【実施例】
【0092】
以下の各実施例において、本発明によるポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって決定している。
【0093】
かかる技術は、検出器が備えられたWATERS(商標)商標の液体クロマトグラフィー装置を用いる。この検出器は、WATERS(商標)商標の屈折率測定による濃度検出器である。
【0094】
この液体クロマトグラフィー機器は、分析されるポリマーの種々の分子量を分離するため、当業者によって適宜選択される立体排除カラムが備え付けられている。液体溶離相は、1N水酸化ナトリウムでpH9.00に調整され、NaHCO3を0.05M、NaNO3を0.1M、トリエタノールアミンを0.02M、NaN3を0.03%含有する水性相である。
【0095】
詳細な手法において、第一の工程により、重合溶液を、GPCの液体溶離相に対応するGPC可溶化溶媒中に、乾燥割合で0.9%に希釈し、ここへ、フローマーカーまたは内部標準としての役割を果たすジメチルホルムアミド0.04%を添加する。その後、0.2μmフィルターを適用する。その後、クロマトグラフィー装置(溶離剤:1N水酸化ナトリウムでpH9.00に調整され、NaHCO3を0.05M、NaNO3を0.1M、トリエタノールアミンを0.02M、NaN3を0.03%含有する水性相)に100μLを注入する。
【0096】
液体クロマトグラフィー装置は、流量が0.8ml/分に設定されたイソクラティックポンプ(WATERS(商標)515)を含む。クロマトグラフィー装置はオーブンも含み、オーブン自体に、以下のカラムシステムが直列で収められている:寸法が長さ6cmおよび内径40mmのプレカラムGUARD COLUMN ULTRAHYDROGEL WATERS(商標)タイプ、ならびに寸法が長さ30cmおよび内径7.8mmのリニアカラムULTRAHYDROGEL WATERS(商標)タイプ。また、検出システムは、屈折率測定による検出器RI WATERS(商標)410タイプからなる。オーブンは、60℃の温度に加熱され、屈折率計は45℃の温度に加熱される。
【0097】
クロマトグラフィー装置を、供給業者POLYMER STANDARD SERVICEまたはAMERICAN POLYMER STANDARDS CORPORATIONに対して認証された、異なる分子量のポリアクリル酸ナトリウム粉末である標準物質によって較正する。
【0098】
ポリマーの多分散度IP指数は、数平均分子量Mnに対する質量平均分子量Mwの比である。
【0099】
残存モノマーの量は、当業者に公知の従来技術を用いて、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定される。
【0100】
[実施例1]
この実施例の目的は、ジプロピオネートトリチオカーボネート塩(DPTTC)の使用を通じた本発明による(メタ)アクリル酸ポリマーの調製を例証することにあり、前記DPTTC塩と前記(メタ)アクリル系モノマーとの間の質量比率(重量/重量)は、0.1から2.5%の間(本発明)またはこの範囲の外(本発明外)である。
【0101】
試験1−先行技術
この試験は、RAFTタイプの制御されたラジカル重合によるポリマーの調製方法を例証するものである。
【0102】
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられたガラス製合成反応器に、水328g、29%のDPTTC連鎖移動剤94g(すなわち、100%DPTTCが27gまたは0.092mol)を加える。
【0103】
温度が95℃に達するまで加熱する。
【0104】
2時間かけて、100%アクリル酸328g(すなわち4.558mol)、およびアクリル酸と同時に、フリーラジカル源、この事例においては、水76gに溶解した過硫酸ナトリウムNa
2S
2O
84g(すなわち0.017mol)、および水76gに溶解したメタ重亜硫酸ナトリウムNa
2S
2O
51.15g(すなわち0.006mol)を注ぐ。
【0105】
温度を2時間維持し、その後、水46gで希釈した過酸化水素130Vの3.2gを注入することによって、それを処理する。
【0106】
その後、媒体を、撹拌しながら、水48gで希釈した50%水酸化ナトリウム381gで中和する。
【0107】
最後に、ブレンドを、95℃のまま、水15gに溶解した過硫酸ナトリウム7.83gからなる溶液および過酸化水素5.59gの溶液で処理し、その後、煮沸(cooking)を95℃で1時間再び行った後、周囲温度まで冷却する。
【0108】
試験2−先行技術
この試験では、用いられるDPTTC連鎖移動剤の量を10分の1に減じながら、試験1の条件を再現する。
【0109】
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられたガラス製合成反応器に、水328g、14%のDPTTC連鎖移動剤19g(100%DPTTCが2.7gまたは0.0092mol)を加える。
【0110】
温度が95℃に達するまで加熱する。
【0111】
2時間かけて、100%アクリル酸328g(すなわち4.558mol)、およびアクリル酸と同時に、フリーラジカル源、この事例においては、水76gに溶解した過硫酸ナトリウムNa
2S
2O
84g(すなわち0.017mol)および水76gに溶解したメタ重亜硫酸ナトリウムNa
2S
2O
51.15g(すなわち0.006mol)を注ぐ。
【0112】
温度を2時間維持し、その後、水46gで希釈した過酸化水素130Vの3.2gを注入することによって、それを処理する。
【0113】
その後、媒体を、撹拌しながら、水48gで希釈した50%水酸化ナトリウム381gで中和する。
【0114】
最後に、ブレンドを、95℃のまま、水15gに溶解した過硫酸ナトリウム7.83gからなる溶液および過酸化水素5.59gの溶液で処理し、次いで、煮沸を95℃で1時間再び行った後、周囲温度まで冷却する。
【0115】
試験3−先行技術
この試験は、文献WO2005/095466における実施例2の試験2に対応する。
【0116】
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水150g、14.4%のDPTTC連鎖移動剤20.31g(すなわち、100%DPTTCが2.92g)および100%アクリル酸50gを加える。その後、フリーラジカル源、この事例においてはV501を0.4g加える。温度が95℃に達するまで加熱する。次いで、温度を2時間維持した後、周囲温度まで冷却する。
【0117】
その後、媒体を50%水酸化ナトリウム55gで中和する。
【0118】
試験4−本発明
の範囲外
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0119】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0120】
・14%DPTTC二ナトリウム塩1.91g(すなわち100%DPTTCが0.27g)を水31.1gに希釈した原液
