(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207440
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】維持管理装置、無線通信システム、使用アーキテクチャ決定方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20170925BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20170925BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20170925BHJP
【FI】
H04W72/04 111
H04W28/16
H04W88/18
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-59000(P2014-59000)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-185937(P2015-185937A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊明
(72)【発明者】
【氏名】小西 聡
【審査官】
桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−506489(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/163841(WO,A1)
【文献】
特表2015−517746(JP,A)
【文献】
特表2013−540389(JP,A)
【文献】
KDDI Corporation,Coexistence scenarios of Dual connectivity alternatives 1A and 3C[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯85 R2-140419,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85/Docs/R2-140419.zip>,2014年 1月31日
【文献】
LG Electronics Inc.,Bearer Reconfiguration with Architectures 1A and 3C[online],3GPP TSG−RAN WG2#84 3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134023,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_84/Docs/R2-134023.zip>,2013年11月 2日
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Enablement of Dual Connectivity Operation over X2 Interface[online], 3GPP TSG-RAN WG3♯83bis R3-140773,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_83bis/Docs/R3-140773.zip>,2014年 3月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置であり、
前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する二つのアーキテクチャ1A及び3Cのうち、前記維持管理装置と接続する第一の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信する通信部と、
前記第一の基地局装置から受信した前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶する記憶部と、
前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定する制御部と、を備え、
前記通信部は、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートを示す最大伝送レート情報を前記第一の基地局装置から受信し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報及び前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と、前記第一の基地局装置から受信した最大伝送レート情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定し、
前記通信部は、前記制御部により決定されたアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置または前記第二の基地局装置へ送信し、
アーキテクチャ1Aは、前記通信装置と前記端末装置の間に、異なる基地局装置を経由してそれぞれ別個の通信リンクを確立する構成であり、
アーキテクチャ3Cは、前記通信装置と第3基地局装置の間の通信経路は一つであり、前記第3基地局装置と前記端末装置の間では、前記第3基地局装置を経由して前記端末装置に至る通信リンクのうち一部の通信リンクが前記第3基地局装置で複数に分割され、当該分割された一部の通信リンクが他の第4基地局装置を経由して前記端末装置に至る構成であり、
前記制御部は、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の両方がアーキテクチャ1A及び3Cをサポートしている場合において、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートが閾値以上であるときにはアーキテクチャ3Cを前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間で使用するアーキテクチャに決定し、一方、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートが閾値未満であるときにはアーキテクチャ1Aを前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間で使用するアーキテクチャに決定する、
維持管理装置。
【請求項2】
基地局装置と、
請求項1に記載の維持管理装置と、を備え、
前記基地局装置は、
通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置であり、
前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する二つのアーキテクチャ1A及び3Cのうち、自基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記維持管理装置へ送信し、
