特許第6207488号(P6207488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6207488燃料供給装置および燃料供給装置を搭載した小型車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207488
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】燃料供給装置および燃料供給装置を搭載した小型車両
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20170925BHJP
   B62J 37/00 20060101ALI20170925BHJP
   F02M 37/10 20060101ALI20170925BHJP
   B62J 35/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   F02M37/00 321B
   B62J37/00 Z
   F02M37/10 C
   F02M37/00 331A
   F02M37/00 301L
   F02M37/00 A
   F02M37/10 D
   F02M37/00 301D
   B62J35/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-198761(P2014-198761)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-70134(P2016-70134A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100067840
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 望
(74)【代理人】
【識別番号】100098176
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 訓
(74)【代理人】
【識別番号】100169111
【弁理士】
【氏名又は名称】神澤 淳子
(72)【発明者】
【氏名】中内 洪太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−182018(JP,A)
【文献】 特開2008−247389(JP,A)
【文献】 特開2010−138704(JP,A)
【文献】 特開2012−057599(JP,A)
【文献】 特開平10−252592(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0146628(US,A1)
【文献】 特開2007−182892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00−37/22
B62J 35/00
B62J 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク(30)の外部から燃料ポンプ(42)を該燃料タンク(30)の内部に収容するように、前記燃料タンク(30)の外壁(30a)に取り付けられ、
前記燃料タンク(30)の外部に設けられた吐出外部配管(60)に接続されることで、前記燃料ポンプ(42)から圧送された燃料を前記吐出外部配管(60)に吐出する吐出管(45)と、
前記燃料タンク(30)の外部に設けられた戻り外部配管(61)に接続されることで、供給先の余剰燃料を前記燃料タンク(30)の内部に戻す戻り管(46)を備え、
燃料を前記燃料タンク(30)から供給先に供給する燃料供給装置(40)において、
前記燃料供給装置(40)は、燃料タンク(30)に取り付けられた状態で前記燃料タンク(30)の外部に位置し前記燃料タンク(30)の外壁(30a)に取り付けられるフランジ部(43)と、該フランジ部(43)から隆起した隆起部(44)と、該隆起部(44)の内部に収容される圧力調整弁(50)を備え、
前記戻り管(46)は、平面視で前記隆起部(44)における、前記圧力調整弁(50)に重なる部位から延出するように形成されることを特徴とする小型車両用燃料供給装置。
【請求項2】
前記吐出管(45)は、前記隆起部(44)における、前記戻り管(46)よりも下方の位置から延出することを特徴とする請求項1に記載の小型車両用燃料供給装置。
【請求項3】
前記圧力調整弁(50)は、円筒形状をなし、
前記吐出管(45)は、前記隆起部(44)における、前記圧力調整弁(50)の高さ範囲から延出することを特徴とする請求項2に記載の小型車両用燃料供給装置。
【請求項4】
前記吐出管(45)は、平面視で前記戻り管(46)と直交する方向に延出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の小型車両用燃料供給装置。
【請求項5】
前記燃料供給装置(40)の電線コネクタ(64)との接続部(47)が、前記戻り管(46)下方であって、前記吐出管(45)の延出方向の延長線上に配置されることを特徴とする請求項4に記載の小型車両用燃料供給装置。
【請求項6】
前記戻り管(46)から戻された燃料が前記圧力調整弁(50)から放出される放出方向の延長線上に、燃料ポンプ本体(42)のハウジング部(42a)の一部が重なるように配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の小型車両用燃料供給装置。
【請求項7】
前記燃料タンク(30)は、乗員が着座する着座シート(10)の下方に配置され、その上面(34)が部分的に低くなる凹部(33)を有し、
該凹部(33)に、前記燃料供給装置(40)の燃料ポンプ部(41)を挿入し固定する開口(36)が設けられ、
