特許第6207567号(P6207567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207567
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】植木鉢用支柱、及び支柱を備えた植木鉢
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/12 20060101AFI20170925BHJP
   A01G 9/02 20060101ALI20170925BHJP
   A01G 27/02 20060101ALI20170925BHJP
   A01G 9/04 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A01G9/12 A
   A01G9/02 101R
   A01G9/02 101W
   A01G27/02 F
   A01G9/04
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-205989(P2015-205989)
(22)【出願日】2015年10月20日
(65)【公開番号】特開2017-77196(P2017-77196A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2016年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】593157736
【氏名又は名称】株式会社アーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】宇野 泰正
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−199436(JP,A)
【文献】 特開2004−097188(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3166675(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0104261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 − 9/12
A01G 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢に立設される植木鉢用支柱であって、
環状の棒材からなり上下に階層状に設けられる一又は複数の横部材と、
上下の横部材、又は横部材と植木鉢とを連結して横部材を支持する縦部材と
を備え、
前記縦部材は、上端が横部材に対し回動可能に構成されるとともに、下端が横部材、又は植木鉢に回動可能に連結されて、上端に連結された横部材を周方向に回動させることにより倒れて、当該上端に連結された横部材を、下端に連結された横部材、又は植木鉢に重ねるよう構成されていることを特徴とする植木鉢用支柱。
【請求項2】
前記縦部材の上端を、横部材に連結する継手部材を備え、
前記継手部材は、横部材により鉛直軸周りに回動可能に支持されるとともに、前記鉛直軸周りに旋回する旋回水平軸により前記縦部材に連結されており、
前記縦部材は、上端が前記旋回水平軸周りに回動可能に、かつ前記旋回水平軸を中心にして前記旋回水平軸に平行な方向に揺動可能に構成され、下端が横部材、又は植木鉢に固設された固定水平軸周りに回動可能に、かつ前記固定水平軸を中心として前記固定水平軸に平行な方向に揺動可能に支持されている請求項1に記載の植木鉢用支柱。
【請求項3】
前記縦部材の下端を、横部材、又は植木鉢に連結する継手部材を備え、
前記継手部材は、横部材、又は植木鉢により鉛直軸周りに回動可能に支持されるとともに、前記鉛直軸周りに旋回する旋回水平軸により前記縦部材に連結されており、
前記縦部材は、下端が前記旋回水平軸周りに回動可能に、かつ前記旋回水平軸を中心にして前記旋回水平軸に平行な方向に揺動可能に構成され、上端が横部材に固設された固定水平軸周りに回動可能に、かつ前記固定水平軸を中心として前記固定水平軸に平行な方向に揺動可能に支持されている請求項1に記載の植木鉢用支柱。
【請求項4】
前記横部材は、正多角形をなし、