前記維持管理装置から、自基地局装置と他の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を受信する通信部と、
前記維持管理装置から受信した使用アーキテクチャ情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記通信部は、自基地局装置と他の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートを示す最大伝送レート情報を前記維持管理装置へ送信する、
無線通信システム。
【請求項3】
通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置の使用アーキテクチャ決定方法であり、
前記維持管理装置が、「前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する二つのアーキテクチャ1A及び3C」のうち、前記維持管理装置と接続する第一の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信し、
前記維持管理装置が、前記第一の基地局装置から受信した前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶部に記憶し、
前記維持管理装置が、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートを示す最大伝送レート情報を前記第一の基地局装置から受信し、
前記維持管理装置が、前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報及び前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と、前記第一の基地局装置から受信した最大伝送レート情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定し、
前記維持管理装置が、前記決定されたアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置または前記第二の基地局装置へ送信する、使用アーキテクチャ決定方法であって、
アーキテクチャ1Aは、前記通信装置と前記端末装置の間に、異なる基地局装置を経由してそれぞれ別個の通信リンクを確立する構成であり、
アーキテクチャ3Cは、前記通信装置と第3基地局装置の間の通信経路は一つであり、前記第3基地局装置と前記端末装置の間では、前記第3基地局装置を経由して前記端末装置に至る通信リンクのうち一部の通信リンクが前記第3基地局装置で複数に分割され、当該分割された一部の通信リンクが他の第4基地局装置を経由して前記端末装置に至る構成であり、
前記維持管理装置は、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の両方がアーキテクチャ1A及び3Cをサポートしている場合において、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートが閾値以上であるときにはアーキテクチャ3Cを前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間で使用するアーキテクチャに決定し、一方、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートが閾値未満であるときにはアーキテクチャ1Aを前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間で使用するアーキテクチャに決定する、
使用アーキテクチャ決定方法。
【請求項4】
通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置のコンピュータに、
前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する二つのアーキテクチャ1A及び3Cのうち、前記維持管理装置と接続する第一の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信するステップと、
前記第一の基地局装置から受信した前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶部に記憶するステップと、
前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートを示す最大伝送レート情報を前記第一の基地局装置から受信するステップと、
前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報及び前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と、前記第一の基地局装置から受信した最大伝送レート情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定する制御ステップと、
前記決定されたアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置または前記第二の基地局装置へ送信するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
アーキテクチャ1Aは、前記通信装置と前記端末装置の間に、異なる基地局装置を経由してそれぞれ別個の通信リンクを確立する構成であり、
アーキテクチャ3Cは、前記通信装置と第3基地局装置の間の通信経路は一つであり、前記第3基地局装置と前記端末装置の間では、前記第3基地局装置を経由して前記端末装置に至る通信リンクのうち一部の通信リンクが前記第3基地局装置で複数に分割され、当該分割された一部の通信リンクが他の第4基地局装置を経由して前記端末装置に至る構成であり、
前記制御ステップは、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の両方がアーキテクチャ1A及び3Cをサポートしている場合において、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートが閾値以上であるときにはアーキテクチャ3Cを前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間で使用するアーキテクチャに決定し、一方、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間に確立されている回線の最大伝送レートが閾値未満であるときにはアーキテクチャ1Aを前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置との間で使用するアーキテクチャに決定する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、維持管理装置、無線通信システム