前記燃料タンク(30)の側面視で前記戻り管(46)が高位に位置する上面(34b)よりも下方に位置するように配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の小型車両用燃料供給装置を搭載した小型車両。
【請求項8】
内燃機関(E)と、
着座シート(10)と、
該着座シート(10)の下方に位置する燃料タンク(30)と、
前記燃料タンク(30)の外部から燃料ポンプ(42b)を内部に収容するようにして、前記燃料タンク(30)の外壁(30a)に取り付けられて、燃料を供給先に供給する燃料供給装置(40)と、
前記燃料供給装置(40)に設けられ、燃料タンク(30)の外部に設けられた吐出外部配管(60)に接続されることで、前記燃料ポンプ(42b)から圧送された燃料を前記吐出外部配管(60)に吐出する吐出管(45)と、
前記燃料供給装置(40)に設けられ、燃料タンク(30)の外部に設けられた戻り外部配管(61)に接続されることで、供給先での余剰燃料を燃料タンク(30)の内部に戻す戻り管(46)を備えた小型車両(1)において、
前記燃料タンク(30)には、その上面(34)の側縁側に寄せて部分的に低くなる凹部(33)が形成され、該凹部(33)には前記燃料供給装置(40)の前記燃料ポンプ(42)が挿入されてその周囲で固定される開口部(36)が設けられるともに、前記凹部(33)の周辺で高位に位置する上面(34b)が側縁に向かって傾斜して起立する縦壁部(35)が設けられ、
前記燃料供給装置(40)は、前記燃料タンク(30)に取り付けられた状態で前記燃料タンク(30)の外側に位置する前記燃料供給装置(40)のフランジ部(43)と、該フランジ部(43)から隆起した隆起部(44)と、該隆起部(44)の内部に収容される圧力調整弁(50)とを備え、
該隆起部(44)から前記吐出管(45)と前記戻り管(46)は上下にずらして設けられ、
前記吐出管(45)と前記戻り管(46)のうち上方に配置される管が、前記燃料タンク(30)の前記凹部(33)の周辺で起立する前記縦壁部(35)側に向けて配置され、
前記吐出管(45)と前記戻り管(46)のうち下方に配置される管が、前記燃料タンク(30)の側縁側に向けて配置されることを特徴とした燃料供給装置を搭載した小型車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給装置および燃料供給装置を搭載した小型車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車等の着座シートの下方に配置された燃料タンクから燃料噴射弁に燃料を圧送する吐出経路と、燃料噴射弁側の圧力調整弁から流出する余剰燃料を燃料タンクに戻す戻り経路をする燃料供給装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
このような小型車両に設けられる燃料供給装置においては、種々の内燃機関への採用を可能にするために、特に燃料噴射弁周りの小型化が要求されており、燃料噴射弁近傍に配置される圧力調整弁を、燃料ポンプを含むポンプモジュールとしての燃料供給装置に一体化する技術がある。
【0004】
燃料供給装置には、前記吐出経路に接続される吐出管および、前記戻り経路に接続される戻り管が設けられており、これらの吐出管と戻り管とは、燃料供給装置のうち燃料タンクの外に出た領域に互いに近接して配置されていることから、この戻り管の途中に圧力調整弁を配置しようとすると、吐出経路と戻り経路との干渉を抑制するために、吐出管と戻り管との間隔をあけるように離してレイアウトする必要があった。
【0005】
ところが、吐出管と戻り管を離して配置すると、燃料供給装置の幅が広がってしまうので、燃料タンク内における燃料供給装置の配置や取付け位置に制限を受けることがあり、燃料供給装置の小型化が要求される。
【0006】
さらに、圧力調整弁を燃料供給装置に設けられた戻り管の途中に設けた場合には、別の課題として、燃料供給装置内の配管経路が長くなり、燃料供給装置の高さ寸法が大型化する問題がある。特に着座シート下方に燃料タンクを配置する小型車両においては、燃料供給装置が高くなることで燃料タンクの高さ方向の寸法を大きくする必要があり、ひいては着座シートの着座位置が高くなり、車両の足着き性に影響を与えるおそれがあった。
(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4176456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着座シートの下方に燃料タンクを配置した小型車両において、燃料供給装置の小型化を図ることにより燃料供給装置のレイアウトを自由にし、さらに燃料供給装置の高さを抑制して着座シートの高さが高くなることを防止し、車両の足着き性に影響を与えずに、燃料供給装置を小型化することが可能な燃料供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために本発明は、
燃料タンクの外部から燃料ポンプを該燃料タンクの内部に収容するように、前記燃料タンクの外壁に取り付けられ、
前記燃料タンクの外部に設けられた吐出外部配管に接続されることで、前記燃料ポンプから圧送された燃料を前記吐出外部配管に吐出する吐出管と、
前記燃料タンクの外部に設けられた戻り外部配管に接続されることで、供給先の余剰燃料を前記燃料タンクの内部に戻す戻り管を備え、
燃料を前記燃料タンクから供給先に供給する燃料供給装置において、
前記燃料供給装置は、燃料タンクに取り付けられた状態で前記燃料タンクの外部に位置し前記燃料タンクの外壁に取り付けられるフランジ部と、該フランジ部から隆起した隆起部と、該隆起部の内部に収容される圧力調整弁を備え、
前記戻り管は、平面視で前記隆起部における、前記圧力調整弁に重なる部位から延出するように形成されることを特徴とする小型車両用燃料供給装置である。
【0010】
