特許第6207426号(P6207426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6207426高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207426
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/08 20060101AFI20170925BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   G02B26/08 E
   G03B21/00 F
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-41396(P2014-41396)
(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公開番号】特開2014-209193(P2014-209193A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2016年12月20日
(31)【優先権主張番号】13/802,133
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506038213
【氏名又は名称】クリスティ デジタル システムズ カナダ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ドム ジョン
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08157388(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0115989(US,A1)
【文献】 特開2005−189626(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/031334(WO,A1)
【文献】 特表2007−519974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/00−26/08
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムであって、
光学経路に沿って光を提供する光源と、
前記光の一部をオフ状態の光路及びオン状態の光路に方向付け、それにより画像を生成するデジタルマイクロミラーデバイスと、
前記光源と前記デジタルマイクロミラーデバイスとの間の前記光学経路に配置され、前記デジタルマイクロミラーデバイスにより生成される前記画像のダイナミックレンジを増大させるために、前記光の少なくとも一部を、前記デジタルマイクロミラーデバイスへの前記オフ状態への光路から、前記デジタルマイクロミラーデバイスへの前記オン状態の光路へ方向付ける光学素子と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記光学素子は、少なくとも1つの指示可能なセグメントを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの指示可能なセグメントは、独立して指示可能である請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学素子は、少なくとも1つの静的な素子を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記光学素子は、少なくとも部分的に反射性の素子を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも部分的に反射性の素子は、区分されたミラー、アナログミラー、ダイクロイックミラー及び静電変形可能ミラーのうちの1つを備える請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記光学素子の形状は、正方形、矩形及び円形のうちの1つを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記光学素子は、前記オフ状態の光路から+/−9度で前記オン状態の光路へ前記光の少なくとも一部を方向付けるように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
画像コンテンツデータに基づいて前記画像を生成するために、前記デジタルマイクロミラーデバイスを構成する駆動システムをさらに備え、
前記駆動システムは、前記画像コンテンツデータに基づいて、前記オフ状態の光路から前記オン状態の光路へ少なくとも一部の光を方向付けるために、前記光学素子を構成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記画像コンテンツデータは、高ダイナミック画像コンテンツデータを含む請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記光源と前記デジタルマイクロミラーデバイスとの間の前記光学経路に配置される追加の光学素子をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記光源は、レーザ光モジュールを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムであって、
光学経路に沿って光を提供する光源と、
前記光の一部をオフ状態の光路及びオン状態の光路に方向付け、それにより画像を生成するデジタルマイクロミラーデバイスと、
前記光源と前記デジタルマイクロミラーデバイスとの間の前記光学経路に配置され、前記デジタルマイクロミラーデバイスにより生成される前記画像のダイナミックレンジを増大させるために、前記光の少なくとも一部を前記オフ状態の光路から前記オン状態の光路へ方向付ける光学素子と、を備え、
前記光学素子は、透過性素子を備え、前記透過性素子は、レンズを備え、前記レンズは、液晶可変レンズを備えるシステム。
