特許第6207517号(P6207517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207517
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】銅構造物を有するAlNからなる回路板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20170925BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20170925BHJP
   H05K 3/22 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H05K3/46 C
   H05K3/46 H
   H05K3/12 610G
   H05K3/22 D
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-540397(P2014-540397)
(86)(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公表番号】特表2014-532996(P2014-532996A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2012071547
(87)【国際公開番号】WO2013064531
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年10月28日
(31)【優先権主張番号】102011117538.9
(32)【優先日】2011年11月3日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012210555.7
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012012692.1
(32)【優先日】2012年6月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511004645
【氏名又は名称】セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】CeramTec GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ドーン
(72)【発明者】
【氏名】ローラント レナイス
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー イェーニヒ
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−027637(JP,A)
【文献】 特開平10−021744(JP,A)
【文献】 特開2007−201346(JP,A)
【文献】 特開2008−181759(JP,A)
【文献】 特開平06−297680(JP,A)
【文献】 特開平06−196831(JP,A)
【文献】 特開2005−060171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/09
H05K 1/16
H05K 3/10 〜 3/26
H05K 3/38
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面の少なくとも一方に複数の導電路および接点を有しかつ少なくとも1個のスルーホール穿孔(ビア)を有するセラミック回路板の製造法であって、次の連続した方法の工程:
a)窒化アルミニウムからなるセラミック基板を製造しかつ複数のビアについて予定された位置に穿孔をもたらす工程、
b)前記穿孔を銅、タングステン、モリブデンまたはこれらの合金もしくはこれらの混合物からなる第1の接着用ペーストで充填する工程および
c)第1のスクリーン印刷過程で、前記の導電路および接点の所望のレイアウトによりセラミック基板の少なくとも一方の面を第2の接着用ペーストを用いて1回オーバープリントする工程、
d)任意に、前記第2の接着用ペーストを用いてオーバープリントを全体的または部分的に繰り返す工程、
e)印刷されたセラミック基板を、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉内でN2(窒素)の下で焼成する工程、
f)第2のスクリーン印刷過程で、ガラス貧有の被覆用ペーストを前記第2の接着用ペースト上に、前記の導電路および接点の所望の厚さが達成されるまで、印刷する工程、
