【実施例】
【0014】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板等の透視保護体(図示せず)を備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16の操作により打球発射装置が作動することで、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、実施例では、図柄表示装置18として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置、7セグメントディスプレイ、その他の各種図柄を停止および変動表示可能な表示装置を採用し得る。また、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また上下の球受け皿の一方を省略して1つの球受け皿のみ設ける構成であってもよい。
【0015】
(遊技盤20について)
遊技盤20は、
図2に示すように、所定板厚の略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材で形成された透明板であって、該遊技盤20の表面に、略円弧状に湾曲した外レール21、内レール22および盤面飾り部材23が設けられて、これら外レール21、内レール22および盤面飾り部材23によりパチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成され、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域20a内に打ち出されるようになっている。また遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が遊技領域20a内に複数開設されて、各装着口に対して各種部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口24が開設されている。また、遊技盤20には、遊技領域20a内に多数の遊技釘25が植設されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘25に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させたり、パチンコ球を一定方向に誘導するようになっている。なお、装着口の形成数や大きさは、遊技盤20に対して取り付けられる各種部品の個数や配設位置等に応じて適宜決定される。
【0016】
図2に示すように、遊技盤20における遊技領域20aの略中央に、前後に開口する演出開口26aが形成された枠状装飾体26が取り付けられており、該枠状装飾体26の演出開口26aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。枠状装飾体26は、装着口に沿って延在する環状に形成されると共に、上縁部から左右両側縁部に亘り、遊技盤20の前面より前方に突出する庇状部27が連続的に設けられており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を庇状部27に沿って枠状装飾体26の左右側部へ案内することで、該パチンコ球が演出開口26aを横切って流下するのを規制している。なお、枠状装飾体26には、演出開口26aの開口下縁側にステージ28が配設されると共に、該演出開口26aの左側部に、遊技領域20aに開口して該遊技領域20aを流下するパチンコ球を取込んでステージ28に案内する球導入部28aが設けられている。
【0017】
また、
図2に示すように、遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞装置29、第2始動入賞装置30、特別入賞装置31および普通入賞具32が取り付けられている。第1始動入賞装置29は、枠状装飾体26の下方に配設され、第2始動入賞装置30は、遊技領域20a内の右下方に配設された装飾部材33の後側に配設され、特別入賞装置31は、遊技領域20の下方において第1始動入賞装置29の右方に配設されている。また、普通入賞具32は、遊技領域20の下方において第1始動入賞装置29の左方に配設されている。
【0018】
遊技盤20の遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が第1始動入賞装置29の入賞口または第2始動入賞装置30の始動入賞口に入賞したことを該始動入賞装置29,30に配設された球検出スイッチが検出すると、当該パチンコ機10を総合的に制御するメイン制御基板(図示せず)に対して該球検出スイッチから検出信号が入力される。これに基づいてメイン制御基板は、大当り抽選を行なうと共に、当該大当り抽選の結果に基づいてサブ制御基板に制御信号を出力して、図柄表示装置18の表示部において図柄変動演出を行なわせるようになっている。そして、図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、表示部に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると、所謂大当りが発生して特別入賞装置31が開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられるようになっている。
【0019】
また、パチンコ機Pには、後述する可動演出装置50や、その方の演出装置および照明手段等を、図柄表示装置18の表示部での遊技内容に合わせて総合的に作動制御するサブ制御基板(図示せず)を備えており、メイン制御基板から、大当り抽選の結果に基づいた制御信号が該サブ制御基板に出力される。サブ制御基板は、メイン制御基板からの制御信号に基づき、後述する可動演出装置50や、その方の演出装置および照明手段等を、図柄表示装置18の表示部での遊技内容に合わせて総合的に作動制御するよう構成されている。
【0020】
(設置部材35について)
また、遊技盤20の裏面には、図柄表示装置18が後側に取り付けられる設置部材35(
図4参照)が設けられている。設置部材35は、略矩形状に形成されて遊技盤20に対向する対向壁部36と、該対向壁部36の外周縁部から前方へ延出する外周壁部37とにより、前方へ開口する箱状に形成されて、外周壁部37の前端部を遊技盤20の後側に当接させた状態で固定されている。そして、設置部材35には、対向壁部36の後側に図柄表示装置18が着脱可能に取り付けられると共に、該対向壁部36における枠状装飾体26の演出開口26aと前後に並んだ位置に、前後に開口する表示開口38(
図4参照)が開設されており、該設置部材35の表示開口38に臨ませた図柄表示装置18の表示部18aが、枠状装飾体26の演出開口26aを介して遊技盤20の前側から視認し得るようになっている。また、設置部材35における対向壁部36の前面側(すなわち、遊技盤20と設置部材35により画成される設置空間39内)には、表示開口38を囲繞するように各種の装飾部材や発光装置、後述する可動演出装置50が配設されており、遊技盤20の盤面を透視して前面から視認し得るよう構成されている。すなわち、設置部材35は、図柄表示装置18や可動演出装置50等のパチンコ機10の遊技演出に関わる各種演出装置の設置手段として機能している。また、対向壁部36における表示開口38の左側部位には、前方に突出する固定ボス(図示せず)が複数形成されており、該固定ボスに可動演出装置50の装置本体51(後述)を固定するようになっている。
【0021】
(可動演出装置50について)
次に、実施例に係るパチンコ機10の可動演出装置50につき、図面を引用して説明する。なお、可動演出装置50の説明においては、特に指示がなければ、当該可動演出装置50を設置部材35の対向壁部36に取り付けた状態(
図4参照)で、前後、左右および上下を指称する。
【0022】
実施例の可動演出装置50は、
図4、
図5、
図8および