【請求項14】
高ダイナミックレンジを有する画像を生成する方法であって、
光源により、光学経路に沿って光を提供するステップと、
デジタルマイクロミラーデバイスにより、前記光の一部をオフ状態及びオン状態の光路へ方向付け、それにより画像を生成するステップと、
光学素子により、前記画像のダイナミックレンジを増大させるために、前記光の少なくとも一部を、前記デジタルマイクロミラーデバイスへの前記オフ状態の光路への光路から、前記デジタルマイクロミラーデバイスへの前記オン状態の光路へ方向付けるステップであって、前記光学素子は、前記光源と前記デジタルマイクロミラーデバイスとの間の前記光学経路に配置される、ステップと、を備える方法。
【請求項15】
前記方向付けるステップは、前記オフ状態の光路から+/−9度で前記オン状態の光路へ前記光の少なくとも一部を方向付けることを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方向付けるステップは、前記光学経路に配置される前記光学素子の少なくとも1つの指示可能なセグメントを旋回又は回転することを含む請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般的な投影システムに関するものであり、特に、高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の投影システムは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の照明が、DMD画像化面全体に亘って均一であることを要求している。すなわち、DMDの各ミラーにより受信される光の量は、最も明るい領域の照明が、DMDミラーの全体照明により制限されるような、これらのシステムにより、ほぼ等しくなるように要求される。これは、特に、元の又は所望の画像が、高ダイナミックレンジを有する画像を構成する場合に、元の又は所望の画像の真の表示ではない画像をもたらしうる。
【発明の概要】
【0003】
一つの実施によれば、高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムであって、光学経路に沿って光を提供する光源と、前記光の一部をオフ状態の光路及びオン状態の光路に方向付け、それにより画像を生成するデジタルマイクロミラーデバイスと、前記光源と前記デジタルマイクロミラーデバイスとの間の前記光学経路に配置され、前記デジタルマイクロミラーデバイスにより生成される前記画像のダイナミックレンジを増大させるために、前記オフ状態の光路から前記オン状態の光路へ前記光の少なくともいくつかを指示する変形可能な光学素子と、を備えるシステムが提供される。
【0004】
別の実施によれば、前記変形可能な光学素子は、少なくとも1つの指示可能なセグメントを備える。関連する実施によれば、前記少なくとも1つの指示可能なセグメント独立して指示可能である。
【0005】
別の実施によれば、前記変形可能な光学素子は、少なくとも1つの静的な素子を備える。
【0006】
別の実施によれば、前記変形可能な光学素子は、少なくとも部分的に反射性の素子を備える。関連する実施によれば、前記少なくとも部分的に反射性の素子は、区分されたミラー、アナログミラー、ダイクロイックミラー及び静電変形可能ミラーのうちの1つを備える。
【0007】
一つの実施によれば、前記変形可能な光学素子は、透過性素子を備える。関連する実施によれば、前記透過性素子は、レンズを備える。別の関連する実施によれば、前記レンズは、可変レンズを備える。
【0008】
一つの実施によれば、前記変形可能な光学素子の形状は、正方形、矩形及び円形のうちの1つを備える。
【0009】
一つの実施によれば、前記変形可能な光学素子は、前記オフ状態の光路から+/−9度で前記オン状態の光路へ前記光の少なくともいくつかを指示するように構成される。
【0010】
一つの実施によれば、前記高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムは、画像コンテンツデータに基づいて前記画像を生成するために、前記デジタルマイクロミラーデバイスを構成する駆動システムをさらに備え、前記駆動システムは、前記画像コンテンツデータに基づいて、前記オフ状態の光路から前記オン状態の光路へ少なくともいくつかの光を指示するために、前記変形可能な光学素子を構成する。関連する実施によれば、前記画像コンテンツデータは、高ダイナミック画像コンテンツデータを含む。
【0011】
一つの実施によれば、前記高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムは、前記光源と前記デジタルマイクロミラーデバイスとの間の前記光学経路に配置される追加の変形可能な光学素子をさらに備える。
【0012】
一つの実施によれば、前記光源は、レーザ光モジュールを備える。
【0013】
一つの実施によれば、高ダイナミックレンジを有する画像を生成する方法であって、光学経路に沿って光を提供するステップと、前記光の一部をオフ状態の光路及びオン状態の光路へ方向付け、それにより画像を生成するステップと、前記画像のダイナミックレンジを増大させるために、前記オフ状態の光路から前記オン状態の光路へ前記光の少なくともいくつかを指示するステップと、を備える方法が提供される。
【0014】
一つの実施によれば、前記指示するステップは、前記オフ状態の光路から+/−9度で前記オン状態の光路へ前記光の少なくともいくつかを指示することを含む。
【0015】
一つの実施によれば、前記指示するステップは、前記光路に配置される変形可能な光学素子の少なくとも1つの指示可能なセグメントを統合することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に記載される各種実施のよりよい理解のため、及びそれらがどのように実行されるかをより明確に示すために、例示のためのみに、添付の図面が参照される。
図1図1は、従来の実施に係る、投影システムの概要図を示す。
