特許第6207569号(P6207569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207569
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】収納体
(51)【国際特許分類】
   A47B 87/02 20060101AFI20170925BHJP
   A47B 91/06 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A47B87/02
   A47B91/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-213309(P2015-213309)
(22)【出願日】2015年10月29日
(65)【公開番号】特開2017-80184(P2017-80184A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2016年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社サンカ
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3027371(JP,U)
【文献】 実開平06−047138(JP,U)
【文献】 英国特許出願公開第02280892(GB,A)
【文献】 実公昭38−017152(JP,Y1)
【文献】 米国特許第06203128(US,B1)
【文献】 特開平09−023938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 87/00−87/02
A47B 91/06
A47B 67/04
B65D 21/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天部及び底部を有する箱状に形成し、前記底部に車輪を設けて移動自在に構成すると共に、前記天部を載置部として積み重ね可能に構成した収納体であって、前記天部は、この天部に積み重ね載置する他の前記収納体の底部に設けられた車輪を収納し得る車輪収納部を設けると共に、この車輪収納部を開閉自在に閉塞する蓋部を起伏自在に設けて、この蓋部を起き状態にすることで前記車輪収納部が開口状態となるように構成し、前記底部は、前記車輪を設けると共に、起き状態となって前記天部から突出した前記他の収納体の前記蓋部を収納し得る蓋収納部を前記車輪と並設状態に設けた構成として、前記蓋部を起き状態にして前記車輪収納部を開口状態にした前記天部上に他の前記収納体を積み重ね載置した際、前記車輪収納部に前記他の収納体の前記車輪が収納されると共に、起き状態にした前記蓋部が前記他の収納体の前記蓋収納部に収納されて、前記天部と前記他の収納体の底部とが当接状態又は近接状態に対向配設されると共に、前記他の収納体が横ずれ不能に位置決められる構成としたことを特徴とする収納体。
【請求項2】
前記蓋部は、前記天部に起伏回動自在に設けた構成として、この蓋部の起伏回動により前記車輪収納部を開閉自在に設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の収納体。
【請求項3】
前記蓋部は、前記車輪収納部を閉塞する伏し状態において、前記天部表面と面一状態となるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納体。
【請求項4】
前記天部に積み重ね載置した他の前記収納体を離脱不能に連結する連結機構を具備した構成とし、前記連結機構は、前記天部と前記底部とのいずれか一方に設けられる抜け止め係合部と、他方に設けられ他の前記収納体に設けられた前記抜け止め係合部と抜け止め係合する抜け止め受部とから成る構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動自在且つ積み重ね自在な収納体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キッチンや洗面所等の狭い室内空間における空きスペース(例えばキッチンにおいてはシンクと冷蔵庫との間、又はこれらと壁との間の隙間、或いはシンクの下、また、洗面所においては洗面台と洗濯機の間の隙間等)を収納空間として有効利用するため、従来、様々なタイプの収納体(例えば、車輪が設けられた移動式のもの、複数段積み重ねた背高タイプのもの、引き出しタイプや棚タイプのもの等)が市販されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の収納体は、設置する環境(空きスペースの高さや幅等)に合わせてタイプを選んで購入するため、設置環境が変化した場合、そのまま使用し続けることが難しい。
【0004】