g)印刷されたセラミック基板を、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉内でN2(窒素)の下で焼成する工程
を有し、
前記第1の接着用ペーストとして、粘度が800Pa*s〜1200Pa*sである高粘稠な銅ペーストが使用され、
前記銅ペーストは、CuOまたはCu2Oと、ZnO−SiO2からなるAlNに適した接着用ガラスとを含有し、
前記第2の接着用ペーストは、前記第1の接着用ペーストとして用いられる前記銅ペーストと同一であり、かつ前記第2の接着用ペーストの粘度は、前記第1の接着用ペーストの粘度よりも半分だけ低いことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
それぞれのスクリーン印刷過程後に、前記セラミック基板の乾燥過程または焼成過程が行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記の導電路および接点、または焼成された前記被覆用ペーストは、無電解ニッケルおよび無電解金で強化されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記の複数のビアについて予定された位置への穿孔は、焼結前に打抜きによりもたらされるか、または焼結後にレーザー照射によりもたらされることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記銅ペーストには、体積膨張成分としてAlまたはTiと、加熱時に銅を放出する物質としてCuClとが含有されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の接着用ペーストの粘度は、500±50Pa*sであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記の導電路および接点のオーバープリントを繰り返す場合には、このオーバープリントは、周囲を0.01〜0.05mm小さくして実施されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記g)工程を経た前記の導電路および接点の垂直方向の厚さまたは高さが、20〜125μmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面の少なくとも一方に複数の導電路および接点を有しかつ少なくとも1個のスルーホール穿孔(ビア)を有するセラミック回路板の製造法に関する。
【0002】
本発明は、請求項1の上位概念による方法を、当該方法で製造された回路板がLED技術において、大量の熱が発生しかつ大きな電流が流れる高出力光源に使用可能である程度に改良するという課題に基づくものである。この種の高出力光源は、例えば、スタジアムにおいて投光照明器として使用される。
【0003】
本発明によれば、この課題は、次の連続した方法の工程:
a)窒化アルミニウムからなるセラミック基板を製造しかつ複数のビアについて予定された位置に穿孔をもたらす工程、
b)前記穿孔を銅、タングステン、モリブデンまたはこれらの合金もしくはこれらの混合物からなる第1の接着用ペーストで充填する工程および
c)第1のスクリーン印刷過程で、前記の導電路および接点の所望のレイアウトによりセラミック基板の少なくとも一方の面を第2の接着用ペーストを用いて1回オーバープリントする工程、
d)任意に、第2の接着用ペーストを用いてオーバープリントを全体的または部分的に繰り返す工程、
e)印刷されたセラミック基板を、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉内でN2(窒素)の下で焼成する工程、
f)第2のスクリーン印刷過程で、ガラス貧有の被覆用ペーストを第2の接着用ペースト上に、前記の導電路および接点の所望の厚さが達成されるまで、印刷する工程、
g)印刷されたセラミック基板を、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉内でN2(窒素)の下で焼成する工程
によって解決される。
【0004】
特に厚手の、または高い導電路は、前記方法で製造されうる。
【0005】
好ましくは、それぞれのスクリーン印刷過程後に、前記セラミック基板の後接続された乾燥過程または焼成過程が行われる。このことは、接着性および長時間安定性を改善する。
【0006】
本発明の実施態様において、前記の導電路および接点、または焼成された前記被覆用ペーストは、無電解ニッケルおよび無電解金で耐食性およびはんだ付け適性になるように強化される。
【0007】
前記の複数のビアについて予定された位置への穿孔は、焼結前に打抜きによりもたらされるか、または焼結後にレーザー照射によりもたらされる。