図2図2aは、従来の実施に係るデジタル投影システムにより投影される所望の画像を示す。図2bは、従来の実施に係る、図2aの所望の画像を生成するように構成される代表的なデジタルマイクロミラー(DMD)の前面図を示す。図2cは、図2bのDMDにより生成される所望の画像を示す。
図3図3は、制限されない実施に係る、高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムの代表の概要図を示す。
図4図4は、別の制限されない実施に係る、高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムの代表の概要図を示す。
図5図5は、別の制限されない実施に係る、高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステムの代表の概要図を示す。
図6図6は、制限されない実施に係る、高ダイナミックレンジを有する画像を生成する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、従来の投影システム100の概要図を示す。投影システム100は、光路115に沿って光を提供(例えば、送信)する光源105を備える。いくつかの実施によれば、光源105は、キセノンランプ及び放物線リフレクタのようなランプを備える。いくつかの実施によれば、光源105は、レーザ光モジュールを備える。光110は、中間光学系120へ送信される。中間光学系120は、全体として光円錐125といい、簡素化のために矢印として示される光円錐125a,125b及び125cを生成するための光110を変調する。中間光学系120は、例えば、一又はそれ以上の集積ロッド、プリズム、リレーレンズ及びミラーを含むことができる。光110は、光円錐125a,125b及び125cの光を含む。すなわち、光円錐125a,125b及び125cは、光110の一部又は部分集合である。
【0018】
光円錐125a,125b及び125cのそれぞれは、各光学経路130a,130b及び130c(光路130a,130b及び130cともいう)に沿って提供される。光学経路115及び130bは、少なくとも最初は同一線上に現れるが、いくつかの実施によれば、光円錐125a,125b及び125cは、光学経路115と同一線上にある光学経路を有さない。それに替えて、いくつかの実施によれば、光学経路130a,130b及び130cの一又はそれ以上は、光学経路115と同一線上にあってもよい。さらに、3つの光円錐のみが図1には示されるが、いくつかの実施によれば、3又はそれ以上の光円錐を含む2又はそれ以上の光円錐は、中間光学系120により送信される。
【0019】
用語“光路(light path)”及び“光学経路(optical path)”は、本明細書では、光がシステムにおいて伝わる経路を示すために用いられる。その結果、それ以外で示されなければ、“光路(light path)”及び“光学経路(optical path)”は、互いに置き換え可能であるとみなされる。
【0020】
光円錐125は、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device (DMD))135へ送信される。DMD135は、例えば、Texas Instruments(登録商標)により提供されうる。簡略化のために、DMD135は、個別にはミラー140a,140b及び140cと示され、全体ではミラー140として示される、光円錐125のような光を受信する3つのミラーを有し、少なくとも1つの受信された光円錐に基づいて画像を生成することが示される。ミラー140のそれぞれ1つは、生成された画像のピクセルに対応する。いくつかの実施によれば、DMD135は、グリッドパターンに配置される3つ以上のミラーを有する。例えば、DMD335は、4096x2160ピクセルの解像度及びグリッドパターンの800万個以上のマイクロミラーを有する4K解像度DMDでありうる。
【0021】
ミラー140は、独立して、受信された光が投影光学系165に送信されないオフ状態、及び受信された光が投影光学系165に送信されるオン状態に切り替えられ(つまり、作動され)ることができる。例えば、図1に示されるように、光円錐125aは、ミラー140aにより受信され、これは、受信された光円錐125aを光ダンプ150へ向ける。光学経路130aが、視覚性(optical)である、又は光路光円錐125aが、オフ状態DMDミラー(ミラー140a)に沿って伝わる又は送信されるため、光学経路130aは、オフ状態の光学経路又は光路とみなされる。すなわち、投影光学系165へ送信される(例えば、直接光ダンプへ)のではなく、オフ状態のDMDミラー又は領域へ向かう光学経路又は光路であることにより、このような光学経路又は光路は、この開示の目的のためには、オフ状態の光学経路又は光路とみなされる。いくつかの実施によれば、一又はそれ以上のDMDミラー140b及び140cは、オフ状態に切り替えられ、これは、オフ状態の光学又は光路となる一又はそれ以上の光学経路130b及び130cのそれぞれをもたらす。いくつかの実施によれば、ミラー140aは、オン状態に切り替えられ、これは、オン状態の光路となる光学経路130aをもたらす。
【0022】
従来の投影システム100及びTexas Instruments Digital Light Processing (DLP(登録商標))技術によって例示されるDMDイメージングデバイスでは、それらの投影された画像のダイナミックレンジは、DMDの切り替え速度により制限される。画像のグレースケールは、パルス幅変調(PWM)技術を用いて生成される。よって、DMDデバイスにとって、DMDミラーデューティサイクルの期間にON状態で、ミラー140a,140b及び140cのようなDMDミラーのままにすることにより全白色が実現され、ミラーをDMDミラーデューティサイクルの期間にOFF状態のままにすることにより全黒色が実現される一方で、DMDによりサポートされうるDMDデューティサイクル時の最短期間(“ロードタイム”として知られる)でON状態のミラーを有することにより最小のグレーが実現される。すなわち、各DMDミラーが特定の状態で使うデューティサイクルの一部は、ピクセルの強度(“輝度”)を決定付ける。