図9に示すように、設置部材35に取り付けられる装置本体51と、該装置本体51に対して初期位置および最終位置の間を往復移動可能に配設された可動体52とを備えている。可動演出装置50は、装置本体51が、設置部材35の設置部材35の対向壁部36における表示開口38の左側部に、該装置本体51の長手が上下方向となる縦向きに固定されると共に、可動体52は該装置本体51から右方(表示開口38の前方)に向けて延出するように配設されている。そして、可動体52は、装置本体51に対して、初期位置および該初期位置から下方に離間した最終位置の間を上下方向に往復移動するよう構成されている。すなわち、実施例の可動演出装置50は、可動体52が自重により初期位置側から最終位置側に向けて常に付勢されていることで、可動体52を、モータ等の駆動力を付加することなく初期位置から最終位置まで移動可能に構成されている。また、可動演出装置50は、後述する切替機構120により可動体52を初期位置に保持するよう構成されると共に、後述する規制機構130により可動体52を初期位置および最終位置の間に設定された中途位置において停止させ得るよう構成されている。更に、可動演出装置50は、後述する移動機構(第1移動手段)150により、最終位置まで移動した可動体52を最終位置から初期位置まで移動するよう構成されている。
【0023】
(装置本体51について)
装置本体51は、
図5、
図15および
図18に示すように、第1ベース部材55と、該第1ベース部材55の前側に組み付けられる第2ベース部材65とを備えている。第1ベース部材55は、上下方向が長手となる縦長の部材であり、可動体52を上下方向への移動を可能に支持するガイドバー80,80と、可動体52を最終位置から初期位置まで移動する移動機構150とが配設されるよう構成されている。第1ベース部材55は、縦長の第1ベース部56と、縦長で第1ベース部56の左側に連なる第2ベース部57と、第1ベース部56の上縁および第2ベース部57の左縁から前方へ延出した支持片の前縁に設けられ、第1ベース部56よりも前方に位置する第3ベース部58とを備えている。第1ベース部56の前側にはガイドバー80,80が配設され、該第1ベース部56の後側下部に、移動機構150における第2作動モータ(作動手段)154および複数のギア185,186等が配設される。一方、第2ベース部57の前側に、移動機構150における移動体ベース151が配設される。また、第3ベース部58の前側に、第2ベース部材65が組み付けられる。更に、第1ベース部56の後側において移動機構150から外れた上側に、装飾部材62を固定する取付部材61が取り付けられるようになっており、該取付部材61の右端に固定された装飾部材62は、第1ベース部56の右縁に沿って取り付けられ、設置部材35の表示開口38の左縁に位置する(
図4参照)。なお、第1ベース部材55は、可動演出装置50の各構成部材の重量を支持するのに充分な剛性を確保するため、実施例では、金属製のプレートを折り曲げ成形した一体成形部材となっている。但し、第1ベース部材55は合成樹脂製であってもよい。
【0024】
図14および
図17に示すように、第1ベース部56の上縁から前方へ延出した支持片は、ガイドバー80,80の上部を支持する上ガイドバー支持片59となっている。上ガイドバー支持片59には、上下に貫通する支持孔が左右に離間して複数(実施例では2つ)形成されており、各ガイドバー80,80の上支持部80aが各支持孔に挿通されると共に係止されることで、各ガイドバー80,80の上部が上ガイドバー支持片59に支持されるようになっている。また、第1ベース部56の下部において上ガイドバー80の真下となる位置に、ガイドバー80,80の下部を支持する下ガイドバー支持片60が、前方へ延出して設けられている。下ガイドバー支持片60には、上下に貫通する支持孔が左右に離間して複数(実施例では2つ)形成されており、各ガイドバー80,80の下支持部80bが各支持孔に挿通されると共に係止されることで、各ガイドバー80,80の下部が下ガイドバー支持片60に支持されるようになっている。そして、上ガイドバー支持片59および下ガイドバー支持片60に上部および下部が夫々支持された各ガイドバー80,80は、上下方向に垂直に延在すると共に左右平行となっている(
図4、
図5参照)。
【0025】
(ガイドバー80について)
図6、
図14および
図17に示すように、ガイドバー80,80は、長尺かつ直線に形成された丸棒状部材であり、上端には上ガイドバー支持片59の支持孔に挿通される上支持部80aが形成されていると共に、下端には下ガイドバー支持片60の支持孔に挿通される下支持部80bが形成されている。なお、各支持部80a,80bは、ガイドバー80,80の摺動部分よりも小径に形成されると共に、上支持部80aには、ガイドバー支持片59,60からガイドバー80,80が外れるのを防止する脱落防止部材(Eリング等)が係止されるようになっている。
【0026】
第2ベース部材65は、
図15および
図18に示すように、縦長の第4ベース部66と、該第4ベース部66の右縁上部から右方へ延出した第5ベース部67と、該第4ベース部66の右縁下部から右方へ延出した第6ベース部68とを備えている。第2ベース部材65は、第1ベース部材55の第3ベース部58に組み付けた状態で、第4ベース部66が第2ベース部57の前側に位置し、第5ベース部67が第1ベース部56の上部前側(ガイドバー80,80の上側)に位置すると共に、第6ベース部68が第1ベース部56の下部前側(ガイドバー80,80の下側)に位置するようになっている(
図5参照)。第2ベース部材65は、第4ベース部66の後面および外縁、第5ベース部67の後面および外縁、第6ベース部68の後面および外縁に、上下方向へ延在すると共に後方へ延出するリブや、左右方向へ延在すると共に後方へ延出するリブが複数設けられており(
図18参照)、当該第2ベース部材65の捻れ変形や撓み変形が発現し難く構成されている。そして、第4ベース部66の後側上部に、切替機構120を配設するための切替機構配設部69が設けられると共に、該第4ベース部66の前側下部に、規制機構130を配設するための規制機構配設部70が設けられている。第5ベース部67に、可動体52の初期位置を検出する第1位置検出センサ82を設置するセンサ設置部71が設けられている。また、第6ベース部68の上面に、可動体52に配設されたダンパ部材115の当接ヘッド118が当接可能な第2当接部72が設けられている。なお、第2当接部72には、ダンパ部材115の当接ヘッド118が当接する部分に緩衝材72aが設けられている。ここで、緩衝材72aは、ゴムやウレタン等の適宜弾力性を有する素材から形成された板状部材であり、当接ヘッド118が当接した際の衝撃を吸収し得ると共に衝突による異音の発生を防止し得るようになっている。
【0027】
図4,
図15および
図18に示すように、第2ベース部材65の前側に第1カバー部材75が配設されると共に、該第1カバー部材75の前側に第2カバー部材76が配設されている。第1カバー部材75は、第2ベース部材65の規制機構配設部70に配設された規制機構130を前側から覆蓋すると共に、切替機構120における第1作動モータ(切替手段)121および第1位置検出センサ82等からの配線を保持する配線保持片75aが設けられると共に、該配線が接続される中継基板77が配設されている(
図4参照)。第2カバー部材76は、第1カバー部材75との間に、上下方向へ延在すると共に右方へ開口する空間78を画成した状態で該第1カバー部材75に組み付けられ、可動体52に配設された配線保持部材102の一部が、該空間78内に収容された状態で移動するようになっている(
図4参照)。
【0028】
(可動体52について)
可動体52は、
図5〜
図7、
図16および
図19に示すように、照明基板92や装飾部材96,97,98,99が取り付けられる可動体ベース85と、該可動体ベース85が取り付けられると共に、ガイドバー80,80に摺動可能に支持されるスライド体86とを備えている。また、可動体ベース85の後面に補強部材87が配設され、該可動体ベース85が該補強部材87により補強されている。このような可動体52は、上下方向に延在する一対のガイドバー80,80に沿ってスライド体86が摺動することで、初期位置(
図1、
図5〜
図7参照)および該初期位置より下方に位置する最終位置(
図3(b)、9参照)の間を上下方向に昇降移動可能となっている。
【0029】
可動体ベース85は、
図4、
図16および
