特許第6207571号(P6207571)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207571
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】屋根用設置物取付金具
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/00 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   E04D13/00 J
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-215309(P2015-215309)
(22)【出願日】2015年10月31日
(65)【公開番号】特開2017-89093(P2017-89093A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2016年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591042322
【氏名又は名称】ニイガタ製販株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 正守
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−059366(JP,A)
【文献】 特開2015−196962(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0012805(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04D 13/18
H02S 20/23
F24J 2/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根のハゼ部に固定可能な金具本体の上部に、屋根用設置物を固定するための固定ボルトを立設状態に設けた屋根用設置物取付金具において、前記金具本体は、上部に前記固定ボルトを備えた連結部材と、この連結部材に左右対向状態で揺動接離自在に連結される左右一対の挟持部材とから成り、前記一対の挟持部材間に締付ボルトを架設し、この締付ボルトを締付回動若しくはこの締付ボルトを螺着したナットを締付することにより一対の挟持部材を揺動接近させて前記ハゼ部を挟持固定し得ると共に、この締付ボルトを緩める若しくはこの締付ボルトを螺着したナットを緩めることにより前記一対の挟持部材を揺動離反し得るように構成し、前記連結部材は、その左右対向位置に前記一対の挟持部材を支持する支持部を設け、前記一対の挟持部材は、前記支持部に当接可能な当接支点部の下部に前記ハゼ部を挟持する挟持対向部を設けると共に、前記当接支点部の上部に摘み部を設けた構成として、この左右の摘み部を手で摘まむことにより左右の摘み部間の対向間隔を狭めると、前記左右の当接支点部が前記左右の支持部に当接し、この当接支点部を支点に前記左右の挟持対向部が互いに離反方向に移動して左右の挟持対向部の対向間隔が拡大するように構成したことを特徴とする屋根用設置物取付金具。
【請求項2】
前記連結部材の左右対向位置若しくは前記一対の挟持部材に連結片を設け、この連結片を揺動自在に挿入連結可能な挿入部を一対の挟持部材若しくは連結部材の左右対向位置に設けて、この連結片を挿入部に挿入連結することにより、連結部材に一対の挟持部材が左右対向状態で揺動接離自在に連結される構成としたことを特徴とする請求項1記載の屋根用設置物取付金具。
【請求項3】
前記一対の挟持部材は、一枚の板材を折曲することにより、前記当接支点部の下部に前記挟持対向部を有すると共に、前記当接支点部の上部に摘み部を有する形状に形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付金具。
【請求項4】
前記金具本体の上部に屋根用設置物を載置する載置部を設け、この載置部より上方に前記摘み部を配設すると共に、この摘み部に、前記載置部に載置した屋根用設置物を支持して位置決めする支持ストッパーを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根上にソーラーパネルなどの屋根用設置物を設置するための屋根用設置物取付金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋根上にソーラーパネルや融雪装置などの設置物を設置するための設置物取付金具が実施されている。
【0003】