【0023】
光円錐125b及び125cは、ミラー140b,140cにより受信され、得られた画像が、スクリーン(図示せず)上に投影される投影光学系165へ方向付けられる。光学経路130aとは逆に、光学経路130b及び130cが、光円錐125b及び125cが、ON状態のDMDミラー(ミラー140b,140c)へ伝わる又は送信される視覚性又は光路であるため、光学経路130b及び130cは、システム100では、ON状態の光学経路又は光路であると考えられる。図1は、ミラー140a,140b及び140cの異なる1つにより受信及び方向付けられる光円錐125a,125b及び125cのそれぞれ1つを示すが、いくつかの実施では、ミラーのそれぞれ1つは、光円錐125a,125b及び125cの1つ以上に受信及び方向付けられてもよい。投影システム100は、通信経路175を介してDMD135と通信する駆動システム170をさらに含む。駆動システム170は、例えば、上述したPWM技術に基づいてON状態とOFF状態とでミラー140を切り替えることにより、画像を生成するように構成する。
【0024】
投影システム100は、また、ミラー140を介してDMD135により受信又は方向付けられるような光円錐125からの光漏出を吸収するために、さらなる光ダンプ又は類似のデバイス(図示せず)を含んでもよい。さらに、投影システム100は、特に、光をオフ状態の光路又は領域に向ける目的に含まれる追加の光方向付け及び/又は方向付けデバイスを備えうる。例えば、投影システム100は、光をオフ状態に向けることを補助するために、追加のDMDを含みうる。
【0025】
ここで、図2a,2b及び2cを参照すると、所望の画像200、DMD205及びDMD205により生成された画像210を示し、投影システム100のような従来の投影システムの欠点を図示する。DMD205は、ミラー215(1,1)から215(8,8)で構成されるミラー215のセットを含む。ミラー215のセットの構成は、8×8の構成に限定されず、ミラー215の任意の適切な構成が用いられうることが理解される。ミラー215(1,1)から215(8,8)のそれぞれ1つは、画像210のピクセルに対応する。
【0026】
図2aに示されるように、所望の画像200は、明るい領域及び暗い領域(又はゾーン)の両方を含む。所望の画像200に基づいて画像を生成するために、DMD205特に、ミラー215(1,1)から215(8,8)は、受信した光をオフ状態及びオン状態の光学経路に向けるように切り替えられる。所望の画像200の暗ゾーン(例えば、ゾーンC)は、オフ状態ミラー(例えば、ミラー215(4,1), 215(4,2), 215(5,1)及び215(5,2))に対応し、明ゾーン(例えば、ゾーンD)は、ミラー215のセットのオン状態のミラー(例えば、ミラー215(6,2)から215(6,7)及び215(7,3)から215(7,6))に対応する。例えば、暗領域220は、ミラー215(1,1)に対応する。
【0027】
投影システム100及びDMD200のような従来の投影システム及びデバイスは、DMD画像化面全体に亘ってDMDの照明が均一になることを必要とする。すなわち、DMDの各ミラー(例えば、ミラー140及び215(1,1)から215(8,8))により受信される光の量は、これらのシステムにより、ほぼ等しくなるように要求される。これは、DMDミラーの照明全体により制限される最も明るい領域の照明をもたらす。これは、いくつかの場合に、特に、元の又は所望の画像が、高ダイナミックレンジを有する画像を構成する場合、元の又は所望の画像の真の表示である画像をもたらさない。例えば、DMDミラー205により生成される画像210では、(細切れの線で示される)最も明るい領域は、所望の画像200の最も明るい領域のようには明るくない。
【0028】
図3に注目すると、制限されない実施に係る高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステム300を示し、図1と同様の符号を有する構成要素を含み、しかし、始まりの数字が“1”ではなく“3”である。例えば、システム300は、光学経路315に沿って光を提供又は送信する光源305を含む。いくつかの実施によれば、光源305は、レーザ光モジュールである。別の実施によれば、光源305は、放射状リフレクタを有するキセノンランプのようなランプを備える。光310は、中間光学系320により受信され、これは、少なくとも当初は各光学経路330a,330b及び330cに沿って光円錐325a,325b及び325cを生成するために、光310を変調する。システム100のように、DMD335は、一括してミラー340として示されるミラー340a,340b及び340cから構成され、光円錐325を光310の一部分としてオフ状態及びオン状態の光路へ方向付け、それにより画像を生成する。
【0029】
現在理解されているように、システム300は、オフ状態の光路に沿う(つまり、“暗領域”又はオフ状態DMDミラーに向かって)送信のために初めに方向付けられる光の少なくともいくつかを、オフ状態光路からオン状態光路へ(つまり、“明領域”又はオン状態DMDミラーに向かって)指示する又は方向転換することを可能にする。その結果、より多くの光全体は、画像の明ゾーンを生成する状態であるオン状態のDMDミラーから投影光学系へ向かって方向付けられ、それにより画像のより明るいゾーンを生成し、DMDにより生成される画像のダイナミックレンジを増大させる。光源により送信される少量光は、光ダンプへ方向転換される又は画像を生成するために用いられないため、システム300は、システムリソース及びエネルギーのより効率的な使用をもたらす。
【0030】
