(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
主成形ロールのロール直径と、複数の仕上げ成形ロールのうち主成形ロールと隣り合う第1仕上げ成形ロールのロール直径とを、複数の仕上げ成形ロールのうち第1仕上げ成形ロールと隣り合う第2仕上げ成形ロールのロール直径よりも小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の多段ロール式のシート成形装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の多段ロール式のシート成形装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0033】
〔第1の実施形態〕
<シート成形装置の概略説明>
図1に示される多段ロール式のシート成形装置1Aは、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などの樹脂材料で加圧成形法により、例えば、0.1mmから3mm程度までの透明クリアシートなどを成形する用途に用いられるものであり、薄膜シートから厚膜シートまでを高速・高品質で生産することができるようになっている。
【0034】
シート成形装置1Aは、水平方向の前段側(
図1の右側)から後段側(
図1の左側)に向かって順に平行配置されるタッチ成形ロール11、主成形ロール12、第1仕上げ成形ロール13、第2仕上げ成形ロール14及び第3仕上げ成形ロール15の合計5本の成形ロール11〜15と、第3仕上げ成形ロール15の後段側に平行配置される剥がしロール16と、これら成形ロール11〜15及び剥がしロール16を支える架台2とを備えている。
ここで、5本の成形ロール11〜15及び剥がしロール16は、軸方向に同じ幅に設定されるとともに、各ロール11〜16の軸中心線が同一水平面上にあるように高さ位置が設定されている。
タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13は、ロール外径がいずれもφ300mmであり、第2仕上げ成形ロール14及び第3仕上げ成形ロール15は、ロール外径がいずれもφ250mmであり、いずれの成形ロール11〜15も面長は1400mmである。
【0035】
<溶融状シートの供給についての説明>
タッチ成形ロール11と主成形ロール12との間の上方には、図示されない溶融樹脂押出し機からの溶融樹脂をシート状に下向きに押し出すTダイ3が配設され、Tダイ3から下向きに押し出された溶融状のシート4がタッチ成形ロール11と主成形ロール12との間の後述する第1ニップ部21に供給されるようになっている。
【0036】
<ニップ部の説明>
タッチ成形ロール11と主成形ロール12との間には、これら成形ロール11,12でTダイ3からの溶融状のシート4を挟み込んで圧縮するための隙間である第1ニップ部21が設けられている。
主成形ロール12と第1仕上げ成形ロール13との間には、これら成形ロール12,13でシート4を挟み込んで圧縮するための隙間である第2ニップ部22が設けられている。
以下同様に、第1仕上げ成形ロール13と第2仕上げ成形ロール14との間、第2仕上げ成形ロール14と第3仕上げ成形ロール15との間、及び第3仕上げ成形ロール15と剥がしロール16との間には、それぞれ順に第3ニップ部23、第4ニップ部24及び第5ニップ部25が設けられている。
成形ロール11〜15及び剥がしロール16は、通常、同じ周速となるように回転され、主として、第1〜第4ニップ部21〜24において、隣り合う成形ロール11,12;12,13;13,14;14,15の軸方向の幅全域に均一な圧力(線圧)をシート4に作用させることによってシート4を一定の厚さに成形する加圧成形法によるシート成形が行われる。
【0037】
<バンクの説明>
タッチ成形ロール11及び主成形ロール12を回転させながら溶融樹脂を挟圧する場合、図示による詳細説明は省略するが、第1ニップ部21の上流側で片面又は両面に樹脂が盛り上がる部分が生じる(以下、この盛り上がり部分をバンクという。)。
バンクが大きすぎると、バンクマーク(不規則な横筋)が生じ、シート不良になるが、適度な大きさであれば、混練作用があり、シート均質化に役立つ。
薄膜シートを成形する場合では、バンク発生場所は、通常、第1ニップ部21のみで、バンク発生回数は1回であるが、厚膜シートを成形する場合では、厚膜シートは冷却が遅いので、第1ニップ部21のみならず、第2ニップ部22や第3ニップ部23など、複数箇所でバンクが発生する。
また、薄膜シートでは、樹脂の種類にもよるが、厚さが0.4mm以下では冷却が速く、通常、バンク発生回数は1回であるが、高速成形すると、バンク発生回数は増加する。
【0038】
<架台の説明>
架台2は、前後方向(
図1の左右方向)に長く延びるベースフレーム5と、左右方向(
図1の紙面を垂直に貫く方向)に所定間隔を設けて平行に配される一対の前段側レール支持フレーム6と、左右方向に所定間隔を設けて平行に配される一対の後段側レール支持フレーム7とを備えてなり、前段側レール支持フレーム6が前側に、後段側レール支持フレーム7が後側に位置するように、これらレール支持フレーム6,7がベースフレーム5上に固定状態で設置されている。
架台2の下面側には、走行車輪8が付設されたジャッキ9が架台2の四隅に取り付けられ、シート成形装置1Aを容易に移動させることができるとともに、シート成形装置1Aの全体を昇降させて、例えば、Tダイ3等に対する上下高さ位置を容易に調整することができる。
【0039】
<ロール支持構造及び案内手段の説明>
一対の前段側レール支持フレーム6上には、前後方向に延びる案内手段としての一対の前段側レール31が左右方向に所定間隔を設けて固定状態で設置されるとともに、一対の後段側レール支持フレーム7上には、前後方向に延びる案内手段としての一対の後段側レール32が左右方向に所定間隔を設けて固定状態で設置されている。
【0040】
タッチ成形ロール11の両側部には、ロール軸受33が装着され、ロール軸受33を保持する第1軸受箱41が前段側レール31上に摺動自在に設置され、タッチ成形ロール11は、第1軸受箱41を介して前段側レール31によって前後方向に水平移動可能に案内される。
【0041】
主成形ロール12の両側部には、ロール軸受34が装着され、ロール軸受34を保持する第2軸受箱42が前段側レール支持フレーム6上に固定状態で設置され、主成形ロール12は第2軸受箱42を介して前段側レール支持フレーム6に固定されている。
【0042】
第1仕上げ成形ロール13の両側部には、ロール軸受35が装着され、ロール軸受35を保持する第3軸受箱43が後段側レール32上に摺動自在に設置され、第1仕上げ成形ロール13は、第3軸受箱43を介して後段側レール32によって前後方向に水平移動可能に案内される。
【0043】
第2仕上げ成形ロール14の両側部には、ロール軸受36が装着され、ロール軸受36を保持する第4軸受箱44が後段側レール32上に摺動自在に設置され、第2仕上げ成形ロール14は、第4軸受箱44を介して後段側レール32によって前後方向に水平移動可能に案内される。
【0044】
第3仕上げ成形ロール15の両側部には、ロール軸受37が装着され、ロール軸受37を保持する第5軸受箱45が後段側レール32上に摺動自在に設置され、第3仕上げ成形ロール15は、第5軸受箱45を介して後段側レール32によって前後方向に水平移動可能に案内される。
【0045】
