(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
単一フレームの受信された画像データが変換され、投影画像は、伝送画像処理角度の知識を用いて作成される。変換された投影画像は、その後、重みを生成するために利用される。伝送角度方向および対応する変換投影画像の知識は、ステアリングされた空間合成画像の重みの決定に役立てるために利用される。重みは、元の受信された画像データを補償するために利用される。其々の投影画像を利用して元の画像に重みづけすることによって、陰影が抑制されるので、このアプローチは、陰影抑制用の画像の登録を必要としない。陰影低減の重みは、フレーム毎のステアリングされた合成に基づいて作成される。
【0011】
図1は、超音波イメージングにおける陰影抑制のための方法の一実施形態を示す。ステアリングされた空間合成の文脈において実施形態が以下に記述される。他の実施形態においては、陰影抑制は、Bモードイメージングなどの、単一または複数フレームイメージング様式に対して提供される。
【0012】
方法は、
図10のシステムまたは異なるシステムによって実施される。臨床診断超音波イメージングシステムは、異なるステアリング角度で患者をスキャンするための変換器およびビーム形成器と、データのフレームに対するデータを検出するための検出器(例えば、Bモード検出器)と、陰影を低減し、データの構成フレームをデータの合成フレームに合成するためのプロセッサと、データの合成フレームから作成された画像を表示するためのディスプレイとを利用して、方法を実施してもよい。構成フレームを受信し、陰影を低減された合成フレームを出力するためのコンピュータなどの他のシステムが利用されてもよい。
【0013】
方法は、示された順序またはこれとは異なる順序で実施される。追加動作、異なる動作またはより少ない動作が提供されてもよい。例えば、動作56は、動作54の投影自体がカーネルの重みを提供する場合には実施されない。別の例として、動作62は、実施されない。さらに別の例においては、検出およびスキャン変換などのさらなる処理が提供される。
【0014】
動作50において、データの構成フレームが変換器を利用して超音波で取得される。データの構成フレームは、異なる空間応答を有する。データの構成フレームは、電気的にステアリングされるか、機械的にステアリングされるか、または変換器の空間的な位置決めによってステアリングされる。データのステアリングされた構成フレームの各々、または複数のステアリングされた構成フレームは、異なるステアリング角度で取得される。例えば、
図2は、3つの異なるステアリング角度(各フレーム70、72、74に対する光線を参照)に応じて取得されたデータの3つの電子的にステアリングされたフレーム70、72および74を示すか、または、異なるステアリング角度における一つ以上の走査線でのスキャンパターンを示す。データの各構成フレームは、意図的なウォブリング(wobbling)あり、または意図的なウォブリングなしで、同一位置に変換器を維持することなどによって、対象物の実質的に同一程度の空間領域に広がる。データの各構成フレームにおけるスキャンされた領域のうちの約90%または大部分が、他の構成フレームのスキャンされた領域と重複する(破線の長方形部分を参照)。
【0015】
データの構成フレームのうちの一つは、スキャンされた領域における少なくとも一つの位置に関連して、データの構成フレームのうちの他のものとは異なる少なくとも一つの走査線角度に応じたものである。患者の少なくとも幾つかの位置に対して、互いに異なる構成フレームからの交差する走査線は、これらの構成フレームのうちの少なくとも二つに対して異なる角度にある。異なる方向から位置に超音波を当てることによって、異なる空間応答を提供する。
【0016】
別の実施形態においては、変換器は、表示イメージングの拡張フィールドに関連して、データの連続的フレームの取得中に動かされる。非線形スキャンパターンが使用される場合、変換器は、動かされるのと同様に回転され、または複数の変換器が対象画像を取得するために空間的に位置決めされる場合、データの異なる構成フレームが異なる角度からの重複領域を表し、異なる空間応答を提供する。重複領域に対するデータを組み合わせることによって、ステアリングされた合成が提供される。
【0017】
同一または異なる領域を表すデータの二つ以上のフレームが取得される。例えば、データの3つの構成フレームの走査線は、異なる領域またはスキャン形状に各々関連付けられる。走査線は、線形、曲線形、セクタカーブセクタ、Vector(登録商標)、curved Vector(登録商標)およびその組み合わせなどの、任意のフォーマットで取得されてもよい。例えば、線形変換器で取得された走査線は、其々、3つのデータの構成フレームに対する線形、ほぼ長方形、または平行四辺形スキャンフォーマットで、3つの異なる角度(例えば、+/−10度および垂直)でステアリングされる。
【0018】
データの一構成フレームに対して、走査線は変換器上の異なる位置において生じるが、二つ以上の走査線が同一位置から生じてもよい。線形フォーマットを利用して、走査線は平行で、変換器上の原点を有する走査線の交点に対して同一方向にある。各構成フレームの走査線の大半は、同一方向に向かう。別の例として、セクタまたはVector(登録商標)フォーマットに対しては、変換器14の面からの異なる角度が、変換器14上または変換器14背後のスキャン頂点位置によって提供される。変換器表面に沿った走査線密度は、均一であるか、走査線位置の関数として変化するかのいずれかである。走査線密度は、異なる均一な密度を有するか、密度の変化による相違を有するなどの、データの別のフレームと比較するとデータの一フレームに対して異なっていてもよい。結果として空間的多様性を生じるような単一スキャンまたはスキャン間の走査線の原点または角度におけるフォーマットの種々の組み合わせまたは変化が使用されてもよい。