図19に示すように、スライド体86が取り付けられる固定部90と、該固定部90から右方へ延出する基板取付部91とを備えている。固定部90は、略矩形状に形成され、スライド体86の第1スライド部材110の前側にネジ固定される。基板取付部91は、固定部90の右縁から右方へ延出する直線部と、該直線部の右側に連なる円形部とからなる。そして、可動体ベース85は、固定部の外縁および基板取付部91の外縁に沿ってリブが形成されており、捻れ変形および撓み変形が発現し難く構成されている。
【0030】
照明基板92は、
図16および
図19に示すように、可動体ベース85の基板取付部91における直線部および円形部の輪郭形状に略合致する外径形状に形成され、複数の第1LED93および第2LED94が該基板92の前面に実装され、各LED93,94が発光することで前方に向けて光が照射されるよう構成されている。ここで、第1LED93は、照明基板92の前面略全域に亘って散在的に実装されており(
図16参照)、該照明基板92の前側に配設される第1装飾部材96の全体および第3装飾部材98の第1発光領域98a(
図5参照)を照明するようになっている。また、第2LED94は、照明基板92の円形部の外縁に沿って所要間隔毎に円形となるよう実装されており(
図16参照)、第3装飾部材98における第1発光領域98aの外側に位置する第2発光領域98b(
図5参照)を照明するようになっている。そして、各第1LED93と各第2LED94とは、可動演出装置50を制御する統括制御基板(図示せず)により発光制御され、同時に発光したり別々に発光するようになっている。なお、第1LED93および第2LED94は、様々な色に発光可能なフルカラータイプや、所定の色のみに発光可能な単色タイプが選択採用される。
【0031】
そして、
図16および
図19に示すように、照明基板92における円形部の前側に、配光調整部材95が配設されている。配光調整部材95は、第3装飾部材98の第1発光領域98a(
図5参照)の輪郭形状に合致する輪郭形状に形成され、照明基板92の円形部に実装された各第1LED93に対応する位置に開口95aが形成されると共に、該配光調整部材95の外縁には前方へ延出する区画壁95bが形成されている。この区画壁95bは、各第1LED93からの光が、第3装飾部材98の第1発光領域98aだけを照射可能とすると共に第2発光領域98bを照射不能とすると共に、各第2LED94からの光が、第3装飾部材98の第2発光領域98bだけを照射可能とすると共に第1発光領域98aを照射不能とするものである。
【0032】
可動体52には、
図5、
図6、
図16および
図19に示すように、複数(実施例では4個)の装飾部材96,97,98,99が配設されている。第1装飾部材96および第2装飾部材97は、可動体ベース85の直線部の前側に取り付けられ、第1装飾部材96は透明または半透明で透光性を有すると共に、第2装飾部材97は第1装飾部材96より小型に意匠形状に形成されると共にメッキ処理等により透光性を有しておらず、該第2装飾部材97は該第1装飾部材96の前面に配設される。従って、照明基板92において第1装飾部材97の後側に位置する第1LED93が発光制御された際には、該第1装飾部材96における第2装飾部材97が重なっていない部分が明るく見えるようになる。
【0033】
一方、
図5、
図6、
図16および
図19に示すように、第3装飾部材98および第4装飾部材99は、可動体ベース85の円形部の前側に取り付けられ、第3装飾部材98が透明または半透明で透光性を有すると共に、第4装飾部材99は、第4装飾部材99の一部を覆うように形成されると共にメッキ処理等により透光性を有しておらず、該第4装飾部材99は該第3装飾部材98の前面に配設される。そして、第3装飾部材98は、前述したように、中央側に位置する第1発光領域98aと、該第1発光領域98aの外側において外周部に位置する第2発光領域98bとを備えている。従って、照明基板92の円形部に実装された第1LED93が発光制御された際には第1発光領域98aだけが明るくなり、第2LED94が発光制御された際には第2発光領域98bだけが明るくなるようになっている。なお、第3装飾部材98の第1発光領域98aには、裏面に光拡散処理が施された光拡散部材100が配設されている。第1〜第4の装飾部材96,97,98,99は、前述した補強部材87および照明基板92と共に可動体ベース85にネジにより取り付けられる。
【0034】
図5、
図6、
図16および
図19に示すように、固定部90の前側に、照明基板92に接続される配線(図示せず)を保持する配線保持部材102および配線カバー部材103が、ネジにより取り付けられている。配線保持部材102および配線カバー部材103は、正面視においてクランク形状に形成されており、固定部90に取り付けた状態において、該固定部90の左方へ延出すると共に、該延出した部分が更に下方に向いた状態となり(
図5参照)、配線を下方に向けて延出させ得るようになっている。また、配線保持部材102の上部には、固定部90から上方へ延出した第1検出片104が形成され(
図8参照)、可動体52が初期位置において、該第1検出片104が前述した第1位置検出センサ82に検出され得るよう構成されている(
図5、
図11参照)。
【0035】
(スライド体86について)
スライド体86は、
図16および
図19に示すように、第1スライド部材110と、該第1スライド部材110の後側に組み付けられる第2スライド部材111とを備えている。スライド体86は、第1スライド部材110および第2スライド部材111を組み付けることで、上下方向に延在すると共に上下に開口して前述したガイドバー80が挿通する挿通孔112が、左右に並んで2つ形成されている。すなわち、各挿通孔112,112の内面が、当該挿通孔112,112に挿通されたガイドバー80,80の外周面に接触することで、スライド体86が両ガイドバー80,80に支持されると共に、各挿通孔112,112の内面がガイドバー80,80の外面に摺接することで、スライド体86が両ガイドバー80,80に沿って往復移動するように構成されている。また、スライド体86の内部に、後述するダンパ部材115を設置するダンパ設置部113が形成されている。ダンパ設置部113は、ダンパ部材115のシリンダ116を収容した状態で保持するよう構成されると共に、ダンパ設置部113の下部に、ダンパ部材115のロッド117が挿通される挿通孔114が形成されている(
図19参照)。
【0036】
(ダンパ部材115について)
図16および
図19に示すように、緩衝手段としてのダンパ部材115は、シリンダ116と、該シリンダ116の端面から延出して進退するロッド117と、該ロッド117の突出端部に設けられた当接ヘッド118とを備えた伸縮タイプのダンパである。ダンパ部材115は、シリンダ116の内部にガスを充填したガスタイプまたはオイルを充填したオイルタイプが採用可能であり、実施例ではガスタイプが採用されている。また、当接ヘッド118は、硬質ゴムまたは硬質ウレタン等の合成樹脂製の円柱状部材である。ダンパ部材115は、可動体52に設けられたダンパ設置部113に、ロッド117および当接ヘッド118が該ダンパ設置部113の下部開口から可動体52の下方へ突出した状態で固定されている。
【0037】
そして、ダンパ部材115の当接ヘッド118は、可動体52の下方への移動時に規制部材(規制手段)131が規制位置にある場合に、該規制部材131に設けられた第1当接部137に当接するようになり(
図4、
図8、
図12(a)参照)、該可動体52の下方への移動時に規制部材131が規制解除位置にある場合に、装置本体51に設けられた前述の第2当接部72に当接するよう構成されている(
図9、
図12(b)参照)。すなわち、可動体52が下方へ移動した際にダンパ部材115の当接ヘッド118が第2当接部72に当接することで、該可動体52を当該ダンパ部材115の緩衝作用下で最終位置に停止させる一方、可動体52が下方へ移動した際にダンパ部材115の当接ヘッド118が規制部材131の第1当接部137に当接することで、該可動体52を当該ダンパ部材115の緩衝作用下で中途位置に停止させるよう構成される。なお、中途位置および最終位置は、可動体52の自重によりダンパ部材115のロッド117がシリンダ116内へ適宜後退して該可動体52が完全に停止した位置を指称する。