、使用アーキテクチャ決定方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
標準化団体「3GPP(3rd Generation Partnership Project)」により標準化が行われたLTE(Long Term Evolution)と呼ばれるセルラネットワークシステム(以下、LTEシステムと称する)が知られている。
図9は、LTEシステムの一構成例を示す概念図である。
図9において、基地局装置(E-UTRAN NodeB)eNB_mは、それぞれセルCell_mを提供する。隣り合う各セルCell_mは部分的に重複して配置されている。各基地局装置eNB_mは、サービング・ゲートウェイ(Serving Gateway)と呼ばれる通信装置S−GWに接続されている。端末装置(user equipment)UEは、一つの基地局装置eNB_mに接続する。通信装置S−GWは、基地局装置eNB_mを経由して、端末装置UEとの間で通信リンクを確立する。通信装置S−GWが基地局装置eNB_mを経由して端末装置UEとの間で確立する通信リンクのことを、ここではベアラと呼ぶ。通信装置S−GWは、端末装置UEが接続先の基地局装置eNB_mを変更する際のアンカーポイント(通信経路の切り替えを実行するポイント)となる。端末装置UEが接続先の基地局装置eNB_mを変更することは、ハンドオーバ(hand over)又はハンドオフ(hand off)と呼ばれる。
【0003】
図10は、LTEシステムの他の構成例を示す概念図である。
図10においては、
図9のLTEシステムに対して、さらに基地局装置eNB_sが設けられている。各基地局装置eNB_sは、通信装置S−GWに接続されている。各基地局装置eNB_sは、それぞれセルCell_sを提供する。セルCell_sは、セルCell_mよりも、カバレッジ(coverage)が狭い。セルCell_sは、セルCell_mに対して重複して配置されている。
図10のLTEシステムは、今後、高い周波数帯の利用や多くの端末装置UEを収容する必要性などから、導入が検討されている。以下、基地局装置eNB_mと基地局装置eNB_sを特に区別しないときは「基地局装置eNB」と称する。
【0004】
また、3GPPでは、通信装置S−GWが基地局装置eNBを経由して端末装置UEとの間でベアラを確立する際に、一部のベアラをある基地局装置eNBに残したまま、他のベアラを他の基地局装置eNB経由で端末装置UEとの間で確立するアーキテクチャが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
図11、
図12は、そのアーキテクチャの例を示す概念図である。
【0005】
[アーキテクチャ1A(
図11参照)]
図11には、「1A」と呼ばれるアーキテクチャが示される。アーキテクチャ1Aは、通信装置S−GWと端末装置UEの間に、異なる基地局装置eNBを経由してそれぞれベアラを確立する構成である。
図11において、通信装置S−GWと端末装置UEの間には、基地局装置eNB(a)を経由してベアラBr1が確立される。また、通信装置S−GWと端末装置UEの間には、基地局装置eNB(b)を経由してベアラBr2が確立される。このアーキテクチャ1Aでは、ベアラ単位で見てみると、通信装置S−GWと基地局装置eNBの間、また基地局装置eNBと端末装置UEの間は、通常の通信経路とみなすことができ、単にベアラ毎に異なった通信経路で、通信装置S−GWと端末装置UEが通信するものである。
【0006】
[アーキテクチャ3C(
図12参照)]
図12には、「3C」と呼ばれるアーキテクチャが示される。アーキテクチャ3Cは、通信装置S−GWと基地局装置eNBの間の通信経路は一つであり、該基地局装置eNBと端末装置UEの間では、該基地局装置eNBを経由するベアラのうち一部のベアラが該基地局装置eNBで複数に分割され、分割された一部のベアラが他の基地局装置eNBを経由して端末装置UEに至る構成である。
図12において、通信装置S−GWと端末装置UEの間には、基地局装置eNB(a)を経由するベアラBr3が確立されている。このベアラBr3は分割されていない。また、通信装置S−GWと端末装置UEの間には、基地局装置eNB(a)を経由するベアラBr4が確立されている。このベアラBr4は、基地局装置eNB(a)でベアラBr4(a),(b)に分割される。ベアラBr4(a)は基地局装置eNB(a)からそのまま端末装置UEへ至る。一方、ベアラBr4(b)は基地局装置eNB(a)から基地局装置eNB(b)を経由して端末装置UEへ至る。基地局装置eNB(a),(b)間のトラヒックの転送は、X2回線と呼ばれる論理回線を使用して行われる。
【0007】
上述したアーキテクチャ1A,3Cのように、端末装置UEが複数の基地局装置eNBを経由して通信装置S−GWとの間でベアラを確立することを、デュアル・コネクティビティ(Dual connectivity)と呼ぶ。また、デュアル・コネクティビティを行っている状態において、制御情報を運ぶベアラを残す基地局装置eNBのことをマスター基地局装置(MeNB(Master E-UTRAN NodeB))と呼び、一部のベアラを移す先の基地局装置eNBのことをセカンダリ基地局装置(SeNB(Secondary E-UTRAN NodeB))と呼ぶ。
【0008】
また、LTEシステムにおいて、基地局装置eNBは、ハンドオーバを実現するために、自己に隣接する基地局装置eNBに関する情報を保持する。該隣接基地局装置eNBの情報の一覧は、隣接関係テーブル(Neighbour Relation Table)と呼ばれる。
図13は、従来の隣接関係テーブルNRT_oldの構成例を示す図である。
図13において、従来の隣接関係テーブルNRT_oldは、隣接関係(Neighbour Relation)毎に、ターゲットセルの識別子(ターゲットセルID(Target Cell Identifier))と削除禁止フラグ(No Remove)とハンドオーバ禁止フラグ(No HO)とX2回線無しフラグ(No X2)を格納する。
図13中、○印は該当フラグの有りを示す。削除禁止フラグは、当該隣接関係のエントリ(隣接関係テーブルに登録されている情報)の削除を禁止することを示す。ハンドオーバ禁止フラグは、当該隣接関係のセルへのハンドオーバを禁止することを示す。X2回線無しフラグは、当該隣接関係の基地局装置eNBとの間に、X2回線が確立されていないことを示す。
【0009】
また、LTEシステムには、ANR(Automatic Neighbour Relation)と呼ばれる機能が設けられる(例えば、非特許文献2参照)。ANR機能は、隣接関係テーブルを自動的に作成し更新する機能である。ANR機能では、基地局装置eNBは、自己に接続する端末装置UEから、該端末装置UEが無線リンクで受信した隣接基地局装置情報、を収集する。そして、基地局装置eNBは、該収集した隣接基地局装置情報を維持管理装置(Operation and Maintenance:O&M)へ報告する。維持管理装置は、LTEシステム全体を管理する装置である。そして、基地局装置eNBは、維持管理装置から、自己に該当する隣接基地局装置に関する情報を受け取り、該受け取った情報に基づいて自己の隣接関係テーブルを更新する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP、TR 36.842、“Study on Small Cell enhancements for E-UTRA and E-UTRAN; Higher layer aspects”、 V12.0.0、2013-12