【0019】
データの各構成フレームは、異なるステアリング角度または空間応答に対応する。例えば、走査線の大部分は、データの一構成フレームに対して変換器から10度左側など、第一の方向に延びる。走査線の大半は、データの別の構成フレームに対して、変換器から右に10度の角度に延びる。走査線の大半は、データの第三の構成フレームに対して、変換器に対して垂直である。±10度および0度以外の異なるステアリング角度が、2,3,4以上の構成フレームで使用されてもよい。
【0020】
一実施形態においては、一構成フレームは、望ましくないグレーティングローブ(grating lobe)効果なしで、変換器によって提供されるステアリングの最大角度に関連付けられる。第二の構成フレームは、同一角度ではあるが、変換器に関連する異なる方向に関連付けられる。さらなる構成フレームがある場合には、より小さいステアリングの角度に関連付けられる。別の実施形態においては、最大のステアリング角度は、変換器で可能な最大値よりも小さい。別の例として、走査線のスキャン頂点の位置は、データの二つの構成フレーム間で、横方向に離隔されるなど異なり、その結果、異なるステアリング角度となる。さらに別の例として、走査線は、データの各構成フレームに対して同一にステアリングされるが、変換器は、方位軸などの軸に対して揺れ動く。
【0021】
一実施形態においては、同一または実質的に同一の走査線は、任意の与えられたデータの構成フレームに対して、送受信双方の動作のために利用される。別の実施形態においては、送信のための一つ以上の走査線は、受信動作に対する走査線とは異なる。例えば、音響エネルギーは、線形アレイに対して変換器に対して垂直であり、垂直ではない角度で走査線に沿って受信される。曲線アレイに対しては、エネルギーは、あるフォーマットにおいて走査線に沿って送信され、異なるフォーマット、パターンまたは位置において走査線に沿って受信される。別の例として、同一の走査線は、データの構成フレームの全てまたは複数の構成フレームに対して送信用に使用されるが、データの各構成フレームまたは複数の構成フレームの受信中に異なる電気的ステアリングが提供される。
【0022】
データの各フレームは、視野またはスキャンされた領域を表すサンプルで形成される。フレームは、二次元または三次元領域に対するものであってもよい。異なるフレームは、ラインによって、またはラインでインターリーブされたあるフレームに対するラインの集合によって、または別のフレームに対するラインの集合によって取得されるなどインターリーブ方式で取得されてもよい。
【0023】
全ての構成フレームなど一つ以上の構成フレームは、陰影アーティファクトを含むことがある。データは、画像を作成するために使用される場合、陰影を含む。
図3は、線形スキャンパターン(即ち、全てのステアリング角度がフレーム全体に対して同一である)を利用して取得されるデータのフレームにおける陰影の一例を示す。変換器からの超音波は、生体擬似模型(phantom:ファントム)または患者の領域をスキャンするために使用される。
図3の生体擬似模型の画像は、ここでは、カラーにマッピングされたログ圧縮されたデータ、またはBモードデータで示され、種々のタイプの陰影の効果を示す。この例においては、最も暗い陰影は、生体擬似模型と変換器との間の生体擬似模型表面に配置されたワイヤ対象物によって引き起こされ、他の二つの陰影は、変換器と生体擬似模型との最適とは言えない接触によって引き起こされる。空気または他の干渉物質は、他の柔組織よりも大きい減衰または散乱の原因となるため、その結果、空気または他の干渉物質からは、より小さいまたはより低密度の応答を生じる。
【0024】
陰影は走査線またはステアリング方向に沿っている。
図3の例においては、線形スキャンパターンが使用されるため、イメージングまたはステアリング方向は垂直線である。ワイヤおよび変換器の接触不良の結果、3つの垂直線または線の集合に沿った応答は減少する。陰影によって音響的な応答が減少することは、Bモード画像に対して使用されるカラーマッピングによって、
図3においてより暗く示される。
【0025】
動作52において、陰影は低減される。陰影低減は、動作50において構成フレームを取得するために使用される超音波システムなどの超音波システムによって実施される。あるいは、コンピュータ、プロセッサまたは他のデバイスが低減を実施する。
【0026】
動作54、56および58は、動作52を構成する。動作54は、動作56においてカーネルを形成するためにフレームからの投影を提供する。重みは、カーネルを構成し、動作58においてフレームを重みづけするために使用される。さらなる動作、異なる動作またはより少ない動作が提供されてもよい。
【0027】
低減は、データの与えられたフレームに対して独立して実施される。陰影低減は、異なるフレームに依存しない。例えば、与えられたフレームは、陰影を識別するために他のフレームと共に登録されない。ステアリングされた空間合成に対して、陰影低減は、データの構成フレームの一つ以上(例えば、全て)に対して実施される。任意の与えられた構成フレームに対する低減は、データの他のフレームを利用しないで実施される。データのステアリングされた各構成フレームに対する投影および重みづけは、データの他の構成フレームからは独立して実施される。