本発明によれば、吐出管と戻り管を備えた燃料供給装置において戻り側に設けられた圧力調整弁を燃料供給装置に一体化する場合に、圧力調整弁を燃料供給装置のうち燃料タンクの外部に位置するフランジ面から隆起した隆起部内に収容し、戻り管をこの隆起部の上方から重なるようにして延出するように形成したので、戻り管と圧力調整弁とが平面視で重なるように配置することができて、これらを離して配置した場合に比べて、燃料供給装置の外周方向の拡張を抑えて、燃料供給装置の大型化を抑制でき、燃料供給装置のレイアウトの自由化を促進することができる。
【0011】
前記吐出管を前記隆起部における、前記戻り管よりも下方の位置から延出させてもよい。
【0012】
このような構成によれば、吐出管を隆起部のうち戻り管よりも下方位置から延出させたので、吐出管と戻り管を同一高さにした場合には、他方の管との干渉に影響されて、それぞれの管の延出方向の角度範囲が制限されるが、吐出管と戻り管のそれぞれの延出する高さが異なることにより、吐出管および戻り管のそれぞれの延出する方向を全周範囲で任意の角度に設定することが可能となり、配管の配置自由度が向上する。
【0013】
前記圧力調整弁を円筒形状とし、前記吐出管を前記隆起部における、前記圧力調整弁の高さ範囲から延出させてもよい。
【0014】
このような構成によれば、円筒形状をなす圧力調整弁の高さの範囲から吐出管を延出させるようにしたので、圧力調整弁を収容することで隆起した隆起部周辺の空きスペースを利用して、吐出管を低い位置に配置することができて、省スペース化を図ることが可能となり、燃料供給装置全体の高さを抑制して着座シートの高さが高くなることを防止し、車両の足着き性に影響を与えずに、圧力調整弁を燃料供給装置内に配置することができる。
【0015】
前記吐出管を平面視で前記戻り管と直交する方向に延出させてもよい。
【0016】
このような構成によれば、吐出管および戻り管にそれぞれ接続される燃料配管、あるいは配管に接続され燃料配管の接続部どうしを離してお互いの干渉を防止しながら、メンテナンス時の配管の取り外し作業においては、これらの吐出管および戻り管が直線状でそれぞれ反対方向に延出されて配管の抜き差し方向が対向する場合に比べて、同側方向から行うことができ作業性が良好となる。
【0017】
前記燃料供給装置の電線コネクタとの接続部を、前記戻り管下方であって、前記吐出管の延出方向の延長線上に配置してもよい。
【0018】
このような構成によれば、燃料供給装置の電線コネクタとの接続部が、戻り管の下方で、吐出管の延出方向の延出線上に配置されたので、接続された状態における電線コネクタの高さを抑制して小型化を図りながら、吐出管および戻り管との配管あるいは電線コネクタとの干渉を防止できる。
【0019】
前記戻り管から戻された燃料が前記圧力調整弁から放出される放出方向の延長線上に、燃料ポンプ本体のハウジング部の一部が重なるように配置してもよい。
【0020】
このような構成によれば、戻り燃料が圧力調整弁から放出される放出方向の延長線上に燃料ポンプ本体のハウジン部の一部が重なるようにしたので、圧力調整弁から放出される戻り燃料が、燃料タンク内に溜まっている燃料に直接あたることを防止して燃料の泡立ちを抑えて、燃料ポンプがエアの混入した燃料を吸い込むことを抑制することができる。
【0021】
前記燃料タンクを乗員が着座する着座シートの下方に配置し、その上面が部分的に低くなる凹部を有し、
この凹部に、前記燃料供給装置の燃料ポンプ部を挿入し固定する開口を設け、
前記燃料タンクの側面視で前記戻り管が高位に位置する上面よりも下方に位置するように配置してもよい。
【0022】
このような構成によれば、着座シート下方に配置された燃料タンクの凹部の開口から燃料供給装置を挿入して固定し、戻り管を側面視で高位位置にあるタンク上面よりも低い位置に配置したので、吐出管および戻り管の両方とも燃料タンク側面視で、燃料タンクの上面から飛び出すことを抑制して、上方に位置する着座シートと吐出管および戻り管との干渉を防ぎ、吐出管および戻り管の保護をタンクを利用して図ることができる。
【0023】
本発明は、内燃機関と、
着座シートと、
該着座シートの下方に位置する燃料タンクと、
前記燃料タンクの外部から燃料ポンプを内部に収容するようにして、前記燃料タンクの外壁に取り付けられて、燃料を供給先に供給する燃料供給装置と、
前記燃料供給装置に設けられ、燃料タンクの外部に設けられた吐出外部配管に接続されることで、前記燃料ポンプから圧送された燃料を前記吐出外部配管に吐出する吐出管と、
前記燃料供給装置に設けられ、燃料タンクの外部に設けられた戻り外部配管に接続されることで、供給先での余剰燃料を燃料タンクの内部に戻す戻り管を備えた小型車両において、
前記燃料タンクには、その上面の側縁側に寄せて部分的に低くなる凹部が形成され、該凹部には前記燃料供給装置の前記ポンプが挿入されてその周囲で固定される開口部が設けられるともに、前記凹部の周辺で高位に位置する上面が側縁に向かって傾斜して起立する縦壁部が設けられ、
前記燃料供給装置は、前記燃料タンクに取り付けられた状態で前記燃料タンクの外側に位置する前記燃料供給装置のフランジ部と、該フランジ部から隆起した隆起部と、該隆起部の内部に収容される圧力調整弁とを備え、
該隆起部から前記吐出管と前記戻り管は上下にずらして設けられ、
前記吐出管と前記戻り管のうち上方に配置される管が、前記燃料タンクの前記凹部の周辺で起立する前記縦壁部側に向けて配置され、
前記吐出管と前記戻り管のうち下方に配置される管が、前記燃料タンクの側縁側に向けて配置されることを特徴とした小型車両である。
【0024】
