(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207543
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】遠心解放式クラッチを含むフライホイールモジュール及び同フライホイールモジュールを含む駆動装置
(51)【国際特許分類】
F16H 33/02 20060101AFI20170925BHJP
F16H 35/00 20060101ALI20170925BHJP
F16D 43/04 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
F16H33/02 A
F16H35/00 H
F16D43/04
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-84271(P2015-84271)
(22)【出願日】2015年4月16日
(62)【分割の表示】特願2012-539840(P2012-539840)の分割
【原出願日】2010年11月19日
(65)【公開番号】特開2015-155758(P2015-155758A)
(43)【公開日】2015年8月27日
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】2003827
(32)【優先日】2009年11月19日
(33)【優先権主張国】NL
(31)【優先権主張番号】2005471
(32)【優先日】2010年10月6日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】507130624
【氏名又は名称】ディーティーアイ グループ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドルーテン,ルール,マリー
(72)【発明者】
【氏名】セラーレンス,アレクサンデル,フランシスカス,アニータ
(72)【発明者】
【氏名】フルーメン,バス ヘラルド
【審査官】
瀬川 裕
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−511681(JP,A)
【文献】
特開昭57−201723(JP,A)
【文献】
特開昭60−004425(JP,A)
【文献】
特開平11−206042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 33/02
F16D 43/04
F16H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源とトランスミッションと前記トランスミッションに前記駆動源を接続する駆動ラインとを有する駆動装置に接続することができる出力、少なくとも1つのフライホイール、及び前記出力と前記フライホイールとの間に存在するクラッチを有するフライホイールモジュールであって、
前記クラッチは、遠心解放式クラッチであり、ある速度を越えると解放し、
前記フライホイールモジュールは、前記フライホイールを収容するハウジングを含み、前記フライホイールが固定されるシャフトは、前記ハウジングに対してシールされ、前記ハウジング内に負圧が存在し、
前記フライホイールモジュールは、前記遠心解放式クラッチと前記フライホイールとの間の存在し、前記フライホイールモジュール内に収容される第1のクラッチを含む、
フライホイールモジュール。
【請求項2】
前記遠心解放式クラッチは、少なくとも1つの摩擦面にそれぞれ設けられる2つのクラッチ部品を含み、前記摩擦面のそれぞれは連携して働き、前記遠心解放式クラッチは、前記クラッチ部品の一方と共に回転する遠心解放式クラッチのハウジングであって、他方の前記クラッチ部品から解放される遠心解放式クラッチのハウジングを含む、請求項1に記載のフライホイールモジュール。
【請求項3】
前記フライホイールモジュールは、前記遠心解放式クラッチと前記フライホイールとの間にフライホイールモジュールのトランスミッションを含む、請求項1又は2に記載のフライホイールモジュール。
【請求項4】
前記フライホイールモジュールのトランスミッションは、前記フライホイールモジュール内に収容される、請求項3に記載のフライホイールモジュール。
【請求項5】
前記遠心解放式クラッチは、前記フライホイールモジュール内に存在する、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のフライホイールモジュールを含み、
前記フライホイールモジュールの出力は、前記駆動源又は前記駆動ラインに接続される、駆動装置。
【請求項7】
前記出力と前記遠心解放式クラッチとの間に第2のフライホイールモジュールのトランスミッションが存在する、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記出力と前記駆動源との間に第2のクラッチが存在する、請求項6又は7に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのフライホイールと出力と含み、駆動ラインに接続することができるフライホイールモジュールに関する。出力は、例えば、フライホイールが固定されるシャフトである。
【背景技術】
【0002】
この種のフライホイールモジュールは一般的に知られている。フライホイールモジュールに適用するとき、安全性のため、フライホイールが高すぎる速度で回転し始めないことに注意が払われなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、冒頭の段落で定義する種のフライホイールモジュールであって、安全性が確保されたフライホイールモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明によるフライホイールモジュールは、遠心解放式クラッチは、出力とフライホイールとの間に設けられ、ある速度を越えると解放することを特徴とする。これにより、フライホイールが破壊する可能性が高いフライホイールが最大速度を越えて回転上昇することが防止される。
【0005】
遠心解放式クラッチは、好ましくは、少なくとも1つの摩擦面にそれぞれ設けられる2つのクラッチ部品を含み、摩擦面のそれぞれは連携して働き、遠心解放式クラッチは、クラッチ部品の一方と共に回転するハウジングであって、他方のクラッチ部品から解放されるハウジングを含む。
【0006】