【0028】
ステアリングされた空間合成の場合には、画像における陰影の追加は、詳細を隠し、時間−空間的な分散変化を散らすことになるフォーク状のアーティファクトを生成する可能性がある。ステアリングされた空間合成における独立した、または単一フレーム投影陰影補償を利用することによって、各構成フレームからのアーティファクトは構成フレームに適用される重みづけによって低減される。フレーム毎に独立した処理を利用して、データの構成フレームのうちの一つだけが大きい陰影を有する場合、当該フレームにおける陰影を補償することは、合成段階中の他の送信由来のデータを向上するのに役立つ。
【0029】
動作54においては、フレームに対するデータは、フレームに対する1つ以上の画像角度に沿って投影される。プロセッサは、データの一つ以上の構成フレームに対する投影を実施する。データは圧縮されるか、または表される寸法が減少する。フレームは、データのフレームを取得するために使用される一つ以上のステアリングまたは送信方向に沿って崩壊する。ステアリングされた空間合成に対して使用されるデータの異なる構成フレームに対して投影が実施される場合、各フレームに対する送信角度またはスキャン方向は異なる。投影方向は、結果として異なったものになる。
【0030】
陰影に対する最も顕著な寄与は、送信方向に沿った投影である。
図3の例においては、走査線、送信角度方向、および受信角度方向は、垂直または深度方向に沿ったものである。超音波結像において陰影を迅速かつ効率的に補償するために、フレームのデータは、横方向に、または深度方向に垂直な方位方向に沿って、強度の変化を示すために投影される。
【0031】
あらゆる投影が使用されてもよい。一実施形態においては、送信角度に平行かまたは送信角度にある視野を通る一つ以上の各走査線に沿ったデータが、合計される。合計自体は、各走査線または走査線と同一方向の他のラインに対して合計が提供されるように、使用されてもよい。或いは、平均またはその他の組み合わせ関数が使用される。結果は、各ライン(例えば、各走査線)に対する合計または他の値であり、データのフレームによって表される二次元視野に対する横方向の関数として変化を示す。
【0032】
投影の別の実施形態においては、データのフレームは、kスペースに変換される。画像データまたはデータのフレームは、二次元周波数ドメインに変換される。フーリエ、二次元フーリエ、高速フーリエまたはRadon変換など、如何なる変換が使用されてもよい。フーリエまたは他の周波数ドメイン解析を利用して、陰影効果に関連する画像エネルギーの大部分がf
x軸に近接するラインなどのkスペースにおける数本のラインに沿ってのみ存在することを陰影の線形特性が示唆しており、ここで、f
xは横方向周波数(周波数空間において水平方向)である。
【0033】
投影用に変換を利用することによって、異なるデータまたは情報の選択が可能となる可能性がある。例えば、走査線に基づいたデータの選択に加え、データは、ノイズ効果を低減するために選択される。ちょうどステアリング角度ではない(例えば、ステアリング角度に対して約+/−5度の)角度範囲が選択されてもよい。この選択は、より深い深度での陰影の補償を低減してもよい。周波数ドメインにおいて如何なる選択が使用されてもよい。
【0034】
変換を利用することによって、選択されたデータに対する逆変換は、視野に対する情報を提供する。例えば、ステアリング方向に関連するデータは、投影画像を作成するために逆変換される。投影画像は、データの構成フレームと同一の空間範囲を有するが、選択された特性のデータから形成される。陰影量は投影画像に表されている。
図4は、単一角度−送信角度に沿ってのみデータの二次元フーリエ変換および選択または投影を利用して、
図3から作成された投影画像の一例を示す。
図4は、カラーマッピングされた画像であるが、本開示ではグレイスケースで示されている。矢印は、強い陰影アーティファクトに関連する線を指し示す。他の暗い線は、異なる色であり、陰影に関連付けられていない。変換によって提供された投影によって、投影画像は、一次元の品質を有するが、二次元の視野にわたって拡大するかまたは延びる。他のデータが周波数ドメインにおいて選択される場合、一次元態様または体裁がより少ないが、それでもいくらかは存在してもよい。投影“画像”がここでは使用されているが、これは表示された画像ではないがそうであってもよい。その代わりに、投影画像は、投影によって作成されたデータのフレームである。
【0035】
変換を適用することなく合計することによって投影が実施される場合、その後、投影は、イメージング角度に沿って二次元フィールドに拡張される。拡張は、重みにマッピングする前に、または動作56における重みの作成の一部として生じる。投影画像は、投影の同一の横方向分布と各深度または各範囲を事前設定することによって、投影から作成される。例えば、
図3の垂直ステアリング方向に沿って平均投影を拡張することによって、
図4の投影画像が提供される。各垂直線に対して、線の位置の全てに対して線に沿った対応する平均が割り当てられる。
【0036】
