特許第6207524号(P6207524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6207524マイクロ波プラズマバイオマス噴流床ガス化炉およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207524
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】マイクロ波プラズマバイオマス噴流床ガス化炉およびその方法
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/46 20060101AFI20170925BHJP
   C10J 3/48 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C10J3/46 M
   C10J3/46 G
   C10J3/46 H
   C10J3/46 L
   C10J3/48
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-549316(P2014-549316)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2015-503641(P2015-503641A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】CN2012083562
(87)【国際公開番号】WO2013097532
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2014年8月8日
【審判番号】不服2016-3272(P2016-3272/J1)
【審判請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】201110449413.4
(32)【優先日】2011年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512244657
【氏名又は名称】武▲漢凱▼迪工程技▲術▼研究▲総▼院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲陳義龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼岩▲豊▼
(72)【発明者】
【氏名】夏明▲貴▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼亮
【合議体】
【審判長】 國島 明弘
【審判官】 原 賢一
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−536258(JP,A)
【文献】 特表2009−536261(JP,A)
【文献】 特表2008−545840(JP,A)
【文献】 特表2009−536260(JP,A)
【文献】 特開2009−256490(JP,A)
【文献】 特開昭60−116717(JP,A)
【文献】 特開昭63−146400(JP,A)
【文献】 特開平8−236293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10J3/00-3/86
B09B3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波プラズマによるバイオマス噴流床ガス化炉であって、前記ガス化炉は炉本体および燃料前処理システムを含み、前記炉本体は垂直方向に配置されると共に、前記炉本体の下側部分に配置される燃料入口と、前記炉本体の上部に配置される合成ガス出口と、前記炉本体の底部に配置されるスラグ出口を含み、前記燃料入口はノズルの形状を備え、前記燃料前処理システムは前記炉本体の外側に配置されると共に、燃料粉砕装置と、前記燃料粉砕装置の下流側に配置される篩装置と、前記篩装置の下流側に横並びに配置され、粒径適合燃料を受け入れる粒径適合燃料容器および粒径不適合燃料を受け入れる粒径不適合燃料容器と、前記粒径適合燃料容器の下流側に配置される炉前室を含み、前記炉前室の底部はノズルを介して前記炉本体に連結され、合成ガスの温度と成分を監視する監視ユニットは前記炉本体上部において前記合成ガス出口付近に配置され、前記ノズルは前記炉本体に沿って放射状に配置され、その数は2〜4個であり、