変形可能な光学素子390は、透過性光学素子を備え、面A−Aにおいて、光源305とDMD335との間の光学経路330a(及び光学経路315)に配置される。例えば、変形可能な光学素子390は、一又はそれ以上のレンズを備えうる。一つの実施によれば、変形可能な光学素子390は、少なくとも1つの液晶可変レンズを備える。図3に示される実施では、変形可能な光学素子390は、3つのセグメント390a,390b及び390cを備え、それぞれ1つは、DMD335により生成される画像の異なるゾーンに対応する。簡素化のために、図3に示される実施では、DMD335は、また、3つのゾーンを備え、それぞれ1つは、ミラー340a,340b及び340cの1つに対応する。システム100のように、ミラー340a,340b及び340cのそれぞれ1つは、DMD335により生成される画像の個々のピクセルに対応する。すなわち、システム300では、生成された画像のゾーンの数は、ピクセルの数に対応する。しかし、いくつかの実施によれば、画像のゾーンの数及びピクセルのゾーンの数、したがって、DMDのミラーの数は、互いに対応していない。例えば、生成された画像は、3つの領域、2つの明ゾーン及び1つの暗ゾーンを有するが、画像は、数千のピクセル(数千のDMDミラーに対応する)を有する。
【0031】
理解される。用語“変形可能”は、本明細書では、説明された素子の光学表面を変化することを示すために用いられ、例えば、形状、構造、位置又は説明された素子の少なくとも一部の画像状態(例えば、素子が、オン・オフ状態を切り替える複数のマイクロミラーを備える場合)を変化又は変更することを示すために用いられる。
【0032】
いくつかの実施によれば、セグメント390a,390b及び390cの一又はそれ以上は、独立して指示可能である。いくつかの実施によれば、セグメント390a,390b及び390cの一又はそれ以上は、静的である(動かない)。例えば、グメント390a及び390cは、独立して指示可能であり、セグメント390bは、静的である(動かない)。その結果、この例では、光円錐325a及び325cは、指示されるが、光円錐325bは、変形可能な光学素子390により指示されない(つまり、光円錐325bは、光円錐325bに対してDMD335の均一な照明を提供するために、光学経路330bに沿って伝えることを継続する)。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390は、光円錐325の約半分を指示するように構成されるが、光円錐325の指示されずに残る部分は、光円錐325の指示されずに残る部分に対してDMD335の均一な照明を提供する。
【0033】
いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390は、光円錐325が互いに少なくとも部分的に隔てられる光学経路330に沿う位置に配置される。図3に示されるように、変形可能な光学素子390は、光円錐325aの少なくともいくつかを、オフ状態の光路330aから離れてオン状態の光路355へ指示するように構成され、DMD335により生成される画像のダイナミックレンジを増大させる。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390は、変形可能な光学素子390の少なくとも一部の形状を変形又は変更することにより、光円錐325aの少なくともいくつかを指示するように構成される。例えば、いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390は、セグメント390aと390bとの交点のような点で、セグメント390a,390b及び390cの少なくとも1つを旋回又は回転することにより、光円錐325aの少なくともいくつかを指示するように構成され、それにより変形可能な光学素子390の全体の形状を変化させる。
【0034】
図3に示されるような実施によれば、変形可能な光学素子390は、光円錐325aの少なくともいくつかを、オフ状態の光路330aから離れて、光学経路330a(つまり、オフ状態光路330a)に対する角度θ(“シータ”)でオン状態の光路355へ指示するように構成される。いくつかの実施によれば、角度θは、光学経路330aに対して±9度である。例えば、光円錐325aの少なくとも一部を、ミラー140aへ方向転換される光学経路330aからミラー140cへ指示することが望まれる場合、平面A−AでのDMD335と変形可能な光学素子390との間の220mmの距離、及びミラー140aと140cとの距離(光路330aと330bとの距離になる)に基づいて、光円錐325aに対する指示角度θは、arctan(34mm/220mm)≒9度となる。ここで、簡素化のために、指示角度θは、水平なx軸に対する角度として図3に示されることを留意する。しかし、所望の指示及びシステム300の構成に応じて、指示角度θは、また、y軸、z軸又はx軸、y軸及びz軸の組み合わせに対するものであってもよい。例えば、光円錐325の一又はそれ以上の指示は、例えば、3次元空間で行われうる。
【0035】
システム300では、変形可能な光学素子390は、光円錐325a”の一部として図示される光円錐325aの少なくともいくつかをミラー340へ指示するように構成され、これは、受信された光を投影光学系365へ方向付けるように切り替えられるときにオン状態となる。いくつかの実施によれば、光円錐325a”の一部は、ミラー340cへ指示され、これもまた、オン状態である。いくつかの実施によれば、光円錐325aの残りの部分の少なくともいくつか、すなわち、残りの部分325a’は、ミラー340aにより光ダンプ350へ方向付けられるオン状態光路330aに沿って送信されることを継続する。いくつかの実施によれば、光円錐325aの全ては、光円錐325a”が、光円錐325aと実質的に同一の強度を有するように、オン状態光路355に指示される。図3に示されるように、光円錐325b及び325cは、それぞれ、光学経路330b及び330cに沿って変形可能な光学素子390を通じて送信される。
【0036】