投影画像においては、各ステアリング方向または走査線に沿って同一強度が提供される。他の実施形態においては、強度は、深度の関数として変化する。例えば、周波数ドメインにおいて選択されたデータは、ステアリング角度より多く含み、投影画像における深度依存性変化の原因となる。別の例として、投影画像は変化するか、拡張が調整され、寄与率が深度の関数として変化する。より深い位置は、表面陰影源に対してより少ない陰影を有しうるため、投影画像は、深度の関数として減少する強度を割り当てられてもよい。逆関数が使用されてもよい。
【0037】
動作56において、カーネルが形成される。カーネルは、データのフレームを重みづけするための重みの集合である。カーネルは、データの構成フレームで表される各サンプルまたは空間位置に対する重みを有する。或いは、各重みは位置の集合に対して提供される。重みは、動作60において合成前に適用されるか、または、動作60において合成の一部として構成フレームに適用される。
【0038】
重みは、陰影アーティファクトを低減するように設定される。陰影によって引き起こされるより低い強度が増加する、および/または、陰影によって引き起こされないより高い強度が減少する。陰影領域と非陰影領域との間の強度またはフレームの値をより均等化することによって、陰影は減少する。
【0039】
カーネルは、投影画像から形成される。投影画像の二次元フィールドは、重みを決定するために使用される。投影画像の値は、重みにマッピングされる。一実施形態においては、マッピングは1対1であるため、投影画像自体は、重みとして使用される。投影画像の値が重みであるため、マッピングは必要ない。他の実施形態においては、如何なる線形または非線形マッピング関数が使用されてもよい。例えば、投影画像の動的範囲は、1.0−1.5などの重みのより小さい範囲にマッピングされる。陰影または投影の最大値に関連しない位置は、1.0にマッピングされる。最も強い陰影に関連する位置(例えば、投影画像において最も低い強度)は、1.5にマッピングされ、強度を増加させる。投影画像におけるその他の強度は、指数遅延関数などの、あらゆる関数を利用して、1.0から1,5の間の値にマッピングされる。他の範囲が使用されてもよい。
【0040】
カーネルの重みは、データの構成フレームに特有である。重みは、構成フレームの投影から決定されるため、他の構成フレームからの情報は使用されない。各構成フレームの重みは、他の構成フレームからのデータを利用することなく、構成フレームのデータに由来する。陰影低減は、構成フレームに表される陰影に特有である。
【0041】
動作58において、カーネルの重みは、データのフレームに適用される。フレームに由来する重みは、今度は、フレームに適用される。重みは、視野にわたって空間に分布している。構成フレームにおける各位置または各値は、対応する重みによって乗算される。他の実施形態においては、除算、加算、減算、その他の関数またはその組み合わせが重みに適用するために利用される。重みの適用は、陰影アーティファクトを低減する。
【0042】
図5は、一例を示す。
図4の投影画像は重みとして使用される。
図3によって表されるように、データのフレームは、
図4の投影画像によって重みづけされる。その結果は、
図5に表されるデータの重みづけされたフレームである。陰影アーティファクトの可視性または大きさが低減される。この例においては、単一の角度投影が、超音波画像における陰影の影響を大いに低減する。
【0043】
重みづけは、投影の方向におけるノイズフロアをわずかに増加させる。
図3において陰影がより少ない、より深い深度において、陰影の低減は、アーティファクトを導入する。これは、許容可能でありうるか、または相殺されることがある。投影画像の作成においてより多くの変換データを含むことによって、影響が低減されてもよい。例えば、より大きい角度範囲からのデータは、空間ドメインに変換し直すために選択される。別の例においては、重み形成または投影画像が処理され、近接場においてより大きく、遠隔においてより小さくなる陰影を説明するように重みが変化する。いずれかの例示的アプローチにおいては、重みづけは、より浅い位置に対するものよりも画像角度に沿ったより深い位置に対してより小さい程度となる(即ち、1.0により近い)。
【0044】
一フレームの重みづけは、別のフレームの重みづけからは独立している。重みは、同一または類似していてもよいが、他のフレームからではなく、重みづけされたフレームのデータに由来する。別の実施形態においては、重みは、データの二つ以上のフレームからの情報の関数である。
【0045】
動作60においては、データの重みづけされた構成フレームが合成される。重みづけおよび合成は、同一の有限インパルス応答フィルタ処理の一部として実施されてもよい。プロセッサまたは超音波システムは、超音波イメージング用の構成フレームのステアリングされた空間合成を実施する。構成フレームは、低域通過フィルタ処理されてもよいし、または組み合わせ前に処理されてもよい。
【0046】
構成フレームは、特定の位置を表すデータを含む。データのフレームが同一位置またはグリッドを表す場合、与えられた位置を表す各フレームからの値が組み合わせられる。一実施形態においては、データの検出されて、スキャン変換されたフレームが合成される。スキャン変換された情報が使用されるため、各構成フレームのデータは、同一のフォーマットおよびグリッドパターンまたは空間位置サンプリングにある。データのフレームは、異なるグリッドに沿ったサンプリングを表す場合、組み合わせるために使用される値を選択または計算するために、最も近い隣接物または補間物が使用される。データがスキャン変換前に合成される場合、空間位置と同一ではないが隣接するか類似することを表す任意のデータを合成するために、補間、補外またはその他のプロセスが使用される。