本発明は、着座シート下方の燃料タンクの側縁に寄せて部分的に低くなる凹部を形成し、この凹部に設けた燃料供給装置の戻り管と吐出管とを、凹部周辺の縦壁側と側縁側とにそれぞれ向けて配置しているので、凹部周辺の燃料タンクの上面が側縁に向かって傾斜する燃料タンクの場合には、吐出管および戻り管とを燃料タンクの上面から飛び出さずにレイアウトできるので、燃料タンク上方に位置するシート側への膨出を抑制してシート高が高くなることを抑制して、着座シートの高さが高くなることを抑制し、車両の足着き性に影響を与えずに、燃料供給装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、燃料供給装置の外周方向の拡張を抑えて大型化することを抑制し、燃料供給装置のレイアウトの自由化を促進することができ、燃料供給装置の高さを抑制して着座シートの高さが高くなることを防止し、車両の足着き性に影響を与えずに燃料供給装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る燃料供給装置を備えた自動二輪車の左側面図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】収納ケースの平面図である。
図4】着座シートの車両幅方向中央における縦断面図である。
図5】燃料タンク単体の斜視図である。
図6】燃料供給装置単体の斜視図である。
図7】燃料供給装置単体の平面図である。
図8】燃料供給装置単体の図7におけるVIII矢視図である。
図9】燃料供給装置が燃料タンクに組み込まれた状態の平面図である。
図10図9のX-X矢視断面図である。
図11図9のXI-XI矢視断面図である。
図12】圧力調整弁周辺の縦断面図である。
図13】燃料供給装置周辺の縦断面図である。
図14】燃料タンクに燃料供給装置が取り付けられた状態の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図14に基づいて説明する。なお、本明細書では、自動二輪車1の前進方向を前方とし、前方を向いた姿勢を基準にして前後左右を定めている。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る燃料供給装置40を搭載した自動二輪車1の全体側面図であり、図2にその拡大図を示している。
【0029】
本自動二輪車1の車体フレーム2は以下のようになっている。ヘッドパイプ2aに固着されたメインフレーム2bが、自動二輪車1の車体中心線上に斜め下後方へ延出している。該メインフレーム2bの下方の左右には、幅方向に拡がりながら後方に延出する左右一対のサイドフレーム2cが取り付けられており、後端は上方に向かって延出するように形成されている。左右各サイドフレームの後端には、略水平方向に指向して後方に延出する左右一対のメンバーと該左右のメンバーを連結する連結クロスメンバーが一体に形成されたリヤフレーム2dが取り付けられている。
【0030】
このような車体フレーム2において、ヘッドパイプ2aにはフロントフォーク3が枢支され、該フロントフォーク3の上端に左右に延びたハンドル4が取り付けられ、下端に前輪5が軸支されている。メインフレーム2bの下部に設けられた図示されないピボットプレートに前端を軸支されたリヤフォーク6が後方へ延出し、その後端に後輪7が軸支され、リヤフォーク6の後部とリヤフレーム2dの前部との間にリヤクッション8が介装されている。
【0031】
図2に示されるように、自動二輪車1の前後方向の略中央、車体フレーム2のメインフレーム2bの下方に位置して、一対のサイドフレーム2cのそれぞれに固着されたハンガープレート12を介して、シリンダ軸線をわずかに前上がりとなるように内燃機関Eが取り付けられている。該内燃機関Eは、変速機MとともにパワーユニットPを構成しており、内燃機関Eから出力される回転駆動力は、変速機Mおよび図示されないチェーンを介して後輪7に伝達されるようになっている。
【0032】
内燃機関Eは、クランクケース15の前方に向かって、シリンダブロック16、シリンダヘッド17およびヘッドカバー18が順次重ねられ一体に締結されている。クランクケース15およびシリンダブロック16の間には、左右方向に指向してクランク軸19が支承されている。
【0033】
内燃機関Eの前上方には、内燃機関Eへの空気を取り込んで不純物を取り除くエアクリーナ20がメインフレーム2bの下に取り付けられている。該エアクリーナ20の下流側には、吸入空気量を調整するためのスロットルボディ21、燃料噴射弁23が挿入され該燃料噴射弁23からの噴霧燃料と吸気とが混合されるインレットパイプ22、シリンダヘッド17の図示されない吸気ポートとが順次接続され、燃料と外気が混合された混合気はシリンダヘッド17に形成された図示されない燃焼室に送られるようになっている。
【0034】
図2に示されるように、内燃機関Eの後方の斜め上方に位置して、ヘルメット等の物品を収納するための収納ボックス9が設けられ、該収納ボックス9の後方に、燃料噴射弁23へ燃料を供給する燃料供給装置40が組み込まれ燃料が貯留される燃料タンク30が配設されている。
【0035】
前記収納ボックス9単体の平面図が図3に、収納ボックス9の一部と燃料タンク30周辺の縦断面図が図13に示されている。収納ボックス9は、ヘルメットが収納されるように上が開口された箱状に形成されたボックス部9aと、その後方に延長された、後述する燃料供給装置40が取り付けられた燃料タンク30の凹部33を覆うためのカバー部9bが一体に形成されている。収納ボックス9は、メインフレーム2bの後部および一対のサイドフレーム2cの水平部分に、メインフレーム2bおよびサイドフレーム2cの上方に位置するように取り付けられている。収納ボックス9の後方に位置して燃料タンク30がリヤフレーム2dに支持されている。
【0036】
図1および図2示されるように、収納ボックス9および燃料タンク30の上面を覆うように、搭乗者が着座するための着座シート10、例えばタンデム用の着座シート10が配設されている。図4には、着座シート10の幅方向中央において、縦方向に切断した縦断面図が示されている。着座シート10は、上方に窪んだ凹状に形成された底板10aの上に、ウレタン等で形成されたクッション部10bが載置され、クッション部10bの外面および底板10aが合成皮革製等のカバー10cで覆われて一体とされており、前部に運転乗者が着座し、後部にも搭乗者が着座可能なタンデム型シートとなっている。底板10aの前側は、図4および図13に示されるように、収納ボックス9の蓋の役目を果たす蓋部10dとなっており、後側は、燃料タンク30と該燃料タンク30に取り付けられた燃料供給装置40およびこれらの上を覆う収納ボックス9のカバー部9bを避けるようにさらに上方に深く窪んだ凹部10eとなっている。