【0008】
好ましい実施態様において、第1の接着用ペーストとして、当該粘度が800Pa*s〜1200Pa*s、有利に900Pa*s〜1100Pa*s、特に有利に1000Pa*sである高粘稠な銅ペーストが使用される。
【0009】
前記銅ペーストは、有利にCuOまたはCu2Oと、特にZnO−SiO2からなるAlNに適した接着用ガラスとを含有する。
【0010】
1つの実施態様において、有利に前記銅ペーストには、体積膨張成分、例えばAlまたはTiおよび熱時に銅を放出する物質、例えばCuClが含有されている。
【0011】
好ましくは、第2の接着用ペーストと第1の接着用ペーストとは、それらの粘度以外は、同一であり、その際に第2の接着用ペーストの粘度は、第1の接着用ペーストの粘度よりも半分だけ低い。「半分だけ」とは、有利に50%±10%を意味し、特に有利に50%±5%を意味し、殊に有利に50%±2%を意味する。
【0012】
第2の接着用ペーストの粘度は、有利に500Pa*sである。有利に500Pa*sとは、500±50Pa*s、特に有利に500±10Pa*sであると解釈される。
【0013】
本発明の実施態様において、前記被覆用ペーストと前記接着用ペーストとは、前記接着用ガラスを欠くこと以外は、同一であるが、しかし、接着用ペーストよりも低い粘度を有し、その際に前記被覆用ペーストの粘度は、前記接着用ペーストの粘度の1/3〜2/3、特に有利に前記接着用ペーストの粘度の40〜60%である。
【0014】
好ましくは、前記の導電路および接点のオーバープリントを繰り返す場合には、このオーバープリントは、周囲を0.01〜0.05mm小さくして実施される。
【0015】
本明細書中に記載された方法により製造された、導電路および接点を有するセラミック回路板の場合、当該の導電路および接点の垂直方向の厚さまたは高さは、有利に20〜125μm、特に60〜90μmである。
【0016】
本発明によれば、前記の複数のビアは、銅、タングステンもしくはモリブデンまたはこれらの混合物で充填されている。銀は、激しすぎる合金反応のために受け入れることができない。
【0017】
好ましくは、前記回路板は、LED技術において、大量の熱が発生しかつ大きな電流が流れる高出力光源に使用される。この種の高出力光源は、例えば、スタジアムにおいて投光照明器として使用される。
【0018】
製造法:
1)前記製造のために、窒化アルミニウムからなるセラミック基板が使用され、このセラミック基板は、当該位置に前記の複数のビアをもたらすために、焼結前に打ち抜かれるかまたはレーザー照射での焼結後にレーザー穿孔される。
2)本発明によれば、第1の工程として、前記の複数のビアは、銅、タングステンもしくはモリブデンまたはこれらの合金もしくは混合物からなる接着用ペーストで充填される。好ましくは、接着用ペーストとして、1000Pa*sの粘度を有する銅ペーストが使用される。前記のビア用銅ペーストは、CuOまたはCu2Oを含有することができかつ特にZnO−SiO2からなる、AlNに適した接着用ガラスを含有することができる。さらに、体積膨張成分、例えばAlまたはTiおよび熱時に銅を放出する物質、例えばCuClが有利である。
3)引続き、前記の導電路および接点の所望のレイアウトにより、前記セラミック基板の少なくとも一方の面は、前記項目2に記載された銅ペーストを用いてスクリーン印刷過程で1回で全体的にオーバープリントされる。
4)特に厚手の複数の導電路および接点を製造すべき場合には、さらに、さらなるスクリーン印刷過程が接着用ペーストとしての記載された銅ペーストを用いて実施される。この銅ペーストは、全体的または部分的に数回スクリーン印刷過程でオーバープリントされうる。
5)引続き、単数または複数の印刷された接着用ペーストを有する前記セラミック基板は、有利に80℃で乾燥される。
6)引続き、前記の印刷されたセラミック基板は、900℃でN2(窒素)の下で、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉を通過する。
7)引続き、焼成された接着用ペースト上に、ガラス貧有の被覆用ペーストは、適当な粘度および適当な組成で、前記の導電路および接点の上記の銅の厚さが達成されるまで、印刷される。前記被覆用ペーストは、前記接着用ペーストと、前記接着用ガラスを欠くこと以外は、同一であるが、しかし、前記接着用ペーストよりも低い粘度を有する。好ましくは、前記被覆用ペーストの粘度は、前記接着用ペーストの粘度の1/3〜2/3、特に有利に前記接着用ペーストの粘度の40〜60%である。
8)引続き、印刷された被覆用ペーストを有する前記セラミック基板は、有利に80℃で乾燥される。