【0047】
組み合わせは各位置に対するものである。データのフレームは、少なくとも重複領域における同一位置を表す。各構成フレームは、表示または重複領域を表す空間位置に対して合成される。異なる位置は、異なる数のフレームおよび対応する値に関連付けられてもよい。例えば、重複領域以上を表す画像が作成される。ステアリングによって、より少ない構成フレームは、全ての構成フレームの重複領域外の位置を表す。重複領域に対する全フレームおよび他の位置に対する全てよりも少ない、あらゆる数の構成フレームが、与えられた位置に対する値を決定するために使用されてもよい。
【0048】
線形組み合わせおよび非線形組み合わせが使用されてもよい。例えば、最大値選択が適用される。別の例においては、平均が適用される。構成フレーム間のステアリング角度または動きによって、その他のフレームに対してある構成フレームを強調するなど、重みづけされた平均が使用されてもよい。平均は、ノイズに関連する分散を低減してもよい。他の線形または非線形技術が使用されてもよい。
【0049】
空間合成された画像のために、単一の組み合わせが形成される。画像のシーケンスが作成されてもよい。新規構成フレームが動作50で取得される。各組み合わせは、別の組み合わせとは異なる構成フレームのものである。与えられた構成フレームが複数の組み合わせで使用されるように、構成フレームは、移動ウインドウを利用することによって異なってもよい。陰影低減は、各構成フレームに対して一度実施される。構成フレーム自体は変化しないため、あらゆる組み合わせに対して、陰影を低減するための同一の重みづけがフレームに適用される。同一の重みづけされた構成フレームが、あらゆる組み合わせに対して使用されてもよい。他の実施形態においては、以前使用されたフレームに対しても必要とされた情報が再計算されてもよい。或いは、各構成フレームがある組み合わせに対して取得されて、他の実施形態においては、使用されない。合成フレームは合成からの出力である。
【0050】
動作62においては、患者の重複領域の画像が作成される。プロセッサまたはディスプレイプロセッサは、画像を作成するためにデータの重みづけされた構成フレームを組み合わせることによって形成されたデータの合成されたフレームを利用する。患者における位置を表す値の合成されたフレームは、ピクセルまたは画像値を決定するために使用される。合成値は、値を表示するためにマッピングされる。スキャン変換は、予め実施されていない場合には、表示するために、データの合成フレームをフォーマットしてもよい。
【0051】
ステアリングされた空間合成画像が作成される。画像は、重複領域のものであるが、他の位置を含んでもよい。画像は、組み合わせ視野から作成された空間合成画像である。データの合成フレームを空間的および/または時間的にフィルタ処理するなど、さらなる処理が使用されてもよい。画像は、異なる組織およびその他の構造を示すなど、患者を表している。
【0052】
画像における陰影は、投影に基づく重みづけによって低減されるか、排除されてもよい。ステアリング方向に沿って陰影を処理することによって、陰影位置における信号内のあらゆる解剖学的構造が増幅され、陰影が低減される。結果として生じる画像は、他では利用できない、または他では識別することがより困難であるような、患者に関する有益な情報を提供することがある。
【0053】
図6および
図7は、+15度、0度、−15度の線形ステアリングでの3つの構成フレームを利用したステアリングされた合成からの画像を示す。画像は、生体擬似模型表面におけるワイヤ対象物を利用して作成された陰影を有する生体擬似模型のものである。
図6においては、構成フレームは、陰影低減なしで組み合わせられる。其々のステアリング方向に沿った各構成フレームからの陰影は、データの合成フレームからの画像において可視である。
図7においては、各構成フレームに対して個々に、または別々に陰影低減が適用される。合成画像における陰影は低減されるか、排除される。
【0054】
図8および
図9は、+15度、0度、−15度の線形ステアリングでの3つの構成フレームを利用したステアリングされた空間合成からの画像を示す。画像は乳房のものである。乳頭は一般に陰影の原因となり、画像は、乳頭を有する平面の共通スキャン位置のものである。
図8に示されるように、陰影低減は含まれていないが、このスキャン領域は、しばしば陰影を有し、乳頭背後の解剖学的構造を画像化するために、音波検査者が異なるスキャン技術を利用することを必要とする。陰影低減プロトタイプを利用して、
図9に示されるように、他の角度伝送からの乳頭背後の情報は強調され、著しくスキャン技術を変更することなく、ユーザが領域をスキャンすることを可能にする。
【0055】
図10は、超音波イメージングにおける陰影抑制用のシステム10を示す。システム10は、臨床診断超音波システムである。一実施形態においては、システム10は、乳房イメージング用の一つ以上の変換器14を有する自動乳房ボリュームスキャナシステムである。乳房イメージングは、陰影を引き起こす変換器14に対する接触問題とともに、陰影を引き起こす高密度乳頭の双方が問題となる。接触組織あり、または接触組織なしで他の位置をイメージングするための変換器14が使用されてもよい。別の実施形態においては、システム10の全てまたは、システム10の一部は、臨床画像を処理または表示するためのワークステーションまたはコンピュータである。