前記縦部材は、上下の横部材の頂点を連結するよう設けられるとともに前記正多角形の1辺の長さに等しい請求項1から請求項3に記載の植木鉢用支柱。
【請求項5】
前記継手部材が前記鉛直軸周りの一方向にのみ回動するよう回動方向を規制する回動規制手段を備える請求項2又は請求項3に記載の植木鉢用支柱。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の植木鉢用支柱と、
植木鉢と、を備えた支柱付植木鉢。
【請求項7】
前記植木鉢の開口部周縁部が横部材と略同形状をなすとともに、開口部周縁部に対し段差を有する低い位置から外側方へ延出し、前記横部材を収容する支柱収容棚を備える請求項6に記載の支柱付植木鉢。
【請求項8】
ペットボトルの口に螺着して、ペットボトルから前記植木鉢に自動給水を行うための給水キャップを備え、
前記給水キャップは、前記植木鉢の開口周縁部にペットボトルを係着するためのフックを有し、
前記植木鉢は、開口周縁部に、前記給水キャップのフックを嵌合する嵌合孔を複数備える請求項6、又は請求項7に記載の支柱付植木鉢。
【請求項9】
受け皿を備え、
前記受け皿は、前記植木鉢に蓋をした際のずれを防止する嵌合用突起を有し、
前記植木鉢の嵌合孔が、前記受け皿の嵌合用突起にも嵌合するよう構成された請求項8に記載の支柱付植木鉢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、朝顔等の園芸用植物を植える植木鉢に立設して蔓を巻き付けるための植木鉢用支柱に関し、特に、折り畳み可能に構成された植木鉢用支柱、及び当該支柱を備えた植木鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小学校の生活科で使用される朝顔用の植木鉢は、蔓を巻き付けるための支柱がセットになって販売されている。かかる支柱は、小学1,2年生でも容易に取り付け取外しできるように、あるいは、輸送の際の減容を可能にして輸送コストを低減するために各種の工夫がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、蔓を巻き付ける支柱の縦部材をなす支持部が一段下がるごとに径の太くなる筒状部材により形成され、上側の支柱部を下側の支柱部に順次収容可能とすることで、伸縮式の望遠鏡や釣竿のように収縮するとともに、水平部材をなす角環状の補助部を下段に下るにつれ順次小さくすることで、全ての補助部を植木鉢の上縁に1つに束ねるよう構成した植木鉢が提案されている。
【0004】
一方、特許文献2では、支柱構造体の縦部材をなす4本の外支柱に横部材をなす連結棒を回動自在に連結することで、4本の外支柱を1本に束ねるようにして全体を折り畳み可能に構成した植木鉢の支柱構造体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−199436号公報
【特許文献2】特開2010−263832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の支柱では、支持部、補助部ともに段ごとに大きさが異なるため、成形用の金型が多数必要になるという課題が有る。
また、特許文献2の支柱構造体では、折り畳む際に4本の外支柱を1本にまとめるため植木鉢から取り外す必要があり、多数の植木鉢を減容して保管・輸送するためには分離した植木鉢ごと、支柱構造体ごとにまとめる手間がかかるという課題や、全体を一体的に広げたり折り畳んだりするため植物の成長に合わせて、支柱の高さを変更することができないという課題が有る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、多数の金型を必要とすることなく、折り畳む際に植木鉢から取り外す必要がなく、かつ植物の成長に合わせた高さを変更可能な植木鉢用支柱、及び該支柱を備えた植木鉢の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、植木鉢に立設される植木鉢用支柱であって、環状の棒材からなり上下に階層状に設けられる一又は複数の横部材と、上下の横部材、又は横部材と植木鉢とを連結して横部材を支持する縦部材とを備え、前記縦部材は、上端が横部材に対し回動可能に構成されるとともに、下端が横部材、又は植木鉢に回動可能に連結されて、上端に連結された横