【0038】
(可動係止部109について)
図11、
図13、
図16および
図19に示すように、スライド体86の第1スライド部材110に、該第1スライド部材110の左端上部から左方へ延出した可動係止部109が設けられている。この可動係止部109には、後述する切替機構120における保持部材(保持手段)122が係脱可能に係止すると共に(
図11参照)、後述する移動機構150における第2移動体(移動体)153に設けられた第1移動係止部175が係脱可能に係止するよう構成されている(
図13(b)参照)。すなわち、可動体52がガイドバー80,80の上端近傍まで上方へ移動して、切替機構120の保持部材122が可動係止部109に係止した状態(
図11(a))が、該可動体52の初期位置に設定されている。また、可動体52がガイドバー80,80の下端近傍の最終位置まで移動している際に、第2移動体153に設けられた第1移動係止部175が下方から係止し、可動係止部109に第1移動係止部175が係止状態で該第2移動体153が後述するように上方へ移動することで、該可動体52が最終位置から初期位置以上の高さまで移動することが可能に構成されている。
【0039】
(接触部108について)
可動体52は、
図13に示すように、可動体ベース85における固定部90の左端面およびスライド体86における第1スライド部材110の左端面により、左方を指向した接触部108が形成されている。この接触部108は、可動体52が最終位置から中途位置までの間にあるときに、後述する規制部材131の右端部と対向して、該右端部に設けられた当接片136が当接すると共に摺接が可能となっている。すなわち、可動体52は、最終位置にある場合、該最終位置と中途位置との間にある場合には、規制部材131が、規制位置へ切り替わるのを規制するよう構成されている。
【0040】
(切替機構120について)
切替機構120は、
図6、
図7、
図11、
図15および
図18に示すように、切替手段としての第1作動モータ121と、該第1作動モータ121に連係されて、該第1作動モータ121の作動下に、可動体52を初期位置に保持する保持状態および該可動体52の最終位置側への移動を許容する保持解除状態に切り替え可能な保持手段としての保持部材122とを備えている。保持部材122は、外周にギアを設けた円形部材である。また、切替機構120は、第1作動モータ121の駆動軸に固定された駆動ギア123に噛み合う第1中間ギア124と、該第1中間ギア124に噛み合うと共に保持部材122に噛み合う第2中間ギア125とを備えている。このような切替機構120は、装置本体51の第2ベース部材65に設けられた前述の切替機構配設部69に対し、第1作動モータ121がネジ固定され、保持部材122、第1中間ギア124および第2中間ギア125が、支持軸を介して回転自在に配設されている。従って、第1作動モータ121の正逆駆動に伴って、第1中間ギア124および第2中間ギア125が回転することで、保持部材122が正逆回転するようになっている。
【0041】
図10(a)に示すように、保持部材122は、可動体52に設けられた可動係止部109よりも前側に配設されており、該保持部材122の後端面に、可動係止部109に係脱可能に係止する係止ピン126を備えている。係止ピン126は、保持部材122の側端面において、当該保持部材122の回転中心から径方向へ離間した位置(実施例では側端面の外周縁近く)において後方へ突出しており、可動体52の可動係止部109の移動領域に臨むようになっている。すなわち、保持部材122は、第1作動モータ121の正逆駆動に基づいて、係止ピン126が可動体52の可動係止部109の移動領域内に位置する保持位置(
図11(a)参照)と、係止ピン126が可動体52の可動係止部109の移動領域から外れた保持解除位置(
図11(b)参照)との間を往復回転するようになる。そして、保持部材122の係止ピン126が保持位置となって可動体52の可動係止部109の下方に係止することで、該可動体52が初期位置に保持される一方、係止ピン126が保持解除位置となって可動係止部109との係止が解除されると、可動体52が初期位置から下方へ移動することが許容される。
【0042】
(規制機構130について)
規制機構130は、
図5〜
図9および
図12に示すように、初期位置および最終位置の間の中途位置まで下方へ移動した可動体52に係止して該可動体52の該最終位置への移動を規制する規制状態、および可動体52の移動領域から退避して該可動体52の最終位置への移動を許容する規制解除状態に切り替え可能な規制手段としての規制部材131と、該規制部材131を規制状態および規制解除状態に移動させるスライド部材132とを備えている。また、規制機構130は、規制部材131とスライド部材132とを連係するリンク部材133を備えている。
【0043】
(規制部材131について)
規制部材131は、
図6、
図15および
図18に示すように、左右方向に長い矩形ブロック状に形成されている。規制部材131は、規制機構配設部70における第1凹部70aに収容した状態で配設され、該第1凹部70a内に全体が収容された規制解除位置(
図9、
図12参照)と、該第1凹部70aの右側開口から右方へ延出した規制位置(
図5、
図8参照)との間を、往復移動可能となっている。実施例では、規制部材131が左右方向へ往復移動することで、規制解除位置および規制位置の間を往復移動可能となっている。規制部材131には、リンク部材133の第2連係部145が嵌合する連結孔134が形成されている。連結孔134は、規制部材131の前面における左右方向の略中央において、前方に開口すると共に前後方向へ延在している。また、規制部材131の前面に、該前面よりも前方へ突出して該規制部材131の長手方向へ延在する突片135が設けられている。突片135は、規制部材131の前面における上縁部および下縁部に夫々1つずつ設けられており、第2ベース部材65に取り付けられた第1カバー部材75の裏面に接触するようになっている。なお、各突片135は、短手方向での断面が半円形状になっており、第1カバー部材75に対して線状に接触するよう構成されており、該第1カバー部材75との間の摩擦を低減するよう構成されている。
【0044】
また、
図6および
図13に示すように、規制部材131の右端面に、該右端面よりも右方へ突出して、可動体52の移動方向(左右方向)へ細長に延在する当接片136が設けられている。当接片136は、規制部材131の右端面における前縁部に設けられており、可動体52に設けられた前述の接触部108に左方から接触するようになっている。ここで、当接片136は、可動体52の移動方向へ細長に形成されていることで、上下方向に移動する可動体52の接触部108との間に発生する摩擦が低減されるよう構成されている。
【0045】
(スライド部材132について)
スライド部材132は、
図5〜
図7、
図10、
図13、
図15および
図18に示すように、上下方向に長い棒状に形成されている。スライド部材132は、規制機構配設部70における第1凹部70aの下側に設けられた第2凹部70bに収容した状態で配設され、該第2凹部70b内を上下方向へ往復移動可能となっている。スライド部材132は、長手方向の中央部に、前後へ貫通する第1ガイド孔138が形成され、長手方向の下部に、前後に貫通する第2ガイド孔139が形成されている。第1ガイド孔138は、上下方向が長手となる長孔であり、第2凹部70bに突設された第1突部70cが後方から係合するようになっている。第2ガイド孔139は、第1ガイド孔138と同様に上下方向が長手となる長孔であり、第2凹部70bに突設された第2突部70dが後方から係合するようになっている。すなわち、スライド部材132は、第1ガイド孔138に係合した第1突部70cおよび第2ガイド孔139に係合した第2突部70dに支持された状態で、第2凹部70b内を上下方向へ往復移動するよう構成されている。
【0046】
図5〜
図7および