剥がしロール16の両側部には、ロール軸受38が装着され、ロール軸受38を保持する第6軸受箱46が後段側レール32上に摺動自在に設置され、剥がしロール16は、第6軸受箱46を介して後段側レール32によって前後方向に水平移動可能に案内される。
【0046】
<タッチ成形ロールを水平移動させるスライド駆動手段の説明>
前段側レール支持フレーム6の前端部には第1サポート部材51が立設され、第1サポート部材51と第1軸受箱41との間には、タッチ成形ロール11を水平移動させるスライド駆動手段としての第1油圧シリンダ61が設けられている。
第1油圧シリンダ61のボトム側は、第1サポート部材51に固定される一方、第1油圧シリンダ61のロッド側は、第1軸受箱41に連結されている。
第1油圧シリンダ61を収縮作動させると、主成形ロール12に対しタッチ成形ロール11が遠ざかる方向に水平移動されて、第1ニップ部21の隙間が広げられ、これとは逆に、第1油圧シリンダ61を伸長作動させると、主成形ロール12に対しタッチ成形ロール11が近づく方向に水平移動されて、第1ニップ部21の隙間が狭められる。
こうして、第1油圧シリンダ61の収縮又は伸長作動により、第1ニップ部21を開く又は閉じる第1ニップ部開閉動作が行われる。
【0047】
<第1仕上げ成形ロールを水平移動させるスライド駆動手段の説明>
前段側レール支持フレーム6の外側面には第2サポート部材52が左右方向外側に張り出すように設けられ、第3軸受箱43には左右方向外側に張り出すとともに下方に延びる第3サポート部材53が設けられ、第2サポート部材52と第3サポート部材53との間には、第1仕上げ成形ロール13を水平移動させるスライド駆動手段としての第2油圧シリンダ62が設けられている。
第2油圧シリンダ62のボトム側は、第3サポート部材53に固定される一方、第2油圧シリンダ62のロッド側は第2サポート部材52に連結されている。
第2油圧シリンダ62を伸長作動させると、主成形ロール12に対し第1仕上げ成形ロール13が遠ざかる方向に水平移動されて、第2ニップ部22の隙間が広げられ、これとは逆に、第2油圧シリンダ62を収縮作動させると、主成形ロール12に対し第1仕上げ成形ロール13が近づく方向に水平移動されて、第2ニップ部22の隙間が狭められる。
こうして、第2油圧シリンダ62の伸長又は収縮作動により、第2ニップ部22を開く又は閉じる第2ニップ部開閉動作が行われる。
【0048】
<第2仕上げ成形ロールを水平移動させるスライド駆動手段の説明>
第4軸受箱44には左右方向外側に張り出すとともに下方に延びる第4サポート部材54が設けられ、第3サポート部材53と第4サポート部材54との間には、第2仕上げ成形ロール14を水平移動させるスライド駆動手段としての第3油圧シリンダ63が設けられている。
第3油圧シリンダ63のボトム側は、第4サポート部材54に固定される一方、第3油圧シリンダ63のロッド側は、第3サポート部材53に連結されている。
第3油圧シリンダ63を伸長作動させると、第1仕上げ成形ロール13に対し第2仕上げ成形ロール14が遠ざかる方向に水平移動されて、第3ニップ部23の隙間が広げられ、これとは逆に、第3油圧シリンダ63を収縮作動させると、第1仕上げ成形ロール13に対し第2仕上げ成形ロール14が近づく方向に水平移動されて、第3ニップ部23の隙間が狭められる。
こうして、第3油圧シリンダ63の伸長又は収縮作動により、第3ニップ部23を開く又は閉じる第3ニップ部開閉動作が行われる。
【0049】
<第3仕上げ成形ロールを水平移動させるスライド駆動手段の説明>
第5軸受箱45には左右方向外側に張り出すとともに下方に延びる第5サポート部材55が設けられ、第4サポート部材54と第5サポート部材55との間には、第3仕上げ成形ロール15を水平移動させるスライド駆動手段としての第4油圧シリンダ64が設けられている。
第4油圧シリンダ64のボトム側は、第5サポート部材55に固定される一方、第4油圧シリンダ64のロッド側は、第4サポート部材54に連結されている。
第4油圧シリンダ64を伸長作動させると、第2仕上げ成形ロール14に対し第3仕上げ成形ロール15が遠ざかる方向に水平移動されて、第4ニップ部24の隙間が広げられ、これとは逆に、第4油圧シリンダ64を収縮作動させると、第2仕上げ成形ロール14に対し第3仕上げ成形ロール15が近づく方向に水平移動されて、第4ニップ部24の隙間が狭められる。
こうして、第4油圧シリンダ64の伸長又は収縮作動により、第4ニップ部24を開く又は閉じる第4ニップ部開閉動作が行われる。
【0050】
<剥がしロールを水平移動させるスライド駆動手段の説明>
第6軸受箱46には左右方向外側に張り出すとともに下方に延びる第6サポート部材56が設けられ、第5サポート部材55と第6サポート部材56との間には、剥がしロール16を水平移動させるスライド駆動手段としての第5油圧シリンダ65が設けられている。
第5油圧シリンダ65のボトム側は、第6サポート部材56に固定される一方、第5油圧シリンダ65のロッド側は、第5サポート部材55に連結されている。
第5油圧シリンダ65を伸長作動させると、第3仕上げ成形ロール15に対し剥がしロール16が遠ざかる方向に水平移動されて、第5ニップ部25の隙間が広げられ、これとは逆に、第5油圧シリンダ65を収縮作動させると、第3仕上げ成形ロール15に対し剥がしロール16が近づく方向に水平移動されて、第5ニップ部25の隙間が狭められる。
こうして、第5油圧シリンダ65の伸長又は収縮作動により、第5ニップ部25を開く又は閉じる第5ニップ部開閉動作が行われる。
なお、剥がしロール16は、第3仕上げ成形ロール15のシート巻き角度を180°に確保してシート冷却能力を増すとともに、第3仕上げ成形ロール15からシート4を確実に剥ぎ取る役割があり、粘着性のある樹脂シートはこの剥がしロール16がないと、シート剥がれ位置が変動したり、シート4にばたつきが出てシート表面に剥がれマークが付いたりするので設置するのが好ましく、通常、ニップ線圧は成形ロールよりも低く設定して自身の粘着を防止するようにしている。
【0051】
第2〜第5油圧シリンダ62〜65は、それぞれのシリンダ軸中心線が同一直線上に位置するように、それぞれのシリンダ軸心を一致させて直列接続されている。
第2〜第5油圧シリンダ62〜65のシリンダ軸中心線とロール軸受35〜38の軸心を結ぶ直線とは、左右方向外側に離れた位置にあるとともに、上下方向に離れた位置(
図1中記号EEで示される偏心量)にあるため、第3〜第6軸受箱43〜46と後段側レール32とには、第2〜第5ニップ部開閉動作時に曲げモーメントが生じるので、第3〜第6軸受箱43〜46と後段側レール32とのスライド構造は強固なものにする必要がある。
例えば、図示による詳細説明を省略するが、ボールが循環するスライドリニアガイドを、個々の軸受箱43〜46に対し左右側に複列で前後側に2箇所、合計4個配置する構成のスライド構造を採用するのが好適である。
【0052】
第1〜第5ニップ部開閉動作時において、第1〜第5油圧シリンダ61〜65の作動油圧は個々の油圧シリンダ毎に調整可能となっており、第1〜第5ニップ部21〜25でのシート4に対する挟圧力(ロール押し力(線圧))を個々のニップ部毎に調整することができる。
【0053】
<ニップ部開閉動作時の連動とニップ部に与える影響についての説明>
第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16は、第3〜第6軸受箱43〜46、第3〜第6サポート部材53〜56及び第3〜第5油圧シリンダ63〜65によって相互に力学的に連結されている。
