アミキュアPN−23」)をそれぞれ配合してエポキシ樹脂組成物を調製した。
【0137】
比較のために、硬化剤として、次式(1)
【0138】
【化16】
【0139】
で表される1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(昭和電工(株)製「カレンズMT NR1」、以下、チオール化合物(1)という。)及び次式(2)
【0140】
【化17】
【0141】
で表されるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(SC有機化学(株)製「TMMP」、以下、チオール化合物(2)という。)を硬化剤として用いた以外は、上記と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0142】
実施例5
エポキシ樹脂100重量部に1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル64重量部と潜在性硬化促進剤3重量部を混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0143】
実施例6
エポキシ樹脂100重量部に1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル56重量部と潜在性硬化促進剤3重量部を混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0144】
比較例1
実施例5において、1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル64重量部に代えて、チオール化合物(1)107重量部を用いた以外は、同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0145】
比較例2
実施例5において、1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル64重量部に代えて、チオール化合物(2)75重量部を用いた以外は、同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0146】
(エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度の測定)
上記実施例5、6、比較例1及び2において得たエポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTAR 6000」)を用いて測定した。即ち、エポキシ樹脂組成物を10℃/分の昇温速度にて30℃から270℃まで加熱して硬化させ、続いて、このようにして得られた硬化物を−50℃/分の降温速度にて270℃から10℃まで冷却し、次いで、10℃/分の昇温速度にて10℃から100℃へ加熱して、硬化物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
本発明による1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル及び1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリルをそれぞれ硬化剤として配合したエポキシ樹脂組成物の硬化物は、チオール化合物(1)及びチオール化合物(2)をそれぞれ硬化剤として配合したエポキシ樹脂組成物の硬化物に比べて、ガラス転移温度が高く、耐熱性にすぐれていることが示される。