図10に示すように、スライド部材132には、リンク部材133の第1連係部144が嵌合する連結孔140が形成されている。連結孔140は、スライド部材132の前面における上部において、前方に開口すると共に前後方向へ延在している。また、スライド部材132には、第1ガイド孔138および第2ガイド孔139の間に、第2移動手段としてのコイルバネ148の一端が掛止される掛止片141が設けられている。
【0047】
また、
図5、
図6および
図12に示すように、スライド部材132には、移動機構150における第2移動体153に設けられた第2移動係止部176が係脱可能に係止するスライド係止部142が設けられている。スライド係止部142は、スライド部材132の右端部における上下略中央において右方へ突出して形成されており、第2移動体153の第2移動係止部176が上方から係脱可能に係止するようになっている。従って、第2移動体153が下方へ移動する際に、第2移動係止部176がスライド係止部142に上方から係止することで、スライド部材132は、コイルバネ148の付勢に抗して下方へスライド移動するようになっている。
【0048】
(リンク部材133について)
リンク部材133は、
図5、
図6、
図12、
図15および
図18に示すように、規制機構配設部70に立設される支持ピン146に回転自在に支持され、第1連係部144および第2連係部145を備えている。リンク部材133は、回転中心から径方向へ延出する第1アーム部133aと、第1アーム部133aと異なる径方向へ延出する第2アーム部133bとを備え、第1アーム部133aの先端部後側に第1連係部144が設けられ、第2アーム部133bの先端部後側に第2連係部145が設けられている。実施例では、第1アーム部133aと第2アーム部133bとは、リンク部材133の回転方向において約80°の角度差でV字状に延出している。このようなリンク部材133は、第1凹部70aの下方でかつ第2凹部70bの右方に配設された支持ピン146により回転自在に支持され、第1アーム部133aが回転中心から上方へ延出して第1連係部144が規制部材131の連結孔134に嵌合すると共に、第2連係部145がスライド部材132の連結孔140に嵌合した状態で、往復回転するようになっている。従って、スライド部材132が上方へ移動すると、リンク部材133が正面視において右回転することで規制部材131が右方へ移動して規制位置となり、スライド部材132が下方へ移動すると、リンク部材133が正面視において左回転することで規制部材131が左方へ移動して規制解除位置となる。
【0049】
(コイルバネ148について)
図10および
図12に示すように、第2ベース部材65とスライド部材132との間に、作動手段としてのコイルバネ148が配設されている。コイルバネ148は、基準長から伸張変形することで付勢力が発現する引張りタイプであり、第2凹部70bに突設された第1突部70cに一端が掛止されると共に、スライド部材132の掛止片141に他端が掛止されている。コイルバネ148は、伸張変形していない基準長よりも常に伸張してテンションが掛かった状態で配設されており、これによりスライド部材132は何れの位置にあっても常に上方へ付勢されている。従って、規制機構130は、移動機構150における第2移動体153の第2移動係止部176がスライド係止部142に係止していない状態(係止解除時)において、コイルバネ148の付勢によりスライド部材132が上方へ移動することで、規制部材131が第1凹部70aから可動体52の移動領域へ延出した規制位置に保持されるよう構成されている(
図5、
図8、
図12(a)参照)。そして、後述するように、移動機構150における第2移動体153の第2移動係止部176がスライド係止部142に上方から係止して、スライド部材132が下方へ移動することで、規制部材131が規制位置から規制解除位置へ移動するようになる(
図12(b))。
【0050】
(移動機構150について)
移動機構150は、
図11(a)および
図13(b)に示すように、可動体52に係脱可能に設けられ、該可動体52を最終位置から初期位置へ移動させ得るよう構成されている。また、移動機構150は、
図12(b)に示すように、規制機構130に係脱可能に設けられ、該規制機構130を規制状態および規制解除状態に切り替え可能に構成されている。移動機構150は、
図10、
図14および
図17に示すように、装置本体51の第1ベース部材55における第2ベース部57に固定される移動体ベース151と、第1移動体ベース151に対して昇降移動可能に配設される第1移動体152と、第1移動体152に対して昇降移動可能に配設される第2移動体153と、第1移動体152および第2移動体153を昇降移動させる作動手段としての第2作動モータ154とを備えている。実施例の移動機構150は、第2作動モータ154の作動により第1移動体152を昇降移動させ、該第1移動体152の昇降移動に連動して第2移動体153が昇降移動するよう構成されている。
【0051】
(移動体ベース151について)
移動体ベース151は、
図10、
図14および
図17に示すように、長尺の板状部材であり、長手が上下方向に向いた姿勢で第1ベース部材55の第2ベース部57の前側にネジにより固定される。移動体ベース151は、前面における上下方向の中間部に、該移動体ベース151に第1移動体152を往復移動可能に支持する第1スライドレール168を固定するレール固定部156が設けられている。また、移動体ベース151におけるレール固定部90の左側に、上下方向に延在する第1ラックギア157が設けられている。第1ラックギア157には、第1移動体152に配設された後述のピニオンギア163が噛み合うようになっており、第1移動体152の昇降移動に伴って該第1移動体152に配設されたピニオンギア163が、該第1ラックギア157に噛み合いながら回転するよう構成されている。また、移動体ベース151におけるレール固定部156の上側に支持部材73が配設されており、第1可動体52から上方へ延出した第2可動体52を該支持部材73で支持可能に構成されている。
【0052】
(第1移動体152について)
第1移動体152は、
図10、
図14および
図17に示すように、長尺の板状部材であり、長手が上下方向に向いた姿勢で第1スライドレール168を介して移動体ベース151の前側に配設される。第1移動体152は、後面における上下方向の中間部に、第1スライドレール168を固定する後レール固定部160が設けられると共に、前面における上下方向の中間部に、該第1移動体152に第2移動体153を往復移動可能に支持する第2スライドレール178を固定する前レール固定部161が設けられている。また、第1移動体152の右縁には、上下方向へ延在すると共に右方へ各歯が向いた第2ラックギア162が設けられている。第2ラックギア162には、第1ベース部材55に配設されて第2作動モータ154に連係する従動ギア185(
図12参照)が噛み合うようになっており、該第2作動モータ154の作動による該従動ギア185の往復回転に伴って該第1移動体152が上下方向へ移動するよう構成されている。そして、第1移動体152の左縁における上下略中央に、支軸164を介して前述したピニオンギア163が回転自在に配設されている。なお、
図14における符号165は、第1移動体152の左縁に固定されてピニオンギア163の支軸164を支持する軸支持部材である。
【0053】
図12、
図14および
図17に示すように、第1移動体152には、装置本体51の第2ベース部材65に取り付けられるモータベース183に配設された第2位置検出センサ83で検出可能な第2検出片166が設けられている。すなわち、第2検出片166は、第1移動体152の右縁下部に、右方へ延出した状態に形成されており、該第2検出片166が第2位置検出センサ83で検出された位置が、第2移動体153と待機位置となるように設定されている(
図8(a)、
図12(b)参照)。
【0054】
(第1スライドレール168について)
第1スライドレール168は、
図14および