部材を周方向に回動させることにより倒れて、当該上端に連結された横部材を、下端に連結された横部材、又は植木鉢に重ねるよう構成されていることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明の植木鉢用支柱では、縦部材の上下端で横部材、又は植木鉢に回動可能に連結し、縦部材の上端に連結された環状の横部材を周方向に回動させることにより縦部材を水平に倒して、縦部材の上端に連結された横部材を、縦部材の下端に連結された横部材や植木鉢に重ねるようにしたので、隣り合う縦部材の下端同士、あるいは上端同士の距離を変化させることなく折畳むことができるため、支柱を植木鉢から外す必要がない。また、上の横部材を下の横部材の内側へ収容したり、上の縦部材を下の縦部材内に収容したりする必要が無いため、上下の横部材、縦部材共に同一の形状大きさに形成できることから、成形金型の数を抑制できる。
【0009】
本発明の植木鉢用支柱では、前記縦部材の上端を、横部材に連結する継手部材を備え、
前記継手部材は、横部材により鉛直軸周りに回動可能に支持されるとともに、前記鉛直軸周りに旋回する旋回水平軸により前記縦部材に連結されており、前記縦部材は、上端が前記旋回水平軸周りに回動可能に、かつ前記旋回水平軸を中心にして前記旋回水平軸に平行な方向に揺動可能に構成され、下端が横部材、又は植木鉢に固設された固定水平軸周りに回動可能に、かつ前記固定水平軸を中心として前記固定水平軸に平行な方向に揺動可能に支持されていることが好ましい。
こうすることで、簡単な構造で、上下の横部材を周方向に相対的に回転させながら縦部材を倒して上下の横部材を重ねるよう支柱を折り畳むことができる。
尚、ここで「鉛直」とは、植木鉢、及び横部材が階層状に重ねられる方向をいい、「水平」とは、「鉛直」方向に垂直な方向を言うものとする。
【0010】
また、本発明は、上記の縦部材の上端に継手部材を設ける支柱とは逆に、前記縦部材の下端を、横部材、又は植木鉢に連結する継手部材を備え、前記継手部材は、横部材、又は植木鉢により鉛直軸周りに回動可能に支持されるとともに、前記鉛直軸周りに旋回する旋回水平軸により前記縦部材に連結されており、前記縦部材は、下端が前記旋回水平軸周りに回動可能に、かつ前記旋回水平軸を中心にして前記旋回水平軸に平行な方向に揺動可能に構成され、上端が横部材に固設された固定水平軸周りに回動可能に、かつ前記固定水平軸を中心として前記固定水平軸に平行な方向に揺動可能に支持されている植木鉢用支柱を含む。
【0011】
前記横部材は、正多角形をなし、前記縦部材は、上下の横部材の頂点を連結するよう設けられるとともに前記正多角形の1辺の長さに等しいことが好ましい。こうすることで、上下の横部材の頂点が一致するよう重ねることができるとともに、縦部材を横部材の辺に重ねることができる。
【0012】
本発明の植木用支柱は、前記継手部材が前記鉛直軸周りの一方向にのみ回動するよう回動方向を規制する回動規制手段を備えることが好ましい。こうすることで、各部材の破損を抑制できる。
【0013】
本発明は、上記の植木鉢用支柱と、植木鉢と、を備える支柱付植木鉢を含む。
【0014】
前記植木鉢の開口周縁が横部材と略同形状をなすとともに、前記横部材を収容する段差部を備えることが好ましい。こうすることで、よりコンパクトに支柱を収容することができる。
【0015】
本発明の支柱付植木鉢は、ペットボトルの口に螺着して、ペットボトルから前記植木鉢に自動給水を行うための給水キャップを備え、前記給水キャップは、前記植木鉢の開口周縁部にペットボトルを係着するためのフックを有し、前記植木鉢は、開口周縁部に、前記給水キャップのフックを嵌合する嵌合孔を複数備えることが好ましい。こうすることで、植木鉢の開口周縁部の複数位置から自動給水用のペットボトルをセットする位置を選択でき、また、複数のペットボトルをセットすることが可能となる。
【0016】
本発明の支柱付植木鉢は、受け皿を備え、前記受け皿は、前記植木鉢に蓋をした際のずれを防止する嵌合用突起を有し、前記植木鉢の嵌合孔が、前記受け皿の嵌合用突起にも嵌合するよう構成されていることが好ましい。こうすることで、植木鉢に、新たに受け皿の嵌合用突起を設ける必要がなくなる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の植木鉢用支柱、及び支柱付植木鉢によれば、多数の成型用金型を必要とせず、また、植木鉢から外すことなく支柱を折り畳むことができ、さらに、植物の成長に合わせて高さを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一の実施形態に係る支柱付植木鉢の支柱を完全に折り畳んだ様子を示す斜視図である。
