(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
センサ付きのアクチュエータ機器側と接続される第一端子部であって、操縦用無線装置から送信された操縦信号の前記アクチュエータ機器に対する伝送と、前記アクチュエータ機器における前記センサによる検出信号の伝送とが行われる第一端子部と、
前記第一端子部を介して前記アクチュエータ機器から前記検出信号が取得されたか否かを判定した結果に基づき、前記アクチュエータ機器が非接続である旨を表す接続エラー信号を生成して前記操縦用無線装置側に送信されるように処理を行う制御部と
を備える
通信機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば飛行機を模した被操縦装置としては、搬送のし易さ等を考慮して、胴体部(本体部)から主翼部を着脱可能とされたものがある。主翼部には、エルロン用のフラップを駆動するためのサーボモータ(エルロンサーボモータ)が搭載されている。また、胴体部には操縦用無線装置から受信した操縦信号を各サーボモータに供給するための受信機ユニットが搭載されている。このため、搬送時等に胴体部から主翼部を取り外した際には、受信機ユニットとエルロンサーボモータとを接続するためのコネクタも取り外すことが通常である。
【0006】
しかしながら、上記のように主翼部を取り外し可能とされた被操縦装置では、操縦者がフライトにあたり主翼部を胴体部に取り付けた際に、エルロンサーボモータとしてのアクチュエータ機器側と受信機ユニット側との間の配線を接続し忘れてしまう可能性がある。そして、この状態でそのままフライトが開始されてしまうと、最悪の場合、墜落等の危険を招く。
【0007】
アクチュエータ機器の接続し忘れの防止を図るにあたっては、受信機ユニット側とアクチュエータ機器側とに導通確認用の端子を設け、受信機ユニット側で該導通確認用端子を介した導通が確認されない場合に操縦用無線装置側にエラー通知を行うということが考えられる。
しかしながら、この手法では、受信機ユニット側とアクチュエータ機器側とに新たに端子を増設することを要する。また、操縦者等のユーザは、上記のような接続エラー通知機能を享受するにあたって導通確認用端子の無い既存のアクチュエータ機器をそのまま用いることができず、新たにアクチュエータ機器を購入する負担を強いられてしまう。
【0008】
そこで、本発明では上記した問題点を克服し、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを導通確認用の端子を増設することなく実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1に、本発明に係る通信機器は、センサ付きのアクチュエータ機器側と接続される第一端子部であって、操縦用無線装置から送信された操縦信号の前記アクチュエータ機器に対する伝送と、前記アクチュエータ機器における前記センサによる検出信号の伝送とが行われる第一端子部と、前記第一端子部を介して前記アクチュエータ機器から前記検出信号が取得されたか否かを判定した結果に基づき、前記アクチュエータ機器が非接続である旨を表す接続エラー信号を生成して前記操縦用無線装置側に送信されるように処理を行う制御部とを備えるものである。
【0010】
これにより、アクチュエータ機器の接続確認は、アクチュエータ機器との間で操縦信号やセンサ検出信号を伝送するための端子部を介したセンサ検出信号の取得有無に基づいて行われる。
【0011】
第2に、上記した本発明に係る通信機器は、前記操縦用無線装置との間で無線通信を行う通信部を備えた受信機ユニット側と接続される第二端子部を備えることが望ましい。
【0012】
当該通信機器は、後述するテレメトリアダプタ18(例えば
図3参照)のように、受信機ユニットとアクチュエータ機器との間に挿入されて使用されるものである。
【0013】
第3に、上記した本発明に係る通信機器は、前記操縦用無線装置との間で無線通信を行う通信部を備えることが望ましい。
【0014】
当該通信機器は、操縦用無線装置との間で無線通信を行う通信部を備えた受信機ユニットに相当する。
【0015】