図17に示すように、固定支持レール169と、該固定支持レール169にその長手方向へスライド移動可能に配設されたスライダ170と、固定支持レール169に対してスライダ170を挟んで対向して配設され、該スライダ170にスライド移動可能に配設された移動支持レール171とから構成されている。この第1スライドレール168は、長手方向(スライド方向)が上下方向となる向きで、固定支持レール169が移動体ベース151のレール固定部156に固定されると共に、移動支持レール171が第1移動体152の後レール固定部160に固定されている。第1スライドレール168の移動支持レール171は、固定支持レール169と前後方向で整合した重なり位置と、該重なり位置から下方へ移動して該固定支持レール169から下方へ延出した延出位置との間を移動可能に構成されている。従って、第1移動体152は、移動支持レール171が延出位置となることで移動体ベース151に対する最下位置となり、移動支持レール171が重なり位置となることで該移動体ベース151に対する最上位置となり、該移動支持レール171の移動により移動体ベース151に対して上下に往復移動するようになる。なお、実施例の第1スライドレール168は、固定支持レール169、スライダ170および移動支持レール171が金属製であり、移動支持レール171および固定支持レール169に撓み変形や捻れ変形が発現し難くなっており、移動支持レール171が固定支持レール169に対してがたつくことなくスムーズなスライド移動が可能となっている。
【0055】
(第2移動体153について)
第2移動体153は、
図10、
図14および
図17に示すように、長尺の板状部材であり、長手が上下方向に向いた姿勢で第2スライドレール178を介して第1移動体152の前側に配設される。第2移動体153は、後面に、第2スライドレール178を固定するレール固定部173が設けられる。また、第2移動体153の裏面における左縁側に、上下方向へ延在すると共に後方へ各歯が向いた第3ラックギア174が設けられている。第3ラックギア174は、第1移動体152に配設されたピニオンギア163に対向する位置に設けられて該ピニオンギア163が噛み合うようになっており、該第1移動体152の上下方向への往復移動によるピニオンギア163の往復回転に伴って、当該第2移動体153が上下方向へ往復移動するよう構成されている。すなわち、第1移動体152が上下方向へ移動する際に、第1ラックギア157に対してピニオンギア163が移動しながら回転することで、該ピニオンギア163に対して第3ラックギア174が移動することで、第1移動体152に対して第2移動体153が上下方向へ往復移動が可能となる。なお、移動体ベース151に対する第2移動体153の移動量は、可動体52の初期位置および最終位置間の移動量以上に設定されている。
【0056】
(第1移動係止部175について)
図12〜
図14に示すように、第2移動体153の前面には、可動体52に設けられた前述の可動係止部109に係脱可能に係止する第1移動係止部175が設けられている。第1移動係止部175は、第2移動体153の前面から前方へ突出した突部であり、可動体52に対して第2移動体153が相対的に上方へ移動することで該可動体52の可動係止部109に対し下方から係止すると共に、可動体52に対して第2可動体52が相対的に下方へ移動することで該可動係止部109に対し下方へ離間するよう構成されている。従って、第2移動体153が待機位置から動作位置まで移動する際に、第1移動係止部175が可動係止部109に係止することで、最終位置に停止した可動体52を初期位置まで押し上げ可能に構成されている。
【0057】
(第2移動係止部176について)
図12〜
図14に示すように、第2移動体153の前面には、規制機構130のスライド部材132に設けられたスライド係止部142と係脱可能に係止する第2移動係止部176が設けられている。第2移動係止部176は、第2移動体153の前面から前方へ突出した突部であり、スライド部材132に対して第2移動体153が相対的に下方へ移動することで該スライド部材132に設けられたスライド係止部142に対し上方から係止すると共に、スライド部材132に対して第2可動体52が相対的に上方へ移動することで該スライド係止部142に対し上方へ離間するよう構成されている。そして、第2移動体153が待機位置に停止するまでスライド部材132が下方へ移動することで、規制部材131が規制解除位置となるように設定されている(
図9、
図12(b)参照)。
【0058】
(第2スライドレール178について)
第2スライドレール178は、
図14および
図17に示すように、固定支持レール179と、該固定支持レール179にその長手方向へスライド移動可能に配設されたスライダ180と、固定支持レール179に対してスライダ180を挟んで対向して配設され、該スライダ180にスライド移動可能に配設された移動支持レール181とから構成されている。この第2スライドレール178は、長手方向(スライド方向)が上下方向となる向きで、固定支持レール179が第1移動体152の前レール固定部161に固定されると共に、移動支持レール181が第2移動体153のレール固定部173に固定されている。第2スライドレール178の移動支持レール181は、固定支持レール179と前後方向で整合した重なり位置と、該重なり位置から上方へ移動して該固定支持レール179から上方へ延出した延出位置との間を移動可能に構成されている。従って、第2移動体153は、移動支持レール181が重なり位置となることで第1移動体152に対する最下位置となり、移動支持レール181が延出位置となることで該第1移動体152に対する最上位置となり、該移動支持レール181の移動により第1移動体152に対して上下に往復移動するようになる。なお、実施例の第2スライドレール178は、第1スライドレール168と同様に、固定支持レール179、スライダ180および移動支持レール181が金属製であり、移動支持レール181および固定支持レール179に撓み変形や捻れ変形が発現し難くなっており、移動支持レール181が固定支持レール179に対してがたつくことなくスムーズなスライド移動が可能となっている。
【0059】
(第2作動モータ154およびギアについて)
移動機構150における第2作動モータ154は、
図4、
図14および
図17に示すように、装置本体51の第1ベース部材55に取り付けられたモータベース183に配設されている。モータベース183は、第1ベース部材55の第1ベース部56の後側に、該第1ベース部56の下端から下方へ延出した状態に固定されている。また、モータベース183に、2つの従動186,186を覆うカバー部材183aが取り付けられる(
図17参照)。第2作動モータ154は、第1ベース部56から下方へ延出したモータベース183の前面に、駆動軸を該モータベース183から後方へ延出させた姿勢で固定される。そして、第1ベース部材55の第1ベース部56の後面における上下略中央に、第1移動体152に設けられた第2ラックギア162と噛み合う従動ギア185が回転自在に配設されると共に、第1ベース部材55の第1ベース部56の後側に、第2作動モータ154と従動ギア185とを連係する複数(実施例では4つ)の中間ギア186が、上下方向へ略直列に並んで配列されると共に噛み合った状態で回転自在に配設されている。
図6、
図7および
図12に示すように、最も下に配設された中間ギア186は、第2作動モータ154の駆動軸に固定された駆動ギア185に噛み合うと共に、最も上に配設された中間ギア186は、従動ギア185に噛み合っている。従って、第2作動モータ154を正逆回転制御することで、各中間ギア186が回転して従動ギア185が往復回転することに伴って、第1移動体152が上下方向にに往復移動するようになっている。
【0060】
(可動体と第2移動体との係止態様について)
実施例の可動演出装置50では、移動機構150における第2移動体153の待機位置および移動位置間の移動距離が、可動体52の初期位置および最終位置間の移動距離より大きく設定されている。そして、
図13(a)に示すように、待機位置に停止した第2移動体153の第1移動係止部175は、最終位置に停止した可動体52の可動係止部109から下方へ距離Lだけ離間するように構成されている。従って、移動機構150により可動体52を最終位置から初期位置まで移動させる際には、第2移動体153が待機位置から上方へ距離Lを移動することで、第1移動係止部175が可動係止部109に係止し、第1移動係止部175が可動係止部109に係止後に該第2移動体153が更に上方へ移動する可動体52を上方へ移動させることが可能となっている。すなわち、第2移動体153は、待機位置から移動位置側へ距離L移動した位置で最終位置にある可動体52と係止し、該可動体52との係止位置および待機位置の間において規制手段と係止すると共に、該待機位置において該規制部材131を規制解除位置するよう構成されている。
