(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207527
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】フットドアオープナ、ドア並びに使用
(51)【国際特許分類】
E05F 13/02 20060101AFI20170925BHJP
E05B 53/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
E05F13/02
E05B53/00 Z
【請求項の数】17
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-555125(P2014-555125)
(86)(22)【出願日】2013年2月1日
(65)【公表番号】特表2015-509153(P2015-509153A)
(43)【公表日】2015年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2013000317
(87)【国際公開番号】WO2013113511
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2016年1月22日
(31)【優先権主張番号】102012001845.2
(32)【優先日】2012年2月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513046881
【氏名又は名称】メティバ フェアヴァルトゥングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Metiba Verwaltungs GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ クライン
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−079779(JP,U)
【文献】
米国特許第02741504(US,A)
【文献】
国際公開第2012/025230(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00 − 13/04
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの下側域に配置された/配置可能な、ドアを開放するためのフットアクチュエータ要素を備えるフットドアオープナであって、該フットアクチュエータ要素は、少なくとも1つのフット面要素(1)を備え、該フット面要素(1)は、足による操作時に少なくとも部分的に下向きかつ内向きに回動し、前記フット面要素(1)は、少なくとも強制案内要素(ZF)によっても、かつ少なくとも1つの強制案内走行要素(2)によって強制案内される、フットドアオープナにおいて、
前記フット面要素(1)は、回動アーム要素(3)に回動可能に結合されていて、かつ前記強制案内走行要素(2)に回動可能に結合されており、足による操作時に、前記フット面要素(1)は、下向きの運動を行うだけでなく、全体として少なくとも部分的に外方へ移動させられることを特徴とする、フットドアオープナ。
【請求項2】
前記回動アーム要素(3)は、ロッド状に形成されている、請求項1記載のフットドアオープナ。
【請求項3】
前記強制案内走行要素(2)は、当該フットドアオープナの枠部(4)に枢着されている、請求項1又は2記載のフットドアオープナ。
【請求項4】
前記強制案内走行要素(2)は、面状部材として構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のフットドアオープナ。
【請求項5】
前記強制案内走行要素(2)は、枠部材料成形部(21)に合致する少なくとも1つの材料成形部(20)を備える、請求項4記載のフットドアオープナ。
【請求項6】
前記強制案内走行要素(2)は、前記フット面要素(1)の、該フット面要素(1)の静止位置に関して上側の端部を収容するための収容要素(22)を備える、請求項4又は5記載のフットドアオープナ。
【請求項7】
前記強制案内要素(ZF)は、円弧または円形の強制案内延伸軌道を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載のフットドアオープナ。
【請求項8】
当該フットドアオープナは、前記フット面要素(1)の移動性が少なくとも1つのストッパ要素(5)により制限されるように、構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のフットドアオープナ。