1層または2層のマイクロ波プラズマ発生装置が前記炉本体のガス化領域に配置され、
前記マイクロ波プラズマ発生装置が1層の場合、該マイクロ波プラズマ発生装置は2〜4個の作用ガス入口を含み、
前記マイクロ波プラズマ発生装置が2層の場合、該マイクロ波プラズマ発生装置の各層は互いに平行に配置され、各層は2〜4個の作用ガス入口を含む
ことを特徴とするガス化炉。
【請求項2】
前記マイクロ波プラズマ発生装置は前記炉本体に水平方向かつ接線方向に配置される、請求項1のガス化炉。
【請求項3】
前記マイクロ波プラズマ発生装置は電極ギャップが大きく、プラズマ活性が高く、体積範囲が広い、請求項1または2のガス化炉。
【請求項4】
前記マイクロ波プラズマ発生装置のマイクロ波電源は基本周波数が2.45GHzであり、単一のマイクロ波プラズマ発生装置の出力は200kW以内である、請求項3のガス化炉。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項のガス化炉を使用するバイオマスガス化方法であって、
1)燃料前処理システムを使用してバイオマス燃料を粉砕し篩い、粒径適合燃料粒子を生成し、前記粒径適合燃料粒子を炉前室へ送り使用する工程と、
2)マイクロ波プラズマ作用ガスを作用ガス入口からマイクロ波プラズマ発生装置へ導入し、前記作用ガスを励起させて高温、高電離度、且つ高活性のプラズマを生じさせ、該プラズマを前記ガス化炉に噴霧する工程と、
3)前記粒径適合燃料粒子をキャリアガスによって運んでノズルから前記ガス化炉へ噴霧すると同時に、酸素、蒸気、またはその組合せを含む酸化剤を酸化剤入口から前記ガス化炉に噴霧することにより、高活性プラズマ存在下で、高温且つ迅速な熱化学反応を燃料粒子に生じさせて、多量のCOおよびH2を含む合成ガスを生成する工程と、
4)前記合成ガスの温度および成分を監視し、前記酸化剤流量およびマイクロ波出力を調整して工程パラメータを所定範囲内に維持し、出口温度が900〜1200℃の合成ガスを炉本体上部にある合成ガス出口から回収し、同時に液体スラグをスラグ出口から排出させる工程と
を含む方法。
【請求項6】
工程1において、粒径適合燃料粒子は粒径適合燃料容器に受け入れられ、粒径が大きい燃料粒子は先ず粒径不適合燃料容器により受け入れられ、次に燃料砕装置に戻され、粒径要件を満たすまで再度粉砕され、前記粒径適合燃料粒子は前記粒径適合容器から炉前室へ送られ、前記燃料粒子の粒径は5mm以下である、請求項5の方法。
【請求項7】
工程2において、前記マイクロ波プラズマ発生装置の始動は前記ノズルの始動よりも2〜3秒早く、前記マイクロ波プラズマ作用ガスは補助酸化剤を含むと共に、マイクロ波プラズマ作用ガス入口からマイクロ波プラズマ発生装置へ導入され励起されて、高温、高電離度且つ高活性のプラズマを生成する、請求項5または6の方法。
【請求項8】
工程3において、粒径適合粒子はキャリアガスにより運ばれてノズルからガス化炉に噴霧され、同時に酸素、蒸気、またはその組合せを含む酸化剤が酸化剤入口からガス化炉に噴霧されることにより、高温ガス化方法が行われ、ガス化炉内で燃料粒子が瞬間に着火して、部分的な酸化還元反応と高温ガス化反応が燃料粒子に生じ、多量のCOおよびH2と、少量のCO2、CH4、H2S、COSを含む合成ガスが生成され、前記合成ガスは上方にマイクロ波プラズマ発生装置のガス化領域へ流れ、水平方向かつ接線方向に噴霧された高温、高電離度、高活性のプラズマガスと混ざり、1200〜1800℃の高温熱化学ガス化反応が生じ、中心領域温度は1800〜2000℃であり、合成ガスのガス化領域滞留時間は1〜10秒であり、マイクロ波プラズマ発生装置の出力は反応を完全に進めさせるように制御される、請求項7の方法。
【請求項9】
工程4において、合成ガスのCOとH2の体積含有率は85%を超え、合成ガスはタールおよびフェノール化合物を含まず、スラグ出口から排出される液体スラグは無公害となるように冷却されて、断熱材料として使用されてよい、請求項5、6、8のいずれかの方法。
【請求項10】