【非特許文献2】3GPP、TS 36.300、“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2”、V12.0.0、2013-12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したアーキテクチャ1A,3Cによれば、例えば制御情報を運ぶベアラなど、一部のベアラをある基地局装置eNBに残したまま、他のベアラを他の基地局装置eNBを経由して端末装置UEとの間で確立することができる。例えば、
図10に示されるように、カバレッジが狭い基地局装置eNB_sを多数配置した場合、端末装置UEの移動によって発生するハンドオーバの回数が増大し、その結果、LTEシステム内を流れる制御情報の量が増大し、端末装置UEによるデータトラヒックのやり取りを圧迫することが懸念される。この対処の一つとして、アーキテクチャ1A,3Cが考えられる。
【0012】
しかし、従来のLTEシステムでは、同一システム内でアーキテクチャ1A,3Cの両方を併用することが考慮されていない。例えば、各基地局装置eNBによって、サポートする(使用可能である)アーキテクチャが異なる場合において、デュアル・コネクティビティを実施しようとするときには、MeNBとSeNBがお互いに、どのアーキテクチャをサポートしているのかを知る必要がある。しかしながら、従来のLTEシステムでは、ある基地局装置eNBが、他の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャを知ることができない。
【0013】
また、アーキテクチャ3Cでは、基地局装置eNBで分割されるベアラは、複数の基地局装置eNBと端末装置UEとの間の無線リソースを使用することが可能であるため、ベアラ単位でのピークスループットを向上できる。一方、ある基地局装置eNBに届いたベアラのトラヒックの一部が、他の基地局装置eNBを経由して端末装置UEに届くことから、一般的には、通信装置S−GWと端末装置UEとの間の遅延時間が増えることが考えられる。このような各アーキテクチャの特性に応じて、アーキテクチャの使い分けを行うことが課題として挙げられる。
【0014】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、各々異なるアーキテクチャをサポートする複数の基地局装置を使用してデュアル・コネクティビティを行うことに寄与できる維持管理装置、無線通信システム
、使用アーキテクチャ決定方法、及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明に係る基地局装置は、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置であり、前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャのうち、自基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を維持管理装置へ送信し、前記維持管理装置から、他の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報、又は、自基地局装置と他の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を受信する通信部と、前記維持管理装置から受信したサポートアーキテクチャ情報又は使用アーキテクチャ情報を記憶する記憶部と、を備えたことを特徴とする。
(2)本発明に係る基地局装置は、上記(1)の基地局装置において、前記通信部は、前記アーキテクチャで使用される回線の通信品質を表す通信品質情報を前記維持管理装置へ送信し、前記維持管理装置から受信した使用アーキテクチャ情報は、前記維持管理装置へ送信した通信品質情報に基づいたものである、ことを特徴とする。
(3)本発明に係る基地局装置は、上記(1)又は(2)のいずれかの基地局装置において、前記維持管理装置から受信したサポートアーキテクチャ情報又は使用アーキテクチャ情報を格納する隣接関係テーブルを備えたことを特徴とする。
【0016】
(4)本発明に係る維持管理装置は、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置であり、前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャのうち、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信する通信部と、前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶する記憶部と、を備え、前記通信部は、前記維持管理装置と接続し且つ前記第二の基地局装置と隣接関係にある第一の基地局装置に対して、前記記憶部に記憶される前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を送信する、ことを特徴とする。
【0017】
(5)本発明に係る維持管理装置は、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置であり、前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャのうち、前記維持管理装置と接続する第一の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信する通信部と、前記第一の基地局装置から受信した前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定する制御部と、を備え、前記通信部は、前記制御部により決定されたアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置または前記第二の基地局装置へ送信する、ことを特徴とする。
(6)本発明に係る維持管理装置は、上記(5)の維持管理装置において、前記通信部は、前記アーキテクチャで使用される回線の通信品質を表す通信品質情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報及び前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と、前記第一の基地局装置から受信した通信品質情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定する、ことを特徴とする。
【0018】