【請求項9】
前記ストッパ要素(5)は、前記回動アーム要素(3)に配置されている、請求項8記載のフットドアオープナ。
【請求項10】
前記フット面要素(1)は、別の強制案内走行要素(6)を備える、請求項1から9までのいずれか1項記載のフットドアオープナ。
【請求項11】
力要素(9)が、前記フット面要素(1)に間接又は直接に作用して、使用者の足による抵抗がない場合に前記フット面要素(1)が静止位置に引っ張られるようになっている、請求項1から10までのいずれか1項記載のフットドアオープナ。
【請求項12】
前記フット面要素(1)の、前記力要素(9)の戻し力に起因する運動が、減衰要素(10)により減衰される、請求項11記載のフットドアオープナ。
【請求項13】
当該フットドアオープナは、足による操作時に、前記フット面要素(1)の戻りを阻止するロック機構(V)が作動させられるように、構成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のフットドアオープナ。
【請求項14】
ドア板とドア枠とが相対する場合に前記ロック機構(V)が解除される、請求項13記載のフットドアオープナ。
【請求項15】
前記ロック解除は、磁気的な力又は機械的な力により行われる、請求項14記載のフットドアオープナ。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載のフットドアオープナを備えるドア。
【請求項17】
ドアに組み込むための、請求項1から15までのいずれか1項記載のフットドアオープナの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットドアオープナ、ドア並びに使用に関する。
【0002】
独国特許出願公開第10113865号明細書には、特に水回り範囲におけるドアを開放する装置が開示されている。この装置では、ドアに、足で操作するために用いられる操作機構が設けられている。操作機構は、ドアから突出するロッドとして構成されている。
【0003】
欧州特許公開第1048811号明細書には、特に、ドアの横に配置されたフットスイッチを備えて構成されたドア開放システムが開示されている。このドア開放システムでは、アクチュエータロッドが、直接にドア開放機構に作用する。
【0004】
国際公開第02/31297号パンフレットには、ドア開放機構が開示されている。このドア開放機構は、足で踏むことによる並進運動を、ドア開放機構に直接に作用する構造体の回動運動に変換する。
【0005】
米国特許第5193863号明細書及び米国特許第4569546号明細書には、フットドアオープナが開示されている。このフットドアオープナは、フラップ式にドアに配置されているので、プレート状の又は回動可能な足踏み要素を足で踏むことによる操作により、アクエータロッドが並進運動を行い、これにより、ドアの開放機構に対する作用により、次いでドアを開放することができる。
【0006】
米国特許公開第4621848号明細書には、フットドアオープナが開示されている。このフットドアオープナでは、使用者が、ペダル状でドアから突出するフット要素を操作できるので、上方から下方への並進運動により直接にアクチュエータロッドを介してドアの開放機構に作用して、ドアを開放することができる。
【0007】
独国特許出願公開第102010035554号明細書には、フットドアオープナが開示されている。このフットドアオープナは、ドアの下側の域に配置された、ドアを開放するフットアクチュエータ要素を備える。このフットドアオープナでは、フットアクチュエータ要素は、上側のフット面要素と下側のフット面要素とを備える。上側のフット面要素及び下側のフット面要素は、互いに枢着式に結合されていて、足による操作時に、少なくとも部分的にドアの内側に回動させられる。
【0008】
背景技術において公知のこれらのフットドア開放装置では、最後に記載のものを除いて、共通して、フットドア開放装置は、一方では比較的粗くて細かく配分されない、足によるドアの開放しか可能でなく、更に、一部で嵩高な幾何学形状に基づいて、操作時に、ある程度の怪我の可能性を伴う。最後に記載の装置では、これらの問題は、大部分で解消されているが、しかし、実地において、更に細かく配分されたドアの開放の可能性が所望されることが判った。
【0009】
従って、本発明の課題は、前述の欠点を少なくとも部分的に回避することである。
【0010】
本発明の根底を成すこの課題は、請求項1に記載の本発明に係るフットドアオープナ、請求項16に記載のドア並びに請求項17に記載の使用により解決される。
【0011】