このため、第2油圧シリンダ62を伸縮作動させて主成形ロール12に対し第1仕上げ成形ロール13を前後方向に水平往復移動させると、つまり第2ニップ部開閉動作を行うと、第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16が一体となって前後方向に水平往復移動される。
【0054】
また、第3油圧シリンダ63を伸縮作動させて第1仕上げ成形ロール13に対し第2仕上げ成形ロール14を前後方向に水平往復移動させると、つまり第3ニップ部開閉動作を行うと、第2〜第3仕上げ成形ロール14,15及び剥がしロール16が一体となって前後方向に水平往復移動される。
このとき、主成形ロール12と第1仕上げ成形ロール13とは第2油圧シリンダ62によって前後方向の水平相対位置が保持されているので、第2ニップ部22は、第3ニップ部開閉動作の影響を受けることはない。
【0055】
また、第4油圧シリンダ64を伸縮作動させて第2仕上げ成形ロール14に対し第3仕上げ成形ロール15を前後方向に水平往復移動させると、つまり第4ニップ部開閉動作を行うと、第3仕上げ成形ロール15及び剥がしロール16がと一体となって前後方向に水平往復移動される。
このとき、第1仕上げ成形ロール13と第2仕上げ成形ロール14とは第3油圧シリンダ63によって前後方向の水平相対位置が保持されているので、第3ニップ部23は、第4ニップ部開閉動作の影響を受けることはない。
【0056】
また、第5油圧シリンダ65を伸縮作動させて第3仕上げ成形ロール15に対し剥がしロール16を前後方向に水平往復移動させると、つまり第5ニップ部開閉動作を行うと、剥がしロール16のみ前後方向に水平往復移動される。
このとき、第2仕上げ成形ロール14と第3仕上げ成形ロール15とは第4油圧シリンダ64によって前後方向の水平相対位置が保持されているので、第4ニップ部24は、第5ニップ部開閉動作の影響を受けることはない。
【0057】
<コッター装置の説明>
第1軸受箱41と第2軸受箱42との間、第2軸受箱42と第3軸受箱43との間、第3軸受箱43と第4軸受箱44との間、第4軸受箱44と第5軸受箱45との間及び第5軸受箱45と第6軸受箱46との間には、それぞれロール外周面が互いに接触しないように、また、厚膜シートを過度に押し付けて過大なバンクを造らないようにロール間隙間を調整するコッター装置39が設けられている。
コッター装置39としては、図示による詳細説明は省略するが、例えば、楔状の板をねじ操作で出し入れすることによってロール間隙間を調整できる構成のものが採用される。
ロール軸受34〜38の軸心を結ぶ直線に対し、第2〜第5油圧シリンダ62〜65のシリンダ軸中心線が、左右方向外側に離れた位置にあるとともに、上下方向に離れた位置(偏心量EE)にあるように、第2〜第5油圧シリンダ62〜65を配置する構成としたので、コッター装置39との干渉を確実に避けることができる。
【0058】
次に、タッチ成形ロール11の構造について説明する。
図2には、タッチ成形ロール11を、その中心軸を通る面で切断したときの断面図(
図1に示すA−A線断面図)が示されている。
【0059】
<弾性ロールの説明>
図2に示されるように、タッチ成形ロール11は、弾性を有する薄肉金属体で内周面に雌ねじ状の溝(図示省略)が形成された円筒状の外筒セル71と、外筒セル71の内径よりも小さい外径を有する内筒セル72とを備えてなり、全体の剛性を保つために内筒セル72が外筒セル71よりも厚くされた二重管ロール構造のものである。
【0060】
タッチ成形ロール11は、内周面に雌ねじ状の溝が形成された薄肉の外筒セル71の採用によって幅方向の柔軟性が高められており、シート4を成形するときの荷重で外筒セル71が撓む性質を有し、シート4の端部で厚みが増したシート耳部のような厚さムラに対しても柔軟に変形する所謂「弾性ロール」と称されるものである。
タッチ成形ロール11において、シート流れ方向とその直角方向(シート幅方向)とでは柔軟性が異なり、シート幅方向の柔軟性が特に大きくなっており、シート4とロール面との密着性を高めて幅方向に均等なシート密着性能や均等なシート冷却性能が得られるようにされている。
【0061】
薄膜シートの成形では、シート両端のシート耳部がネックインにより厚くなり、厚さが0.5mm以下のシート4の成形の場合では、シート耳部が2倍程度の厚さになることがある。
この場合、シート4を成形するときの荷重で殆ど撓むことのない性質の剛体ロールでは、シート耳部のみを挟圧することになり、シート中央部分は挟圧不足となる。
これに対し、タッチ成形ロール11に代表されるような弾性ロールでは、シート4を成形するときの荷重で外筒セル71が撓むので、シート4の厚みムラに柔軟に対応して、シート耳部のみならず、シート中央部分を含む全体を均等に挟圧することができる。
【0062】
なお、外筒セル71の内周面に形成された溝の効果で、外筒セル厚さ(t)がロール半径(R)の0.06倍でも十分な弾性を得ることができる。
このため、弾性ロールの定義としては、内周面に溝を有する外筒セル71と溝を有しない外筒セルとを含めて、外筒セル厚さ(t)がロール半径(R)の0.06倍以下(t/R≦0.06(6%))のロールと定めることとする。
【0063】
タッチ成形ロール11においては、ロール本体部11aから両側に突出されたロール軸部73,73´の基端部にフランジ74,74´が一体形成され、フランジ74,74´に外筒セル71及び内筒セル72がそれぞれ溶接結合され、ロール軸部73,73´に装着されたロール軸受33,33´によって回転可能に支承されている。
タッチ成形ロール11の両側に設けられた2つのロール軸部73,73´のうち、一方のロール軸部73´には、モータ75が動力伝達可能に連結されており、タッチ成形ロール11はモータ75の作動によって所定の速度で回転駆動される(当該回転駆動構造は、他の成形ロール12〜15や剥がしロール16についても同様である。)。
なお、タッチ成形ロール11において、モータ75が連結されている側を駆動側とし、該駆動側の反対に位置する側を操作側とする。
【0064】
タッチ成形ロール11には、外筒セル71と内筒セル72との間の空間によって温調液77が流れる流路76cが形成される。
外筒セル71の内周面には、雌ねじ状の溝が形成されているので、例えば、温調液77が冷却媒体である冷却水である場合、冷却水との接触面積が大きくなり、冷却能力が高められる。
なお、図示による詳細説明は省略するが、外筒セル71と内筒セル72との間の空間には、内筒セル72に多重ねじ状に巻き付けるようにスパイラル板が配設されており、温調液77が高速で流れる構造になっている。
【0065】
操作側のロール軸部73には、温調液77を流すための流路76aと、流路76aの周りに流路76eとが形成されている。
流路76aは、操作側のロール軸部73からタッチ成形ロール11の中心を通って駆動側のロール軸部73´に亘って設けられている。
また、駆動側のフランジ74´には、流路76aと流路76cとを連通する流路76bが形成される一方、操作側のフランジ74には、流路76cと流路76eとを連通する流路76dが形成されている。
【0066】
図3は、操作側のフランジ74に平行かつ流路76dの中心を通る面で切断したときのタッチ成形ロール11の断面図(
図2に示すB−B線断面図)である。