この種の屋根用設置物取付金具は、取付けする屋根の形状によって構成が異なるが、折板屋根や立平葺き屋根のようにハゼ部を備えた屋根に対して使用する金具は、金具本体の上部に、屋根用設置物を固定するための固定ボルトが突設され、金具本体の下部に、ハゼ部に左右から挟持する一対の挟持部材が設けられると共に、締付ボルトの締付により一対の挟持部材が接近移動してハゼ部に挟持固定できるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4796680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のような設置物取付金具は、締付ボルトを緩め、一対の挟持部材を作業者が両手で持って対向間隔を広げながらハゼ部の左右を挟むように屋根上にセットし、その後締付ボルトを締付して一対の挟持部材でハゼ部に挟持固定している。
【0006】
本発明は、この点、屋根上への金具のセット作業を、片手で容易に行うことが可能となる屋根用設置物取付金具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
屋根1のハゼ部2に固定可能な金具本体3の上部に、屋根用設置物4を固定するための固定ボルト5を立設状態に設けた屋根用設置物取付金具において、前記金具本体3は、上部に前記固定ボルト5を備えた連結部材6と、この連結部材6に左右対向状態で揺動接離自在に連結される左右一対の挟持部材7とから成り、前記一対の挟持部材7間に締付ボルト8を架設し、この締付ボルト8を締付回動若しくはこの締付ボルト8を螺着したナット9を締付することにより一対の挟持部材7を揺動接近させて前記ハゼ部2を挟持固定し得ると共に、この締付ボルト8を緩める若しくはこの締付ボルト8を螺着したナット9を緩めることにより前記一対の挟持部材7を揺動離反し得るように構成し、前記連結部材6は、その左右対向位置に前記一対の挟持部材7を支持する支持部10を設け、前記一対の挟持部材7は、前記支持部10に当接可能な当接支点部11の下部に前記ハゼ部2を挟持する挟持対向部12を設けると共に、前記当接支点部11の上部に摘み部13を設けた構成として、この左右の摘み部13を手Hで摘まむことにより左右の摘み部13間の対向間隔を狭めると、前記左右の当接支点部11が前記左右の支持部10に当接し、この当接支点部11を支点に前記左右の挟持対向部12が互いに離反方向に移動して左右の挟持対向部12の対向間隔が拡大するように構成したことを特徴とする屋根用設置物取付金具に係るものである。
【0009】
また、前記連結部材6の左右対向位置若しくは前記一対の挟持部材7に連結片14を設け、この連結片14を揺動自在に挿入連結可能な挿入部15を一対の挟持部材7若しくは連結部材6の左右対向位置に設けて、この連結片14を挿入部15に挿入連結することにより、連結部材6に一対の挟持部材7が左右対向状態で揺動接離自在に連結される構成としたことを特徴とする請求項1記載の屋根用設置物取付金具に係るものである。
【0010】
また、前記一対の挟持部材7は、一枚の板材を折曲することにより、前記当接支点部11の下部に前記挟持対向部12を有すると共に、前記当接支点部11の上部に摘み部13を有する形状に形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付金具に係るものである。
【0011】
また、前記金具本体3の上部に屋根用設置物4を載置する載置部16を設け、この載置部16より上方に前記摘み部13を配設すると共に、この摘み部13に、前記載置部16に載置した屋根用設置物4を支持して位置決めする支持ストッパー17を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付金具に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、作業者が片手で左右の摘み部を摘まむようにするだけで左右の挟持対向部の対向間隔を広げることができ、この摘み操作に続いて片手で容易にハゼ部の左右を挟むように金具本体を屋根上にセットすることができる極めて取付作業性に優れ、実用性に優れた屋根用設置物取付金具となる。
【0013】
また、請求項2記載の発明においては、連結部材に一対の挟持部材が左右対向状態で揺動接離自在に連結される構成を、簡易構造により容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付金具となる。
【0014】
また、請求項3記載の発明においては、前記作用効果を確実に発揮する摘み部を備えた一対の挟持部材を、一枚の板材からコスト安に且つ簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付金具となる。
【0015】