(7)本発明に係る無線通信システムは、上記(1)の基地局装置と、上記(4)又は(5)のいずれかの維持管理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
(8)本発明に係るアーキテクチャ情報取得方法は、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置のアーキテクチャ情報取得方法であり、前記基地局装置が、前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャのうち、自基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を維持管理装置へ送信し、前記基地局装置が、前記維持管理装置から、他の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報、又は、自基地局装置と他の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を受信し、前記基地局装置が、前記維持管理装置から受信したサポートアーキテクチャ情報又は使用アーキテクチャ情報を記憶部に記憶する、ことを特徴とする。
【0020】
(9)本発明に係る使用アーキテクチャ決定方法は、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置の使用アーキテクチャ決定方法であり、前記維持管理装置が、「前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャ」のうち、前記維持管理装置と接続する第一の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信し、前記維持管理装置が、前記第一の基地局装置から受信した前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶部に記憶し、前記維持管理装置が、前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定する、ことを特徴とする。
【0021】
(10)本発明に係るコンピュータプログラムは、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置のコンピュータに、前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャのうち、自基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を維持管理装置へ送信するステップと、前記維持管理装置から、他の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報、又は、自基地局装置と他の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を受信するステップと、前記維持管理装置から受信したサポートアーキテクチャ情報又は使用アーキテクチャ情報を記憶部に記憶するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
【0022】
(11)本発明に係るコンピュータプログラムは、通信装置と端末装置との間で確立される通信リンクを中継する基地局装置と接続する維持管理装置のコンピュータに、前記通信リンクを確立する際に、一部の通信リンクをある基地局装置に残したまま、他の通信リンクを他の基地局装置を経由して前記端末装置との間で確立する複数のアーキテクチャのうち、前記維持管理装置と接続する第一の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第一の基地局装置から受信し、前記維持管理装置と接続する第二の基地局装置がサポートするアーキテクチャを示すサポートアーキテクチャ情報を前記第二の基地局装置から受信するステップと、前記第一の基地局装置から受信した前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置から受信した前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報を記憶部に記憶するステップと、前記記憶部に記憶される前記第一の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報と前記第二の基地局装置のサポートアーキテクチャ情報とに基づいて、前記第一の基地局装置と前記第二の基地局装置の間で使用するアーキテクチャを決定するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、各々異なるアーキテクチャをサポートする複数の基地局装置を使用してデュアル・コネクティビティを行うことに寄与できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基地局装置eNBの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る隣接関係テーブルNRTの構成例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る維持管理装置O&Mの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るアーキテクチャ情報取得方法の手順を示すシーケンスチャートである。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るアーキテクチャ情報取得方法の手順を示すシーケンスチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る隣接関係テーブルNRTの構成例を示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る使用アーキテクチャ決定方法の手順を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る使用アーキテクチャ決定方法の手順を示すフローチャートである。
【
図9】LTEシステムの一構成例を示す概念図である。
【
図10】LTEシステムの他の構成例を示す概念図である。
【
図13】従来の隣接関係テーブルNRT_oldの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、無線通信システムの一例として、LTEシステムを挙げて説明する。
【0026】
[第1実施形態]
はじめに本発明に係る一実施形態として第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基地局装置eNBの構成を示すブロック図である。