【0061】
(可動体および規制部材との位置関係について)
図9および
図13に示すように、可動体52が最終位置に停止した状態では、該可動体52における可動体ベース85の固定部90およびスライド体86が、規制解除位置および規制位置の間を切り替わる規制部材131の経路上に位置している。すなわち可動体52は、最終位置から中途位置までの間で、規制部材131が規制解除位置から規制位置へ切り替わる経路上に位置するよう構成されている。これにより、可動体52が最終位置にある場合において、
図12(a)に示すように、移動機構150の第2移動体153が待機位置から上方へ移動を開始することに伴ってスライド部材132がコイルバネ148の付勢力によって上方へ追従して移動すると、規制部材131の当接片136が可動体132の接触部108に当接するようになる。従って、規制部材131が規制位置に向けて移動することが規制されると共に、スライド部材132の上方への移動も規制されるため、スライド係止部142から第2移動係止部176が離間して該スライド係止部142と第2移動係止部176との係止が解除されて(
図13(b))、第2移動体153だけ上方へ移動するよう構成されている。
【0062】
従って、実施例の可動演出装置50は、第2作動モータ154を作動させて移動機構150の第2移動体153により可動体52を最終位置から初期位置に向けて移動させる際に、該可動体52が中途位置に移動するまでは規制部材131が規制位置への切り替えが規制されるので、該可動体52の初期位置への移動を規制することを防止し得るようになっている。そして、可動体52が前述した中途位置まで移動した後に、コイルバネ148の付勢によりスライド部材132が上方へ移動すると共に規制部材131が規制位置へ切り替わることが許容されるよう構成されている。なお、実施例では、可動体52の固定部90およびスライド体86が規制部材131の切り替え経路上に一部(上部)のみ重なっているが(
図13参照)、該規制部材131の切り替え経路上の全体に可動体52の固定部90およびスライド体86が重なるようにしてもよい。
【0063】
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例のパチンコ機10では、遊技盤20の遊技領域21へ打ち出されたパチンコ球が第1始動入賞装置29または第2始動入賞装置30の始動入賞口に入賞して球検出スイッチによる球検知信号がメイン制御基板に入力されると、該メイン制御基板は、大当り抽選を行なうと共に、当該大当り抽選の結果に基づいてサブ制御基板に制御信号を出力して、図柄表示装置18の表示部において図柄変動演出を行わせる。そしてメイン制御基板は、大当り抽選の結果として大当りが発生すると、サブ制御基板を介して図柄表示装置18の表示部に所定の図柄組合わせで図柄を停止表示させ、特別入賞装置31を開放動作させて特別入賞口を開放させる。また、サブ制御基板は、メイン制御基板からの制御信号に基づき、実施例の可動演出装置50や、その他の演出装置および照明手段等を、図柄表示装置18の表示部での遊技内容に合わせて総合的に作動制御する。
【0064】
(可動演出装置の作動態様について)
実施例の可動演出装置50は、初期状態において、切替機構120における保持部材122の係止ピン126が可動体52の可動係止部109に係止することで、該可動体52は初期位置に保持される(
図2、
図5参照)。初期位置となっている可動体52は、表示開口38の前側上方に位置して、第3装飾部材98および第4装飾部材99が枠状装飾体26の演出開口26aの内側上部に視認可能に位置している。すなわち、初期位置にある可動体52は、図柄表示装置18の表示部18aの前側上方に位置しており、該表示部18aに表示される図柄変動演出や各種演出の邪魔にならないようになっている。
【0065】
そして、実施例の可動演出装置50は、サブ制御基板による制御に基づき、図柄表示装置18の表示部18aに表示される演出と可動体52の動作とを連動させた制御が行われるようになっている。すなわち、サブ制御基板は、図柄表示装置18の表示部18aに表示される演出と連動させて可動体52を初期位置から中途位置まで下方へ移動させる第1演出態様と、図柄表示装置18の表示部18aに表示される演出と連動させて可動体52を初期位置から最終位置まで一気に下方へ移動させる第2演出態様とが実行可能に構成されている。
【0066】
(第1演出態様について)
第1演出態様では、切替機構120を保持状態から保持解除状態に切り替える前に第2作動モータ154を作動制御して、移動機構150の第2移動体153を、該第2移動体153の第2移動係止部176と規制機構130におけるスライド部材132のスライド係止部142との係止が解除される位置まで移動させ、規制機構130の規制部材131を規制位置に切り替える。そして、規制部材131が規制位置に停止したもとで、第1作動モータ121を作動制御して切替機構120を保持解除状態に切り替え、初期位置に停止していた可動体52の自重による下方への移動を可能にする。
【0067】
初期位置から下方へ移動を開始した可動体52は、中途位置に到達する直前に、規制位置に切り替えられて該可動体52の移動領域に延出した規制部材131に設けられた第1当接部137に対し、該可動体52に設けられたダンパ部材115の当接ヘッド118が当接することで、該ダンパ部材115のロッド117がシリンダ116内へ適宜移動して該中途位置に停止すると共に、該当接ヘッド118が第1当接部137に当接した状態で保持される(
図3(a)、
図8)。ここで、可動体52が中途位置に停止する際には、ダンパ部材115が有する衝撃緩和機能により、衝撃が緩和されて可動体52や規制部材131が破損したり変形することを抑制し得る。
【0068】
第1演出態様に基づき、可動体52を中途位置に停止させた場合には、
図3(a)に示すように、該可動体52が、上下方向において表示開口38および演出開口26aの略中央に位置して、図柄表示装置18の表示部18aの前方に位置するようになる。従って、図柄表示装置18の表示部18aと可動体52とを関連付けた演出が実行可能となり、奥行き感がある立体的な演出の実行が可能となる。
【0069】
(第2演出態様について)
第2演出態様では、切替機構120を保持状態から保持解除状態に切り替える前に第2作動モータ154を作動制御して、移動機構150の第2移動体153を待機位置まで移動させ、該第2移動体153の第2移動係止部176と規制機構130におけるスライド部材132のスライド係止部142との係止によりスライド部材132を下方へ移動させて、規制機構130の規制部材131を規制解除位置に切り替える(
図9、
図12(b)参照)。そして、規制部材131が規制解除位置に停止したもとで、第1作動モータ121を作動制御して切替機構120を保持解除状態に切り替え、初期位置に停止していた可動体52の自重による下方への移動を可能にする。なお、規制部材131を規制解除位置へ移動させるタイミングは、可動体52が中途位置に到達する前であれば、切替機構120のどのタイミングで実行してもよい。
【0070】
初期位置から下方へ移動を開始した可動体52は、規制部材131が規制解除位置に切り替えられて該可動体52の移動領域から退避していることで、中途位置を通過して更に下方へ一気に移動する。そして、可動体52は、最終位置に到達する直前に、装置本体51に設けられた第2当接部72に対してダンパ部材115の当接ヘッド118が当接することで、該ダンパ部材115のロッド117がシリンダ116内へ適宜移動して該最終位置に停止すると共に、該当接ヘッド118が第2当接部72に当接した状態で最終位置に保持される(
図3(b)、
図9)。ここで、可動体52が最終位置に停止する際には、ダンパ部材115が有する衝撃緩和機能により、衝撃が緩和されて可動体52や装置本体51が破損したり変形することを抑制し得る。