また、請求項4記載の発明においては、載置部に屋根用設置物を安定的に載置できると共に、この載置部より上方に配設した摘み部の支持ストッパーにより、載置部に載置した屋根用設置物を位置決め状態で支持できる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付金具となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1を折板屋根上に取付固定した状態を示す斜視図である。
図2】実施例1の分解斜視図である。
図3】実施例1を示す説明正断面図である。
図4】実施例1の、左右の摘み部を片手で摘まむことにより左右の挟持対向部の対向間隔を拡大させて折板屋根上にセットしようとする状態を示す説明正断面図である。
図5図4に続いて、金具本体を折板屋根上にセットし、締付ボルトを締付してハゼ部に締付固定した状態(実施例1の使用状態)を示す説明正断面図である。
図6】実施例1の使用状態を示す説明側面図である。
図7】実施例2を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0018】
予め締付ボルト8を緩めておくか、若しくはこの締付ボルト8を螺着したナット9を緩めておくことにより、金具本体3の左右一対の挟持部材7が連結部材6に対し揺動離反可能となるようにしておく。
【0019】
一対の挟持部材7の上部に設けた摘み部13を、例えば片方の手Hの第一指F1(親指)と第二指F2(人差し指)で摘まんでこの左右の摘み部13間の対向間隔を狭めると、一対の挟持部材7の当接支点部11が連結部材6の左右対向位置に設けた支持部10に当接し、この支持部10に当接している当接支点部11を支点に一対の挟持部材7の下部に設けた挟持対向部12が互いに離反方向に移動して、左右の挟持対向部12の対向間隔が拡大することになる。
【0020】
従って、作業者は片手Hで左右の摘み部13を摘まむだけの操作で左右の挟持対向部12の対向間隔を広げることができ、この摘み操作により左右の挟持対向部12の対向間隔を屋根1のハゼ部2の横幅より広くしつつハゼ部2の左右を挟むように金具本体3を移動させて屋根1上にセットすることができる。
【0021】
続いて、締付ボルト8を締付回動若しくはこの締付ボルト8を螺着したナット9を締付することにより一対の挟持部材7を揺動接近させ、左右の挟持対向部12で前記ハゼ部2を挟持固定すると、金具本体3が屋根1上に固定され、金具本体3の前記連結部材6の上部に設けた固定ボルト5により屋根用設置物4を固定すると、本屋根用設置物取付金具を介して屋根1に屋根用設置物4が取付けられる。
【実施例1】
【0022】
本発明の具体的な実施例1について図1図6に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、本発明をハゼ式折板屋根1用のソーラーパネル取付金具に適用したもので、図1に示すように、折板屋根1のハゼ部2に固定可能な金具本体3の上部に、屋根用設置物4としてのソーラーパネル4(以下、本実施例では、屋根用設置物4をソーラーパネル4と称す。)の外周縁部を載置可能な載置部16を設けると共に、この載置部16に載置したソーラーパネル4を固定するための固定ボルト5を立設状態に設けている。尚、金具本体3は、折板屋根1用に限らず、立平葺き屋根用や他のハゼ部2を具備する屋根用にも設計変更可能である。
【0024】
また、本実施例の金具本体3は、上部に前記固定ボルト5と載置部16を備えた連結部材6と、この連結部材6に左右対向状態で揺動接離自在に連結されて前記ハゼ部2を挟持する左右一対の挟持部材7とから成る三パーツ構造としている。
【0025】
具体的には、本実施例の連結部材6は、図1図2に示すように、略水平方向に面方向を有すると共に、金具本体3の前後方向に長さを有する略長方形状の板材で構成して、この板材の上面部を前記載置部16としている。
【0026】
また、この連結部材6は、その中心部にボルト取付孔18を上下貫通状態に設け、このボルト取付孔18に連結部材6の下方から六角ボルトを採用した固定ボルト5のボルト先端を挿通し、連結部材6の上方へ突出するこの固定ボルト5のボルト先端に取付ナット19を螺着することにより固定ボルト5を落下防止状態で立設状態に固定した構成としている。
【0027】
また、本実施例では、この固定ボルト5が取付けられる連結部材6の中心部を除いた連結部材6の前後の上面部を前記載置部16とすると共に、この前後の載置部16は、夫々の外周縁部を下方へ折曲することにより補強して(折曲補強板部35を設けて)、ソーラーパネル4の載置可能強度を確保した構成としている。
【0028】