・水9.4gに希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0121】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0122】
試験5−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0123】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0124】
・14%DPTTC二ナトリウム塩34.31g(すなわち100%DPTTCが4.80g)を水34.31gに希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0125】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0126】
試験6−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0127】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0128】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩3.35g(すなわち100%DPTTCが0.70g)を水31gに希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0129】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0130】
試験7−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0131】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0132】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩6.695g(すなわち100%DPTTCが1.4g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gに希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0133】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0134】
試験8−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0135】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0136】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩10.04g(すなわち100%DPTTCが2.1g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gに希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0137】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0138】
試験9−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0139】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0140】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩13.39g(すなわち100%DPTTCが2.8g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0141】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0142】
試験10−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0143】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0144】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩16.7g(すなわち100%DPTTCが約3.5g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0145】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0146】
試験11−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0147】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0148】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩20.1g(すなわち100%DPTTCが4.2g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0149】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0150】
試験12−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0151】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0152】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩23.43g(すなわち100%DPTTCが4.9g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0153】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0154】
試験13−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0155】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0156】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩26.78g(すなわち100%DPTTCが5.6g)を水31gで希釈した原液
・水9.4gで希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gで希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0157】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0158】
試験14−本発明
機械式撹拌システムおよびオイルバスタイプの加熱システムが備え付けられた合成反応器に、水213.4g、硫酸鉄七水和物0.27gおよび硫酸銅五水和物0.32gを加える。