例えば、いままでは設置環境が高さは無いが幅のある空間であったため、背低の車輪付き収納体を複数体並設していたが、レイアウト変更により、高さはあるが幅の無い空間に変わり、これらを並設することができず、積み重ねて設置しなければならない状況になった場合、車輪付きのものは、積み重ね状態が不安定となるうえ、この車輪により積み重ねた収納体の底部と下側の収納体の天部との間に、即ち積み重ねた収納体同士の境界部に隙間が生じ、一体感が無く見栄えの悪いものとなってしまう。
【0005】
また、逆のケースでは、複数の収納体を安定的に積み重ねて構成される収納体を分離して個別に使用する場合、積み重ねる収納体には車輪が無いため引出し操作(出し入れ移動操作)が必要な設置環境で使用する場合、移動させにくく使い勝手の悪いものとなってしまう。
【0006】
本発明は、このような従来の収納体の現状に鑑みなされたもので、車輪付きで移動自在に構成すると共に、安定状態に積み重ね可能に構成し、様々な設置環境に対応できる実用性に優れた画期的な収納体を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
天部1及び底部2を有する箱状に形成し、前記底部2に車輪3を設けて移動自在に構成すると共に、前記天部1を載置部として積み重ね可能に構成した収納体であって、前記天部1は、この天部1に積み重ね載置する他の前記収納体Sの底部2に設けられた車輪3を収納し得る車輪収納部4を設けると共に、この車輪収納部4を開閉自在に閉塞する蓋部5を起伏自在に設けて、この蓋部5を起き状態にすることで前記車輪収納部4が開口状態となるように構成し、前記底部2は、前記車輪3を設けると共に、起き状態となって前記天部1から突出した前記他の収納体Sの前記蓋部5を収納し得る蓋収納部6を前記車輪3と並設状態に設けた構成として、前記蓋部5を起き状態にして前記車輪収納部4を開口状態にした前記天部1上に他の前記収納体Sを積み重ね載置した際、前記車輪収納部4に前記他の収納体Sの前記車輪3が収納されると共に、起き状態にした前記蓋部5が前記他の収納体Sの前記蓋収納部6に収納されて、前記天部1と前記他の収納体Sの底部2とが当接状態又は近接状態に対向配設されると共に、前記他の収納体Sが横ずれ不能に位置決められる構成としたことを特徴とする収納体に係るものである。
【0009】
また、前記蓋部5は、前記天部1に起伏回動自在に設けた構成として、この蓋部5の起伏回動により前記車輪収納部4を開閉自在に設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の収納体に係るものである。
【0010】
また、前記蓋部5は、前記車輪収納部4を閉塞する伏し状態において、前記天部1表面と面一状態となるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納体に係るものである。
【0011】
また、前記天部1に積み重ね載置した他の前記収納体Sを離脱不能に連結する連結機構を具備した構成とし、前記連結機構は、前記天部1と前記底部2とのいずれか一方に設けられる抜け止め係合部7と、他方に設けられ他の前記収納体Sに設けられた前記抜け止め係合部7と抜け止め係合する抜け止め受部8とから成る構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納体に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、積み重ねて使用する際に、上側に位置する収納体の車輪が下側に位置する収納体の車輪収納部に収納されることで、車輪が天部に干渉せず上側の収納体と下側の収納体との間に隙間が生ずることなく積み重ねることができ、一体感がある見栄えの良い多段式収納体に構成することができる。
【0013】
しかも、車輪収納部を開口することで起き状態となった蓋部が上側の収納体の蓋収納部と係合して、下側の収納体に対して上側の収納体を横ずれ不能に位置決めるので、上側の収納体が位置ずれしたり転倒したりする不具合を可及的に低減し、安定した積み重ね状態を保持することができる。
【0014】
このように、本発明は、車輪を具備し移動自在に構成しながら、積み重ね状態とした際も安定した状態で積み重ねることができ、しかも、単体で使用する場合は車輪収納部が蓋部によって隠蔽されて体裁が損なわれず、また、積み重ねて使用する場合も、収納体同士が一体化して見栄えが良いものとなるから、様々な設置環境に対応できる実用性に優れた画期的な収納体となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例を示す斜視図(天部側から見た状態)である。
図2】本実施例を示す斜視図(底部側から見た状態)である。
図3】本実施例を示す斜視図(引出し部を引き出して右側面側から見た状態)である。
図4】本実施例の底部(a)と天部(b)との要部拡大説明図である。
図5】本実施例の蓋部の動作説明断面図である。
図6】本実施例を積み重ね状態とした際の要部拡大断面図である。
図7】本実施例の連結機構(非抜け止め状態)を示す説明平面図である。
図8】本実施例の連結機構(非抜け止め状態)を示す説明断面図である。