工程2および3において、マイクロ波プラズマ作用ガスおよびキャリアガスは空気、または酸素、または蒸気、あるいはその組み合わせであり、蒸気は高温合成ガスの顕熱の再利用から生じる、請求項9の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスのガス化に関し、特に、マイクロ波励起プラズマの存在下でバイオマス燃料から合成ガスを合成する噴流床ガス化炉、およびそのガス化炉を使用するガス化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、バイオマスエネルギの利用分野では、バイオマスガス化技術は幅広く適用されており、また大きな開発の可能性を持っている。バイオマスガス化方法は概して、固定床ガス化法、流動床ガス化法、噴流床ガス化法を含む。固定床ガス化法には、ガス化温度が低く、タール含有量が大きく、合成ガスの品質が低い等の欠点がある。流動床ガス化法は、ガス化温度が中程度であり、供給および排出が簡易であることから、安定して流動化を行うことができ、炉温度は中程度に制御される。ガス化温度が低いと、合成ガスのタール含有量が多くなる。タールの除去には多大な費用がかかる。タールは除去が困難であり、弁や配管、補助装置を詰まらせたり腐食させ易い。噴流床ガス化法は反応温度が高く均一であり、ガス化効率が良く、タールが完全に粉砕される。後続の工程での処理が簡易になり、また噴流床は比較的多く利用されているので、工業的規模での利用に適する。しかし、現用の噴流床ガス化法は原料の粒径に対する要件が厳しい。一般的に、粒径は0.1mm未満とするべきである。とくに石炭ガス化法での要件は更に低くなる。バイオマスは多量のセルロースを含んでおり、このセルロースは噴流床での要件を満たすために小粒径を有するように粉砕することが極めて困難である。要求される粒径が小さくなるほど、粉砕機の摩耗が大きくなり、エネルギ消費も大きくなる。粒径が大きいと、炭素変換率が低くなると共に、冷ガス効率が低くなることから、従来の噴流床を合成ガスの合成に適用することは大きく制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的の一つは、経済性、高効率、および実現可能性を備えた、マイクロ波励起プラズマ存在下でバイオマス燃料からCOおよびH2の合成ガスを合成する噴流床ガス化炉、およびこの噴流床ガス化炉を使用するガス化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、以下の技術構成を適用する。
【0005】
マイクロ波プラズマによるバイオマス噴流床ガス化炉であって、炉本体は垂直方向に配置されると共に、炉本体の下側部分に配置される燃料入口と、炉本体の上部に配置される合成ガス出口と、炉本体の底部に配置されるスラグ出口を含む。燃料入口はノズルの形状を備える。燃料前処理システムは、炉本体の外側に配置されると共に、燃料粉砕装置と、燃料粉砕装置の下流側に配置される篩装置と、篩装置の下流側に並んで配置され、粒径適合燃料を受け入れる粒径適合燃料容器および粒径が不適合の燃料を受け入れる粒径不適合燃料容器と、粒径適合燃料容器の下流側に配置される炉前室を含む。炉前室の底部はノズルを介して炉本体に連結される。合成ガスの温度と成分を監視する監視ユニットは炉本体の上部において、合成ガス出口の近くに配置される。ノズルは炉本体に沿って放射状に配置されており、その数は2〜4個である。1層または2層のマイクロ波プラズマ発生装置は、炉本体のガス化領域に配置されており、前記マイクロ波プラズマ発生装置が1層の場合、該マイクロ波プラズマ発生装置は2〜4個の作用ガス入口を含み、前記マイクロ波プラズマ発生装置が2層の場合、該マイクロ波プラズマ発生装置の各層は互いに平行に配置され、各層は2〜4個の作用ガス入口を含む。
【0006】
マイクロ波プラズマ発生装置は、プラズマ雰囲気中でのバイオマス粒子の溶融滞留時間を長くするように、炉本体に水平方向かつ接線方向に配置される。
【0007】
マイクロ波プラズマ発生装置は、電極ギャップが大きく、プラズマの活性が強く、体積範囲が広い。
【0008】
マイクロ波プラズマ発生装置のマイクロ波電源は、基本周波数が2.45GHzであり、単一のマイクロ波プラズマ発生装置の出力は200kW以内である。
【0009】
噴流床ガス化炉を使用するバイオマスガス化方法は、以下の工程を含む。
【0010】
1)燃料前処理システムを使用してバイオマス燃料を粉砕して篩い、粒径適合燃料粒子を生成し、粒径適合燃料粒子を炉前室へ搬送して使用する工程。
【0011】
2)マイクロ波プラズマ作用ガスを作用ガス入口からマイクロ波発生装置へ導入し、作用ガスを励起させて高温、高電離度、および高活性のプラズマを生成し、プラズマをガス化炉に噴霧する工程。