また、この連結部材6には、前記ボルト取付孔18の左右両側に切り込みを形成し、この左右の切り込みを上方からプレスすることによって連結部材6の下面側に突出する回り止め突起20を形成し、この左右の回り止め突起20が、ボルト取付孔18に挿通した前記固定ボルト5の頭部の対向二側面に当接若しくは近接して固定ボルト5を回り止めする構成としている(図3図5参照)。即ち、回り止めされた固定ボルト5に対して、前記取付ナット19並びに後述する押え込みナット33の回動締緩操作を容易に行えるようにしている。
【0029】
また、この連結部材6は、前記前後の載置部16に、前後対称形状にして平面視略C状の切り込みを形成し、この各C状切り込みの内側部分を下方へ折曲垂下させると共に、この前後の垂下板片の左右端部が舌片状となるように前記切り込みの形状を設定して、この前後の垂下板片の左右の舌片状端部を、後述する挟持部材7の挿入部15に挿入連結するための連結片14としている。
【0030】
また、この連結部材6は、前記ボルト取付孔18の左右位置を平面視略方形状に切欠形成して、この左右の切欠部21を、前記左右の挟持部材7の一部が収容配設される収容部21とし、更にこの左右の収納部21の内側に存するストレート縁部を、後述する挟持部材7の当接支点部11を支持する支持部10としている。
【0031】
本実施例の挟持部材7は、金属製板材を折曲して構成する一対の板材折曲体7で構成し、この挟持部材7同士を前記本体部材6を挟んで左右に対向配設し、この挟持部材7間に各挟持部材7に設けたボルト通し部22を介して締付ボルト8を水平貫通配設し、この締付ボルト8のボルト先端に六角ナットを採用した締付ナット9を螺着することにより、一対の挟持部材7がバラけないように組付けた構成としている。また、この締付ナット9を締付け回動することで各挟持部材7に形成した挟持対向部12を接近移動させて前記ハゼ部2を締め付け挟持し、この挟持作用により金具本体3を屋根1上に固定できるように構成すると共に、この締付ボルト8に螺着された締付ナット9を緩めることにより、一対の挟持部材7を揺動離反させることが可能となる構成としている(図4図5参照)。尚、締付ボルト8を締付け回動することで、前記挟持対向部12の挟持作用を発揮させる構成としても良い。
【0032】
また、この挟持部材7は、前記連結部材6の支持部10に当接可能な当接支点部11の下部に前記ハゼ部2を挟持する挟持対向部12を設けると共に、前記当接支点部11の上部に摘み部13を設けた構成としている。
【0033】
更に具体的には、挟持部材7は、図2に示すように、金属製板材を折曲して底板部23上に開口側を外側に向けた平面視コ字状のコ字板部24を立上げ折曲形成し、このコ字板部24の中板部25から外方に折曲突出する前板部26と後板部27の先端部を折曲して折り返し補強板部28を設けた構成とし、このコ字板部24の前記中板部25を向い合せて一対の挟持部材7を左右に対向配置し得るようにしている。
【0034】
また、このコ字板部24の対向する前記中板部25の中ほどには、六角ボルトを採用した前記締付ボルト8の螺子部を遊嵌状態に挿通支持可能で且つ頭部は挿通不能な孔径寸法の丸孔を貫通形成してこの貫通孔を前記ボルト通し部22とし、更に、左右いずれか一方の中板部25は、前記ボルト通し部22の上下部を例えばプレスすることによって外方へ膨出させてこの膨出部を回り止め突部29とし、この上下の回り止め突部29が、挟持部材7の対向外側からボルト通し部22に挿通した前記締付ボルト8の頭部の対向二側面に当接若しくは近接して締付ボルト8を回り止めする構成としている。即ち、回り止めされた締付ボルト8に対して、前記締付ナット9の回動締緩操作を容易に行えるようにしている。
【0035】
また、この中板部25のボルト通し部22より下側には、前板部26と後板部27の途中に至る範囲まで開口部30を貫通形成して、このハゼ部2の逃げ口ともなる開口部30の下側に、中板部25の板幅で上下幅をも有する帯板状の前記挟持対向部12を形成している。
【0036】
また、この中板部25の上側前後位置に、前記連結片14を挿脱自在に挿入連結可能な挿入部15として縦長スリット状の挿入孔15を貫通形成して、この挿入孔15に連結片14を挿入連結することにより、前記連結部材6に一対の挟持部材7が左右対向状態で連結される構成としている。
【0037】
また、この挿入孔15は、その上下孔幅を、前記連結片14の上下幅よりもやや幅広な孔形状に形成して、この挿入孔15に前記連結片14を挿入した際の挿入孔15に対する連結片14のスライド横移動並びに上下揺動が許容される構成とし、これにより前記連結部材6に一対の挟持部材7が左右対向状態で揺動接離自在に連結される構成としている。
【0038】
また、この挟持部材7は、前記中板部25の上部前後に帯板状の板片が前後へ延設突出する形状に形成して、この延設片部が前記連結部材6を載置支承する支承部36として機能する構成としている。
【0039】