図2図1の植木鉢用支柱の最下段のみを展開した様子を示した斜視図である。
図3図1に示した支柱を下から2段まで展開した様子を示した斜視図である。
図4図1に示した支柱を全段にわたり展開した様子を示す斜視図である。
図5図1に示した支柱付植木鉢の最下段の分解斜視図である。
図6図1の植木鉢の横部材を示す(a)斜視図、(b)正面図である。
図7図1の縦部材を示す斜視図である。
図8図1の継手部材を示す(a)斜視図、(b)側面図、(c)背面図である。
図9図1の支柱を折り畳む様子を模式的に示す斜視図である。
図10図1の支柱を折り畳む途中における縦部材と横部材の連結部の様子を示す拡大斜視図である。
図11図1の縦部材が、旋回水平軸、又は固定水平軸周りに揺動する方向を示した説明図である。
図12図1に示した植木鉢の斜視図である。
図13図1の植木鉢の開口部周縁の嵌合孔に(a)吸水キャップをセットする前の様子を示す斜視図、(b)吸水キャップをセットした状態を示す斜視図である。
図14図1の受け皿の斜視図である。
図15図14の受け皿で植木鉢に(a)蓋をする前の様子を示す斜視図、(b)蓋をした状態を示す斜視図である。
図16図1の吸水キャップの(a)斜め上方から見た斜視図、(b)斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図4は、本発明の第1実施形態に係る支柱付植木鉢100を示している。支柱付植木鉢100は、植木鉢用支柱10と、植木鉢20と、受け皿30と、ペットボトル用給水キャップ40と、を備えている。
【0020】
植木鉢用支柱10は、図4に示すように、正方形の環状棒材からなる上下3段の横部材11,11,11と、上下の横部材11,11同士、又は最下段の横部材11と植木鉢20を連結する縦部材12と、図5に示すように、横部材11の角部と縦部材12の上端に介在して、横部材11と縦部材12を連結する継手部材13とを備えている。
【0021】
横部材11は、図6に示すように、同形状をなす4本の棒状部材11aが連結されて正方形の環状に形成され、横部材11の角部には、直交する2辺11a,11aの一方に垂直で他方に平行に立ち上がる板状片11bが設けられ、板状片11bから当該一方の辺11aに垂直に、かつ当該他方の辺11aに平行に突出する固定水平軸11cが設けられている。
【0022】
固定水平軸11cは、軸方向のスリットにより2つの半割円柱に分割され、基端部に縦部材12の旋回孔12bを収容する先端部より細径の旋回孔収容部11fが設けられ、先端部に旋回孔収容部11fより大径の抜け止め部11gが設けられている。
【0023】
また、横部材11の角部には、上下方向の円形貫通孔からなる鉛直軸受11dが設けられている。さらに、各辺11aの下面には、鉛直軸受11dに臨んで板状辺からなる回動規制手段11eが立設されている。
【0024】
縦部材12は、図7に示すように、直棒状部材からなり、両端から半割トラック形の舌片12aが長手方向に突設され、舌片12aには、厚み方向の円形貫通孔からなる旋回孔12bが設けられている。縦部材12は、長手方向に延びる4本のリブ12cが周方向に等角度間隔で放射状に設けられ、植物の蔓を掛止するための環状リブ12dが長手方向について等間隔に設けられている。
【0025】
継手部材13は、図8に示すように、互いに垂直な水平片13aと鉛直片13bからなる2枚の板状辺を三角リブ13cで連結したL字形状をなし、水平片13aに垂設される鉛直軸13dと、鉛直片13bに垂設される旋回水平軸13eとを備えている。鉛直軸13d、及び旋回水平軸13eは、固定水平軸11b同様、半割円柱状をなし、基端部に縦部材12の旋回孔12bを収容する細径の旋回孔収容部13fが設けられ、突出端部に旋回孔収容部より大径の抜け止め部13gが設けられている。継手部材13は、水平片13aの先端縁13hを横部材11の回動規制手段11eに当接させることで、90度以上の回動が規制される。
【0026】