図3に示されるように、操作側のフランジ74及び内筒セル72には、6本の流路76dが、フランジ74の中心から外周に向かって形成され、かつ周方向に等角度間隔で設けられており、流路76cと流路76eとが流路76dで連通されている。
なお、駆動側のフランジ74´及び内筒セル72についても、
図3のような詳細図示による説明は省略するが、上記構造と同様の構造で、流路76cと流路76aとが6本の流路76bで連通されている。
【0067】
タッチ成形ロール11の外周の温度制御は、流路76cを流れる温調液77を回流することによって行われる。
温調液77は、例えば、冷水や温水等が用いられ、タッチ成形ロール11の外周を所望の温度にするために流量が調整される。
【0068】
図2に示されるように、温調液77の回流は、まず操作側のロール軸部73に装着されたロータリジョイント78で外部から取り込まれる。
取り込まれた温調液77は、タッチ成形ロール11の中心に設けられた流路76aによって駆動側のロール軸部73´へと流れ、その後、流路76bを介して流路76cへと流入し、外筒セル71の内周面に沿って駆動側から操作側に向かって流れる。
そして、操作側に向かって流れる温調液77は、流路76dから流路76eを介して外部へと排出される。
外部へと排出された温調液77は、温調液77の温度を一定に保つ機能を有する図示されない温調装置に導入される。
【0069】
なお、タッチ成形ロール11で採用される弾性ロール以外に、外筒セルは薄肉でその厚さTとロール外形の半径Rとの比率が0.03≦T/Rで外周面に金属製鏡面クロームメッキを施してなる弾性ロールや、更に厚さの薄い外筒スリーブロール内部に軸心を偏心させたバックアップのゴムロールを内蔵してなる弾性ロールを用いることも可能である。
【0070】
第1の実施形態において、タッチ成形ロール11が上述した弾性ロールであるばかりでなく、第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15も弾性ロールを採用することで(主成形ロール12は剛体ロールを使用)、溶融状態から常温に近い温度で硬くなるまで形態が変化するシート4に対して各ニップ部21〜25でシート接触面積が増してシート押し不足がなくなり、シート4を均一な厚さに成形するのにより適した構成とすることができる。
シート4が薄くなると、樹脂種類にもよるが、例えば、PPで厚さ0.6mm以下では、シート耳部の厚さが増して耳厚となる。
ちなみに、流動性のあるPETでは0.4mm以下でシート耳部の厚さが増して耳厚になる。
各ニップ部21〜25において、成形ロール11〜15の柔軟性がないと、シート4とロール面との密着性が阻害され、幅方向の冷却に不均一な部分が生じてくる。
このために、厚さ0.6mm以下のシート成形の際には、柔軟性のある弾性ロールが有用で有効である。
このことは、厚さ0.6mm以上のシート成形では、製作が容易な剛体ロールで十分有効である。
また、樹脂種類によっては、厚さ0.4mmのシート成形でも、製作が容易な剛体ロールで十分有効である。
【0071】
ニップ部21〜25において、剛体ロールと弾性ロールとを組み合わせる場合と、両方とも弾性ロールを組み合わせる場合がある。
前者の組み合わせの場合の柔軟性を1とすると、後者の組み合わせの場合(両方とも弾性ロール)では、ニップ部21〜25でのシート4に与えるロールの柔軟性はシート両面に作用するので2倍となる。
このことは、後者の組み合わせの場合は、外筒セル71を若干厚くして造ってもよいことになる。
【0072】
タッチ成形ロール11に代表される弾性ロールは、外筒セル71と内筒セル72との間に温調液77を流通させることができるとともに、各セル71,72が金属製であるので、冷却・加熱能力が高いロールである。
また、外筒セル71の内周面に雌ねじ状の溝が形成されているので、ロール内部の温調液77との接触面積が大きく、ロール冷却・加熱能力が高い。
また、外筒セル71の溝により、幅方向の柔軟性が増し、特にシート耳部周辺の厚み変化に柔軟に対応して変形することができ、これによってシート4とロール面との密着性が増し、幅方向の冷却性能が均等になり、ロール冷却能力がよくなるという特徴がある。
なお、外筒セル71において、シート耳部と接触するロール本体部11aの両端部位の内周面のみに溝を設けて、また溝形状をより柔軟性を得るように部分的に変化させて機能強化したロール構造であってもよい。
【0073】
<シート成形装置の成形動作説明>
以上に述べたように構成されるシート成形装置1Aにおいて、シート4の成形は以下のようにして行われる。
図1に示されるように、まず、タッチ成形ロール11と主成形ロール12との間に向けて、図示されない溶融樹脂押出し機からの溶融樹脂をTダイ3で上方向から下向きにシート状に押し出し、第1ニップ部21に導く。
次いで、第1ニップ部21に導かれた溶融状のシート4を、タッチ成形ロール11と主成形ロール12とで挟圧し、挟圧したシート4を主成形ロール12からそれ以降の第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16に順次巻き掛けて送り、第2〜第5ニップ部22〜25において連続的にニップ動作を行い、通常同じ周速で回る成形ロール12〜15及び剥がしロール16からシート4に対しロール幅に均一な圧力を作用させてシート4を一定厚さに成形する。
成形ロール11〜15によって冷却されたシート4は、剥がしロール16で第3仕上げ成形ロール15から剥がされた後、空気中をパスして、いずれも図示省略される補助ロール等で冷却してワインダで巻き取り又はシート切断して、製品シートになる。
【0074】
<成形ロールが大径であることの効果の説明>
タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13は、φ300mmの通常径から比較的大径のロール直径である。
一般の剛体両面タッチ成形ロールは、ロール外形の直径は、φ200mm〜φ600mm(ロール面長1200mm〜5000mm長さ範囲)であり、φ300mm×1400mmLは通常範囲といえる。
図1に示されるシート成形装置1Aにおけるロール配置例は、厚膜シート(例えば、厚さ寸法t=0.6〜数mm厚さシート)を成形する場合に好適である。
一般に、シート成形する場合、表裏のシート表面を均等に等しく繰り返してニップ動作・冷却する方が、シート品質が上がり、また、成形速度が上がるという効果がある。
【0075】
<ロール直径の大径と小径の表現についての説明>
(大径キャスト成形)
成形ロールについて、「大径」なる表現は、例えば、キャストロールφ1500mmは大径で一般にキャストといい、シートに対し一回の巻き付けで、片面から冷却して、片側は水槽の水に漬けて冷やす場合が多い。
また、大径キャストでは、タッチ成形ロールと組み合わせた両面タッチはほぼない。
数ミリ厚さのシートは、この大径キャストと外周面水冷とを2セット直列に組み合わせて、高速(例えば、80m/min)で成形する場合がある。
多くの場合、その後工程で縦横方向にシート延伸してシートを薄くして、延伸フィルムにする。
(無延伸両面タッチ成形(キャストより小径))
成形ロールについて、「小径」なる表現は、例えば、ロール直径φ600mm以下(φ200mm〜φ600mm)のことであり、シートの表裏両面をタッチ加圧成形して、両面艶のあるクリアシートや梨地シートを成形し、通常、使用される成形ロールは2本から3本である。
多くの場合、その後工程で、空気中をパスして、補助ロールで冷却してワインダで巻き取り、そのまま製品シートになる(延伸は不実施)。
【0076】