本発明に係るフットドアオープナは、ドアの下側域に配置された/配置可能な、ドアを開放するためのフットアクチュエータ要素を備え、フットアクチュエータ要素は、例えば特に軽く凸状に膨らんだプレート状に構成された少なくとも1つのフット面要素を備え、フット面要素は、足による操作時に、つまり足をフット面要素に載せて力を加える際に、少なくとも部分的に下向きかつ内向きに回動し、フット面要素は、少なくとも、例えば及び特にアーチ形の材料突出部の構成をした強制案内要素によっても、かつ例えば及び特に面状部材として構成された、例えば特に三角形に構成された、フットオープナの枠部に枢着された少なくとも1つの強制案内走行要素によって強制案内される。フット面要素は、例えば及び特にロッド状要素の構成をした回動アーム要素に回動可能に結合されていて、かつ強制案内走行要素に回動可能に結合されており、足による操作時に、フット面要素は、下方への移動を行うだけでなく、全体として、つまりフット面要素全体が、部分的に外方へ移動させられる。
【0012】
このようにして少なくとも部分的にフット面要素の回動運動と並進的な移動との同期化が行われ、これにより、外方への並進的な移動により、フット面要素のより大きな足置きが使用者に提供され、従ってより軽い操作が可能になる。
【0013】
実際に、回動アーム要素がロッド状に形成されていると、好適であることが判った。これにより、このようにして外方への特に高い並進運動が可能になる。
【0014】
更に、強制案内走行要素がフットドアオープナの枠部に枢着されていると、好適である。これにより、このようにして強制案内要素の延伸軌道に沿った、生じる可能性がある摩擦力をできるだけ小さく抑えることができる。
【0015】
この関連において、更に、強制案内走行要素が面状部材、例えば及び特に三角形に構成されていると、好適である。これにより、例えば、強制案内要素に沿った広い延伸軌道にわたって、強制案内要素は、1点より大きな箇所で、強制案内走行要素との接触を有し、これにより、このようにして特に確実な強制案内が可能になる。
【0016】
更に、強制案内走行要素が枠部材料成形部に合致する、例えば及び特に蛇行状の少なくとも1つの材料成形部を備えると、好適である。これにより、フット面要素の静止位置に関して、又、フット面要素が完全に踏み込まれた状態で、各材料成形部は相互に合致し、このようにしてフットドアオープナの機構の追加的な安定化が可能になる。
【0017】
更に、強制案内走行要素が、フット面要素の、フット面要素の静止位置に関して上側の端部を収容するための、例えば及び特に丸形溝の構成をした収容要素を備えると、好適である。これにより、場合によっては下側のフット面要素の踏み込まれた終端位置の到達前にも相応の追加的で機械的な安定化が提供される。
【0018】
更に、強制案内要素が円弧から円形の強制案内延伸軌道を有すると、好適である。これにより、強制案内要素の延伸軌道に沿った可及的均等な移動が実現される。
【0019】
更に、本発明に係るフットドアオープナが、フット面要素の移動性、つまり同時の回動及び並進が例えば及び特に緩衝ゴムの構成をした少なくとも1つのストッパ要素により制限されるように、構成されていると、好適である。この場合、ストッパ要素が回動アーム要素に配置されていると、特に好適である。これにより、ストッパ要素の相応の寸法設定及び別のパラメータにおいて、使用者にとって確実で快適なストッパが提供される。
【0020】
更に、フット面要素が例えば及び特にフット面要素の下側に別の強制案内走行要素を備えると、好適である。これにより、作動時にフット面要素の更に良好な移動が可能である。
【0021】
更に、例えば及び特にばね要素の構成をした力要素が、フット面要素に間接又は直接に作用して、使用者の足による抵抗がない場合にフット面要素が静止位置に引っ張られるようになっていると、好適である。これにより、ドアが閉まった後で直ちにドアを開放するためにフットドアオープナを相応に再び操作することができる。
【0022】
これに関して、フット面要素の、力要素の戻し力に起因する移動が、例えば油圧ブレーキシリンダの構成をした減衰要素により減衰されると、好適である。なぜならば、通常、力要素がフット面要素を制動せずにその静止位置に引っ張ることが回避されるからである。制動せずに引っ張ると、この場合、フット面要素が相応のストッパに乗り上げるので、大抵、高い騒音レベルにつながる。
【0023】
更に、本発明に係るフットドアオープナが、足による操作時に、フット面要素の戻りを阻止する、例えば及び特にいわゆるセミトレーラ機構の構成をしたロック機構が作動させられるように、構成されていると、好適である。これにより、先ず第1にフット面要素の静止位置への制御されない移動が阻止される。
【0024】