【0056】
システム10は、ステアリングされた空間合成、Bモード、フローモード、ハーモニックモード、Mモードまたは他のモードのスキャンを提供する。以下に記述される実施形態においては、ステアリングされた空間合成モードが使用される。Bモード用の合成プロセッサ22なしで同一の構成要素を利用するなど、類似の構成要素が陰影抑制を有する他のモードを提供してもよい。システム10は、送信ビーム形成器12、変換器14、受信ビーム形成器16、検出器18、スキャン変換器20、合成プロセッサ22、ディスプレイ24およびメモリ26を含む。異なる構成要素、より少数の構成要素、または追加構成要素が提供されてもよい。例えば、オフラインワークステーションが、追加の超音波取得構成要素なしで、合成プロセッサ22およびディスプレイ24を実現する。
【0057】
変換器14は、一次元、または複数次元圧電アレイ、セラミック、または微小電気機械素子を含む。一実施形態においては、変換器14は、Vector(登録商標)、線形、セクタ、曲線形、または既知または今後開発される他のスキャンフォーマットとして利用するための素子の一次元アレイである。乳房スキャンのために、アレイの自動的な移動が乳房の体積をスキャンすることを可能にする、トレイにアレイが取り付けられてもよい。素子のアレイは、一波長、半波長または他のサンプリング周波数を有する。素子の半波長サンプリングによって、より大きいステアリング角度を可能とし、合成によるスペックル低減に対するより大きい空間的多様性を提供する。変換器14は、ハンドヘルドプローブ、カテーテルプローブ、またはエンドキャビティプローブなど、患者外部または患者内での使用に適応される。複数の空間的に分布した変換器またはスキャンシステムが使用されてもよい。
【0058】
送信および/または受信ビーム形成器12、16は、ビーム形成器として動作する。ビーム形成器は、実質的に同一の変換器位置からの異なるステアリング角度に応じて、データの機械的または電気的にステアリングされた構成フレームを取得するように動作可能である。異なるステアリング角度での同一のスキャンパターンまたは異なるステアリング角度を生じる異なるスキャンパターンが使用される。二つの異なるスキャン間で、一つ以上の走査線は、同一の原点から同一角度で延びるが、他の走査線は、異なるステアリング角度に応じて構成画像を提供するために異なる角度でステアリングされる。与えられた原点に対して、少なくとも一つの走査線は、データの二つの構成フレームに対するスキャン間の異なる角度に存在してもよい。走査線の全て、またはその大部分は、異なるフレームに対して、別様にステアリングされてもよい。
【0059】
データの構成フレームは、患者の異なる重複領域または同一領域を表す。変換器14はデータの構成フレームを取得するためにある位置に実質的に保持される。“実質的に”とは、アレイを保持するヒトの非意図的な動き、患者によって引き起こされる呼吸またはその他の動き、ある位置に固定された患者に関連する固定位置に取り付けられていないプローブの利用に関連するあらゆる他の偶発的な動きを説明するために使用される。
【0060】
送信ビーム形成器12は、変換器14の種々の素子に適用される複数の波形を作成するための一つ以上の波形生成器である。相対的遅延およびアポディゼ−ションを送信イベント中に各波形に適用することによって、変換器14面からの走査線の方向および原点が制御される。遅延は、波形のタイミング生成または個別の遅延成分によって適用される。アポディゼーションは、生成された波形の振幅を制御することによって、または個別の増幅器によって提供される。患者の領域をスキャンするために、音響エネルギーは、複数の走査線の各々に沿って連続的に伝送される。別の実施形態においては、音響エネルギーは、単一の送信イベント中に、実質的に二つ以上の走査線に沿って、または平面もしくはボリュームに沿って送信される。
【0061】
受信ビーム形成器16は、受信アパーチャにおける各素子のための遅延および増幅器を含む。素子からの受信信号は、送信ビーム形成器12に類似する走査線焦点合わせを提供するために相対的に遅延され、アポダイズされるが、其々の送信走査線とは異なる走査線に沿って焦点合わせされてもよい。遅延され、アポダイズされた信号は、デジタルまたはアナログ加算器で合計され、走査線に沿って空間位置を表すサンプルまたは信号を生成する。動的焦点合わせを利用して、与えられた受信イベント中または単一の走査線に対して適用される遅延およびアポディゼーションは、時間の関数として変化する。単一の走査線を表す信号は、一つの受信イベントで取得されるが、二つ以上の走査線用の信号が単一の受信イベントで取得されてもよい。データの構成フレームは、ビーム形成器の完全なパターンをスキャンすることによって取得される。別の実施形態においては、フーリエ変換または他の処理が使用され、単一の送信に応じて受信することによって、データの構成フレームを形成する。
【0062】
検出器18は、Bモード検出器、ドップラー検出器または他の検出器を含む。検出器18は、強度、速度、エネルギー、分散またはデータの構成フレームにおける各空間位置に対する信号のその他の特性を検出する。
【0063】