第1の実施形態のシート成形装置1Aでは、厚膜シートの成形に際してバンクが大きくなりすぎないように、比較的大径の成形ロール11〜13を組み合わせている。
厚膜シートは冷却が遅いので長い冷却面が必要であり、また、厚膜シートは第1ニップ部21等でのバンクが大きくなり易い。
このため、厚膜シートは比較的大径の成形ロール11〜13を組み合わせるのがよい。
厚膜シートは、多段に設けられた成形ロール11〜15で両面冷却されると、冷却速度が顕著に速くなるが、このことについて、以下に詳述することとする。
【0077】
<シート両面冷却と片面冷却の比較の説明>
第1の実施形態のシート成形装置1Aは、多段に設けられた成形ロール11〜15で高速成形するので、バンクを多くのニップ部で生じさせることができ、シート4と成形ロール11〜15との密着冷却距離が長く、しかも成形ロール11〜15によってシート両面が交互に繰り返し冷却される(
図4(a)に示される両面冷却に相当する。)。
【0078】
図4(b)に示されるように、従来の大径の成形ロール101,102,103(
図11(a)参照)によるシート105の冷却では、シート高温部が空気層側のシート表面に偏在してしまうことになる。
これは、空気層からの冷却が少ないのに対し、大径成形ロールによる冷却では、ロール接触面積が長く、しかもロール表面接触熱伝導率が高いため、シート厚さ方向の中央の高温部はシート両面側にゆっくり移動しロール側は冷却されるが空気側は高温を保持することになり、大径成形ロールによる冷却は片面冷却に相当することになる。
【0079】
ちなみに、ロール材料の鉄と、空気との熱伝達係数を比較すると、表1に示されるように、2300倍にもなる。
【0081】
また、シート表面とロール面との接触熱伝達は、薄い空気層の介在や、境界層の流速変化の影響を受けるので、実際の熱伝達量、冷却能力の両面(ロールと空気)の比率は、それを考慮しても空気側とロール側とでは約50倍にもなる。
このことは、冷却の大部分は、ロール側から行われることを意味する。
また、樹脂シート内部の熱移動は、樹脂の熱伝達係数が低いので、厚膜シートは冷却が遅くなる。
【0082】
タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15による冷却(以下、「多段ロール冷却」と称する。)では、シート両面を繰り返し冷却するので、シート4の高温部はシート4の厚み方向中央に存在することになる。
これに対し、従来の大径成形ロール冷却では、前述したように、ロール接触面積が長く、しかもロール表面接触熱伝導率が高いため、実質的に片面から冷却することになるので、シートの高温部はシートにおける空気層と接する表面近くに偏在することになる。
【0083】
このため、
図4(a)及び(b)に示されるように、シート高温部からロール冷却面までの距離hは、無限冷却長さでの両面冷却と片面冷却とでは2倍にもなり、両面冷却ではシート厚さが1/2倍厚さになった場合と同じ冷却能力になるという効果がある。
【0084】
以下の(1)〜(5)の計算条件で計算シミュレーションを行った片面冷却のシート冷却温度差とシート厚さとの関係を
図5のグラフに示す。
<計算条件>
(1)冷却前樹脂シート:PET250℃
(2)冷却時間:2sec
(3)ロール冷却面:鉄メッキ鏡面20℃
(4)速度:20m/min以下
(5)外気温度:20℃
【0085】
上記の計算シミュレーションにおいては、シートをロール面に抱かせて2sec後のシート中心冷却温度差を計算したもので、シート厚さは0.5mm、1mm及び2mmの3種類、樹脂温度は250℃、樹脂種類はPETである。
また、片面は空気面20℃で、シート速度は薄い順で20、10及び5m/minである。
【0086】
図5のグラフに示される結果から明らかなように、薄膜シートほど早く冷却して冷却温度差は、ほぼシート厚さに反比例しており、厚さが2mm程度の厚膜シートでは特に冷却が遅くなる。
図4(b)に示されるように、片面冷却では空気層と接する側の面が最も高温になり、
図4(a)に示されるように、両面冷却ではシート中心が最も高温になり、例として、厚さ2mmの厚膜シートの場合、前述したように、実際には厚さが2mmで厚膜シートであっても、薄膜シートの冷却速度相当の冷却速度となり、冷却が速くなる。
この結果、厚さが1〜2mm以上の厚膜シートでは、両面冷却時においてシート厚さが1/2相当のシートの冷却速度となるので、冷却速度改善が顕著になることが分かり、このことは多段ロール冷却の冷却速度改善が厚膜シートで特に有効であることが分かる。
【0087】
第1の実施形態のシート成形装置1Aにおいて、タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13の直径は、前述したように、いずれもφ300mmである。
このシート成形装置1Aは厚膜シートの成形に用いられて好適なものであるが、例えば、0.6mm以下の薄膜シートでも成形送り速度にもよるがニップ部21〜25でバンクが生じる数は2以上になる。
第2ニップ部22でも樹脂温度が150℃はあり、PETやPPでも樹脂が溶融状態(結晶化温度以上)であり、バンクが生じ、更に厚さが増すとバンク発生箇所は増えて、マルチバンクになる。
特に、空気層と接する側である反ロール側の面での樹脂はより高温を保っており、ロール周速度(シート速度)とシート厚さにもよるが、厚みが0.6mmのPPで、速度20m/min程度において、第2ニップ部22でもバンク形成が確認されている。
ロール周速度(シート速度)が高速になればなるほど温度冷却は緩やかになり、バンク数は増える。
多段ロール冷却では両面冷却に相当し、冷却速度がアップするので、必然的に高速度で運転することになる。
また、成形シートの品質も従来と比べて、例えば、PPシートの透明度がよく、表面の艶もよいという結果が得られている。
【0088】
<多段ロールニップでの空気遮断効果の説明>
図1に示される第1の実施形態のシート成形装置1Aは、タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15の4本以上の成形ロール11〜15によってシート4に対し連続的にニップ動作することが特徴であり、このように多くの成形ロール11〜15を用いて多段で連続的にニップ動作することで、ロール表面とシート4との間に空気層ができないので、ロール冷却能率が上がる。
従来の3本の成形ロール101,102,103を用いたシート成形装置100(
図11(a)参照)と比べて、ロール表面とシート4との間の空気層の介在を格段に少なくすることができる。
空気層の熱伝達係数は、前述したように、鉄の2300倍もあるので、たとえ厚さ10μmの空気層でさえも、厚さ23mmの鉄材の熱抵抗に相当し、大きな熱遮断層になり、多くの成形ロール11〜15を用いた多段連続ニップ動作によってそのような空気層の巻き込みを遮断することにより、高冷却性能を得ることができる。
【0089】
<水平多段ロール配置での薄膜シート成形の説明>
厚さが0.6mm以下の薄膜シートは、タッチ成形ロール11及び主成形ロール12による冷却が速く、これらの成形ロール11,12にシート両面を同時に接触させることが必要である。
図1に示されるように、第1の実施形態のシート成形装置1Aでは、Tダイ3が下向きに溶融状のシート4を押し出し、Tダイ3の下方で水平に平行配置されているタッチ成形ロール11及び主成形ロール12が、Tダイ3から流下される溶融状のシート4を挟むように受け止める構成とされているので、薄膜シートでも両成形ロール11,12が同時に接触するようにニップ動作してシート成形することができる。