9)引続き、印刷されたセラミック基板は、900℃でN2(窒素)の下で、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉を通過する。
10)それとは別に、前記項目6は省略され、前記被覆用ペーストは、先の焼成過程なしに乾燥後と同時に接着用ペースト上に印刷される。
【0019】
本発明によれば、前記の複数の導電路および接点は、有利に有利に銅または銅合金から少なくとも1回のスクリーン印刷過程で銅ペーストを用いて窒化アルミニウムからなるセラミック基板上に施され、それによって上記の銅の厚さが達成される。20〜40μmの前記の複数の導電路および接点の厚さまたは高さの場合には、1回の施与で十分である。40〜125μmのより厚手の、またはより高い導電路および接点が必要である場合には、有利に、2回のスクリーン印刷過程が実施されるかまたは2回以上のスクリーン印刷過程も実施される。通常、2つの異なるペーストを用いて、すなわち直接セラミック基板上への接着用ペーストと当該接着用ペースト上への被覆用ペーストとを用いて作業される。本発明によれば、2つのペーストは、できる限り、スクリーン印刷過程で施される。
【0020】
前記製造過程の場合、前記セラミック基板における複数のビアは、接着用ペーストで充填され、当該セラミック基板の少なくとも一方の面は、所望のレイアウトにより前記接着用ペーストを用いて1回または2回、全体的にオーバープリントされる。前記接着用ペーストは、さらになお、さらなるスクリーン印刷過程でオーバープリントされうる。それぞれの施与後に、有利には乾燥される。引続き、前記接着用ペースト上には、被覆用ペーストが適当な粘度および適当な組成で、前記の複数の導電路および接点の上記の銅の厚さが達成されるまで、印刷される。
【0021】
また、前記導電路のもう一方の面、すなわち裏面は、銅ペーストを用いる1回以上のオーバープリントを含むことができる。
【0022】
前記の複数のビアは、有利に0.20mmの直径を有するが、しかし、前記セラミック基板の厚さに応じて適度な直径を有することができる。より厚手のセラミック基板は、さらなる複数のビア、すなわちより大きな直径を有する複数のビアを必要とする。前記セラミック基板の1mmの厚さには、0.3〜0.4mmの複数のビアの直径が必要とされる。前記の複数のビアは、有利に、1000Pa*sの粘度を有する高粘稠な銅ペーストを用いて、適切なスクリーンレイアウトおよび当該複数のビアのレイアウトにおける版面を有するスクリーン印刷機上で充填される。前記銅ペースト(特に、直接にAlN基板上での接着用ペースト)は、CuOまたはCu2Oと、特にZnO−SiO2からなるAlNに適した接着用ガラスとを含有する。これは、第1のスクリーン印刷過程である。引続き、有利に、印刷された基板は、有利に80℃で乾燥される。
【0023】
引続き、同じ銅ペーストではあるが、しかし、有利に500Pa*sに希釈された銅ペーストを用いて、さらなるスクリーン印刷過程が前記と同じレイアウトによりスクリーン印刷機上で実施される。これは、第2のスクリーン印刷過程である。第2のスクリーン印刷過程は、まさに、第1のスクリーン印刷過程によって製造された複数の導電路および接点に対して行われ、その結果、当該の複数の導電路および接点の厚さまたは高さは、増大する。
【0024】
こうして準備された基板は、900℃でN2(窒素)の下で、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉を通過する。この銅は、焼成助剤とは何も関連しない。その後に、一定の範囲もしくは構造物または既に印刷されかつ焼成された全構造物は、片面または両面でさらなるガラス貧有の銅ペーストにより強化される。前記の一定の範囲もしくは構造物または既に印刷されかつ焼成された全構造物は、再び同じ条件で焼成される。今や、銅層の厚さは、本発明による厚さまたは高さと同じである。
【0025】
前記の被覆層または焼成された前記銅層は、引き続き有利に4μmの無電解ニッケル、選択的に0.05μmのPdおよび0.05μmの無電解金で耐食性およびはんだ付け適性になるように強化される。金属化、すなわち銅層は、複数のビアが例えば薄液状の接着剤をLEDの上面上に浸透させうる漏れを有しない程度に緻密にセラミックに固定される。
【0026】
スクリーン印刷で印刷されたセラミック基板は、それぞれの個々の印刷過程後または全ての印刷過程後に、共に適当な温度で、通常900℃で6〜10分間、および特に0〜50ppmの極めてわずかな残留酸素を有する窒素雰囲気で焼成される。
【0027】
本発明は、AlNに対して公知のDCB技術(200μm超)と薄膜技術(約20μmまで)との差をなくし、かつ薄膜技術の充填された複数のビアを使用することができ、それによって両面での接点が可能になる。