変形可能な光学素子390は、光学経路330a(及び光学経路330b及び330c)に沿って配置されるように示されるが、変形可能な光学素子390は、指示される特定の光円錐又は円錐の光学経路又は経路に配置されうることが理解される。さらに、変形可能な光学素子390は、一つの光円錐、つまり光円錐325aのみの一部を指示するように構成されるように示されるが、いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390は、光円錐の一部又は位置以上の部分を、各オフ状態光路から離れて一又はそれ以上のオン状態の光路へ指示するように構成される。
【0037】
通常、一又はそれ以上の光学経路に沿う変形可能な光学素子の位置は、中間光学系を除去した光の幾何学形状のような光の幾何学形状に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390は、DMDにより生成される画像の与えられた点及びその点に対応する光円錐について、光円錐の約半分が、オフ状態光路からオン状態光路へ指示されるような、光学経路315の平面に配置される。理解されるように、この位置の決定は、所望の光指示を生成するために、配置された変形可能な光学素子を有する光学システムの決定されたf/#(“f−数”)に基づく。さらに、光が離れて指示されるDMD画像化面のゾーンの数は、また、変形可能な光学素子の位置の方を指すことを有することが理解される。
【0038】
さらに、いくつかの実施によれば、追加の光学系は、光円錐325b,325c及び光円錐325a”の一部を変調するために、変形可能な光学素子390とDMD335との間に配置される。
【0039】
駆動システム370は、画像コンテンツデータ385に基づいて画像を生成するためにDMD335を構成する。駆動システム370は、通信経路375を介してDMD335と通信する。いくつかの実施によれば、駆動システム370は、DMD335と2方向に通信する(つまり、駆動システム370は、データをDMD335へ通信又は送信する、その逆に、DMD335は、データを駆動システム370へ通信又は送信することができる)。いくつかの実施によれば、駆動システム370とDMD335との通信は、一方向である。しかし、駆動システム370とDMD335との適切な手法での通信が検討される。例えば、駆動システム370は、DMD335から離れることができ、DMD335と無線で通信しうる。別の例では、駆動システム370及びDMD335は、無線接続及び/又は機械接続を介して接続されうる。さらに、図3は、駆動システム370とDMD335とを通信する特定の経路を示すが、通信経路375は、駆動システム370とDMD335とが通信するために適切な一又はそれ以上の通信経路のいずれかを備える。例えば、通信経路375は、有線及び/又は必要ならば無線通信経路の組み合わせを備えうる。
【0040】
駆動システム370は、また、画像コンテンツデータ385に基づいて、光円錐325(例えば、光円錐325a)の少なくともいくつかを、オフ状態光路(例えば、330a)からオン状態光路(例えば、355)へ指示する変形可能な光学素子390を構成する。駆動システム370は、通信経路380を介して変形可能な光学素子390と通信する。いくつかの実施によれば、駆動システム370は、変形可能な光学素子390と2方向で通信する(つまり、駆動システム370は、データを変形可能な光学素子390へ通信又は送信することができ、その逆に、変形可能な光学素子390は、データを駆動システム370へ通信又は送信することができる)。いくつかの実施によれば、駆動システム370と変形可能な光学素子390との間の通信は、一方向である。しかし、駆動システム370と変形可能な光学素子390との適切な手法での通信が検討される。例えば、駆動システム370は、変形可能な光学素子390とは離れることができ、変形可能な光学素子390と無線で通信することができる。別の例では、駆動システム370及び変形可能な光学素子390は、無線接続及び/又は機械接続で接続されうる。さらに、図3は、駆動システム370と変形可能な光学素子390との間の通信のための特定の経路が示されるが、通信経路380は、駆動システム370と変形可能な光学素子390との間の適切な通信のための一又はそれ以上の通信経路のいずれかを備えることを検討する。例えば、通信経路380は、無線及び/又は必要ならば有線通信経路の組み合わせを備えうる。
【0041】
いくつかの実施によれば、駆動システム370は、画像コンテンツデータに基づいてDMD335及び変形可能な光学素子390を構成するためのプロセッサを有するコンピューティング装置を備える。いくつかの実施によれば、画像コンテンツデータ385は、駆動システム370のローカルメモリデバイスに記憶される。いくつかの実施によれば、画像コンテンツデータ385は、駆動システム370へ送信される、又は無線又はリモート接続を介して別の装置から駆動システム370により読み出される。いくつかの実施によれば、画像コンテンツデータ385は、高ダイナミック画像コンテンツデータを備える。用語“高ダイナミック画像コンテンツデータ(high dynamic image content data)”は、本明細書では、高ダイナミックレンジを有する画像と関連付けられる画像コンテンツデータデータを示すために用いられる。用語“高ダイナミックレンジ”は、輝度の広いレンジを示すことが理解される。
【0042】
図4に注目すると、制限されない実施に係る高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステム400を示し、図3と同様の符号を有する構成要素を含み、しかし、始まりの数字が“3”ではなく“4”である。例えば、システム400は、光学経路415に沿う光410を提供又は送信する光源405を含む。いくつかの実施によれば、光源405は、レーザ光モジュールである。いくつかの実施によれば、光源405は、放射状リフレクタを有するキセノンランプのようなランプを備える。光410は、中間光学系420により受信され、これは、少なくとも当初は各光学経路430a,430b及び430cに沿って光円錐425a,425b及び425cを生成するために、光410を変調する。システム300のように、DMD435は、一括してミラー440として示されるミラー440a,440b及び440cから構成され、光円錐425を光410の一部分としてオフ状態及びオン状態の光路へ方向付け、それにより画像を生成する。