【0037】
該着座シート10下面の前部と、収納ボックス9上面の前部とは、蝶番状に連結された連結部11となっており、着座シート10の後部を持ち上げて連結部11を中心として着座シート10を上方へ搖動すると収納ボックス9の上面が開いて収納ボックス9内に物品を収納することができる状態となり、また燃料タンク30の上面34に形成された燃料注入口37に螺合された燃料キャップ38を開けて、燃料タンク30内に燃料を注入することができるようになる。さらに着座シート10の後部を押し下げて連結部11を中心として下方に搖動させると、収納ボックス9および燃料タンク30の上面は着座シート10により覆われ、収納ボックス9は蓋部10dによって閉塞された状態となる。
【0038】
燃料タンク30は、図5に示されるように、鋼板がプレス加工されてそれぞれ椀状に形成た上半体31と下半体32からなり、上半体31と下半体32のそれぞれが、椀形状の底となる底板部31a,32aと、底板部31a,32aの周縁から立ち上がる側壁部31b、32bと、側壁部31b,32bの周縁を縁取るフランジ部31c,32cとに形成されている。上半体31のフランジ部31cと、下半体32のフランジ部32cが付き合わされ上半体31と下半体32とは溶接等で一体とされ、上半体31と下半体32は燃料タンク30の外壁30aとなり、燃料タンク30内部は燃料を貯留する燃料貯留部30bとなる。
【0039】
燃料タンク30の外壁30aのうち左前側縁側に寄った部分は、部分的に低くなった凹部33に形成されており、燃料タンク30の上面34は、該凹部33の底となる凹部上面部34aと、凹部上面部34a以外で該凹部上面部34aよりも高位である高位上面部34bとからなっている。凹部上面部34aの右縁、後縁および左後縁を取り囲むように傾斜して起立する縦壁部35が形成されており、該縦壁部35は、低位の凹部上面部34aから高位上面部34bに連なるように立ち上がっている。
【0040】
燃料タンク30の凹部上面部34aには、燃料供給装置40の一部が挿入される燃料供給装置挿入口36が形成されている。燃料供給装置挿入口36の周囲には、燃料供給装置40を固定するための一対の固定金具39が、凹部上面部34aに取り付けられている。該固定金具39は、燃料供給装置挿入口36を取り囲むように形成された板状部39aと、該板状部39aから直角に上方に向けてナット59が螺合されるネジ部39bとを備えている。
【0041】
さらに高位上面部34bには、燃料タンク30内に燃料を注入するための燃料注入口37が形成されており、燃料注入口37の下方に位置して、図13に示されるように、燃料タンク30に燃料タンク30内に注入される燃料を濾過するための筒状の濾過網30cが設けられている。燃料注入口37に燃料キャップ38が螺合されて、燃料タンク30は密閉されるようになっている。
【0042】
図13に示されるように、燃料タンク30には、凹部上面部34aに開口された燃料供給装置挿入口36から、燃料供給装置40が、その一部が燃料タンク30内に挿入され収容されるようになっており、燃料タンク30の外壁30aの凹部上面部34aに取り付けられるようになっている。
【0043】
燃料供給装置40を図6ないし図14に基づいて説明する。図6は、燃料供給装置40単体を示した斜視図である。燃料供給装置40は、内燃機関Eに燃料タンク30内の燃料を圧送して供給する燃料ポンプ部41と、燃料タンク30内の燃料の残量を計測する燃料レベルゲージ部54とを備えており、燃料ポンプ部41と燃料レベルゲージ部54とは接続部53とで連結されてユニットとなっている。
【0044】
燃料レベルゲージ部54は、図6に示されるように、燃料レベルゲージ本体55、燃料レベルゲージ本体55に回動自在に支持される図示されない回動軸、回動軸に基端が固定されるフロートアーム56、およびフロートアーム56の先端に固着されるフロート57を備えており、フロート57は燃料タンク30内の燃料のレベルに応じて上昇または下降され、フロート57の上下動に伴いフロートアーム56が揺動されて回動軸が回動され、図示されないセンサにより回動軸の回動量が電気的に検出されて、乗員に燃料タンク30内の燃料残量が表示されるようになっている。
【0045】
燃料ポンプ部41は、内部に燃料ポンプ42bが収納される略円柱形状の本体部42と、該本体部42の上部に円板状に形成され燃料タンク30の外壁30aに取り付けられるフランジ部43と、該フランジ部43の上面から隆起するように一体に形成された隆起部44とを具備している。図11に示されるように、燃料供給装置40が燃料タンク30に取り付けられた状態では、フランジ部43と隆起部44は、燃料タンク30の外部に位置する。
【0046】
図10に示されるように、本体部42は、殻体となるハウジング部42aを備え、ハウジング部42a内部には燃料ポンプ42bが収納され、ハウジング部42aの下部は、ストレーナ48と連通される流入通路42cが形成されている。燃料ポンプ42bの稼働時には、燃料タンク30内の燃料が、ストレーナ48から流入通路42cを通過して燃料ポンプ42bへ送られるようになっている。
【0047】
ハウジング部42a内の燃料ポンプ42bの上方には、燃料ポンプ42bから吐出された燃料が流れ込む吐出通路42dが形成されている。該吐出通路42dの上方には、吐出通路72dに連通したチェック弁室42eが形成されており、該チェック弁室42e内に燃料ポンプ42bから吐出された燃料の逆流を防ぐチェック弁49が収容されている。さらに、ハウジング部42aには、燃料の供給先としての燃料噴射弁23に送った余剰燃料を燃料タンク30内に戻すための戻り通路42fが形成されており、該戻り通路42fは燃料タンク30内と連通している。