【0159】
媒体を95℃に加熱し、その後、以下の要素を同時に連続的に2時間かけて添加する。
【0160】
・20.9%DPTTC二ナトリウム塩33.476g(すなわち100%DPTTCが7g)を水31gに希釈した原液
・水9.4gに希釈した過酸化水素130Vの35.3g、および
・水31gに希釈したアクリル酸279.9g
煮沸を95℃で1時間30分続ける。
【0161】
媒体を50%水酸化ナトリウム250gで中和する。
【0162】
【表1】
【0163】
[実施例2]
この実施例の目的は、先行技術のポリマー溶液または本発明によるポリマー溶液を用いて、種々の試料のイソプロパノール、硫化炭素および硫化水素の含有量を例証することにある。
【0164】
種々の試料の分析は、検出器としてのAgilent G2577Aマススペクトロメーターに連結されたAgilent G1530ガスクロマトグラフィーを用いて行う。Agilent G1888ヘッドスペースを用いて注入を行う。分析物(analyze)の溶離を可能にする30m×0.25mm×1μmのAgilent HP5カラムを用いる(5%フェニルおよび95%メチルシロキサン相)。分析は、そのままの試料2グラムで行う。定量化は、標準添加法によってなされる。
【0165】
試験1−ポリマー溶液
3つの合成を行う。
【0166】
・イソプロパノール中での重合方法を用いて調製されたポリアクリル系分散剤;Mw=5,500;IP=2.4
・上記の実施例1の試験1に従い(後処理なし)、連鎖移動剤としてのジプロピオネートトリチオカーボネート(DPTTC)を、前記DPTTC化合物とアクリル酸モノマーとの間の質量比率(重量/重量)が8.23%に等しく用いて、RAFTタイプの制御されたラジカル重合法を用いて調製されたポリアクリル系分散剤;Mw=5,065;IP=1.5、および
・上記の実施例1の試験8に従い、式(I)の化合物としてのジプロピオネートトリチオカーボネート(DPTTC)を、前記DPTTC化合物とアクリル酸モノマーとの間の質量比率(重量/重量)が0.75%に等しく用いて、本発明による方法を用いて調製されたポリアクリル酸のポリマー溶液;Mw=5,040;IP=2.5
試料1、2および3をそれぞれ得る。
【0167】
これらの試料の分析の結果を、以下の表1に記載する。
【0168】
【表2】
【0169】
試料1、すなわち、イソプロパノールを用いた先行技術の方法を用いて調製されたポリアクリル系分散剤の分析は、高い残存イソプロパノール含有量(2,000ppm)を示している。試料2、すなわち、RAFT法によって得られたポリアクリル系分散剤の分析は、それらの毒性のために大きな欠点を構成する硫酸含有副生成物であるH
2SおよびCS
2のかなりの含有量を示している。
【0170】
試料3、すなわち、本発明による方法を用いて調整されたポリアクリル酸ポリマー溶液の分析は、イソプロパノール、H
2SおよびCS
2含有量が検出できないことを示している。ポリマー合成中であるが、また、とりわけ無機材料の粉砕のためのポリマー溶液の使用中における、人間および環境へのリスクは、このようにして実質的に減じられる。
【0171】
試験2−炭酸カルシウム懸濁液
76%粗カルサイト濃度(Omya)から、それぞれ以下の分散剤を1.1重量%(乾燥/乾燥)含有する3種の炭酸カルシウム懸濁液を調製する。
【0172】
3つの合成を行う。
【0173】
・イソプロパノール中での重合方法を用いて調製されたポリアクリル系分散剤;Mw=5,500;IP=2.4
・上記の実施例1の試験1に従い(後処理なし)、連鎖移動剤としてのジプロピオネートトリチオカーボネート(DPTTC)を、前記DPTTC化合物とアクリル酸モノマーとの間の質量比率(重量/重量)が8.23%に等しいように用いて、RAFTタイプの制御されたラジカル重合法を用いて調製されたポリアクリル系分散剤;Mw=5,065;IP=1.5、および
・上記の実施例1の試験8に従い、式(I)の化合物としてのジプロピオネートトリチオカーボネート(DPTTC)を、前記DPTTC化合物とアクリル酸モノマーとの間の質量比率(重量/重量)が0.75%に等しいように用いて、本発明による方法を用いて調製されたポリアクリル酸のポリマー溶液である分散剤;Mw=5,040;IP=2.
5
試料4、
6および
8をそれぞれ得る。
【0174】
試験3−炭酸カルシウムの粉砕のためのポリマー溶液の使用
この試験は、無機材料、より詳細には炭酸カルシウムの粉砕助剤としての種々のポリマー溶液の使用を例証するものである。76%粗カルサイト濃縮物(Omya)から、それぞれ以下の作用剤を0.6重量%(乾燥/乾燥)含有する3種の炭酸カルシウム懸濁液を調製する。
【0175】
3つの合成を行う。
【0176】
・イソプロパノール中での重合方法を用いて調製されたポリアクリル酸ポリマータイプの作用剤;Mw=5,500;IP=2.4
・上記の実施例1の試験1に従い(後処理なし)、連鎖移動剤としてのジプロピオネートトリチオカーボネート(DPTTC)を、前記DPTTC化合物とアクリル酸モノマーとの間の質量比率(重量/重量)が8.23%に等しく用いて、RAFTタイプの制御されたラジカル重合法を用いて調製されたポリアクリル酸ポリマータイプの作用剤;Mw=5,065;IP=1.5、および
・上記の実施例1の試験8に従い、式(I)の化合物としてのジプロピオネートトリチオカーボネート(DPTTC)を、前記DPTTC化合物とアクリル酸モノマーとの間の質量比率(重量/重量)が0.75%に等しいように用いて、本発明による方法を用いて調製されたポリアクリル酸のポリマー溶液;Mw=5,040;IP=2.5
VERACビーズ(φ0.6−1.0mm)2,850gを含有する、Dyno MILLタイプ、KDL Pilote 1.4Lタイプの粉砕機を用い、粉砕助剤の用量を、粉砕の期間中に連続的に添加することによって1.1重量%まで増加させる。
【0177】
約80%の粒子が1μm未満の球相当粒径(equivalent spherical diameter)を有する76%濃度に精製された懸濁液が得られるまで、粉砕を続ける。
【0178】
実験全体にわたって、懸濁液の温度は55℃未満に維持する。スラリーを含有するビーカーは、揮発性化合物が大気中へ放出されるのを制限するため、アルミニウムフィルムで覆う。
【0179】
試料は、空気を含有し得る空隙容積が残らないようにフラスコに充填して保存される。
【0180】
試料
5、
7および9をそれぞれ得る。
【0181】
結果
試料4から9の分析の結果を、以下の表2に記載する。
【0182】
【表3】
【0183】
試料8および9、すなわち、本発明による方法を用いて調製されたポリアクリル酸ポリマー溶液を含有する炭酸カルシウム懸濁液の分析は、粉砕前および後に、イソプロパノールおよびCS
2含有量が検出できないことを示している。無機材料の粉砕のためのポリマー溶液の使用中における人間および環境へのリスクは、このようにして実質的に減じられる。しかしながら、粉砕中にイソプロパノール含有量の低減が観察され(試料4と5との差)、これは、VOCの放出を示唆している。粉砕中にCS
2含有量の低減も観察され(試料6と7との差)、これは、炭酸カルシウムの粉砕中にCS
2が放出されたことを示している。