【0071】
第2演出態様に基づき、可動体52を最終位置に停止させた場合には、
図3(b)に示すように、該可動体52が、上下方向において表示開口38および演出開口26aの下方に位置して、図柄表示装置18の表示部18aの前側下方に位置するようになり、図柄表示装置18の表示部18aでの演出を殆ど妨げない。また、可動体52が初期位置から最終位置まで、図柄表示装置18の表示部18aの前側を一気に下方へ移動するので、迫力があると共にインパクトのある演出を行うことができる。
【0072】
第1演出態様において中途位置に停止した可動体52を初期位置に復帰させる場合および第2演出態様において最終位置に停止した可動体52を初期位置に復帰させる場合は、第2作動モータ154を作動させて移動機構150の第2移動体153を、待機位置から移動位置に向けて上方へ移動させることで、可動係止部109と第1移動係止部175とが係止して、当該可動体52が初期位置まで押し上げられる。そして、第2移動体153が移動位置まで移動したら、第1作動モータ121を作動させて切替機構120を保持状態とすることで、可動係止部109と係止ピン126とが係止して可動体52が初期位置に保持される。可動体52が初期位置に保持された後、移動機構150の第2移動体153を移動位置から待機位置まで移動させる。
【0073】
そして、移動機構150の第2移動体153により可動体52を最終位置から初期位置へ移動させる際には、該可動体52が最終位置から中途位置までの間で、規制部材131が該可動体52の接触部108に接触するので(
図13(b)参照)、該規制部材131の規制位置への切り替えが規制されて可動体52が初期位置に向けて支障なく移動される。そして、可動体52が中途位置まで移動して、該可動体52の接触部108が規制部材131の切り替え経路上から上方へ外れることで、規制部材131はコイルバネ148の付勢により規制位置へ切り替わる。
【0074】
従って、実施例の可動演出装置50によれば、切替機構120の保持部材122を保持状態から保持解除状態へ切り替えることで、自重により最終位置側へ付勢された可動体52を、初期位置から最終位置に向けて移動させることができる。ここで、可動体52は、照明基板92、複数の装飾部材96,97,98,99、補強部材87等を備えて重量が嵩む構成となっており、該可動体52が作動モータ等の作動手段の作動によらずに自重で下方へ移動するので、下方への移動速度が大きくなって迫力かつインパクトがある演出を行うことができる。
【0075】
そして、可動体52を初期位置から下方へ移動させる際に、可動体52が最終位置より初期位置側の中途位置に到達するときに規制機構130の規制部材131を規制位置に切り替えておくことで、該可動体52を中途位置まで移動させて該中途位置で停止させることができると共に、該可動体52が中途位置に到達するときに規制部材131を規制解除位置に切り替えておくことで、該可動体52を最終位置まで移動させて該最終位置で停止させることができる。すなわち、規制機構130の規制部材131を規制位置とするか規制解除位置とするかにより可動体52の停止位置を異ならせることができるので、該可動体52の動作による演出が単調とならないので、遊技の興趣を向上させ得る。
【0076】
そして、実施例の可動演出装置50では、初期位置および最終位置の間を往復移動する可動体52に緩衝手段としてのダンパ部材115を配設したので、該可動体52を中途位置に停止する際および最終位置に停止する際の何れにおいても、該ダンパ部材115の衝撃緩和機能に基づいて衝撃が緩和されて、可動体52、規制部材131および装置本体51が破損したり変形することを好適に抑制し得る。すなわち、ダンパ部材115を装置本体51側に設ける場合には、中途位置および最終位置の夫々にダンパ部材115を配設する必要があるが、実施例では可動体52にダンパ部材115を配設したことにより、該可動体52が複数の停止位置に停止するよう構成されていても1つのダンパ部材115で対応し得るので、部品点数の増加を抑えることができると共に製造コストを抑えることができる。
【0077】
また、移動機構150の第2移動体153を待機位置から移動位置へ移動させることにより、可動体52を最終位置から初期位置まで移動可能であると共に、第2移動体153を待機位置に移動させることで規制機構130の規制部材131を規制位置から規制解除位置へ切り替えることができ、該規制部材131を規制位置から規制解除位置へ切り替えるための作動手段を必要としない。そして、移動機構150の第2移動体153が待機位置から移動位置側へ移動する際に、該第2移動体153に設けた第2移動規制部176と規制機構130のスライド部材132に設けたスライド係止部142との係止が解除されてから、該第2移動体153に設けた第1移動係止部175と可動体52の可動係止部109とが係止されるように構成されているので、第2移動体153を介して可動体52および規制部材131の両方を第2作動モータ154が同時に動作させない。従って、第2作動モータ154にかかる負荷が大きくなることが防止され、該第2作動モータ154の寿命が短くなるのを防止し得ると共に、低出力タイプのもので対応し得る。
【0078】
そして、コイルバネ148の付勢により可動体52の接触部108に当接する規制部材131の当接片136は、規制部材131の端部から可動体52側へ突出すると共に、該可動体52の移動方向へ細長に形成されていることで、上下方向に移動する可動体52の接触部108との間に発生する摩擦が低減され、該可動体52の移動によって規制部材131にかかる負荷を軽減し得ると共に、規制部材131の接触によって可動体52の移動が阻害されることも防止し得る。
【0079】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、可動体が、該可動体の自重により下方へ付勢されて自重により直線的に下方移動する構成としたが、可動体が自重で移動する構成であれば、例えば、可動体が自重で斜め下方へ移動したり、可動体が曲線的に移動してもよい。また、可動体の一端側を軸支して、可動体が自重で回動する構成を採用することも可能である。また、可動体を初期位置から最終位置に向けて付勢する付勢手段を備えることで、初期位置と最終位置とが同じ高さ位置に設定されて可動体が水平方向へ移動する構成や、初期位置よりも最終位置を上方に設定して可動体が上方へ付勢される構成であってもよい。
(2) 実施例では、1つの規制部材(規制手段)を設けることで、可動体を中途位置および最終位置の2箇所で停止可能な構成を例示したが、可動体の移動方向へ所要間隔で複数の規制部材を配設して、可動体の停止位置を3箇所以上に設定するようにしてもよい。また、規制機構を可動体の移動方向に移動可能に構成して、1つの規制部材を可動体の移動方向における複数の箇所で規制位置に切り替え可能に構成することで、可動体の停止位置を3箇所以上に設定することも可能である。
(3) 規制部材(規制手段)は、直線状に進退移動して規制位置および規制解除位置に切り替わるものに限らず、回転移動して規制位置および規制解除位置に切り替わるものであってもよい。
(4) 切替手段の保持解除により可動体を初期位置から中途位置で停止させる場合には、規制部材(規制手段)の規制位置への切替えタイミングは、可動体が中途位置に到来するまでに該規制部材が規制位置に切替えらていればよく、切替手段の保持解除前、保持解除と同時、保持解除後であってもよい。
(5) 実施例では、切替機構における保持部材を回転ギアタイプとして係止ピンを円弧状に移動させる構成を例示したが、保持部材を進退移動可能な構成として、係止ピンを可動体の移動領域に対して直線状に進退させるよう構成してもよい。
(6) 実施例では、緩衝手段としてダンパ部材を採用したが、緩衝手段は、可動体の衝撃を吸収し得るものであればよく、例えば、各種バネやゴム等の弾性力により可動体の衝撃を吸収する構成を採用することができる。なお、緩衝手段は、2つ以上設定してもよいし、省略することも可能である。
(7) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、スロットマシン、アレンジボール機およびピンボール機等の公知の各種遊技機を採用し得る。