図9】本実施例の連結機構(抜け止め状態)を示す説明平面図である。
図10】本実施例の連結機構(抜け止め状態)を示す説明断面図である。
図11】本実施例の使用状態(積み重ね状態)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
本発明の収納体Sを複数体、例えば二体、積み重ねて多段式収納体として使用する場合、下側となる一の収納体Sの天部1に設けられている蓋部5を起き状態にして車輪収納部4を開口状態にし、この車輪収納部4が開口し蓋部5が起き状態となっている一の収納体Sの天部1上に、上側となる二の収納体Sを載置することで、一の収納体Sの天部1に設けられた車輪収納部4に二の収納体Sの底部2に設けた車輪3が収納されると共に、二の収納体Sの底部2に設けた蓋収納部6に一の収納体Sの天部1に起き状態となってこの天部1から突出状態に立設している蓋部5が収納されて、この二の収納体Sの車輪3の一の収納体Sの車輪収納部4への収納作用及び一の収納体Sの蓋部5の二の収納体Sの蓋収納部6への収納作用が夫々積み重ね時のガイド(位置合わせ案内部)になり、容易に一の収納体Sと二の収納体Sとを位置ズレなくきちんと面を合わせて積み重ねることができ、しかも、上記収納作用により、積み重ね状態において、一の収納体Sの車輪収納部4と二の収納体Sの車輪3とが凹凸係合すると共に、一の収納体Sの蓋部5と二の収納体Sの蓋収納部6とが凹凸係合することとなり、この凹凸係合作用により水平方向への移動(横ずれ)が不能となり、一の収納体Sに対して二の収納体Sが所定位置に位置決められて、安定した状態で積み重ねられることとなる。
【0018】
更に、上記収納作用により、一の収納体Sの天部1に突出した蓋部5の二の収納体Sの底部2表面への干渉が回避されると共に、二の収納体Sの底部2に突出した車輪3の一の収納体Sの天部1表面への干渉が回避されて、一の収納体Sの天部1と二の収納体Sの底部2とが当接または近接状態に対向配設されることとなり、これにより、積み重ね状態とした一の収納体Sと二の収納体Sとの境界部に殆ど隙間がなく一体感が生じて見栄えが良くなる。
【0019】
また、本発明の収納体Sを積み重ねずに単体で使用する場合は、蓋部5を伏し状態にして車輪収納部4を閉塞することで、車輪収納部4が露出せず体裁が良い収納体となる。
【0020】
このように、本発明は、単体で使用する場合、積み重ねて使用する場合のいずれの場合においても体裁が良く、しかも、積み重ねて使用する場合、下側の収納体Sに対して上側の収納体Sが安定した状態で積み重ねられることとなり、例えば引出し操作時に積み重ねた上側の収納体Sが位置ずれを起こしたり転倒したりする不具合が生じることが無く、使い勝手の良い実用性に優れた収納体となる。
【実施例】
【0021】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、天部1及び底部2を有する箱状に形成し、前記底部2に車輪3を設けて移動自在に構成すると共に、前記天部1を載置部として積み重ね可能に構成した収納体であって、前記天部1は、この天部1に積み重ね載置する他の前記収納体Sの底部2に設けられた車輪3を収納し得る車輪収納部4を設けると共に、この車輪収納部4を開閉自在に閉塞する蓋部5を起伏自在に設けて、この蓋部5を起き状態にすることで前記車輪収納部4が開口状態となるように構成し、前記底部2は、前記車輪3を設けると共に、起き状態となって前記天部1から突出した前記他の収納体Sの前記蓋部5を収納し得る蓋収納部6を前記車輪3と並設状態に設けた構成として、前記蓋部5を起き状態にして前記車輪収納部4を開口状態にした前記天部1上に他の前記収納体Sを積み重ね載置した際、前記車輪収納部4に前記他の収納体Sの前記車輪3が収納されると共に、起き状態にした前記蓋部5が前記他の収納体Sの前記蓋収納部6に収納されて、前記天部1と前記他の収納体Sの底部2とが当接状態又は近接状態に対向配設されると共に、前記他の収納体Sが横ずれ不能に位置決められる構成としたものである。
【0023】
具体的には、本実施例の収納体Sは、収納部となる三体の引出し部9と、これらを引き出し自在に収納する本体部10とから成る構成としている。
【0024】
引出し部9は、図示するように、上部及び左右いずれか一方の側面部(本実施例では右側面部)を開口した構成としている。
【0025】
また、本体部10は、正面部を開口した縦長箱状に形成した構成とすると共に、内部を三段に区切り、各段に上述した引出し部9を引き出し自在に設けた構成としている。
【0026】
本実施例の本体部10は、具体的には、天部1、底部2、左右側面部11,12及び背面部13を有する縦長箱状に形成する共に、天部1と底部2との間に仕切り板14を設けて本体内部を三段に区切り、更に、区切られた各段の右側面部12に開口部15を形成して、引出し部9を収納した際、引出し部9の側面開口部とこの本体部10の開口部15とが連通状態となり、所謂サイドオープンタイプのラック形態となる構成としている。
【0027】