また、バンク形成の監視や、第1ニップ部21に対する溶融状のシート4の落とし込みに際して角度を付すことが容易になり、バンク発生面を調整することができる。
特許文献4に係るシート成形装置120(
図11(c)参照)のような溶融状のシートを横方向から供給する構成のものでは、溶融状のシートが重力で垂れ下がり、先に第2ロール122と接触する片面から冷却が始まり、両面均等の冷却ができないので、薄膜シートの成形が困難であるとともに、バンク形成の監視などがやりにくい。
【0090】
<効果の説明>
図1に示される第1の実施形態のシート成形装置1Aにおいては、シート4の成形に用いられる成形ロール11〜15が、従来のシート成形装置100(
図11(a)参照)が3本であるのに対し4本以上の5本とされる。
これにより、成形ロール11〜15によるシート4の冷却距離を増加させることができる。
【0091】
また、従来のシート成形装置100よりも多い第1〜第5ニップ部21〜25でニップ動作が連続的に行われる。
これにより、成形ロール11〜15とシート4との間に空気層を介在させないで両者を密着させた状態とすることができるので、シート4の熱が成形ロール11〜15に伝わり易くなって冷却効率を向上させることができる。
【0092】
また、成形ロール11〜15によるシート4の表面及び裏面に対する冷却回数が、シート4の表面側が2回、裏面側が3回であり、従来のシート成形装置100ではシート105の表面側が1回、裏面側が2回であるのと比べて、シート4に対する表裏両面の冷却繰り返し回数を増加させることができて、成形ロール11〜15とシート4とのトータルでのロール接触時間をシート表面側と裏面側とで同程度とすることができる。
これにより、シート4の高温部が厚み方向の中央にあることになり、実質的なシート厚さが、片面冷却の場合の1/2程度の厚さの薄膜シートに換算される。
【0093】
したがって、第1の実施形態のシート成形装置1Aによれば、成形ロール11〜15とシート4との密着冷却距離を従来のシート成形装置100(
図11(a)参照)よりも増加させることができるとともに、シート4の表裏両面を均等に冷却することができるので、トータルの冷却能力を格段に向上させることができるとともに、従来のシート成形装置100よりも多い3回以上のニップ動作によってシート面の艶や透明度を上げることができるので、冷却が遅い厚膜シート(例えば、厚さ寸法t=0.6mm以上のシート)でも高速・高品質で成形することができる。
【0094】
また、第1の実施形態のシート成形装置1Aにおいては、タッチ成形ロール11と主成形ロール12との間の第1ニップ部21に対し溶融状のシート4を上方から下向きに供給してタッチ成形ロール11と主成形ロール12とで挟圧する構成とされる。
薄膜シート(例えば、厚さ寸法t=0.1〜0.6mm以下)は冷却が速いため、シート両面をタッチ成形ロール11及び主成形ロール12に同時に接触させることが冷却を均一に行う上で重要であるが、上記の溶融状シートの供給方式の採用により、タッチ成形ロール11及び主成形ロール12にシート両面を同時に安定的に接触させることができる。
また、従来のシート成形装置100(
図11(a)参照)と比べてより高速化しても、従来のシート成形装置100よりも多い3回以上のニップ動作によってシート面の艶や透明度を上げることができる。
したがって、冷却が速い薄膜シートでも高速・高品質で成形することができる。
【0095】
また、樹脂材料が高温で柔らかい状態で第1〜第5ニップ部21〜25を通過することで、両面均等な熱履歴が得られ、シート両面の結晶性、残留応力などが均等になり、冷却後のカールや変形などが少なく、またシート物性が両面均等になる。
【0096】
上記のような溶融状シートの供給方式によれば、架台2に取り付けられたジャッキ9の昇降動作によってTダイ3に対する第1ニップ部21との高さ方向の相対距離を調整し、タッチ成形ロール11と主成形ロール12との間を開き、第1ニップ部21を開放した状態で、第1ニップ部21に対しTダイ3から溶融状のシート4を供給し、ニップ動作、シート成形開始までの作業時間が短くて済むという利点がある。
また、シート成形中のシート成形の挙動、バンクの大きさや、バンクの有無などの監視、エアギャップ(Tダイ3から第1ニップ部21までの距離)の調整などの運転条件の操作や管理などがやり易い。
【0097】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る多段ロール式のシート成形装置について、該シート成形装置の構成を模式的に示す
図6の側面図を用いて説明する。
なお、第2の実施形態において、先に述べた第1の実施形態と同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第2の実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
また、説明の都合上、コッター装置39は図示省略する(後述する第3〜第6の実施形態においても同様)。
【0098】
第2の実施形態のシート成形装置1Bにおいては、タッチ成形ロール11及び主成形ロール12の軸心の高さ位置と、第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16の軸心の高さ位置とに段差(以下、この段差量を「偏心量e」と称する。)を持たせて、
図6で例示されている態様では、タッチ成形ロール11及び主成形ロール12の軸心の高さ位置に対し、第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16の軸心の高さ位置が低くなるように成形ロール11〜15及び剥がしロール16が配設されている。
なお、符号17にて示されるものは、剥がしロール16からの送られてくるシート4を下流側へと案内するためのガイドローラである。
【0099】
また、ベースフレーム5に対し後段側レール支持フレーム7が固定状態で設置されておらず、ベースフレーム5の上方に後段側レール支持フレーム7が配設されており、ベースフレーム5と後段側レール支持フレーム7との間には、前後方向に所定間隔を設けて所要(本例では1つの後段側レール支持フレーム7に対し前後に1個ずつ合計2個、シート成形装置1Bの1基あたりの総数が4個)のジャッキ80が配設されており、これらジャッキ80は図示されないモータ減速機等で動力伝達可能に連結されて同期駆動されるようになっている。
なお、ジャッキ80は、第2ニップ部22でのニップ動作時の反力を受けて耐えることができるように十分な強度を持たせている。
【0100】
ジャッキ80は、第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16を上下方向に移動させる昇降駆動手段として機能し、ジャッキ80の作動で後段側レール支持フレーム7を昇降させて第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16を同時に上下方向に移動させることにより、偏心量eを調整することができるようになっている。
このような構成にすることで、主成形ロール12と第1仕上げ成形ロール13との間に設けられる第2ニップ部22の位置を上下に移動させることができ、主成形ロール12の軸心と第1仕上げ成形ロール13の軸心とを結ぶ傾斜ラインL
1と、主成形ロール12の軸心を通る水平ラインL