また、本発明に係る被操縦装置は、第1に、センサ付きのアクチュエータ機器と、前記アクチュエータ機器側と接続される第一端子部であって、操縦用無線装置から送信された操縦信号の前記アクチュエータ機器に対する伝送と、前記アクチュエータ機器における前記センサによる検出信号の伝送とが行われる第一端子部と、前記第一端子部を介して前記アクチュエータ機器から前記検出信号が取得されたか否かを判定した結果に基づき、前記アクチュエータ機器が非接続である旨を表す接続エラー信号を生成して前記操縦用無線装置側に送信されるように処理を行う制御部とを有する通信機器とを備えるものである。
【0016】
このような被操縦装置によっても、上記した実施の形態の通信機器と同様に、アクチュエータ機器の接続確認は、アクチュエータ機器との間で操縦信号やセンサ検出信号を伝送するための端子部を介したセンサ検出信号の取得有無に基づいて行われる。
【0017】
第2に、上記した本発明に係る被操縦装置は、一部を本体部に対して着脱可能とされ、前記アクチュエータ機器が前記一部、前記通信機器が前記本体部にそれぞれ配置されていることが望ましい。
【0018】
これにより、被操縦装置の一部に配置されたアクチュエータ機器の本体部側への接続し忘れを通知することが可能とされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを導通確認用の端子を増設することなく実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態の被操縦装置1と操縦用無線装置2とを備えたラジオコントロール模型の無線操縦システムの構成例を示している。
図1において、被操縦装置1は、飛行機を模したラジオコントロール模型として構成されている。操縦用無線装置2には、操縦者が被操縦装置1を遠隔操縦するための操作スティックが設けられ、該操作スティックの操作量に応じた操縦信号を被操縦装置1に対して送信する。また、本実施の形態における操縦用無線装置2は、被操縦装置1に搭載されている受信機ユニット10(
図3で後述する)より送信された信号(例えば被操縦装置1の状態を示す信号)を受信することが可能とされている。
後述するように、操縦用無線装置2には表示部23が設けられ、操縦用無線装置2は、表示部23を介して被操縦装置1からの受信信号に応じた情報を操縦者に視覚的に提示することが可能とされている。
【0022】
本例の場合、操縦用無線装置2には操作スティックが2本設けられており、操縦者はこれら操作スティックをそれぞれ上下/左右に操作可能とされている。操縦用無線装置2は、一方の操作スティックの上下操作、左右操作と、他方の操作スティックの上下操作、左右操作に応じた計4チャンネル分の操縦信号を出力可能とされている。
【0023】
図2は、被操縦装置1の構成を模式的に示した透視上面図である。
被操縦装置1は、受信機ユニット10やエンジン等が搭載された胴体部と尾翼部とを有する本体部1aと、本体部1aにおける胴体部に対して着脱可能とされた主翼部1bとを備えている。また、被操縦装置1は、尾翼部にエレベータ、ラダー用のフラップを、主翼部1bにエルロン用のフラップをそれぞれ備えると共に、これらのフラップやエンジンのスロットルを駆動するためのアクチュエータ機器としてスロットルサーボモータ14、第一エレベータサーボモータ15−1、第二エレベータサーボモータ15−2、ラダーサーボモータ16、第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2を備えている。
【0024】
スロットルサーボモータ14は、本体部1aにおける胴体部に配置され、同じく胴体部に配置されたエンジンのスロットルを駆動する。第一エレベータサーボモータ15−1、第二エレベータサーボモータ15−2は、本体部1aにおける水平尾翼部に配置され、該水平尾翼部に設けられた左右一対のエレベータ用のフラップのうちそれぞれ対応する一方を駆動する。ラダーサーボモータ16は、本体部1aにおける垂直尾翼部に配置され、該垂直尾翼部に設けられたラダー用のフラップを駆動する。第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2は、主翼部1bに配置され、該主翼部1bに設けられた左右一対のエルロン用のフラップのうちそれぞれ対応する一方を駆動する。
【0025】
本実施の形態において、第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2は、センサ付きのアクチュエータ機器とされている。第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2が備えるセンサ(後述するセンサS1,S2)としては、例えば、サーミスタによる温度センサ、モータ動作位置を検出する動作位置センサなどを挙げることができる。