【0048】
図9および図11に示されるように、本体部42の上部には、フランジ部43が一体に形成されている。該フランジ部43は、本体部42の外径よりも大径かつ、燃料タンク30の燃料供給装置挿入口36の内径よりも大径の円板状に形成されている。
【0049】
このフランジ部43を燃料タンク30の外壁30aに以下のように固定することで、燃料供給装置40は燃料タンク30に取り付けられる。まず、燃料供給装置40の燃料レベルゲージ部54および燃料ポンプ部41の本体部42を、燃料供給装置挿入口36より燃料タンク内に挿入して収容し、フランジ部43の面を燃料供給装置挿入口36の周囲の燃料タンク30の外壁30aに当接する。フランジ部43を押さえるための一対の押さえ金具58の挿通孔58aに、燃料供給装置挿入口36の周囲に固定された固定金具39のネジ部39bを挿通し、押え金具58によりフランジ部43を上方から押さえ、固定金具39のネジ部39bにナット59を螺合すると、フランジ部43が固定されて、燃料供給装置40は、燃料ポンプ42bが燃料タンク30の内部に収容された状態で、燃料タンク30の外壁30aに取り付けられる。
【0050】
フランジ部43の上方には、図6に示されるように、フランジ部43の上面から隆起した隆起部44が一体に形成されている。該隆起部44は、直方体が階段状に形成された段部44aと、該段部44aの上面のうち高い面である高面部44bからさらに盛り上がった円柱状の高位円柱状部44dと、段部44aの上面のうち低い面である低面部44cから盛り上がった円柱状の低位円柱状部44eとを具備するように形成されている。低位円柱状部44eの上面の高さは、高面部44bの高さと略等しくなっている。
【0051】
隆起部44には、燃料ポンプ41bから圧送された燃料を燃料供給装置40の外部に吐出するための吐出管45と、燃料の供給先である燃料噴射弁23からの余剰燃料を燃料供給装置40内に戻すための戻り管46と、燃料ポンプ部41や燃料レベルゲージ部54からの電線51が接続され、図示されないECUと接続された電線65の電線コネクタ64が挿入される電線コネクタ接続部47が設けられている。
【0052】
戻り管46は、隆起部44の高位円柱状部44dから段部44aの長手方向に直角になるよう延出して形成されている。吐出管45は、隆起部44の低位円柱状部44eから段部44aの長手方向に向けて延出するように形成されている。電線コネクタ接続部47は、吐出管45の延長方向の延長線上において、吐出管45と反対側に位置するよう段部44aに設けられている。
【0053】
吐出管45と戻り管46は、図7に示されるように、平面視で略直角になる方向に延出されており、吐出管45と戻り管46に接続される配管の取付け取り外しの作業性が良好なものとなっている。さらに、吐出管45の延出方向の延長線上に電線コネクタ接続部47が配置されているので、吐出管45と戻り管46に接続される配管と電線コネクタ64から延びる電線65との干渉が防ぐことができるようになっている。
【0054】
さらに図8に示されるように、吐出管45は、戻り管46よりも下方の位置から延出しており、吐出管45と戻り管46を同一高さにした場合に比べて、他方の管との干渉に影響されずに、それぞれの延出する方向を全周範囲で任意の角度に設定できて、配管の配置の自由度が高くなっている。また、電線コネクタ接続部47は、吐出管45と略同じ高さに設けられており、電線コネクタ接続部47に接続された状態における電線コネクタ64の高さを抑制して燃料供給装置40の小型化を図り、吐出管45および戻り管46との配管や電線コネクタ64との干渉を防止できるようになっている。
【0055】
図10および図11に示されるように、隆起部44の高位円柱状部43cおよび段部43aの内部には圧力調整弁収容孔44gが形成されている。該圧力調整弁収容孔44gに、燃料噴射弁23に送る燃料の圧力を調整するための円筒形状の圧力調整弁50が収容され、該圧力調整弁50は脱落しないように下方からハウジング部42aの壁により固定されている。
【0056】
圧力調整弁50は、図12に示されるように、圧力調整弁50に戻り燃料が流入する流入口50aと、本体部42内部へ流出する流出口50bが設けられている。圧力調整弁50は、円筒形状で下部に前記流出口50bが設けられた弁ケース50cと、弁ケース50cの上部を閉塞し前記流入口50aが形成されたシートバルブ50dと、弁体となるボール弁体50eと、ボール弁体50eをシートバルブ50dの流入口50aを塞ぐ方向に付勢するスプリング50fと、上面がボール弁体50eに当接されスプリング50fをガイドするスプリングガイド50gとからなっている。圧力調整弁50の流入口50aは、戻り管46と連通しており、流出口50bは本体部42のハウジング部42aに設けられた戻り通路42hと連通している。
【0057】
隆起部44の段部44aおよび低位円柱状部44e内には、図10に示されるように、チェック弁49の上方に位置して、チェック弁49の吐出側および吐出管45と連通する吐出通路44fが形成されており、燃料ポンプ42bから圧送される燃料は、吐出通路42d、チェック弁49、吐出通路44fの順に通過して、吐出管45に送られるようになっている。
【0058】
圧力調整弁50は、燃料タンク30の外側に位置するフランジ部43から隆起した隆起部44の高位円柱状部44d内に収容されており、戻り管46は、高位円柱状部44dの上方から重なって延出するように形成されているので、図7に示されるように、戻り管46と圧力調整弁50とが平面視で重なるように配置されている。このように配置したので、これらを離して配置した場合に比べて燃料供給装置40の外周方向の拡張を抑えて燃料供給装置40が大型化することを抑制でき、燃料供給装置40のレイアウトの自由化を促進することができる。
【0059】