2とがなす角度α(以下、「シート受渡し角度α」と称する。)を、水平ラインL
2から上方域を負(−)、下方域を正(+)と定義した場合、本例では、例えば、−30°〜50°の範囲で調整することができる。
これにより、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13に対するシート巻き角度(180°−α)も180°前後に小さく、又は大きくなり、成形ロール12,13による密着冷却距離を調整することができる。
【0101】
シート受渡し角度α>50°とすると、第1仕上げ成形ロール13の水平押し力に比べて、ニップ圧(ロール中心方向の分力)の力が極端に大きくなり、ニップ圧が不安定になるとともに、第1仕上げ成形ロール13の水平位置が、シート厚さの変動に応じて水平方向に追従しなくなる。
したがって、シート受渡し角度α≦50°に設定している。
シート受渡し角度αを水平ラインL
2から上方域(負領域)に向けて角度の絶対値を大きくすればそれに比例してシート巻き角度(180°−α)が大きくなる。
多段ロール方式の採用でロール冷却面積が元々大きいことから主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13のシート抱き角度をあまり大きくする必要はないことと、シート巻き角度が大きければ冷却能力が増して、例えば、1mm以上の厚膜シートではシート巻き角度が大きい方が有効であることとのバランスを図って、シート受渡し角度α≧−30°に設定されている。
【0102】
<作用効果の説明>
第2の実施形態のシート成形装置1Bによれば、第1の実施形態のシート成形装置1Aと同様の作用効果を得ることができるのはいうまでもない。
さらに、第2の実施形態のシート成形装置1Bによれば、ジャッキ80の作動で第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16を上下方向に移動させてシート受渡し角度αを−30°〜50°の範囲で調整することによって、シート巻き角度(180°−α)が調整されて成形ロール12,13による密着冷却距離を調整することができる。
特に薄膜シートは冷却が速いので、成形ロール12,13による密着冷却距離は短くてもよく、薄膜シートでも高速度にしてマルチバンクを形成することができる。
また、シート4の種類や厚さ等に応じて成形条件の幅が広がり、例えば、PP、PE等の結晶性樹脂は特に透明性、表面艶、屈折率などシート品質に敏感なので、上記のシート巻き角度調整機能が、成形条件の変化に対応する上で重要な調整機能になる。
【0103】
シート成形装置1Bにおいても、多段ロール方式が採用されているので、ロール冷却面積が元々大きいことから、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13のシート巻き角度をあまり大きくする必要はないが、厚膜シートは冷却しにくので、厚膜シートを成形する場合、シート巻き角度を大きくして冷却能力を高めることによって、厚膜シートでも効果的に冷却することができ、例えば、1mm以上の厚膜シートではシート受渡し角度αを−30°程度として、シート巻き角度を210°程度にすれば冷却能力が有効に働く。
【0104】
光学用シートは、透明性、表面艶、屈折率などシート品質を厳格に調整する必要があるので、上記のシート巻き角度調整機能が有用になる。
一般に結晶性樹脂(PP、PE等)は140℃前後で結晶化が始まり、その前後のロール冷却温度やシート冷却速度が屈折率、透明性など光学的性質に大きく影響を与える。
この結晶化の温度と幅は各樹脂材料メーカで異なるため、これ対応する上で上記のシート巻き角度調整機能が有効であるといえる。
【0105】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る多段ロール式のシート成形装置について、該シート成形装置の構成を模式的に示す
図7の側面図を用いて説明する。
なお、第3の実施形態において、先に述べた各実施形態と同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第3の実施形態に特有の部分を中心に説明することとする(後述する第4〜第6の実施形態についても同様)。
【0106】
第3の実施形態のシート成形装置1Cにおいては、第1の実施形態のシート成形装置1A(
図1参照)における第3仕上げ成形ロール15及び剥がしロール16が省略されている。
また、主成形ロール12のロール直径が第1仕上げ成形ロール13のロール直径よりも小さく(好ましくは寸法比0.5〜0.8)され、タッチ成形ロール11、第1仕上げ成形ロール13及び第2仕上げ成形ロール14のロール直径は同じとされている。
具体的には、タッチ成形ロール11、第1仕上げ成形ロール13及び第2仕上げ成形ロール14のロール直径がいずれもφ300mmであるのに対し、主成形ロール12のロール直径はφ200mmとされている。
これは、多段ロール方式で高速かつ連続的にニップ動作する場合において、主成形ロール12のロール直径をあえて小さく設定することで、意図的に冷却距離・時間を部分的に短くして、複数のニップ部21〜23でのバンク発生数を増やすためである。
なお、タッチ成形ロール11が大径なのは、第1ニップ部21の長さを増やして、タッチ成形ロール11側の冷却長さを伸ばすためである。
また、バンクは、ロール直径が増すと生じにくいが、主成形ロール12が小径なので、タッチ成形ロール11を大径にしている。
【0107】
<作用効果の説明>
第3の実施形態のシート成形装置1Cによれば、主成形ロール12のロール直径を小さく設定することによって、冷却距離・時間が部分的に短くなって樹脂温度が高い状態に保たれるので、冷却が速い薄膜シート及び冷却が遅い厚膜シートの成形時において複数のニップ部21〜23で発生するバンク数を増加させることができ、多段ロール方式による連続ニップ動作によってシート表面の艶や透明度をより向上させることができる。
【0108】
第3の実施形態のシート成形装置1Cでは、主成形ロール12のロール直径は小径でφ200mmであり、タッチ成形ロール11、第1仕上げ成形ロール13及び第2仕上げ成形ロール14のロール直径はいずれもφ300mmである。
これに対し、従来のシート成形装置100では、タッチ成形ロール101、主成形ロール102及び仕上げ成形ロール103のロール直径はいずれもφ300mmである。
このためシート成形装置1Cにおいて、主成形ロール12と第1仕上げ成形ロール13との間の冷却長さは従来のシート成形装置100の2/3程度となり、冷却長さが短い分、第2ニップ部22では、樹脂温度が従来よりも高く、第1ニップ部21及び第2ニップ部22の少なくとも2箇所でバンクを確実に形成することができる。
【0109】
特に、シート4における成形ロール接触面との反対側の空気層接触面側では、より高温に保たれているため、ロール周速度(シート送り速度)とシート厚さとにもよるが、例えば、厚さ0.4mmのPPシートで、速度が20m/min程度の場合、第3の実施形態のシート成形装置1Cでは、第2ニップ部22でもバンク形成が確認されているが、従来のシート成形装置100では、バンク形成が確認されていない。
また、第3の実施形態のシート成形装置1Cで成形したシート4は、従来のシート成形装置100で成形したシート105と比べて、透明度がよく、表面の艶もよいという結果が得られた。
【0110】
なお、上記のような効果は、第1仕上げ成形ロール13のロール直径に対し主成形ロール12のロール直径を0.5〜0.8の比率にするのが好適である。