スキャン変換器20は、プロセッサ、フィルタ、特定用途向け集積回路または、走査線フォーマット(例えば、極座標フォーマット)からディスプレイもしくはデカルト座標フォーマットに検出されたデータをフォーマットするための他のアナログもしくはデジタルデバイスを含む。スキャン変換器20は、ディスプレイフォーマットにおけるデータの各構成フレームを出力する。構成フレームは、ディスプレイ領域の外部の領域を表す位置に対する値を含んでもよい。
【0064】
合成プロセッサ22は、一つ以上のメモリ、プロセッサ、制御プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、フィルタ、マルチプレクサ、バッファ、乗算器、加算器、ルックアップテーブル、またはその組み合わせを含む。一実施形態においては、合成プロセッサ22は、パーソナルコンピュータ、マザーボード、個別の回路ボードまたは超音波画像作成パイプラインまたは処理経路(即ち、受信ビーム形成器16、検出器18、スキャン変換器20およびディスプレイ24)とのデータのやりとりを利用する画像処理用の超音波システムに追加されるその他のプロセッサを含む。他の実施形態においては、合成プロセッサ22は、画像作成パイプラインの一部である。
【0065】
ソフトウェア、ハードウェアまたはその組み合わせを利用して、合成プロセッサ22は、データの一つ以上のフレームで表される陰影を低減するように構成される。ステアリングされた空間合成用のデータの各構成フレームなどのデータの各フレームは、フレーム内の陰影を低減するために、当該フレーム用のスキャンデータを利用して、または個別に処理される。
【0066】
合成プロセッサ22は、フレームを取得するために利用される一方向または(複数の)ステアリング方向に沿って低減するために、フレームのデータを投影するように構成される。同一のフォーマットを有する一つ以上の送信または受信走査線が、投影で使用される。二次元データフィールドを一次元に減少させるなど、各ラインに沿ったデータが組み合わせられる。一実施形態においては、投影は、ステアリング角度に沿った合計である。合計は、単独または平均として使用されてもよい。投影は、二次元における位置を表すデータのフレームを重みづけするために使用されるため、投影は、重みの二次元フィールドに拡張される。例えば、各一つ以上の走査線に沿った平均または合計は、其々の走査線に沿った位置の全てに対する重みとしてコピーされる。
【0067】
別の実施形態においては、合成プロセッサ22は、二次元フーリエ変換またはその他の変換で投影するように構成される。データのフレームは、周波数ドメインに変換される。kスペースにおいては、投影画像を形成するためにデータが選択される。例えば、ステアリング角度またはステアリング角度についての角度範囲に対応する横方向周波数軸に沿ったデータが選択される。選択されたデータに逆変換を適用することによって、合成プロセッサ22は、二次元投影画像または重みのフィールドを生成する。
【0068】
合成プロセッサ22は、一次元投影または投影画像から重みを生成する。重みは、投影画像の大きさに基づいて線形の値の範囲に等しく設定されるか、またはマッピングされる。他の実施形態においては、投影の大きさと重みとの間の非線形関係が使用される。ルックアップテーブルまたは計算を利用して、合成プロセッサ22は、データのフレームによって表される各位置に対する重みを決定する。
【0069】
合成プロセッサ22は、逆変換用のデータを選択し、あらゆる投影を処理し、および/または重みを処理してもよい。例えば、拡張前の重みまたは投影は、低域通過フィルタ処理される。別の例として、周波数ドメインにおけるデータが選択されるか、重みが変化して、深度の関数としてまたはステアリング角度に沿って重みづけを変化させる。
【0070】
合成プロセッサ22は、データのフレームを重みづけする。重みは、陰影領域が非陰影領域と比較して増幅されるように設定される。より小さい強度に関連するステアリング角度に沿った位置は重みによって増加する。他の位置は同一になるように維持されるが、陰影位置よりは少ない程度に増加または減少してもよい。重みは、乗算によって適用されるが、加算、除算、減算または他の関数が使用されてもよい。フレームに対する大きさの平均重みについての百分率または範囲内の投影画像のあらゆる重みまたは大きさに対して、重みを適用しないか、1.0の重みを適用するなどして、重みまたは重みの適用は、閾値適用されてもよい。平均からの閾値差より大きい重みまたは大きさは、陰影に関連付けられ、1.0に正規化することなく適用される。
【0071】
合成プロセッサ22は、データの重みづけされ、ステアリングされたフレームから合成画像を作成するように構成される。合成プロセッサ22は、ディスプレイに対して、少なくとも同一領域を表すデータの一つ以上の構成フレームを組み合わせるかまたは合成するように構成される。例えば、合成プロセッサ22は、メモリと、重みづけのための各構成フレーム用の乗算器と、有限インパルス応答フィルタフォーマット内のデータの各構成フレームから与えられた空間位置を表す信号を組み合わせるために、各乗算器に接続された加算器と、を有する。最大信号の平均化または選択など、データの構成フレームの線形または非線形の組み合わせが提供されてもよい。結果として生じる合成データは、画像を作成するために使用される。
【0072】
合成プロセッサ22は、検出され、スキャン変換されたデータを組み合わせるように構成される。別の実施形態においては、合成プロセッサ22は、検出されたがスキャン変換されていないデータを組み合わせるために、検出器18とスキャン変換器20との間に配置され、非圧縮された情報を組み合わせるために、検出器18のログ圧縮器の前に配置されるか、または検出器18の前に配置される。同一領域を表す複数のデータを組み合わせるか、またはデータの構成フレームを組み合わせるための種々の実施形態のうちの如何なる実施形態が使用されてもよい。