【0012】
3)粒径適合燃料粒子をキャリアガスによって運んでノズルからガス化炉へ噴霧すると同時に、酸素、蒸気、またはその組合せを含む酸化剤を酸化剤入口からガス化炉へ噴霧することにより、高活性プラズマ存在下で高温且つ迅速な熱化学反応をガス化炉内の燃料粒子に生じさせて、多量のCOとH2を含む合成ガスを生成する工程。
【0013】
4)合成ガスの温度および成分を監視し、前記酸化剤量およびマイクロ波出力を調整して、工程パラメータを所定範囲内に維持し、出口温度が900〜1200℃の合成ガスを炉本体の上部にある合成ガス出口から回収すると共に、液体スラグをスラグ出口から排出させる工程。
【0014】
工程1において、粒径が適合する燃料粒子は粒径適合燃料容器により受け入れられ、粒径が大きい燃料粒子は、先ず粒径不適合燃料容器により受け入れられ、次に燃料粉砕装置へ戻されて、粒径要件を満たすまで再度粉砕され、篩われる。粒径適合燃料粒子は粒径適合容器から炉前室へ送られ、燃料粒子の粒径は5mm以下である。
【0015】
工程2において、マイクロ波プラズマ発生装置の始動は、ガス化炉のノズルの始動よりも2〜3秒早い。マイクロ波プラズマ作用ガスは補助酸化剤を含み、マイクロ波プラズマ入口からマイクロ波プラズマ発生装置へ導入され励起されて、高温、高電離度、高活性プラズマが生成される。
【0016】
工程3において、粒径適合燃料粒子はキャリアガスにより運ばれて、ノズルからガス化炉へ噴霧される。同時に酸素、蒸気、またはその組合せを含む酸化剤が酸化剤入口からガス化炉に噴霧されることにより、高温ガス化方法が行われ、燃料粒子がガス化炉内で瞬間に着火し、部分的な酸化還元反応と高温ガス化反応が燃料粒子に生じ、多量のCOおよびH2と、少量のCO2、CH4、H2S、COSを含む合成ガスが生成される。
【0017】
合成ガスは上方にマイクロ波プラズマ発生装置のガス化領域へ流れ、水平方向かつ接線方向に噴霧される高温、高電離、高活性のプラズマガスと混ざり、1200〜1800℃の高温熱化学ガス化反応を生じさせ、中央部分の温度は1800〜2000℃であり、ガス化領域での合成ガスの滞留時間は1〜10秒であり、マイクロ波プラズマ発生装置の出力は、反応を完全に進めるべく作動するように制御される。
【0018】
工程4において、合成ガス中のCOとH2の体積含有率は85%を超えており、合成ガスはタールやフェノール化合物を含んでおらず、スラグ出口から排出される液体スラグは無公害となるように冷却されるので、断熱材料として使用することができる。
【0019】
工程2および3において、マイクロ波プラズマ作用ガスおよびキャリアガスは空気、または酸素、または蒸気、あるいはその組み合わせであり、蒸気は高温合成ガスの顕熱の再利用から生じる。
【0020】
本開示において、マイクロ波プラズマ発生装置は、ガス化炉のガス化領域に配置される。マイクロ波プラズマ発生装置の作用ガスはマイクロ波により励起されてプラズマを生成する。マイクロ波励起プラズマは酸化剤に富み、高温、高電離度、高分散度、および高活性を特徴とする。マイクロ波プラズマ作用ガスが噴流床の酸化還元領域に噴霧されると、高温高活性プラズマ存在下では、反応温度が上昇し、化学反応が加速される一方、高温高活性プラズマは合成ガスと固相/液相バイオマス粒子の化学反応を大きく改善するので、熱伝達率および質量移動率が向上すると共に、バイオマス燃料の化学反応時間が短縮する。同じ滞留時間内でも燃料変換率が大きく改善する。石炭と比べて、バイオマス燃料は空隙空間が大きく、活性が高く、溶融点が低い。従って、高温、高電離度のプラズマでは、使用されるバイオマス燃料の粒径は、従来の噴流床で要求されるものよりもずっと大きくてよく、また、変換効果は最良である。
【0021】
また、マイクロ波プラズマ発生装置は、ガス化反応を生じさせるために補助酸化剤を供給することにより、反応物質の供給のバランスと均一性が確実にされ、また一定の熱出力が入力されるので、幾つかの外部熱源を供給する。補助酸化剤の導入は、ガス化炉の作動調整に良好な手段となる。
【0022】
本発明の実施形態に係る効果は、以下のとおりである。
【0023】
1. バイオマス燃料は、高温マイクロ波励起プラズマ存在下では活性が高く、化学エネルギ効率がよく、炭素変換率は約99%に達し、冷ガス効率は85%を超え、COとH2の活性成分の含有量が大きい。
【0024】
2. 噴流床ガス化炉から得られる合成ガスはタールおよびフェノール化合物を含んでおらず、後に続く合成ガスの回収にとって都合が良い。