植木鉢20は、図12に示すように、上方に開口する略正方形の開口部21と、開口部21周縁に沿った土手状の開口周縁部22と、開口周縁部22に対し段差を設けて低い位置から水平棚状に外側方へ延出する支柱収容棚23を備えている。
【0027】
植木鉢20の開口周縁部22には、4隅の外縁側に、横部材11の板状片11b、及び固定水平軸11cと同様の板状片23b、及び固定水平軸23cが設けられ、4隅の内縁側と手前の辺の中央の合わせて5箇所に、給水キャップ40のフック43を差し込むための嵌合孔22a、及び22bが設けられている。嵌合孔22a,23bは、図13に示すように植木鉢20の開口部21から直接、植木鉢内の土へ給水へ行う際に使用される。
開口部21の一辺の中央には、受け皿30に自動給水を行うためのペットボトルAを収容するペットボトル収容孔24が設けられている。尚、図12中符号27は把手である。
【0028】
受け皿30は、図1に示すように、周縁を立ち上げて植木鉢20の4本の脚部25,…とペットボトルAを収容するとともに、内部に水を張って植木鉢20の底部26のスリット26aから植木鉢20の内部へ給水を行うよう構成されている。図14に示すように、受け皿30は、外側方へ張り出す半円形のペットボトル収容部31の内部に、ペットボトルAの給水キャップ40を支持するとともに給水キャップ40と協働して受け皿30へ自動給水を行う給水キャップ係合部31aを備えている。また、受け皿30は、周縁の4隅に嵌合用突起30aが垂設され、図15に示すように、嵌合用突起30aを植木鉢20の嵌合孔22aに嵌合させて、植木鉢20の開口部21に蓋をした際のずれを防止するよう構成されている。
【0029】
吸水キャップ40は、図16(b)に示すように、内側面にペットボトルAの口に螺合するための雌ねじを備えた有蓋円筒状をなすキャップ本体41と、キャップ本体41の蓋部41a(図16(a)参照)の中心からキャップ本体41の軸心に沿って延びペットボトルA内に水を補給する補水孔42aを備えた補水管42と、植木鉢20にペットボトルAをセットするためのフック43とを備え、蓋部41a周縁には、ペットボトルAの内部から受け皿30へ自動給水を行うための8つの給水孔41bが等角度間隔で設けられている。
【0030】
支柱付植木鉢100を組み立てる際には、図5に示すように、植木鉢20の4隅の固定水平軸23cを縦部材12の下端側の旋回孔12bに挿通して、植木鉢20に4本の縦部材12,…を取着する。次に、この4本の縦部材12,…の上端の旋回孔12bに継手部材13の旋回水平軸13eを挿入するようにして、4つの縦部材に1つずつ継手部材13を取着する。続けて、4本の継手部材13,…の鉛直軸13dを横部材11の鉛直軸受11dに嵌入して、4本の縦部材13,…を横部材11に連結する。下から2段目と3段目の縦部材13と横部材11も、同様に組み立てる。
【0031】
しかる後、図2乃至図3に示すように、植木鉢20を受け皿30に載置して、給水キャップ40で蓋をしたペットボトルAを倒立させてペットボトル収容孔24に収容する。
【0032】
次に、植木鉢用支柱10の使用方法と、各部の作用及び効果について説明する。
支柱10の各段を展開状態から折畳み状態にするためには、図9に示すように、折畳む段の上側の横部材11を、下側の横部材11、又は植木鉢20に対し相対的に上方から見た右周り(図9(b)の矢印C1の向き)に回転させる。すると、縦部材12は、図9(b)の矢印C2の向きに倒れようとする。
詳細には、図10(a)に示すように、横部材11を矢印C1の向きに回動させると、縦部材12の上端側は、継手部材13を介して矢印C1の向きに回動しようとするのに対し、下端側は、下側の横部材11、又は植木鉢20に固定されて動きを拘束されるため、縦部材12の上端部は、継手部材13の旋回水平軸13eを軸として矢印C4の向きに回動し、縦部材12の下端部は、下側の横部材11の固定水平軸11c、又は植木鉢20の固定水平軸23cを軸として矢印C2(図9図10(b)参照)の向きに回動する。
この際、継手部材13は、図10(a)に示すように、縦部材12の上端部と共に鉛直軸13dを軸として、上方から見た反時計回り(矢印C3の向きに)回動する。
こうして、横部材11を90度回動させると、継手部材13は、上側の横部材11に対し相対的に90度回動し、縦部材12の上端部は旋回水平軸周りに90度回転し、縦部材12の下端部は固定水平軸11c、又は21c周りに90度回転し、縦部材12は水平に倒れる。