更にこの挟持部材7は、前記中板部25の上部に略T字状の板片が上方へ延設突出する形状に形成し、この延設板片31は、その基部側の前後幅を、前記収容部21の前後幅より小さい幅寸法に設定して、この延設板片31の基部側(前記中板部25との連設部)を前記収容部21に収容配設し得るように構成すると共に、この延設板片31の基部側の対向内側面を収容部21の前記支持部10に当接可能な当接支点部11とし、この延設板片31の基部側を収容部21に収容すると、延設板片31の延出先端側が載置部16より上方へ突出する構成としている。
【0040】
また、この載置部16より上方へ突出する左右の延設板片31は、その前後の突出部を、対向内側に向けて略直角に折曲することにより平面視コ字状に構成して、このコ字状片部を前記摘み部13としている。
【0041】
また、この左右の摘み部13は、その対向外側面を成人が片手Hの第一指F1(親指)と第二指F2(人差し指)で摘まむことができる対向間隔をもって前記連結部材6に対設可能となるように前記収容部21を設定構成している。
【0042】
そして、この左右の摘み部13を手Hで摘まむことにより左右の摘み部13間の対向間隔を狭めると、前記左右の当接支点部11が前記左右の支持部10に当接し、この当接支点部11を支点に前記左右の挟持対向部12が互いに離反方向に移動して左右の挟持対向部12の対向間隔が拡大する構成としている(図4参照)。
【0043】
また、本実施例では、左右の摘み部13の夫々の前後に存する折曲片部を、前記載置部16に載置したソーラーパネル4(屋根用設置物4)の外周縁部の外端面を支持して位置決め可能な支持ストッパー17としている。
【0044】
次に、本実施例を用いたソーラーパネル4の取付方法を説明する。
【0045】
予め締付ボルト8を螺着した締付ナット9を緩めて、一対の挟持部材7が揺動離反可能となるようにしておく。
【0046】
作業者が左右一対の挟持部材7の上部に設けた摘み部13を、例えば片手Hの第一指F1と第二指F2で摘んで左右の摘み部13間の対向間隔を狭めると、この摘み部13より下方の当接支点部11が、連結部材6の左右対向位置に設けた支持部10に当接し、この当接支点部11を支点に一対の挟持部材7の下部に設けた挟持対向部12が互いに離反方向に移動して左右の挟持対向部12の対向間隔が拡大することになる(図4参照)。
【0047】
従って、作業者は片手Hで左右の摘み部13を摘まむだけで左右の挟持対向部12の対向間隔を広げることができ、この片手H操作により左右の挟持対向部12の対向間隔を折板屋根1のハゼ部2の横幅より広くしつつハゼ部2の左右を挟むように金具本体3を移動して折板屋根1上にセットすることができる。
【0048】
続いて、締付ボルト8を螺着した締付ナット9を締付することにより一対の挟持部材7を揺動接近させ左右の挟持対向部12で前記ハゼ部2を挟持固定すると、金具本体3が屋根1上に固定される(図5参照)。
【0049】
このようにして、折板屋根1上の所定位置に多数の本屋根用設置物取付金具を散在状態に固定する。
【0050】
続いて、二枚のソーラーパネル4の外周縁部を、金具本体3の前側の載置部16と後側の載置部16とに夫々載置して各外周縁部を前記支持ストッパー17に突き当て、前記固定ボルト5に上方から固定部材32を装着し、この固定部材32より上方側の固定ボルト5に押え込みナット33を螺着してこの押え込みナット33を締付操作することにより、固定部材32で載置部16上に載置したソーラーパネル4の外周縁部を上方から押え込み固定する(図5図6参照)。
【0051】
図中符号34は座金、37はソーラーパネル4の配線を結束する結束バンドを挿通するためのバンド挿通孔である。
【実施例2】
【0052】
本発明の具体的な実施例2について図7に基づいて説明する。
【0053】
本実施例は、前記実施例1において、前記支持ストッパー17を前記連結部材6に設けた場合である。
【0054】
具体的には、前記連結部材6の、前記各収容部21の前後に隣接する四箇所の外周部位を上方へ曲げ起こして、この四箇所の曲げ起こし片部を前記支持ストッパー17とした場合を示している。
【0055】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【0056】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0057】
1 屋根
2 ハゼ部
3 金具本体
4 屋根用設置物
5 固定ボルト
6 連結部材
7 挟持部材
8 締付ボルト
9 ナット
10 支持部
11 当接支点部
12 挟持対向部
13 摘み部
14 連結片
15 挿入部
16 載置部
17 支持ストッパー
H 手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7