図1において、基地局装置eNBは、無線通信部11、通信部12、制御部13及び記憶部14を備える。無線通信部11、通信部12、制御部13及び記憶部14は相互にデータを送受できるように接続されている。無線通信部11は端末装置UEと無線通信する。通信部12は、バックボーンネットワークを介して他の装置と通信する。通信部12は、例えば通信装置S−GWや維持管理装置と通信する。制御部13は基地局装置eNBに係る動作の制御を行う。記憶部14はデータを格納する。
【0027】
記憶部14は、サポートアーキテクチャ情報141と隣接関係テーブルNRTを有する。サポートアーキテクチャ情報141は、自基地局装置eNBがサポートするアーキテクチャを示す。本実施形態に係るLTEシステムでは、2つのアーキテクチャ1A(
図11参照),3C(
図12参照)を併用する。このため、サポートアーキテクチャ情報141は、自基地局装置eNBが、アーキテクチャ1A,3Cのうちどのアーキテクチャ(1A若しくは3C、又は、1Aと3Cの両方)をサポートするのかを示す。
【0028】
図2は、本発明の第1実施形態に係る隣接関係テーブルNRTの構成例を示す図である。
図2において、隣接関係テーブルNRTは、隣接関係毎に、ターゲットセルIDと削除禁止フラグとハンドオーバ禁止フラグとX2回線無しフラグとサポートアーキテクチャ情報と使用アーキテクチャ情報を格納する。つまり、本実施形態に係る隣接関係テーブルNRTでは、
図13に示される従来の隣接関係テーブルNRT_oldに対して、サポートアーキテクチャ情報と使用アーキテクチャ情報が新たに追加される。
【0029】
図2の隣接関係テーブルNRTにおいて、サポートアーキテクチャ情報は、当該隣接関係の基地局装置eNBがサポートするアーキテクチャを示す。具体的には、隣接関係テーブルNRTのサポートアーキテクチャ情報は、当該隣接関係の基地局装置eNBが、アーキテクチャ1A,3Cのうちどのアーキテクチャ(1A若しくは3C、又は、1Aと3Cの両方)をサポートするのかを示す。
【0030】
また、隣接関係テーブルNRTにおいて、使用アーキテクチャ情報は、自基地局装置eNBがMeNBになる場合に、当該隣接関係の基地局装置eNBとの間で使用するアーキテクチャを示す。具体的には、隣接関係テーブルNRTの使用アーキテクチャ情報は、自基地局装置eNBがMeNBになる場合に、当該隣接関係の基地局装置eNBとの間で、アーキテクチャ1A,3Cのうちどちらのアーキテクチャを使用するのかを示す。
【0031】
制御部13は隣接関係テーブル管理部131を有する。隣接関係テーブル管理部131は、ANR機能を有し、自基地局装置eNBの隣接関係テーブルNRTを管理する。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態に係る維持管理装置O&Mの構成を示すブロック図である。
図3において、維持管理装置O&Mは、通信部21、制御部22及び記憶部23を備える。通信部21、制御部22及び記憶部23は相互にデータを送受できるように接続されている。通信部21は、バックボーンネットワークを介して他の装置と通信する。通信部21は、例えば基地局装置eNBと通信する。制御部22は維持管理装置O&Mに係る動作の制御を行う。記憶部23はデータを格納する。
【0033】
記憶部23は、アーキテクチャ情報231を有する。アーキテクチャ情報231は、維持管理装置O&Mにより管理される基地局装置eNBがサポートするアーキテクチャを示す。
【0034】
次に
図4を参照して、第1実施形態に係る動作を説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係るアーキテクチャ情報取得方法の手順を示すシーケンスチャートである。
【0035】
(ステップS1) 各基地局装置eNB(
図4中の第一、第二の基地局装置)は、自己のサポートアーキテクチャ情報141を記憶部14から読み出し、該読み出したサポートアーキテクチャ情報141を維持管理装置O&Mへ送信する。維持管理装置O&Mは、各基地局装置eNBから受信したサポートアーキテクチャ情報141を、各基地局装置eNBのアーキテクチャ情報231として記憶部23に格納する。なお、基地局装置eNBが自己のサポートアーキテクチャ情報141を維持管理装置O&Mへ送信するタイミングとして、基地局装置eNBの電源投入後の所定タイミングの1回だけでもよく、又は、繰り返し(例えば定期的)であってもよい。
【0036】
(ステップS2) 第一の基地局装置eNBに接続している端末装置UEは、第二の基地局装置eNBが送信する無線信号を受信することにより該第二の基地局装置eNBの存在を知ったときに、該第二の基地局装置eNBからの無線信号の受信品質を測定し、該測定結果を表す測定レポートを第一の基地局装置eNBへ送信する。
【0037】
第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、該端末装置UEから受信した測定レポートで示される第二の基地局装置eNBの情報が隣接関係テーブルNRTにあるかを調べる。そして、第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、第二の基地局装置eNBの情報が隣接関係テーブルNRTにない場合に、第二の基地局装置eNBに関する通知が端末装置UEからあったことを維持管理装置O&Mへ通知する。具体的には、第一の基地局装置eNBは、第二の基地局装置eNBに関する測定レポートを維持管理装置O&Mへ送信する。
【0038】
(ステップS3) 維持管理装置O&Mは、第一の基地局装置eNBからの該通知に応じて、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間の隣接関係の情報と、第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャの情報(第二の基地局装置eNBに関するアーキテクチャ情報231)とを第一の基地局装置eNBへ送信する。
【0039】
第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、維持管理装置O&Mから受信した情報に基づいて、隣接関係テーブルNRTを更新する。具体的には、隣接関係テーブルNRTに対して、第二の基地局装置eNBに関する隣接関係の情報を追加する。第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャの情報は、第二の基地局装置eNBに関する隣接関係のサポートアーキテクチャ情報として、隣接関係テーブルNRTに格納される。
【0040】
また、第一の基地局装置eNBの制御部13は、自基地局装置eNBのサポートアーキテクチャ情報141と、維持管理装置O&Mから受信した「第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャの情報」とに基づいて、自基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間で使用するアーキテクチャ(使用アーキテクチャ)を決定する。第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、該決定された使用アーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を、第二の基地局装置eNBに関する隣接関係の情報として隣接関係テーブルNRTに追加する。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る一実施形態として第2実施形態を説明する。第2実施形態は、上述した第1実施形態の変形例である。基地局装置eNBの構成は、