【0026】
本実施の形態の被操縦装置1には、このようなセンサ付きのアクチュエータ機器としての第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2で得られたセンサ検出信号を取得して受信機ユニット10に転送するための構成として、テレメトリアダプタ18が備えられている。テレメトリアダプタ18は、本体部1aにおける胴体部に配置されている。
【0027】
ここで、本例においては、被操縦装置1が備える受信機ユニット10、テレメトリアダプタ18、及び各種のサーボモータは、それぞれバス通信に対応した機器とされている。バス通信を実現するにあたっては、予めスロットル、ラダー、エレベータ、エルロンの各サーボモータを操縦信号の何れのチャンネルに対応させるかについての設定が行われる。このような各サーボモータに対するチャンネル設定は、例えば、操縦者が操縦用無線装置2を介して個々のサーボモータにチャンネルを割り当てる操作を行うことで実現される。
各サーボモータに対するチャンネル設定を行っておくことで、受信機ユニット10とサーボモータとの間をチャンネルごとに配線し分ける必要なく、共通のバス配線を使用して、各サーボモータがそれぞれ対応するチャンネルの操縦信号を受信できるようにされている。
【0028】
図2に示すように、被操縦装置1においては、バス通信に対応して各サーボモータからの配線を纏めるための三又ハブHが三つ設けられている(三又ハブH1、三又ハブH2、及び三又ハブH3)。三又ハブH1は、第一エレベータサーボモータ15−1、第二エレベータサーボモータ15−2、ラダーサーボモータ16からのバス配線がそれぞれ接続され、三又ハブH2は第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2からのバス配線がそれぞれ接続されている。この三又ハブH2からのバス配線は、図のようにテレメトリアダプタ18に接続されている。
三又ハブH3は、スロットルサーボモータ14からのバス配線が接続されていると共に、三又ハブH1からのバス配線とテレメトリアダプタ18からのバス配線が接続されている。そして、三又ハブH3からのバス配線が受信機ユニット10に接続されている。
【0029】
なお、被操縦装置1には、第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2が備えるセンサとは別途に、被操縦装置1の各部の状態を検出するためのセンサ部13も設けられているが、
図2では図示を省略している。
また、被操縦装置1には、受信機ユニット10やテレメトリアダプタ18、及び各サーボモータに動作電源を供給するためのバッテリも備えられるが図示は省略している。
三又ハブHを用いた各部の接続形態として、
図2に示した形態はあくまで一例を示したものに過ぎず、他の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0030】
図3は、被操縦装置1と操縦用無線装置2の回路構成を示したブロック図である。
操縦用無線装置2は、操縦側制御部20と、操縦側制御部20に接続された操作部21、操縦側通信部22、及び表示部23とを備えると共に、操縦側通信部22に接続されたアンテナA2を備えている。
【0031】
操作部21には、前述した操作スティックや操作ボタン等の各種操作子が設けられており、これら操作子を用いて行われた操縦者による操作入力に応じた信号が操縦側制御部20に取得される。
【0032】
操縦側通信部22は、アンテナA2を介して外部装置(特に被操縦装置1)との間で所定の無線通信方式により信号の送受信を行うことが可能に構成されている。
【0033】
表示部23は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)等によるディスプレイを備えて構成され、操縦側制御部20からの制御に基づき各種情報の表示を行う。表示部23が備えるディスプレイは、表示画面部が外界に表出するように設けられている。
【0034】
操縦側制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを備えたマイクロコンピュータ等の情報処理装置で構成され、ROM等のメモリに格納されたプログラムに従った処理を行うことで操縦用無線装置2の全体制御を行う。