この際、横部材11の対角の長さが1辺の長さより長いことから、倒れる途中の横部材11の上端は、支柱10の外側方へ傾動するため、縦部材12が旋回固定軸13eを軸として、旋回固定軸に平行な向き(図10(a)、図11の矢印C5の向き)に揺動するよう、旋回固定軸13eの旋回孔収容部13fには旋回孔12bに対する遊びが設けられている。また、同じ理由により、縦部材12の下端側は、固定水平軸11c又は21cを軸として当該固定水平軸に平行な向き(図10(b)、図11の矢印C6の向き)に揺動すするよう、固定水平軸11c、21cの旋回孔収容部、11f、21fには旋回孔12bに対する遊びが設けられている。
以下、同様にして、下から2段目、3段目の横部材も周方向に回転させることにより、図2図3に示したように立ち上げることができる。
【0033】
逆に、横部材11を上の段から順に上から見て左回りに回動させることで、支柱10を折り畳んで、植木鉢20の上に収容することができる。
【0034】
このように、植木用支柱10では、縦部材12の上端に連結された横部材11を周方向に回動させることにより、縦部材12が水平に倒れて、縦部材12の上端に連結された横部材11を縦部材12の下端に連結された横部材11、又は植木鉢20に重ねるよう構成したので、植木鉢20から支柱10を取り外すことなく、支柱10を折り畳むことができる。また、これにより、支柱を1段ずつ開閉できるので、植物の蔓の成長に合わせて支柱の高さを調節することができる。
【0035】
また、支柱10の横部材11、縦部材12、継手部材13、及び植木鉢20は、軸受や旋回孔に棒状の軸を差し込むようにして連結するようにしたので、容易に分解でき、蔓の取外しが容易である。
【0036】
また、横部材11の1辺の長さと、縦部材12の長さが等しく、詳細には、横部材に連結された隣接する継手部材の鉛直軸間の距離と、縦部材の上下に連結された旋回水平軸13eと固定水平軸11b,21bの軸間距離が等しいので、縦部材12を横部材11の辺に重ねることができる。
【0037】
また、植木鉢20は、支柱収容棚23を備えるので、支柱を収容した際の減容効果をより一層高めることができる。
【0038】
また、図13(a)に示すように、植木鉢20は、給水キャップ40をセットする位置を、5つの嵌合孔22a,22bから任意に選択することができるため、植物の位置に合わせてペットボトルAによる給水位置を適宜に変更することができる。吸水キャップ40のフック43は、円筒形に形成されており、図13(b)の矢印C7に示すように、給水キャップ40ごとペットボトルAを回動させることができる。
【0039】
さらに、図受け皿30は、植木鉢20の開口部21に蓋をすることができるので、新芽を霜から守ることができる。
【0040】
本発明に係る植木鉢用支柱、及び支柱付植木鉢は、上述の実施形態に限られるものではなく、横部材、又は植木鉢と縦部材の連結部は、紐やゴムにより連結してもよいし、また、球状継手やユニバーサルジョイント等、縦部材を、横部材、又は植木鉢に対し3方向に回動可能に連結できれば、公知の継手を適宜に用いることができる。継手部材は、縦部材の上端ではなく、下端に設けてもよいし、上下の両端に設けてもよい。横部材、縦部材は、格段ごとに形状大きさを変更してよい。鉛直軸を横部材に設け鉛直軸受けを継手部材に設けるようにしてもよいし、旋回水平軸を縦部材に設け継手部材に旋回孔を設けてもよく、固定水平軸も縦継手に設けることができる。縦部材は、直棒状に限らず、曲棒状でもよい。植木鉢用支柱は、3段に限らず、2段以下でもよいし4段以上でもよい。横部材は、正方形に限らず、三角形、五角形等の多角形の他、円形、トランク型等、公知の形状を適宜に用いることができる。
【符号の説明】
【0041】
100 支柱付植木鉢
10 植木鉢用支柱
11 横部材
11b,23b 固定水平軸
11e 回動規制手段
12 縦部材
13 継手部材
13d 鉛直軸
13e 旋回水平軸
20 植木鉢
22a,22b 嵌合孔
30 受け皿
30a 嵌合用突起
40 給水キャップ
43 フック
A ペットボトル
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