図1と同様である。維持管理装置O&Mの構成は、
図3と同様である。第2実施形態では、維持管理装置O&Mが使用アーキテクチャ情報を基地局装置eNBへ通知する。
【0042】
図5は、本発明の第2実施形態に係るアーキテクチャ情報取得方法の手順を示すシーケンスチャートである。
図6は、本発明の第2実施形態に係る隣接関係テーブルNRTの構成例を示す図である。
【0043】
図6に示される隣接関係テーブルNRTは、第1実施形態に係る
図2の隣接関係テーブルNRTに対して、さらにX2回線の最大伝送レート情報(以下、X2回線最大伝送レート情報と称する)が追加されている。該X2回線最大伝送レート情報は、自基地局装置eNBと当該隣接関係の基地局装置eNBとの間に確立されているX2回線の最大伝送レートを示す。例えば、
図6の例において、隣接関係「1」のX2回線最大伝送レート情報は、自基地局装置eNBと隣接関係「1」の基地局装置eNBとの間に確立されているX2回線により、最大で100Mbpsの伝送レートでデータ伝送が可能であることを示す。
【0044】
次に
図5を参照して、第2実施形態に係る動作を説明する。
【0045】
(ステップS11、S12) 本ステップS11、S12は、上述の第1実施形態に係る
図4のステップS1、S2と同じである。
【0046】
(ステップS13) 維持管理装置O&Mは、第一の基地局装置eNBからの通知に応じて、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間の隣接関係の情報を第一の基地局装置eNBへ送信する。第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、維持管理装置O&Mから受信した情報に基づいて、隣接関係テーブルNRTを更新する。具体的には、隣接関係テーブルNRTに対して、第二の基地局装置eNBに関する隣接関係の情報を追加する。
【0047】
(ステップS14) 第一の基地局装置eNBは、第二の基地局装置eNBとの間でX2回線を確立する。そして、第一の基地局装置eNBは、該確立したX2回線の伝送速度や遅延時間などを測定する。そして、第一の基地局装置eNBは、その測定結果に基づいて、第二の基地局装置eNBとの間のX2回線の特性を表すレポートを維持管理装置O&Mへ送信する。X2回線の特性を表すレポートとして、例えば、X2回線最大伝送レート情報、X2回線の最大の遅延時間を表すX2回線最大遅延時間情報などが挙げられる。また、第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、隣接関係テーブルNRTに対して、第二の基地局装置eNBに関する隣接関係の情報としてX2回線最大伝送レート情報を追加する。
【0048】
(ステップS15) 維持管理装置O&Mの制御部22は、アーキテクチャ情報231で示される第一の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャ及び第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャと、第一の基地局装置eNBから受信したレポートで示される第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間のX2回線の特性とに基づいて、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBの間で使用するアーキテクチャを決定する。そして、維持管理装置O&Mは、該決定されたアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報を第一の基地局装置eNBへ送信する。
【0049】
第一の基地局装置eNBの隣接関係テーブル管理部131は、隣接関係テーブルNRTに対して、維持管理装置O&Mから受信した使用アーキテクチャ情報を、第二の基地局装置eNBに関する隣接関係の情報として追加する。
【0050】
なお、本第2実施形態では、基地局装置eNBは、維持管理装置O&Mから使用アーキテクチャ情報を受信するので、基地局装置eNB自身が他の基地局装置eNBとの間で使用するアーキテクチャを決める必要がない。このため、基地局装置eNBは、他の基地局装置eNBのサポートアーキテクチャ情報を隣接関係テーブルNRTに格納しなくてもよい。
【0051】
次に
図7,
図8を参照して、維持管理装置O&Mの制御部22の使用アーキテクチャ決定に係る動作を説明する。
図7,
図8は、本発明の第2実施形態に係る使用アーキテクチャ決定方法の手順を示すフローチャートである。ここでは、X2回線の特性の一例として、X2回線の最大伝送レートを挙げて説明する。
【0052】
(ステップS101) 制御部22が、第一の基地局装置eNBに係るアーキテクチャ情報231(つまり、第一の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャの情報)を記憶部23から読み出す。
【0053】
(ステップS102) 制御部22が、第一の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャが複数あるか否かを判断する。この判断の結果、複数ある場合にはステップS103へ進み、1つしかない場合には
図8のステップS107へ進む。
【0054】
(ステップS103) 制御部22が、第二の基地局装置eNBに係るアーキテクチャ情報231(つまり、第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャの情報)に基づいて、第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャが複数あるか否かを判断する。この判断の結果、複数ある場合にはステップS104へ進み、1つしかない場合には
図8のステップS108へ進む。
【0055】
(ステップS104) 制御部22が、第一の基地局装置eNBから受信したレポートで示される第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間のX2回線の最大伝送レートが所定の閾値以上であるか否かを判断する。この判断の結果、閾値以上である場合にはステップS105へ進み、閾値未満である場合にはステップS106へ進む。
【0056】
(ステップS105) 制御部22が、第一の基地局装置eNBがMeNBであり、且つ第二の基地局装置eNBがSeNBであるデュアル・コネクティビティに使用されるアーキテクチャを、アーキテクチャ3Cとする。これは、第一の基地局装置eNB及び第二の基地局装置eNBの両方がアーキテクチャ1A,3Cの両方をサポートしており、且つそれら基地局装置間のX2回線の最大伝送レートが所定の閾値以上であるからである。