【0073】
一実施形態においては、合成プロセッサ22は、6つの表示平面など、各構成フレームに対する画像表示平面またはメモリを含む。各表示平面は、メモリからの読み出し中に同時にメモリに対する書き込みを可能とするフォアグラウンドおよびバックグラウンドページを有するが、他のメモリ構造が提供されてもよい。メモリは、フローモードまたはドップラーモードパラメータデータ、Bモードデータ、カラーパンボックス(color pan box)情報および表示領域境界情報などの、各空間位置に対する情報を格納する。異なる乗算係数に応じたフィルタが寄与率(即ち、重みづけ)に基づいて異なる関数を利用して、構成フレームを組み合わせる。ルックアップテーブルは、乗算器に異なる重み係数を提供するか、または重みが計算される。異なる係数は、異なる数の構成フレームを組み合わせるために提供されてもよい。
【0074】
上述されたプロセス、方法および/または技術を実現するための命令は、キャッシュ、バッファ、RAM、リムーバブル媒体、ハードドライブまたは他のコンピュータ可読記憶媒体などの非一時的コンピュータ可読記憶媒体またはメモリ26に提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、様々な種類の揮発性および不揮発性記憶媒体を含む。図面で示されるか、本明細書で記述された機能、動作またはタスクは、コンピュータ可読記憶媒体内またはコンピュータ可読記憶媒体上に格納された一つ以上の命令のセットに応じて実行される。機能、動作またはタスクは、特定の種類の命令セット、記憶媒体、プロセッサまたは処理ストラテジーからは独立し、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコードなどによって実施され、単独で動作しても協働して動作してもよい。同様に、処理ストラテジーは、マルチプロセシング、マルチタスキング、パラレルプロセシングなどを含んでもよい。
【0075】
一実施形態においては、命令は、ローカルまたはリモートシステムによって読み出すためにリムーバブル媒体デバイス上に格納される。他の実施形態においては、命令は、コンピュータネットワークまたは電話回線を介して伝送するために、遠隔位置に格納される。さらに他の実施形態においては、命令は、与えられたコンピュータ、CPU、GPUまたはシステム内に格納される。
【0076】
ディスプレイ24は、CRT、モニタ、フラットスクリーン、LCD、投影または合成された超音波画像を表示するためのその他のディスプレイである。ディスプレイリフレッシュ中に、構成フレームが読みだされ、投影または投影画像が形成され、投影画像または投影から重みが決定され、構成フレームが重みづけされ、重みづけされた構成フレームがディスプレイ24上に画像を作成するために合成される。ディスプレイ平面メモリは、データの各構成フレームに対して使用される。結果のデータのフレームは、データの構成フレームに応じた合成画像である。異なる位置は、異なる構成フレーム由来の値または複数もしくは全ての構成フレーム由来の値を有する。ディスプレイ画像フォーマットまたはディスプレイ領域は、台形、台形状、長方形、セクタ、パイ形状、Vector(登録商標)またはその他の形状である。合成画像は、データの各新規構成フレームが取得され、データの以前の構成フレームが以前の合成画像から除去されるか、または次の合成画像を合成するためのバッファから除去されるなど、リアルタイムで更新される。或いは、リアルタイム合成は、各セットに対して共通で使用される構成フレームなしで、または構成フレームがほとんどなく、データの構成フレームの異なるセットを合成することによって提供される。さらに他の実施形態においては、オフラインまたは非リアルタイム合成が提供される。
【0077】
ディスプレイ24は、データの構成フレームに応じた合成画像を表示するように動作可能である。合成画像は、信号ノイズ比を維持しながらスペックルを低減する。データの組み合わせられたフレームは、合成画像として表示される。データの構成フレームは、合成なしで画像を作成するために使用されてもよい。
【0078】
別の実施形態においては、合成は、三次元または四次元イメージングで実施される。データの構成フレームは、高さ方向のステアリング角度と同様、横方向で異なって取得される。ステアリング角度に沿った投影は、構成フレームを重みづけするために、三次元重みフィールドを作成するために使用される。
【0079】
種々の実施形態を参照して本発明が上述されてきたが、本発明の範囲を逸脱することなく多数の変更および改変を行うことができることを理解されたい。本明細書の記述は、ステアリングされた空間合成の例を提供するが、時間的または周波数合成などの他の合成が代替的または追加的に利用されてもよい。ステアリングは、変換器(例えば、ビーム形成器ステアリング)および/またはスキャンされる位置(例えば、ビーム形成器ステアリングあり、またはなしで異なる方向から超音波を当てる)に関連することがある。したがって、前述の詳細な説明は、限定するものではなく、例示的なものとしてみなされることを意図され、本発明の趣旨および範囲を定義することを意図されるものは、全ての均等物を含む以下の請求項であることを理解されたい。