即ち、本実施例の収納体Sは、両側に壁や物がある隙間に設置する際は、引出し部9を引き出すことで収納物の出し入れができ、また、少なくとも一側が開放された環境に設置する際は、開口部15を開放面側に向けて設置することで、引出し部9を引き出さなくても引出し部9内に収納した収納物を出し入れすることができる構成としている。
【0028】
また、本体部10の天部1は、各角部(四隅)に、この天部1上に積み重ね載置する他の収納体Sの車輪3を収納し得る車輪収納部4を凹設した構成としている。
【0029】
本実施例の車輪収納部4は、蓋部5を設けて開閉自在に設けた構成とし、具体的には、蓋部5を伏し状態とすることで閉塞し、起き状態とすることで開口する構成としている。
【0030】
また、この車輪収納部4を開閉自在に閉塞する蓋部5は、方形状に凹設した車輪収納部4内に起伏回動自在に設けた構成としている。
【0031】
具体的には、車輪収納部4の内側(天部1の短手方向内側)に設けた軸受部16に枢着し、内方に向かって起伏回動自在に設けた構成としている。
【0032】
更に具体的には、本実施例の蓋部5は、伏し状態となって車輪収納部4を閉塞した状態において天部1と面一状態となるように構成し、車輪収納部4を閉塞した状態においては、天部1と蓋部5とが一体化して蓋部5が目立たず体裁を損ねないように構成している。
【0033】
また、本実施例の蓋部5は、開閉操作時(特に起き状態にする開き操作時)に指先を引掛けてこの蓋部5を持ち上げ操作するための指掛け切欠き部17を設けた構成とすると共に、この開き操作により起立回動して起き状態となった状態が保持されるように構成している。
【0034】
具体的には、車輪収納部4内に、蓋部5が起立回動する際にこの蓋部5の基端部が圧接摺動してクリック抵抗を受けるクリック抵抗部18を設け、蓋部5の基端部がこのクリック抵抗部18を乗り越えるとクリック係止状態となって蓋部5の起き状態が保持されるように構成している。
【0035】
また、本体部10の底部2は、各角部(四隅)に車輪3を設けると共に、この車輪3と並設状態に蓋収納部6を設けた構成としている。
【0036】
具体的には、底部2の各角部に方形状凹部を形成すると共に、この方形状凹部内に間仕切り板19を設けて二分割し、外側凹部を車輪取付け部として車輪3を設け、内側凹部を蓋収納部6とした構成としている。
【0037】
また、本実施例の収納体Sは、天部1に積み重ね載置した他の収納体Sを離脱不能に連結する連結機構を具備した構成としている。
【0038】
具体的には、連結機構は、抜け止め係合部7と、この抜け止め係合部7と抜け止め係合する抜け止め受部8とから成る構成とし、本実施例においては、天部1に抜け止め係合部7を設け、底部2に抜け止め受部8を設けた構成としている。
【0039】
即ち、下側の収納体Sの天部1に設けられた抜け止め係合部7と、上側の収納体Sの底部2に設けられた抜け止め受部8とが抜け止め係合して、上側の収納体Sと下側の収納体Sとが離脱不能に連結する構成としている。
【0040】
本実施例の連結機構について更に具体的に説明すると、抜け止め係合部7は、円形の回転軸部20と、この回転軸部20の上部に設けた楕円形状の抜け止め係止片部21とから成り、天部1の長手方向一側に突没自在且つ回転自在に設けた構成としている。
【0041】
また、抜け止め受部8は、上述した抜け止め係合部7の抜け止め係止片部21がちょうど挿通し得る楕円形状の貫通孔22を底部2の長手方向両側に夫々設けると共に、夫々の貫通孔22の短軸方向両側開口縁部の外側に抜け止め係止縁部23を設けた構成としている。
【0042】
具体的には、本実施例は、底部2に、この底部2の長手方向に沿って方形状の浅い凹部24を形成し、この凹部24内の長手方向両側に対称的に底部2表面と面一状態となる有底円筒部25を突設し、夫々の有底円筒部25の底部に楕円形状の貫通孔22を形成して、この貫通孔22の周囲の有底円筒部25の底部を抜け止め係止縁部23として抜け止め受部8を形成した構成としている。
【0043】
即ち、本実施例は、積み重ね状態の複数体の収納体Sの下側に位置する収納体Sの天部1に設けた抜け止め係合部7を上方に突き出し操作して、上側に位置する収納体Sの抜け止め受部8の貫通孔22に挿通し、挿通後回転操作(本実施例では90°回転操作)して抜け止め係止片部21の向きを変えると、この抜け止め係止片部21が抜け止め受部8の抜け止め係止縁部23に係合して抜け止め係止状態となり、この抜け止め係合部7の抜け止め係止片部21が抜け止め受部8の抜け止め係止縁部23に抜け止め係止することで、上側の収納体Sと下側の収納体Sとが離脱不能に連結するように構成している。
【0044】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0045】
1 天部
2 底部
3 車輪
4 車輪収納部
5 蓋部
6 蓋収納部
7 抜け止め係合部
8 抜け止め受部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11