比率が0.5より小さい場合では、ロール強度が不足し、また厚膜シートでのバンクが大きくなりすぎて、バンクマークなどのシート面不良が発生し易く、実用的ではない。
一方、比率が0.8を超えると、ロール小径化の効果を十分に得ることができない。
【0111】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る多段ロール式のシート成形装置について、該シート成形装置の構成を模式的に示す
図8の側面図を用いて説明する。
【0112】
第1の実施形態のシート成形装置1A(
図1参照)においては、タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13のロール直径が同径で比較的大きく設定されているのに対し、第4の実施形態のシート成形装置1Dにおいては、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13のロール直径が同径で比較的小さく設定され、タッチ成形ロール11、第2仕上げ成形ロール14及び第3仕上げ成形ロール15の直径が同径で比較的大きく設定されている。
具体的には、タッチ成形ロール11、第2仕上げ成形14ロール及び第3仕上げ成形ロール15のロール直径はいずれもφ300mmであるのに対し、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13のロール直径はφ200mmとされている。
【0113】
<作用効果の説明>
第4の実施形態のシート成形装置によれば、第1〜第3ニップ部21〜23までの冷却長さが部分的により短くされるので、第1ニップ部21、第2ニップ部22及び第3ニップ部23の少なくとも3箇所でバンクを確実に形成することができ、第3の実施形態のシート成形装置1Cよりもバンク発生数を増やすことができる。
このため、シート厚さが薄く(例えば、厚さが0.6mm以下)、バンクが形成されにくいシート厚さでも、バンク数を増やして、シート品質向上と高速化を達成することができ、また、厚さが0.6mm以上の厚膜シートでもバンク数を増やして、シート品質を向上させることができる。
【0114】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る多段ロール式のシート成形装置について、該シート成形装置の構成を模式的に示す
図9の側面図を用いて説明する。
【0115】
第5の実施形態のシート成形装置1Eは、第2の実施形態のシート成形装置1B(
図6参照)における主成形ロール12を第1の仕上げ成形ロール13よりも小さなロール直径に設定するとともに、第2の実施形態のシート成形装置1Bにおける第2仕上げ成形ロール14及び第3仕上げ成形ロール15を第1の仕上げ成形ロール13と同じロール直径に設定した態様例である。
第5の実施形態のシート成形装置1Eにおいては、ジャッキ80の作動による第1〜第3の仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16の上下方向の移動により、シート受渡し角度αを0°〜50°の範囲で調整可能とされている。
【0116】
<作用効果の説明>
第5の実施形態のシート成形装置1Eによれば、第2の実施形態のシート成形装置1Bと同様に、ジャッキ80の作動で第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16を上下方向に移動させてシート受渡し角度αを本例では0°〜50°の範囲で調整することによって、シート巻き角度(180°−α)が調整されて主成形ロール12と第1仕上げ成形ロール13とによる密着冷却距離を調整することができるとともに、第3の実施形態のシート成形装置1C(
図7参照)と同様に、第1ニップ部21から第2ニップ部22までの冷却長さが部分的により短くされるので、第1ニップ部21及び第2ニップ部22の少なくとも2箇所でバンクを確実に形成することができてバンク発生数を増やすことができ、第2の実施形態と第3の実施形態との両方の効果を得ることができる。
【0117】
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態に係る多段ロール式のシート成形装置について、該シート成形装置の構成を模式的に示す
図10の側面図を用いて説明する。
【0118】
第6の実施形態のシート成形装置1Fは、第5の実施形態のシート成形装置1E(
図9参照)における第1仕上げ成形ロール13のロール直径を主成形ロール12のロール直径と同径で第2仕上げ成形ロール14のロール直径よりも小さく設定した態様例である。
【0119】
第6の実施形態のシート成形装置1Fによれば、第5の実施形態のシート成形装置1Eと同様の作用効果が得られるのは勿論のこと、第1ニップ部21〜第3ニップ部23までの冷却距離を部分的により短くすることができるので、第5の実施形態のシート成形装置1Eよりもバンク数確保の範囲を広げることができる。
【0120】
以上、本発明の多段ロール式のシート成形装置について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0121】
上記各実施形態において、すべての成形ロール11〜15を剛体ロール又は弾性ロールとしてもよい。
シート厚さ0.4mm以上ではシート樹脂材料にもよるが、すべての成形ロール11〜15を剛体ロールとしても良好にシート成形することができる。
一方、すべての成形ロール11〜15を弾性ロールにすることで、シート4と成形ロール11〜15との密着性がより向上して、シート冷却が幅方向で均一になり、冷却性能も上がり、成形速度向上に繋がり、生産性の向上を達成することができる。
【0122】
上記各実施形態において、隣り合う2本の成形ロール11,12;12,13;13,14;14,15のうち一方を弾性ロール、他方を剛体ロールとして交互に配置するようにしてもよい。
【0123】
弾性ロールとして、二重管ロール構造で、薄肉外筒厚さをロール半径の0.03倍以下にした構成のものを採用してもよい。
【0124】
第1及び第2の実施形態、並びに第4〜第6の実施形態においては、仕上げ成形ロール13〜15を3本設ける例を示したが、2本でもよく、勿論4本以上設けてもよい。
【0125】
第1及び第2の実施形態において、タッチ成形ロール11、主成形ロール12及び第1仕上げ成形ロール13のロール外径がφ300mm、第2及び第3仕上げ成形ロール14,15のロール外径がφ250mm、ロール面長がいずれの成形ロールも1400mmである例を示したが、その他の実施形態も含め、ロール外径は適宜に設定すればよく、例えば、ロール外径を大きくすることで厚膜シートをより高速度で成形でき、ロール面長も必要なシート幅に応じて適宜に設定すればよい。
【0126】
成形ロール11〜15や剥がしロール16を水平移動させるスライド駆動手段として、油圧シリンダ61〜65を用いる例を示したが、他の方式として、エアシリンダや、ボールねじを用いた電動式の直動アクチュエータなどを採用してもよい。
【0127】
第2〜第5油圧シリンダ62〜65のシリンダ軸心の高さ位置は、第1〜第3仕上げ成形ロール13〜15及び剥がしロール16の軸心の高さ位置から下方に偏心量EEを隔てた位置ですべて一致させた例を示したが、上下方向や左右方向にずらして各油圧シリンダ62〜65を配置してもよい。
【0128】
成形ロール11〜15のいずれかは彫刻ロール、梨地ロールであってもよい。