【0028】
以下、具体的な例は、次のとおりである:
114*114*0.38mmの寸法のAlNからなる、焼結されたセラミック基板は、規定されたレイアウトによりレーザー穿孔される。前記の複数のビアは、0.20mmの直径を有する。前記の複数のビアは、1000Pa*sの高粘稠な銅ペーストを用いて、適切なスクリーンレイアウトおよび当該複数のビアのレイアウトにおける版面を有するスクリーン印刷機上で充填される。前記銅ペーストは、CuOおよび/またはCu2Oと、ZnO−SiO2およびAlN粉末2%からなるAlNに適した接着用ガラスと、少量のCuCl3%とを含有する。80℃での乾燥後、同じペーストではあるが、しかし、前記基板のそれぞれの面上で500Pa*sに希釈されたペーストを用いて、表面印刷がスクリーン印刷機上で実施される。こうして準備された基板は、900℃でN2の下で、酸素含量がO20〜50ppmに制御して維持される焼成炉を通過する。この銅は、焼成助剤とは何も関連しない。その後に、一定の構造物または既に印刷されかつ焼成された全構造物は、片面または両面でさらなるガラス貧有の銅ペーストにより強化される。前記の一定の範囲または既に印刷されかつ焼成された全構造物は、再び同じ条件で焼成される。今や、銅層の厚さは、70μmである。前記銅層は、4μmの無電解ニッケルおよび0.05μmの無電解金で耐食性およびはんだ付け適性になるように強化される。金属化は、複数のビアが例えば薄液状の接着剤をLEDの上面上に浸透させうる漏れを有しない程度に緻密にセラミックに固定される。
【0029】
発明の実施態様の特徴:
− 銅または銅合金からなる、焼成された複数の導電路および接点を有する、窒化アルミニウムからなるセラミック回路板、その際に複数の導電路および接点の厚さもしくは高さまたは銅の厚さは、20〜500μm、有利に20〜125μm、特に有利に60〜90μmである。
− 前記回路板上に、銅、タングステンまたはモリブデンで充填されている、複数のビアが配置されている。
− 前記製造のために、窒化アルミニウムからなるセラミック基板が使用され、このセラミック基板は、当該位置に前記の複数のビアをもたらすために、焼結前に打ち抜かれるかまたはレーザー照射での焼結後にレーザー穿孔される。
− 前記の複数の導電路および接点は、セラミック基板上に少なくとも2回のスクリーン印刷過程および焼成過程で銅または銅合金を用いて施される。
− 2つのペーストが使用されかつ焼成される。直接にセラミック基板に接しているかまたは近くにあるペーストは、ガラス割合を有する接着用ペーストであり、およびその上に存在する被覆用ペーストは、ガラス貧有であるように構成されている。それというのも、前記の複数の導電路および接点は、直流通電可能であるべきであるからである。
− 2つのスクリーン印刷過程の場合には、正確に同じスクリーン印刷レイアウトが使用される。しかし、一致した位置で厚手の導電路または厚手の接点が必要とされない場合には、第2のスクリーン印刷過程は、単数の前記位置または複数の前記位置を空けておくことができる。
− 好ましくは、第2のペーストが第1の層の「傾斜面」に沿って流れ落ちずかつ前記構造物に無制御に広がらないようにするために、第2の印刷は、周囲を約0.01〜0.05mm小さくして実施される。
− 第1のスクリーン印刷過程の場合、粘度が800Pa*s〜1200Pa*sである、高粘稠な銅ペーストが接着用ペーストとして使用される。好ましくは、前記粘度は、900Pa*s〜1100Pa*s、特に有利に1000Pa*sである。
− 前記被覆用ペーストの場合、表面をより平滑にしかつスクリーンメッシュの圧痕が僅かであるように維持するために、前記粘度は、接着用ペーストの場合よりも低い。前記被覆用ペーストは、有利に、接着用ペーストの粘度よりも低い粘度を有する。有利に、この粘度は、接着用ペーストの粘度の1/3〜2/3であり、特に有利には、接着用ペーストの粘度の40〜60%である。しかし、接着用ペーストと被覆用ペーストとは、化学的に同一であり、かつ、ガラス割合は別として、それらの粘度の点でのみ異なる。
− 前記接着用ペーストの銅ペーストは、CuOおよび/またはCu2Oと、ZnO−SiO2からなるAlNに適した接着用ガラスとを含有する。
− 第1のスクリーン印刷過程後に、セラミック基板は、適当な温度で、有利に80℃で乾燥される。
− AlNからなるセラミック基板は、有利に114*114*0.38mmの寸法を有する。0.38mmは、前記セラミック基板の厚さである。
− 前記焼成は、有利に900℃で、酸素含量がO26〜10ppmに制御して維持される焼成炉内でN2(窒素)の下で行われる。
− 前記焼成炉において、前記銅は、焼成助剤とは何も関連しない。