例えば、操縦側制御部20は、操作部21に設けられた操作スティックの操作量に応じた操縦信号を該操縦信号のチャンネルを表す情報と共に操縦側通信部22によりアンテナA2を介して外部装置に送信させる。
また、操縦側制御部20は、操縦側通信部22が被操縦装置1としての外部装置から受信した信号(例えば前述した被操縦装置1の状態を示す信号)に基づき、表示部23に対応する情報が表示されるように制御を行う。
【0035】
被操縦装置1には、
図2に示した各部と共にセンサ部13が備えられている。
センサ部13は、被操縦装置1の状態を検出するためのセンサであり、例えば、被操縦装置1の飛行高度を検出するための高度センサ(気圧センサ)、現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサ、エンジンにより駆動されるプロペラ等の回転数を検出するための光学式回転センサ、電圧センサ(任意の配線に挿入して使用するタイプ)等をセンサ部13として設けることができる。
センサ部13は、受信機ユニット10における被操縦側制御部12に対して接続されている。
【0036】
ここで、受信機ユニット10は、アンテナA1が接続された被操縦側通信部11と被操縦側制御部12とを備えている。
被操縦側通信部11は、アンテナA1を介して操縦用無線装置2との間で所定の無線通信方式により信号の送受信を行うことが可能に構成されている。
被操縦側制御部12は、例えばCPUやROM、RAM等のメモリを備えたマイクロコンピュータ等の情報処理装置で構成され、ROM等のメモリに格納されたプログラムに従った処理を行うことで受信機ユニット10としての各種動作を実現する。
図示は省略したが、受信機ユニット10には、各種サーボモータ側とバス通信を行うための端子部が設けられ、該端子部に対して三又ハブH3からのバス配線が接続されている。これにより、被操縦側制御部12は、三又ハブH3や三又ハブH2、三又ハブH1を介してバス配線により接続されたスロットルサーボモータ14、第一エレベータサーボモータ15−1、第二エレベータサーボモータ15−2、ラダーサーボモータ16、第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2の各サーボモータやテレメトリアダプタ18との間でバス通信を行うことが可能とされている。
【0037】
また、被操縦側制御部12は、センサ部13による検出信号を被操縦側通信部11により操縦用無線装置2(操縦側制御部20)に対して送信させる。
操縦用無線装置2側では、このように送信された検出信号に基づき、操縦側制御部20が該検出信号に応じた情報を表示部23に必要に応じて(例えば操縦者による操作入力に応じて)表示させる。
【0038】
第一エルロンサーボモータ17−1にはセンサS1が、第二エルロンサーボモータ17−2にはセンサS2がそれぞれ設けられている。先の説明から理解されるように、これらセンサS1、センサS2は、例えば温度センサや動作位置センサ等とされている。
【0039】
テレメトリアダプタ18は、サーボモータ側と接続される第一端子部18aと、例えばCPUやROM、RAM等のメモリを備えたマイクロコンピュータ等の情報処理装置で構成された制御部18と、受信機ユニット10側と接続される第二端子部18cとを備えている。
バス通信に対応する本例の場合、第一端子部18aと第二端子部18cはバス配線を接続可能に構成されており、第一端子部18aには三又ハブH2からのバス配線が接続され、第二端子部18cは、自らに接続されたバス配線が三又ハブH3に接続されている。これにより、テレメトリアダプタ18の制御部18bは、第一端子部18aと三又ハブH2を介して第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2と通信可能とされると共に、第二端子部18cと三又ハブH3を介して受信機ユニット10の被操縦側制御部12と通信可能とされている。
【0040】
テレメトリアダプタ18において、操縦用無線装置2から送信された操縦信号は、受信機ユニット10を経由し第二端子部18cを介して制御部18bにより受信される。制御部18bは、受信した操縦信号を第一端子部18aを介して第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2側へ出力する。また、操縦用無線装置2がセンサS1、S2の検出信号を要求する際に行う後述するセンサ検出信号要求としても、受信機ユニット10を経由し第二端子部18cを介して制御部18bにより受信され、制御部18bは受信したセンサ検出信号要求を第一端子部18aを介して第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2側へ出力する。さらに、当該センサ検出信号要求に応じて第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2がセンサ検出信号を出力した場合、該センサ検出信号は第一端子部18aを介して制御部18bに伝送される。