また吐出管45は、図10に示されるように、隆起部44内に収容された圧力調整弁50の高さの範囲から延出されている。このような範囲内から吐出管45を延出させたので、圧力調整弁50を収容することで隆起した隆起部44の周辺の空きスペースを利用して、吐出管45を低い位置に配置でき省スペース化を図り、燃料供給装置40の高さが抑制される。
【0060】
圧力調整弁50は、図7に示されるように平面視において、フランジ部43および本体部42の略中央に位置して収容されており、図11に示されるように、戻り管46から戻された燃料が圧力調整弁50から放出される放出方向の延長線上に、燃料ポンプ部41の本体部42のハウジング部42aの一部が重なるように配置されている。このように配置されているので、戻り燃料が燃料タンク30内に溜まっている燃料に直接あたることを防止して燃料の泡立ちを抑えて、燃料ポンプ41bがエアの混入した燃料を吸い込むことを抑制することができる。
【0061】
図13に示されるように、燃料タンク30は、乗員が着座する着座シート10の下方に配置され、その上面34が部分的に低くなる凹部33を有しており、該凹部33に、燃料供給装置40の燃料ポンプ部41および燃料レベルゲージ部54を挿入し固定する燃料供給装置挿入口36が設けられ、燃料供給装置40は燃料タンク30に固定されている。さらに図14に示されるように、燃料タンク30の側面視で戻り管46が、燃料タンク30の上面34のうち、高位に位置する高位上面部34bよりも下方に位置するように配置されている。このように配設されているので、吐出管45および戻り管46の両方とも燃料タンク側面視で、燃料タンク30の上面34から飛び出すことを抑制して、上方に位置する着座シート10と吐出管45および戻り管46との干渉を防ぎ、燃料タンク30を利用して吐出管45および戻り管46の保護を図ることができるようになっている。
【0062】
図2および図9に示されるように、吐出管45には、燃料タンク30の外部に設けられた吐出外部配管としての燃料供給配管60が接続され、燃料供給装置40から吐出された燃料は燃料噴射弁23へと送られるようになっている。
【0063】
図9に示されるように、燃料供給配管60は、上流側燃料供給配管60aと下流側燃料供給配管60bとからなり、上流側燃料供給配管60aと下流側燃料供給配管60bとの間には、燃料フィルタ62と分岐管63が順次接続されている。この燃料フィルタ62は、燃料としてアルコールとガソリンの混合燃料を使用する内燃機関Eに用いられ、ストレーナ48で取り除くことができなかった燃料内の不純物を濾過するためのものである。
【0064】
燃料フィルタ62の下流側に、分岐管63の上流側の端部63aが接続されており、分岐管63の下流側の一側の端部63bは下流側燃料供給配管60bに接続され、分岐管63の下流側の他側の端部63cは、燃料戻り配管61の上流側に接続され、燃料戻り配管61の下流側は戻り管46に接続されている。
【0065】
燃料供給装置40、燃料供給配管60および燃料戻り配管61は、前記したように構成されているので、以下に説明するように、燃料タンク30内に貯留された燃料は燃料噴射弁23に送られ、また燃料噴射弁23へ送られた燃料のうち余剰燃料は、燃料タンク30内に戻される。
【0066】
燃料ポンプ42bが稼働されると、図10に示されるように、燃料タンク30内の燃料は、ストレーナ48を通過して、燃料供給装置40の燃料ポンプ部41の本体部42の下部の流入通路42cから燃料ポンプ42b内に吸入される。燃料ポンプ42bにより燃料は加圧され、本体部42内の吐出通路42dに吐出され、所定圧以上になると、チェック弁49が開弁され、燃料は隆起部44内の吐出通路44fに流出して吐出管45へと流れる。吐出管45から上流側燃料供給配管60aを通過し、燃料フィルタ62内に流入して燃料は濾過される。濾過された燃料は、分岐管63および下流側燃料供給配管60bを通過して、燃料噴射弁23に送られる。
【0067】
燃料噴射弁23は、内燃機関Eの燃焼状態に応じて燃料の噴射が実行・停止されるので、燃料噴射弁23の燃料噴射が停止されると、燃料噴射弁23および燃料供給配管60内の燃料の圧力が高くなり、それにともない、燃料供給配管60に分岐管63を介して接続された燃料戻り配管61および戻り管46内の燃料の圧力が高くなる。
【0068】
戻り管46内の圧力が所定圧以上になると、図12に示されるように、圧力調整弁50のボール弁体50eが押し下げられて、圧力調整弁50が開弁されて、戻り管46内の燃料は、図10に示された隆起部44の戻り通路44hおよび本体部42の戻り通路42fを通って、燃料タンク30内に戻され、燃料噴射弁23に所定圧以上の圧力がかかることがない。
【0069】
本実施の形態における燃料供給装置40および燃料供給装置40を搭載した自動二輪車1は、前記したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0070】
本実施形態の燃料供給装置40は、燃料タンク30の外部から燃料ポンプ42bを内部に収容するようにして、燃料タンク30の外壁30aに取り付けられ、燃料タンク30の外部に設けられた燃料供給配管60に接続されることで、燃料ポンプ42bから圧送された燃料を、燃料供給配管60に吐出する吐出管45と、燃料タンク30の外部に設けられた燃料戻り配管61に接続されることで、供給先の燃料噴射弁23の余剰燃料を、燃料タンク30の内部に戻す戻り管46を備え、燃料を燃料タンク30から供給先に供給するものである。さらに、燃料供給装置40は、燃料タンク30に取り付けられた状態で燃料タンク30の外部に位置し燃料タンク30の外壁30aに取り付けられるフランジ部43と、該フランジ部43から隆起した隆起部44と、該隆起部44の内部に収容される圧力調整弁50を備え、戻り管46は、平面視で隆起部44における、圧力調整弁50に重なる部位から延出するように形成されている。このように吐出管45と戻り管46を備えた燃料供給装置40において、戻り側の圧力調整弁50を燃料供給装置40に一体化する場合に、圧力調整弁50を燃料タンク30の外側に位置するフランジ部43から隆起した隆起部44内に収容し、この隆起部44の上方から重なるようにして延出するように形成したので、戻り管46と圧力調整弁50とが平面視で重なるように配置することができて、これらを離して配置した場合に比べて燃料供給装置40の外周方向の拡張を抑えて、燃料供給装置40の大型化を抑制でき、燃料供給装置40のレイアウトの自由化を促進することができる。