本発明のフライホイールモジュールの一実施例では、フライホイールモジュールは、フライホイールを収容するハウジングを含み、フライホイールが固定されるシャフトは、ハウジングに対してシールされ、ハウジング内に負圧が存在する。ハウジング内の負圧は、好ましくは、50ミリバール以上である。これは、空気抵抗損失を提言し、フライホイールを回転上昇させ、正規の速度で維持するために必要なエネルギを低減する。
【0007】
エネルギが必要とされない場合に回転上昇したフライホイールを可能な限り低速に回転低下させるため、本発明によるフライホイールモジュールの更なる実施例は、遠心解放式クラッチとフライホイールとの間の存在するクラッチを含むことを特徴とする。クラッチは、好ましくは、ハウジング内に設けられ、従って、フライホイールが解放されたとき、シール位置での摩擦損失は、フライホイールに影響しない。
【0008】
本発明によるフライホイールモジュールの更なる実施例は、フライホイールモジュールは、遠心解放式クラッチとフライホイールとの間にトランスミッションを含むことを特徴とする。これにより、フライホイールは、外部の駆動源により、より高い速度まで回転上昇されることができる。
【0009】
トランスミッションは、好ましくは、ハウジング内に存在し、従って、空気抵抗からの影響が低減される。さらに、遠心解放式クラッチは、好ましくは、空気抵抗の低減のためにフライホイールハウジング内に存在する。
【0010】
本発明は、また、出力シャフトを備える駆動源と、本発明によるフライホイールモジュールとを含む駆動装置であって、フライホイールモジュールの出力は、駆動源の出力シャフトに接続される、駆動装置に関する。駆動源は、例えばエンジンにより形成される。
【0011】
出力と駆動源との間には、好ましくは、第2のトランスミッション及び/又は第2のクラッチが存在する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明によるフライホイールモジュールの一実施例の概略図。
【
図2】本発明によるフライホイールモジュールの第2実施例を含む駆動装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示された本発明によるフライホイールモジュール及び駆動装置の実施例を参照して、本発明の詳細な説明を更に行う。
【0014】
図1は、本発明によるフライホイールモジュールの一実施例を概略図で示す。フライホイールモジュール1は、開口を備える閉じたハウジング3と、開口を通って外方に延在する出力シャフト6により形成される出力5とを有する。シーリングリング7は、出力シャフトと開口の境界壁との間に存在する。フライホイール9は、ハウジング3内に存在し、フライホイール9は、トランスミッション13の第1ギアにクラッチ11を介して接続され、トランスミッション13の他のギアは、遠心解放式クラッチ15の第1部15Aに接続され、遠心解放式クラッチ15の他の部15Bは出力シャフト6に接続される。
【0015】
図2は、本発明によるフライホイールモジュールの第2実施例を含む駆動装置17を概略図で示す。駆動装置17は、駆動源19を含み、駆動源19は、第2クラッチ21を介して、フライホイールモジュール23に接続されると共に、トランスミッション25のインプットシャフトに接続される。このトランスミッションは、更に、車両の車輪27に接続される出力シャフトを含む。
【0016】
フライホイールモジュール23は、トランスミッション33にクラッチ31を介して接続されるフライホイール29を有し、トランスミッション33は、遠心解放式クラッチ35に接続される。この遠心解放式クラッチは、出力39に接続される第2トランスミッション37に接続される。フライホイール29は、開口を有する閉じたハウジング41内に存在し、開口を通って、シャフト43が延在し、シャフト43にはフライホイール29が固定される。シール45は、シャフト43とハウジング41の間に存在する。ハウジング内には負圧が存在する。
【0017】
図3は、
図1及び
図2に示すフライホイールモジュールで使用されてもよい遠心解放式クラッチの第1実施例を示す。遠心解放式クラッチ47は、それぞれ摩擦面を備える2つのクラッチ部品47A,47Bを含み、解放式クラッチが閉じているときに当該摩擦面を介してトルクが伝達される。クラッチ部品47Bは、フライホイールの側に存在し、クラッチ部品47Aは、駆動ラインの側に存在する。
【0018】
遠心解放式クラッチは、クラッチ部品47Aと共に回転するハウジング49であって、回転ベアリング50の存在により他のクラッチ部品47Bから解放されるハウジング49を含む。遠心解放式クラッチ47は、スプリング51,53によりクラッチ部品に付与される予張力により閉じられる。
【0019】
速度が上昇すると、遠心力の結果、ボール55は、クラッチ部品47A及びハウジング49を互いに向かう方に押す。その結果、スプリング53は、位置境界57を満たす。その結果、スプリング53は、もはやクラッチ部品47Bに力を負荷できず、従って、摩擦面状のスラスト力が消える。クラッチは解放状態となる。
【0020】
スプリング51及び53は、僅かに予張力をもってハウジング49内に配置される。その結果、位置境界57の遊びが使い果たされたときも摩擦面上の正規の力は変化しない。しかしながら、遊びが完全に使い果たされると、正規の力は急激に低下する。
【0021】
この構造の利点は、クラッチの開から閉又はその逆の遷移が非常に突然生じ、従って、スリップ時間が非常に短いことである。これは、クラッチの磨耗や過熱に対して効果的であり、結果としてこれらが最小化される。
【0022】
図4は、遠心解放式クラッチ59の第2実施例を示す。第1クラッチ部品は、ここでは、第2クラッチ部品59Bと摩擦接触する2つの部品59A1,59A2を含む。ハウジング61は、部品59A1,59A2と共に回転し、摩擦力によりクラッチ部品59Bから解放される。部品59A1,59A2は、ベアリング61と同様、遠心力により外方に押されるボール63により共に押される。これにより、遠心解放式クラッチは、非常に小さい回転窓内で解放及び係合させられる。この回転窓は、遠心力の大きさや位置境界の遊びにより調整することができる。このようにして、フライホイールの過回転を防止でき、これにより、システムの安全性が保証される。
【0023】
本発明は、図面を参照して上述されているが、本発明は、如何なる態様であれ図面に示される実施例に限定されるべきでない。本発明は、また、請求項により定義された精神及び範囲内で図面に示された実施例から逸脱する全ての実施例までカバーする。