このように、第一端子部18aを介しては、該第一端子部18aを介して接続された第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2に対して操縦用無線装置2からの操縦信号やセンサ検出信号要求が伝送されると共に、これら第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2が出力したセンサ検出信号が伝送される。
【0041】
第一端子部18aは、制御部18bと同一筐体内に形成されており、受信したセンサ検出信号を直接、制御部18bに出力するテレメトリアダプタ18の入出力部である。
第一端子部18aは、配線(本例ではバス配線)の着脱が容易となるように構成され、テレメトリアダプタ18と三又ハブH2(或いはサーボモータ)との間の接続や取り外しを容易に行うことが可能とされている。これにより、主翼部1bの本体部1aに対する着脱が容易とされている。
【0042】
図4は、実施の形態の無線操縦システムにて実行される処理のうち、主翼部1bに設けられた第一エルロンサーボモータ17−1及び第二エルロンサーボモータ17−2の接続し忘れを通知する機能に係る処理を示したフローチャートである。
【0043】
図4において、先ず、操縦用無線装置2における操縦側制御部20は、ステップS101で被操縦側制御部12に対してセンサS1とセンサS2の検出信号を要求するためのセンサ検出信号要求を行う。なお、操縦側制御部20は、該センサ検出信号要求を例えば所定時間ごとに繰り返し行う。或いは、操縦側制御部20は、該センサ検出信号要求を例えば操縦者が行った操作入力(例えばセンサS1、S2の検出信号の表示を指示する操作入力)に応じて実行する。
【0044】
被操縦装置1における被操縦側制御部12は、ステップS101で行われたセンサ検出信号要求が被操縦側通信部11にて受信されると、ステップS102で該センサ検出信号要求をテレメトリアダプタ18の制御部18bに転送する。
【0045】
制御部18bは、ステップS102で転送されたセンサ検出信号要求を第二端子部18cを介して受信すると、ステップS103で該センサ検出信号要求を第一端子部18aを介して出力する。つまりこれにより、第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2に対してセンサ検出信号要求が為される。
【0046】
そして、制御部18bは続くステップS104で、ステップS103で出力したセンサ検出信号要求に応じて第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2からのセンサ検出信号が取得されたか否かを判定する。例えば、ステップS104の判定処理は、ステップS103でセンサ検出信号要求を出力してから所定時間以内にセンサ検出信号が取得されたか否かを判別することで行う。
【0047】
ステップS104において、第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2からのセンサ検出信号を取得したと判定した場合、制御部18bはステップS105に進んでセンサ検出信号を被操縦側制御部12に送信してこの図に示す処理を終える。
一方、第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2からのセンサ検出信号が取得されなかったと判定した場合、制御部18bはステップS106に進んで、第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2とが本体部1aに対して非接続である旨を表す接続エラー信号を生成して被操縦側制御部12に送信し、この図に示す処理を終える。
【0048】