【0071】
さらに、吐出管45を隆起部44のうちの戻り管46よりも下方位置から延出させたので、これらを同一高さにした場合には他方の管との干渉によって影響されて、それぞれの管の延出方向の角度範囲が制限されるが、本実施例の場合では、吐出管45および戻り管46のそれぞれの延出する方向を全周範囲で任意の角度に設定することが可能となり、配管の配置自由度が向上する。
【0072】
本実施形態の燃料供給装置40では圧力調整弁50が円筒形状とされ、吐出管45を隆起部44における、圧力調整弁50の高さ範囲から延出させているので、圧力調整弁50を収容することで隆起した隆起部44周辺の空きスペースを利用して吐出管45を低い位置に配置することができて省スペース化を図ることができる。さらに燃料供給装置40全体の高さを抑制して着座シート10の高さが高くなることを防止し、車両の足着き性に影響を与えずに、圧力調整弁50を燃料供給装置40内に配置することができる。
【0073】
本実施形態の吐出管45は、平面視で戻り管46と直交する方向に延出されているので、吐出管45および戻り管46にそれぞれ接続される上流側燃料供給配管60aおよび燃料戻り配管61、あるいは吐出管45と上流側燃料供給配管60aとの接続部と、戻り管46と燃料戻り配管61との接続部とを離してお互いの干渉を防止しながら、メンテナンス時の配管の取り外し作業においては、これら吐出管45と戻り管46が直線上でそれぞれ反対方向に延出されて配管の抜き差し方向が対向する場合に比べて、同側方向から行うことが可能となり作業性が良好となる。
【0074】
本実施形態の燃料供給装置40では、電線コネクタ64と接続され電線コネクタ接続部47が、戻り管46の下方であって、吐出管45の延出方向の延長線上に配置されているので、接続された状態における電線コネクタ64の高さを抑制して燃料供給装置40の小型化を図りながら、吐出管45および戻り管46との配管あるいは電線コネクタ64との干渉を防止できる。
【0075】
本実施形態では、戻り管46から戻された燃料が圧力調整弁50から放出される放出方向の延長線上に、燃料ポンプ部41の本体部42のハウジング部42aの一部が重なるように配置しているので、圧力調整弁50から放出される戻り燃料が、燃料タンク30内に溜まっている燃料に直接あたることを防止して燃料の泡立ちを抑えて、燃料ポンプ42bがエアの混入した燃料を吸い込むことを抑制することができる。
【0076】
本実施形態では、燃料タンク30を乗員が着座する着座シート10の下方に配置し、燃料タンク30の上面34が部分的に低くなる凹部33を有し、この凹部33に、燃料供給装置40の燃料ポンプ部41および燃料レベルゲージ部54を挿入し固定する燃料供給装置挿入口36を設け、燃料タンク30の側面視で、戻り管46が、燃料タンク30の高位に位置する高位上面部34bよりも下方に位置するように配置しているので、吐出管45および戻り管46の両方とも燃料タンク30側面視で、燃料タンク30の上面34から飛び出すことを抑制して、上方に位置する着座シート10と吐出管45および戻り管46との干渉を防ぎ、吐出管45および戻り管46の保護を燃料タンク30を利用して図ることができる。
【0077】
本実施形態の自動二輪車1では、内燃機関Eと着座シート10を備え、着座シート10の下方に燃料タンク30を有し、燃料を供給先に供給する燃料供給装置40が、燃料タンク30の外部から燃料ポンプ部41を内部に収容するようにして、燃料タンク30の外壁30aに取り付けられており、燃料供給装置40は、燃料ポンプ42bから圧送された燃料を燃料供給配管60に吐出する吐出管45と、燃料噴射弁23からの余剰燃料を燃料タンク内に戻す燃料戻り配管61に接続される戻り管46を備え、燃料タンク30は、上面34の側縁側に寄せて部分的に低くなる凹部33を有し、この凹部33に燃料供給装置40の燃料ポンプ部41を挿入し、固定する燃料供給装置挿入口36が設けられるともに、凹部33の周辺で高位に位置する上面が側縁に向かって傾斜し、燃料供給装置40が燃料タンク30に取り付けられた状態で、燃料タンク30の外側に位置するフランジ部43から隆起した隆起部44の内部に収容される圧力調整弁50と、この隆起部44から吐出管45と戻り管46が上下にずらして設けられ、これらのうちの上方に配置される戻り管46が燃料タンク30の凹部33の周辺で起立する縦壁部35側に向けて配置される一方、下方に配置される吐出管45が燃料タンク30の側縁側に向けて配置されているので、凹部33周辺の燃料タンク30の上面34が側縁に向かって傾斜する燃料タンクの場合には、吐出管45および戻り管46とを燃料タンク30の上面34から飛び出さずにレイアウトできるので、燃料タンク30上方に位置する着座シート10側への膨出を抑制して、着座シートの高さが高くなることを抑制し、車両の足着き性に影響を与えずに、燃料供給装置を小型化することができる。
【符号の説明】
【0078】
1…自動二輪車、10…着座シート、30…燃料タンク、30a…外壁、33…凹部、34…上面、35…縦壁部、36…燃料供給装置挿入、40…燃料供給装置、42本体部、42a…ハウジング部、42…燃料ポンプ、43…フランジ部、44…隆起部、45…吐出管、46…戻り管、47…電線コネクタ接続部50…圧力調整弁、60…燃料供給配管、61…燃料戻り配管、64…電線コネクタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14