更に、本発明に係るフットドアオープナが、ドア板とドア枠とが相対する場合に例えば及び特に磁気的な力又は機械的な力によりロック機構が解除されるように、構成されていると、好適である。これにより、このようにしてドアのラッチが衝突することなく、ドアは極めて静かに閉められる。
【0025】
本発明を、以下の図面に基づいて記載する。本発明は、以下の説明に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係るフットドアオープナの第1の態様の概略横断面図である。
【
図3】本発明に係るフットドアオープナの第2の態様の概略断面図である。
【
図4】別の詳細部分と共に
図2に示された態様の概略横断面図である。
【0027】
図1において概略横断面図で第1の態様が看取される。第1の態様では、フット面要素1が、ヒンジ(ジョイント)D2を介して、強制案内走行要素2に枢着されている。同時に、フット面要素1は、ヒンジD4を介して、回動アーム要素3に枢着されている。従って、足による操作時に、回動アーム要素3の右回転と共にフット面要素1は、下向きと同時に外向きにも回動し、更に並進運動も行うように移動させられる。この移動は、極めて厳密にコントロールされて確実に行われる。なぜならば、強制案内走行要素2が強制案内要素ZFの成形輪郭に沿って移動するからである。その際、強制案内走行要素2がヒンジD1で枠部4に枢着されていることにより、強制案内走行要素2は、下向きに回動させられ、従って、ヒンジD2及びヒンジD3を介して、強制案内要素ZFの成形輪郭延伸軌道に沿って移動する。その際、第2の上側のフット面要素7(第2の上側のフット面要素7はヒンジD2を介してフット面要素1に枢着式に結合されている)は、スライドリンク要素15のスライド延伸軌道内で、下方へ送られる。この場合、ワイヤ8の引き下げによりドアロック解放力が形成される(ドアロックは図示されていない)。ワイヤ8は、ドアロック(図示されていない)に結合されていて、ドアロックを解放する。ワイヤ8は、ヒンジD2に取り付けられている。このようにして、フットドアオープナの確実で快適な操作が可能である。
【0028】
上述のアセンブリは、
図2において概略的に看取される。
【0029】
図3に示された態様では、フット面要素1は、第2の強制案内走行要素6を備える。第2の強制案内走行要素6は、強制案内要素ZFの成形輪郭に沿ったフット面要素1だけでなく強制案内走行要素2の更にコントロールされたより確実な運動をもたらす。同時に第2の強制案内走行要素6は、フット面要素1の踏込み時にゴム状のストッパ要素5に乗り上げ、従って当接し、フット面要素1の移動性、つまり回動運動も並進運動も制限する。
【0030】
両フット面要素(上側のフット面要素7及び下側のフット面要素1)は、ヒンジD5を介して、相互に枢着式に結合されている。枠部4の材料隆起部21は、強制案内走行要素2の材料凹み部20に合致するので、フット面要素1の静止位置でもフット面要素1の踏み込まれた位置でも、それぞれ本発明に係るフットドアオープナの機構の追加的で機械的な安定化が実現されている。この場合、好適には、ヒンジD1は、ほぼ「骨の関節」として構成されている。このヒンジD1は、先ず第1に抜け落ちが阻止されるように働く。この場合、強制案内要素ZFにおける強制案内走行要素2の大面積の接触により、ヒンジD1の大幅な負荷軽減が行われる。フット面要素1は、ヒンジD4を介して、回動アーム要素3に枢着式に結合されている。
【0031】
図4には、正面からみた
図1及び
図2の第1の態様が看取される。特に、ワイヤ8は、複数の変向ローラ11を介して、ばね要素の構成をした力要素9に結合されている。力要素9は、持続的な力を上向きにフット面要素1に提供する。ばね要素9は、その力作用が、ダンパ要素10としての油圧ダンパにより減衰されるので、静止位置への両フット面要素1,7の移動は減速され、かつ減衰されて行われる。その際、フット面要素1は、上向きで内向きに引っ張られる。セミトレーラ機構の構成をしたロック機構Vにより、フット操作(つまりフット面要素1の下向きの踏込み)の特定の度合いから、フット面要素1,7の戻りが阻止される。
【0032】
ドアがほぼ閉まると、ドア板とドア枠とが相対するので、この場合、磁石要素14(磁石要素14はそれ自体が磁石又は強磁性化された材料であってよい)が、対向して配置された磁石(図示されていない)により引き付けられ、これにより、ロックVは、ロッド13及びレバー12を介して解除される。従って、ドアのラッチが閉められ、同時に両フット面要素1,7が減衰されてゆっくりとその静止位置に移動させられる。
【0033】
全図の説明は、本発明に係るフットドアオープナの、ドアへの組込状態で両側からのドアの開放を可能にする2重の態様に関するものである。