被操縦側制御部12は、先のステップS102でセンサ検出信号要求をテレメトリアダプタ18に転送したことに応じ、ステップS107でテレメトリアダプタ18側からの信号受信(つまりセンサ検出信号又は接続エラー信号の何れかの受信)を待機している。そして、テレメトリアダプタ18側から信号が受信された場合、被操縦側制御部12はステップS108で受信した信号を操縦側制御部20に送信し、この図に示す処理を終える。
【0049】
操縦側制御部20は、先のステップS101でセンサ検出信号要求を行ったことに応じ、ステップS109で被操縦側制御部12よりセンサ検出信号が受信されたか否かを判定する。センサ検出信号が受信された場合、操縦側制御部20はステップS110に進み、センサ検出信号に従った表示部23の表示制御処理を行ってこの図に示す処理を終える。
【0050】
一方、センサ検出信号が受信されなかった場合、操縦側制御部20はステップS111に進んで被操縦側制御部12より接続エラー信号を受信したか否かを判定する。接続エラー信号が受信されなかった場合は、この図に示す処理を終了する。
接続エラー信号が受信された場合、操縦側制御部20はステップS112に進んで接続エラー通知処理を行い、この図に示す処理を終える。ステップS112の接続エラー通知処理としては、例えば表示部23に第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2が非接続である旨を表す所定の情報を表示させる処理を行う。
【0051】
なお、ステップS111で接続エラー信号が受信されなかった場合は、所定時間待機した後、ステップS101に戻って再度センサ検出信号要求を行ってもよい。
【0052】
ここで、上記では、第一エルロンサーボモータ17−1と第二エルロンサーボモータ17−2からのセンサ検出信号の取得有無の判定結果に応じて接続エラー信号を生成・送信する機能をテレメトリアダプタ18が担う場合を例示したが、
図5に示す被操縦装置1Aのように、テレメトリアダプタ18は省略し、当該機能を担う受信機ユニット10Aを受信機ユニット10に代えて設けることもできる。
【0053】
図5に示すように、この場合の被操縦装置1Aにおいては、三又ハブH2からのバス配線は三又ハブH3に接続される。そして、受信機ユニット10Aには、被操縦側制御部12に代えて被操縦側制御部12Aが設けられる。
図5では、受信機ユニット10Aに設けられたバス配線接続用の端子部を第一端子部10Aaと示している。この第一端子部10Aaに三又ハブH3からのバス配線が接続されて、被操縦側制御部12Aがサーボモータ側と通信可能とされている。
【0054】
この場合、被操縦側制御部12Aは、
図4に示した制御部18bの処理と同様の処理を行う。具体的に、被操縦側制御部12Aは、
図6のフローチャートに示すように、操縦側制御部101からのセンサ検出信号要求が受信されたことに応じて、先に説明したステップS103〜S106の処理と同様の処理を実行する。
なお、この場合のステップS103では、被操縦側制御部12Aは、受信されたセンサ検出信号要求を第一端子部10Aaを介して出力する。また、この場合のステップS105、S106におけるセンサ検出信号、接続エラー信号の送信先はそれぞれ操縦側制御部20となる。
操縦側制御部20がステップS101の要求を行ったことに応じて実行する処理(S109〜S112)は、先の
図4で説明したものと同様となるため説明は省略する。
【0055】
上記のように実施の形態の通信機器(テレメトリアダプタ18又は受信機ユニット10A)は、センサ付きのアクチュエータ機器(第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2)側と接続される第一端子部(第一端子部18a又は第一端子部10Aa)であって、操縦用無線装置(操縦用無線装置2)から送信された操縦信号のアクチュエータ機器に対する伝送と、アクチュエータ機器におけるセンサによる検出信号の伝送とが行われる第一端子部を備える。
また、第一端子部を介してアクチュエータ機器から検出信号が取得されたか否かを判定した結果に基づき、アクチュエータ機器が非接続である旨を表す接続エラー信号を生成して操縦用無線装置側に送信されるように処理を行う制御部(制御部18b又は被操縦側制御部12A)を備えている。
【0056】
これにより、アクチュエータ機器の接続確認は、アクチュエータ機器との間で操縦信号やセンサ検出信号を伝送するための端子部を介したセンサ検出信号の取得有無に基づいて行われる。
従って、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを導通確認用の端子を増設することなく実現することができる。