【0057】
(ステップS106) 制御部22が、第一の基地局装置eNBがMeNBであり、且つ第二の基地局装置eNBがSeNBであるデュアル・コネクティビティに使用されるアーキテクチャを、アーキテクチャ1Aとする。これは、第一の基地局装置eNB及び第二の基地局装置eNBの両方がアーキテクチャ1A,3Cの両方をサポートしており、且つそれら基地局装置間のX2回線の最大伝送レートが所定の閾値未満であるからである。
【0058】
(ステップS107) 制御部22が、第二の基地局装置eNBに係るアーキテクチャ情報231で示される第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャのいずれかと、第一の基地局装置eNBのサポートする唯一のアーキテクチャとが等しいか否かを判断する。この判断の結果、等しい場合にはステップS108へ進み、等しくない場合にはステップS111へ進む。
【0059】
(ステップS108) 制御部22が、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間で共通にサポートするアーキテクチャがアーキテクチャ1Aであるか否かを判断する。この判断の結果、アーキテクチャ1Aである場合にはステップS109へ進み、アーキテクチャ1Aではない場合にはステップS110へ進む。
【0060】
(ステップS109) 制御部22が、第一の基地局装置eNBがMeNBであり、且つ第二の基地局装置eNBがSeNBであるデュアル・コネクティビティに使用されるアーキテクチャを、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間で共通にサポートするアーキテクチャとする。これは、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間で共通にサポートするアーキテクチャが唯一つ存在し、且つそれら基地局装置間のX2回線の最大伝送レートが所定の閾値以上である(後述のステップS110参照)からである。
【0061】
(ステップS110) 制御部22が、第一の基地局装置eNBから受信したレポートで示される第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間のX2回線の最大伝送レートが所定の閾値以上であるか否かを判断する。この判断の結果、閾値以上である場合にはステップS109へ進み、閾値未満である場合にはステップS111へ進む。
【0062】
(ステップS111) 制御部22が、第一の基地局装置eNBがMeNBであり、且つ第二の基地局装置eNBがSeNBであるデュアル・コネクティビティを行わない、ことを決定する。これは、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間で共通にサポートするアーキテクチャが存在しない、又は、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBとの間で共通にサポートする唯一つのアーキテクチャ3Cが存在するがそれら基地局装置間のX2回線の最大伝送レートが所定の閾値未満であるからである。デュアル・コネクティビティを行わないと決定された場合には、使用アーキテクチャ情報はなしである。
【0063】
上述した実施形態によれば、基地局装置eNBが他の基地局装置eNBとの間で使用するアーキテクチャを認識できる。これにより、各々異なるアーキテクチャをサポートする複数の基地局装置eNBを使用してデュアル・コネクティビティを行うことに寄与できるという効果が得られる。
【0064】
また、上述した第2実施形態によれば、各アーキテクチャの特性に応じて、アーキテクチャの使い分けを行うことができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0066】
例えば、上述した第2実施形態では、X2回線の通信品質(特性)を表す情報として伝送レートを使用したが、X2回線の通信品質を表す情報として他の情報を使用してもよい。X2回線の通信品質を表す情報として、例えば、X2回線の遅延時間が挙げられる。また、X2回線の通信品質を表す情報として、例えば、X2回線の通信能力を表す情報が挙げられる。
【0067】
また、上述した第2実施形態では、X2回線の最大通信品質を使用したが、X2回線の平均通信品質等の他の通信品質であってもよい。
【0068】
また、上述した第2実施形態では、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBの間のX2回線の特性も用いて第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBの間で使用するアーキテクチャを決定したが、第一の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャ及び第二の基地局装置eNBのサポートするアーキテクチャのみに基づいて第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBの間で使用するアーキテクチャを決定してもよい。また、第一の基地局装置eNBと第二の基地局装置eNBの間で使用するアーキテクチャを示す使用アーキテクチャ情報は、維持管理装置O&Mから第一の基地局装置eNB又は第二の基地局装置eNBへ送信されてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、基地局装置eNBが自己に隣接する他の基地局装置eNBのサポートアーキテクチャ情報を格納する場所として、隣接関係テーブルNRTを利用したが、記憶部14において隣接関係テーブルNRTとは別の記憶領域に該他の基地局装置eNBのサポートアーキテクチャ情報を格納してもよい。また、同様に、使用アーキテクチャ情報についても隣接関係テーブルNRTとは別の記憶領域に格納してもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、無線通信システムの一例としてLTEシステムを挙げたが、LTEシステム以外の他の無線通信システムにも同様に適用可能である。例えば、上述した実施形態では、アーキテクチャ3CがX2回線を使用しているが、他のアーキテクチャとして他の回線を使用するものであってもよい。
【0071】
また、
図7,
図8に示す各ステップを実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0072】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0073】
11…無線通信部、12,21…通信部、13,22…制御部、14,23…記憶部、131…隣接関係テーブル管理部、141…サポートアーキテクチャ情報、231…アーキテクチャ情報、eNB…基地局装置、NRT…隣接関係テーブル、O&M…維持管理装置、S−GW…通信装置、UE…端末装置