【0043】
変形可能な光学素子390とは対称的に、変形可能な光学素子490は、少なくとも部分的に反射性の素子を備える。例えば、変形可能な光学素子490は、光円錐425a”の一部として示される光円錐425aの少なくとも一部を、反射によりオン状態光路455へ指示するように構成されるダイクロイックミラー又はフィルタを備えうる。残り部分425’は、オフ状態で、ミラー440aへ向かってオフ状態の光路430aに沿って送信されるように継続し、最終的には光ダンプ450へ送信される。いくつかの実施によれば、光円錐425aの全ては、オン状態の光路455へ反射され、最終的には投影光学系465へ送信される。
【0044】
いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子490は、独立して指示可能である。例えば、変形可能な光学素子490は、点Bのような点について回転又は旋回することにより、その位置を変更しうる。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子490は、単一のアナログミラーを備える。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子490は、一以上のアナログミラーを備える。例えば、変形可能な光学素子490は、独立して指示可能な少なくとも部分集合である、マイクロミラーのセットを備えうる。その結果、変形可能な光学素子490の光学面は、光円錐425a,425b及び425cの一又はそれ以上を指示するように変形又は変更される。
【0045】
いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子490は、区分されたミラー、アナログミラー、ダイクロイックミラー及び静電変形可能なミラーのうちの1つを備えうる。
【0046】
図5に注目すると、制限されない実施に係る高ダイナミックレンジを有する画像を生成するシステム500を示し、図4と同様の符号を有する構成要素を含み、しかし、始まりの数字が“4”ではなく“5”である。例えば、システム500は、光学経路515に沿う光510を提供又は送信する光源505を含む。いくつかの実施によれば、光源505は、レーザ光モジュールである。いくつかの実施によれば、光源505は、放射状リフレクタを有するキセノンランプのようなランプを備える。光510は、中間光学系520により受信され、これは、少なくとも当初は各光学経路530a,530b及び530cに沿って光円錐525a,525b及び525cを生成するために、光510を変調する。システム400のように、DMD535は、一括してミラー540として示されるミラー540a,540b及び540cから構成され、光円錐525を光510の一部分としてオフ状態及びオン状態の光路へ方向付け、それにより画像を生成する。
【0047】
システム500は、2つの変形可能な光学素子、変形可能な光学素子590及び追加の変形可能な光学素子595を含む。すなわち、追加の変形可能な光学素子は、光源505とDMD535との間の光学経路515及び/又は光学経路530aのような光学経路に配置される。変形可能な光学素子590は、セグメント590a及び590bを有する区分されたミラーを備える。セグメント590aは、静的な(動かない)素子であり、セグメント590bは、指示可能である。例えば、指示可能なセグメント590bは、点cについて旋回可能である。いくつかの実施によれば、追加の変形可能な光学素子595は、点Dのような点について回転又は旋回することによりその位置を変更することができるアナログミラーを備える。いくつかの実施によれば、追加の変形可能な光学素子595は、独立して指示可能である少なくとも部分集合である、マイクロミラーのセットを備え、それにより、追加の変形可能な光学素子595の光学面の画像状態を変更する。図5に示されるように、動かないセグメント590a及び追加の変形可能な光学素子595は、x軸に対して角度α(“アルファ”)であり、指示可能なセグメント590bは、x軸に対して角度β(“ベータ”)で位置付けられる。いくつかの実施によれば、静的な(動かない)セグメント590a、指示可能なセグメント590b及び追加の変形可能な光学素子595のそれぞれ1つは、x軸、y軸及びz軸のいずれか1つに対する異なる角度で位置付けられる。
【0048】
光円錐525a,525b,525c(一括して光円錐525として示される)は、変形可能な光学素子595により受信され、変形可能な光学素子590へ反射される。光円錐525b及び525cは、ミラー540b及び540cへ光学経路530b,530cに沿う静的なセグメント590bにより反射される(両方ともオン状態である)。図5に示され、かつ前述したように、光学経路530b及び530cが、オン状態ミラー(540b,540c)に向かって方向付けられ、最終的には投影光学系565へ方向付けられるため、光学経路530b及び530cは、オン状態の光路とみなされる、又はその逆である。
【0049】
光円錐525aは、指示可能なセグメント590bにより受信され、反射により光学経路530aに対する角度θでオン状態光路555に指示される(これは、オフ状態ミラー、ミラー540aへ方向付けられる、及び/又は、光を伝えるその経路が、生成された画像へ寄与するために、投影光学系565へ伝わらないように方向付けられることによる、オフ状態光路である)。
【0050】