【0025】
3. 本開示では、バイオマス燃料は、極めて小さい粒径を有するように粉砕される必要がなく、即ち、バイオマス燃料の粒径の適用範囲が広いので、ガス化炉は経済効率が良い。
【0026】
4. 材料の供給やスラグの排出が簡易であり、ガス化レベルが高いので、普及が促される。
【0027】
本発明を、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係り、マイクロ波プラズマによるバイオマス噴流床ガス化炉を示す概略図と、この噴流床ガス化炉を使用するガス化方法のフローチャート。
図2図1のA-A線視断面図。
【0029】
図には以下の符号を用いる。1.燃料粉砕装置;2.篩装置;3.粒径適合燃料容器;4.粒径不適合燃料容器;5.炉前室;6.ノズル;7.マイクロ波プラズマ発生装置;8.ガス化炉;9.合成ガス出口;10.スラグ出口;11.マイクロ波プラズマ作用ガス入口;12.監視ユニット;13.酸素/蒸気入口
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1および図2に示すように、マイクロ波プラズマによるバイオマス噴流床ガス化炉8の円柱状炉本体は、垂直方向に配置されると共に、ノズル6の形状を備えて炉本体下側部分に配置される燃料入口と、炉本体上部に配置される合成ガス出口9と、炉本体底部に配置されるスラグ出口10を含む。燃料前処理システムは炉本体外側に配置されると共に、燃料粉砕装置1と、燃料粉砕装置1の下流に配置される篩装置2と、篩装置の下流に横並びに配置され、粒径適合燃料を受け入れる粒径適合燃料容器3および粒径不適合燃料を受け入れる粒径不適合燃料容器4と、粒径適合燃料容器の下流に配置される炉前室5を含む。炉前室5の底部はノズル6を介して炉本体と連結される。1層または2層のマイクロ波プラズマ発生装置7は、プラズマ反応領域を拡大させるように、炉本体のガス化領域に配置されており、マイクロ波プラズマ発生装置7が1層の場合、マイクロ波プラズマ発生装置7は2〜4個の作用ガス入口11を含み、マイクロ波プラズマ発生装置7が2層の場合、マイクロ波プラズマ発生装置の各層は互いに平行に配置され、各層は2〜4個の作用ガス入口11を含む図2では3個)。ガス化炉の炉本体は円柱状であり、或いは円錐形と円柱形の組み合わせである。
【0031】
マイクロ波プラズマ発生装置の位置決めは、バイオマス燃料のガス化に大きく影響する。本実施例では、マイクロ波プラズマ発生装置7は炉本体に水平方向かつ接線方向に配置される。従って、ガス流は、プラズマ雰囲気中でのバイオマス粒子の溶融滞留時間を伸ばすように、十分な擾乱が与えられる。
【0032】
監視ユニット12は炉本体の上部において、合成ガス出口9付近に配置されて、合成ガスの温度と成分を監視することにより、酸素流量、蒸気流量、およびマイクロ波出力を調整して、工程パラメータを所定範囲内に維持する。
【0033】
ノズル6は炉本体に沿って放射状に配置されており、その数は2〜4個である。必要に応じて、ノズルの数は増やし、或いは減らしてもよい。
【0034】
マイクロ波プラズマ発生装置は、電極ギャップが大きく、プラズマ活性が高く、体積範囲が広い。
【0035】
マイクロ波プラズマ発生装置のマイクロ波電源は基本周波数が2.45GHzであり、単一のマイクロ波プラズマ発生装置の出力は200kW以内である。
【0036】
噴流床ガス化炉8を使用するバイオマスガス化方法は以下の工程を含む。
【0037】
1)燃料粉砕装置1および篩装置2を使用してバイオマス燃料を粉砕し篩い、粒径適合燃料粒子を生成する工程。
【0038】
即ち、バイオマス燃料は、適当な粒径を有するように、燃料前処理システムの燃料粉砕装置1により粉砕される。バイオマス燃料の粒径は、ガス化工程の経済性に影響を及ぼす重要な要素の一つである。粒径が大きいと、炭素変換率が低く、また冷ガス効率が低くなる。要求される粒径が小さいほど、破砕機の摩耗が大きくなり、またエネルギ消費も大きくなり、経済性が悪い。粉砕されたバイオマス燃料は篩装置2に送られる。篩いを行うことにより、粒径適合燃料粒子は粒径適合燃料容器3により受け入れられると共に、粒径が大きい燃料粒子は先ず粒径不適合燃料容器4により受け入れられ、次に燃料粉砕装置1に戻されて粒径要件を満たすまで再度粉砕される。一例としてもみ殻を挙げると、もみ殻の粒子寸法は、長さが7〜10mm、幅が2mmである。もみ殻は直ちに利用が可能となるべく粒径が1〜5mmとなるように粗砕される必要がある。小枝や麦わらは元の粒子寸法が大きく、最初にディスク形またはドラム形の破砕機により粒径が50〜100となるように破砕され、次にハンマーミルにより粒径が1〜5mmとなるように破砕されてよい。