また、ユーザに導通確認用の端子を有する新たなアクチュエータ機器の購入を強いることなく、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを実現できる。
【0057】
また、実施の形態の通信機器は、操縦用無線装置との間で無線通信を行う通信部(被操縦側通信部11)を備えた受信機ユニット(受信機ユニット10)側と接続される第二端子部(第二端子部18c)を備えている。
【0058】
当該通信機器は、
図3に示したテレメトリアダプタ18のように、受信機ユニットとアクチュエータ機器との間に挿入されて使用されるものである。
従って、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを導通確認用の端子を増設することなく実現するにあたり、既存の受信機ユニット及びアクチュエータ機器を流用できる。換言すれば、既存の無線操縦システムにおいて当該通信機器(テレメトリアダプタ)を追加するだけで、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを導通確認用の端子を増設することなく実現することができる。
【0059】
さらに、実施の形態の通信機器は、操縦用無線装置との間で無線通信を行う通信部(被操縦側通信部11)を備えている。
当該通信機器は、
図5に示した受信機ユニット10Aのような、操縦用無線装置との間で無線通信を行う通信部を備えた受信機ユニットに相当する。
従って、アクチュエータ機器の接続し忘れを通知可能な無線操縦システムを導通確認用の端子を増設することなく実現するにあたり、被操縦装置にテレメトリアダプタ18のような追加機器を搭載する必要がなく、被操縦装置の機器数の削減や軽量化を図ることができる。
【0060】
また、実施の形態の被操縦装置(被操縦装置1又は被操縦装置1A)は、センサ付きのアクチュエータ機器(第一エルロンサーボモータ17−1、第二エルロンサーボモータ17−2)を備えると共に、アクチュエータ機器側と接続される第一端子部(第一端子部18a又は第一端子部10Aa)であって、操縦用無線装置(操縦用無線装置2)から送信された操縦信号のアクチュエータ機器に対する伝送と、アクチュエータ機器におけるセンサによる検出信号の伝送とが行われる第一端子部と、第一端子部を介してアクチュエータ機器から検出信号が取得されたか否かを判定した結果に基づき、アクチュエータ機器が非接続である旨を表す接続エラー信号を生成して操縦用無線装置側に送信されるように処理を行う制御部(制御部18b又は被操縦側制御部12A)とを有する通信機器を備えている。
【0061】
このような被操縦装置によっても、上記した実施の形態の通信機器と同様に、アクチュエータ機器の接続確認は、アクチュエータ機器との間で操縦信号やセンサ検出信号を伝送するための端子部を介したセンサ検出信号の取得有無に基づいて行われる。
従って、実施の形態の通信機器と同様の効果を得ることができる。
【0062】
さらに、実施の形態の被操縦装置は、一部(主翼部1b)を本体部(本体部1a)に対して着脱可能とされ、アクチュエータ機器が一部、通信機器が本体部にそれぞれ配置されている。
【0063】
これにより、被操縦装置の一部に配置されたアクチュエータ機器の本体部側への接続し忘れを通知することができる。
【0064】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記した具体例に限定されるべきものではなく、多様な変形例が考えられる。
例えば、本発明が適用される被操縦装置の形態は、上記で例示した飛行機の形態に限らず、ヘリコプタ、車、船、ロボット等の形態でもよく、具体的な形態は特に限定されない。
【0065】
また、アクチュエータ機器はサーボモータ等のモータ機器に限定されず、例えばソレノイドやピエゾ等の他のアクチュエータを備えた機器とされてもよい。
【0066】
また、上記では、本発明に係る通信機器がバス通信に対応した機器とされた場合(第一端子部がバス配線を接続可能な端子部とされた場合)を例示したが、バス通信への対応は必須ではなく、例えば操縦信号のチャンネルごとに独立して設けた配線を介して通信を行う等、バス通信以外の通信方式が採用される場合にも本発明は好適に適用できる。
【0067】
また、上記では、接続エラーの通知を表示により行う場合を例示したが、スピーカ等の音声出力手段を設けて音による通知が行われてもよい。