システム300と同様に、駆動システム570は、画像コンテンツデータ585に基づいて画像を生成するために、DMD535を構成する。駆動システム570は、通信経路575を介してDMD535と通信する。システム300と同様に、駆動システム570は、また、画像コンテンツデータ585に基づいて、光円錐525(例えば、光円錐525a)の少なくともいくつかを、オフ状態光路(例えば、530a)からオン状態光路(例えば、555)へ指示するように構成する。駆動システム570は、通信経路580を介して変形可能な光学素子590と通信する。システム300のように、通信経路575及び580は、駆動システム570、DMD535及び変形可能な光学素子590間で適切に通信する一又はそれ以上の通信経路のいずれかを備える。例えば、通信経路575及び580は、有線及び/又は必要ならば無線通信経路の組み合わせを備えうる。
【0051】
駆動システム570は、また、画像コンテンツデータ585に基づいて、光円錐525(例えば、光円錐525a)の少なくともいくつかを、オフ状態光路(例えば、530a)からオン状態光路(例えば、555)へ指示する追加の変形可能な光学素子595を構成する。駆動システム570は、通信経路560を介して追加の変形可能な光学素子595と通信する。通信経路575及び580と同様に、通信経路560は、駆動システム570及び変形可能な光学素子595間で適切に通信する一又はそれ以上の通信経路のいずれかを備える。例えば、通信経路560は、有線及び/又は必要ならば無線通信経路の組み合わせを備えうる。
【0052】
いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子及び追加の変形可能な光学素子の一又はそれ以上は、透過性素子を備える。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子及び追加の変形可能な光学素子の一又はそれ以上は、少なくとも部分的に反射性の素子を備える。例えば、光学素子及び追加の変形可能な光学素子の一又はそれ以上は、ダイクロイックミラー又はフィルタを備える。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子及び追加の変形可能な光学素子の一又はそれ以上は、完全反射性素子を備える。
【0053】
理解されるように、変形可能な光学素子390,490及び590のいずれか1つは、多くの形態を取り得る。例えば、いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390,490及び590は、正方形形状、矩形状及び円形状を備えうる。いくつかの実施によれば、追加の変形可能な光学素子595は、正方形形状、矩形状及び円形状を備えうる。いくつかの実施によれば、変形可能な光学素子390,490及び590及び追加の変形可能な光学素子595のいずれか1つは、所望の光の指示を実現するために、回転される又は傾けられうる。
【0054】
ここで、図6に着目すると、図6は、制限されない実施に係る、高ダイナミックレンジを有する画像を生成する方法600のフローチャートを示す。方法600の説明を補助するために、方法600は、システム300を用いて実行されると仮定される。さらに、方法600の以下の説明は、システム300のさらなる理解及びその様々な構成要素を導く。しかし、システム300及び/又は方法600は、変更することができ、互いに結合されて本明細書で説明されるように正確に作動する必要はなく、このような変更は、本実施の範囲内であることが理解される。さらに、方法600は、システム400及び500により実行されうることが理解される。
【0055】
しかし、方法600は、他に示されなくても、図示されるような正確なシーケンスで実行される必要はなく、同様の様々なブロックは、シーケンスではなく並行して実行されてもよく、それ故、方法600の要素は、“ステップ”ではなく、“ブロック”として示されることが強調される。しかし、また、方法600は、システム300,400及び500の変形例と同様に実行されうる。例えば、方法600は、二以上の変形可能な光学素子を採用することができる。
【0056】
ブロック605では、光は、光学経路に沿って提供される。例えば、光310は、光学経路315に沿って光源305により提供される。
【0057】
ブロック610では、提供された光の一部は、オフ状態光路及びオン状態光路に方向付けられ、それにより、画像を生成する。例えば、DMD335は、ミラー340a, 340b及び340cの動作を通じて、光円錐325b,325c及び光円錐325a”の一部を、投影光学系365及び光ダンプ350に方向付け、画像を生成する。
【0058】
ブロック615では、オフ状態光路からの光の少なくともいくつかは、オン状態光路へ指示される。例えば、光学経路305a(または、オフ状態光路305aともみなされる)に沿って初めに伝わる光円錐325aは、光円錐325a”の少なくとも一部が、オン状態光路355に沿って伝わるように、指示される。
【0059】
システム300,400,500及び方法600は、多くの利点を生じることができる。画像が、オフ状態光路から指示される光を含むため、オン状態光路に初めに方向転換される光のみの場合と異なり、生成された画像のダイナミックレンジが増大する。例えば、DMD335及び最終的には投影光学系365は、光円錐325b,325c及び光円錐325a”の一部を使用するため、例えば、光円錐125b及び125cのみが、生成された画像に寄与する従来の投影システム100よりも、より多くの光全体が、画像に寄与する。光源から送信される少量の光が、光ダンプへ転送される、又は画像を生成するためには用いられないため、システムリソース及びエネルギーをより効率良く使用することができる。さらに、多くの従来技術とは異なり、少量の光がオフ状態に方向付けられるために、追加DMDのような、このオフ状態に方向付ける又は導くことの特定の目的のために含まれる素子への依存が低減され、いくつかの場合には、排除される。これは、システム全体の複雑さを低減することができる。
【0060】
当業者は、さらなる別の実施及び変形が可能であり、上記の例は、一又はそれ以上の実施の例示にすぎないことを理解するであろう。したがって、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6