【0039】
2)マイクロ波プラズマ作用ガスを作用ガス入口11からマイクロ波プラズマ発生装置7へ導入に、作用ガスを励起して高温、高電離度、且つ高活性のプラズマを生成し、プラズマをガス化炉8へ噴霧する工程。
【0040】
即ち、マイクロ波プラズマ発生装置7の始動は、ガス化炉ノズル6の始動よりも2〜3秒早い。マイクロ波プラズマ作用ガスは補助酸化剤を含み、マイクロ波プラズマ作用ガス入口11からマイクロ波プラズマ発生装置7へ導入され、励起されて、高温、高電離度、且つ高活性のプラズマを生成し、このプラズマは更にガス化炉8へ噴霧される。
【0041】
3)燃料粒子をノズル6からガス化炉8へ噴霧すると同時に、酸素、蒸気、またはその組合せを含む酸化剤を酸素又は蒸気入口13からノズル6を介してガス化炉へ噴霧することにより、高温且つ迅速な熱化学反応が、高活性プラズマ存在下において燃料粒子に、多量のCOおよびH2と、少量のCO2、CH4、H2S、COSを含む合成ガスを生成する工程。
【0042】
即ち、粒径適合燃料粒子は粒径適合容器3から炉前室5へ送られる。その後、燃料粒子は炉前室の底部から炉本体のノズル6へ、ガス化剤の助けを伴い送られ、次にノズル6からガス化炉に流入する。同時に酸素、蒸気、またはその組合せを含む酸化剤が酸素又は蒸気入口13からガス化炉へ噴霧されることにより、高温ガス化方法が行われ、ガス化炉内で燃料が瞬間に着火して、部分的な酸化還元反応と高温ガス化反応が燃料粒子に生じ、多量のCOおよびH2と、少量のCO2、CH4、H2S、COSを含む合成ガスが生成される。
【0043】
合成ガスは上方に、マイクロ波プラズマ発生装置のガス化領域へ流れ、水平方向かつ接線方向に噴霧される高温、高電離度、高活性のプラズマガスと混ざり、1200〜1800℃の温度で高温熱化学ガス化反応が生じ、中心領域の温度は1800〜2000℃であり、合成ガスのガス化領域滞留時間は1〜10秒であり、マイクロ波プラズマ発生装置の出力は、反応を完全に進めさせるように制御される。合成ガスは最終的に、ガス化炉上部に配置される合成ガス出口9から回収される。合成ガスのCOとH2の体積含有率は85%を超える。合成ガスはタールやフェノール化合物を含まない。スラグ出口10から排出された液体スラグは無公害となるように冷却され、断熱材料として使用してもよい。蒸気は高温合成ガスの再利用から生じる。
【0044】
4)合成ガスの温度および成分を監視し、酸素流量、蒸気流量、およびマイクロ波出力を調整して、工程パラメータを所定範囲内に維持し、出口温度が900〜1200℃の合成ガスを炉本体上部にある合成ガス出口9から回収し、同時に液体スラグをスラグ出口10から排出させる工程。
【0045】
工程1において、燃料粒子の粒径は5mm以下、とりわけ約2mmである。
【0046】
工程2および3において、マイクロ波プラズマ作用ガスおよびキャリアガスは空気、または酸素、または蒸気、あるいはその組み合わせであり、蒸気は高温合成ガスの顕熱の再利用から生じる。
【0047】
最適な作用条件を達成すると共に、ガス化性能要件全体を満たすために重要なことは、噴流床の温度を制御することと、酸素流量、蒸気流量、およびマイクロ波出力を調整することである。合成ガス出口付近に配置される監視ユニットは、上記のパラメータをリアルタイムで監視するので、ガス化工程を一連で、且つ完全自動化で制御すると共に、ガス化炉の作動安定性を維持する。
【0048】
本発明の特定の実施形態について図示および説明してきたが、当該技術分野に属する者には、本発明の広範な態様から逸脱することなく、変更や変形を行い得ることは明白であり、従って、添付の請求の範囲の目的は、このような変更や変形全てを本発明の真の趣旨や範囲に入るものとして含むことである。
【符号の説明】
【0049】
1 燃料粉砕装置
2 篩装置
3 粒径適合燃料を受け入れる粒径適合燃料容器
4 粒径不適合燃料用粒径不適合燃料容器
5 炉前室
6 ノズル
7 マイクロ波プラズマ発生装置
8 ガス化炉
9 合成ガス出口
10 スラグ出口
11 マイクロ波プラズマ作用ガス入口
12 監視ユニット
13 酸素又は蒸気入口
図1
図2