【実施例】
【0021】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、天部1及び底部2を有する箱状に形成し、前記底部2に車輪3を設けて移動自在に構成すると共に、前記天部1を載置部として積み重ね可能に構成した収納体であって、前記天部1は、この天部1に積み重ね載置する他の前記収納体Sの底部2に設けられた車輪3を収納し得る車輪収納部4を設けると共に、この車輪収納部4を開閉自在に閉塞する蓋部5を起伏自在に設けて、この蓋部5を起き状態にすることで前記車輪収納部4が開口状態となるように構成し、前記底部2は、前記車輪3を設けると共に、起き状態となって前記天部1から突出した前記他の収納体Sの前記蓋部5を収納し得る蓋収納部6を前記車輪3と並設状態に設けた構成として、前記蓋部5を起き状態にして前記車輪収納部4を開口状態にした前記天部1上に他の前記収納体Sを積み重ね載置した際、前記車輪収納部4に前記他の収納体Sの前記車輪3が収納されると共に、起き状態にした前記蓋部5が前記他の収納体Sの前記蓋収納部6に収納されて、前記天部1と前記他の収納体Sの底部2とが当接状態又は近接状態に対向配設されると共に、前記他の収納体Sが横ずれ不能に位置決められる構成としたものである。
【0023】
具体的には、本実施例の収納体Sは、収納部となる三体の引出し部9と、これらを引き出し自在に収納する本体部10とから成る構成としている。
【0024】
引出し部9は、図示するように、上部及び左右いずれか一方の側面部(本実施例では右側面部)を開口した構成としている。
【0025】
また、本体部10は、正面部を開口した縦長箱状に形成した構成とすると共に、内部を三段に区切り、各段に上述した引出し部9を引き出し自在に設けた構成としている。
【0026】
本実施例の本体部10は、具体的には、天部1、底部2、左右側面部11,12及び背面部13を有する縦長箱状に形成する共に、天部1と底部2との間に仕切り板14を設けて本体内部を三段に区切り、更に、区切られた各段の右側面部12に開口部15を形成して、引出し部9を収納した際、引出し部9の側面開口部とこの本体部10の開口部15とが連通状態となり、所謂サイドオープンタイプのラック形態となる構成としている。
【0027】
即ち、本実施例の収納体Sは、両側に壁や物がある隙間に設置する際は、引出し部9を引き出すことで収納物の出し入れができ、また、少なくとも一側が開放された環境に設置する際は、開口部15を開放面側に向けて設置することで、引出し部9を引き出さなくても引出し部9内に収納した収納物を出し入れすることができる構成としている。
【0028】
また、本体部10の天部1は、各角部(四隅)に、この天部1上に積み重ね載置する他の収納体Sの車輪3を収納し得る車輪収納部4を凹設した構成としている。
【0029】
本実施例の車輪収納部4は、蓋部5を設けて開閉自在に設けた構成とし、具体的には、蓋部5を伏し状態とすることで閉塞し、起き状態とすることで開口する構成としている。
【0030】
また、この車輪収納部4を開閉自在に閉塞する蓋部5は、方形状に凹設した車輪収納部4内に起伏回動自在に設けた構成としている。
【0031】
具体的には、車輪収納部4の内側(天部1の短手方向内側)に設けた軸受部16に枢着し、内方に向かって起伏回動自在に設けた構成としている。
【0032】
更に具体的には、本実施例の蓋部5は、伏し状態となって車輪収納部4を閉塞した状態において天部1と面一状態となるように構成し、車輪収納部4を閉塞した状態においては、天部1と蓋部5とが一体化して蓋部5が目立たず体裁を損ねないように構成している。
【0033】
また、本実施例の蓋部5は、開閉操作時(特に起き状態にする開き操作時)に指先を引掛けてこの蓋部5を持ち上げ操作するための指掛け切欠き部17を設けた構成とすると共に、この開き操作により起立回動して起き状態となった状態が保持されるように構成している。
【0034】
具体的には、車輪収納部4内に、蓋部5が起立回動する際にこの蓋部5の基端部が圧接摺動してクリック抵抗を受けるクリック抵抗部18を設け、蓋部5の基端部がこのクリック抵抗部18を乗り越えるとクリック係止状態となって蓋部5の起き状態が保持されるように構成している。
【0035】
また、本体部10の底部2は、各角部(四隅)に車輪3を設けると共に、この車輪3と並設状態に蓋収納部6を設けた構成としている。
【0036】
具体的には、底部2の各角部に方形状凹部を形成すると共に、この方形状凹部内に間仕切り板19を設けて二分割し、外側凹部を車輪取付け部として車輪3を設け、内側凹部を蓋収納部6とした構成としている。
【0037】
また、本実施例の収納体Sは、天部1に積み重ね載置した他の収納体Sを離脱不能に連結する連結機構を具備した構成としている。
【0038】
具体的には、連結機構は、抜け止め係合部7と、この抜け止め係合部7と抜け止め係合する抜け止め受部8とから成る構成とし、本実施例においては、天部1に抜け止め係合部7を設け、底部2に抜け止め受部8を設けた構成としている。
【0039】
即ち、下側の収納体Sの天部1に設けられた抜け止め係合部7と、上側の収納体Sの底部2に設けられた抜け止め受部8とが抜け止め係合して、上側の収納体Sと下側の収納体Sとが離脱不能に連結する構成としている。
【0040】
本実施例の連結機構について更に具体的に説明すると、抜け止め係合部7は、円形の回転軸部20と、この回転軸部20の上部に設けた楕円形状の抜け止め係止片部21とから成り、天部1の長手方向一側に突没自在且つ回転自在に設けた構成としている。
【0041】
また、抜け止め受部8は、上述した抜け止め係合部7の抜け止め係止片部21がちょうど挿通し得る楕円形状の貫通孔22を底部2の長手方向両側に夫々設けると共に、夫々の貫通孔22の短軸方向両側開口縁部の外側に抜け止め係止縁部23を設けた構成としている。
【0042】
具体的には、本実施例は、底部2に、この底部2の長手方向に沿って方形状の浅い凹部24を形成し、この凹部24内の長手方向両側に対称的に底部2表面と面一状態となる有底円筒部25を突設し、夫々の有底円筒部25の底部に楕円形状の貫通孔22を形成して、この貫通孔22の周囲の有底円筒部25の底部を抜け止め係止縁部23として抜け止め受部8を形成した構成としている。
【0043】
即ち、本実施例は、積み重ね状態の複数体の収納体Sの下側に位置する収納体Sの天部1に設けた抜け止め係合部7を上方に突き出し操作して、上側に位置する収納体Sの抜け止め受部8の貫通孔22に挿通し、挿通後回転操作(本実施例では90°回転操作)して抜け止め係止片部21の向きを変えると、この抜け止め係止片部21が抜け止め受部8の抜け止め係止縁部23に係合して抜け止め係止状態となり、この抜け止め係合部7の抜け止め係止片部21が抜け止め受部8の抜け止め係止縁部23に抜け止め係止することで、上側の収納体Sと下側の収納体Sとが離脱不能に連結するように構成している。
【0044】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。